JP4111990B2 - ガラスとホットメルト組成物との複合体およびその製造方法 - Google Patents

ガラスとホットメルト組成物との複合体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラスとホットメルト組成物との複合体およびその製造方法に関する。
従来、ガラス上に成型した樹脂を接着させるためには、湿気硬化型のウレタン系接着剤が使用されている。
例えば、自動車では、湿気硬化型のウレタン系接着剤を使用して、ガラス位置決めピンやガラスホルダーのような部品をガラスと接着させている。
しかしながら、湿気硬化型のウレタン系接着剤を使用してガラスと樹脂成型体とを接着させる場合、ウレタン系接着剤を硬化させるまでに時間がかかるため、養生させるためにスペースを確保することやオーブンに入れる必要があり、生産性が悪かった。
また、熱可塑性樹脂をプライマーでガラスと接着させることが、例えば、特許文献1〜4において提案されている。
ガラスに使用されるプライマーとして例えば特許文献5および特許文献6が提案されている。
ホットメルト用ポリエステル組成物として例えば特許文献7〜9が提案されている。
一方、本願出願人は、プライマー組成物として特許文献10、11を提案し、成形用樹脂組成物として特許文献12を提案している。
特開平06−206237号公報 特開昭57−158481号公報 特開平08−58362号公報 特開平02−151635号公報 特開平04−246491号公報 米国特許出願公開第2003/0207986号明細書 特開平09−216995号公報 特開昭62−74955号公報 特開平02−120347号公報 国際公開第01/55267号パンフレット 特開2002−53798号公報 特開2004−210893号公報
このような問題に対して、本発明者は、溶融したホットメルト組成物をガラス上で成型することによって、ガラスとホットメルトとを接着させることについて接着性試験を行った。
本願発明者は、ガラスとホットメルトとの接着性試験において種々のホットメルト組成物とガラスとの接着性を検討し、そのなかで、ポリエステル系ホットメルト組成物がガラスと接着することを見出した。
しかしながら、ポリエステル系ホットメルト組成物は、ガラスとの耐水接着性に劣ることを見出した。
そこで、本発明は、生産性に優れ、ガラスとの耐水接着性に優れる複合体を得ることができる、ガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、耐水接着性に優れるガラスとホットメルト組成物との複合体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ガラスにプライマーを塗布するプライマー塗布工程と、ポリエステル系のホットメルト組成物を溶融する溶融工程と、前記プライマーが塗布されたガラスに、溶融したホットメルト組成物を塗布または成型し、前記ガラスと前記ホットメルト組成物とを接着させて前記ガラスと前記ホットメルト組成物との複合体とする塗布成型工程とを具備するガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法が生産性に優れ、この製造方法によれば耐水接着性に優れる、ガラスとホットメルト組成物との複合体を得ることができることを見出した。
即ち、本発明は、下記(1)〜(21)のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法を提供する。
なお、下記(1)のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法を、以下「本発明の第1の態様の製造方法」ということがある。
(1) ガラスにプライマーを塗布するプライマー塗布工程と、
ポリエステル系のホットメルト組成物を溶融する溶融工程と、
前記プライマーが塗布されたガラスに、溶融したホットメルト組成物を塗布または成型し、前記ガラスと前記ホットメルト組成物とを接着させて前記ガラスと前記ホットメルト組成物との複合体とする塗布成型工程とを具備するガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
(2) 前記ホットメルト組成物が、芳香族ポリエステル(a)と、タッキファイヤー(b)と、1分子中にヒドロキシ基を2個以上有するポリオール化合物(c)とを含有する上記(1)に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
(3) 前記ホットメルト組成物が、さらに、ポリオレフィン(d)を含有する上記(2)に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
(4) 前記プライマーが、イソシアネートシランを含有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
(5) 前記プライマーが、さらに、造膜樹脂を含有する上記(4)に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
(6)前記造膜樹脂が、極性樹脂である上記(5)に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
(7) 前記芳香族ポリエステル(a)として、テレフタル酸およびイソフタル酸のうちの一方または両方を含有する酸成分と、エチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ネオペンチルグリコールおよび1,4−ブタンジオールからなる群から選択される少なくとも1種を含有するヒドロキシ基成分とを反応させて得られるポリエステルを含有する上記(2)に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
(8) 前記芳香族ポリエステル(a)として、テレフタル酸とイソフタル酸とを含有する酸成分と、エチレングリコールとネオペンチルグリコールとを含有するヒドロキシ基成分とを反応させて得られるポリエステルAと、
テレフタル酸とイソフタル酸とを含有する酸成分と、1,4−ブタンジオールとポリテトラメチレンエーテルグリコールとを含有するヒドロキシ基成分とを反応させて得られるポリエステルBと
を含有する上記(2)に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
(9) 前記芳香族ポリエステル(a)として、更に、テレフタル酸とイソフタル酸とセバシン酸とを含有する酸成分と、1,4−ブタンジオールを含有するヒドロキシ基成分とを反応させて得られるポリエステルCを含有する上記(7)または(8)に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
(10) 前記芳香族ポリエステル(a)として、更に、テレフタル酸とイソフタル酸とε−カプロラクトンとを含有する酸成分と、1,4−ブタンジオールを含有するヒドロキシ基成分とを反応させて得られるポリエステルDを含有する上記(7)〜(9)のいずれかに記載のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
(11) 前記タッキファイヤー(b)が、ロジン系タッキファイヤーである上記(2)に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
(12) 前記ロジン系タッキファイヤーが、ロジンジオールである上記(11)に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
(13) 前記ポリオレフィン(d)が、エポキシ基、カルボキシ基および酸無水物基からなる群から選択される少なくとも1種を有する上記(3)に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
(14) 前記ポリオレフィン(d)が、エポキシ基と、カルボキシ基および酸無水物基のうちの一方または両方とを有する上記(3)に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
(15) 前記カルボキシ基がマレイン酸に由来するカルボキシ基であり、前記酸無水物基が無水マレイン酸基である上記(13)または(14)に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
(16) 前記タッキファイヤー(b)の量が、前記芳香族ポリエステル(a)100質量部に対して、1〜50質量部である上記(2)に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
(17) 前記タッキファイヤー(b)の量が、前記芳香族ポリエステル(a)および前記ポリオレフィン(d)の合計100質量部に対して、1〜50質量部である上記(3)に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
(18) 前記ポリオール化合物(c)の含有量が、前記芳香族ポリエステル(a)100質量部に対して0.5〜50質量部である上記(2)に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
(19) 前記ポリオール化合物(c)の含有量が、前記芳香族ポリエステル(a)と前記ポリオレフィン(d)との合計100質量部に対して0.5〜50質量部である上記(3)に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
(20) 前記ポリオレフィン(d)の量が、前記芳香族ポリエステル(a)と前記ポリオレフィン(d)との合計100質量部中の5〜40質量部である上記(3)に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
(21) 前記ホットメルト組成物の190℃における粘度が、10〜5000Pa・sである上記(1)に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
また、本発明者は、ガラスと、前記ガラスの上に配置された、イソシアネートシラン、およびアミノシランとエポキシシランとの反応生成物からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコキシシリル基含有化合物と造膜樹脂とを含有するプライマーを用いて形成されるプライマー層と、前記プライマー層の上に配置された、芳香族ポリエステル(a)を含有するホットメルト組成物を用いて形成されるホットメルト層とを具備するガラスとホットメルト組成物との複合体が、耐水接着性に優れることを見出した。
また、本発明者は、ガラスにイソシアネートシラン、およびアミノシランとエポキシシランとの反応生成物からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコキシシリル基含有化合物と造膜樹脂とを含有するプライマーを塗布するプライマー塗布工程と、芳香族ポリエステル(a)を含有するホットメルト組成物を溶融する溶融工程と、前記プライマーが塗布されたガラスに、溶融したホットメルト組成物を塗布または成型し、前記ガラスと前記ホットメルト組成物とを接着させて前記ガラスと前記ホットメルト組成物との複合体とする塗布成型工程とを具備する、上述のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法が生産性に優れ、この製造方法によれば耐水接着性に優れる、ガラスとホットメルト組成物との複合体を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法は生産性に優れ、本発明のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法によれば耐水接着性に優れるガラスとホットメルト組成物との複合体を得ることができる。
