JP4112444B2 - 電子写真感光体、及びそれを用いた電子写真方法、電子写真装置、電子写真装置用プロセスカートリッジ、電子写真感光体製造方法 - Google Patents

電子写真感光体、及びそれを用いた電子写真方法、電子写真装置、電子写真装置用プロセスカートリッジ、電子写真感光体製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高耐久性を有し、かつ高画質化を実現した電子写真感光体に関する。また、それらの感光体を使用した電子写真方法、電子写真装置、電子写真用プロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展には目覚ましいものがある。特に、情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行なうレーザープリンタやデジタル複写機は、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。さらに、それらは高速化技術との融合によりフルカラー印刷が可能なレーザープリンタあるいはデジタル複写機へと応用されてきている。そのような背景から、要求される感光体の機能としては、高画質化と高耐久化を両立させることが特に重要な課題となっている。
【0003】
これらの電子写真方式のレーザープリンタやデジタル複写機等に使用される感光体としては、有機系の感光材料を用いたものが、コスト、生産性及び無公害性等の理由から一般に広く応用されている。有機系の電子写真感光体には、ポリビニルカルバゾール(PVK)に代表される光導電性樹脂、PVK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダ−に代表される顔料分散型、そして電荷発生物質と電荷輸送物質とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが知られている。
【0004】
これらの各種の感光体の中でも、感度、耐久性に優れ、更に電荷発生物質、電荷輸送物質を個別に分子設計できる等の理由により機能分離型積層感光体が現在のOPC感光体における主流の層構成となっている。
【0005】
機能分離型の感光体における静電潜像形成のメカニズムは、感光体を帯電した後光照射すると、光は電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質により吸収され電荷を生成する。それによって発生した電荷が電荷発生層及び電荷輸送層の界面で電荷輸送層に注入され、さらに電界によって電荷輸送層中を移動し、感光体の表面電荷を中和することにより静電潜像を形成するものである。
【0006】
しかし、有機系の感光体は、繰り返し使用によって膜削れが発生しやすく、感光層の膜削れが進むと、感光体の帯電電位の低下や光感度の劣化、感光体表面のキズなどによる地汚れ、画像濃度低下あるいは画質劣化が促進される傾向が強く、従来から感光体の耐摩耗性が大きな課題として挙げられていた。さらに、近年では電子写真装置の高速化あるいは装置の小型化に伴う感光体の小径化によって、感光体の高耐久化がより一層重要な課題となっている。
【0007】
感光体の高耐久化を実現する方法としては、感光体の最表面に保護層を設け、その保護層に潤滑性を付与したり、硬化させたり、フィラーを含有させる方法が広く知られている。特に、保護層にフィラーを含有させる方法は、感光体の高耐久化に対して有効な方法の一つである。しかし、電気絶縁性の高いフィラーを含有させた場合には、抵抗が高くなり、残留電位の上昇が顕著に見られる。これらの残留電位上昇は、フィラーが含有されていることによって引き起こされる抵抗の増加や電荷トラップサイトの増加による影響が大きい。一方、導電性フィラーを用いた場合には、抵抗が低下し、残留電位の上昇の影響が比較的小さいが、画像の輪郭がぼやける、所謂画像ボケが発生し、画像品質への影響が強く現れる。
【0008】
したがって、従来技術では絶縁性の高いフィラーは使用しにくく、比較的残留電位の影響が少ない絶縁性の低いフィラーを用い、それによって発生する画像ボケに対しては、感光体を加熱するドラムヒータを搭載する手段が用いられている。感光体を加熱することによって画像ボケの発生は抑制できるものの、ドラムヒータを搭載するには感光体の径が大きくなければならないため、電子写真装置の小型化に伴って、現在主流となりつつある小径感光体には適用できず、小径感光体の高耐久化が困難とされてきた。さらに、ドラムヒータの搭載によって装置が大型にならざるを得ず、消費電力が顕著に増加する上、装置の立ち上げ時には多くの時間を要する等、多くの課題を残しているのが実状であった。
【0009】
一方、絶縁性の高いフィラーを用いた場合に多く見られる残留電位の増加は、電子写真装置内では明部電位が高いことにつながり、画像濃度や階調性の低下を招くことになる。それを補うためには暗部電位を高くする必要があるが、暗部電位を高くすると電界強度が高くなり、地肌汚れ等の画像欠陥を生じさせるだけでなく、感光体の寿命をも低下させることにつながる。
【0010】
従来技術において残留電位上昇を抑制させる方法としては、特許文献1〜3に保護層を光導電層とすることが開示されている。しかし、保護層による光の吸収によって感光層へ到達する光量が減少するため、感光体の感度が低下する問題が生じ、その効果はわずかであった。
【0011】
それに対して、特許文献4には、フィラーとして含有される金属あるいは金属酸化物の平均粒径を0.3μm以下にすることによって、保護層が実質的に透明となり、残留電位蓄積を抑制することが開示されている。この方法は残留電位の増加を抑制する効果は認められるものの、その効果は不充分であり、課題を解決するには至っていないのが実状である。それは、フィラーを含有させた場合に引き起こされる残留電位の増加は、電荷発生効率よりもフィラーの存在による電荷トラップやフィラーの分散性に起因する可能性が高いことによる。フィラーの平均粒径が0.3μm以上であっても分散性を高めることによって透明性を得ることが可能であるし、平均粒径が0.3μm以下であってもフィラーがかなり凝集していれば膜の透明性は低下することになる。
【0012】
また、特許文献5には、保護層にフィラーとともに電荷輸送物質を含有させることにより、機械的強度を備えつつ、残留電位増加を抑制させる方法が開示されている。この保護層への電荷輸送物質の添加は、電荷の移動度を向上させるのに効果を発揮し、残留電位を減少させるのに有効な方法である。しかし、フィラーが含有されたことによって引き起こされた残留電位の著しい増加は、フィラーの存在に起因する抵抗の増加あるいは電荷トラップサイトの増加によるとすると、電荷の移動度を向上させて残留電位上昇を抑制させるには限界がある。したがって、保護層の膜厚やフィラーの含有量を少なくせざるを得ず、要求される耐久性を満足させるに至っていないのが実状であった。
【0013】
残留電位上昇を抑制する別の手段としては、特許文献6には保護層中にルイス酸等を添加することが、特許文献7には保護層に有機プロトン酸を添加することが、特許文献8には電子受容性物質を含有させることが、特許文献9には酸価が5(mgKOH/g)以下のワックスを含有させることが開示されている。これらの手段は、保護層/電荷輸送層界面での電荷の注入性を向上させ、また保護層に低抵抗部分が形成されることにより、電荷が表面にまで到達しやすくなることに起因していると考えられている。この手段によれば、残留電位の低減効果が認められるが、それによって画像ボケを引き起こしやすくなり、画像への影響が顕著に現れる副作用を有する。また、有機酸を添加した場合にはフィラーの分散性の低下を引き起こしやすくなるため、その効果は充分ではなく、課題の解決に至っていないのが実状である。
【0014】
高耐久化のためにフィラーを含有させた電子写真感光体において、高画質化を実現するためには、前述の画像ボケの発生や残留電位上昇を抑制させるだけでなく、電荷が保護層中のフィラーによって進行を妨げられることなく、感光体の表面まで電荷が直線的に到達することも重要である。それには保護層膜中のフィラーの分散性が大きく影響する。フィラーが凝集した状態では、電荷輸送層より保護層へ注入された電荷が表面へ移動する際、フィラーによって進行が妨げられやすくなり、結果的にトナーにより形成されたドットが散った状態となって解像度が大きく低下する。また、保護層を設けた場合に、フィラーによって書き込み光が散乱され光透過性が低下する場合も、同様に解像度に大きな悪影響を与えることになるが、この光透過性に与える影響もまたフィラーの分散性と密接に関係している。さらに、フィラーの分酸性は耐摩耗性に対しても大きく影響し、フィラーが強い凝集を起こし、分酸性に乏しい状態では耐摩耗性が大きく低下する。したがって、高耐久化のためにフィラーを含有させた保護層を形成した電子写真感光体において、同時に高画質化を実現するためには、画像ボケの発生や残留電位上昇を抑制させるだけでなく、保護層膜中のフィラーの分散性を高めることが重要である。
【0015】
しかし、それらを同時に解決できる有効な手段は見い出されておらず、高耐久化のために感光体の最表面層にフィラーを含有させた場合、画像ボケや残留電位上昇の影響が強く現われ、高画質化に対する課題が今もなお残されているのが実状である。さらに、それらの影響を軽減させるためにドラムヒータを搭載する必要があることから、最も耐久性が必要とされる小径感光体の高耐久化が実現されておらず、それに伴い装置の小型化や消費電力の低減に対しても大きな障害となっているのが実状であった。
【0016】
【特許文献1】
特公昭44−834号公報
【特許文献2】
特公昭43−16198号公報
【特許文献3】
特公昭49−10258号公報
【特許文献4】
特開昭57−30846号公報
【特許文献5】
特開平4−281461号公報
【特許文献6】
特開昭53−133444号公報
【特許文献7】
特開昭55−157748号公報
【特許文献8】
特開平2−4275号公報
【特許文献9】
特開2000−66434号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記欠点を克服し、高耐久性を有し、かつ残留電位上昇、あるいは画像ボケの発生による画像劣化を抑制し、長期間の繰り返し使用に対しても高画質画像が安定に得られる感光体を提供することにある。また、それらの感光体を用いることにより、感光体の交換が不要で、かつ高速印刷あるいは感光体の小径化に伴う装置の小型化を実現し、さらに繰り返し使用においても高画質画像が安定に得られる電子写真方法、電子写真装置、ならびに電子写真用プロセスカートリッジを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、保護層に絶縁性の高いフィラーを含有させることによって画像ボケを抑制し、それによって引き起こされた残留電位上昇に対しては、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物を含有させることにより抑制できることを見い出し、更に該有機化合物へのオゾンやNOxなどの酸化性ガスが吸着を特定の化合物を含有させることにより防ぐことができることを見い出し、本発明に到達した。
【0019】
すなわち、本発明によれば、以下に示す電子写真感光体、及びそれを用いた電子写真方法、電子写真装置、電子写真装置用プロセスカートリッジ、電子写真感光体製造方法が提供される。
【0021】
)「導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(2)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0022】
【化26】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。l,m,nは0〜3の整数を表わす。ただしl、m、nが同時に0となることはない。Ar,Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、ArとAr、ArとAr、もしくはArとArはそれぞれ共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)」、
)「導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(3)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0023】
【化27】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。k,l,m,nは0〜3の整数を表わす。ただしk,l,m,nが同時に0となることはない。Ar,Ar,ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、ArとAr、ArとAr、もしくはArとArはそれぞれ共同で環を形成してもよい。)」、
)「導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(4)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0024】
【化28】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。k,l,m,nは0〜3の整数を表わす。ただしk,l,m,nが同時に0となることはない。Ar,Ar,ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、ArとAr、ArとAr、もしくはArとArはそれぞれ共同で環を形成してもよい。)」、
)「導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(5)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0025】
【化29】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。k,l,m,nは0〜3の整数を表わす。ただしk,l,m,nが同時に0となることはない。Ar,Ar,ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、ArとAr、ArとAr、もしくはArとArはそれぞれ共同で環を形成してもよい。Xはメチレン基、シクロヘキシリデン基、酸素原子、硫黄原子などの2価の基を表わす。)」、
)「導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(6)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0026】
【化30】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。l、mは0〜3の整数を表わす。ただしl、mが同時に0となることはない。Ar,Ar及びArは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、ArとAr、ArとArはそれぞれ共同で環を形成してもよい。nは1〜4の整数を表わす。)」、
)「導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(7)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0027】
【化31】
Figure 0004112444
(式中、R、Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R、Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環を形成してもよい。m、nは0〜3の整数を表わす。ただしmとnが同時に0となることはない。R,Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜11のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、Ar,Arは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、それぞれ同一でも異なっていてもよい。ただし、Ar,Ar,RもしくはRのいずれか1つは芳香族複素環基である。)」、
)「導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(8)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0028】
【化32】
Figure 0004112444
(式中、R、Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環を形成してもよい。m、nは0〜3の整数を表わす。ただしmとnが同時に0となることはない。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜11のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。また、Ar,Ar,Ar,ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、Ar,ArもしくはAr,Arは共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)」、
)「導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(9)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0029】
【化33】
Figure 0004112444
(式中、R、Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R、Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環を形成してもよい。m、nは0〜3の整数を表わす。ただしmとnが同時に0となることはない。また、Ar,Ar,Ar,ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。Ar,ArもしくはAr,Arは共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)」、
)「導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(10)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0030】
【化34】
Figure 0004112444
(式中、R、Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R、Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環を形成してもよい。nは1〜3の整数を表わす。また、Ar,Ar,ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。Ar,ArもしくはAr,Arは共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)」、
10)「導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(11)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0031】
【化35】
Figure 0004112444
〔式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。lは1〜3の整数を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。R,Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基、あるいは次の一般式(23)
【0032】
【化36】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。m、nは0〜3の整数を表わす。R,Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。)
を表わし、同一でも異なっていても良い。RとR、RとR、もしくはArとArは共同で環を形成してもよい。〕」、
11)「導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(12)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0033】
【化37】
Figure 0004112444
〔式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。lは1〜3の整数を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。R,Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基、あるいは次の一般式(24)
【0034】
