JP4112293B2 - 接着剤付き半導体ウエハの製造方法 - Google Patents

接着剤付き半導体ウエハの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハの電気回路が形成されていない裏面に接着剤を設ける接着剤付き半導体ウエハの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、半導体チップをフィルム状接着剤によってリードフレーム、基板などの支持体にボンディングするには、半導体ウエハの電気回路が形成されていない裏面に、フィルム状接着剤を設け、その後、接着剤付き半導体ウエハをダイシングして個々の半導体チップを得、この半導体チップを支持体に接着する方法が採られている。
【0003】
図7は、半導体ウエハの裏面に接着剤を設ける典型的な第1の先行技術を示す断面図である。この第1先行技術は、たとえば特開平6−302629に開示されている。この先行技術では、図7に示されるように、キャリヤフィルム31上に半導体ウエハ32のサイズに接着剤33を膜状に塗布乾燥した接着剤付きキャリヤシート34を作成し、この接着剤付きキャリヤシート34の前記接着剤33を半導体ウエハ32の裏面35に熱転写する。その後、刃物36によってキャリアフィルム31を、半導体ウエハ32の外形に沿って切断する。この先行技術では、キャリヤフィルム31上に半導体ウエハ32のサイズに接着剤33を形成する必要があり、しかもその接着剤33を半導体ウエハ32の裏面35に正確な位置合わせを行って貼り付ける必要がある。したがって作業性が悪い。
【0004】
さらに、この第1の先行技術において、キャリヤフィルム付き接着剤を半導体ウエハの裏面に貼り付け、そのキャリヤフィルムを残したままにすると、キャリヤフィルムと半導体ウエハとの熱膨張率の違い、およびキャリヤフィルムの熱収縮に起因して、半導体ウエハに反りが生じ、弯曲変形し、その結果、半導体ウエハを真空吸着して搬送してカセットに収納する際、半導体ウエハの搬送を確実に行うことができず、またはカセットに半導体ウエハが衝突するなどし、半導体ウエハが破損するという不具合が生じることが指摘されている。
【0005】
図8は、半導体ウエハの裏面に接着剤を設ける典型的な第2の先行技術を示す断面図である。この第2先行技術は、たとえば特開平11−219962に開示されている。キャリヤフィルム37上に形成された単層接着剤38を、そのキャリヤフィルム37から剥離して半導体ウエハ39の裏面41に配置し、ロール42を用いて接着剤38を半導体ウエハ39の裏面41に加圧加熱する。その後、刃物43によって接着剤38を半導体ウエハ39の外形に沿って切断する。こうして接着剤付きウエハを得る。この先行技術では、接着剤38とロール42とが接触するので、ロールに接着剤が付着しない程度の比較的低めの温度で加圧加熱しなければならない。その結果、接着剤と半導体ウエハの裏面との接着強度を充分に得ることができない。この単層接着剤が薄く、その接着剤の弾性率が低い場合、接着剤は伸びやすく、扱いが難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、生産性が優れており、接着剤と半導体ウエハの裏面との接着強度を向上し、しかも半導体ウエハの反りが生じないように、さらに薄く伸びやすい接着フィルムを、しわなく、貼り付ける工法を実現する接着剤付き半導体ウエハの製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、セパレータの一表面上に接着剤が設けられた接着剤付きシートの前記接着剤を、半導体ウエハの電気回路が形成されていない裏面に、加熱状態で、セパレータを介して加圧して貼り付けるステップと、
半導体ウエハ側で、半導体ウエハの外周部に沿って前記接着剤を、その接着剤の全ての厚みにわたって切断しつつ、セパレータを、そのセパレータの厚みの一部分のみ、切断するステップと、
セパレータを前記接着剤から剥離するステップとを含み、
前記切断するステップが、前記貼り付けるステップの後で実施されることを特徴とする接着剤付き半導体ウエハの製造方法である。
【0008】