また、本発明のガラスとホットメルト組成物との複合体は耐水接着性に優れる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明は、
ガラスにプライマーを塗布するプライマー塗布工程と、
ポリエステル系のホットメルト組成物を溶融する溶融工程と、
前記プライマーが塗布されたガラスに、溶融したホットメルト組成物を塗布または成型し、前記ガラスと前記ホットメルト組成物とを接着させて前記ガラスと前記ホットメルト組成物との複合体とする塗布成型工程とを具備するガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法である。
塗布工程について以下に説明する。
塗布工程は、ガラスにプライマーを塗布する工程である。
塗布工程において、ガラスをプライマー処理されたガラスとする。
塗布工程において、プライマーはプライマー層となる。
プライマー塗布工程において使用されるガラスは特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
ガラスは、用途に応じて、例えば、大きさ、材質を選択することができる。例えば、自動車に使用されるガラスが挙げられる。
プライマーについて以下に説明する。
プライマー塗布工程において使用されるプライマーは、ガラスに対して使用できるものであれば特に制限されない。
プライマーが、例えば、イソシアネートシランを含有することができる。
プライマーは、ガラスとの耐水接着性により優れるという観点から、イソシアネートシランを含有するのが好ましい。
プライマーが含有することができるイソシアネートシランは、イソシアネート基を有するシランカップリング剤であれば特に制限されない。例えば、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)とトリレンジイソシアネート(TDI)との付加物およびTMPとキシリレンジイソシアネート(XDI)との付加物からなる群から選択される1種以上のポリイソシアネート化合物と、N,N−ビス[(3−トリメトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス[(3−トリエトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス[(3−トリプロポキシシリル)プロピル]アミン、3−(n−ブチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランおよび3−(n−プロピルアミノ)プロピルトリメトキシシランからなる群から選択される1種以上のシラン化合物とを付加させて得られる芳香族系イソシアネートシラン;イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、イソシアネートプロピルトリエトキシシランのような脂肪族系イソシアネートシランが挙げられる。
なかでも、ガラスとの耐水接着性により優れるという観点から、脂肪族系イソシアネートシランが好ましい。
イソシアネートシランは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、プライマーに含有されるシラン化合物として、例えば、イソシアネートシラン、およびアミノシランとエポキシシランとの反応生成物からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコキシシリル基含有化合物が挙げられる。
アルコキシシリル基含有化合物は、アルコキシシリル基を有するイソシアネート化合物、またはアルコキシシリル基を有する、アミノシランとエポキシシランとの反応生成物である。
アルコキシシリル基は、ケイ素原子にアルコキシ基が1〜3個結合している基であれば特に制限されない。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が挙げられる。
ケイ素原子に結合しているアルコキシ基が1または2個である場合、ケイ素原子に結合するアルコキシ基以外の基としては例えば、メチル基、エチル基のようなアルキル基が挙げられる。
アルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジメトキシエチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジエトキシエチルシリル基が挙げられる。
アルコキシシリル基は、ガラスまたは金属に対する接着性に優れ、耐水接着性により優れるという観点から、トリメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基であるのが好ましい態様として挙げられる。
プライマーが含有することができるイソシアネートシランは、イソシアネート基を有するシランカップリング剤であれば特に制限されない。
イソシアネートシランとしては、例えば、1分子内に、少なくとも1つのイソシアネート基と少なくとも1つのアルコキシシリル基を有するものが挙げられ、具体的には、少なくとも1つのイソシアネート基と少なくとも1つのアルコキシシリル基とが、炭素原子数1以上の炭化水素基に結合しているものが挙げられる。
炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。また、炭化水素基は、例えば、ウレタン結合、尿素結合、チオウレタン結合を有することができる。
イソシアネートシランとしては、例えば、下記式(1)で表されるものが挙げられる。
Figure 0004111990

式中、R1は、ウレタン結合、尿素結合およびチオウレタン結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を有することができる炭化水素基であり、R2はアルコキシ基であり、R3はアルキル基であり、mは1〜3の整数であり、nは1〜3の整数であり、oは1〜3の整数であり、m+nが2〜4の整数である。
ウレタン結合、尿素結合およびチオウレタン結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を有することができる炭化水素基は、炭素原子数1〜8であるのが好ましい。炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプチル基、オクチル基のような脂肪族炭化水素基;フェニレン基、キシリレン基のような芳香族炭化水素基が挙げられる。
炭化水素基は、フェニル基のような芳香族炭化水素基を側鎖として有することができる。
1が炭素原子および水素原子のみからなる脂肪族系イソシアネートシランとしては、例えば、イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、イソシアネートプロピルメチルジエトキシシランが挙げられる。
炭化水素基は上述のとおりウレタン結合を有することができ、ウレタン結合を例えばウレタンプレポリマー由来の構造とすることができる。
ウレタン結合を有する炭化水素基を構成しうるウレタンプレポリマーとしては、例えば、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)と、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)およびヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)からなる群から選ばれる少なくとも1種とから得られるものが挙げられる。
プライマーが含有することができるイソシアネートシランとしては、例えば、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)とトリレンジイソシアネート(TDI)との付加物およびTMPとキシリレンジイソシアネート(XDI)との付加物からなる群から選択される1種以上のポリイソシアネート化合物(ウレタンプレポリマー)と、N,N−ビス[(3−トリメトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス[(3−トリエトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス[(3−トリプロポキシシリル)プロピル]アミン、3−(n−ブチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランおよび3−(n−プロピルアミノ)プロピルトリメトキシシランからなる群から選択される1種以上のアミノシラン化合物とを付加させて得られる芳香族系イソシアネートシランが挙げられる。
また、TMPとヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)との付加物のような脂肪族系ウレタンプレポリマー、HDIビウレット体、HDIイソシアヌレート体またはHDI−TDIイソシアヌレート体と、イソシアネート基と反応可能な活性水素基およびアルコキシシリル基を有する化合物(例えば、3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシランのようなアミノシラン、メルカプトシラン)とを反応させることによって得られる、脂肪族系イソシアネートシランが挙げられる。
なかでも、イソシアネートシランは、ガラスとの耐水接着性により優れるという観点から、脂肪族系イソシアネートシランが好ましい。
脂肪族系イソシアネートシランは、脂肪族炭化水素基にイソシアネート基およびアルコキシシリル基が結合している化合物である。
また、ガラスとの耐水接着性により優れるという観点から、脂肪族系の、ウレタンプレポリマー、ビウレット体、HDIイソシアヌレート体またはHDI−TDIイソシアヌレート体と、イソシアネート基と反応可能な活性水素基およびアルコキシシリル基を有する化合物との反応生成物が好ましく、TMPとヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)との付加物(ウレタンプレポリマー)あるいはHDIビウレット体、HDIイソシアヌレート体、HDI−TDIイソシアヌレート体と、3−(N−フェニルプロピル)トリメトキシシランあるいは3−メルカプトプロピルトリメトキシシランとの反応生成物がより好ましい。
イソシアネートシランはその製造について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
イソシアネートシランが少なくとも1つのイソシアネート基と少なくとも1つのアルコキシシリル基とを、例えば、ウレタン結合、尿素結合、チオウレタン結合を有する炭化水素基に結合させたものである場合、その製造としては、例えば、イソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネートに、イソシアネート基と反応可能な活性水素基およびアルコキシシリル基とを有する化合物を、イソシアネート基/活性水素基=2.0以上となる量で反応させることによって得られる反応生成物が挙げられる。
