JP4112994B2 - 工事道路における安全誘導のための道路標識方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路工事等を行う際に、工事区域の周囲に設置して、歩行者や車両による運転者に対して工事中であることを表示すると同時に、歩行ないし走行可能な安全通路の確保とその方向表示とを行うようにした、工事道路における安全誘導のための道路標識方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の工事中の道路標識方法としては、運搬の便宜性や設置状態の安定性および安全性並びに歩行者や車両による走行者に対する表示効果等の観点から、中空円錐状の本体と、この本体の底縁部外周に延在するフランジ部とからなり、前記本体とフランジ部とを樹脂材料等によって一体的に成形した工事用道路標識が、一般的に知られている。
【0003】
特に、このような工事用道路標識は、道路の工事中を表示することから、前記工事用道路標識は、交通信号上の危険色を示す赤色の着色樹脂材料で一体的に成形され、一般にカラーコーン(登録商標)と称されている。そして、この種のカラーコーンは、夜間での使用効果を得るために、カラーコーンの中空内部に照明装置を付設して、適宜発光するように構成したものも知られている(特許文献1参照)。
【0004】
また、このような工事用道路標識においては、工事中の場所を区画設定する機能のみならず、歩行者や車両等による走行者に対して、安全に歩行ないし走行し得る通路を案内指示する機能を有するものである。このような観点から、従来においては、自動車誘導用の矢印板を道路標識用コーンに旋回可能に装着した構成からなるものも提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特公平6−5601号公報(発明の詳細な説明全般、第1〜6図)。
【特許文献2】
特開2000−160521号公報(特許請求の範囲の請求項1、発明の詳細な説明全般、図1〜4)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の工事用道路標識では、特に遠方から確認できない場所や夜間等において、車両等による運転者が、その走行中において工事用道路標識を、接近した位置で確認し得るような時には、走行を禁止される側と、安全に走行し得る側とを、咄嗟に判断ないし認識することができない場合がある。このような場合、車両等の運転者にとっては、運転ミスを生じ易く、工事用道路標識に接触ないし衝突してこれを倒壊破損し、道路標識の機能を消失させたり、さらには工事中の危険な場所に突入して、運転者の生命に危険を及ぼしたりする等、交通安全上において解決すべき問題点を有している。
【0007】
そこで、本発明者は、鋭意検討並びに工夫を重ねた結果、中空円錐状の本体と、この本体の底縁部外周に延在するフランジ部とからなり、前記本体とフランジ部とを樹脂材料等によって一体的に成形して工事用道路標識を構成する場合において、前記本体を縦方向に2等分して、その一方の半円錐状部分を、交通信号上の安全色を示す青色で表示すると共に、他方の半円錐状部分を、交通信号上の危険色を示す赤色で表示した道路標識を使用することにより、道路の工事中の区域側と、安全に歩行ないし走行し得る通路側とを、同時に表示して、一見して迅速かつ容易に判別することができる工事道路等における安全誘導のための道路標識とすることができることを突き止めた。
【0008】
従って、本発明の目的は、道路上における工事中の道路等の標識方法において、危険な工事区域の設定とその表示を行うと同時に、安全に歩行ないし走行し得る通路の確保とその方向表示を行って、これ等の状態を歩行者や運転者が容易かつ迅速に判別することができるようにした工事道路における安全誘導のための道路標識方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の工事道路における安全誘導のための道路標識方法は、透光性樹脂材料からなる中空円錐状の本体と、この本体の底縁部外周に延在するフランジ部とからなり、前記本体に対し直接またはカバー部材を設けて、その一方の半円錐状部分に対応する部分を交通信号上の安全色を示す青色で着色表示すると共に、他方の半円錐状部分に対応する部分を交通信号上の危険色を示す赤色で着色表示し、前記本体の中空内部に照明装置を配設して両着色を同時に発光ないし表示するように構成してなる道路標識を使用する工事道路における道路標識方法であって、
工事中の道路の工事区域に対し、対向する通路のそれぞれ工事区域側に沿って、前記道路標識の複数個を所要の間隔を持って順次並べて配置し、工事区域側に対して前記道路標識の赤色表示面を指向させると共に、それぞれ対向する歩行ないし走行を可能とする前記工事区域外の通路側に対して前記道路標識の青色表示面を指向させるように設定し、前記各道路標識の赤色および青色の両着色を同時に発光ないし表示させて、対向する通路の昼夜における工事区域の表示と共に、安全な歩行ないし走行を可能とする通路へ誘導するための表示を行うことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る工事道路における安全誘導のための道路標識方法の実施例につき、添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
【0011】
図1ないし図3は、本発明に係る工事道路における安全誘導のための道路標識方法に使用する道路標識の一実施例を示すもので、図1は正面図、図2は平面図、図3は縦断面図である。すなわち、本実施例の道路標識10は、中空円錐状の本体12と、この本体12の底縁部外周に延在するフランジ部14とからなり、前記本体12とフランジ部14とを樹脂材料等によって一体的に成形することができる。そして、本実施例の道路標識10においては、前記本体12を縦方向に2等分し、その一方の半円錐状部分12Aを交通信号上の安全色を示す青色で表示すると同時に、他方の半円錐状部分12Bを交通信号上の危険色を示す赤色で表示するように構成する。
【0012】
この場合、前記本体12の一方の半円錐状部分12Aには青色の着色樹脂材料を使用し、他方の半円錐状部分12Bには赤色の着色樹脂材料を使用して、前記フランジ部14と共に一体成形により構成する。なお、フランジ部14においても、前記本体12と同様にして、それぞれ着色樹脂材料を使用して一体成形することも可能である。
【0013】