【化38】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。m,nは0〜3の整数を表わす。R,Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。)を表わし、同一でも異なっていても良い。ただし、R,Rは同時に水素原子となることはない。RとR、RとR、もしくはArとArは共同で環を形成してもよい。〕」、
12)「導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(13)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0035】
【化39】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。R,Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていても良い。R、R,及びRは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。R,RもしくはAr,Rは共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。またArとRは共同で環を形成してもよい。lは1〜3の、mは0〜3の、nは0または1の整数を表わす。)」、
13)「導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(14)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0036】
【化40】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。R,Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていても良い。R、R,及びRは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。R,R、もしくはAr,Rは共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。またArとRは共同で環を形成してもよい。lは1〜3の、mは0〜3の、nは0または1の整数を表わす。)」、
14)「導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(15)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0037】
【化41】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。l,mは0〜3の整数を表わす。ただしlとmが同時に0となることはない。Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。ArとR、ArとRもしくはAr同士は、共同で環を形成してもよい。nは0または1の整数を表わす。)」、
15)「導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(16)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0038】
【化42】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。l,mは0〜3の整数を表わす。ただしlとmが同時に0となることはない。Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。ArとR、ArとRもしくはAr同士は、共同で環を形成してもよい。nは0または1の整数を表わす。)」、
16)「導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(17)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0039】
【化43】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。k,l,mは0〜3の整数を表わす。ただしk,l,mが同時に0となることはない。Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。ArとR、ArとR、もしくはAr同士は、共同で環を形成してもよい。nは0または1の整数を表わす。)」、
17)「導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(18)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0040】
【化44】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。k,l,mは0〜3の整数を表わす。ただしk,l,mが同時に0となることはない。Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。ArとR、ArとRもしくはAr同士は、共同で環を形成してもよい。nは0または1の整数を表わす。)」、
18)「導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(19)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0041】
【化45】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。R,Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていても良い。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。R,RもしくはAr,Rは共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。k,l,mは0〜3の整数を表わす。nは1または2の整数を表わす。ただし、k,l,mが同時に0の場合は、R,R,は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよく、また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)」、
19)「導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(20)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0042】
【化46】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。R,Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていても良い。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。R,RもしくはAr,Rは共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。mは0〜4の、nは1または2の整数を表わす。ただし、mが0の場合は、R,Rは炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよく、また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)」、
20)「導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(21)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0043】
【化47】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。R,Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。l,m,nは0〜3の整数を表わし、同時に0となることはない。)」、
21)「導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(22)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体;
【0044】
【化48】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。Ar,Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。l,mは0〜3の整数を表わし、同時に0となることはない。nは1〜3の整数を表わす。)」、
22)「前記導電性支持体から最も離れた層が、感光層の最表面層であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(21)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、
23)「前記導電性支持体から最も離れた層が、感光層の上に形成された保護層であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(21)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、
24)「前記導電性支持体から最も離れた層が含有する、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物が、ポリカルボン酸であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(23)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、
25)「前記ポリカルボン酸が、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂のいずれか、あるいはそれらの構造を含む共重合体、もしくはそれらの混合物であることを特徴とする前記第(24)項に記載の電子写真感光体」
(26)「前記導電性支持体から最も離れた層が含有するフィラーが、少なくとも1種の無機顔料であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(25)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、
27)「前記無機顔料が、金属酸化物であることを特徴とする前記第(26)項に記載の電子写真感光体」
(28)「前記導電性支持体から最も離れた層が含有するフィラーの平均一次粒径が、0.01μm〜0.5μmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(27)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、
29)「前記導電性支持体から最も離れた層が、少なくとも1種の電荷輸送物質を含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(28)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、
30)「前記電荷輸送物質が、高分子電荷輸送物質であることを特徴とする前記第(29)項に記載の電子写真感光体」、
31)「前記導電性支持体から最も離れた層が、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂を含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(30)項のいずれかにに記載の電子写真感光体」、
32)「前記第(1)項乃至第(31)項のいずれかに記載の電子写真感光体を製造する際に、酸化防止剤を含有させた塗工液を用いて該導電性支持体から最も離れた層を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法」、
33)「前記酸化防止剤が、ハイドロキノン系化合物であることを特徴とする前記第(32)項に記載の電子写真感光体の製造方法」、
34)「前記酸化防止剤が、ヒンダードアミン系化合物であることを特徴とする前記第(32)項に記載の電子写真感光体の製造方法」、
35)「前記第(1)項乃至第(31)項のいずれかに記載の電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なうことを特徴とする電子写真方法」、
36)「前記第(1)項乃至第(31)項のいずれかに記載の電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行い、かつ画像露光の際にLDあるいはLEDによって感光体上に静電潜像の書き込みを行なうことを特徴とするデジタル方式の電子写真方法」、
37)「少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および前記第(1)項乃至第(31)項のいずれかに記載の電子写真感光体を具備してなることを特徴とする電子写真装置」、
38)「少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および前記第(1)項乃至第(31)項のいずれかに記載の電子写真感光体を具備し、画像露光手段にLDあるいはLEDを使用することによって感光体上に静電潜像の書き込みを行なうことを特徴とするデジタル方式の電子写真装置」、
39)「前記第(1)項乃至第(31)項のいずれかに記載の電子写真感光体を具備してなることを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ」。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電子写真感光体、及びそれを用いた電子写真方法、電子写真装置、電子写真装置用プロセスカートリッジ、電子写真感光体製造方法の詳細を説明する。
本発明の電子写真感光体においては、導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する。このフィラーを含有する導電性支持体から最も離れた層の構成については、二つの態様がある。本発明の第一の態様においては、感光層の最表面層が導電性支持体から最も離れた層となる。また、第二の態様においては、保護層が導電性支持体から最も離れた層となる。かかる第一の態様及び第二の態様について図1〜5を用いて、以下、具体的に説明する。
【0046】
図1は、本発明の電子写真感光体を表わす断面図であり、導電性支持体(31)上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層(33)が設けられている。かかる構成は、上記第一の態様に属するものであり、導電性支持体から最も離れた層が感光層(33)であって、該感光層(33)がフィラーを含有する。
【0047】
図2は、導電性支持体(31)上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(35)と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(37)とが、積層された構成をとっている。この構成は、上記第一の態様に属するものであり、導電性支持体から最も離れた層が電荷輸送層(37)(感光層の最表面層)であって、該電荷輸送層(37)がフィラーを含有する。
【0048】
図3は、導電性支持体(31)上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層(33)が設けられ、更に感光層表面に保護層(39)が設けられている。この構成は、上記第二の態様に属するものであり、導電性支持体から最も離れた層が保護層(39)であって、該保護層(39)がフィラーを含有する。
【0049】
図4は、導電性支持体(31)上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(35)と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(37)とが積層された構成をとっており、更に電荷輸送層上に保護層(39)が設けられている。この構成は、上記第二の態様に属するものであり、導電性支持体から最も離れた層が保護層(39)であって、該保護層(39)がフィラーを含有する。
【0050】
図5は、導電性支持体(31)上に、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層(37)と電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(35)とが積層された構成をとっており、更に電荷発生層(35)上に保護層(39)が設けられている。この構成は、上記第二の態様に属するものであり、導電性支持体から最も離れた層が保護層(39)であって、該保護層(39)がフィラーを含有する。
【0051】
次に、本発明の感光体を構成する各層について説明する。
導電性支持体(31)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に記載されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体(31)として用いることができる。
【0052】
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体(31)として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
【0053】
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体(31)として良好に用いることができる。
【0054】
次に、感光層について説明する。
感光層は単層(図1、図3参照)でも積層(図2、図4、図5参照)でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層(35)と電荷輸送層(37)の積層として構成される場合から述べる。
感光層を形成する電荷発生層(35)は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生層(35)には、公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。これら電荷発生物質は単独でも、2種以上混合してもかまわない。
【0055】
電荷発生層(35)は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
【0056】
必要に応じて電荷発生層(35)に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。結着樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちらでも構わない。
【0057】
電荷発生層(35)の形成に用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。これらは単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
【0058】
電荷発生層(35)は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等の添加剤が含まれていても良い。
電荷発生層(35)を形成するための塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層(35)の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0059】
感光層を形成する電荷輸送層(37)は、電荷輸送物質を主成分とする層である。該電荷輸送層(37)は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0060】
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
【0061】
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
【0062】
電荷輸送層(37)を構成する結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0063】
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層(37)の膜厚は解像度・応答性の点から、25μm以下とすることが好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)により異なるが、5μm以上が好ましい。
【0064】
電荷輸送層(37)の形成に用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。
【0065】