本発明に従えば、接着剤付きシート6を準備し、その接着剤を半導体ウエハ2の裏面4に、セパレータ7を介して加圧することによって、加熱状態で貼り付ける。接着剤を直接に加圧するのではなく、セパレータを介して加圧することによって、たとえばロール16などの加圧する部材に接着剤が付着することはなく、しかもその加熱温度を比較的高くして、これによって接着剤と半導体ウエハの裏面との接着強度を充分に高めることが可能になる。
【0009】
こうして半導体ウエハの裏面に接着剤を貼り付けた状態で、すなわち貼り付けるステップの後に、半導体ウエハ側から刃物で接着剤付きシートをいわばハーフカットし、すなわち接着剤をその全ての厚みにわたって切断しつつ、接着剤が形成されたセパレータを、そのセパレータの厚みの一部分のみ、接着剤側で切断する。したがってセパレータは厚み方向に完全には切断されていない状態となっている。
【0010】
そこで次に、セパレータを、半導体ウエハの裏面に貼り付けられている接着剤表面から剥離して除去する。こうして半導体ウエハの裏面の全面にわたって接着剤が貼り付けられた接着剤付き半導体ウエハ1が製造される。
【0011】
したがって接着剤付きシートの接着剤を半導体ウエハの裏面に接着する作業が容易であり、その接着剤と半導体ウエハの裏面との接着強度を向上することができる。しかも接着温度にてセパレータを剥離するので、半導体ウエハが、セパレータとの接着温度と常温との間の温度差に基づく熱膨張率の違いに起因して、反りを生じることはない。したがって半導体ウエハとセパレータとの熱膨張率の違いに起因した半導体ウエハの反りが生じる恐れはなく、半導体ウエハは、平坦な形状のままであって、弯曲変形しない。したがってそのような半導体ウエハをたとえば真空吸着して運搬し、カセットに収納する作業を正確に行うことができ、半導体ウエハが反っていることによって半導体ウエハが障害物に衝突して損傷する恐れなどの不具合が回避される。
【0012】
また本発明は、前記切断ステップと、前記剥離ステップとは、前記加熱状態を保ったままで実行されることを特徴とする。
【0013】
本発明に従えば、加熱状態で接着剤付きシートの接着剤を半導体ウエハの裏面に加圧して貼り付け、この加熱状態を保ったままで、接着剤を切断しつつセパレータを、そのセパレータの厚みの一部分のみ切断する切断ステップを行うとともに、その次のセパレータを接着剤から剥離する剥離ステップとを行う。したがって加熱状態になっている接着剤付きシートおよび半導体ウエハの大きな温度変化が生じないうちに、セパレータを剥離するので、半導体ウエハの反りの発生を防ぐことができる。
【0014】
裏面に接着剤が貼り付けられた半導体ウエハの温度が、常温に戻された状態では、前記加熱状態から常温への温度変化による半導体ウエハを裏面で湾曲変形させようとする接着剤による力は、比較的小さく、半導体ウエハの反りが生じることがないように調整されている。このように半導体ウエハに反りが生じないので、半導体ウエハをカセットに正確に搬送して収納することが容易に可能であり、半導体ウエハが障害物に衝突して半導体ウエハが損傷してしまう恐れはない。
【0015】
好ましくは、セパレータの一表面上に接着剤が設けられた接着剤付きシートの前記接着剤を、半導体ウエハの電気回路が形成されていない裏面に、加熱状態で、セパレータを介して加圧して貼り付け、セパレータと接着剤との接着強度は、半導体ウエハと接着剤との接着強度未満であり、接着剤の厚み、弾性率、線膨張率およびガラス転移温度Tgは、前記加熱状態から常温に温度が変化したとき、半導体ウエハが反りを生じない値に選ばれるステップと、
半導体ウエハ側で、半導体ウエハの外周部に沿って前記接着剤を、前記加熱状態で、その接着剤の全ての厚みにわたって切断しつつ、セパレータを、そのセパレータの厚みの一部分のみ、切断するステップと、
前記加熱状態でセパレータを前記接着剤から剥離するステップとを含むことを特徴とする接着剤付き半導体ウエハの製造方法である。
【0016】
