JP4110198B2 - 半導体発光装置 - Google Patents

半導体発光装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4110198B2
JP4110198B2 JP2007196158A JP2007196158A JP4110198B2 JP 4110198 B2 JP4110198 B2 JP 4110198B2 JP 2007196158 A JP2007196158 A JP 2007196158A JP 2007196158 A JP2007196158 A JP 2007196158A JP 4110198 B2 JP4110198 B2 JP 4110198B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light emitting
layer
semiconductor
light emission
semiconductor light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007196158A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007281529A (ja
Inventor
田 康 一 新
部 洋 久 阿
野 邦 明 紺
井 康 夫 出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2007196158A priority Critical patent/JP4110198B2/ja
Publication of JP2007281529A publication Critical patent/JP2007281529A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4110198B2 publication Critical patent/JP4110198B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は、半導体発光素子に関する。
近年、白熱電球や蛍光灯の置き換えとして、白色半導体発光素子が注目されている。白色半導体発光素子は、駆動回路が簡単であること、寿命が長いこと、消費電力が小さいこと等の特徴を有している。
この白色半導体発光素子の構成は、例えば、特開平10−242513公報、特開平10−12916公報、特開平11−121806公報に記載されている。
特開平10−242513公報の半導体発光素子は、青色発光する窒化物半導体発光チップと、青色発光を吸収して黄色発光するYAG:Ce蛍光体と、を備え、青色発光と黄色発光とにより白色発光を実現している。ここで、YAG:Ce蛍光体は、樹脂に混ぜて半導体発光チップ周辺に塗布されている。
また、特開平10−12916公報の半導体発光素子は、紫外発光する窒化物半導体発光チップと、紫外発光を吸収して赤色、緑色、および青色に発光する3種類の蛍光体と、を備え、赤色発光、緑色発光、青色発光により白色発光を実現している。ここでも、蛍光体は、樹脂に混ぜて半導体発光チップ周辺に塗布されている。
また、特開平11−121806公報の半導体発光素子は、赤色発光する活性層と、緑色発光する活性層と、青色発光する活性層と、の3種類の活性層を備え、赤色発光、緑色発光、青色発光により白色発光を実現している。ここで、3種類の活性層は別々に設けられ、それぞれの活性層に別々に電流が注入されている。
しかし、本発明者の試作・評価の結果、従来の白色半導体発光素子には、以下のように、白色光の色調がばらついてしまうという問題があることが判明した。
まず、特開平10−242513公報の半導体発光素子のように、蛍光体を樹脂に混ぜ半導体チップ周辺に塗布すると、素子ごとに蛍光体量を一定にすることが難しいために、素子ごとに蛍光体量がばらついていた。そして、例えば、蛍光体量が多いと、黄色発光が多くなり、白色光の色調は黄色に近くなっていた。逆に、蛍光体量が少ないと、黄色発光が少なくなり、色調は青色に近くなっていた。このため素子ごとに白色光の色調がばらついていた。
次に、特開平10−12916公報の半導体発光素子のように、3種類の蛍光体を用いると、蛍光体の調合が難しいために、素子ごとに蛍光体の偏りが生じていた。そして、例えば、青色発光蛍光体の量が多いと、色調は青色に近くなっていた。このため素子ごとに白色光の色調がばらついていた。
さらに、特開平10−12916公報の半導体発光素子のように、赤色発光、緑色発光、青色発光の3種類の活性層を用いた構造では、それぞれの発光は注入電流に依存して変化するため、3色の発光バランスを調整するのが難しかった。
そして、例えば、青色発光活性層への注入電流が多すぎると、白色光の色調は青色に近くなっていた。このため、白色光の色調がばらついていた。
このように、従来の白色半導体発光素子には、白色光の色調がばらついてしまうという問題があることが判明した。
もっとも、一般的には、この色調のばらつきは大きな問題点として認識されていなかった。すなわち、従来、一般には、白色半導体発光素子では輝度の向上が主な目的とされ、その目的の達成に大きな目標を置いていたからである。
