JP4110366B2 - エレベータ監視制御システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータ監視制御システムに係り、特に、ビル内の他の設備監視装置やパソコンなどのマンマシン装置とのインタフェース手段を介して、エレベータ設備をモニタし、運転制御仕様を選択して設定し、エレベータ設備をオープン化する、すなわち、エレベータ監視制御にビル内の他の設備監視装置やパソコンなどを活用する機能を備えたエレベータ監視制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数台のエレベータを監視するために、乗りかご内との連絡装置であるインターホン親機とエレベータ設備専用のエレベータ制御装置とを一体化し、ランプやスイッチを多数並べた監視盤が広く採用されてきた。
【0003】
特願平11−345621号公報は、複数台のエレベータの群管理装置とエレベータ監視制御盤とを兼用するシステムを提案している。
【0004】
特願平11−343081号公報は、OAパソコンでエレベータの運行をモニタし表示するシステムを提案している。
【0005】
特開平7−172713号公報は、電話回線を介して遠隔地とのデータ通信手段と、仕様通りに運行機能させるための仕様プログラムデータ記憶部と、仕様データに基づいて走行制御させる制御部と、データバッファに格納されたデータに基づいて仕様プログラムデータを変更するプログラムデータ変更制御部とを備えたエレベータの制御装置を提案している。
【0006】
しかし、仕様を変更する時は、全エレベータを休止させる必要がある。または、利用頻度の低い時間帯に仕様を変更する必要があり、仕様変更作業は、夜間か休日に限定される。したがって、ビル内パソコンは、平日の勤務時間中は、安全確保の観点から、運転仕様変更手段としては、使用できない。
【0007】
特開平11−88359号公報および特開平11−100179号公報は、エレベータ制御装置内の乗り場呼びサービス状況や制御状態信号をエレベータネットワークおよびルータを経てビルネットワークに出力し、エレベータの利用状況などを、通常は仕事で使用しているOAパソコンやビル管理装置の表示画面に表示し、事務所でエレベータ混雑状況の把握をするための呼びの登録表示やサービス水準に関する表示や監視盤のようなモニタ表示を実行するシステムを示している。
【0008】
逆に、エレベータ制御に直接関係のないエレベータの情報案内装置に表示する内容を登録するデータ入力装置として、OAパソコンを使用するアプリケーションも提案している。
【0009】
特開平11−29263号公報は、各階床ごとの乗客発生時刻の集中学習機能により事前配かご制御を実行するエレベータ制御装置において、パソコンで待ち合わせ階と時刻の設定機能とを付加する構成を示している。
【0010】
特開平8−324900号公報は、群管理制御装置にパソコンを接続した一例として、運転仕様の指示入力と変更前後の待ち時間などのサービス性能とを比較表示し、エレベータ管理者による運転仕様の選択を支援するパソコン利用方法を示している。
【0011】
一方、特公平7−80654号公報に示されているCRT表示とキーボード備えたエレベータ監視制御盤や、一般に広く用いられているマウスが使えるパソコンを用いたエレベータ専用監視盤が近年普及の一途をたどっている。
【0012】
これに対し、近年は、ランプやLED,波形切り替えスイッチなどからなるエレベータ監視盤を小型化するために、監視盤としてパソコンを採用する場合が多くなってきた。
【0013】
しかし、新たに機能を追加するには、ビル内設置の設備,個別の配管・配線,伝送方法などを打ち合わせる必要があり、エレベータ設備と他の設備との連携制御や遠隔操作などの機能を追加するには、多くの作業と費用が必要となり、エレベータ監視制御にビル内の他の設備監視装置やパソコンなどを活用するシステムが普及しない一要因となっていた。
【0014】
図10は、3台のエレベータを監視する従来のエレベータ監視制御システムの全体構成を示すブロック図である。この従来システムは、複数階床をサービスする3台のエレベータのエレベータ制御装置11,12,13を備える。
【0015】
各階床ごとに2個設置される乗り場呼び登録装置31,33,および各階床ごとに各号機に対応して設置される到着案内装置41,42,43は、それぞれのエレベータのエレベータ制御装置11〜13に接続されている。
【0016】
図10のシステムは、乗り場呼び登録装置31が押され、乗り場呼び信号が発生すると、この信号は、通常は、エレベータ制御装置11に取り込まれるが、エレベータ制御装置11が故障などで制御不可能なときは、例えば、エレベータ制御装置12で制御できるように構成される。
【0017】
2台のエレベータの間に設置された乗り場呼び登録装置は、両側のエレベータ制御装置に入力できるようにすることが望ましい。
【0018】
詳細は図示しないが、乗り場呼び登録装置31,33とエレベータ制御装置11,12,13との間を多重伝送路で接続してもよい。
【0019】
この場合は、主号機でないエレベータのエレベータ制御装置12は、主号機と乗り場呼び登録装置との間の信号伝送を聴取する受信専用としておき、主号機の電源が落ちたときには、電源系統を自号機に切り替えるとともに、主号機に代わって伝送親局モードで多重伝送路を駆動し、乗り場呼び登録操作信号などを受信し、応答灯の点灯信号などを送信するようにできる。
【0020】
図10のシステムにおいて、乗り場呼び登録装置の主接続がない2号機については、乗り場呼び登録装置との直接の配線や、データ受信回路を設けず、各エレベータのエレベータ制御装置から群管理伝送路に送出される送信データに、乗り場呼び登録信号を付加し、これを各号機で受信するようにすると、1号機や3号機と同様に、2号機でも、乗り場呼び登録を実行できる。
【0021】
この構成では、群管理伝送路異常事態などのときは単独運転切り替え、運転を継続するために、乗り場呼び登録制御を実行する構成を採用することもできる。群管理制御兼用のエレベータネットワーク伝送路L2や他のエレベータのエレベータ制御装置に送信機能を含む異常が発生しても、10秒程度の短時間であれば、乗り場呼びの登録を持続できる。
【0022】
このような状況では、監視制御機能21からの指示により、かご呼びのみに応答して運転するか、エレベータ偶数階または奇数階のみに停止するスキップ運転モードで運転するか、乗り場呼びに応答して循環サービス運転するかすれば、機能低下を最小限にくい止めることができる。
【0023】
エレベータ制御装置11,12,13と、エレベータ監視制御インタフェース21と、群管理制御装置20,運行モニタ記録装置22との間は、エレベータ伝送ネットワークL2で接続する。
【0024】
エレベータ伝送ネットワークL2には、イーサーネット,RS−422A,LONワークス,アークネットなどの信頼性が高く耐ノイズ性にも優れた伝送方式が望ましく、エレベータ制御専用の独自伝送仕様のものでもよい。
【0025】
エレベータ制御専用の信号伝送方式を採用する場合は、専用のインタフェース機能を備えたエレベータ監視制御機能インフェース装置22、すなわち、汎用の伝送手段に変換するアダプタを介して、エレベータ監視制御部を担うパソコンPC11と接続することが望ましい。
【0026】
この接続方式を採用すると、当初採用したパソコンが時代遅れとなり、同一機種が入手困難になってから故障が発生したときでも、新しい型番のパソコンを容易に採用できる。
【0027】
図10のシステムでは、パソコンPC11が故障しても、群管理制御装置20とエレベータネットワーク伝送路L2とが動作すれば、乗り場呼びの登録の共有および制御,登録呼びへの応答運転制御,サービス後の共通リセット制御などからなる簡単な群管理制御が可能であり、群管理としての基本的な機能が維持される。
【0028】
このように、群管理としての基本的な機能が維持されることは、ホテルなどの24時間利用者が絶えないビルや大規模ビルにおいては、特に重要である。
【0029】
しかし、エレベータ監視制御インタフェース21と、群管理制御装置20,運行モニタ記録装置22との間を接続するエレベータ伝送ネットワークL2には、電気ノイズによる障害が発生し、エレベータシステムダウンを引き起こす可能性が高かった。
【0030】
また、例えば、乗用車の車内または玄関から、携帯電話S32で、VIP用エレベータを呼ぶ機能を設けるには、電話網システムS31とVIP運転仕様付きのエレベータ制御装置11との間を通信線で結ぶための配管・配線の追加工事が必要であった。