更に、電荷輸送層(37)が感光層の最表面層であって導電性支持体から最も離れた層となる場合、即ち図2に示す構成の場合には、電荷輸送層(37)の表面部位には、耐摩耗性を向上させる目的でフィラーを含有させ、更に、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(1)〜一般式(22)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種を含有させる。
【0066】
【化49】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。nは1〜4の整数を表わす。Arは置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。)
【0067】
【化50】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。l,m,nは0〜3の整数を表わす。ただしl、m、nが同時に0となることはない。Ar,Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、ArとAr、ArとAr、もしくはArとArはそれぞれ共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)
【0068】
【化51】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。k,l,m,nは0〜3の整数を表わす。ただしk,l,m,nが同時に0となることはない。Ar,Ar,ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、ArとAr、ArとAr、もしくはArとArはそれぞれ共同で環を形成してもよい。)
【0069】
【化52】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。k,l,m,nは0〜3の整数を表わす。ただしk,l,m,nが同時に0となることはない。Ar,Ar,ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、ArとAr、ArとAr、もしくはArとArはそれぞれ共同で環を形成してもよい。)
【0070】
【化53】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。k,l,m,nは0〜3の整数を表わす。ただしk,l,m,nが同時に0となることはない。Ar,Ar,ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、ArとAr、ArとAr、もしくはArとArはそれぞれ共同で環を形成してもよい。Xはメチレン基、シクロヘキシリデン基、酸素原子、硫黄原子などの2価の基を表わす。)
【0071】
【化54】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。l、mは0〜3の整数を表わす。ただしl、mが同時に0となることはない。Ar,Ar及びArは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、ArとAr、ArとArはそれぞれ共同で環を形成してもよい。nは1〜4の整数を表わす。)
【0072】
【化55】
Figure 0004112444
(式中、R、Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R、Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環を形成してもよい。m、nは0〜3の整数を表わす。ただしmとnが同時に0となることはない。R,Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜11のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、Ar,Arは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、それぞれ同一でも異なっていてもよい。ただし、Ar,Ar,RもしくはRのいずれか1つは芳香族複素環基である。)
【0073】
【化56】
Figure 0004112444
(式中、R、Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環を形成してもよい。m、nは0〜3の整数を表わす。ただしmとnが同時に0となることはない。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜11のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。また、Ar,Ar,Ar,ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、Ar,ArもしくはAr,Arは共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)
【0074】
【化57】
Figure 0004112444
(式中、R、Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R、Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環を形成してもよい。m、nは0〜3の整数を表わす。ただしmとnが同時に0となることはない。また、Ar,Ar,Ar,ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。Ar,ArもしくはAr,Arは共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)
【0075】
【化58】
Figure 0004112444
(式中、R、Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R、Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環を形成してもよい。nは1〜3の整数を表わす。また、Ar,Ar,ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。Ar,ArもしくはAr,Arは共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)
【0076】
【化59】
Figure 0004112444
〔式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。lは1〜3の整数を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。R,Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基、あるいは次の一般式(23)
【0077】
【化60】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。m、nは0〜3の整数を表わす。R,Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。)
を表わし、同一でも異なっていても良い。RとR、RとR、もしくはArとArは共同で環を形成してもよい。〕
【0078】
【化61】
Figure 0004112444
〔式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。lは1〜3の整数を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。R,Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基、あるいは次の一般式(24)
【0079】
【化62】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。m,nは0〜3の整数を表わす。R,Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。)を表わし、同一でも異なっていても良い。ただし、R,Rは同時に水素原子となることはない。RとR、RとR、もしくはArとArは共同で環を形成してもよい。〕
【0080】
【化63】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。R,Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていても良い。R、R,及びRは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。R,RもしくはAr,Rは共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。またArとRは共同で環を形成してもよい。lは1〜3の、mは0〜3の、nは0または1の整数を表わす。)
【0081】
【化64】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。R,Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていても良い。R、R,及びRは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。R,R、もしくはAr,Rは共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。またArとRは共同で環を形成してもよい。lは1〜3の、mは0〜3の、nは0または1の整数を表わす。)
【0082】
【化65】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。l,mは0〜3の整数を表わす。ただしlとmが同時に0となることはない。Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。ArとR、ArとRもしくはAr同士は、共同で環を形成してもよい。nは0または1の整数を表わす。)
【0083】
【化66】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。l,mは0〜3の整数を表わす。ただしlとmが同時に0となることはない。Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。ArとR、ArとRもしくはAr同士は、共同で環を形成してもよい。nは0または1の整数を表わす。)
【0084】
【化67】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。k,l,mは0〜3の整数を表わす。ただしk,l,mが同時に0となることはない。Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。ArとR、ArとR、もしくはAr同士は、共同で環を形成してもよい。nは0または1の整数を表わす。)
【0085】
【化68】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。k,l,mは0〜3の整数を表わす。ただしk,l,mが同時に0となることはない。Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。ArとR、ArとRもしくはAr同士は、共同で環を形成してもよい。nは0または1の整数を表わす。)
【0086】
【化69】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。R,Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていても良い。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。R,RもしくはAr,Rは共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。k,l,mは0〜3の整数を表わす。nは1または2の整数を表わす。ただし、k,l,mが同時に0の場合は、R,R,は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよく、また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)
【0087】
【化70】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。R,Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていても良い。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。R,RもしくはAr,Rは共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。mは0〜4の、nは1または2の整数を表わす。ただし、mが0の場合は、R,Rは炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよく、また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)
【0088】
【化71】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。R,Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。l,m,nは0〜3の整数を表わし、同時に0となることはない。)
【0089】
【化72】
Figure 0004112444
(式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。Ar,Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。l,mは0〜3の整数を表わし、同時に0となることはない。nは1〜3の整数を表わす。)
【0090】
次に、図2に示す構成において、電荷輸送層(37)に含有させるフィラー、少なくとも酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物、前記一般式(1)〜一般式(22)で表わされる化合物について順に説明する。
上記フィラーには、有機性フィラー材料と無機性フィラー材料がある。有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。これらのフィラーの中で、フィラーの硬度の点から無機材料を用いることが耐摩耗性の向上に対し有利である。
【0091】
図2に示す構成において、電荷輸送層(37)に上記フィラーを含有させると、感光体の高耐久化を実現することはできるが、残留電位の上昇や画像ボケの発生等、画質劣化を引き起こす副作用が発生する。本発明者らは、保護層に絶縁性の高いフィラーを含有させることによって画像ボケを抑制し、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種を含有させることによって残留電位上昇を抑制できることを見い出した。残留電位の低減が可能となった要因として、一つには特定の酸価を有する材料が添加されたことが挙げられるが、他の要因としてはそれによってフィラーの分散性が向上されたことが挙げられる。また、フィラーの分散性の向上は、単に残留電位上昇を抑制する効果だけに留まらず、電荷輸送層(37)の書き込み光の透過率低下や画像濃度ムラの発生を防止することによって一層の高画質化が実現でき、さらに耐摩耗性の向上や塗膜欠陥の発生を防止する等の多方面に渡る効果をも併せ持っている。
【0092】
上記電気絶縁性が高いフィラーとしては、フィラーのpHが5以上を示すものやフィラーの誘電率が5以上を示すものが特に有効であり、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等が特に有効に使用できる。また、pHが5以上のフィラーあるいは誘電率が5以上のフィラーを単独で使用することはもちろん、pHが5以下のフィラーとpHが5以上のフィラーとを2種類以上を混合したり、誘電率が5以下のフィラーと誘電率が5以上のフィラーとを2種類以上混合したりして用いることも可能である。また、これらのフィラーの中でも高い絶縁性を有し、熱安定性が高い上に、耐摩耗性が高い六方細密構造であるα型アルミナは、画像ボケの抑制や耐摩耗性の向上の点から特に有用である。
【0093】
さらに、これらのフィラーは少なくとも一種の表面処理剤で表面処理することが可能であり、そうすることがフィラーの分散性向上の面から好ましい。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤を使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al、TiO、ZrO、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラーの分散性及び画像ボケの点からより好ましい。シランカップリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。表面処理剤の量については、用いるフィラーの平均一次粒径によって異なるが、3〜30wt%が好ましく、5〜20wt%がより好ましい。表面処理剤の量がこれよりも少ないとフィラーの分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす。
【0094】
また、フィラーの平均一次粒径は、0.01〜0.5μmであることが電荷輸送層(37)の光透過率や耐摩耗性の点から好ましい。フィラーの平均一次粒径が0.01μm未満の場合は、耐摩耗性の低下、分散性の低下等を引き起こし、0.5μmを超えると、フィラーの沈降性が促進されたり、トナーのフィルミングが発生したりする可能性がある。
【0095】
また、フィラーの含有量としては、5〜50wt%が好ましく、より好ましくは10〜40wt%である。5wt%未満であると耐摩耗性はあるものの充分ではなく、50wt%を越えると、電荷輸送層(37)の透明性が損なわれる。
【0096】
次に、図2に示す構成の電荷輸送層(37)に含有させる、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物について説明する。
酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物を含有させると、フィラーの添加によって発生した残留電位上昇を抑制することができる。
【0097】
酸価とは、1g中に含まれる遊離脂肪酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数で定義される。これらの酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物としては、一般に知られている有機脂肪酸や高酸価樹脂等、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物であれば使用することができる。しかし、非常に低分子のマレイン酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸等の有機酸やアクセプター等はフィラーの分散性を大幅に低下させてしまう可能性があるため、残留電位低減効果が充分に発揮されなくなる場合がある。したがって、感光体の残留電位を低減させ、かつフィラーの分散性を高めるためには低分子量ポリマーや樹脂、共重合体等、さらにはそれらを混合させて使用することが好ましい。それらの有機化合物の構造としては、立体障害が少ないリニアの構造を有することがより好ましい。分散性を向上させるためにはフィラーと結着樹脂との双方に親和性を持たせることが必要であり、立体障害が大きな材料は、それらの親和性が低下することにより、分散性が低下し、前述のような多くの問題を発生させることにつながる。かかる観点から、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物としては、ポリカルボン酸が好ましい。該ポリカルボン酸は、カルボン酸をポリマーあるいはコポリマー中に含む構造を有する化合物であって、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル酸やメタクリル酸を用いた共重合体、スチレンアクリル共重合体等、カルボン酸を含む有機化合物あるいはその誘導体等は使用することが可能である。また、これらの材料は2種以上混合して用いることが可能であり、かつ有用である。場合によっては、これらの材料と有機脂肪酸とを混合させることによって、フィラーの分酸性あるいはそれに伴う残留電位の低減効果が高まることがある。
【0098】
本発明においては、酸価が10〜700mgKOH/gの有機化合物を用いるが、酸価が30〜400mgKOH/gの有機化合物を用いることが好ましい。酸価が必要以上に高いと抵抗が下がりすぎて画像ボケの影響が大きくなり、酸価が低すぎると添加量を多くする必要が生じる上、残留電位の低減効果が不充分となる。有機化合物の酸価は、その添加量とのバランスにより決めることが必要である。同じ添加量でも酸価が高ければ残留電位低減効果が高いというわけではなく、その効果はこれら酸価が10〜700mgKOH/gの有機化合物のフィラーへの吸着性にも大きく関係している。