イソシアネートシランの製造の際に使用されるポリイソシアネートは、イソシアネート基が2個以上結合している化合物であれば特に制限されない。例えば、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、ウレタンプレポリマーが挙げられる。
なかでも、ガラスとの耐水接着性により優れるという観点から、脂肪族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートから得られるウレタンプレポリマーであるのが好ましい。
脂肪族ポリイソシアネートは、脂肪族炭化水素基にイソシアネート基が2個以上結合している化合物である。脂肪族炭化水素基が有する炭素原子数は、被着体との接着性に優れるという観点から、3〜12であるのが好ましい。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのような鎖状の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートのような脂環族ポリイソシアネート;キシリレンジイソシアネートのようなアラルキルポリイソシアネートが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートから得られるウレタンプレポリマーについて、製造の際に使用される脂肪族ポリイソシアネートは、特に制限されず、例えば上記と同様のものが挙げられる。
また、脂肪族ポリイソシアネートから得られるウレタンプレポリマーについて、製造の際に使用されるポリオールは特に制限されず、例えば、トリメチロールプロパン、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレントリオールが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートから得られるウレタンプレポリマーは、その製造について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
なかでも、イソシアネートシランの製造の際に使用されるポリイソシアネートは、ガラスとの耐水接着性により優れるという観点から、鎖状の脂肪族炭化水素基にイソシアネート基が結合しているポリイソシアネート、鎖状の炭化水素基にイソシアネート基が結合している脂肪族ポリイソシアネートから得られるウレタンプレポリマーが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートから得られるウレタンプレポリマーがより好ましい。
イソシアネートシランの製造の際に使用されるポリイソシアネートは、プライマーの耐水接着性により優れるという観点から、イソシアネート基が2〜4官能であるのが好ましい。
ポリイソシアネートは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
イソシアネート基と反応可能な活性水素基およびアルコキシシリル基とを有する化合物において、イソシアネート基と反応可能な活性水素基としては、例えば、アミノ基、メルカプト基、ヒドロキシ基が挙げられる。
なかでも、被着体との接着性に優れるという観点から、アミノ基、メルカプト基が好ましい。
イソシアネート基と反応可能な活性水素基およびアルコキシシリル基とを有する化合物において、アルコキシシリル基は特に制限されない。例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジメトキシエチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジエトキシエチルシリル基が挙げられる。
イソシアネート基と反応可能な活性水素基およびアルコキシシリル基とを有する化合物において、イソシアネート基と反応可能な活性水素基およびアルコキシシリル基とが結合している有機基は特に制限されない。例えば、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基および芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
イソシアネート基と反応可能な活性水素基としてのアミノ基、およびアルコキシシリル基とを有する化合物としては、例えば、N,N−ビス[(3−トリメトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス[(3−トリエトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス[(3−トリプロポキシシリル)プロピル]アミン、3−(n−ブチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(n−プロピルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランのような第二級アミンを有するものが挙げられる。
なかでも、耐水接着性により優れるという観点から、第二級アミンを有するものが好ましく、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ブチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
イソシアネート基と反応可能な活性水素基としてのメルカプト基、およびアルコキシシリル基とを有する化合物としては、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルエチルジエトキシシランが挙げられる。
イソシアネート基と反応可能な活性水素基およびアルコキシシリル基とを有する化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
イソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネートと、イソシアネート基と反応可能な活性水素基およびアルコキシシリル基とを有する化合物との反応は、耐水接着性により優れるという観点から、イソシアネート基/活性水素基=2.0以上で反応させるのが好ましく、2.0〜4.0であるのがより好ましい。
イソシアネートシランは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
アミノシランとエポキシシランとの反応生成物(以下これを「アミノ・エポキシシラン反応生成物」ということがある。)について以下に説明する。
アミノ・エポキシシラン反応生成物はアミノシランとエポキシシランとを反応させるものであればその製造について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
具体的には例えば、1分子内にアミノ基を2つ以上有するアミノシランと、エポキシ基を有するエポキシシランとを反応させることによって得られる反応生成物が挙げられる。
アミノ・エポキシシラン反応生成物の製造の際に使用されるアミノシランは、アミノ基とアルコキシシリル基とを有するアミン系シランカップリング剤であれば特に制限されない。
アミノシランが有するアミノ基としては、例えば、第一級アミノ基(−NH2)、第二級アミノ基(−NH−)が挙げられる。アミノシランは、例えば、1分子内に−NH2および−NH−を有することができる。
アミノシランが有するアミノ基の数は、ホットメルト組成物との接着性に優れ、耐水接着性により優れるという観点から2個以上であるのが好ましく、2個であるのがより好ましい。
なかでも、第一級アミノ基と第二級アミノ基とを有するのが好ましい。
アルコキシシリル基は特に制限されない。例えば、上記と同様のものが挙げられる。
アミノ・エポキシシラン反応生成物の製造の際に使用されるアミノシランは、少なくとも1つのアミノ基と少なくとも1つのアルコキシシリル基とが、炭素原子数1以上の炭化水素基に結合しているものであれば特に制限されない。
炭化水素基は−NH−を骨格内に含むことができる。
アミノ・エポキシシラン反応生成物の製造の際に使用されるアミノシランとしては、例えば、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−アミノメチルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルエチルジエトキシシランが挙げられる。
中でも、ホットメルト組成物との接着性に優れ、耐水接着性により優れるという観点から、第一級アミノ基と第二級アミノ基とを有するものが好ましく、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノメチルトリメトキシシランがより好ましい。
アミノシランはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
アミノ・エポキシシラン反応生成物の製造の際に使用されるエポキシシランは、エポキシ基とアルコキシシリル基とを有するエポキシ系シランカップリング剤であれば特に制限されない。
エポキシシランが有するアルコキシシリル基は、特に制限されず、例えば、上記と同様のものが挙げられる。
なかでも、ガラスまたは金属に対する接着性に優れるという観点から、トリメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基であるのが好ましい。
アミノ・エポキシシラン反応生成物の製造の際に使用されるエポキシシランは、少なくとも1つのエポキシ基と少なくとも1つのアルコキシシリル基とが、炭素原子数1以上の炭化水素基に結合しているものであれば特に制限されない。
炭化水素基は、例えば、エーテル結合を骨格内に含むことができる。
エポキシシランが有するエポキシ基は、耐水接着性により優れるという観点から、1個であるのが好ましい。
アミノ・エポキシシラン反応生成物の製造の際に使用されるエポキシシランとしては、例えば、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシランのようなジアルコキシエポキシシラン;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランのようなトリアルコキシエポキシシランが挙げられる。
なかでも、ガラスまたは金属に対する接着性に優れ、耐水接着性により優れるという観点から、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
エポキシシランはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
アミノ・エポキシシラン反応生成物は、ガラスまたは金属、およびホットメルト組成物に対する接着性に優れ、耐水接着性により優れるという観点から、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよび/または−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランとN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランとの反応生成物が好ましい。
アミノ・エポキシシラン反応生成物としては、例えば、下記式(2)で表されるものが挙げられる。
Figure 0004111990