【0031】
ビル新設の物件でも、これらの打ち合わせが遅れることが多く、工事遅延の原因となっていた。
【0032】
群管理制御装置20と専用の伝送回線で接続した会議室や秘書室に設置のパソコンPC14とを用いて、3台群管理エレベータの中から任意のエレベータを来客階や大会議終了階に呼び寄せ待機させるなどの仕様があっても、パソコンでVIP仕様のエレベータを呼ぶには、新たな伝送回線を追加する必要があった。
【0033】
セキュリティシステムS2やマンション居室内の情報端末システムS41から特定乗り場呼び作成をする単純な要求仕様については、リレー接点を取り込む直引き配線J21〜J23,J43,J43を追加して、連携運転制御を実行する構成が主流であった。
【0034】
上記ビル内設備と連携制御系を構築するには、機能打ち合わせ,配管・配線場所や経路の打ち合わせを個別にする必要があり、多忙な工事期間中に実施することは困難であった。
【0035】
さらに、近年普及してきたイーサネットなどにより、ビル内の他の設備監視装置との接続や連携制御をするために、ビル内のエレベータ設備以外の設備間を共通の伝送路で接続する例が増えつつある。
【0036】
ところが、ビル内の一般ネットワークを使用したシステムでは、各種トラブルや保全業務によりネットワークの停止が発生するので、人命を直接預かる火災管制運転モードや、地震管制運転モードなどを含むエレベータ設備に対してそのままでは、接続できない。このような状況から、今でも従来からの接点渡しの接続が広くなされている。
【0037】
そこで、建物内のエレベータ制御盤からエレベータ監視制御盤までの配線本数を削減するために、直引き配線に代えて、通信配線化またはケーブル化への要求が強まっている。
【0038】
最近のパソコンは、価格面および処理能力の飛躍的進歩だけでなく、通信モジュールの充実,コンパクト化,消費電力の改善が著しい。また、非常用電源装置も非常に小型化されている。
【0039】
しかし、信頼性とすぐに旧機種になってしまうという社会的寿命に大きな問題があるため、パソコンは、エレベータ制御装置および群管理制御システムにおいては、保守装置など人間が操作する補助的な部分にしか採用されていないのが現状である。
【0040】
エレベータ監視制御システムの一部としてパソコンを使用する場合、パソコンが故障しても重要な問題を起こさないシステム構成が必要であるとされ、伝送路やパソコンは、用途に応じて個別に設けられていた。
【0041】
特公平7−108749号公報は、ビル内ネットワークとの接続に関して、ビル内通信用ネットワークを介し、ビル内利用状況情報を管理するビル内管理用計算機とパソコンとをオンライン接続するとともに、ネットワークを介して、エレベータ制御システム内に各ビルに関する情報を固有データとして取り込み、予測交通需要に応じてエレベータの運行を管理し、最適エレベータの選択機能を変更し調整する群管理制御機能を実現する手段を備えたエレベータの群管理制御装置を示している。
【0042】
この従来例は、OAシステム情報処理,出退勤管理,会議室予約,受付案内,食堂管理などの情報をビル管理装置経由でエレベータ制御系に取り込んで高度に利用し、交通需要予測の精度を高める運行制御方法の最適化や待ち時間解消に役立てようとする。
【0043】
【発明が解決しようとする課題】
用途別に種々のパソコンと専用配線や通信配線とを設置する煩雑な系統構成に代えて、共通伝送路を介してエレベータ専用監視盤とビル内の他のシステムとを接続して系統構成を単純化し、ビル内の他のシステムからもエレベータ設備のモニタや操作,運転仕様の選択,エレベータ設備に組み込まれたLED表示器への表示メッセージの設定や入力ができるようするオープン化機能により、エレベータ監視制御機能を拡張し自由度を高めたエレベータ監視制御システムが望まれている。
【0044】
その場合に、エレベータ専用監視手段に用いるパソコンでの監視や管制運転操作は、オープン化機能、すなわち、利便性を追求し新たに拡張された他の機能よりも、応答性の優先度,伝送および表示機能の安定性,持続性を高める必要がある。
【0045】
複数の個所からエレベータの運転仕様を設定または操作可能にするには、項目別に優先度を設定した方がよい。
【0046】
25年以上も稼動し続けるエレベータ設備の監視システムと比較すると、ビル内の他の設備である空調管理システム,照明管理システム,エレベータ関連場所に設けるカラー液晶器への情報表示制御システム,室内設置のインテリジェント端末システム,セキュリティシステム・ビル管理システムなどの設備は、リニューアル周期が短く、また、これらの設備相互間を接続するビル内ネットワーク伝送路の張り替えもエレベータ専用監視手段に要求される稼動期間よりもはるかに短いと予想される。
【0047】
ビル内の他の設備の工事の期間中でも、人命を預かるエレベータ設備の監視機能を停止できないため、ビル内ネットワークの更新時も支障なくエレベータ監視制御を継続できるシステム構成が必要である。多岐に亘るビル内ネットワーク伝送路に異常や保守工事が生じても、エレベータ専用監視手段に与える影響と機能低下を最小限にできることが望ましい。
【0048】
ビル内ネットワーク伝送路は、建築されるビルごとに、イーサネットを用いたTCP/IPベースの伝送,プロトコルとしてビル設備監視用に標準インタフェース制定したBACnet,伝送手段が独自のLONwaksなど様々である。伝送速度は、今後もさらに高速化される可能性が高い。将来は、光伝送路や無線中心で構成するビル内ネットワーク伝送の出現の可能性が高い。
【0049】
これら種々のビル内ネットワーク伝送路の種類や変化に左右されることなく、安定性,持続性を重視し、エレベータ設備内監視専用の統一化された伝送路を有するエレベータ監視制御システムを経由し、エレベータ制御装置とビル内各種設備とを機能的に連携させ、エレベータ設備の監視機能には影響を与えないで、ビルごとに異なるビル内ネットワーク伝送路と容易に接続できるエレベータ監視制御システムが求められている。
【0050】
本発明の目的は、安全性および信頼性を確保しながら、エレベータ監視制御システムと各エレベータ制御装置との間の配管,配線をビル内設備と共用してオープン化した系統構成によりエレベータを運転制御する手段を備えたエレベータ監視制御システムを提供することである。
【0051】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、ビル管理システム,電話網システムなどの他の設備システムを有する少なくとも1棟の建物に設置される複数のエレベータ設備を制御するエレベータ制御装置と、エレベータ制御装置を監視制御するエレベータ専用監視手段とを含むエレベータ監視制御システムにおいて、他の設備システムからエレベータ制御装置への制御指令を受信してエレベータ制御装置のデータフォーマットに変換して送信し、エレベータ制御装置の制御状況を他の設備システムのデータフォーマットに変換して送信するエレベータ監視制御装置を備えたエレベータ監視制御システムを提案する。
【0052】
本発明は、また、ビル管理システム,電話網システムなどの他の設備システムを有する少なくとも1棟の建物に設置される複数のエレベータ設備をそれぞれ制御する複数のエレベータ制御装置と、複数のエレベータ制御装置を制御する群管理制御装置と、群管理制御装置およびエレベータ制御装置を監視制御するエレベータ専用監視手段とを含むエレベータ監視制御システムにおいて、他の設備システムから群管理制御装置およびエレベータ制御装置への制御指令を受信してエレベータ制御装置のデータフォーマットに変換して送信し、群管理制御装置およびエレベータ制御装置の制御状況を他の設備システムのデータフォーマットに変換して送信するエレベータ監視制御装置を備えたエレベータ監視制御システムを提案する。
【0053】
前記他の設備システムとエレベータ監視制御装置との間に、他の設備システムまたはエレベータ監視制御システムの監視仕様の変更またはプロトコルの変更時に両システムの監視仕様またはプロトコルを互いに利用可能に変換する伝送プロトコル変換装置を備えることが望ましい。
【0054】
前記伝送プロトコル変換装置は、他の設備システム内で送受信されている情報もエレベータ監視制御装置との間で送受信させるプロトコル変換機能付きルータとすることができる。
【0055】
いずれのエレベータ監視制御システムにおいても、エレベータ監視制御装置は、エレベータ専用監視手段から送られてきた制御指令を記憶する第1の記憶手段と、他の設備システムから送られてきた運転仕様選択・変更指令または運転指令とからなる制御指令を記憶する第2の記憶手段と、第1と第2の記憶手段の内容に基づいて該当するエレベータ設備に送信する制御指令を生成する指令信号作成手段を備えることも可能である。
【0056】
他の設備システムからの運転指令は、少なくともサービス階を一時制限しまたはサービス階を一時解除する制御指令である場合もある。
【0057】
また、エレベータ監視制御装置が、他の設備システムからの制御指令を無効にする手段を備える。
【0058】
より具体的には、エレベータ監視制御装置は、エレベータ専用監視手段または他の設備システムの異常を検出する異常検出手段を備え、異常検出時に、監視員に警報を発する手段,遠隔地に異常を報知する手段,異常となったエレベータ専用監視手段または他の設備システムからの既存の指令を全て無効にする操作手段、異常となったエレベータ専用監視手段または他の設備システムからの新たな指令を無効にする手段の少なくとも1つを備える。
【0059】
エレベータ専用監視手段または他の設備システムから入力された火災管制運転,地震管制運転,長待ち発生案内などの情報を乗りかご内および乗り場に表示し案内する情報表示手段をエレベータ監視制御装置に接続できる。
【0060】
エレベータ監視制御装置は、群管理制御装置およびエレベータ制御装置から入手できる信号に応じて情報表示手段への表示内容または表示モードを指定する表示コード作成手段を備えてもよい。
【0061】
エレベータ監視制御システムは、現地での工事が容易であり、設置スペースが小さく、一般のエレベータ管理者にも安心してソフトウエアを変更できる必要がある。
【0062】
本発明においては、近年処理性能が飛躍的に向上するとともに、普及が著しいパソコンをエレベータ専用監視手段に採用するとともに、より連続的な監視制御を実行する部分は、信頼性の高い制御ボードで構成してある。
【0063】
すなわち、各エレベータ設備との伝送制御,管制運転,スケジュール運転,運転仕様の記憶,管制運転制御のシーケンス制御の実行などの管制制御処理は、パソコンではなく、監視制御専用の制御ボードで実行する構成とした。
【0064】
各エレベータ制御装置と監視盤用パソコンとを接続するために、エレベータネットワークには、エレベータ専用の通信方法を用いるのではなく、市販のパソコンに接続可能なRS−485A,LONワークス,イーサネット,アークネットなどの汎用通信方法を使用する。
【0065】
このように構成すると、短時間であれば監視部を停止させることや、必要なときのみ電源を投入することも可能であり、パソコンを2台設け、一方をバックアップ用として月に1日のみ選択的に使用することもできる。
【0066】
ビル内ネットワークと接続する機能をエレベータ伝送制御装置内に組み込み、ビルごとに異なる伝送仕様分を変換する手段を介して、エレベータ制御装置やエレベータ専用監視手段と接続するように構成してもよい。
【0067】
エレベータ監視制御装置と各エレベータとは、エレベータ設備専用伝送路で接続する必要がある。一方、エレベータ監視制御としての伝送と運転制御機能とはオープン化し、ビル内ネットワークと伝送路を兼用する。
【0068】
エレベータ制御装置とエレベータ監視制御盤との間をデータ伝送できるように通信ケーブルで接続すると、エレベータのオープン化機能を容易に実現できるようになる。
【0069】
エレベータ監視制御部に設置したパソコンの異常を検出し、ブザーで警報を出す機能を備えると、管理人が、エレベータ監視制御部のパソコンを迅速に修理,交換し、または、バックアップパソコンに切り替えることもできる。
【0070】
さらに、緊急時に待った無しで使う必要のある非常用エレベータの非常呼び戻し,火災管制指令,地震管制指令などの指令を出すバックアップ手段を設け、安全性を高めることが望ましい。
【0071】
【発明の実施の形態】
次に、図1〜図9を参照して、本発明によるエレベータ監視制御システムの実施形態を説明する。
【0072】
【実施形態1】
図1は、本発明によるエレベータ監視制御システムの実施形態1の全体構成を示すブロック図である。8台のエレベータ設備と内部構成が異なる2セットの群管理制御装置M1,M2と単独2台(または2台管理)エレベータの号機制御装置K31,K32とを含む本発明によるエレベータ監視制御システムの実施形態1の全体構成を示すブロック図である。
【0073】
図2は、号機制御側から送信されるデータの通信フォーマットの一例を示す図である。図3は、群管理側から送信される通信フォーマットの一例を示す図である。
【0074】
エレベータ制御装置K11,K12,K13を含む第1グループを一括制御する群管理制御装置M1は、各号機別に個別伝送路LK11,LK12,LK13により、エレベータ制御装置K11,K12,K13に接続されている。それぞれのエレベータのエレベータ制御装置K11,K12,K13は、図2に示すように、少なくともかご位置信号を含む送信データを群管理制御装置M1に送信し、図3に示すように、乗り場呼び割り当てに関する管理指令データを群管理制御装置M1から受け取り、運転方向案内,必要階への走行,ドアの開閉などのエレベータの運転制御を実行する。
【0075】
したがって、群管理制御装置M1には、各エレベータの主要な状態信号が集中的に集まっている。群管理制御装置M1は、伝送路L1を使って、全エレベータの運転状態信号をエレベータ監視制御装置EM1との間で一括伝送できる。
【0076】
エレベータ制御装置K21,K22,K23を含む第2グループを一括制御する群管理制御装置M2は、各号機別に個別伝送路LK21,LK22,LK23により、エレベータ制御装置K21,K22,K23に接続されている。
【0077】
図4は、号機制御側から送信されるデータの通信フォーマットの他の例を示す図である。それぞれのエレベータのエレベータ制御装置K21,K22,K23は、3台共用の伝送路L2で群管理制御装置M2にバス接続され、少なくともかご位置信号と異常信号を含む運転状態信号(図2または図4)を群管理制御装置M2に送信し、逆に乗り場呼び割り当てに関する信号などの管理指令データ(図3)を受け取り、運転方向案内と必要階への走行と、ドアの開閉などのエレベータの運転制御をで実行する。
【0078】
エレベータ制御装置K21,K22,K23から群管理制御装置M2への伝送データは、エレベータ監視制御装置EM1内の伝送回路L12で同時受信する構成としてもよい。
【0079】
群管理制御装置M2との伝送データ(図2,図3)の中には、ビルオープン化制御のために必要な状態信号や運転仕様やエレベータ運行モニタ表示のために必要なかご内荷重情などが既に含まれているが、必要に応じて図4に示す拡張した情報フォーマットにすると、エレベータ監視制御装置EM1への送信信号と、群管理制御装置M2への送信信号とを共用できる。
【0080】
エレベータ制御装置K31,K32からなる第3グループは、相互に関連して運転する場合もあるが、それぞれが単独のエレベータとして運転制御する。
【0081】
この2台に共用の伝送路L3でエレベータ監視制御装置EM1とバス接続し、少なくとも異常信号を含む運転状態信号(図3)をエレベータ監視制御装置EM1に送信する。
【0082】
伝送路L1〜L3は、それぞれ伝送回路L11〜L13に接続され、受信データ作成RX11〜RX13で受信処理され、図4と同様の各エレベータ設備別受信テーブルを逐次更新作成する。
【0083】
受信データ編集P11は、全てのエレベータ状態データを整列し、送信データ作成TX11で変化したデータを優先的に送信するファイルを作成し、これを伝送路L21〜L31,L51で各々伝走路L5などに送信する。
【0084】
変化したデータを検出して送信するので低い伝送周期でも、遅滞なくかご位置などの激しい変化をする信号を各装置に贈ることができるメリットがあり、引いては、ビル内共通ネットワークL6などの進化があっても、長期に亘って変化しないエレベータ制御装置内の伝送方式や手段を固定化できる。
【0085】
図2と図3の伝送フォーマットには、エレベータの場合を例示しているが、本発明の適用対象は、エレベータに限定されない。すなわち、本発明は、昇降機や小型荷物運搬装置などにも適用できる。特に、交通機関に設置される自動運転機能付き昇降機や、運転方向別の台数調節仕様付き昇降機などにおいては、他の設備との連携制御が有効である。
【0086】