【0099】
これらの酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の含有量は、その酸価とフィラーの含有量によって決められる。例えば、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物を二種類用いる場合、酸価が10〜700(mgKOH/g)の一の有機化合物の含有量をA、酸価が10〜700(mgKOH/g)の他の有機化合物の酸価をB、前記フィラーの含有量をCとしたときに、A、B及びCとの間に下記の関係式(I)を満たすことが好ましいが、(I)式の範囲内で必要最小量に設定することがより好ましい。
【数1】
0.1≦酸価当量(A×B/C)≦20 …(I)
酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の含有量を必要以上に多くすると逆に分散不良を引き起こしたり、画像ボケの影響が強く現れる場合があり、含有量が少なすぎると分散不良や残留電位低減効果が不充分となる場合がある。
【0100】
電荷輸送層(37)に含有させるフィラー材料は、少なくとも有機溶剤、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物等とともにボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などの従来方法を用いて分散することができる。この中でも、フィラーと酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物との接触効率を高くすることができ、外界からの不純物の混入が少ないボールミルによる分散が分散性の点からより好ましい。使用されるメディアの材質については、従来使用されているジルコニア、アルミナ、メノウ等のメディアを使用することができるが、フィラーの分散性及び残留電位低減効果の点から特にアルミナを使用することがより好ましい。ジルコニアは分散時のメディアの摩耗量が大きく、それらの混入によって残留電位が著しく増加する。さらに、その摩耗粉の混入によって分散性が大きく低下し、フィラーの沈降性が促進される。一方、メディアにアルミナを使用した場合には、分散時にメディアは摩耗されるものの、摩耗量は低く抑えられる上に、混入した摩耗粉が残留電位に与える影響が非常に小さい。また、摩耗粉が混入しても分酸性に対して悪影響が少ない。従って、分散に使用するメディアにはアルミナを使用することがより好ましい。
【0101】
また、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物は、フィラーや有機溶剤とともに分散前より添加することによって、塗工液中のフィラーの凝集、さらにはフィラーの沈降性を抑制し、フィラーの分散性が著しく向上することから、分散前より添加することが好ましい。一方、結着樹脂や電荷輸送物質は、分散前に添加することも可能であるが、その場合分散性が若干低下する場合が見られる。したがって、結着樹脂や電荷輸送物質は、有機溶剤に溶解された状態で分散後に添加することが好ましい。
【0102】
次に、図2に示す構成において、電荷輸送層(37)に含有させる、前記一般式(1)〜一般式(22)で表わされる化合物について説明する。
一般式(1)〜一般式(22)で表わされる化合物の添加は、前記酸価が10〜700(mgKOH/g)の化合物を含有させることによる弊害を解決するためである。即ち、酸価が10〜700(mgKOH/g)の化合物は、その化学構造に由来して、使用条件により生じるオゾンやNOxなどの酸化性ガスが吸着しやすく、場合によっては、最表面の低抵抗化を招き、画像流れ等の問題を引き起こす可能性がある。この酸化性ガスによって引き起こされる課題を解決するためには、前記一般式(1)〜一般式(22)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種を含有させることが効果的である。
その理由については、現時点では明らかになっていないが、該化合物の構造内に含まれる置換アミノ基が酸化性ガスに対して有効なラジカル物質生成抑制を行なっているものと推測される。また、前記一般式(1)〜一般式(22)で表わされる化合物は、電荷輸送能力も有しているため、それ自身が電荷担体のトラップとして働くことがなく、添加に伴う残留電位上昇等の電気的な特性劣化は殆どみられない。
【0103】
前記一般式(1)〜(22)についての説明にある、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、及びウンデカニル基などを挙げることができる。また、芳香環基としてはベンゼン、ナフタレン、アントラセン、及びピレンなど芳香族炭化水素環の1価〜6価の芳香族炭化水素基、並びにピリジン、キノリン、チオフェン、フラン、オキサゾール、オキサジアゾール、カルバゾールなど芳香族複素環の1価〜6価の芳香族複素環基が挙げられる。また、これらの置換基としては、上記アルキル基の具体例で挙げたもの、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、またはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のハロゲン原子、及び芳香環基などが挙げられる。更に、R,Rが互いに結合し窒素原子を含む複素環基の具体例としてはピロリジニル基、ピペリジニル基、ピロリニル基等が挙げられる。その他、共同で窒素原子を含む複素環基としては、N−メチルカルバゾール、N−エチルカルバゾール、N−フェニルカルバゾール、インドール、キノリンの芳香族複素環基などを挙げることができる。
【0104】
以下に一般式(1)〜(22)の好ましい例を挙げる。但し、本発明は、これらの化合物に限定されるものではない。
【0105】
【表1】
Figure 0004112444
【0106】
【表2】
Figure 0004112444
【0107】
【表3−1】
Figure 0004112444
【0108】
【表3−2】
Figure 0004112444
【0109】
【表4−1】
Figure 0004112444
【0110】
【表4−2】
Figure 0004112444
【0111】
【表5】
Figure 0004112444
【0112】
【表6】
Figure 0004112444
【0113】
【表7】
Figure 0004112444
【0114】
【表8−1】
Figure 0004112444
【0115】
【表8−2】
Figure 0004112444
【0116】
【表9−1】
Figure 0004112444
【0117】
【表9−2】
Figure 0004112444
【0118】
【表10−1】
Figure 0004112444
【0119】
【表10−2】
Figure 0004112444
【0120】
【表11−1】
Figure 0004112444
【0121】
【表11−2】
Figure 0004112444
【0122】
【表12】
Figure 0004112444
【0123】
【表13−1】
Figure 0004112444
【0124】
【表13−2】
Figure 0004112444
【0125】
【表14−1】
Figure 0004112444
【0126】
【表14−2】
Figure 0004112444
【0127】
【表15】
Figure 0004112444
【0128】
【表16−1】
Figure 0004112444
【0129】
【表16−2】
Figure 0004112444
【0130】
【表17】
Figure 0004112444
【0131】
【表18】
Figure 0004112444
【0132】
【表19】
Figure 0004112444
【0133】
【表20】
Figure 0004112444
【0134】
【表21】
Figure 0004112444
【0135】
【表22】
Figure 0004112444
【0136】
前記一般式(1)〜(22)で表わされる化合物の含有量は、結着樹脂に対して0.01wt%〜150wt%が好ましい。該化合物の含有量が少ないと酸化性ガスに対する耐性が不足し、多すぎると、膜強度が低下し、耐摩耗性が劣化する。
【0137】
前記一般式(1)〜(22)で表わされる化合物と、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物とを含有する塗工液を保存する場合には、相互作用による塩の生成を抑制するために、酸化防止剤を含有させる必要がある。この塩が生成すると、塗工液の変色を引き起こすだけではなく、製造された電子写真感光体において、残留電位の上昇等の不具合を引き起こす。この塩の生成による塗工液の経時保存の不安定の原因は、前記一般式(1)〜(22)で表わされる化合物の構造に由来するものであり、本発明者等は、後述する酸化防止剤を含有させることにより、経時保存の安定性の問題を解決できることを見い出したものである。
【0138】
塗工液に含有させる酸化防止剤としては、後述する一般の酸化防止剤が使用できるが、(c)ハイドロキノン系、及び(f)ヒンダードアミン系の化合物が特に効果的である。
但し、ここで用いられる酸化防止剤は、後述の目的と異なり、あくまでも前記一般式(1)〜(22)で表わされる化合物の塗工液中での保護のために利用される。
このため、これらの酸化防止剤は、前記一般式(1)〜(22)で表わされる化合物を含有させる前の工程で塗工液に含有させておくことが好ましく、添加量としては、含有される酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物に対して、0.1〜200wt%で充分な塗工液経時保存安定性を発揮できる。
【0139】
電荷輸送層(37)には電荷輸送物質としての機能と結着樹脂としての機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これらの高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れたものである。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できるが、特に、トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。中でも、(I)〜(X)式で表わされる高分子電荷輸送物質が良好に用いられる。これらを以下に例示し、具体例を示す。
【0140】
【化73】
Figure 0004112444
Figure 0004112444
式中、R,R,Rはそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、Rは水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R,Rは置換もしくは無置換のアリール基、o,p,qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k,jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表わされる2価基を表わす。
【0141】
【化74】
Figure 0004112444
式中、R101,R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表わす。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−,−S−,−SO−,−SO−,−CO−,−CO−O−Z−O−CO−(式中、Zは脂肪族の2価基を表わす。)または、
【0142】
【化75】
Figure 0004112444
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表わす。)を表わす。ここで、R101とR102,R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。
【0143】
【化76】
Figure 0004112444
Figure 0004112444
式中、R,Rは置換もしくは無置換のアリール基、Ar,Ar,Arは同一あるいは異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、一般式(I)の場合と同じである。
【0144】
【化77】
Figure 0004112444
Figure 0004112444
式中、R,R10は置換もしくは無置換のアリール基、Ar,Ar,Arは同一あるいは異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、一般式(I)の場合と同じである。
【0145】
【化78】
Figure 0004112444
Figure 0004112444
式中、R11,R12は置換もしくは無置換のアリール基、Ar,Ar8,Ar9は同一あるいは異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、一般式(I)の場合と同じである。
【0146】
【化79】
Figure 0004112444
Figure 0004112444
式中、R13,R14は置換もしくは無置換のアリール基、Ar10,Ar11,Ar12は同一あるいは異なるアリレン基、X,Xは置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表わす。X,k,jおよびnは、一般式(I)の場合と同じである。
【0147】
【化80】
Figure 0004112444
Figure 0004112444
式中、R15,R16,R17,R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13,Ar14,Ar15,Ar16は同一あるいは異なるアリレン基、Y,Y,Yは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同一であっても異なってもよい。X,k,jおよびnは、一般式(I)の場合と同じである。
【0148】
【化81】
Figure 0004112444
Figure 0004112444
式中、R19,R20は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表わし,R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17,Ar18,Ar19は同一あるいは異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、一般式(I)の場合と同じである。
【0149】
【化82】
Figure 0004112444
Figure 0004112444
式中、R21は置換もしくは無置換のアリール基、Ar20,Ar21,Ar22,Ar23は同一あるいは異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、一般式(I)の場合と同じである。
【0150】
【化83】
Figure 0004112444
Figure 0004112444
式中、R22,R23,R24,R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24,Ar25,Ar26,Ar27,Ar28は同一あるいは又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、一般式(I)の場合と同じである。
【0151】
【化84】
Figure 0004112444
Figure 0004112444
式中、R26,R27は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29,Ar30,Ar31は同一あるいは異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、一般式(I)の場合と同じである。
【0152】
図2に示す構成の電荷輸送層(37)を形成するための塗工液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等、従来の塗工方法を用いることができる。感光層表面にフィラーを含有する場合には、感光層全体にフィラーを含有させることができるが、電荷輸送層(37)の最表面側が最もフィラー濃度が高く、支持体側が低くなるようにフィラー濃度傾斜を設けたり、電荷輸送層(37)を複数層にして、支持体側から表面側に向かい、フィラー濃度が順次高くしたりするような構成にすることが好ましい。
【0153】
次に、感光層が単層(図1、図3参照)の場合について述べる。
該感光層(33)は、電荷発生物質および電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。電荷発生物質としては、前述した、複層の場合の電荷発生層(35)に用いたものと同じものが挙げられる。
【0154】
結着樹脂としては、先に電荷輸送層(37)で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層(35)で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
【0155】
更に、感光層(33)が導電性支持体(31)から最も離れた層となる場合、即ち前記図1に示す構成の場合には、少なくとも感光層(33)の表面部位には、耐摩耗性を向上させる目的でフィラーを含有させ、更に、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、前記一般式(1)〜(22)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種を含有させる。この場合にも、前記電荷輸送層(37)の場合と同様に、感光層(33)全体にフィラーを含有させることもできるが、フィラー濃度勾配を設けるか、複数層の感光層の構成とし、フィラー濃度を順次変えた構成にすることが有効な手段である。また、フィラーの構成、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の構成、前記一般式(1)〜(22)で表わされる化合物の構成は前記電荷輸送層(37)の場合と同様である。
【0156】
本発明の感光体においては、導電性支持体(31)と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
【0157】
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0158】
本発明の感光体においては、前記感光体の第二の態様として、感光層を保護するために保護層(39)が感光層の上に設けられていることが好ましい(具体的には、図3、図4、図5に示す構成)。この場合は、導電性支持体から最も離れた層が保護層(39)である。該保護層(39)に使用される結着樹脂としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。フィラーの分散性、残留電位、塗膜欠陥の点から、特にポリカーボネートあるいはポリアリレートが有効かつ有用である。
【0159】
なお、図4、図5に示すように、感光層を電荷発生層(35)と電荷輸送層(37)で構成する場合、電荷発生層(35)は前記図2に示す感光体の電荷発生層(35)と同様に構成することができ、電荷輸送層(37)は前記図2に示す感光体の電荷輸送層(37)と同様に構成することができる。また、図3に示すように、感光層を単層で構成する場合、感光層(33)は前記図1に示す感光体の感光層(33)と同様に構成することができる。
【0160】
更に、保護層(39)には、耐摩耗性を向上させる目的でフィラーを含有させ、更に、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、前記一般式(1)〜(22)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種を含有させる。この有機化合物は、好ましくは、酸価が400(mgKOH/g)を超え700(mgKOH/g)以下のものである。また、前記一般式(1)〜(22)で表わされる化合物は、R、Rのうち少なくとも一方が芳香族炭化水素基で置換されたものであることが更に好ましい。
ここで用いられるフィラーとしては、前述した図2に示す構成の電荷輸送層(37)に含有させるフィラーを使用することができる。その中でも、無機顔料が耐摩耗性の点から好ましく、特にpHが5以上、あるいは誘電率が5以上の金属酸化物は画像ボケの抑制効果が高いことからより好ましい。このような絶縁性フィラーとして、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらのpHが5以上のフィラーや、誘電率が5以上のフィラーを単独で使用することはもちろん、pHが5以下のフィラーとpHが5以上のフィラーとを2種類以上を混合したり、誘電率が5以下のフィラーと誘電率が5以上のフィラーとを2種以上混合したりして用いることも可能である。これらのフィラー材料の中で、特に有用に用いられるフィラーとしては、α型アルミナが挙げられる。これは、絶縁性や熱安定性が高く、硬度が高いことから耐摩耗性に優れており、さらに凝集しにくい等の理由から特に有用である。