式中、R1、R6はそれぞれ独立にアルコキシ基であり、R2、R7はそれぞれ独立に炭素原子数1〜3の脂肪族炭化水素基であり、R3は炭素原子数2〜6の酸素原子を有してもよい鎖状脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基であり、R4は炭素原子数2〜4の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、R5は炭素原子数2〜6の鎖状脂肪族炭化水素基であり、m、nはそれぞれ独立に1〜3の整数である。
式(2)で表される化合物としては、例えば、
Si(OMe)3−(CH23−O−CH2−CH(−OH)−CH2−NH−CH2CH2−NH−(CH23−Si(OMe)3
SiMe(OMe)2−(CH23−O−CH2−CH(−OH)−CH2−NH−CH2CH2−NH−(CH23−Si(OMe)3
Si(OEt)3−(CH23−O−CH2−CH(−OH)−CH2−NH−CH2CH2−NH−(CH23−Si(OEt)3
SiMe(OEt)2−(CH23−O−CH2−CH(−OH)−CH2−NH−CH2CH2−NH−(CH23−Si(OEt)3が挙げられる。
アミノ・エポキシシラン反応生成物は、ガラスまたは金属に対する接着性に優れ、耐水接着性により優れるという観点から、ケイ素原子に結合しているアルコキシ基を3個以上有するのが好ましい。
アルコキシシリル基含有化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
アミノ・エポキシシラン反応生成物の製造において、エポキシシランの量は、ガラス及びホットメルトとの接着性に優れるという観点から、アミノシラン1モルに対して、1.0〜2.5モルであるのが好ましく、1.0〜2.3モルであるのがより好ましい。
プライマーは、ガラスとの接着強度に優れるという観点から、さらに、造膜樹脂を含有するのが好ましい。
プライマーが含有することができる造膜成分は、造膜性を有する樹脂であれば特に限定されない。
例えば、極性樹脂が挙げられる。
造膜樹脂は、ガラスまたは金属に対する接着性に優れるという観点から、極性樹脂が好ましい。
極性樹脂は、極性基を有する樹脂であれば特に制限されない。
極性基としては、例えば、カーボネート基、エステル結合、ニトリル基、ウレタン結合、アミド結合、カルボキシ基、アクリレート基、メタクリレート基、アセタール結合、ヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基、エポキシ基が挙げられる。
極性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂、ポリアルキルアクリレート樹脂、ポリアルキルメタクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
なかでも、ガラスまたは金属に対する接着性に優れるという観点から、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド、アクリル樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。
また、極性樹脂は、耐水接着性により優れ、耐温水接着性に優れるという観点から、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。
造膜樹脂は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
造膜樹脂の量は、ガラスまたは金属に対する接着性に優れるという観点から、イソシアネートシラン100質量部に対して、1〜500質量部であるのが好ましい。
造膜樹脂の量は、ガラスまたは金属に対する接着性に優れるという観点から、アルコキシシリル基含有化合物100質量部に対して、1〜500質量部であるのが好ましく、
50〜300質量部であるのがより好ましい。
プライマーは、本発明の目的を損なわない範囲で、溶剤、添加剤を含有することができる。
溶剤としては、例えば、ベンゼン、キシレン、トルエンのような芳香族炭化水素化合物;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのエーテル類が挙げられる。
添加剤としては、例えば、防錆剤、可塑剤、充填剤、増粘剤、酸化防止剤、無機顔料、有機顔料、紫外線吸収剤、吸水剤、揺変剤が挙げられる。
プライマーは、その製造について特に制限されない。例えば、イソシアネートシランと造膜樹脂とを混合することによって得ることができる。また、イソシアネートシランおよびアミノシランとエポキシシランとの反応生成物からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコキシシリル基含有化合物と造膜樹脂とを混合することによって得ることができる。
プライマー塗布工程において、プライマーをガラスに塗布する方法は特に制限されない。例えば、刷毛塗り、スプレー塗布、浸漬等が挙げられる。
プライマー塗布後、必要に応じて溶剤を乾燥させ、プライマーをプライマー層とすることができる。
プライマー塗布後、プライマー処理されたガラスは、塗布直後に塗布成型工程に使用することができる。また、塗布後72時間以上経過後に塗布成型工程において使用することができる。
溶融工程について以下に説明する。
溶融工程は、ポリエステル系のホットメルト組成物を溶融する工程である。
ホットメルト組成物について以下に説明する。
本発明において使用されるホットメルト組成物は、ポリエステル系のホットメルト組成物である。
ホットメルト組成物はベースポリマーとしてポリエステルを含有する。
ホットメルト組成物が含有するポリエステルは特に制限されない。例えば、芳香族ポリエステル、脂肪酸ポリエステルが挙げられる。
芳香族ポリエステルが好ましい態様の1つとして挙げられる。
ポリエステルは、耐水接着性により優れ、耐温水接着性に優れるという観点から、芳香族ポリエステルが好ましい。
以下、ホットメルト組成物が含有する芳香族ポリエステルを芳香族ポリエステル(a)という。
芳香族ポリエステル(a)は、特に限定されず、従来公知の芳香族ポリエステルを用いることができる。
なかでも、芳香族ポリカルボン酸とグリコールとの縮合反応から得られる芳香族ポリエステルであることが好ましい。
芳香族ポリエステル(a)としては、具体的には、例えば、テレフタル酸およびイソフタル酸のうちの一方または両方を含有する酸成分と、エチレングリコール(以下、EGと略す)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMGと略す)、ネオペンチルグリコール(以下、NPGと略す)および1,4−ブタンジオール(以下、1,4−BDと略す)からなる群より選択される少なくとも1種を含有するヒドロキシ基成分とを反応させて得られるポリエステルを含有する芳香族ポリエステルが挙げられる。
より具体的には、下記に示すポリエステルA〜Dが挙げられる。
本発明において、ポリエステルAを、酸成分としてテレフタル酸とイソフタル酸との混合物を用い、ヒドロキシ基成分としてNPGとEGとの混合物を用いて、縮合反応により得られるポリエステルとする。
ポリエステルAの190℃での粘度は、0.5〜2Pa・sであることが好ましく、0.7〜1.5Pa・sであることがより好ましい。
また、本発明において、ポリエステルBを、酸成分としてテレフタル酸とイソフタル酸との混合物を用い、ヒドロキシ基成分としてPTMGと1,4−BDとの混合物を用いて、縮合反応により得られるポリエステルとする。
ポリエステルBの溶融状態における流動性を示す尺度である溶融指数(メルトインデックス)(以下、MIと略す)が、200℃において10以上であることが好ましく、13〜50であることがより好ましい。ポリエステルBのMIがこの範囲であると成型時の粘度を低く保ち、成型後の耐熱性が優れるため好ましい。
ここで、PTMGは1,4−BDを重合させて得られる重合体であれば特に限定されず、数平均分子量が2000以上であることが好ましく、市販品として三菱化学社製のH−283を用いることができる。
また、本発明において、ポリエステルCを、酸成分としてテレフタル酸とイソフタル酸とセバシン酸の混合物を用い、ヒドロキシ基成分として1,4−BDを用いて、縮合反応により得られるポリエステルとする。
ポリエステルCの190℃での粘度は200〜700Pa・sであることが好ましく、400〜600Pa・sであることがより好ましい。
また、本発明において、ポリエステルDを、酸成分としてテレフタル酸とイソフタル酸とε−カプロラクトンとの混合物を用い、ヒドロキシ基成分として1,4−BDを用いて、縮合反応により得られるポリエステルとする。
ポリエステルDの190℃での粘度は100〜300Pa・sであることが好ましく、150〜200Pa・sであることがより好ましい。
芳香族ポリエステル(a)は、ポリエステルA、B、CおよびDからなる群より選択させる少なくとも2種を含有していることが好ましく、ポリエステルAとポリエステルBとを含有していることがより好ましい。
これは、柔軟性、耐熱性、耐薬品性、耐油性および延伸性に優れたポリエステルBと、低粘度で成型性に優れているポリエステルAとを含有させることにより、ホットメルト組成物の成型時における粘度を低く保ち、更に成型後の固化物に柔軟性を与え、生産性のより優れるという理由からである。
また、芳香族ポリエステル(a)は、耐水接着性により優れ、耐温水接着性に優れるという観点から、ポリエステルA、B、CおよびDからなる群より選択させる少なくとも2種を含有していることが好ましく、ポリエステルAとポリエステルBとを含有していることがより好ましい。
また、同様の理由から、芳香族ポリエステル(a)は、ポリエステルAとポリエステルBと、ポリエステルCおよびポリエステルDのうちの一方または両方とを含有していることが好ましい。
芳香族ポリエステル(a)におけるポリエステルA、B、CおよびDの含有割合は、芳香族ポリエステル(a)の総質量に対して、ポリエステルAを10〜50質量%、ポリエステルBを10〜50質量%、ポリエステルCを0〜30質量%、ポリエステルDを0〜30質量%含有していることが好ましく、ポリエステルAを25〜45質量%、ポリエステルBを20〜40質量%、ポリエステルCを0〜20質量%、ポリエステルDを0〜25質量%含有していることがより好ましく、ポリエステルAを30〜40質量%、ポリエステルBを25〜35質量%、ポリエステルCを0〜15質量%、ポリエステルDを0〜20質量%含有していることが更に好ましい。
ポリエステルA、B、CおよびDの含有割合がこの範囲である場合、生産性により優れ、ホットメルト組成物の成型時の粘度を低く保ちながら成型後の固化物に柔軟性を与えることが可能であり、成型後の固化物が耐油性、耐ガソリン性に優れるため好ましい。更に、成型後の硬化時間がより短く、養生の必要性がないことからも好ましい。
芳香族ポリエステル(a)におけるポリエステルA、B、CおよびDの含有割合は、芳香族ポリエステル(a)の総質量に対して、ポリエステルAを10〜50質量%、ポリエステルBを10〜50質量%、ポリエステルCを0.1〜30質量%、ポリエステルDを0.1〜30質量%含有していることが好ましく、ポリエステルAを25〜45質量%、ポリエステルBを20〜40質量%、ポリエステルCを0.1〜20質量%、ポリエステルDを0.1〜25質量%含有していることがより好ましく、ポリエステルAを30〜40質量%、ポリエステルBを25〜35質量%、ポリエステルCを0.1〜15質量%、ポリエステルDを0.1〜20質量%含有していることが更に好ましい。