したがって、半導体ウエハの裏面に接着剤付きシートの接着剤が貼り付けられた状態で、セパレータと接着剤との接着強度は小さく、半導体ウエハの裏面と接着剤との接着強度が大きいので、接着剤とセパレータの厚み方向の一部分とを切断した後、セパレータを半導体ウエハの裏面から離間する方向に接着剤から剥離して引っ張る際、半導体ウエハの裏面には接着剤が強固に接着した状態のままに保たれることが確実である。セパレータの材料がたとえばポリプロピレンなどのポリオレフィン系合成樹脂であるとき、接着剤との接着強度は比較的小さく、好ましい。セパレータがたとえばポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル樹脂であるとき、そのセパレータの表面にシリコーン系樹脂層を予め形成しておき、そのシリコーン系樹脂の上に接着剤を積層して接着剤付きシートを構成し、シリコーン系樹脂と接着剤との接着強度を低下させる。これに対して、半導体ウエハの裏面と接着剤との接着強度は、比較的大きい。
【0017】
したがって、半導体ウエハの裏面に接着剤が貼り付けられた加熱状態から常温に温度が戻されて変化したとき、半導体ウエハが接着剤に起因して反りを生じないために、接着剤の厚みを比較的薄くし、接着剤の弾性率を比較的小さくし、さらに前記加熱状態の温度であるガラス転移温度(Tg)を、たとえば80℃未満よりも低いたとえば50℃程度の温度である接着剤の組成を選ぶ。こうして半導体ウエハの反りの発生を防ぐ。
【0018】
また本発明のセパレータは、接着剤よりも厚くかつ弾性率が大きいことを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、接着剤が設けられるセパレータの厚みを、接着剤の厚みよりも大きくし、さらにセパレータの弾性率を接着剤の弾性率よりも大きい材料製とし、これによって接着剤付きシートを半導体ウエハの裏面に貼り付ける前述のステップにおいて、接着剤付きシートがしわを生じることなく、また接着剤付きシートが伸びて変形することなく、正確に、接着剤付きシートを半導体ウエハの裏面に貼り付けることが可能になる。
【0020】
また本発明は、半導体ウエハの電気回路が形成された回路面を、加熱された支持部材の支持面上に支持して、
半導体ウエハの前記裏面に前記接着剤を貼り付けることを特徴とする。
【0021】
また本発明は、前記支持面には、通気孔が臨んで形成され、
通気孔を負圧源によって負圧とし、半導体ウエハの回路面を、支持面上に真空吸着することを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、半導体ウエハの回路面を、支持部材9の支持面11上に、たとえば真空吸着などによって支持し、この支持部材を加熱し、半導体ウエハ2の裏面4と接着剤5との加圧時の高温状態を得ることができる。したがって半導体ウエハ2の裏面4と接着剤5との接着強度を、確実に向上することができる。支持部材9を加熱するだけでなく、セパレータを介して接着剤を加圧する部材もまた、加熱するようにし、接着強度の向上をさらに図ることができる。
【0023】
また本発明は、ロールを移動しながら、接着剤付きシートのセパレータを、半導体ウエハの裏面に向って加圧することを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、図4に示されるように、セパレータ7を介して接着剤5を半導体ウエハ21の裏面4に加圧する部材は、ロール16であって、このロールをセパレータ7に押し付けて接着剤を半導体ウエハの裏面に加圧する。こうして接着剤を半導体ウエハの裏面に希望する大きな圧力で加圧し、接着強度の向上を図ることが容易に可能である。
【0025】
また本発明は、セパレータは熱可塑性合成樹脂であり、
接着剤は、熱可塑性および熱硬化性合成樹脂を含むことを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、接着剤付きシートのセパレータは、たとえばポリプロピレン、ポリエステルなどであってもよく、接着剤はたとえば熱可塑性ポリイミドなどを含む材料であってもよく、特に限定されるものではない。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の接着剤付き半導体ウエハ1の製造工程の一部を示す簡略化した断面図である。半導体ウエハ2の回路面3とは反対側の裏面4の全面には、接着剤5が貼り付けられる。半導体ウエハ2は、たとえばほぼ円形の薄板状の形状を有する。
【0028】