本発明は、かかる独自の課題の認識に基づいてなされたものである。すなわち、その目的は、色調のばらつきの少ない発光素子を提供することである。
本発明の半導体発光素子は、電流注入により第1の波長の光を放射する活性層を含む半導体発光チップと、
前記半導体発光チップの基板の表面に接着され、前記第1の波長の光により励起されて第2の波長の光を放射する発光層と、
を備え、
前記発光層が前記基板の表面の1/3〜2/3の面積に複数に分かれて形成され、且つ、前記発光層が、前記発光層のバンドギャップよりもバンドギャップの大きなp型とn型の一対のクラッド層に、挟まれている、
ことを特徴とする。
前記活性層は、GaN系半導体からなる活性層とすることができる。ここで、GaN系半導体とは、InGaAl1−x−yN(0≦x+y≦1、0≦x、y≦1)からなる半導体を意味し、GaN系半導体からなる活性層には、例えば、InGaNとGaNの多重量子井戸構造の活性層も含まれる。
また、前記発光層はInGaAlP系半導体からなる発光層とすることができる。ここで、InGaAlP系半導体とは、InGaAl1−s−tP(0≦s+t≦1、0≦s、t≦1)からなる半導体を意味する。
ここで、n型GaN系半導体層とは、InGaAl1−aーbN(0≦a+b≦1、0≦a、b≦1)からなるn型の半導体層を意味する。
例えば、n型GaNとAlGaNとの超格子構造も、n型GaN系半導体層に含まれる。p型GaN系半導体層も同様である。
本発明によれば、電流注入により青色発光するGaN系半導体発光チップと、このGaN系半導体発光チップの表面の一部に接着され青色発光により励起されて黄色発光する半導体層と、により白色半導体発光素子を構成したので、色調のばらつきを少なくすることができる。
また、本発明によれば、青色発光するGaN系半導体発光チップの活性層の一部に、イオンが注入され黄色発光する領域を形成して白色半導体発光素子を構成したので、色調のばらつきを少なくすることができる。
また、本発明によれば、青色発光するGaN系半導体発光チップと、青色発光を反射する反射板と、青色発光により励起されて黄色発光を放射する蛍光体と、により白色半導体発光素子を構成し、この蛍光体を反射板の一部に塗布したので、色調のばらつきの少なくすることができる。
以下に、図面を参照にしつつ本発明の実施の形態の半導体発光素子について説明する。以下では、GaN系半導体発光チップからの青色発光と、この青色発光を変換して得られる黄色発光と、により白色発光を行う半導体発光素子について説明する。
以下の第1〜第6の実施の形態では、上述の黄色発光を得る方法を変えた白色半導体発光素子について説明する。まず、第1〜第4の実施の形態では、黄色発光を放射する半導体層を備えた白色半導体発光素子について説明する。次に、第5の実施の形態では、GaN系半導体発光チップの活性層の一部にイオンを注入して、黄色発光するイオン注入領域を備えた白色半導体発光素子について説明する。次に、第6の実施の形態では、黄色発光を放射する蛍光体を反射板の一部に塗布した白色半導体発光素子について説明する。本実施形態の白色半導体発光素子は、色調のばらつきが少ないことを特徴の1つとする。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる白色半導体発光素子を表す断面図である。電流注入により青色発光を放射する半導体発光チップ100と、この青色発光により励起されて黄色発光を放射する半導体層110と、は白色半導体発光素子を構成している。この素子からの発光は、光取り出し面120から取り出される。
まず、半導体発光チップ100について説明する。サファイア基板101の下側の面(第1の面)上には、GaNからなるバッファ層102、n型GaNからなるコンタクト層103、InGaAlNからなる活性層104、p型AlGaNからなるクラッド層105、p型GaNからなるコンタクト層106が順次形成されている。これらの積層層101〜106は、有機金属気相成長法(MOCVD)法や、分子線エピキャシタル法(MBE法)などにより成長形成することができる。ここで、この積層層101〜106の厚さは数μmであり、サファイア基板101の厚さは数百μmであるが、図1では、積層層101〜106の説明のため、倍率を変えて示している。
上述の、InGaAlN活性層104から放射される光の波長は、活性層のIn、Alの組成比を調整し、青色発光をするものとして構成される。ここでAl組成を0として活性層をInGaNとしても良い。また、この活性層104の厚さを数1nm〜10nm程度の薄膜を有する単一量子井戸構造或いは多重量子井戸構造にすることで高輝度が実現できる。この活性層104には、n型コンタクト層103に形成されたn型電極107、p型コンタクト106に形成されたp型電極108から電流が注入される。ここで、p電極108とn電極107は、活性層104からの青色発光を反射する反射率の高い材料となるNi/Au、Ti/Alが望ましい。このようにすることで、活性層104から下側に放射された青色発光を、p電極108、n電極107で反射して、光取り出し面120から取り出すことができる。なお、図中でp電極108、n電極107のように斜線で示した部分は、青色発光、黄色発光を反射する性質を持つ部分であることを示している。