【0161】
また、これらのフィラーは少なくとも1種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。表面処理剤については、前記図2に示す構成の電荷輸送層(37)に適用されるものが使用可能である。表面処理剤を単独で使用することはもちろん、2種以上混合させて処理することも可能である。表面処理剤の量については、前記電荷輸送層(37)で適用される量を用いることができる。
【0162】
また、フィラーの平均一次粒径は、0.01〜0.5μmであることが保護層の光透過率や耐摩耗性の点から好ましい。フィラーの平均一次粒径が0.01μm未満の場合は、耐摩耗性の低下、分散性の低下等を引き起こし、0.5μmを超えると、フィラーの沈降性が促進されたり、トナーのフィルミングが発生したりする可能性がある。
【0163】
また、フィラーの含有量としては、0.1〜50wt%で、好ましくは5〜30wt%である。0.1wt%未満であると耐摩耗性はあるものの充分ではなく、50wt%を超えると、保護層(39)の透明性が損なわれる。
【0164】
保護層(39)に添加される酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物としては、前述した図2に示す構成の電荷輸送層(37)に含有させる化合物を使用することができるが、前記電荷輸送層(37)の場合と同様に、ポリカルボン酸が好ましい。該ポリカルボン酸としては、少なくともカルボン酸を含有する有機化合物あるいはその誘導体を使用することが可能であり、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル樹脂やメタクリル樹脂を用いた共重合体、スチレンアクリル共重合体等がより有用である。これらの材料は2種以上混合して用いることが可能であり、そうすることでフィラーの分散性を高める効果が増加する場合がある。
【0165】
保護層(39)には酸価が10〜700mgKOH/gの有機化合物を含有させるが、酸価が30〜400mgKOH/gの有機化合物が好ましい。酸価が必要以上に高いと抵抗が下がりすぎて画像ボケの影響が大きくなり、酸価が低すぎると添加量を多くする必要が生じる上、残留電位の低減効果が不充分となる。有機化合物の酸価は、その添加量とのバランスにより決めることが必要である。同じ添加量でも酸価が高ければ残留電位低減効果が高いというわけではなく、その効果はこれら酸価が10〜700mgKOH/gの有機化合物のフィラーへの吸着性にも大きく関係している。
【0166】
これらの酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の含有量は、その酸価とフィラーの含有量によって決められる。
例えば、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物を二種類用いる場合、酸価が10〜700(mgKOH/g)の一の有機化合物の含有量をA、酸価が10〜700(mgKOH/g)の他の有機化合物の酸価をB、前記フィラーの含有量をCとしたときに、A、B及びCとの間に下記の関係式(II)を満たすことが好ましいが、(II)式の範囲内で必要最小量に設定することがより好ましい。
【数2】
0.2≦(A×B/C)≦20 …(II)
酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の添加量を必要以上に多くすると逆に分散不良を引き起こしたり、画像ボケの影響が強く現れる場合があり、添加量が少なすぎると分散不良や残留電位低減効果が不充分となる場合がある。
耐酸化性ガス向上のために含有される前記一般式(1)〜(22)で表わされる化合物としては、前記図2に示す構成の電荷輸送層(37)に含有させるものと同様のものを用いることができる。
【0167】
保護層(39)の形成に用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなど、電荷輸送層(37)で使用される溶剤を使用することができる。但し、分散時には粘度が高い溶剤が好ましいが、塗工時には揮発性が高い溶剤が好ましい。これらの条件を満たす溶剤がない場合には、各々の物性を有する溶剤を2種以上混合させて使用することが可能であり、フィラーの分散性や残留電位に対して大きな効果を有する場合がある。
【0168】
また、保護層(39)に、前記図2に示す構成の電荷輸送層(37)について挙げた低分子電荷輸送物質あるいは高分子電荷輸送物質を添加することは、残留電位の低減及び画質向上に対して有効かつ有用である。
【0169】
保護層(39)に含有させるフィラー材料は、少なくとも有機溶剤、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物等とともにボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などの従来方法を用いて分散することができる。この中でも、フィラーと酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物との接触効率を高くすることができ、外界からの不純物の混入が少ないボールミルによる分散が分散性の点からより好ましい。使用されるメディアの材質については、従来使用されているジルコニア、アルミナ、メノウ等のメディアを使用することができるが、フィラーの分散性及び残留電位低減効果の点から特にアルミナを使用することがより好ましい。ジルコニアは分散時のメディアの摩耗量が大きく、それらの混入によって残留電位が著しく増加する。さらに、その摩耗粉の混入によって分散性が大きく低下し、フィラーの沈降性が促進される。一方、メディアにアルミナを使用した場合には、分散時に摩耗されるものの、摩耗量は低く抑えられる上に、混入した摩耗粉が残留電位に与える影響が非常に小さい。また、摩耗粉が混入しても分酸性に対して悪影響が少ない。従って、分散に使用するメディアにはアルミナを使用することがより好ましい。
【0170】
保護層(39)に含有させる酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物は、フィラーや有機溶剤とともに分散前より添加することによって、塗工液中のフィラーの凝集、さらにはフィラーの沈降性を抑制し、フィラーの分散性が著しく向上することから、分散前より添加することがより好ましい。一方、結着樹脂や電荷輸送物質は、分散前に添加することも可能であるが、その場合、分散性が若干低下する場合が見られる。従って、結着樹脂や電荷輸送物質は、有機溶剤に溶解された状態で分散後に添加することが好ましい。
【0171】
保護層(39)の形成法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の従来方法を用いることができるが、特に塗膜の均一性の面からスプレーコートがより好ましい。さらに、保護層の必要膜厚を一度で塗工し、保護層を形成することも可能であるが、2回以上重ねて塗工し、保護層を多層にする方が膜中におけるフィラーの均一性の面からより好ましい。そうすることによって、残留電位の低減、解像度の向上、及び耐摩耗性の向上に対しより一層の効果が得られる。なお、保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。本発明において、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物を添加することによって、残留電位が大幅に低減させることが可能となり、それによって保護層(39)の膜厚を自由に設定することが可能である。しかし、保護層の膜厚が著しく増加すると、画質が若干劣化する傾向が認められるため、必要最小限度の膜厚に設定することが好ましい。
【0172】
本発明の感光体においては、感光層と保護層との間に中間層を設けることも可能である。中間層には、一般に結着樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗布法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
【0173】
本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中間層等の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質およびレベリング剤を添加することができる。これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
【0174】
本発明の感光体を構成する各層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられる。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
(a)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3'−ビス(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、トコフェロール類など。
【0175】
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0176】
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0177】
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3'−チオジプロピオネートなど。
【0178】
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0179】
本発明の感光体を構成する各層に添加できる可塑剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0180】
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
【0181】
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
【0182】
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
【0183】
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
【0184】
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
【0185】
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
【0186】
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
【0187】
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
【0188】
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
【0189】
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
【0190】
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
【0191】
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
【0192】
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
【0193】
本発明の感光体を構成する各層に添加できる滑剤としては、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0194】
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
【0195】
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
【0196】
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
【0197】
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
【0198】
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
【0199】
(f)金属石けん
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
【0200】
(g)天然ワックス
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
【0201】
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
【0202】
本発明の感光体を構成する各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0203】
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなど。
【0204】
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートなど。
【0205】
(c)ベンゾトリアゾール系
(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ3'−ターシャリブチル5'−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾールなど。
【0206】
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレートなど。
【0207】
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル(2,2'チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
【0208】
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
【0209】
次に、図面を用いて本発明の電子写真方法ならびに電子写真装置について詳しく説明する。
図6は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。図6に示すように、本発明に係る電子写真感光体を用いた画像形成装置は、本発明に係るドラム状の感光体(1)と、その周囲に配置された帯電チャージャ(3)と、イレーサ(4)と、画像露光部(5)と、現像ユニット(6)と、転写前チャージャ(7)と、転写チャージャ(10)と、分離チャージャ(11)と、分離爪(12)と、クリーニング前チャージャ(13)と、ファーブラシ(14)及びクリーニングブレード(15)を有するクリーニング装置と、除電光源(2)などから構成されている。なお、感光体(1)の形状は、ドラム状の形状に限定されるものではなく、例えば、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。また、クリーニング前チャージャ(13)としては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)、帯電ローラを始めとする公知の手段を用いることができる。
転写手段としては、一般には上記の帯電器が使用できるが、図示するような転写チャージャと分離チャージャとを併用したものが効果的である。
【0210】
また、画像露光部(5)、除電光源(2)としてのランプ等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルタ、バンドパスフィルタ、近赤外カットフィルタ、ダイクロイックフィルタ、干渉フィルタ、色温度変換フィルターなどの各種フィルタを用いることもできる。
【0211】
かかる光源等は、図6に示される工程の他に、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光を照射することができる。
【0212】
さて、現像ユニット(6)により感光体(1)上に現像されたトナーは、転写紙(9)に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体(1)上にトナーが残存する。このようなトナーは、クリーニング装置中のファーブラシ(14)であるクリーニングブラシ及びクリーニングブレード(15)により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
【0213】
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現像手段としては、公知の方法が適用され、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0214】
図7には、本発明による他の1例の画像形成装置が示され、また、この装置を用いた別のプロセスの例を示す。図7の画像形成装置において、感光体(21)としては、本発明にて製造された電子写真感光体を有しており、さらに導電性支持体から最も離れた層にフィラーを含有しており、駆動ローラ(22a)、(22b)により駆動され、帯電装置(23)による帯電、画像露光装置(24)による像露光、現像(図示せず)、転写チャージャ(25)を用いる転写、クリーニング前光源(26)によるクリーニング前露光、ブラシ(27)によるクリーニング、除電光源(28)による除電が繰返し行なわれる。図7に示すように、感光体(21)(この場合は支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
【0215】
図示したこれら画像形成装置は、本発明における実施形態を例示するものであって、本発明はもちろん上記実施形態に一切限定されるものではなく、他の実施形態も包含するものである。例えば、図7においては、支持体側よりクリーニング前露光を行なっているが、クリーニング前露光は感光層側から行なってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行なってもよい。
【0216】
一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、その他に転写前露光、像露光のプレ露光、及びその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
【0217】
以上に示すような画像形成装置は、複写機、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。ここでいうプロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、その他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段などを含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられる。
一般的な例として、図8に示すような、ケース内の感光体(16)の周囲に帯電装置(17)、画像露光装置(19)、ローラ形状の現像装置(20)、クリーニングブラシ(18)を有するクリーニング装置を配置したプロセスカートリッジを挙げることができる。図8において、感光体(16)は、導電性支持体上に感光層を有し、かつ導電性支持体から最も離れた層にフィラーを有してなるものである。
【0218】
【実施例】
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明が実施例により制約を受けるものではない。なお、部はすべて重量部である。
【0219】
実施例1
アルミニウムシリンダー上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、浸漬塗工によって順次塗布、乾燥し、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、23μmの電荷輸送層を形成した。
◎下引き層塗工液
二酸化チタン粉末:400部
メラミン樹脂:65部
アルキッド樹脂:120部
2−ブタノン:400部
◎電荷発生層塗工液
下記構造のビスアゾ顔料:12部
【0220】
【化85】
Figure 0004112444
ポリビニルブチラール:5部
2−ブタノン:200部
シクロヘキサノン:400部
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製):10部
下記構造式の電荷輸送物質:10部
【0221】
【化86】
Figure 0004112444
テトラヒドロフラン:100部
電荷輸送層上にさらに、下記組成の保護層をスプレー塗工によって約4μmの保護層を形成し、電子写真感光体1を作製した。