図2は、接着剤5を有する接着剤付きシート6の全体の構成を示す断面図である。接着剤5は、セパレータ7の図2における下方の一表面に参照符5aで示されるように形成される。セパレータ7は、たとえば50μmの厚みを有し、接着剤5は、セパレータ7の厚みよりも薄く、たとえば20μmの厚みを有する。このような接着剤付きシート6が先ず、準備される。本発明の実施の他の形態では、シート6の接着剤5aに、カバーフィルムを配置し、セパレータ7、接着剤5aおよびカバーフィルムの合計3層構造の長尺帯をロール状に巻いて予め準備しておき、このロール状の長尺帯から前記カバーフィルムを剥離しつつ、図1に示されるようにシート6の接着剤5aを半導体ウエハ2に貼り付けるようにしてもよい。
【0029】
図3は、半導体ウエハ2を支持部材9に支持した状態を示す断面図である。半導体ウエハ2の回路面3は、支持部材9の水平な支持面11上に載置されて支持される。半導体ウエハ2の回路面3は、電気回路が臨む面である。裏面4には、前述の接着剤5が貼り付けられる。
【0030】
支持部材9は、支持面11に臨んで開口する複数の通気孔12が点在して形成される。この通気孔12は、負圧室13に連通する。本発明の実施の他の形態では、支持部材9は、ポーラスの多孔質の材料から成り、半導体ウエハ2を支持する支持面11のみが開口し、残余の周囲の面がシール剤で閉じられた構成で実現されてもよい。負圧室13は、管路14を介してポンプなどの負圧源15に接続される。こうして半導体ウエハ2の回路面3は、支持部材9の支持面11上に、扁平な状態のままで、真空吸着される。支持部材9の取付部には、電気ヒータなどの加熱手段19が設けられる。
【0031】
図4は、図3に示される支持部材9上の半導体ウエハ2の裏面4上に接着剤付きシート6を貼り付ける工程を示す断面図である。半導体ウエハ2の裏面4上には、接着剤付きシート6の接着剤5が貼り付けられる。ロール16は、図4の紙面に垂直であって、水平な軸線を有し、矢符17のように転動しながら移動方向18に移動される。これによって接着剤付きシート6の接着剤5は、ロール6によってセパレータ7を介して加圧される。
【0032】
これによって半導体ウエハ2の裏面4は、接着剤5の貼り付けに適した比較的高い温度に加熱された状態とされる。この加熱状態で、半導体ウエハ2の裏面4と接着剤5との充分な接着強度が得られる。ロール16にはまた、ヒータが内蔵され、セパレータ7を介する接着剤5の加圧時、その接着剤5を加熱するようにしてもよく、このことによって接着剤5と半導体ウエハ2の裏面4との接着強度をさらに確実に向上することができる。このロール16は、移動方向18に、半導体ウエハ2の図4における右方の一端部21から左方の他端部22に向って、移動しながら順次的に加圧しながら移動する。このことによって接着剤5と半導体ウエハ2の裏面4との間に空気の気泡が巻き込まれることがなく、ボイドの発生は生じない。
【0033】
ロール16は、接着剤5を、直接に加圧するのではなく、セパレータ7を介して加圧する。したがって接着剤5がロール16の表面に付着してしまうことはなく、接着剤5の半導体ウエハ2における裏面4への貼り付けが確実になるとともに、ロール16の外周面とセパレータ7の図4における上面とが円滑に接触し、加圧を円滑に行うことができる。
【0034】
図5は、図4のステップによって半導体ウエハ2の裏面4に接着剤付きシート6が貼り付けられた状態を示す断面図である。この状態で、刃物24を用いて半導体ウエハ2側(図5の下方)で、この半導体ウエハ2の外周部25に沿って接着剤5を、その接着剤5の全ての厚みにわたって参照符26で示されるように切断しつつ、さらにセパレータ7を、そのセパレータ7の厚みの一部分のみ、参照符27で示すように同時に切断し、接着剤付きシート6を、いわばハーフカットする。
【0035】
図5の参照符26,27で示されるように刃物24を用いて半導体ウエハ2の外周部25に沿って切断を行った後、前述の図1に示されるように、半導体ウエハ2の外方(たとえば図1の左方)で、接着剤付きシート6を矢符28で示されるように半導体ウエハ2から離間するように、変位する。こうして接着剤5からセパレータ7を剥離する。図1において半導体ウエハ2に貼り付けられた接着剤5を残したまま、残りの接着剤5aが付着したセパレータ7は、巻き取られて、廃棄される。接着剤5は、半導体ウエハ2の裏面4に前述のように大きな接着強度で貼り付けられたままである。前述の図5に示されるように刃物24による切断ステップとセパレータ7を剥離する剥離ステップとを実行する際、加熱手段19による加熱状態が保たれる。