次に、半導体層110について説明する。半導体層110は、InGaAlPからなる発光層112を、InGaAlPからなるp型クラッド層111及び、InGaAlPからなるn型クラッド層113で挟んだ構造になっている。発光層112は、InGaAlPのIII属元素In、Ga、Alの組成比を調整し、黄色発光をするものとして構成される。発光層112の厚さは1nm〜10μmが望ましい。すなわち、発光層112を1nm〜数十nmの薄膜からなる単一量子井戸構造または多重量子井戸構造とすると黄色発光の発光効率が高くなって黄色発光の強度が増加し、また発光層112の厚さを数十nm〜10μmにすると青色発光の吸収効率が高くなって黄色発光の強度が増加する。この発光層112の両側の2つのクラッド層111及び113は、発光層112よりもバンドギャップが大きい。つまり、半導体層110はダブルへテロ構造になっている。このようにダブルへテロ構造とすることで、半導体発光チップ100からの青色発光により発生した電子、正孔を、発光層112内に有効に閉じこめることができ、黄色発光の発光効率が高くなって、黄色発光の強度が増加する。ここで、本実施形態のように、発光層112を挟むクラッド層をp型とn型にすることにより、発光層112の黄色発光の強度がさらに増加する。これは、本発明者の実験により得られた結果であり、その理由は、内部電界により吸収効率が増加するためであると解析される。また、ここで、クラッド層111及び113をアンドープにすることも可能である。このようにアンドープにした場合には、発光層112の結晶性が向上し、つまり発光層112の非発光センタが減少し、発光層112での黄色発光の強度が増加する。
この半導体層110は、図1に示すように、半導体発光チップのサファイア基板101の上側(第2の面側)の一部に接着されている。後述のように、半導体層110の面積は、サファイア基板の面積の1/3〜2/3とすることが望ましい。この半導体層110は、例えば、GaAs基板上にn型クラッド層113、発光層112、p型クラッド層111を順に形成した後、不活性ガス中で460℃から750℃で熱処理することによりサファイア基板101の上側にp型クラッド層111を接着し、基板であるGaAsをエッチング除去して、形成することができる。
以上説明した、半導体発光チップ100と半導体層110とでは、半導体発光チップ100の活性層104から青色発光が放射され、この青色発光の一部が半導体層110に入射し、この入射した青色発光により半導体層110の発光層112が励起され、発光層112から黄色発光が放射される。このようにして、活性層104からの青色発光と、発光層112からの黄色発光とで、白色発光を実現できる。
この白色発光を図2の色度図を用いてさらに詳しく説明する。図2は、国際照明委員会(CIE)が定めたxy色度図である。図1の半導体発光チップ100の活性層104のようなInGaAlN活性層の発光波長は、図2の左側に示すように、380nmから500nmにすることができる。また、半導体層110の発光層112のようなInGaAlp発光層の発光波長は、図2の右側に示すように、540nmから750nmにすることができる。ここで、例えば、InGaAlN活性層からの波長476nmの青色発光と、InGaAlP発光層からの波長578nmの黄色発光とを混色する場合は、図中の左下のblue領域の476の白丸と、図中の右上のyellow領域の578の白丸とを結んだ直線を考える。すると、この直線は、白色の領域whiteを通過することが分かる。このように、図2から、半導体発光チップ100からの青色発光と、半導体層110からの黄色発光との混色により白色発光が実現できることがわかる。
以上説明した、図1の半導体発光素子では、素子ごとの色調バラツキを少なくすることできる。これは、半導体層110の膜厚、組成、その他の特性、面積等が、蛍光体と異なり、素子ごとにほとんどばらつかないからである。すなわち、半導体層110は、半導体素子の製造に一般的に用いられている画一的な量産プロセスにより、膜厚、組成、その他の特性がほとんどばらつかないように再現性良く製造することができ、しかも、容易に同一面積に加工することができる。そして半導体層110の膜厚、組成、その他の特性、面積等が素子ごとに均一になることにより、半導体発光チップ100からの青色発光と、半導体層110からの黄色発光との比率が素子ごとにばらつかなくなり、素子ごとに色調がばらつかなくなる。
また、図1の半導体発光素子では、半導体層110の面積を変えることにより、色調の調整が容易にできる。これにより、例えば、何らかの原因で半導体層110の発光効率がずれたような場合でも、簡単に色調を調整することができる。
例えば、半導体層110の発光効率が低くなった場合には、半導体層110の面積を広くすれば良い。
また、必要に応じて白色発光の色調を変えたい場合も、上述のように半導体層110の面積を変えることにより、容易に行うことができる。例えば、表示用の素子として青色に近い色調の白色の素子が欲しい場合には、黄色発光する半導体層110の面積を減らせばよい。