ポリエステルA、B、CおよびDの含有割合がこの範囲である場合、生産性により優れ、ホットメルト組成物の成型時の粘度を低く保ちながら成型後の固化物に柔軟性を与えることが可能であり、成型後の固化物が耐油性、耐ガソリン性に優れるため好ましい。更に、成型後の硬化時間がより短く、養生の必要性がないことからも好ましい。
また、本発明において使用されるホットメルト組成物は、耐ヒートショック性に優れ、ヒートサイクル時の被着体の膨張収縮に追従することが可能である。
本発明において使用されるホットメルト組成物は、タッキファイヤー(b)を含有することができる。
ホットメルト組成物は、高温で使用してもプライマーをガラスから剥離させにくく、耐水接着性により優れ、耐温水接着性に優れるという観点から、タッキファイヤー(b)を含有するのが好ましい。
タッキファイヤー(b)は、ホットメルト組成物に使用されるものであれば特に制限されない。例えば、従来公知のタッキファイヤー(粘着付与剤)を用いることができ、具体的には、例えば、ロジン系タッキファイヤー、テルペン系タッキファイヤー、石油樹脂系タッキファイヤーが挙げられる。
ロジン系タッキファイヤーとしては、例えば、松ヤニや松根油中のアビエチン酸を主成分とするロジン酸とグリセリンやペンタエリスリトールとのエステル、および、それらの水添物、不均化物が挙げられる。具体的には、例えば、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、水素添加ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、変性ロジン、ロジンジオールが挙げられる。
ロジン系タッキファイヤーは、耐温水接着性に優れるという観点から、ロジンジオールであるのが好ましい。
ロジンジオールとしては、例えば、下記式(3)〜式(5)で表される基を有するものが挙げられる。式(4)中nは1以上の整数である。
Figure 0004111990
テルペン系タッキファイヤーとしては、例えば、松に含まれるテルペン油やオレンジの皮等に含まれる天然のテルペンを重合したものが挙げられる。具体的には、例えば、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水素添加テルペン樹脂が挙げられる。
石油樹脂系タッキファイヤーとしては、例えば、石油を原料とした脂肪族、脂環族、芳香族系の樹脂が挙げられる。具体的には、例えば、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂、スチレン系石油樹脂が挙げられる。
なかでも、ホットメルト組成物が低粘度になり成型しやすくなり、延伸性に優れ、ガラスに対する耐温水接着性により優れ、耐熱性と柔軟性のバランス、耐ガソリン性に優れるという観点から、ロジン系タッキファイヤーが好ましく、ロジンジオールがより好ましい。
ロジンジオールは市販品を使用することができる。ロジンジオールの市販品としては、例えば、パインクリスタル D−6011、KE−615−3、D−6240(いずれも荒川化学工業社製)が挙げられる。
パインクリスタル PC−D−6011は下記式(6)で表される化合物であり、パインクリスタル PC−D−615−3は下記式(7)で表される化合物であり、パインクリスタル PC−D−6240は下記式(8)で表される化合物である。
なお、式(6)中、2つの式(3)で表される基を結合する、波線で表示されている部分は、2価の有機基である。式(7)についても同様である。
また、式(7)中nはそれぞれ独立に1以上の整数である。
Figure 0004111990

タッキファイヤー(b)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
タッキファイヤー(b)の量は、芳香族ポリエステル(a)100質量部に対して、1〜50質量部であるのが好ましく、10〜40質量部がより好ましい。この範囲である場合、ホットメルト組成物の延伸性に優れ、ガラスに対する耐水接着性により優れ、更に耐熱性と柔軟性のバランス、耐ガソリン性が良好となる。
また、ホットメルト組成物が以下に説明するポリオレフィン(d)を含有する場合、タッキファイヤー(b)の量は、芳香族ポリエステル(a)およびポリオレフィン(d)の合計100質量部に対して、1〜50質量部であるのが好ましく、10〜40質量部がより好ましい。この範囲である場合、ホットメルト組成物の延伸性に優れ、ガラスに対する耐水接着性により優れ、更に耐熱性と柔軟性のバランス、耐ガソリン性が良好となる。
ホットメルト組成物は、さらに、ポリオール化合物(c)を含有することができる。
ホットメルト組成物は、高温で使用してもプライマーをガラスから剥離させにくく、ガラスに対する耐水接着性により優れ、耐温水接着性に優れるという観点から、さらに、ポリオール化合物(c)を含有するのが好ましい。
ポリオール化合物(c)は、1分子中にヒドロキシ基を2個以上有するポリオール化合物であって、芳香族ポリエステル(a)とタッキファイヤー(b)とを相溶させる相溶化剤として働くものであれば特に限定されない。
具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトン、ジエチレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール;ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシプチレングリコール等のポリエーテル系ポリオール;ポリブタンジエンポリオール、ポリイソプレングリコール等のポリオレフィン系ポリオール;アジペート系ポリオール;ラクトン系ポリオール;ひまし油等のポリエステル系ポリオール等の多価アルコール類;レゾルシン、ピスフェノール等の多価フェノール類が挙げられる。
なかでも、ポリカーボネートポリオール(例えば、ポリカーボネートジオール)、ポリカプロラクトンを用いることが、少量で相溶化剤としての効果が得られるため好ましい。
また、得られる硬化物が耐高温高湿性に優れるという観点から、ポリカーボネートジオールが好ましい。
また、ポリオール化合物(c)の平均分子量は、500〜10000が好ましく、1000〜10000がより好ましく、2000〜10000が更に好ましい。
ポリオール化合物(c)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリオール化合物(c)の量は、芳香族ポリエステル(a)100質量部に対して、0.5〜50質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましく、2〜10質量部が更に好ましい。この範囲である場合、芳香族ポリエステル(a)とタッキファイヤー(b)とを十分に相溶させ、ポリエステルの物性(耐熱性、柔軟性、耐ガソリン性)を低下させない。
ホットメルト組成物が以下に説明するポリオレフィン(d)を含有する場合、ポリオール化合物(c)の量は、芳香族ポリエステル(a)およびポリオレフィン(d)の合計100質量部に対して、0.5〜50質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましく、2〜10質量部が更に好ましい。この範囲である場合、芳香族ポリエステル(a)とタッキファイヤー(b)とを十分に相溶させ、ポリエステルの物性(耐熱性、柔軟性、耐ガソリン性)を低下させない。
本発明において、ホットメルト組成物は、芳香族ポリエステル(a)と、タッキファイヤー(b)と、ポリオール化合物(c)とを含有するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
このような場合、タッキファイヤー(b)とポリオール化合物(c)とを含有するため、延伸性に優れ、ガラスに対する耐水接着性により優れ、耐熱性と柔軟性のバランス、更に、溶融時に起こる芳香族ポリエステル(a)とタッキファイヤー(b)との分離が防止される。
これは、ポリオール化合物(c)を添加することで、タッキファイヤー(b)が芳香族ポリエステル(a)の非結晶部分に優先的にとり込まれるためであると考えられる。
また、タッキファイヤー(b)を単独でホットメルト組成物に添加する場合では低下する耐油性、特に耐ガソリン性が良好となる。
また、本発明において、ホットメルト組成物は、高温で使用してもプライマーをガラスから剥離させにくく、ガラスに対する耐水接着性により優れ、耐温水接着性に優れ、オレフィンに対する接着性に優れるという観点から、さらに、ポリオレフィン(d)を含有するのが好ましい。
ポリオレフィン(d)は、特に限定されない。例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンの単独重合体、これらのα−オレフィンの2種以上からなる共重合体、またはこれらのα−オレフィンと他の共重合性単量体との共重合体からなるポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
ポリオレフィン(d)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
なかでも、ポリエチレンが耐ガソリン性に優れる点から好ましい。
また、ガラスに対する耐水接着性により優れるという観点から、ポリプロピレンが好ましい。
また、ポリオレフィン(d)は、極性基を有することが好ましい態様の1つとして挙げられる。
一般的にポリオレフィンは低極性であるのに対し、芳香族ポリエステル(a)は極性が高いため、ホットメルト組成物の製造時または製造後においてホットメルト組成物を長時間溶融させた状態にすると、芳香族ポリエステル(a)とポリオレフィン(d)とが分離し、再度撹拌しても十分に混合できず、接着性が低下する場合がある。
一方、ポリオレフィン(d)が極性基を有している場合は、長時間溶融後にも分離せず、接着性を維持できる。
ポリオレフィン(d)が有することができる極性基は、特に限定されず、具体的には、例えば、エポキシ基、カルボキシ基、酸無水物基、アミノ基、イソシアネート基、ヒドロキシ基、ニトロ基、スルフォン基等が挙げられる。
極性基は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
極性基としては、極性基を有するポリオレフィン(d)との接着性に優れる点から、エポキシ基、カルボキシ基および酸無水物基からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、エポキシ基がより好ましい。
極性基としては、ガラスとの接着性に優れる点から、エポキシ基、カルボキシ基および酸無水物基からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、エポキシ基がより好ましい。
エポキシ基は、メチレン基に結合している(つまり、グリシジル基)のが好ましい態様の1つとして挙げられる。
また、ポリオレフィン(d)は、エポキシ基と、カルボキシ基および酸無水物基のうちの一方または両方とを有するのが好ましい。
また、カルボキシ基がマレイン酸に由来するカルボキシ基であり、酸無水物基が無水マレイン酸基であるのが好ましい。
極性基を有するポリオレフィンは、例えば、オレフィンと極性基を有する重合性単量体(例えば、グリシジルメタクリレート)とを共重合する方法等により得ることができる。また、市販品を用いてもよい。
ポリオレフィン(d)の量は、芳香族ポリエステル(a)およびポリオレフィン(d)の合計100質量部中の5〜40質量部であるのが好ましく、10〜40質量部がより好ましく、20〜40質量部が更に好ましい。
このような範囲の場合、生産性により優れ、ガラスに対する耐水接着性により優れ、耐ガソリン性に優れる。