【0036】
図6は、半導体ウエハ2の裏面4に接着剤5が貼り付けられて完成された接着剤付き半導体ウエハ1の断面図である。前述の図1に示されるようにセパレータ7が半導体ウエハ2上の接着剤5から剥離された後、負圧源15が休止され、半導体ウエハ2は、支持部材9の支持面11から取り外される。
【0037】
本件発明者の実験結果を述べる。前述の図1〜図6に示される実施の形態において、図2の接着剤付きシート6は、50μm厚の表面処理PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムから成るセパレータ7上に、20μm厚の接着剤5が設けられて構成される。
【0038】
接着剤5は、たとえば溶剤可溶シリコーン変成ポリイミドと熱硬化性樹脂たとえばエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤と、硬化促進剤と、フィラー、カップリング剤などとの配合物でもよく、アクリル系樹脂と熱硬化性樹脂たとえばエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤と、硬化促進剤と、フィラー、カップリング剤などとの配合物などでもよい。
【0039】
本実験で用いた接着剤の作り方は、以下のとおりである。温度計、攪拌機を備えた300mlの四つ口フラスコに、1,3−ビス(3−アミノフェノキン)ベンゼン7.162g、シリコーンジアミン(α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、平均分子量906)33.299g、N−メチル−ピロリドン84g、キシレン56gをとり、窒素フロー下で攪拌し、ジアミンを溶解させた。フラスコを氷水浴中で冷却しながら、4,4′−オキシジフタル酸二無水物19.539gを少量ずつ添加した。5℃で4時間反応させ、ポリアミック酸ワニスを得た。
【0040】
その後、ディーン・スターク管をフラスコに装着し、油浴に変え、系を150℃に加熱し発生する水を系外に除いた。4時間加熱を続け、溶剤可溶ポリイミドを得た。
【0041】
この溶剤可溶ポリイミド100部に対して、日本化薬(株)製クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(EOCN104S、エポキシ当量218g/aq)11.4部、日本石油化学(株)製ジシクロペンタジエン変成フェノールノボラック型硬化剤(DPP6115H)8.63部、四国化成工業(株)製硬化促進剤(2MAOK−PW)0.1部になるように配合しワニスとした。
【0042】
上記ワニスを表面処理PET(東レ・デュポン(株)製表面処理31、厚さ50μm)上にコートし、90℃20分間乾燥し、20μm厚さの接着剤層を形成し接着剤付きシート6を得た。接着剤付きシート6のセパレータ7は、この接着剤5よりも前述のように厚く、しかも弾性率が大きい。セパレータと接着剤5との接着強度は、半導体ウエハ2の裏面4と接着剤5との接着強度未満である。接着剤5の厚み、弾性率およびガラス転移温度Tgは、前述の加熱手段19による加熱状態から常温に温度が変化したとき、半導体ウエハ2が反りを生じない値に選ばれる。
【0043】
図3に示されるように半導体ウエハ2は8インチ径であって、160℃に加熱された状態とされる。そこで図4に示されるようにロール16を用いて接着剤付きシート6の接着剤5を半導体ウエハ2の裏面4に圧着した。その後、図5に示されるように、加熱された状態のままで、刃物24を用いて半導体ウエハ2側からハーフカットし、図1に示されるようにセパレータ7を剥離した。これによって半導体ウエハ2の裏面4に図6に示されるように接着剤5が良好に貼り付けられたことが、確認された。半導体ウエハ2の反りは生じていなかった。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、接着剤付きシートの接着剤を、セパレータを介して加圧して半導体ウエハの裏面に貼り付けるようにしたので、その半導体ウエハの裏面の全面に容易な作業で接着剤を付着することができ、生産性が優れており、しかも加圧は上述のようにセパレータを介して行われるので、その接着剤が、加圧するためのロールなどの部材に付着してしまう恐れはなく、半導体ウエハの裏面と接着剤との接着強度を向上することができる。