さらに、図1の半導体発光素子では、従来の素子よりも発光輝度を向上させることができる。すなわち、図1の素子では、半導体層110を光取り出し面120の一部のみに形成したので、波長変換領域となる半導体層110を通過しない青色発光、すなわち半導体発光チップ100からの輝度の高い直接の青色発光を利用することができ、発光輝度を向上させることができる。そして、本発明者の実験によれば、半導体層110の面積をサファイア基板の面積の1/3〜2/3にすることで再現良く高輝度の白色発光素子が実現できる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点の1つは、図3から分かるように、素子を上下逆向きにし、光取り出し面220を、p型GaNコンタクト層側にした点である。
図3は、本発明の第2の実施の形態に係わる白色半導体発光素子を表す断面図である。第1の実施の形態(図1)と同様に、電流注入により活性層204から青色発光を放射する半導体発光チップ200と、この青色発光により励起されて発光層212から黄色発光を放射する半導体層210と、は白色半導体発光素子を構成している。この素子からの発光は、光取り出し面220から取り出される。
まず半導体発光チップ200について説明する。サファイア基板201の上側の面(第1の面)上には、GaNからなるバッファ層202、n型GaNからなるコンタクト層203、InGaNからなる活性層204、p型AlGaNからなるクラッド層205、p型GaNからなるコンタクト層206が順次形成されている。この活性層204には、n型コンタクト層203に形成されたTi/Alからなるn型電極207と、p型コンタクト層206上に形成された透明電極208上のNi/Alからなるp型電極208aと、から電流が注入される。ここで、図2の素子は光取り出し面220がp型GaN層206側であるため、透明電極208を用いている。透明電極208は金属薄膜または導電性酸化物からなり、活性層204からの青色発光、および、発光層212からの黄色発光に対して透光性を有している。
次に、半導体層210について説明する。半導体層210は、第1の実施の形態と同様に、InGaAlPからなる発光層212を、InGaAlPからなるp型クラッド層211及び、InGaAlPからなるn型クラッド層213で挟んだ構造になっている。そして、このn型クラッド層213の下側には、発光層212からの黄色発光を反射する反射膜214が形成されている。この反射膜はAl、Ag、Au、Cuからなる金属膜やその合金で、厚さを0.1μm〜10μmにすることができる。このようにすることで、発光層212から下側に放射された黄色発光を、反射膜214で反射して、光取り出し面220から取り出すことができる。このようにして構成された半導体層210は、半導体発光チップ200のサファイア基板201の下側の面(第2の面)の一部に接着される。
本実施形態のように、光取り出し面220をp型GaNコンタクト層206側にしても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態が第2の実施の形態(図3)と異なる点の1つは、図4から分かるように、半導体層310を、光取り出し面320の側の透明電極308上に形成した点である。
図4は、本発明の第3の実施の形態に係わる白色半導体発光素子を表す断面図である。第2の実施の形態(図3)と同様に、電流注入により活性層304から青色発光を放射する半導体発光チップ300と、この青色発光により励起されて発光層312から黄色発光を放射する半導体層310と、は白色半導体発光素子を構成している。この素子からの発光は、光取り出し面320から取り出される。
まず半導体発光チップ300について説明する。サファイア基板301の上側の面上には、GaNからなるバッファ層302、n型GaNからなるコンタクト層303、InGaNからなる活性層304、p型AlGaNからなるクラッド層305、p型GaNからなるコンタクト層306が順次形成されている。この活性層304には、第2の実施の形態と同様に、n型コンタクト層303上に形成されたTi/Alからなるn型電極307と、p型コンタクト層206上に形成された透明電極308上のNi/Alからなるp型電極208aと、から電流が注入される。ここで、図3の素子も、第2の実施の形態の素子(図2)と同様に、光取り出し面320がp型GaN層306側であるため、透明電極308を用いている。
また、上述の基板301の下側には、活性層304からの青色発光および発光層312からの黄色発光を反射する反射膜309が形成されている。この反射膜はAl、Ag、Au、Cuからなる金属膜やその合金で、厚さを0.1μm〜10μmにすることができる。このようにすることで、活性層304から下側に放射された青色発光、および発光層312から下側に放射された黄色発光を、反射膜309で反射して、上側の光取り出し面320から取り出すことができる。
次に、半導体層310について説明する。半導体層310は、第2の実施の形態と同様に、InGaAlPからなる発光層312を、InGaAlPからなるp型クラッド層311及び、InGaAlPからなるn型クラッド層313で挟んだ構造になっている。この半導体層310は、半導体発光チップ300の透明電極308上に接着されている。この接着の際には、第1の実施の形態と同様に、不活性ガス中で熱処理を行う。ただし、本発明者の実験によれば、この半導体層310の接着温度は、第1の実施の形態の素子の接着温度である460℃〜750℃と異なり、150℃〜450℃とすることができる。すなわち、本発明者の実験によれば、透明電極308上に半導体層310を接着する場合は、サファイア基板301に接着する場合に比べて低温で接着しても、高温で接着するのと同等の接着強度になることが判明している。