伝送回路L21の先には、メイン用のエレベータ専用監視手段PC11が接続され、伝送回路L22の先に通常は使用しないバックアップ用のエレベータ専用監視手段PC12が接続されている。
【0087】
伝送回路L31は、プロトコル変換装置L32を介してビル内共通ネットワークと接続され、伝送プロトコル変換装置L32のヒューマンインタフェース装置HIMの役割を果たす保守ツールPC13パソコンの接続により、オープン化する監視仕様の変更やプロトコルの変更に対応できる。なお、保守ツールPC13パソコンは伝送プロトコル変換装置L32のヒューマンインタフェース装置HIMの役割である保守ツール用のパソコンであり、常設する必要はない。
【0088】
以上の構成により、8台のエレベータ監視制御装置ME1とビル内共通ネットワークL6を利用した各種装置PC14他やビル内設備システムS11〜S41との連携制御が可能である。
【0089】
将来、ビル内配管を追加することなく、秘書室のOAパソコンPC14だけでなく、ここでは図示しないが、ビル内共通ネットワークL6に追加接続された任意のパソコンで、運行モニタや運行統計データの確認を実行できる。
【0090】
表示コード作成P51処理部は、時計信号TMとエレベータ状態データF11を元に表作成した信号を、伝送路L5を介して、情報表示制御システムS51,S52などに伝える。
【0091】
表示コードに表示モードを含むので、エレベータ専用監視手段PC12またはPC11から設定された表示ルールに基づき、かご内や乗り場に設置されているカラー液晶表器DP51,DP52などに、運転方向や時間帯に応じたビル内案内映像や衛星放送受信放映や環境ビデオ放映などを、かご位置および運転方向と併せて画面表示し、次回到着階案内などの映像表示モードを種々に選択できる。
【0092】
また、個々のエレベータ運転状態により、映像画面を切り替えるだけでなく、音声案内と同様に、文章のテロップ表示により、地震管制運転などの管制運転案内や長待ち発生案内やかご内満員発生による出発不能などを利用者に案内でき、特に難聴者に対する案内手段として有効である。
【0093】
【実施形態2】
図5は、本発明によるエレベータ監視制御システムの実施形態2の全体構成を示すブロック図である。図5に示すように、バックアップ用のエレベータ専用監視手段PC12に運行モニタや統計データ表示機能を持たせると、一日に一度エレベータ専用監視手段PC12を自動または手動で立ち上げ、エレベータ監視制御部Bとしての機能確認を含めて、エレベータ監視制御装置EM1内の運行記録ファイル作成P24が作成した運行記録ファイルF24の内容を吸い上げて、パソコン側ファイルに取り込む運用を実行できる。
【0094】
図1の実施形態1では、管制運転案内をする観点から専用の伝送路L5を使って情報表示制御システムS51などと接続する例を示したが、管制運転灯をかご内などに別個に有している場合や音声案内を有している場合には、重要度が低くなり、ビル内共通ネットワークL6を介して情報表示制御システムS51,S52と接続することもできる。
【0095】
エレベータ専用監視手段から手動で地震管制運転をすると、低速での点検運転を実施するまで地震管制の運転の記憶が消えない。
【0096】
ここで、エレベータ専用監視手段PC11などから特定の乗り場呼びを無効に設定すると、その乗り場呼び無効時間帯設定コマンドを第1記憶ファイルF21に記憶する。
【0097】
例えば、20:00から06:30まで乗り場呼び無効などの指令コマンドを保管する。この種の指令は、解除コマンドがいずれかのシステムや装置から来るまでは、記憶を持続する。
【0098】
図6は、群管理側から送信される通信フォーマットの他の例を示す図である。
【0099】
指令信号作成P21は、時計TMからの情報に基づき登録された所定時間帯においては、設定した階床のサービスをカットするデータ作成し、図6のNo.13〜20の一般乗り場呼びサービス阻止信号として送信ファイルを作成する。
【0100】
伝送回路L31は、プロトコル変換装置L32を介してビル内共通ネットワークと接続され、伝送プロトコル変換装置L32のヒューマンインタフェース装置(HIM)の役割を果たす保守ツールPC13パソコンの接続により、オープン化する監視仕様の変更やプロトコルの変更に対応できる。
【0101】
以上の構成により、8台のエレベータ監視制御装置EM1とビル内共通ネットワークL6を利用した各種装置PC14他やビル内設備システムS11〜S41との連携制御が可能である。
【0102】
将来、ビル内配管を追加することなく、秘書室のOAパソコンPC14だけでなく、ここでは図示しないが、ビル内共通ネットワークL6に追加接続された任意のパソコンで、運行モニタや運行統計データの確認を実行できる。
【0103】
送信データ作成TX11からTX13は、図6相当の制御指令データの変化を検出して、優先的に伝走路L11〜L13により、その変化を該当のエレベータ制御装置に優先的に伝える。
【0104】
指令信号作成プログラムP21は、各所からのエレベータ制御指令要求コマンドの記憶ファイルF21とF22から、各エレベータ制御装置や群管理制御装置に制御実行指令や制御実行許可指令を作成する。
【0105】
ネットワーク関連の異常を検出したときは、エレベータ専用監視手段からの指令入力範囲を拡大できるようにする。
【0106】
時計の時刻更正プログラムP23は、ビル管理システムS11からの全館一斉時刻合わせ信号の発令により、L32,L31,RX31を介して時刻合わせ指示データを伝え、時計TMの時刻ずれを遠隔で合わせることができる。このとき、時刻更正プログラムP23の仕様設定によっては、5分以上の時刻合わせは無効とするように設定し、試験的な時刻合わせ情報やビル内共通ネットワークL6に接続する権限を持たないシステムからの誤った情報でビル内の交通機関を麻痺させないようにする。
【0107】
保守ツールPC13は、権限を持たないシステムからの時刻合わせ情報を無視するように設定できる。
【0108】
マンションにおいては、住人が帰宅したときに、玄関や非常口兼用出入り口に設置の個人識別などのセキュリティゲートS22,S23の正規動作を検出したら、信号がセキュリティシステムS21,L32,L31,RX31を経て、第2の記憶ファイルに一時格納され、指令信号作成P21が、図6のNo.5〜12で乗り場呼びを自動作成し、正規利用者通過を検出したゲートに近いエレベータをドア開き状態で待機させる。乗り込みを光電装置他で検出したら、No.61から76で行き先呼び自動登録で直行運転し、利便性と防犯を確保しながら運転する。
【0109】
日中でも手先の自由が利かない重度の自動運転車椅子利用者への対応機能としては、携帯電話S32などの無線利用により、電話網システムS31から、目的階まで自動運転することもできる。
【0110】
逆に、室内設置の買い物指示や回覧板機能などを持つインテリジェント端末S43から、一般呼び登録や動物の散歩時などに使用する専用運転呼び登録機能を持たせることができる。
【0111】
これら各種機能の許可は、エレベータ専用監視盤からの指定を第1の記憶ファイルF21に記憶し、指令信号作成P21が許可時間や許可階床を確認しながら第1の記憶ファイルに記憶している指定の号機に指令する。
【0112】
OAパソコンPC14や室内端末S43や携帯電話でのメール機能を使い、伝走路L6に接続した(図示しない)メールサーバを介して遠隔操作または乗り場でのリモコン的操作による特殊運転が可能である。
【0113】
故障検知P22が、エレベータ専用監視手段PC11の故障などを検出すると、駆動回路O11で警報ブザーBZ1を駆動し、権利者に知らせる。
【0114】
リセットボタンBT1またはエレベータ監視部での警報リセットが所定時間内に操作されない場合は、故障内容や警報内容を送信データの一部として電話網システムS31に送り、公衆電話回線を使って、エレベータ保守センタやビル管理者として登録されている携帯電話に連絡するサービスを提供することもできる。
【0115】
一方、ビル内共通ネットワークL4を介して入力されるS11〜S41,PC14のいずれかのシステムから異常指令が来るときは、エレベータ専用監視手段AのPC11で新たな指令をシステムや装置単位で無効とする指示をしたり、過去の指令をエレベータ専用監視手段BのPC12の運転指令代行機能を使って一括取り消ししまたは修正し、故障したビル管理システムS11や秘書室のOAパソコンPC14に代わり、要人専用運転予約やメッセージ入力業務の代行入力機能を提供することもできる。