図3は、本発明において使用する道路標識の別の実施例を示すものである。本実施例においては、中空円錐状の本体12とフランジ部14とを樹脂材料等によって一体的に道路標識10′を成形し、この道路標識10′の前記本体12に対応して縦方向に2等分し、その一方の半円錐状部分に対応する部分16Aを交通信号上の安全色を示す青色で着色すると共に、他方の半円錐状部分に対応する部分16Bを交通信号上の危険色を示す赤色で着色した樹脂シート等からなるカバー部材16を設けて、この着色カバー部材16を前記本体12に被着するように構成したものである。
【0014】
このように構成した本実施例の道路標識は、従来において一般に使用されている工事用道路標識に適用して、本発明に係る道路標識とすることができるため、製造コストを低減することができる利点がある。
【0015】
図5は、本発明において使用する道路標識のさらに別の構成例を示すものである。すなわち、本実施例においては、道路標識10の中空円錐状の本体12を透光性樹脂材料により構成し、この本体12の中空内部に照明装置20を配設して発光するように構成したものである。なお、前記本体12の中空内部への照明装置20の設置に際しては、例えば図示のように、フランジ部14の内側に照明ランプ等を指示する基板を取り付け、この基板を介して適宜照明ランプ等の電源との接続を行うように構成することができる。このように構成した本実施例の道路標識は、夜間等において発光させることにより、道路標識の迅速かつ適正な判別を容易にすることができる利点がある。
【0016】
図6は、前述した工事用道路標識を使用して実施する本発明に係る工事道路における安全誘導のための道路標識方法の一実施例を示すものである。すなわち、本実施例においては、道路の工事中の区域を設定するため、前記実施例に係る道路標識10を多数使用して、それぞれ工事中の区域を囲繞するように並列配置したものである。この場合、各道路標識10は、それぞれ本体12について、工事中の区域側に対しては赤色に着色した半円錐状部分12Bを指向させると共に、安全に歩行ないし走行し得る通路側に対しては青色に着色した半円錐状部分12Aを指向させるように設定する。すなわち、本実施例においては、工事中の道路の工事区域に対し、対向する通路のそれぞれ工事区域側に沿って、前記道路標識の複数個を所要の間隔を持って順次並べて配置し、工事区域側に対して前記道路標識の赤色表示面を指向させると共に、それぞれ対向する歩行ないし走行を可能とする前記工事区域外の通路側に対して前記道路標識の青色表示面を指向させるように設定し、前記各道路標識の赤色および青色の両着色を同時に発光ないし表示させて、対向する通路の昼夜における工事区域の表示と共に、安全な歩行ないし走行を可能とする通路へ誘導するための表示を行うように設定したものである。
【0017】
このように本実施例によれば、歩行者や車両等による運転者は、突然に工事中の区域に対面した場合においても、前述したような道路標識10の色分け配置によって、工事中の区域側と、安全に歩行ないし走行し得る通路側とを、それぞれ迅速かつ容易に判別して、図示の矢印方向へ直ちに進行することが可能となり、交通安全のより一層の向上を図ることができる。
【0018】
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内において種々の設計変更を行うことができることは勿論である。
【0019】
【発明の効果】
前述した実施例から明らかな通り、本発明に係る道路標識方法によれば、視認し易い形状で簡便な構成からなる道路標識を使用して昼夜における工事中の道路において、工事区域側を赤色による着色表示とすると共に、安全に歩行ないし走行し得る通路側を青色による着色表示として、前記両方の着色を同時に表示させて、安全に歩行ないし走行し得る通路の確保とその方向表示とを、容易かつ迅速に判別することが可能となり、工事道路における安全誘導を適切かつ有効に達成することができると共に、交通安全に寄与する効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る道路標識方法に使用する道路標識の一実施例を示す正面図である。
【図2】 図1に示す道路標識の平面図である。
【図3】 図2に示す道路標識のA−A線断面図である。
【図4】 本発明に係る道路標識方法に使用する道路標識の別の実施例を示す概略斜視図である。
【図5】 本発明に係る道路標識方法に使用する道路標識のさらに別の実施例を示す概略断面図である。
【図6】 本発明に係る工事道路における安全誘導のための道路標識方法の一実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
10、10′ 道路標識
12 本体
12A 半円錐状部分(青色表示)
12B 半円錐状部分(赤色表示)
14 フランジ部
16 着色カバー部材
16A 半円錐状部分に対応する部分(青色表示)
16B 半円錐状部分に対応する部分(赤色表示)
20 照明装置
Claims (1)
- 透光性樹脂材料からなる中空円錐状の本体と、この本体の底縁部外周に延在するフランジ部とからなり、前記本体に対し直接またはカバー部材を設けて、その一方の半円錐状部分に対応する部分を交通信号上の安全色を示す青色で着色表示すると共に、他方の半円錐状部分に対応する部分を交通信号上の危険色を示す赤色で着色表示し、前記本体の中空内部に照明装置を配設して両着色を同時に発光ないし表示するように構成してなる道路標識を使用する工事道路における道路標識方法であって、
工事中の道路の工事区域に対し、対向する通路のそれぞれ工事区域側に沿って、前記道路標識の複数個を所要の間隔を持って順次並べて配置し、工事区域側に対して前記道路標識の赤色表示面を指向させると共に、それぞれ対向する歩行ないし走行を可能とする前記工事区域外の通路側に対して前記道路標識の青色表示面を指向させるように設定し、前記各道路標識の赤色および青色の両着色を同時に発光ないし表示させて、対向する通路の昼夜における工事区域の表示と共に、安全な歩行ないし走行を可能とする通路へ誘導するための表示を行うことを特徴とする工事道路における安全誘導のための道路標識方法。
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- 2003-01-24 JP JP2003015834A patent/JP4112994B2/ja not_active Expired - Lifetime
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