本実施形態の半導体発光素子のように、半導体層310を、光取り出し面320の側の透明電極308上に形成しても、第2の実施の形態および第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態の半導体発光素子では、透明電極308上に半導体層310を接着したので、透明電極308の反射を利用でき、発光層312からの黄色発光をさらに有効に取り出すことができる。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態が第1の実施の形態(図1)と異なる点は、図5から分かるように、n型GaN基板401を用いてn型電極407を基板401上に設け、さらに、半導体層410にローパスフィルター414を設けた点である。
図5は、本発明の第4の実施の形態に係わる白色半導体発光素子を表す断面図である。第1の実施の形態(図1)と同様に、電流注入により活性層404から青色発光を放射する半導体発光チップ400と、この青色発光により励起されて発光層412から黄色発光を放射する半導体層410と、は白色半導体発光素子を構成している。この素子からの発光は、光取り出し面420から取り出される。
まず半導体発光チップ400について説明する。n型GaN基板401の下側の面(第1の面)上には、n型AlGaNからなるバッファ層402、n型GaNからなるコンタクト層403、InGaNからなる活性層404、p型AlGaNからなるクラッド層405、p型GaNからなるコンタクト層406が順次形成されている。この活性層404には、n型GaN基板401に形成されたTi/Alからなるn型電極407と、p型コンタクト層406上に形成されたNi/Auからなるp型電極408と、から電流が注入される。このように、図2の素子では基板401に設けられたn型電極407からバッファ層402を介して活性層404に電流が注入されるので、バッファ層として、上述のように、n型AlGaNを用いている。
次に、半導体層410について説明する。半導体層410は、InGaAlPからなる発光層412を、InGaAlPからなるp型クラッド層411及び、InGaAlPからなるn型クラッド層413で挟んだ構造になっている。これに加え、図5の素子では、半導体層410に、ローパスフィルタ414が設けられている。このローパスフィルタ414は、図6に示すように、発光層412からの黄色発光に対する反射率が高く、活性層404からの青色発光に対する反射率が低くなっている。すなわち、ローパスフィルタ414は、発光層412からの黄色発光を反射し、活性層404からの青色発光を透過する性質を有する。半導体層410は、第1の実施の形態と同様に、半導体発光チップ400の基板401の上側(第2の面側)に接着されている。
本実施形態の素子のように、基板としてn型GaN基板401を用いると、第1の実施の形態の素子と同様の効果があるのに加え、さらに、活性層404を含む結晶成長層402〜406と基板401との格子不整合による歪みが少なくなり、信頼性が高い発光素子が実現できる。
また、本実施形態の素子のようにローパスフィルタ414を設けると、発光層412からの黄色発光を効率よく取り出すことができ、さらに輝度を上げることが出来る。
以上説明した第4の実施の形態では、基板としてn型GaN基板401を用いたが、n型SiC基板を用いることもできる。このn型SiC基板を用いると、放熱特性が良く、80℃を越える高温でも輝度の低下がない素子を実現できる。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態は、図7に示すように、活性層504の一部に、イオン注入領域509を設けたことを特徴の1つとする。
図7は、本発明の第5の実施の形態に係わる白色半導体発光素子を表す断面図である。サファイア基板501の下側の面上には、GaNからなるバッファ層502、n型GaNからなるコンタクト層503、InGaNからなる活性層504、p型AlGaNからなるクラッド層505、p型GaNからなるコンタクト層506が順次形成されている。
本実施形態の素子の特徴の1つは、イオン注入領域509が設けられて、活性層504の一部にイオンが注入された領域が形成されていることである。このイオン注入領域509のイオンは、活性層504で発光中心を形成し、青色発光を吸収して黄色発光を放射する。そして、図7の素子では、活性層504からの青色発光と、イオン注入領域509から黄色発光とで白色発光を実現している。この素子からの発光は、光取り出し面520から取り出される。
上述の活性層504には、n型コンタクト層503に形成されたn型電極507と、p型コンタクト506に形成されたp型電極508とから電流が注入される。ここで、p型電極508とn型電極507は、青色発光および黄色発光を反射する反射率の高い材料となるAu/Ni、Ti/Alが望ましい。このようにすることで、活性層504から下側に放射された青色発光、およびイオン注入領域509のイオンから下側に放射された黄色発光を、p電極508、n電極507で反射して、上側、すなわち光取り出し面520側から取り出すことができる。