ホットメルト組成物は、本発明の目的を損わない範囲で、必要に応じて、例えば、補強剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填剤、可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等の他滑剤、ワックス類、着色剤、結晶化促進剤、補強繊維等の各種添加剤を配合してもよい。
ホットメルト組成物は、その製造について、特に限定されず、芳香族ポリエステル(a)と、タッキファイヤー(b)と、ポリオール化合物(c)と、必要に応じて使用することができるポリオレフィン(d)と、添加剤とを、例えばロール、ニーダ、押出し機、万能攪拌機等により混合し製造することができる。
溶融工程において、ホットメルト組成物を溶融させる温度は、160〜230℃であるのが好ましく、180〜210℃であるのがより好ましい。
溶融工程においてホットメルト組成物を溶融させるために使用される装置は特に制限されない。例えば、ホットメルトアプリケーター、一軸押し出し機、二軸押し出し機等が挙げられる。
ホットメルト組成物は、塗布性、成型性に優れる点から、B型粘度計を用い、190℃における粘度が10〜5000Pa・sであるのが好ましく、10〜100Pa・sであるのがより好ましい。
ホットメルト組成物は、ガラスとの接着のほか、例えば、オレフィンとの接着(例えば、オレフィン電線)に使用することができる。
塗布成型工程について以下に説明する。
塗布成型工程は、前記プライマーが塗布されたガラスに、溶融したホットメルト組成物を塗布または成型し、前記ガラスと前記ホットメルト組成物とを接着させて前記ガラスと前記ホットメルト組成物との複合体とする工程である。
塗布成型工程において、ホットメルト組成物はホットメルト層となる。
ホットメルト組成物を塗布または成型する方法は特に制限されない。例えば、ホットメルトガン、ホットメルトアプリケーター、モールド、一軸押し出し機、二軸押し出し機、射出成型機等を使用することができる。
ホットメルト組成物を塗布または成型(例えば、射出成型、吐出成型、ポッティング)する場合、吐出口から型へホットメルト組成物を吐出させる際の圧力が、5MPa未満であるのが好ましく、より好ましくは0.2〜1.0MPa、さらに好ましくは0.3〜0.5MPaである。
また、塗布または成型は、120〜230℃の範囲で行われることが好ましく、180〜210℃の範囲で行われることがより好ましい。このような温度範囲である場合、成型に用いるホットメルト組成物の安定性が向上し、更に溶融時の粘度が上述した範囲内となる理由から好ましい。
塗布成型工程において、溶融したホットメルト組成物をガラスに塗布または成型し、ホットメルト組成物とガラスとを接着させ、ホットメルト組成物とガラスとの複合体を得ることができる。
また、塗布成型工程において、溶融したホットメルト組成物をガラスに塗布して接着剤層とし、さらにここにホットメルト組成物を成型して、ホットメルト組成物とガラスとを接着させ、ホットメルト組成物とガラスとの複合体を得ることができる。
ホットメルト組成物をガラスに塗布する場合、ホットメルト組成物(ホットメルト層)は例えば接着剤として使用され、ホットメルト組成物によって接着剤層を形成し、ここに他の部材(例えば、ガラスホルダー、位置決めピン、電子機器などの端子の接合部の封止部)を組み込んでガラスと接着させることによって複合体を得ることができる。
また、ホットメルト組成物をガラスに成型する場合、ホットメルト組成物(ホットメルト層)が他の部材(例えば、ガラスホルダー、位置決めピン、電子機器などの端子の接合部の封止部)となることによって、複合体を得ることができる。
また、ホットメルト組成物を接着剤としてガラスに塗布して接着剤層を形成し、その後接着剤層の上にホットメルト組成物を成型して他の部材を形成し、ガラスとホットメルト組成物を用いて成型された他の部材とを一体化させることによって複合体を得ることができる。
塗布成型工程後、モールドを使用した場合はモールドからガラスとホットメルト組成物との複合体を取り出して、ガラスとホットメルト組成物との複合体を得ることができる。
複合体は、モールド内で室温まで冷やしてもよく、モールドから取り出した後放冷することができる。
ガラスとホットメルト組成物との複合体は、実施例における評価方法による初期接着強度が、50N/20mm以上であるのが好ましく、100N/20mm以上であるのがより好ましい。
また、ガラスとホットメルト組成物との複合体を20℃の水に1週間置いた後の耐水接着強度は、実施例における評価方法において、50N/20mm以上であるのが好ましく、100N/20mm以上であるのがより好ましい。
また、ガラスとホットメルト組成物との複合体を40℃の温水に1週間置いた後の耐温水接着強度は、実施例における評価方法において、50N/20mm以上であるのが好ましく、100N/20mm以上であるのがより好ましい。
本発明の製造方法はホットメルト組成物を使用することによって生産性に優れ、本発明の製造方法によって得られる複合体はガラスに対する耐水接着性、耐温水接着性、耐ガソリン性、延伸性ならびに柔軟性に優れ、低粘度で成型性にも優れている。特に、ホットメルト組成物がポリオレフィン(d)として極性基を有するポリオレフィンを含有する場合、このようなホットメルト組成物を長時間溶融した後でも芳香族ポリエステル(a)とポリオレフィン(d)とが分離せず接着性を維持できる。
従来、湿気硬化型のウレタン組成物を用いて樹脂成型体をガラスと接着させる場合、ウレタン接着剤を硬化させるために30〜60分程度の硬化時間が必要であった。
これに対して、本発明の製造方法によれば、ホットメルト組成物の塗布・成型後の硬化時間が自然冷却で数秒〜数十秒で終了し、数分以内にモールドより脱型することが可能であるため好ましい。
具体的には、本発明の製造方法を用いれば、溶融したホットメルト組成物の注入時間が10秒で終了し、自然冷却で1分以内にモールドより脱型することが可能であるため好ましい。
さらに、脱型後の変形がなく、養生の必要がなく、養生のためのスペースが不要であり、生産性に優れる。
本発明の製造方法によって得られる複合体としては、例えば、ガラスとガラスホルダーとの複合体、ガラスと位置決めピンとの複合体、各種ガラスと電子機器などの端子とによる接合部の封止部(例えば、自動車窓ガラス内に配置されている曇り止め用の電熱線の端部を封止する封止体)等が挙げられる。
複合体の一例としてガラスとガラスホルダーとの複合体を取上げて、添付の図面を用いて以下に説明する。
図1は、ガラスホルダーの一例を模式的に示す正面図である。
図2は、自動車窓ガラス104と接着しているガラスホルダー100を模式的に示す側面図である。
図1において、ガラスホルダー100は、自動車窓ガラス(図示せず。)と接着する部分102、103(以下「接着部102、103」という。なお図1には接着部103を図示せず。接着部102、103の横幅は通常5〜10cmである。)と、接着部102の下端部(図示せず。)から延在する、昇降装置(図示せず。)と接続する部分105(以下「接続部105」という。)を具備する。接続部105は昇降装置(図示せず。)と接続するためのネジ孔部を有する。
図2において、ガラスホルダー100は接着部102および103を具備し、接着部102、103は略コの字型を形成し、接着部102と接着部103との間に自動車窓ガラス104が配置されている。自動車窓ガラス104(自動車窓ガラス104の横幅は通常
50〜80cm程度である。)は、接着部102および接着部103と接する部分にプライマー107を有し、接着部102および接着部103の間においてガラスホルダー100とホットメルト組成物109によって接着され、自動車窓ガラス104とガラスホルダー100との複合体200となる。
自動車窓ガラス104には、ガラスの1辺に2個以上のガラスホルダー100を配置することができる。
複合体200の製造の一例を以下に説明する。
複合体200の製造としては、例えば、まず、プライマー塗装工程において、ガラス104の少なくともガラスホルダー100が配置される部分にプライマー107を塗布する。
また、溶融工程において、ホットメルト組成物を溶融しておく。
次に、塗布成型工程において、図1に示すガラスホルダー100を成型できるモールドを用意し、ガラス104をこのモールドにセットして、ガラス104の上の少なくともプライマーを塗布した部分の上に、溶融したホットメルト組成物を塗布し、成型することによって、ガラス104とガラスホルダー100との複合体200を得ることができる。
成型後、モールドから複合体200を取り出して、室温まで冷却することができる。
得られた複合体200は、成型後すぐに、自動車に組み込むことができる。
本発明の製造方法は生産性に優れ、本発明の製造方法によれば、ガラスに対する耐水接着性、耐温水接着性、成型性および耐ガソリン性に優れる、ガラスとホットメルト組成物との複合体とを得ることができる。
本発明の製造方法によって得られるガラスとホットメルト組成物との複合体は、水、温水、油、ガソリン等の浸入を防ぐことができる。
次に、本発明のガラスとホットメルト組成物との複合体について以下に説明する。
本発明のガラスとホットメルト組成物との複合体は、
ガラスと、
前記ガラスの上に配置された、イソシアネートシラン、およびアミノシランとエポキシシランとの反応生成物からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコキシシリル基含有化合物と造膜樹脂とを含有するプライマーを用いて形成されるプライマー層と、
前記プライマー層の上に配置された、芳香族ポリエステル(a)を含有するホットメルト組成物を用いて形成されるホットメルト層とを具備する複合体である。
なお、本発明のガラスとホットメルト組成物との複合体を以下「本発明の複合体」ということがある。
本発明の複合体に使用される、ガラス、プライマー、ホットメルト組成物は、本発明の第1の態様の製造方法におけるものと同義である。
芳香族ポリエステル(a)を含有するホットメルト組成物は、耐水性、耐油性に優れる。
本発明の複合体に使用されるホットメルト組成物は、耐水接着性により優れるという観点から、さらに、タッキファイヤー(b)と、1分子中にヒドロキシ基を2個以上有するポリオール化合物(c)とを含有するのが好ましい。
タッキファイヤー(b)、1分子中にヒドロキシ基を2個以上有するポリオール化合物(c)は、それぞれ、本発明の第1の態様の製造方法におけるものと同義である。
本発明の複合体に使用されるホットメルト組成物は、耐水接着性により優れるという観点から、さらに、ポリオレフィン(d)を含有するのが好ましい。
ポリオレフィン(d)は、本発明の第1の態様の製造方法におけるものと同義である。
本発明の複合体に使用されるプライマーに含有される造膜樹脂は、ガラスまたは金属に対する接着性に優れるという観点から、極性樹脂であるのが好ましい。
極性樹脂は、本発明の第1の態様の製造方法におけるものと同義である。
また、造膜樹脂は、ガラスまたは金属に対する接着性に優れ、耐水接着性により優れるという観点から、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂およびアクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。
本発明の複合体が具備するホットメルト層の好ましい態様としては、例えば、接着剤層、ガラスホルダー、位置決めピン、電子機器の端子の接合部の封止部が挙げられる。
具体的には、例えば、上述の図1〜図2に示すものが挙げられる。なお、本発明の複合体は添付の図面に制限されない。