◎保護層塗工液
アルミナ(平均一次粒径:0.3μm、住友化学工業製):2部
例示化合物3−4で表わされる化合物:0.5部
不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液
(酸価180mgKOH/g、BYKケミー製):0.02部
下記構造式の電荷輸送物質:3.5部
【0222】
【化87】
Figure 0004112444
ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製):6部
テトラヒドロフラン:220部
シクロヘキサノン:80部
【0223】
実施例2
実施例1において、保護層に含有されるポリカルボン酸を下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体2を作製した。
不飽和ポリカルボン酸ポリマー
(酸価365mgKOH/g、BYKケミー製):0.02部
【0224】
実施例3
実施例1において、保護層に含有されるポリカルボン酸を下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体3を作製した。
ポリエステル樹脂(酸価35mgKOH/g):0.2部
【0225】
実施例4
実施例1において、保護層に含有されるポリカルボン酸を下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体4を作製した。
ポリエステル樹脂(酸価50mgKOH/g):0.2部
【0226】
実施例5
実施例1において、保護層に含有されるポリカルボン酸を下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体5を作製した。
アクリル樹脂(酸価65mgKOH/g):0.1部
【0227】
実施例6
実施例1において、保護層に含有されるポリカルボン酸を下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体6を作製した。
アクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体
(酸価50mgKOH/g):0.1部
【0228】
実施例7
実施例1において、保護層に含有されるポリカルボン酸を下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体7を作製した。
マレイン酸モノアルキル/スチレン/ブチルアクリレート
(酸価50mgKOH/g):0.1部
【0229】
実施例8
実施例1において、保護層に含有されるポリカルボン酸を下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体8を作製した。
スチレンアクリル共重合体(酸価200mgKOH/g):0.1部
【0230】
実施例9
実施例1において、保護層に含有されるポリカルボン酸を下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体9を作製した。
不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液
(酸価650mgKOH/g、藤沢薬品製):0.02部
【0231】
実施例10
実施例2において、保護層に含有されるポリカルボン酸の添加量を下記の添加量に変更した以外は、すべて実施例2と同様にして、電子写真感光体10を作製した。
不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液
(酸価365mgKOH/g、BYKケミー製):0.002部
【0232】
実施例11
実施例2において、保護層に含有されるポリカルボン酸の添加量を下記の添加量に変更した以外は、すべて実施例2と同様にして、電子写真感光体11を作製した。
不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液
(酸価365mgKOH/g、BYKケミー製):0.1部
【0233】
実施例12
実施例5において、保護層に含有されるアクリル樹脂の添加量を下記の添加量に変更した以外は、すべて実施例5と同様にして、電子写真感光体12を作製した。
アクリル樹脂(酸価65mgKOH/g):0.5部
【0234】
実施例13
実施例1において、保護層に含有されるフィラーを下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして電子写真感光体13を作製した。
酸化チタン(平均一次粒径0.3μm、石原産業製):2部
【0235】
実施例14
実施例1において、保護層に含有されるフィラーを下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして電子写真感光体14を作製した。
シランカップリング処理酸化チタン
(平均一次粒径0.015μm、処理量20%):2部
【0236】
実施例15
実施例1において、保護層に含有されるフィラーを下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体15を作製した。
シリカ(平均粒径0.015μm、信越シリコーン製):2部
【0237】
実施例16
実施例1において、保護層に含有される電荷輸送物質及びバインダー樹脂を下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体16を作製した。
下記構造式の高分子電荷輸送物質:20部
【0238】
【化88】
Figure 0004112444
【0239】
実施例17
実施例1において、保護層に含有されるバインダー樹脂を下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体17を作製した。
ポリアリレート樹脂(Uポリマー、ユニチカ製):10部
【0240】
実施例18
実施例1において、電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液及び保護層塗工液を下記のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体18を作製した。
◎電荷発生層塗工液
図9に示されるXDスペクトルを有するチタニルフタロシアニン:8部
ポリビニルブチラール:5部
2−ブタノン:400部
◎電荷輸送層塗工液
C型ポリカーボネート:10部
下記構造式の電荷輸送物質:8部
【0241】
【化89】
Figure 0004112444
トルエン:70部
◎保護層塗工液
アルミナ処理酸化チタン
(平均一次粒径0.035μm、テイカ製):1.5部
例示化合物3−4で表わされる化合物:0.5部
メタクリル酸/メチルメタクリレート共重合体
(酸価50mgKOH/g):0.5部
C型ポリカーボネート(帝人化成製):5.5部
下記構造式の電荷輸送物質:4部
【0242】
【化90】
Figure 0004112444
テトラヒドロフラン:250部
シクロヘキサノン:50部
【0243】
比較例1
実施例1において、保護層形成用塗工液を下記の組成に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体19を作製した。
◎保護層塗工液
アルミナ(平均一次粒径:0.3μm、住友化学工業製):2部
例示化合物3−4で表わされる化合物:0.5部
下記構造式の電荷輸送物質:4部
【0244】
【化91】
Figure 0004112444
ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製):6部
テトラヒドロフラン:220部
シクロヘキサノン:80部
【0245】
比較例2
実施例3において、保護層形成用塗工液を下記の組成に変更した以外は、すべて実施例3と同様にして、電子写真感光体20を作製した。
【0246】
◎保護層塗工液
アルミナ(平均一次粒径:0.3μm、住友化学工業製):2部
例示化合物3−4で表わされる化合物:0.5部
ポリエステル樹脂(酸価7mgKOH/g):0.2部
下記構造式の電荷輸送物質:4部
【0247】
【化92】
Figure 0004112444
ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製):6部
テトラヒドロフラン:220部
シクロヘキサノン:80部
【0248】
参考例1〜18、比較例3〜4
実施例1〜18、及び比較例1〜2において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物1−6の化合物に変更した以外は、すべて実施例、比較例と同様にして、電子写真感光体21〜40を作製した。
【0249】
実施例19〜36、比較例5〜6
実施例1〜18、及び比較例1〜2において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物2−3の化合物に変更した以外は、すべて実施例、比較例と同様にして、電子写真感光体41〜60を作製した。
【0250】
実施例37〜54、比較例7〜8
実施例1〜18、及び比較例1〜2において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物4−6の化合物に変更した以外は、すべて実施例、比較例と同様にして、電子写真感光体61〜80を作製した。
【0251】
実施例55〜72、比較例9〜10
実施例1〜18、及び比較例1〜2において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物5−2の化合物に変更した以外は、すべて実施例、比較例と同様にして、電子写真感光体81〜100を作製した。
【0252】
実施例73〜90、比較例11〜12
実施例1〜18、及び比較例1〜2において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物6−1の化合物に変更した以外は、すべて実施例、比較例と同様にして、電子写真感光体101〜120を作製した。
【0253】
実施例91〜108、比較例13〜14
実施例1〜18、及び比較例1〜2において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物7−2の化合物に変更した以外は、すべて実施例、比較例と同様にして、電子写真感光体121〜140を作製した。
【0254】
実施例109〜126、比較例15〜16
実施例1〜18、及び比較例1〜2において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物8−1の化合物に変更した以外は、すべて実施例、比較例と同様にして、電子写真感光体141〜160を作製した。
【0255】
実施例127〜144、比較例17〜18
実施例1〜18、及び比較例1〜2において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物9−1の化合物に変更した以外は、すべて実施例、比較例と同様にして、電子写真感光体161〜180を作製した。
【0256】
実施例145〜162、比較例19〜20
実施例1〜18、及び比較例1〜2において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物10−2の化合物に変更した以外は、すべて実施例、比較例と同様にして、電子写真感光体181〜200を作製した。
【0257】
実施例163〜180、比較例21〜22
実施例1〜18、及び比較例1〜2において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物11−2の化合物に変更した以外は、すべて実施例、比較例と同様にして、電子写真感光体201〜220を作製した。
【0258】
実施例181〜198、比較例23〜24
実施例1〜18、及び比較例1〜2において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物12−4の化合物に変更した以外は、すべて実施例、比較例と同様にして、電子写真感光体221〜240を作製した。
【0259】
実施例199〜216、比較例25〜26
実施例1〜18、及び比較例1〜2において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物13−4の化合物に変更した以外は、すべて実施例、比較例と同様にして、電子写真感光体241〜260を作製した。
【0260】
実施例217〜234、比較例27〜28
実施例1〜18、及び比較例1〜2において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物14−1の化合物に変更した以外は、すべて実施例、比較例と同様にして、電子写真感光体261〜280を作製した。
【0261】
実施例235〜252、比較例29〜30
実施例1〜18、及び比較例1〜2において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物15−6の化合物に変更した以外は、すべて実施例、比較例と同様にして、電子写真感光体281〜300を作製した。
【0262】
実施例253〜270、比較例31〜32
実施例1〜18、及び比較例1〜2において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物16−1の化合物に変更した以外は、すべて実施例、比較例と同様にして、電子写真感光体301〜320を作製した。
【0263】
実施例271〜288、比較例33〜34
実施例1〜18、及び比較例1〜2において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物17−3の化合物に変更した以外は、すべて実施例、比較例と同様にして、電子写真感光体321〜340を作製した。
【0264】
実施例284〜306、比較例35〜36
実施例1〜18、及び比較例1〜2において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物18−4の化合物に変更した以外は、すべて実施例、比較例と同様にして、電子写真感光体341〜360を作製した。
【0265】
実施例307〜324、比較例37〜38
実施例1〜18、及び比較例1〜2において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物19−1の化合物に変更した以外は、すべて実施例、比較例と同様にして、電子写真感光体361〜380を作製した。
【0266】
実施例325〜342、比較例39〜40
実施例1〜18、及び比較例1〜2において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物20−1の化合物に変更した以外は、すべて実施例、比較例と同様にして、電子写真感光体381〜400を作製した。
【0267】
実施例343〜378、比較例41〜42
実施例1〜18、及び比較例1〜2において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物21−2の化合物に変更した以外は、すべて実施例、比較例と同様にして、電子写真感光体401〜420を作製した。
【0268】
実施例361〜378、比較例43〜44
実施例1〜18、及び比較例1〜2において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物22−2の化合物に変更した以外は、すべて実施例、比較例と同様にして、電子写真感光体421〜440を作製した。
【0269】
比較例45
実施例1において、保護層形成用塗工液を下記の組成に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体441を作製した。
◎保護層塗工液
アルミナ(平均一次粒径:0.3μm、住友化学工業製):2部
不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液
(酸価180mgKOH/g、BYKケミー製):0.02部
下記構造式の電荷輸送物質:4部
【0270】
【化93】
Figure 0004112444
ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製):6部
テトラヒドロフラン:220部
シクロヘキサノン:80部
【0271】
実施例379〜434
実施例1において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を表に示した化合物に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体442〜497を作製した。
【0272】
比較例46
実施例1において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を下記に示した化合物に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体498を作製した。
【化94】
Figure 0004112444
比較例47
実施例1において、保護層に含有された例示化合物3−4で表わされる化合物を下記に示した化合物に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体499を作製した。
【化95】
Figure 0004112444
【0273】
以上のように作製した電子写真感光体1〜499を、電子写真プロセス用カートリッジに装着し、帯電方式をコロナ帯電方式(スコロトロン型)、画像露光光源を655nmの半導体レーザーを用いたリコー製imagio MF2200改造機にて暗部電位900(−V)に設定した後、連続してトータル5万枚の印刷を行い、その際初期画像及び5万枚印刷後の画像について評価を行なった。また、初期及び5万枚印刷後の明部電位を測定した。さらに、初期及び5万枚印刷後での膜厚差より摩耗量の評価を行なった。結果を次表に示す。
【0274】
【表23】
Figure 0004112444
【0275】
【表24】
Figure 0004112444
【0276】
【表25】
Figure 0004112444
【0277】
【表26】
Figure 0004112444
【0278】
【表27】
Figure 0004112444
【0279】
【表28】
Figure 0004112444
【0280】
【表29】
Figure 0004112444
【0281】
【表30】
Figure 0004112444
【0282】
【表31】
Figure 0004112444
【0283】
【表32】
Figure 0004112444
【0284】
【表33】
Figure 0004112444
【0285】
【表34】
Figure 0004112444
【0286】
【表35】
Figure 0004112444
【0287】
【表36】
Figure 0004112444
【0288】
【表37】
Figure 0004112444
【0289】
【表38】
Figure 0004112444
【0290】
【表39】
Figure 0004112444
【0291】
【表40】
Figure 0004112444
【0292】
【表41】
Figure 0004112444
【0293】
【表42】
Figure 0004112444
【0294】
【表43】
Figure 0004112444
【0295】
【表44】
Figure 0004112444
【0296】
【表45】
Figure 0004112444
【0297】
【表46】
Figure 0004112444
【0298】
【表47】
Figure 0004112444
【0299】
表23〜表47の評価結果より、感光体の最表面層に酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物を添加することによって、明部電位を大幅に低減することが可能となった。さらに、5万枚印刷後においても明部電位上昇は少なく、一般式(1)〜(22)で表わされる化合物を添加した感光体では高画質画像が安定に得られることが確認された。また、それと同時に摩耗量についても抑制されており、耐摩耗性が大幅に向上していることが確認された。一方、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物が無添加の感光体や酸価が10(mgKOH/g)以下の感光体は、明部電位が初期から非常に高く、画像濃度の低下や解像度の低下を引き起こしており、5万枚印刷後では階調性が著しく低下したことによって画像の判別が不可能であった。さらに、これらの感光体は、印刷後の摩耗量が著しく増加しており、耐摩耗性の低下が顕著に見られた。
【0300】
また、表48〜51示す電子写真感光体について、50ppmの窒素酸化物ガス濃度に調整されたデシケータ中に4日間放置し、前後における画像(解像度)評価を行なった。
【0301】
【表48】
Figure 0004112444
【0302】
【表49】
Figure 0004112444
【0303】
【表50】
Figure 0004112444
【0304】
【表51】
Figure 0004112444
【0305】
上記表の評価結果より、感光体の最表面に前記一般式(1)〜(22)で表わされる化合物を含有させることによって、酸化性ガスに対する耐性が大幅に向上することがわかる。
【0306】
実施例435
下記の組成の電子写真感光体保護層形成用塗工液2を作製した。
◎保護層塗工液
アルミナ(平均一次粒径:0.3μm、住友化学工業製):2部
例示化合物3−4で表わされる化合物:0.5部
不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液
(酸価180mgKOH/g、BYKケミー製):0.02部
下記構造式の電荷輸送物質:3.5部
【0307】
【化96】
Figure 0004112444
ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製):6部
下記構造式のハイドロキノン系化合物:0.005部
【0308】
【化97】
Figure 0004112444
テトラヒドロフラン:220部
シクロヘキサノン:80部
【0309】
実施例436
実施例435において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2に含まれるハイドロキノン系化合物を下記構造式のヒンダードアミン系化合物に変更した以外は、同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液3を作製した。
【0310】
【化98】
Figure 0004112444
【0311】
実施例437
実施例435において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2に含まれるハイドロキノン系化合物を下記構造式の有機硫黄系化合物に変更した以外は、同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液4を作製した。
【0312】
【化99】
Figure 0004112444
【0313】
実施例438
実施例435において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2に含まれるハイドロキノン系化合物を下記構造式のヒンダードフェノール系化合物に変更した以外は、同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液5を作製した。
【0314】
【化100】
Figure 0004112444
【0315】
実施例439
実施例435において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2に含まれるハイドロキノン系化合物を下記構造式の有機燐系化合物に変更した以外は、同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液6を作製した。
【0316】
【化101】
Figure 0004112444
【0317】
参考例19〜23
実施例435〜439において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2〜6に含まれる例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物1−6に変更した以外は、すべて同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液8〜12を作製した。
【0318】
実施例440〜444
実施例435〜439において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2〜6に含まれる例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物2−3に変更した以外は、すべて同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液14〜18を作製した。
【0319】
実施例445〜449
実施例435〜439において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2〜6に含まれる例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物4−6に変更した以外は、すべて同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液20〜24を作製した。
【0320】
実施例450〜454
実施例435〜439において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2〜6に含まれる例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物5−2に変更した以外は、すべて同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液26〜30を作製した。
【0321】
実施例455〜459
実施例435〜439において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2〜6に含まれる例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物6−1に変更した以外は、すべて同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液32〜36を作製した。
【0322】
実施例460〜464
実施例435〜439において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2〜6に含まれる例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物7−2に変更した以外は、すべて同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液38〜42を作製した。
【0323】
実施例465〜469
実施例435〜439において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2〜6に含まれる例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物8−1に変更した以外は、すべて同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液44〜48を作製した。
【0324】
実施例470〜474
実施例435〜439において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2〜6に含まれる例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物9−1に変更した以外は、すべて同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液50〜54を作製した。
【0325】
実施例475〜479
実施例435〜439において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2〜6に含まれる例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物10−2に変更した以外は、すべて同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液56〜60を作製した。
【0326】
実施例480〜484
実施例435〜439において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2〜6に含まれる例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物11−2に変更した以外は、すべて同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液62〜66を作製した。
【0327】
実施例485〜489
実施例435〜439において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2〜6に含まれる例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物12−4に変更した以外は、すべて同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液68〜72を作製した。
【0328】
実施例490〜494
実施例435〜439において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2〜6に含まれる例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物13−4に変更した以外は、すべて同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液74〜78を作製した。
【0329】
実施例495〜499
実施例435〜439において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2〜6に含まれる例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物14−1に変更した以外は、すべて同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液80〜84を作製した。
【0330】
実施例500〜504
実施例435〜439において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2〜6に含まれる例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物15−6に変更した以外は、すべて同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液86〜90を作製した。
【0331】
実施例505〜509
実施例435〜439において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2〜6に含まれる例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物16−1に変更した以外は、すべて同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液92〜96を作製した。
【0332】
実施例510〜514
実施例435〜439において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2〜6に含まれる例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物17−3に変更した以外は、すべて同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液98〜102を作製した。
【0333】
実施例515〜519
実施例435〜439において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2〜6に含まれる例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物18−4に変更した以外は、すべて同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液104〜108を作製した。
【0334】
実施例520〜524
実施例435〜439において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2〜6に含まれる例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物19−1に変更した以外は、すべて同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液110〜114を作製した。
【0335】
実施例525〜530
実施例435〜439において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2〜6に含まれる例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物20−1に変更した以外は、すべて同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液116〜120を作製した。
【0336】
実施例530〜534
実施例435〜439において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2〜6に含まれる例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物21−2に変更した以外は、すべて同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液122〜126を作製した。
【0337】
実施例535〜539
実施例435〜439において、電子写真感光体保護層形成用塗工液2〜6に含まれる例示化合物3−4で表わされる化合物を例示化合物22−2に変更した以外は、すべて同様にして電子写真感光体保護層形成用塗工液128〜132を作製した。
【0338】
以上のようにして作製された実施例1(電子写真感光体保護層形成用塗工液1)、参考例1(電子写真感光体保護層形成用塗工液7)、実施例19(電子写真感光体保護層形成用塗工液13)、実施例37(電子写真感光体保護層形成用塗工液19)、実施例55(電子写真感光体保護層形成用塗工液25)、実施例73(電子写真感光体保護層形成用塗工液31)、実施例91(電子写真感光体保護層形成用塗工液37)、実施例109(電子写真感光体保護層形成用塗工液43)、実施例127(電子写真感光体保護層形成用塗工液49)、実施例145(電子写真感光体保護層形成用塗工液55)、実施例163(電子写真感光体保護層形成用塗工液61)、実施例181(電子写真感光体保護層形成用塗工液67)、実施例199(電子写真感光体保護層形成用塗工液73)、実施例217(電子写真感光体保護層形成用塗工液79)、実施例235(電子写真感光体保護層形成用塗工液85)、実施例253(電子写真感光体保護層形成用塗工液91)、実施例271(電子写真感光体保護層形成用塗工液97)、実施例289(電子写真感光体保護層形成用塗工液103)、実施例307(電子写真感光体保護層形成用塗工液109)、実施例325(電子写真感光体保護層形成用塗工液115)、実施例343(電子写真感光体保護層形成用塗工液121)、実施例361(電子写真感光体保護層形成用塗工液127)、及び実施例435〜439、参考例19〜23、実施例440〜539における電子写真感光体保護層形成用塗工液1〜132について、室温環境下、暗所にて1週間静置保存し、塗工液の分光吸収特性変化を確認した。表52〜57に結果を示す。
【0339】
【表52】
Figure 0004112444
【0340】
【表53】
Figure 0004112444
【0341】
【表54】
Figure 0004112444
【0342】
【表55】
Figure 0004112444
【0343】
【表56】
Figure 0004112444
【0344】
【表57】
Figure 0004112444
(吸光度変化率)=(保存後における塗工液の吸光度)/(塗工液作製直後の吸光度)
【0345】
表52〜57の結果により、酸化防止剤を添加することによって、塩の生成が抑制され、電子写真感光体保護層形成用塗工液の保存安定性が大幅に向上し、特にハイドロキノン系化合物、及びヒンダードアミン系化合物において、その改善効果が顕著であることがわかる。
【0346】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明より明らかなように、本発明によれば、高耐久化のために感光体の最表面層にフィラーを含有させ、それによって発生しやすくなる画像ボケは、フィラーに絶縁性の高いフィラーを使用することによって回避した。さらに、それによって顕著に起こる残留電位上昇に対しては、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物を含有させることによって、抑制できることを見出した。酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の添加効果は、残留電位の抑制だけに留まらず、フィラーの分散性を向上させ、同時に沈降抑制効果が得られたことにより、膜の透明性が向上し画像濃度ムラのない高解像度を有する画像を得ることが可能となった。同時に一般式(1)〜(22)で表わされる化合物を含有することにより、酸化性ガスなどに対する環境耐性が大幅に向上し、さらに、耐摩耗性の向上や塗膜欠陥の抑制が実現された上、塗工液の高寿命化が実現されたことにより、高耐久性を有し、かつ高解像度の画質が得られる感光体を安定に得ることが可能となった。本発明によって、電子写真感光体の高耐久化と高画質化の両立が実現され、高画質画像が長期に渡って安定に得られる電子写真感光体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の断面を概略的に示した図である。
【図2】本発明の電子写真感光体の断面を概略的に示した別の図である。
【図3】本発明の電子写真感光体の断面を概略的に示した別の図である。
【図4】本発明の電子写真感光体の断面を概略的に示した別の図である。
【図5】本発明の電子写真感光体の断面を概略的に示した別の図である。
【図6】本発明の画像形成装置の1例を示す概略図である。
【図7】本発明の画像形成装置の別の1例を示す概略図である。
【図8】本発明の画像形成装置内に組み込まれるプロセスカートリッジの1例を示す概略図である。
【図9】本発明の実施例で用いるXDスペクトルを有するチタニルフタロシアニンを示す図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 除電光源
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
16 感光体
17 帯電装置
18 クリーニングブラシ
19 画像露光装置
20 現像装置
21 感光体
22a 駆動ローラ
22b 駆動ローラ
23 帯電装置
24 画像露光装置
25 転写チャージャ
26 クリーニング前光源
27 ブラシ
28 除電光源
31 導電性支持体
33 感光層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 保護層

Claims (39)

  1. 導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(2)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004112444
    (式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。l,m,nは0〜3の整数を表わす。ただしl、m、nが同時に0となることはない。Ar,Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、ArとAr、ArとAr、もしくはArとArはそれぞれ共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)
  2. 導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(3)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004112444
    (式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。k,l,m,nは0〜3の整数を表わす。ただしk,l,m,nが同時に0となることはない。Ar,Ar,ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、ArとAr、ArとAr、もしくはArとArはそれぞれ共同で環を形成してもよい。)
  3. 導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(4)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004112444
    (式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。k,l,m,nは0〜3の整数を表わす。ただしk,l,m,nが同時に0となることはない。Ar,Ar,ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、ArとAr、ArとAr、もしくはArとArはそれぞれ共同で環を形成してもよい。)
  4. 導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(5)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004112444
    (式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。k,l,m,nは0〜3の整数を表わす。ただしk,l,m,nが同時に0となることはない。Ar,Ar,ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、ArとAr、ArとAr、もしくはArとArはそれぞれ共同で環を形成してもよい。Xはメチレン基、シクロヘキシリデン基、酸素原子、硫黄原子などの2価の基を表わす。)
  5. 導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(6)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004112444
    (式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。l、mは0〜3の整数を表わす。ただしl、mが同時に0となることはない。Ar,Ar及びArは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、ArとAr、ArとArはそれぞれ共同で環を形成してもよい。nは1〜4の整数を表わす。)
  6. 導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(7)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004112444
    (式中、R、Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R、Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環を形成してもよい。m、nは0〜3の整数を表わす。ただしmとnが同時に0となることはない。R,Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜11のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、Ar,Arは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、それぞれ同一でも異なっていてもよい。ただし、Ar,Ar,RもしくはRのいずれか1つは芳香族複素環基である。)
  7. 導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(8)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004112444
    (式中、R、Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環を形成してもよい。m、nは0〜3の整数を表わす。ただしmとnが同時に0となることはない。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜11のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。また、Ar,Ar,Ar,ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、Ar,ArもしくはAr,Arは共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)
  8. 導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(9)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004112444
    (式中、R、Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R、Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環を形成してもよい。m、nは0〜3の整数を表わす。ただしmとnが同時に0となることはない。また、Ar,Ar,Ar,ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。Ar,ArもしくはAr,Arは共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)
  9. 導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(10)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004112444
    (式中、R、Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R、Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環を形成してもよい。nは1〜3の整数を表わす。また、Ar,Ar,ArおよびArは置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。Ar,ArもしくはAr,Arは共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)
  10. 導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(11)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004112444
    〔式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。lは1〜3の整数を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。R,Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基、あるいは次の一般式(23)
    Figure 0004112444
    (式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。m、nは0〜3の整数を表わす。R,Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。)
    を表わし、同一でも異なっていても良い。RとR、RとR、もしくはArとArは共同で環を形成してもよい。〕
  11. 導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(12)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004112444
    〔式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。lは1〜3の整数を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。R,Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基、あるいは次の一般式(24)
    Figure 0004112444
    (式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。m,nは0〜3の整数を表わす。R,Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。)を表わし、同一でも異なっていても良い。ただし、R,Rは同時に水素原子となることはない。RとR、RとR、もしくはArとArは共同で環を形成してもよい。〕
  12. 導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(13)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004112444
    (式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。R,Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていても良い。R、R,及びRは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。R,RもしくはAr,Rは共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。またArとRは共同で環を形成してもよい。lは1〜3の、mは0〜3の、nは0または1の整数を表わす。)
  13. 導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(14)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004112444
    (式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。R,Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていても良い。R、R,及びRは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていてもよい。R,R、もしくはAr,Rは共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。またArとRは共同で環を形成してもよい。lは1〜3の、mは0〜3の、nは0または1の整数を表わす。)
  14. 導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(15)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004112444
    (式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。l,mは0〜3の整数を表わす。ただしlとmが同時に0となることはない。Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。ArとR、ArとRもしくはAr同士は、共同で環を形成してもよい。nは0または1の整数を表わす。)
  15. 導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(16)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004112444
    (式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。l,mは0〜3の整数を表わす。ただしlとmが同時に0となることはない。Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。ArとR、ArとRもしくはAr同士は、共同で環を形成してもよい。nは0または1の整数を表わす。)
  16. 導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(17)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004112444
    (式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。k,l,mは0〜3の整数を表わす。ただしk,l,mが同時に0となることはない。Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。ArとR、ArとR、もしくはAr同士は、共同で環を形成してもよい。nは0または1の整数を表わす。)
  17. 導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(18)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004112444
    (式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。k,l,mは0〜3の整数を表わす。ただしk,l,mが同時に0となることはない。Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。ArとR、ArとRもしくはAr同士は、共同で環を形成してもよい。nは0または1の整数を表わす。)
  18. 導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(19)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004112444
    (式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。R,Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていても良い。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。R,RもしくはAr,Rは共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。k,l,mは0〜3の整数を表わす。nは1または2の整数を表わす。ただし、k,l,mが同時に0の場合は、R,R,は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよく、また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)
  19. 導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(20)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004112444
    (式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。R,Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わし、同一でも異なっていても良い。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。R,RもしくはAr,Rは共同で窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。mは0〜4の、nは1または2の整数を表わす。ただし、mが0の場合は、R,Rは炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよく、また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)
  20. 導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(21)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004112444
    (式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。R,Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。l,m,nは0〜3の整数を表わし、同時に0となることはない。)
  21. 導電性支持体上に少なくとも感光層が形成されていると共に、導電性支持体から最も離れた層がフィラーを含有する電子写真感光体であって、該導電性支持体から最も離れた層が、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の少なくとも一種と、下記一般式(22)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004112444
    (式中、R,Rは、芳香族炭化水素基置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい。また、R,Rは互いに結合し窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。Ar,Ar,Arは置換若しくは無置換の芳香環基を表わす。Rは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香環基を表わす。l,mは0〜3の整数を表わし、同時に0となることはない。nは1〜3の整数を表わす。)
  22. 前記導電性支持体から最も離れた層が、感光層の最表面層であることを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載の電子写真感光体。
  23. 前記導電性支持体から最も離れた層が、感光層の上に形成された保護層であることを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載の電子写真感光体。
  24. 前記導電性支持体から最も離れた層が含有する、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物が、ポリカルボン酸であることを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに記載の電子写真感光体。
  25. 前記ポリカルボン酸が、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂のいずれか、あるいはそれらの構造を含む共重合体、もしくはそれらの混合物であることを特徴とする請求項24に記載の電子写真感光体。
  26. 前記導電性支持体から最も離れた層が含有するフィラーが、少なくとも1種の無機顔料であることを特徴とする請求項1乃至25のいずれかに記載の電子写真感光体。
  27. 前記無機顔料が、金属酸化物であることを特徴とする請求項26に記載の電子写真感光体。
  28. 前記導電性支持体から最も離れた層が含有するフィラーの平均一次粒径が、0.01μm〜0.5μmであることを特徴とする請求項1乃至27のいずれかに記載の電子写真感光体。
  29. 前記導電性支持体から最も離れた層が、少なくとも1種の電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項1乃至28のいずれかに記載の電子写真感光体。
  30. 前記電荷輸送物質が、高分子電荷輸送物質であることを特徴とする請求項29に記載の電子写真感光体。
  31. 前記導電性支持体から最も離れた層が、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至30のいずれかに記載の電子写真感光体。
  32. 請求項1乃至31のいずれかに記載の電子写真感光体を製造する際に、酸化防止剤を含有させた塗工液を用いて該導電性支持体から最も離れた層を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  33. 前記酸化防止剤が、ハイドロキノン系化合物であることを特徴とする請求項32に記載の電子写真感光体の製造方法。
  34. 前記酸化防止剤が、ヒンダードアミン系化合物であることを特徴とする請求項32に記載の電子写真感光体の製造方法。
  35. 請求項1乃至31のいずれかに記載の電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なうことを特徴とする電子写真方法。
  36. 請求項1乃至31のいずれかに記載の電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行い、かつ画像露光の際にLDあるいはLEDによって感光体上に静電潜像の書き込みを行なうことを特徴とするデジタル方式の電子写真方法。
  37. 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および請求項1乃至31のいずれかに記載の電子写真感光体を具備してなることを特徴とする電子写真装置。
  38. 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および請求項1乃至31のいずれかに記載の電子写真感光体を具備し、画像露光手段にLDあるいはLEDを使用することによって感光体上に静電潜像の書き込みを行なうことを特徴とするデジタル方式の電子写真装置。
  39. 少なくとも請求項1乃至31のいずれかに記載の電子写真感光体を具備してなることを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ。
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