図7の半導体発光素子では、素子ごとの色調バラツキを少なくすることできる。これは、イオン注入領域509のイオン濃度や注入領域が素子ごとにほとんどばらつかないからである。すなわち、イオン注入は、半導体素子の製造に一般的に用いられている画一的なプロセスにより高い再現性で行うことができるので、イオン注入領域509のイオン濃度や注入領域は素子ごとに均一になる。そして、これにより、活性層504からの青色発光と、イオン注入領域509から黄色発光との比率が素子ごとにばらつかなくなる。よって、素子ごとに色調がばらつかなくなる。
また、図7の素子では、何らかの原因で活性層504の発光効率が変化した場合でも、青色発光と黄色発光の比率は同じであるため、色調がずれない。例えば、活性層504からの発光効率が何らかの原因で低くなっても、青色発光と黄色発光が共に同じ割合で弱くなり、青色発光と黄色発光の比率は同じであるので、色調はずれない。このように、図7の素子では色調のばらつきを極めて少なくすることができる。
また、図7の半導体発光素子では、イオン注入領域509の面積を変えることにより、色調の調整が容易にできる。これにより、必要に応じて白色発光の色調を容易に変えることできる。例えば、表示用の素子として青色に近い色調の白色の素子が欲しい場合には、イオン注入領域509の面積を減らせばよい。
さらに、図7の半導体発光素子では、従来の素子よりも発光輝度を向上させることができる。すなわち、図7の素子では、半導体発光チップからの直接の発光を利用することができ、発光輝度を向上させることができる。
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態は、図8に示すように、黄色発光する蛍光体603を、反射板602の一部に形成したことを特徴の1つとする。
図8は、本発明の第6の実施の形態に係わる白色半導体発光素子を表す断面図である。青色発光を放射する半導体発光チップ601と、この半導体発光チップ601の青色発光を反射する反射板602と、反射板602の反射面の一部に塗布された青色発光を波長変換して黄色発光する蛍光体603と、は半導体発光素子を構成している。半導体発光チップ601と反射板602は、モールド樹脂604により一体に形成されている。ここで、半導体発光チップ601は、例えば、第2の実施の形態(図3)の半導体発光チップ200を用いることができる。
また、蛍光体603としては、例えば、YAG:Ceを用いることができる。この蛍光体603は、反射板602の反射面の一部に、薄く、広く塗布されている。
図8の素子では、半導体発光チップ601からの青色発光Bと、反射板602によって反射される青色発光B’と、蛍光体603からの黄色発光Yと、により白色発光を実現している。
図8の半導体発光素子では、素子ごとの色調バラツキを少なくすることできる。これは、以下の理由による。
まず、蛍光体603を塗布する蛍光体領域の面積は素子ごとにほとんどばらつかない。すなわち、反射板602の表面は平坦であるから、面積の調整が容易で、蛍光体領域の面積が素子ごとにほとんどばらつかない。
次に、蛍光体603を塗布する蛍光体領域の面積が同一で体積が変化した場合、つまり蛍光体領域の厚さが変化した場合でも、素子ごとの色調ばらつきが少ない。すなわち、蛍光体領域の蛍光体603で青色発光を黄色発光に変換する変換効率が高いのは半導体発光チップ600に近い部分の蛍光体、つまり蛍光体領域の表面付近の蛍光体603であって、蛍光体領域の厚さが変化しても、蛍光体領域の表面付近にある変換効率が高い蛍光体603の量は変わらず、変換効率が低い蛍光体603の量が変化するだけである。このように、蛍光体領域の厚さが変化しても、黄色発光の強度に大きく影響する変換効率が高い蛍光体603の量はほとんど変化しない。よって、蛍光体領域の厚さが変化しても、黄色発光の強度への影響は少なく、色調の変化が少ない。
このようにして、図8の半導体発光素子では、素子ごとの色調バラツキを少なくすることできる。
また、図8の半導体発光素子では、蛍光体603を塗布する蛍光体領域の面積を変えることにより、色調の調整が容易にできる。これにより、例えば、蛍光体603の変換効率が変化したような場合でも、簡単に色調を調整することができる。例えば、蛍光体603の変換効率が低くなった場合には、蛍光体領域の面積を広くすれば良い。
また、図8の半導体発光素子では、蛍光体603を塗布する蛍光体領域の面積を変えることにより、色調の調整が容易にできる。これにより、必要に応じて白色発光の色調を容易に変えることできる。例えば、表示用の素子として青色に近い色調の白色の素子が欲しい場合には、蛍光体領域の面積を減らせばよい。
また、図8の半導体発光素子では、反射板に蛍光体を塗布したので、視野角の調整が容易にできる。