本発明の複合体は、その製造について特に制限されない。
例えば、ガラスにイソシアネートシランおよびアミノシランとエポキシシランとの反応生成物からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコキシシリル基含有化合物と造膜樹脂とを含有するプライマーを塗布するプライマー塗布工程と、
芳香族ポリエステル(a)を含有するホットメルト組成物を溶融する溶融工程と、
前記プライマーが塗布されたガラスに、溶融したホットメルト組成物を塗布または成型し、前記ガラスと前記ホットメルト組成物とを接着させて前記ガラスと前記ホットメルト組成物との複合体とする塗布成型工程とを具備する、ガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法が挙げられる。
なお、本発明の複合体の製造方法として、上記に挙げられているものを以下「本発明の第2の態様の製造方法」ということがある。
本発明の第2の態様の製造方法における各工程は、本発明の第1の態様の製造方法と同様である。
プライマー塗布工程において使用される、イソシアネートシランおよびアミノシランとエポキシシランとの反応生成物からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコキシシリル基含有化合物と造膜樹脂とを含有するプライマーは、本発明の第1の態様の製造方法と同義である。
また、本発明の第2の態様の製造方法において使用される、芳香族ポリエステル(a)を含有するホットメルト組成物は、本発明の第1の態様の製造方法と同義である。
従来、湿気硬化型のウレタン系接着剤を使用してガラスと樹脂成型体とを接着させることが行われていた。
しかしながら、このような場合、ウレタン系接着剤を硬化させるまでに時間がかかるため、養生させるためにスペースを確保することやオーブンに入れる必要があり、生産性が悪かった。
このような問題に対して、本願発明者は、ホットメルト組成物をガラスと接着させることに想到した。
ホットメルト組成物は、通常、樹脂、金属に対して溶融成型し、接着するために使用され、プライマーを使用せずに樹脂を接着させる目的で使用されていたので、ホットメルト組成物をガラスに適用してホットメルト組成物がガラスと接着するか否かについては検討の必要性があった。
そして、本発明者は、このような研究のなかで、まず、ポリオレフィン系ホットメルト組成物は、ガラスと全く接着しないことを見出した。
また、ポリオレフィン系ホットメルト組成物とガラスとを接着させるためにガラスにプライマーを塗布して、ポリオレフィン系ホットメルトを200℃近い温度でガラス表面に溶融成型する場合、プライマーがガラスから剥がれてしまうことを見出した。
次に、本願発明者は、ポリエステル系のホットメルト組成物がガラスと接着することを見出した。
しかしながら、ポリエステル系のホットメルト組成物をガラスに接着させた場合、ガラスとの耐水接着性に劣ることを見出した。
そこで、本願発明者は、ガラスにプライマーを塗布して、これに溶融したポリエステル系ホットメルト組成物を成型したところ、驚いたことに、高温(200℃程度)のポリエステル系ホットメルト組成物をプライマーの上に配置したにもかかわらず、プライマーは、ポリオレフィン系ホットメルト組成物を使用した場合のようにガラスから剥離することがなく、さらにプライマーを使用しない場合よりも耐水接着性が高くなることを見出したのである。
さらに、本願発明者は、ポリエステル系のホットメルト組成物が、さらに、タッキファイヤー(b)、ポリオール化合物(c)、ポリオレフィン(d)を含有する場合、耐温水接着性に優れることを見出した。
また、本願発明において、ポリエステル系のホットメルト組成物は、プライマーの上に高温のホットメルト組成物を配置する際に、プライマーの接着が失活することを防ぎ、プライマーのガラスとの接着性を確保することができる。
さらに、ホットメルト組成物がタッキファイヤー(b)、ポリオール化合物(c)、ポリオレフィン(d)を含有する場合、さらに、プライマーの接着が失活することを防ぎ、プライマーのガラスとの接着性を確保することができ、耐温水接着性に優れるものとなると推察される。
また、本願発明者は、イソシアネートシランおよびアミノシランとエポキシシランとの反応生成物からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコキシシリル基含有化合物と造膜樹脂とを含有するプライマーが、ガラス、および芳香族ポリエステル(a)を含有するホットメルト組成物の両方に対する接着性のバランスに特に優れることを見出した。
すなわち、プライマーがイソシアネートシランおよびアミノシランとエポキシシランとの反応生成物からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコキシシリル基含有化合物を含有する場合、プライマーはガラスおよびホットメルト組成物の双方に対し優れた濡れ性、つまり親和性を有し、その結果、本発明の複合体はトータルな接着性のバランスに優れるものとなると考えられる。
また、プライマーがイソシアネートシランおよびアミノシランとエポキシシランとの反応生成物からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコキシシリル基含有化合物を含有する場合、プライマーがホットメルト組成物と接着する接着速度と、プライマーがガラスと接着する接着速度とが均等となり、プライマーがガラスかホットメルト組成物かのどちらかに偏って接着してしまうことがなく、接着のバランスが保たれている。このことによって、本発明の複合体はトータルな接着性のバランスに優れるものとなると考えられる。
従来、アミノシランとエポキシシランとの反応生成物は、芳香族ポリエステルに対して反応性が低いため、アミノシランとエポキシシランとの反応生成物を含有するプライマーは、芳香族ポリエステルを含有するホットメルト組成物に対して接着性がないと本願発明者は考えていた。
しかしながら、本願発明者は、アミノシランとエポキシシランとの反応生成物が、芳香族ポリエステルを含有するホットメルト組成物に対して接着性を有するだけでなく、耐水接着性、耐温水接着性に優れることを見出した。
プライマーがアミノシランとエポキシシランとの反応生成物を含有する場合、アミノシランとエポキシシランとの反応生成物とホットメルト組成物中の芳香族ポリエステル(a)とは反応性が低く、このため、プライマーがホットメルト組成物と接着する接着速度と、プライマーがガラスと接着する接着速度とが均等となり、プライマーがガラスかホットメルト組成物かのどちらかに偏って接着してしまうことがなく、接着のバランスが保たれている。このことによって、本発明の複合体はトータルな接着性のバランスに優れるものとなると考えられる。
なお、上記のメカニズムは本願発明者の推察であり、異なるメカニズムによるものであっても本願発明の範囲内である。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.ポリエステル1〜4
本発明の製造方法に使用されるホットメルト組成物に含有される芳香族ポリエステル(a)について、ポリエステル1としてユニチカ社製のエリーテルUE3320、ポリエステル2として東レ・デュポン社製のハイトレル4057、ポリエステル3としてユニチカ社製のエリーテルUE3410、ポリエステル4としてユニチカ社製のエリーテルUE3800を使用した。ポリエステル1〜4を製造する際に使用される酸成分およびグリコール成分、ならびにこれらのモル比を下記第1表に示す。
Figure 0004111990
2.実施例1〜3および比較例1〜5
下記第2表の各成分を、第2表に示す組成(質量部)で、ニーダを用いて混合し、ホットメルト組成物を得た。
得られたホットメルト組成物を使用して、ガラスに対する接着性試験を行った。結果を下記第2表に示す。
3.ガラス接着性試験用のサンプルの作製
ガラス接着性試験用のサンプルの作製について添付の図面を用いて以下に説明する。
図3は、ガラスとホットメルト組成物との複合体の一例を模式的に示す斜視図である。
まず、塗布工程において、縦120mm×横25mm×厚さ3mmのガラス304(商品名:フロートガラス、パルテック社製)に、刷毛を用いて第2表に示すプライマー(図示せず。)を塗布した。プライマー塗布後、ガラス304の端部(図示せず。)に離型テープ308をはり、つかみ代(図示せず。)とした。
次に、溶融工程において、ホットメルト組成物を200℃で溶融した(図示せず。)。190℃におけるB型粘度計を用いて測定したホットメルト組成物の粘度は60Pa・sであった。
次に、塗布成型工程において、プライマー塗装から第2表に示す時間が経過した、プライマー塗布されたガラス304に簡易モールド(図示せず。)を使用して、溶融したホットメルト組成物を注入(注入に要した時間は5秒)し(図示せず。)、ガラス304とホットメルト組成物302(ホットメルト組成物302の大きさは幅20mm、長さ100mm、厚さ3mm。)とを接着させ、成型完了後から2分後に簡易モールドを取り外して複合体300を得た。複合体300をガラス接着性試験用のサンプルとした。
4.ガラス接着性試験
以下のとおり、ガラス接着性試験を行った。結果を第2表に示す。
(1)初期接着性
得られたサンプルについて引張試験機を用いて90度剥離試験を行った。
図3において、ホットメルト組成物302を矢印306の方向に、ガラス304に対して90度となるように剥離させた。
ガラスとホットメルト組成物とが剥がれだしたときの最大引張応力を測定した。引張り速度は、50mm/minとした。
接着性の評価基準は、最大引張応力が100N/20mm以上で、ホットメルト組成物の成型体が破断した場合を「◎」、最大引張応力が100N/20mm以上で、ホットメルト組成物の成型体が破断しなかった場合を「○」、引張試験機に取り付ける際にガラスからホットメルト組成物が脱落して測定できなかったものを「×」とした(以下同様)。
(2)耐水接着性
得られたサンプルを20℃の水に1週間置いたのち引き上げ、初期接着性と同様にして最大引張応力を測定した。
(3)耐温水接着性
得られたサンプルを40℃の温水に1週間置いたのち引き上げ、初期接着性と同様にして最大引張応力を測定した。
Figure 0004111990
第2表に示す各成分は以下のとおりである。
・ポリオレフィン系HM:777、加越社製
・ポリエステル1〜4:上記のポリエステル1〜4
・ポリオレフィン:エポキシ基を有するポリエチレン、ボンドファースト7L、住友化学社製
・タッキファイヤー:ロジン系タッキファイヤー、商品名パインクリスタルKE−6011、荒川化学工業社製
・ポリオール化合物:ポリカーボネートジオール、商品名プラクセルCD220、ダイセル化学工業社製
・プライマー:MS−90(横浜ゴム社製)
・老化防止剤:イルガノックス1010、チバスペシャルティケミカルズ社製
第2表に示す結果から明らかなように、比較例1(ポリオレフィン系ホットメルト組成物を使用)は、ガラスと接着しなかった。
また、比較例2(ポリオレフィン系ホットメルト組成物を使用)のようにガラスにプライマーを施してもガラスと接着しなかった。これについて本願発明者は、ポリオレフィン系ホットメルト組成物を使用する場合、高熱によってプライマーとガラスとの接着性が失活してしまうことが原因であると考えた。
また、比較例3〜5(ポリエステル系ホットメルト組成物を使用し、プライマーなし)は、耐水接着性に劣った。
これに対して、実施例1〜3は優れた耐水接着性を示した。
また、実施例1、2(ホットメルト組成物がポリオール化合物(c)、タッキファイヤー(b)を含有する場合)は、特に優れた耐水接着性および耐温水接着性を示した。
5.プライマーの製造
下記第3表に示す各成分を同表に示す量(単位:質量部)で用いてこれらを均一に混合してプライマーを製造した。得られたプライマーをプライマー1〜12とする。
Figure 0004111990
第3表に示す成分の詳細は次のとおりである。
・シラン化合物1:D160N(HDIとトリメチロールプロパンとから得られるウレタンプレポリマー、三井化学ポリウレタン社製)とY−9669(3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン、モメンティブ・パフォーマンス・ジャパン社製)のNCO/NH=2/3の反応生成物であり、1分子中に2個のシラン基を有する化合物
・シラン化合物2:A187(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、モメンティブ・パフォーマンス・ジャパン社製)とZ−6094N(3−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、東レダウコーニングシリコーン社製)の反応生成物であり、分子中に3個のシラン基を有する化合物
・シラン化合物3:Y−5187(γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、モメンティブ・パフォーマンス・ジャパン社製)
・シラン化合物4:Y−9669(3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン)
・シラン化合物5:A187(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
・シラン化合物6:キシリレンジイソシアネート(三井化学ポリウレタン社製)と、Y−9669との反応生成物であり、分子中に1個のシラン基を有する化合物
・シラン化合物7:キシリレンジイソシアネートとA−189(γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、モメンティブ・パフォーマンス・ジャパン社製)との反応生成物であり、分子中に1個のシラン基を有する化合物
・シラン化合物8:デスモジュールHL(脂肪族芳香族イソシアヌレート、住化バイエルウレタン社製)とY−9669との反応生成物であり、分子中に2個のシラン基を有する化合物
・造膜樹脂1:ポリエステルポリウレタン樹脂(商品名:パンデックスT−5202、大日本インキ社製)
・造膜樹脂2:エポキシ樹脂(商品名:YD−017、東都化成社製)
・造膜樹脂3:アクリル樹脂(商品名:ゼムラックYC−3623、カネカ社製)
・造膜樹脂4:塩素化PP(商品名:スーパークロンHP−205 日本製紙ケミカル社製)
・造膜樹脂5:塩素化PE(商品名:スーパークロンHE−305 日本製紙ケミカル社製)
・MEK:メチルエチルケトン
6.ホットメルト組成物の製造
第4表に示す成分を同表に示す量(単位:質量部)で用いてニーダを用いて均一に混合し、ホットメルト組成物を得た。得られたホットメルト組成物をホットメルト組成物A〜Gとする。
Figure 0004111990
第4表に示す成分の詳細は次のとおりである。
・オレフィン系HM:ポリオレフィン系ホットメルト組成物、商品名777、加越社製
・ポリエステル1〜4:第1表に示すポリエステル1〜4
・ポリオレフィン1:ポリプロピレン(商品名:M142E、出光興産社製)
・ポリオレフィン2:低密度ポリエチレン(商品名:G807、住友化学社製)
・ポリオレフィン3:エポキシ基を有するポリエチレン、ボンドファースト7L、住友化学社製
・ポリオレフィン4:エポキシ基およびマレイン酸基を有するポリエチレン、商品名:アドマーSF−715、三井化学社製
・タッキファイヤー:ロジン系タッキファイヤー、商品名パインクリスタルD−6011、荒川化学工業社製
・ポリオール化合物:ポリカーボネートジオール、商品名プラクセルCD220、ダイセル化学工業社製
・老化防止剤:イルガノックス1010、チバスペシャルティケミカルズ社製
7.複合体の製造
プライマー1〜12とホットメルト組成物A〜Gとを第5表に示す組合せで用いて、上記の3.ガラス接着性試験用のサンプルの作製と同様にして、ガラスとホットメルト組成物との複合体を製造した。
8.複合体の評価
(1)初期接着
得られたサンプルについて上記の4.ガラス接着性試験の(1)初期接着性と同様の条件で引張試験機を用いて90度剥離試験を行った。
初期接着の評価基準は、最大引張応力が100N/20mm以上で、ホットメルト組成物の成型体が破断した場合を「◎」、最大引張応力が100N/20mm以上で、ホットメルト組成物の成型体が破断しなかった場合を「○」、引張試験機に取り付ける際にガラスからホットメルト組成物が脱落して測定できなかったものを「×」とした(以下同様)。
結果を第5表に示す。
(2)耐水接着
得られたサンプルについて、上記の4.ガラス接着性試験の(2)耐水接着性と同様の条件で評価を行い、水から引き上げた後のサンプルの状態接着を目視で確認した。
耐水接着の評価基準としては、接着強度が100N/20mm以上であり評価中にホットメルト層が破断してしまいそれ以上接着強度を測定できなかった場合を◎、接着強度が100N/20mm以上であり評価中に破断が発生しなかった場合を○、接着強度が50N/20mm以上であり評価中に剥離が見られたものを△、評価中にプライマー層とホットメルト層との間で剥離したものを×、プライマー層とガラスとの間で剥離したものを×*1とした。
結果を第5表に示す。
(3)耐温水接着
また、得られたサンプルについて、上記の4.ガラス接着性試験の(3)耐温水接着性と同様の条件(40℃の温水中に1週間置く。)で評価を行い、温水から引き上げた後のサンプルについてその最大引張応力を上記と同様の条件で測定した。
耐温水接着の評価基準としては、接着強度が100N/20mm以上であり評価中にホットメルト層が破断してしまいそれ以上接着強度を測定できなかった場合を◎、接着強度が100N/20mm以上であり評価中に破断が発生しなかった場合を○、評価中にプライマー層とホットメルト層との間で剥離したものを×、プライマー層とガラスとの間で剥離したものを×*1とした。
結果を第5表に示す。
Figure 0004111990
Figure 0004111990
Figure 0004111990
Figure 0004111990
Figure 0004111990
第5表に示す結果から明らかなように、実施例4〜55は、耐水接着性に優れる。また、実施例16〜55は、耐温水接着性に優れる。
ポリオレフィン系ホットメルト組成物を使用する比較例6〜13、18は耐水接着性、耐温水接着性に劣った。
イソシアネートシランおよびアミノシランとエポキシシランとの反応生成物を含まずイソシアネートシランおよびアミノシランとエポキシシランとの反応生成物以外のシラン化合物を使用する比較例14〜17は耐水接着性、耐温水接着性に劣った。
プライマーを使用しない比較例18〜24は、耐水接着性、耐温水接着性に劣った。
図1は、ガラスホルダーの一例を模式的に示す正面図である。 図2は、自動車窓ガラス104と接着しているガラスホルダー100を模式的に示す側面図である。 図3は、ガラスとホットメルト組成物との複合体の一例を模式的に示す斜視図である。
符号の説明
100 ガラスホルダー
102、103 接着部
104 自動車窓ガラス
105 接続部
106 ネジ孔部
107 プライマー
109 ホットメルト組成物
200、300 複合体
302 ホットメルト組成物
304 ガラス
306 矢印
308 離型テープ

Claims (8)

  1. ガラスと、
    前記ガラスの上に配置された、イソシアネートシラン、およびアミノシランとエポキシシランとの反応生成物からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコキシシリル基含有化合物と、極性樹脂、塩素化ポリプロピレンおよび塩素化ポリエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の造膜樹脂とを含有するプライマーを用いて形成されるプライマー層と、
    前記プライマー層の上に配置された、芳香族ポリエステル(a)100質量部と、タッキファイヤー(b)1〜50質量部と、1分子中にヒドロキシ基を2個以上有するポリオール化合物(c)0.5〜50質量部とを含有するホットメルト組成物を用いて形成されるホットメルト層または部材とを具備するガラスとホットメルト組成物との複合体。
  2. 前記極性樹脂が、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂およびアクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体。
  3. 前記ホットメルト組成物が、さらに、ポリオレフィン(d)を含有し、
    前記ポリオレフィン(d)の量が、前記芳香族ポリエステル(a)および前記ポリオレフィン(d)の合計100質量部中の、5〜40質量部である請求項1または2に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体。
  4. 前記ポリオレフィン(d)が、極性基を有する請求項3に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体。
  5. 前記タッキファイヤー(b)の量が、前記芳香族ポリエステル(a)および前記ポリオレフィン(d)の合計100質量部に対して1〜50質量部であり、
    前記ポリオール化合物(c)の量が、前記芳香族ポリエステル(a)および前記ポリオレフィン(d)の合計100質量部に対して、0.5〜50質量部である請求項3または4に記載のガラスとホットメルト組成物との複合体。
  6. 前記ホットメルト層が、接着剤層となる請求項1〜のいずれかに記載のガラスとホットメルト組成物との複合体。
  7. 前記部材が、ガラスホルダー、位置決めピンおよび電子機器の端子の接合部の封止部からなる群から選ばれる少なくとも1種となる請求項1〜のいずれかに記載のガラスとホットメルト組成物との複合体。
  8. ガラスにイソシアネートシラン、およびアミノシランとエポキシシランとの反応生成物からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコキシシリル基含有化合物と、極性樹脂、塩素化ポリプロピレンおよび塩素化ポリエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の造膜樹脂とを含有するプライマーを塗布するプライマー塗布工程と、
    芳香族ポリエステル(a)100質量部と、タッキファイヤー(b)1〜50質量部と、1分子中にヒドロキシ基を2個以上有するポリオール化合物(c)0.5〜50質量部とを含有するホットメルト組成物を溶融する溶融工程と、
    前記プライマーが塗布されたガラスに、溶融したホットメルト組成物を塗布または成型し、前記ガラスと前記ホットメルト組成物とを接着させて前記ガラスと前記ホットメルト組成物との複合体とする塗布成型工程とを具備する、請求項1〜のいずれかに記載のガラスとホットメルト組成物との複合体の製造方法。
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