【0045】
さらに貼り付けるステップの後に、セパレータは、半導体ウエハの外周部で厚みの一部分だけが切断されるので、セパレータを接着剤から剥離する際、半導体ウエハの裏面の全面にわたって接着剤を正確に貼り付けることができるとともに、そのセパレータの剥離によって、半導体ウエハとセパレータとの熱膨張率の違いに起因した半導体ウエハの反り、弯曲変形が防がれる。これによって接着剤が貼り付けられた半導体ウエハを、たとえば真空吸着などによって運搬することが正確に、かつ容易に可能になり、反りを生じた半導体ウエハが障害物に衝突するなどして破損することはない。
【0046】
また本発明によれば、接着剤が軟らかくて薄い構成であっても、しわを生じることなく、半導体ウエハの裏面に貼り付けることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の接着剤付き半導体ウエハ1の製造工程の一部を示す簡略化した断面図である。
【図2】接着剤5を有する接着剤付きシート6の全体の構成を示す断面図である。
【図3】半導体ウエハ2を支持部材9に支持した状態を示す断面図である。
【図4】図3に示される支持部材9上の半導体ウエハ2の裏面4上に接着剤付きシート6を貼り付ける工程を示す断面図である。
【図5】図4のステップによって半導体ウエハ2の裏面4に接着剤付きシート6が貼り付けられた状態を示す断面図である。
【図6】半導体ウエハ2の裏面4に接着剤5が貼り付けられて完成された接着剤付き半導体ウエハ1の断面図である。
【図7】第1先行技術の断面図である。
【図8】第2先行技術の断面図である。
【符号の説明】
1 接着剤付き半導体ウエハ
2 半導体ウエハ
3 回路面
4 裏面
5 接着剤
6 接着剤付きシート
7 セパレータ
9 支持部材
11 支持面
12 通気孔
13 負圧室
14 管路
15 負圧源
16 ロール
17 矢符
18 移動方向
19 加熱手段
21 一端部
22 他端部
24 刃物
25 外周部
26,27 参照符
28 矢符

Claims (7)

  1. セパレータの一表面上に接着剤が設けられた接着剤付きシートの前記接着剤を、半導体ウエハの電気回路が形成されていない裏面に、加熱状態で、セパレータを介して加圧して貼り付けるステップと、
    半導体ウエハ側で、半導体ウエハの外周部に沿って前記接着剤を、その接着剤の全ての厚みにわたって切断しつつ、セパレータを、そのセパレータの厚みの一部分のみ、切断するステップと、
    セパレータを前記接着剤から剥離するステップとを含み、
    前記切断するステップが、前記貼り付けるステップの後で実施されることを特徴とする接着剤付き半導体ウエハの製造方法。
  2. 前記切断ステップと、前記剥離ステップとは、前記加熱状態を保ったままで実行されることを特徴とする請求項1記載の接着剤付き半導体ウエハの製造方法。
  3. セパレータは、接着剤よりも厚くかつ弾性率が大きいことを特徴とする請求項1または2のうちの1つに記載の接着剤付き半導体ウエハの製造方法。
  4. 半導体ウエハの電気回路が形成された回路面を、加熱された支持部材の支持面上に支持して、
    半導体ウエハの前記裏面に前記接着剤を貼り付けることを特徴とする請求項1〜3のうちの1つに記載の接着剤付き半導体ウエハの製造方法。
  5. 前記支持面には、通気孔が臨んで形成され、
    通気孔を負圧源によって負圧とし、半導体ウエハの回路面を、支持面上に真空吸着することを特徴とする請求項4記載の接着剤付き半導体ウエハの製造方法。
  6. ロールを移動しながら、接着剤付きシートのセパレータを、半導体ウエハの裏面に向って加圧することを特徴とする請求項1〜5のうちの1つに記載の接着剤付き半導体ウエハの製造方法。
  7. セパレータは熱可塑性合成樹脂であり、
    接着剤は、熱可塑性または熱硬化性合成樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜6のうちの1つに記載の接着剤付き半導体ウエハの製造方法。
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