さらに、図8の半導体発光素子では、従来の素子よりも発光輝度を向上させることができる。すなわち、図8の素子では、半導体発光チップからの直接の発光を利用することができ、さらに、蛍光体を薄く広く塗布することによって蛍光体603の変換効率を高くすることができるので、発光輝度を向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態の半導体発光素子の構造を示す図。 本発明の第1の実施の形態の半導体発光素子の色度を説明するための色度図で、国際照明委員会(CIE)が定めたxy色度図。 本発明の第2の実施の形態の半導体発光素子の構造を示す図。 本発明の第3の実施の形態の半導体発光素子の構造を示す図。 本発明の第4の実施の形態の半導体発光素子の構造を示す図。 本発明の第4の実施の形態の半導体発光素子のローパスフィルターの特性を示す図。 本発明の第5の実施の形態の半導体発光素子の構造を示す図。 本発明の第6の実施の形態の半導体発光素子の構造を示す図。
符号の説明
100、200、300、400、600 半導体発光チップ
110、210、310、410 半導体層
101、201、301、501 サファイア基板
401 GaN基板
102、202、302、502 GaNバッファ層
402 n型AlGaNバッファ層
103、203、303、403、503 n型GaNコンタクト層
104 InGaAlN活性層
204、304、404、504 InGaN活性層
105、205、305、405、505 p型AlGaNクラッド層
106、206、306、406、506 p型GaNコンタクト層
602 反射板
603 蛍光体

Claims (3)

  1. 電流注入により第1の波長の光を放射する活性層を含む半導体発光チップと、
    前記半導体発光チップの基板の表面に接着され、前記第1の波長の光により励起されて第2の波長の光を放射する発光層と、
    を備え、
    前記発光層が前記基板の表面の1/3〜2/3の面積に複数に分かれて形成され、且つ、前記発光層が、前記発光層のバンドギャップよりもバンドギャップの大きなp型とn型の一対のクラッド層に、挟まれている、
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記半導体発光チップが、前記基板と、前記基板上に形成されたバッファ層と、前記バッファ層上に形成されたn型GaN系半導体層と、前記n型GaN系半導体層上に形成された前記活性層と、前記活性層上に形成されたp型GaN系半導体層と、を少なくとも備えていることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記半導体発光チップが、前記基板としての、互いに向き合う第1および第2の面を有する、サファイア基板と、前記サファイア基板の前記第1の面上に形成されたGaNバッファ層と、前記GaNバッファ層上に形成されたn型GaNコンタクト層と、前記活性層としての、前記n型GaNコンタクト層上に形成された、InGaAlN活性層と、前記InGaAlN活性層上に形成されたp型AlGaNクラッド層と、前記p型AlGaNクラッド層上に形成されたp型GaNコンタクト層と、を少なくとも備え、前記第2の面側から光を取り出すものとして構成されており、
    前記発光層が、前記サファイア基板の前記第2の面の一部に接着されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
JP2007196158A 2007-07-27 2007-07-27 半導体発光装置 Expired - Fee Related JP4110198B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007196158A JP4110198B2 (ja) 2007-07-27 2007-07-27 半導体発光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007196158A JP4110198B2 (ja) 2007-07-27 2007-07-27 半導体発光装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000396957A Division JP4008656B2 (ja) 2000-03-10 2000-12-27 半導体発光装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007281529A JP2007281529A (ja) 2007-10-25
JP4110198B2 true JP4110198B2 (ja) 2008-07-02

Family

ID=38682585

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007196158A Expired - Fee Related JP4110198B2 (ja) 2007-07-27 2007-07-27 半導体発光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4110198B2 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09298313A (ja) * 1996-04-30 1997-11-18 Rohm Co Ltd 半導体発光素子およびその製法