【0116】
監視するエレベータ設備台数が少なければ、エレベータ専用監視手段Bの機能をエレベータ専用監視手段Aに含め、PC12を不要としても、本発明は何ら影響を受けない。
【0117】
図5の実施形態2では、乗り場呼び登録装置311,331は、エレベータ制御装置11,13のみに接続される。
【0118】
図1の実施形態1では、群管理伝送路L2を監視系などと共用の伝送路とするため、イーサネットなどの汎用伝送路を使用している。
【0119】
これに対して図5の実施形態2では、エレベータ制御装置11,12,13間の群管理伝送路L2として、実績があり信頼性の高いエレベータ制御専用の伝送路を使用しており、汎用の伝送路L4に接続されたエレベータ監視部Aの機能を持つパソコンPC11とは汎用伝送装置244を含むエレベータ監視制御装置24を介して接続する。
【0120】
こうすると、パソコンPC11,PC12,エレベータ監視専用伝送路L4,汎用伝送装置244が故障しても、群管理制御機能242とエレベータ側の専用伝送装置241とにより、第2グループのエレベータ専用伝送路L2はその機能を維持し、エレベータを制御できる。
【0121】
また、4台以上のエレベータが通路を挟んで向かい合っているような場合には、配線経路が単純になり、エレベータ側立ち上げ時や故障時の原因特定や復旧が容易になる。
【0122】
さらに、図5のシステムでは、図10の従来の群管理制御装置20をエレベータ専用伝送路L2に接続し、群管理制御機能242をエレベータ監視制御部243や汎用伝送回路244と一体に構成し、機械室が無い時代に対応した省スペースの実施形態となっている。
【0123】
群管理制御機能242は、エレベータ監視専用監視部21AのパソコンPC12や汎用伝送装置244などの故障の影響を何ら受けないで、3台のエレベータ制御装置11〜13との群管理運転を継続するように構成している。
【0124】
図5の構成では、乗り場呼び登録装置341を有する他の複数のエレベータ制御装置14〜16,群管理制御機機能23Bおよび汎用伝送回路24Bを含むインタフェース装置27が、エレベータ監視盤専用伝送路L4を介して、パソコンPC11などに接続されている。
【0125】
さらに、汎用伝送路L4は、プロトコル変換機能付きルータ25を介して、ビル内共用ネットワーク伝送路L6に接続される。
【0126】
ビル側から供給される会議,要人スケジュール,空調制御スケジュール、セキュリティゲート通過人情報,所定期間の通過人数情報などを取り込み、群管理制御機能242,23Bまたはエレベータ制御装置に直接供給し、効率的な配車台数設定や待機制御を実行可能となる。
【0127】
ビル管理システムS11や私書室パソコンPC14やセキュリティシステムS21とエレベータ設備とを連携させ、遠隔制御できる。
【0128】
既に述べたように、図2は、群管理伝送路L1,L2,L3,L2を介して、各エレベータのエレベータ制御装置K11〜K32,11,12,13から群管理制御装置M1,M2,エレベータ監視装置EM1,24に送信される号機制御側送信データの通信フォーマットの一例を示している。
【0129】
保守運転,休止,独立運転などの運転状態信号と、乗り場呼び登録信号,乗り場呼び応答信号との他に、群管理制御装置M1,M2や群管理制御機能242などでのより高度な管理制御に必要な先行かごサービス階,かご内荷重,かご呼び登録信号などを送信する。
【0130】
ここで、運転状態信号は号機制御装置11側で、状態判定回路を設け、判定した状態をコード化し、1バイトの群管理編入可能信号にまとめてもよく、図4に示すように、エレベータ制御装置側で号機制御運転モード情報すなわち運転制御状態コード信号を作成し送信するようにしてもよい。
【0131】
図2または図4には図示していないが、図5の群管理制御機能242で実行する内容によっては、乗り人数,降り人数,光電装置動作,ドア閉じ中信号,ドア開き信号の送信データに加えてもよい。
【0132】
車椅子呼びや特別乗り場呼び信号を必要に応じて追加していくこともできる。
【0133】
さらに、エレベータの監視もするので、かご位置表示階信号,走行中信号、地震管制完了などの管制運転状態信号、故障状態信号などを送信する。
【0134】
ここで、故障状態信号は、その原因が多岐に亘り、故障状態の判断を容易にするため、トラブルモニタコード化してから送信することもできる。
【0135】
エレベータ監視装置EM1やパソコンPC11やPC12が正常か否かを判定するために、送信データにヘルシーチェックデータを含めている。
【0136】
エレベータ制御装置から送信された確認信号2TXは、パソコンPC11またはPC12が正常なときは、図3に示すヘルシーチェック1RXとして帰ってくる。このヘルシーチェック1RXにより、パソコンPC11,またPC12が正常であるか否かを知ることができる。
【0137】
ここでは、ヘルシーチェックデータを“1"または“0"のビットデータとしているが、図4または図6に示すシステム異常検出用チェックデータ(エレベータ制御装置側用)のように、1バイトのデータとすることもできる。
【0138】
図3は、逆に、エレベータ監視装置EM1から各エレベータ制御装置に送信される運行制御信号と監視制御指令信号の伝送フォーマットの一例を示している。
【0139】
この伝送フォーマットには、エレベータ専用監視手段A(PC11)で操作で出力されるパーキング信号、手動での地震管制信号、火災管制運転信号、非常呼び戻しSWなどとして設けられた少なくとも1個の手動スイッチSW1からの信号、ビル管理システムS11やビル内設備系伝走路L6経由で受け取ったや買電停止信号、自家発電源確立信号などの信号が含まれる。
【0140】
相対アドレス11以降は、監視システムが、遠隔予約制御機能、群管理制御装置の一部の機能、バックアップ機能を持つ場合や、バンク間連携制御機能を持つ場合の例を示しており、必ずしも必要な信号ではない。
【0141】
上記乗り場呼びサービス階やかご呼びサービス階は、ビル側の鍵管理システムなどの防犯設備などからなるセキュリティシステムS21から得た情報や、エレベータ専用監視手段A(PC11)やビル管理システムS11を構成するパソコンの対話画面から管理者が操作入力したサービス切離しなどにより作成できる。
【0142】
この信号は複数のエレベータ設備に対する共通信号の場合が多い。
【0143】
図2に示した号機送信データは、図3に示す監視監視装置EM1の送信データを受け取った号機が返信データとして送信するデータである。
【0144】
各エレベータエレベータ制御装置では、受信データの号機No.を判定して、それが自号機であるとき、図2の自号機分のデータを返信する。
【0145】
号機状態信号や運行制御信号は、エレベータ制御装置と監視監視装置EM1との間だけでなく、各エレベータ制御装置同士でも送受信可能な構成にすることもできる。
【0146】
本実施形態では、バンク内伝送とエレベータ監視装置EM1との伝送を共通仕様としている第1バンクと第3バンクに付いては、監視監視装置EM1からの通信が一定期間途絶えたことを群管理制御装置2や号機制御装置K31側で検出すると、群管理制御装置2や代表エレベータ制御装置K31は、乗り場呼び分配制御などの群管理制御処理を継続するとともに、そのバンク内の群管理伝送路での伝送制御の実行を継続または再開するように構成し、信頼性や保守性を高める。
【0147】
エレベータ監視装置EM1の内部処理の多くは、通常、マイクロコンピュータが実行する場合が多い。
【0148】
図7は、図1のエレベータ監視制御システム全体の動作を説明するフローチャートである。
【0149】
各ステップの処理説明内容は、図1に示した各処理ブロックP11などとデータF11などとを関連付けて説明する。
【0150】
ステップ100で、エレベータ監視装置EM1から各エレベータ制御装置K11他や群管理制御装置M1などに送信する信号を送信先や伝送方法に対応して図3または図6に凡例を示す送信ファイルを送信データ作成部TX11〜TX13で作成する。
【0151】
ステップ101で、エレベータ設備との通信処理は図1の伝送回路L11からL13での一連の伝送処理を起動し、上記で作成のデータをエレベータ設備に送り、受信データ作成部RX11〜RX13で図2または図4に凡例を示す受信テーブルを作成する。
【0152】
ステップ102で、図2または図4のフォーマットで受信したデータを受信データ編集部P11で処理しやすいように並べ替え、また入力回路I11から取り込んだ接点信号をを加えてエレベータ状態データF11ファイルを作成する。
【0153】
ステップ103で、故障検知部P22は、データ内に含まれるチェックデータを用いて、各エレベータ制御装置K11〜K32,パソコンPC11,PC12,PC14,各システムS11〜S41の故障を検知する。
【0154】
ステップ104で、秘書室のOAパソコンPC14などから登録されたVIP運転スケジュール登録データや電話網システムS31からの乗り場呼び自動登録コマンド、パソコンPC11やビル管理システムS11などからの運転制御仕様変更指令などの各種スケジュール制御指令を指令作成部P21で時計信号と第1または第2の記録ファイルF21,F31のデータを元に作成する。
【0155】
ステップ105で、送信データ作成部TX21でエレベータ専用監視手段PC11などへの送信データを作成する。
【0156】
ステップ106で、伝送回路L21,L22により、エレベータ監視手段PC11,PC12と通信する。
【0157】
ステップ107で、ビル内設備との通信変換装置L32を介した伝送回路L31による通信処理と受信コマンドによる制御信号作成処理を行う。
【0158】
ステップ108で、各種ビル内設備S11〜S41、PC14とエレベータ専用監視手段PC11,12からの受信データを元に、第1および2記憶ファイルを更新する。
【0159】
ステップP106で、エレベータ専用監視手段PC11とPC12の故障を診断し、正しく連続動作できる系の受信データ作成プログラムRX21またはRX22のいずれかを選択して使用するように構成し、正常系での監視を継続できるように構成する。
【0160】
また、ビル内ネットワーク伝送路L6と、その先に接続された個々の設備やシステムS22〜S43、PC14を個別に診断し、異常系からの指令や過去の予約制御指令を無効化する。
【0161】
場合によっては、エレベータ専用監視手段BのPC12で、オープン化制御システム全体の指令、予約、故障診断結果を表示するなどの機能を設け、故障時は該当部を表示し、無効化の判断を仰ぐ警報を発するように構成することもできる。
【0162】
さらに、故障したオープン化制御機能に代わってPC12またはPC12から代行操作指令を入力できるように構成できる。
【0163】
ビル内の多数のエレベータ設備の運行状況だけでなく、エレベータ設備内部の故障履歴や、異常履歴などを整理してバンク単位に一括表示する機能を設けると、保守会社の専門家が点検しないエレベータに付いても、短時間で正常判断ができる。長待ちなどの原因を究明できる。
【0164】
さらに、エレベータ専用監視手段から保守点検中の予約設定をすることにより、不要な警報を出さないですむ。
【0165】
図8は、エレベータ監視装置EM1とエレベータ専用監視手段PC11,PC12との伝送のための送信データ作成手段TX21および受信データ作成手段RX21,RX22によるインタフェース処理手順を説明するフローチャートである。
【0166】
ステップ200で、100msや1秒ごとに周期起動される。
【0167】
ステップ201で、パソコンなどによるエレベータ専用監視手段PC11を監視人が朝立ちあげたときなどに必要なエレベータ監視装置EM1との初期伝送が完了しているかを判定する。
【0168】
未完了の場合は、ステップ203で、エレベータ監視装置EM1側で記憶している監視指令を全てパソコンPC11とPC12に送信する。
【0169】
他のビル内設備、例えばサービス階カット信号など一式を効率的に受信するためのコマンドを伝送回路L31にセットする。
【0170】
パソコン側で記憶している操作内容の記憶データ一式を効率的に送信するために、次回分割送信データ送信回路L21〜L31にセットする。
【0171】
ステップ203では、前日までの全号機のエレベータ状態データである運行ファイルF24を順次自動送信する。
【0172】
ここで、図1では、送信データ作成TX21を1個で共用しているが、個別に設けてもよい。この場合は、PC12に対してのみ運行ファイルF24のイニシャル伝送を実施すればよく、その分エレベータ専用監視手段PC11による監視業務を早く開始できる。
【0173】
イニシャル伝送が完了しているときは、ステップ202で、エレベータ状態データの変化データ優先送信データを作成する。
変化したデータが所定個以下のときは、定期伝送データ量を増やす。
【0174】
ステップ204で、定期的に起動される通信により、エレベータ専用監視手段PC11との伝送異常を検出する。他に、図4のエレベータ制御装置側用システム異常検出用チェックデータをそのまま使って、エレベータ専用監視手段PC11との通信異常だけでなく、内部のアプリケーション処理が動いているか否かもチェックし、システム機能に異常がなければ、ステップ207で、かご位置表示を含む運行モニタ表示中画面に必要なエレベータの状態信号を優先的に送信する。
【0175】
伝送フォーマットは、図4または図6に示したエレベータ設備との伝送フォーマット限定されない。受信データファイルには、表示中画面番号または運行モニタ表示中のエレベータ番号リストを受信データに加える場合もある。
【0176】
オープン化制御指令状況をエレベータ専用監視手段PC11,PC12でモニタするためには、図6の受信データフォーマットに整理し、パソコンPC11,PC12に送信する必要がある。
【0177】
具体的には、ステップ208で、ビル内共用ネットワークから取り込んだ群管理運転制御仕様の変更やエレベータ操作指令を、バンク単位に、図6に示す受信フォーマットに整理し、パソコンPC11,PC12に送信する。
【0178】
場合によっては、群管理制御装置M1などから保守装置や遠隔保守センタからの指令により変更された群管理運転制御仕様,パーキング,冠水運転指令などをエレベータ専用監視手段PC11でモニタ表示するために、本来はエレベータ専用監視手段PC11や監視盤EM1から送信するデータフォーマットである図6のテーブルで、エレベータ設備側から受信する必要がある。
【0179】
ステップ209で、1時間や数日分の運行記録をする一時保管ファイルである運行保管ファイルF24などの内容をエレベータ専用監視手段PC12またはPC11からの要求コマンドに応じてエレベータ専用監視手段PC12とPC11とに送信する。もちろん、PC12にのみ送信することもできる。
【0180】
ステップ204で、正常と判定した場合は、ステップ262で、エレベータ操作記憶指令を送信し、操作コマンドを受信し、ステップ264で、管制運転指令コマンドを受信する。
【0181】
ステップ266で、エレベータ専用監視手段PC11の異常を含む管制運転指令・監視操作指令を全エレベータに送信し、図4の送信処理と、図6での受信処理を各バンクごとに全バンク実施する。
【0182】
ステップ210で、ビル内設備システムからの運転指令やサービス切離し信号の記憶を無効とする指令がエレベータ専用監視手段PC12またはPC11から送られてきたか否かを判定し、送られてきた場合は、過去の指令を含めて無効化する。
【0183】
したがって、他の設備側に異常が生じた場合でも、管理者の判断で、エレベータ設備の運転を継続または再開させることができる。
【0184】
ステップ220で、バックアップ系のエレベータ監視部PC12との連続伝送異常を判定する。
【0185】
ステップ230で、両方のエレベータ専用監視手段PC11,PC12が連続異常と判定し、無効スイッチが新たにONされたことを判定した場合は、ステップ240で、エレベータ専用監視手段PC11,PC12からの制御指令を記憶した第1の記憶手段の内容による制御指令作成を無効化するとともに、警報ブザーを作動させる。
【0186】
ただし、他のビル内設備が正常であると判断できるときには、第2の記憶手段による制御指令の作成を継続し、該当エレベータ設備への送信を継続する。
【0187】
いずれの記憶手段も無効を宣言された場合は、図6に示す制御指令データをクリアするかデフォルト制御指令データをセットし、当該号機に送信する。
【0188】
または、1時間以上も放置された場合、無効化スイッチに代わって、第1の記憶手段内に記憶されたエレベータ専用監視手段PC11,12からの指令を自動的に無効とし、エレベータ設備が稼動できる方向に制御指令信号を変更する。
【0189】
この状況とは異なり、一方が動いている場合や短時間の異常であれば、ステップ235で、異常記録や警報は実行しないで、最終受信信号により監視運転指令を作成し、運転を継続する。
【0190】
これにより、一過性の伝送異常やパソコンPC11からPC12への制御切り替え保守点検をしたときに誤ってパーキング指令の解除指令を出してしまうなどの不都合を防止できる。
【0191】
図6は、号機側から監視装置またはエレベータ専用監視手段AのパソコンPC11に送る送信フォーマットの他の例であり、図2に示した従来の監視盤用のフォーマットと比較すると、オープン化制御と運行モニタ記録や表示に対応するため、信号の種類を大幅に増やしている。
【0192】
また、相対アドレスに示すように、階床数にリンクして変動する信号に対しては、例えば64階床すなわち8バイトで統一し、エレベータ仕様ごとに異なる伝送フォーマットとならないように配慮している。
【0193】
従来のエレベータ専用監視手段AのパソコンPC11やエレベータ監視盤からエレベータ設備に向けての伝送フォーマット(図3)に対して、図6の例では、運転制御や運転仕様変更をオープン化できるように、制御指令信号の種類が大幅に多くなっている。
【0194】
図9は、エレベータ専用監視手段PC11のパソコン内でなされる監視表示と監視操作の処理手順を説明するフローチャートである。
【0195】
ステップ300は、300msや1秒ごとに周期起動される。
【0196】
ステップ301で、エレベータ状態データF11、運行記録ファイルF24、第1,第2の記録ファイルF21,F31、故障検知情報などをエレベータ監視装置EM1内の伝送回路L21と図8で説明した伝送手段によりエレベータ監視装置EM1から選択的,周期的に、指定した高速性要求データの変化分を優先して取り込む。
【0197】
ステップ301は、ステップ308での送信処理とセットで実行する全2重伝送の構成としてもよい。
【0198】
各種データファイルを送信側でサーチし、変化があったデータの優先的に送信するので、比較的低い伝送でも高い応答性を得ることができる。
【0199】
ステップ302で、エレベータ専用監視手段PC11のマウスやキーボードにより、エレベータ監視表示の画面の選択操作やパーキングやサービスカット指令などの処理を実行する。
【0200】
ステップ303で、選択された監視表示画面に関する受信データを元に、選択された監視画面の表示を更新する。
【0201】
選択された監視表示画面に関する関連のデータ読み込み要求をステップ301に要求するコマンドを作成し、伝送回路L21との伝送量を低減する方法もある。
【0202】
主要データをまとめて定期的に取り込み、ステップ304で、エレベータ状態データF11の受信信号を用いた運行データを作成して記録し、パソコン内部のハードディスク内に日別ごとのファイル名で順次自動書込み記録する。
【0203】
夜間または伝送が閑散な時を判定し、そのような状況で、エレベータ監視装置EM1側で作成した運行記録ファイルF24の受信を要求して一括受信し、保管する構成とすることもできる。
【0204】
運行記録などの付帯処理は、サブ昇降専用監視部BであるパソコンPC12側で主として実施することもできる。
【0205】
例えば、予め定めた基準台数を下回ったり、所定期間の平均乗客の平均待ち時間が基準待ち時間を超えた場合や、予め設定した判定時間以上の乗り場長待ち呼びの発生を判定し、判定値を超えた日時とその関連データを表示できるようにする。
【0206】
ステップ305で、故障関連信号,スイッチ操作,故障診断データなどの周期的取り込みを要求し、故障来歴ファイルの更新や警告や警報を音声などで案内する。
【0207】
伝送回路L21,受信データ作成処理RX22,第1の記憶ファイルF21,故障検知処理P22,指定信号作成処理P21を利用して、駆動回路O11により、ブザーBZ1をならすこともできる。
【0208】
ステップ306で、ビル内設備からの指令記録処理と矛盾診断と警報処理とを実行する。
【0209】
エレベータ専用監視手段PC12(またはPC11)からの指令によるビル内設備からの指令または指令の記憶情報に基づき、エレベータ設備の制御指令項目別に無効化処理する。
【0210】
各ビル内設備(S11〜PC14)からの指令の矛盾診断判定やビル内設備の共通伝送路L6を介した伝送の異常判定によっても、自動的に無効化処理し、このときはエレベータ専用監視手段パソコンPC12(またはPC11)からの制御指令入力機能を生かしたり、無効としたりする。
【0211】
このようにすると、VIP運転指令や会議終了特別運転指令など頻繁に入力される運転指令を常時2個所から入力できる結果として生じる責任の所在問題などの混乱を防止しつつ、他の設備が故障したときは、昇降専用監視部で代行できるメリットが生まれる。
【0212】
ステップ307で、エレベータ状態データにより異常診断処理し、もし異常を検知した場合は、警報信号と警報ブザーBZ1駆動指令とを作成し出力する。
【0213】
ここで、エレベータ監視手段PC11側では、表示や音声などによる異常であることを案内し、警報履歴ファイルにも異常発生日時と内容とを保管する。異常を判定しブザーを駆動する機能は、図1に示すように、故障検知部P22で実行するようにしてもよい。
【0214】
ステップ308で、操作信号データと受信要求データの種類をエレベータ監視装置EM1に送信する。
送信すべきデータ量は多くても、人間により手動操作された信号であるため、単位時間当りに変化するデータ量が極めて少ないので、変化したまたは操作した信号に関するデータのみを送信する方式が、伝送量的には極めて有利である。
【0215】
多数のエレベータについて高頻度で変化するかご位置データを高速に伝送できる。ただし、このような変化伝送方式を採用した場合は、パソコンPC11,PC12を立ち上げたとき、データ$00以外のデータをサーチして送信し、エレベータ監視装置EM1内に保管される第1の記録ファイルF21の内容を入れ替えるコマンドを送信する必要がある。
【0216】
新しいパソコンと入れ変えたときは、過去の送信データファイルがないので、逆に極めてエレベータ監視装置EM1内に保管の第1の記録ファイルF21の内容の中でデータ$00以外のデータをサーチして伝送パソコンPC11またはPC12に送信してもらう要求コマンドを判定処理して出す必要がある。
【0217】
図9の処理手順においては、ますます高機能で安価となる市販の汎用パソコンを用いて、群管理制御処理を実行するので、群管理制御処理の機能の点検,調整,保守,改善などの作業が極めて効率的になる。
【0218】
また、稼動を開始した後、新たに開発された最新の群管理制御方式ソフトウエアへの改造作業や、稼動状態に応じたカスタマイズ群管理ソフトウエアへの切り替え作業が極めて容易になる。
【0219】
さらに、保守会社からの遠隔点検やソフトウエアの改善が可能になる。エレベータ群管理制御装置の保守業務は、一般機器の故障対応や故障発生未然防止活動のようには、定型化できない。ビル環境,エレベータ仕様,台数,交通需要などの条件に応じて、顧客側管理者と連絡しながら、種々配慮し、仕様を改造していく必要がある。
【0220】
エレベータ群管理機能の診断には、高度の知識と豊富な経験とを要する。このエレベータ群管理機能の診断に、パソコンを用いると、遠隔地にある保守会社の保守サービスセンタからの専任グループ診断が可能となり、保守サービスの向上につながる。
【0221】
従来は、放置されることが多かったビル竣工時点からの利用人員の数や利用状況の変化に応じた群管理制御ソフトウエアへの入れ替え保守業務をタイムリーに頻繁に実行できる。
【0222】
テナントなどからビル管理者に寄せられるクレームや改善要望に対しても、遠隔診断により、迅速なサポートが可能となる。
【0223】
エレベータ製造メーカに関係なく、本エレベータ監視制御システムを経由して、夜間警備の無人・自動化対応ビルについて、監視業務を代行できる。
【0224】
群管理制御処理パソコンをエレベータの監視装置と兼用すれば、設置スペースを削減し、現地での配線作業を簡略化し、パソコン交換などの保守費用の増大を抑制できる。
【0225】
群管理制御機能を実行するパソコンとエレベータ監視制御機能などを実行するパソコンとを兼用すれば、従来は、群管理制御装置とエレベータ監視制御装置とで別々に複数のネットワークを用いて送受信している通信を統合できる。
【0226】
すなわち、号機制御状態表示と管制運転指令信号などの監視盤伝送路と、群管理運行制御信号伝送路とを1つの伝送路のまとめ、各エレベータ制御装置の回路規模を小さくできる。
【0227】
両方の伝送データには、重複する信号が多い。兼用パソコンを用いれば、群管理制御伝送とエレベータ監視制御伝送とを共通化し、通信に関するソフトウエアや群管理制御装置をエレベータ管理人室に通常設置される監視装置と一体化できるので、従来のように行き来に不便で危険の多い屋上機械室に出向く必要が無くなる。
【0228】
ビル内の管理室や防災センタなどの安全な場所からエレベータの運行を確認し調整・点検できるというメリットは大きく、エレベータ制御装置の総合点検やエレベータに関する各種現地調整も可能となる。
【0229】
特に、最近増えているエレベータ機械室が無いビルでは、群管理制御装置をエレベータ監視制御装置と一体化すれば、さらに次の利点が得られる。
(1)群管理制御装置をエレベータ昇降路に設置すれば、薄形の群管理制御盤の開発,製造,据え付け配線作業が必要になるが、監視装置と一体化して管理人室に設置すると、そのための開発などの作業およびコストが不要になる。
(2)エレベータ昇降路内に群管理制御装置を設けた場合と比べて、点検と保守作業が容易になり、安全性の面でも有利である。
(3)エレベータ昇降路内に群管理制御装置を設けた場合と比べて、ビル建築工事との取り合いが少なく、工事期間が短縮される。
【0230】
【発明の効果】
エレベータ設備は、ビル内設備の空調,照明,OAパソコンなどの設備と比較すると、製品寿命が17年から35年と極端に長い。また、人命を直接扱うエレベータ設備は、信頼性および長期安定性が要求される。
【0231】
本発明によれば、要求される寿命が極端に異なるエレベータ監視制御設備とビル内の他の設備との連携を図る機能部分と信号伝送路とを分離し、しかも監視制御装置により統合する構成としたので、ビル内の他の設備の更新工事期間や故障発生時にも機能欠落を部分的に限定でき、エレベータの管制運転指令や故障監視などの基本機能を喪失することなく、安定に動作するエレベータ監視制御システムを実現できる。
【0232】
エレベータ設備と連携制御相手の各種設備との個別伝送路を用意したり、ビル内を個別に配管し配線を接続したりする必要がない。
【0233】
さらに、多忙な工事期間における建築会社との配管設置の打ち合わせなどを減らし、工事期間を短縮できる。
【0234】
本発明により、ビル内設備を統一されたネットワークで接続すると、各種連動制御,相互監視,ビル内時計の一元管理による時計合わせの省力化,夏時間採用時代への対応などのメリットが生まれる。
【0235】
具体的には、本発明による系統統合手段を採用すると、エレベータ設備の運行モニタ機能を他の設備に追加し、運転スケジュールの入力やエレベータ内に組み込まれているLED表示器へのメッセージ入力手段を自由に追加したり、変更したりできる。
【0236】
公衆電話回線を介して、遠隔地の顧客統合ビル群管理システムと接続し、エレベータ保守会社からの遠隔点検や遠隔操作を実現し、エレベータを監視制御する業務員が不在のときに業務を代行することもできる。
【0237】
さらに、エレベータ設備とビル内設備とを統一されたネットワークで接続することにより、エレベータ設備の各種連動制御,相互監視,エレベータ設備の時計とビル内時計との一元管理による時計合わせ業務の省力化,夏時間採用時代への準備などのメリットが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるエレベータ監視制御システムの実施形態1の全体構成を示すブロック図である。
【図2】号機制御側から送信されるデータの通信フォーマットの一例を示す図である。
【図3】群管理側から送信される通信フォーマットの一例を示す図である。
【図4】号機制御側から送信されるデータの通信フォーマットの他の例を示す図である。
【図5】本発明によるエレベータ監視制御システムの実施形態2の全体構成を示すブロック図である。
【図6】群管理側から送信される通信フォーマットの他の例を示す図である。
【図7】図1のエレベータ監視制御システム全体の動作を説明するフローチャートである。
【図8】エレベータ監視装置EM1とエレベータ専用監視手段PC11,PC12との伝送のための送信データ作成手段TX21および受信データ作成手段RX21,RX22によるインタフェース処理手順を説明するフローチャートである。
【図9】エレベータ専用監視手段PC11のパソコン内でなされる監視表示と監視操作の処理手順を説明するフローチャートである。
【図10】3台のエレベータを監視する従来のエレベータ監視制御システムの全体構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
11,12,13 エレベータ制御装置
21A,21B エレベータ専用監視部
22A 運行モニタ機能
22B エレベータ仕様選択設定スケジュール登録機能
23B,242 群管理制御機能
24 第1エレベータ監視制御装置
241,24B 伝送変換装置
25 プロトコル変換機能付きルータ
26 第2エレベータグループ
26 他のエレベータのエレベータ制御装置
27 群管理制御機能付き伝送変換装置
27 群管理制御機能兼用の第2昇降監視制御装置
311,331,341 乗り場呼び登録装置
411,421,431 到着案内装置
50 エレベータ設備専用の情報表示制御装置
51 LED表示器
DP51,DP52 カラー液晶表示器
I11 スイッチやボタンの入力回路
K11,K12,K13 エレベータ制御装置
K21,K22,K23 エレベータ制御装置
K41,K42 エレベータ制御装置
L1,L2,L3,L4 エレベータ設備専用伝送路
L5 情報系伝送路
L6 ビル内共用ネットワーク伝送路
L11,L12,L13 伝送回路
L21,L22 伝送回路
L31 伝送回路
L32 伝送プロトコル変換装置
L51 伝送回路
M1,M2,20 群管理制御装置
O11 警報ブザーや異常灯などを駆動する出力回路
PC11 エレベータ専用監視手段
PC12 エレベータ専用監視手段
PC13 伝送プロトコル変換装置の保守用パソコン
PC14 秘書室などに設置されたパソコン
P11 受信データ編集プログラム
P22 故障検知プログラム。
P21 指令信号作成プログラム。
P23 時計TMの時刻更正プログラム
P24 運行状態を時系列に順次記録するプログラム
P51 表示コード作成プログラム
RX11〜RX13 受信データ作成プログラム
RX21,RX22 受信データ作成プログラム
RX31 受信データ作成プログラム
S11 ビル管理システム
S21,S22,S23 セキュリティシステム
S31,S32,S33 電話網システム
S41 マンション居室内などの情報端末システム
S51 情報表示制御システム
TX11〜TX13 送信データ作成プログラム
TX21 送信データ作成プログラム
TM 時計
Claims (3)
- ビル管理システム,電話網システムなどの他の設備システムを有する少なくとも1棟の建物に設置される複数のエレベータ設備を制御するエレベータ制御装置と、前記エレベータ制御装置を監視制御するエレベータ専用監視手段とを含むエレベータ監視制御システムにおいて、
前記他の設備システムから前記エレベータ制御装置への制御指令を受信して前記エレベータ制御装置のデータフォーマットに変換して送信し、前記エレベータ制御装置の制御状況を前記他の設備システムのデータフォーマットに変換して送信するエレベータ監視制御装置と、
前記他の設備システムからの送信データに含まれ前記他の設備システムが正常か異常かを示すヘルシーチェックデータにより前記他の設備システムの故障の有無を検知する故障検知手段と、
前記故障検知手段が前記他の設備システムの故障を検知したとき、記憶されている過去の制御指令を含めて無効化する手段と、
前記ヘルシーチェックデータにかかわりなく制御指令を無効化する無効化スイッチとを備えたことを特徴とするエレベータ監視制御システム。 - 請求項1に記載のエレベータ監視制御システムにおいて、
前記他の設備システムからの制御指令が、少なくともサービス階を一時制限しまたはサービス階を一時解除する制御指令であることを特徴とするエレベータ監視制御システム。 - 請求項1または2に記載のエレベータ監視制御システムにおいて、
前記エレベータ専用監視手段または前記他の設備システムから入力された火災管制運転,地震管制運転,長待ち発生案内などの情報を乗りかご内および乗り場に表示し案内する情報表示手段を前記エレベータ監視制御装置に接続したことを特徴とするエレベータ監視制御システム。
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