JPH10242531A (ja) * 1997-02-26 1998-09-11 Sanken Electric Co Ltd 面板発光装置
JPH10270799A (ja) * 1997-03-21 1998-10-09 Sanyo Electric Co Ltd 発光素子
JPH11261105A (ja) * 1998-03-11 1999-09-24 Toshiba Corp 半導体発光素子
JP3559446B2 (ja) * 1998-03-23 2004-09-02 株式会社東芝 半導体発光素子および半導体発光装置
JP3624699B2 (ja) * 1998-07-03 2005-03-02 スタンレー電気株式会社 反射型ledランプ
JP2000031530A (ja) * 1998-07-14 2000-01-28 Toshiba Electronic Engineering Corp 半導体発光装置およびその製造方法
US6218383B1 (en) * 1998-08-07 2001-04-17 Targacept, Inc. Pharmaceutical compositions for the prevention and treatment of central nervous system disorders
JP3950254B2 (ja) * 1999-03-10 2007-07-25 住友電気工業株式会社 発光装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007281529A (ja) 2007-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10734559B2 (en) Light-emitting diode (LED), LED package and apparatus including the same
JP5634003B2 (ja) 発光装置
US7141445B2 (en) Semiconductor light emitting device and method for manufacturing same
JP4663513B2 (ja) 白色発光素子及びその製造方法
JP3934590B2 (ja) 白色発光素子及びその製造方法
US7592633B2 (en) Semiconductor light emitting device
JP2008141118A (ja) 半導体白色発光装置
JP2008243904A (ja) 半導体発光素子およびその製造方法ならびに発光装置
JP2016092411A (ja) 発光素子
JP2002176198A (ja) 多波長発光素子
JP4008656B2 (ja) 半導体発光装置
WO2010050501A1 (ja) 半導体発光素子およびその製造方法、発光装置
US20040090779A1 (en) Light mixing led and manufacturing method thereof
JP4770058B2 (ja) 発光素子及び装置
EP4141971A1 (en) Single-chip multi band light-emitting diode and applications thereof
KR100670929B1 (ko) 플립칩 구조의 발광 소자 및 이의 제조 방법
JP5983068B2 (ja) 半導体発光素子及び発光装置
JP2010251481A (ja) 発光装置
KR20110117415A (ko) 반도체 발광소자, 반도체 발광소자 패키지 및 반도체 발광소자의 제조방법
CN102130242A (zh) 单色led芯片及其形成方法
KR101659359B1 (ko) 발광 소자
JP4110198B2 (ja) 半導体発光装置
KR101504155B1 (ko) 질화물 반도체 발광소자
KR20200066590A (ko) 반도체 발광 소자
US8536585B2 (en) Semiconductor light emitting device including anode and cathode having the same metal structure

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070727

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080407

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110411

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110411

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130411

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140411

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees