JP5983068B2 - 半導体発光素子及び発光装置 - Google Patents

半導体発光素子及び発光装置 Download PDF

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Description

本発明は、電極の表面に誘電体多層膜からなる反射層を設けた半導体発光素子及びこれを用いた発光装置に関する。
近年、発光ダイオードなどの半導体発光素子が、ディスプレイ、照明、OA機器などの光源として広く用いられている。半導体発光素子は、保護膜として絶縁性の透明薄膜が全面に形成される。また、保護膜としては、SiO(二酸化ケイ素)が一般的に用いられている。一方、SiOと、パッド電極のワイヤ接合層に用いられるAu(金)とは密着性が非常に悪いことが知られている。このため、AuとSiOとの間に密着性を向上するための密着層としてNi(ニッケル)が用いられる。ここで、NiはAuに拡散しやすいため、AuとNiとの間にNiの拡散を抑制する層として、W(タングステン)が用いられる。
また、パッド電極から供給される電流を半導体層へ良好に拡散させるために、パッド電極をワイヤ接合に必要な面積以上に設けたり、ワイヤ接合部から更に半導体層の全域に延長した補助電極を設けたりすることがある。
また、半導体として窒化物系化合物を用いた半導体発光素子は、組成に応じて近紫外から可視光域にかけての広い波長範囲での発光が可能である。そして、例えば、青色光を発光する半導体発光素子と、青色光を吸収して黄色、緑色、赤色などの他の波長の光に変換する蛍光体などの波長変換部材とを組み合わせて、白色などの光を出力する発光装置が知られている。
このような発光装置では、半導体発光素子が発光した光を、半導体発光素子の光取り出し面側に設けられた波長変換部材に吸収させて、波長変換部材によって異なる波長の光に変換した光を出力する。このとき、波長変換部材が発光する光の一部が、戻り光として光取り出し面と反対側である半導体発光素子の方向にも放射される。ここで、半導体発光素子のパッド電極が設けられた面を光取り出し面とするフェースアップ実装をした場合は、半導体発光素子の方向に放射され、パッド電極などの電極に照射された戻り光の一部が電極によって吸収されるため、発光装置としての発光効率が低下することとなる。また、半導体発光素子が発光する光と、蛍光体などの波長変換部材で波長変換される光とを混色して出力する発光装置においては、混色の割合が変化して、発光装置としての出力光の色味が変ってしまうこととなる。
ここで、前記したNiの拡散抑制層として用いられるWは、可視光域での反射率が低く、波長変換部材に、例えば、黄色に発光するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系の蛍光体を用いた場合は、特にWによる吸収の影響が大きくなる。
そこで、特許文献1には、戻り光の電極による吸収を低減して光取り出し効率の向上を図るために、半導体発光素子の電極の最表面層として、高反射率のAg,Al,Rhなどの金属からなる反射層を設ける発光装置が提案されている。
特開2008−210900号公報
しかしながら、特許文献1に記載された半導体発光素子は、電極の最表面層に設ける反射層として、Ag、Al、Rhなどの金属を用いるため、電極による光の吸収が、まだ少なからずあり、更なる光取り出し効率の向上が望まれていた。
そこで、本発明は、電極による戻り光の吸収を低減し、光取り出し効率を向上する半導体発光素子及びそれを用いた発光装置を提供することを課題とする。
本発明は、前記した課題を解決するために創案されたものであり、第1の発明に係る半導体発光素子は、半導体積層体と、前記半導体積層体上の光取り出し面側に設けられるパッド電極と、前記半導体積層体上及び前記パッド電極上を被覆する保護層と、前記パッド電極と前記保護層との間に、DBR(Distributed Bragg Reflector:分布ブラッグ反射鏡)膜と、を有し、前記保護層の屈折率は、前記DBR膜の最上層と異なる屈折率であり、前記保護層の前記DBR膜の上面と接する領域の膜厚が、3・λ/4n (但し、λは所定の波長、n は保護層の屈折率)であるように構成した。
かかる構成によれば、半導体発光素子は、光取り出し面側に、パッド電極と接続される配線用ワイヤや、蛍光体などの波長変換部材を備えた場合に、これらの部材による反射、散乱又は放射などにより光取り出し面側に向かって戻ってくるように進行する光である戻り光を、DBR膜で光取り出し面方向に反射する。これによって、戻り光は例えば、金属からなるパッド電極に到達することなく反射される。
また、保護層の上面が接する媒体の屈折率が保護層の屈折率よりも高い場合は、保護層の上面に臨界角以上の入射角で入射する所定の波長の戻り光を良好に全反射すると共に、保護層がDBR膜の一層として機能して、保護層の上面にほぼ垂直に入射する所定の波長の戻り光を反射する。
第2の発明に係る半導体発光素子は、半導体積層体と、前記半導体積層体上の光取り出し面側に設けられるパッド電極と、前記半導体積層体上及び前記パッド電極上を被覆する保護層と、前記パッド電極と前記保護層との間に、DBR膜と、を有し、前記保護層の屈折率は、前記DBR膜の最上層とほぼ同じ屈折率であり、前記保護層の前記DBR膜の上面と接する領域及び前記DBR膜の最上層の合計膜厚が、3・λ/4n (但し、λは所定の波長、n は保護層の屈折率)であるように構成した。
かかる構成によれば、半導体発光素子は、光取り出し面側に、パッド電極と接続される配線用ワイヤや、蛍光体などの波長変換部材を備えた場合に、これらの部材による反射、散乱又は放射などにより光取り出し面側に向かって戻ってくるように進行する光である戻り光を、DBR膜で光取り出し面方向に反射する。これによって、戻り光は例えば、金属からなるパッド電極に到達することなく反射される。
なお、保護層及びDBR膜の最上層を合わせた膜が、DBR膜の一層として機能すると共に、保護層の上面が接する媒体の屈折率が保護層の屈折率よりも高い場合は、保護層の上面に臨界角以上の入射角で入射する所定の波長の戻り光を良好に全反射する。
の発明に係る半導体発光素子において、前記DBR膜における各層の膜厚は、λ/4n(但し、λは所定の波長、nは各層の誘電体の屈折率)であることが好ましい
の発明に係る半導体発光素子において、前記保護層は、前記反射層の上面と接する領域の膜厚よりも、それ以外の領域の膜厚の方が薄いことが好ましい。
かかる構成によれば、保護層は、DBR膜の上面と接する領域では膜厚が厚く、戻り光を全反射するための反射膜として効果的に機能する。また、保護層は、それ以外の領域では膜厚が薄く、半導体発光素子が発光する光を、保護層による吸収を抑制しつつ透過させる。
の発明に係る半導体発光素子において、前記保護層はSiOからなり、前記DBR膜は、前記保護層側から順にNbからなる誘電体膜と、SiOからなる誘電体膜とが交互に積層された複数組の誘電体膜から構成されていることが好ましい。
かかる構成によれば、保護層は、可視光域の光吸収を抑制した保護膜として機能する。更に、膜厚の厚い領域では反射膜として機能する。また、DBR膜は、可視光域の光の吸収による損失の少ない反射膜として機能する。
の発明に係る発光装置は、前記半導体発光素子と、前記保護層に接して前記半導体発光素子を被覆する封止部材と、を有し、前記封止部材の屈折率が、前記保護層の屈折率よりも高いように構成した。
かかる構成によれば、半導体発光素子が発光した光において、保護層と封止部材との界面に臨界角以上の入射角で入射した戻り光は、全反射される。
の発明に係る発光装置において、前記封止部材は、前記半導体発光素子が発光する波長の光を吸収し、当該波長と異なる波長の光を発光する波長変換部材を含有するように構成することができる。
かかる構成によれば、封止部材に含有される波長変換部材は、半導体発光素子から放射された光の一部又は全部を吸収し、異なる波長の光を出射する。そして、発光装置は、波長変換部材が出射した光、又は波長変換部材が出射した光と半導体発光素子が出射した光の一部とを混色した光、を出力する。ここで、波長変換部材は、半導体発光素子から放射された光を波長変換した光の一部を、戻り光として半導体発光素子側に出射する。このとき、発光装置は、半導体発光素子のパッド電極上に形成された保護層及びDBR膜によって、効率的に戻り光を反射して、発光装置の外部に取り出す。
第1の発明又は第2の発明によれば、戻り光のパッド電極による吸収を抑制して、パッド電極上に設けられたDBR膜で戻り光を効率的に反射するため、光取り出し効率を向上することができる。また、保護層の上面に臨界角以上で入射する戻り光を、全反射により反射するため、光取り出し効率を更に向上することができる。
の発明によれば、DBR膜は、波長λの戻り光を効率的に反射するため、光取り出し効率を向上することができる。
の発明によれば、保護層は、DBR膜の上面と接する領域では、戻り光を反射するための層として効果的に機能し、それ以外の領域では、半導体発光素子が発光する光を、保護層による吸収を抑制しつつ透過させるため、光取り出し効率を向上することができる。
の発明によれば、可視光の吸収の少ない材料を用いて保護層及びDBR膜を形成するため、可視光域の光を出力する半導体発光素子の光取り出し効率をより向上することができる。
の発明によれば、保護層により戻り光を全反射することができるため、光取り出し効率の高い発光装置とすることができる。
の発明によれば、波長変換部材を用いた発光装置において、多量に発生する戻り光を効率的に反射することができるため、このような構成の発光装置において、効果的に光取り出し効率を向上することができる。
第1実施形態に係る半導体発光素子を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線における断面図である。 第1実施形態に係る半導体発光素子の模式図であり、図1(b)の領域Bの拡大断面図である。 第1実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態に係る半導体発光素子の製造工程の一部を説明するための模式的断面図であり、(a)は半導体積層体を形成した様子、(b)はn型半導体層を露出させた様子、(c)は全面電極を形成した様子、(d)はパッド電極を形成した様子、をそれぞれ示す。 第1実施形態に係る半導体発光素子の製造工程の一部を説明するための模式的断面図であり、(a)は反射層を形成した様子、(b)は保護層を形成した様子、(c)は接合部を露出させた様子、をそれぞれ示す。 第2実施形態に係る発光装置を示す模式的断面図である。 実施例に係る半導体発光素子の電極部の分光反射特性を示すグラフである。 実施例に係る発光装置の分光発光特性を示すグラフである。
以下、本発明における半導体発光素子及びこの半導体発光素子を用いた発光装置について説明する。なお、以下に説明する本発明の各実施形態に係る半導体発光素子は、LED(発光ダイオード)である。
<第1実施形態>
[半導体発光素子の構成]
本発明の第1実施形態に係る半導体発光素子の構造を、図1を参照して説明する。
なお、図1(a)に示した平面図においては、後記する保護層8の図示を省略している。また、図1(a)に示す平面図と、図1(b)に示す断面図とは、各部の位置が厳密には対応していない箇所がある。
図1に示すように、第1実施形態に係る半導体発光素子1は、基板2の表面に、n型半導体層31とp型半導体層33を積層した半導体積層体3を備えている。半導体積層体3は、電流を通電することにより発光するようになっており、図1(b)に示すように、n型半導体層31とp型半導体層33との間に発光層32を備えることが好ましい。
半導体積層体3には、p型半導体層33及び発光層32が部分的に存在しない領域、すなわちp型半導体層33の表面から窪んだ領域(この領域を「段差部3a」と称する)が形成されている。段差部3aの底面はn型半導体層31の露出面であり、段差部3aには、n側電極4が形成されている。また、p型半導体層33の上面には、全面電極5が設けられ、全面電極5の上面の一部にp側電極6が形成されている。
n側電極4及びp側電極6は、ワイヤボンディング等により実装基板の配線用電極と接合するためのパッド電極であり、その接合面として、n側電極4の上面及びp側電極6の上面の一部が露出した接合部4a及び接合部6aが設けられている。また、p側電極6は、全面電極5を介してp型半導体層33への電流の拡散効率を向上するための延長部6bを有している。n側電極4も同様に、n型半導体層31への電流の拡散効率を向上するための延長部4bを有している。また、n側電極4及びp側電極6の上面には、接合部4a及び接合部6aを除き、誘電体多層膜からなる反射層7が設けられている。更に、接合部4a及び接合部6aを除き、半導体発光素子1の上面は、保護層8で被覆されている。
(基板)
基板2は、半導体積層体3をエピタキシャル成長させることができる基板材料で形成されればよく、大きさや厚さ等は特に限定されない。例えば、半導体積層体3をGaN(窒化ガリウム)などの窒化物半導体を用いて形成する場合には、基板材料としては、C面、R面、A面の何れかを主面とするサファイアやスピネル(MgAl24)のような絶縁性基板、また炭化ケイ素(SiC)、シリコン、ZnS、ZnO、Si、GaAs、ダイヤモンド、および窒化物半導体と格子接合するニオブ酸リチウム、ガリウム酸ネオジウム等の酸化物基板が挙げられる。
また、基板2が、絶縁性基板の場合は、最終的に取り除いてもよいし、取り除かなくてもよい。絶縁性基板を最終的に取り除かない場合は、図1に示した本実施形態のように、n側電極4及びp側電極6は、何れも半導体積層体3上の同一面側に形成することが好ましい。また、半導体発光素子1は、光取り出し面を、表面側である半導体積層体3側とするフェースアップ実装型のLEDである。
なお、半導体発光素子1内を下方向に伝搬する光を、光取り出し面である上方向に反射させるために、基板2の裏面側に、金属膜や誘電体多層膜などからなる反射層を設けることが好ましい。
(半導体積層体)
半導体積層体3は、前記したように、発光層32を含むn型半導体層31とp型半導体層33とが積層された積層体のことである。本実施形態においては、半導体積層体3は、表面の一部において、表面からp型半導体層33及び発光層32のすべてと、n型半導体層31の一部とが除去された段差部3aが設けられている。そして、段差部3aの底面には、n型半導体層31に電気的に接続されたn側電極4が設けられている。また、段差部3a以外の半導体積層体3の上面であるp型半導体層33の上面には、p型半導体層33のほぼ全面と電気的に接続された全面電極5と、全面電極5の上面の一部の領域に設けられたp側電極6と、を積層してなる電極が設けられている。
半導体積層体3は、GaN、GaAs、InGaN、AlInGaP、GaP、SiC、ZnOのように、半導体発光素子に適した材料を用いることができる。特に、光取り出し面側に、蛍光体などの波長変換部材を設け、半導体発光素子1から放射される色と異なる色の光に変換して出力する発光装置に用いる場合には、発光波長の短い青色や紫色に発光する半導体積層体3が好適である。
(n型半導体層(第1半導体層)、発光層、p型半導体層(第2半導体層))
n型半導体層31、発光層32及びp型半導体層33は、InAlGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等のGaN系化合物半導体が好適に用いられる。また、これらの半導体層は、それぞれ単層構造でもよいが、組成及び膜厚等の異なる層の積層構造、超格子構造等であってもよい。特に、発光層32は、量子効果が生ずる薄膜を積層した単一量子井戸又は多重量子井戸構造であることが好ましい。
また、通常、このような半導体層は、MIS接合、PIN接合又はPN接合を有したホモ構造、ヘテロ構造又はダブルへテロ構造等として構成されてもよい。GaN系化合物半導体層は、例えば、MOCVD法(有機金属気相成長法)、HVPE法(ハイドライド気相成長法)、MBE法(分子線エピタキシャル成長法)等の公知の技術により形成することができる。また、半導体層の膜厚は特に限定されるものではなく、種々の膜厚のものを適用することができる。
なお、半導体層の積層構造としては、例えば、AlGaNよりなるバッファ層、アンドープGaN層、Siドープn型GaNよりなるn側コンタクト層、GaN層とInGaN層とを交互に積層させた超格子層、GaN層とInGaN層とを交互に積層させた多重量子井戸構造の発光層、MgドープAlGaN層とMgドープInGaN層とを交互に積層させた超格子層、MgドープGaNよりなるp側コンタクト層、等が挙げられる。また、半導体層の積層順は、p型半導体層を下側にしてもよい。
(全面電極)
全面電極5は、p型半導体層33の上面のほぼ全面を覆うように設けられる。全面電極5は、上面の一部に設けられたp側電極6を介して供給される電流を、p型半導体層33の全面に均一に拡散するための透光性を有する導体層である。
ここで、透光性を有するとは、半導体発光素子1が発光する波長の光を良好に透過することをいう。
また、全面電極5の上面の一部には、p側電極6が設けられており、その他の上面は保護層8により被覆されている。
全面電極5は、p型半導体層33と電気的に良好に接続できるオーミック電極であることが好ましい。全面電極5としては、導電性金属酸化物や、Au/Niを積層した金属薄膜等から形成される。特に、良好な透光性を有する電極として導電性金属酸化物を用いるのが好ましい。
導電性金属酸化物としては、Zn(亜鉛)、In(インジウム)、Sn(スズ)、Ga(ガリウム)及びTi(チタン)からなる群から選択された少なくとも1種の元素を含む酸化物が挙げられる。具体的には、ZnO、AZO(AlドープZnO)、IZO(InドープZnO)、GZO(GaドープZnO)、In23、ITO(SnドープIn23)、IFO(FドープIn23)、SnO2、ATO(SbドープSnO2)、FTO(FドープSnO2)、CTO(CdドープSnO2)、TiOなどの導電性金属酸化物がある。
なかでも、ITOは、可視光域において高い透光性を有し、導電率の高い材料であることから、全面電極5の材料として好適である。また、全面電極5としてITOを用いる場合は、膜厚を10〜500nmとすることが好ましく、50〜200nmとすることが更に好ましい。
(n側電極(電極)、p側電極(電極))
n側電極4は、n型半導体層31が露出した半導体積層体3の段差部3aの底面に設けられている。また、p側電極6は、全面電極5の上面の一部に設けられている。n側電極4はn型半導体層31に、p側電極6は全面電極5を介してp型半導体層33に、それぞれ電気的に接続して、半導体発光素子1に外部から電流を供給するためのパッド電極である。そのために、n側電極4及びp側電極6は、ワイヤボンディングや共晶接合等により外部の電極と接合する領域として、反射層7及び保護層8から露出した接合部4a及び接合部6aを有している。なお、全面電極5は、接合部6a以外の上面は、保護層8により被覆されている。
また、本実施形態におけるp側電極6は、全面電極5上で、接合部6aから離れた領域まで延長した延長部6bを有している。延長部6bは、全面電極5より電気抵抗の低い材料で構成されるp側電極6を延長することで、電流の拡散効率を向上するためのものである。本実施形態では、n側電極4についても、電流拡散効率を向上するための延長部4bを有している。
なお、本実施形態では、n側電極4は、直接にn型半導体層31と接続するように構成されているが、これに限定されるものではない。p側の電極構造と同様に、段差部3aの底面のほぼ全域を覆う全面電極を形成し、その全面電極の上面にn側電極4を設けるようにしてもよい。
n側電極4及びp側電極6は、Ag、Al、Ni、Rh、Au、Cu、Ti、Pt、Pd、Mo、Cr、Wなどの単体金属及びそれらの合金などの金属材料から形成することができる。電極の構成は、これらの金属材料を単層で、又は積層したものが利用できる。
p側電極6を積層構造とする場合の具体例を図2を参照して説明する。図2に示すように、p側電極6は、下側(全面電極5側)から順に、例えば、Ti/Rh/W/Au/W/Niとすることができる。特に、p側電極6の上面には誘電体多層膜からなる反射層7が積層されるため、外部配線と接合するワイヤの接合層として、電気良導体であるAuを用いる場合は、Au層64の上面にW層65とNi層66とを順次積層することが好ましい。最上層のNi層66は、接合層であるAu64と誘電体との密着性の低さを改善するための密着層であり、W層65は、NiのAuへの拡散を抑制するバリア層である。
このような機能を確保するために、Ni層66の厚さは、1〜50nm程度とすることが好ましく、W層65の厚さは、10〜100nm程度とすることが好ましい。また、良好な接合ができるように、Au層64は、100〜1000nm程度とすることが好ましい。
また、p側電極6の下層側の構成としては、全面電極5としてITOを用いる場合は、最下層に、全面電極5との密着性を向上するためにTi層61を設けることが好ましい。また、Au層64より下層側に、Auよりも可視光の反射率が高いRh層62を設けることが好ましい。また、Au層64とこれらの層との間に、これらの金属の拡散を抑制するためのW層63を設けることが好ましい。
このような機能を確保するために、下層側のTi層61の厚さは、0.5〜5nm程度とすることが好ましく、Rh層62の厚さは、30〜200nm程度とすることが好ましく、W層63の厚さは、10〜100nm程度とすることが好ましい。
なお、p側電極6の下層側の反射層として、Rhの他に、Ag,Alなどを用いることもできる。
また、n側電極4(図1参照)についても、p側電極6と同様に、接合層としてAu層を用いる場合は、Au層上にW層及びNi層を積層することが好ましい。これによって、n側電極4の上面に設けられる誘電体多層膜からなる反射層7との密着性を向上することができる。 なお、n側電極4及びp側電極6を、同じ積層構造とすることで、n側電極4及びp側電極6を同じ製造工程で形成することができるため好ましい。
(反射層)
図1に戻って、反射層7は、誘電体多層膜からなるDBR(Distributed Bragg Reflector)であり、上方向から入射される戻り光を上方向に反射する。反射層7は、n側電極4の接合部4a及びp側電極6の接合部6aを除き、n側電極4及びp側電極6の上面に設けられている。すなわち、反射層7は、金属からなるn側電極4及びp側電極6による戻り光の吸収を低減するものである。また、反射層7の上面は、保護層8で被覆されている。
DBRでは、互いに屈折率の異なる2種以上の誘電体層を交互に積層することで、所定の波長を中心とする波長域の光を高効率に反射することができる。すなわち、反射させるべき光である戻り光の真空中における波長をλとし、各誘電体層の屈折率をn(但し、iは誘電体材料の種類を示す)としたときに、その誘電体層の厚さをλ/(4n)とすることで、波長λを中心とした波長域の光を高効率に反射させることができる。また、中心波長に対する反射率と、高い反射率で反射させることができる波長域は、交互に積層される誘電体層の組の繰り返し回数によって定められる。
なお、中心波長λは、反射させるべき戻り光に含まれる波長成分が複数ある場合は、成分の多い波長とすることが好ましい。
図7は、2種の誘電体層を交互に積層した組(ペア)の繰り返し回数を1〜7回として反射層7を形成したときの、分光反射特性の測定結果を示したものである。なお、図7において、「Ref」は、反射層7を設けない金属電極による反射特性を示している。
図7に示すように、誘電体層のペア数が増加するほど、中心波長(約560nm)における反射率が向上することが分かる。また、好ましくは、3ペア以上とすることで、中心波長を挟んだ広い波長域で90%以上の反射率を得ることができる。
図1に戻って、誘電体材料としては、Si、Ti、Zr、Nb、Ta、Alからなる群より選択された少なくとも一種の酸化物又は窒化物を好適に用いることができる。反射層7は、これらの材料から、互いに屈折率の異なる2種以上の材料を組み合わせて構成することができる。例えば、2種の材料を組み合わせる場合の例としては、低屈折率材料としてSiOを、また、高屈折率材料としてNb、TiO、ZrO、Ta等を挙げることができる。
誘電体多層膜は、透光性の材料を組み合わせた反射膜であるため、材料自体による光の吸収が極めて少ない。このため、反射層7として誘電体多層膜を用いることにより、反射層として金属材料を用いた場合と比較して、反射層7での光の吸収による損失を低減することができる。また、例えば、AgやAlのように、金属材料のマイグレーションにより絶縁性が損なわれる恐れがないため、信頼性の高い半導体発光素子1とすることができる。
図2を参照して、反射層7の具体例について説明する。図2に示した例では、反射層7は、屈折率の異なる2種の誘電体層71及び誘電体層72を交互に3ペア(3組)積層させた多層構造を有している。誘電体材料の組合せとしては、前記したように、例えば、誘電体層71としてSiOを用い、誘電体層72としてNbを用いることができる。
なお、SiO及びNbは、可視光域での透光性が高く、両者の屈折率の差が大きいため、好適なDBRを構成することができる。
(保護層)
図1に戻って、保護層8は、n側電極4の接合部4a及びp側電極6の接合部6aを除き、半導体発光素子1の表面全体を被覆している。保護層8は、半導体発光素子1の表面を被覆する絶縁性の被膜であり、半導体発光素子1の保護膜及び帯電防止膜として機能する。また、本実施形態における保護層8は、n側電極4及びp側電極6上である反射層7上における膜厚よりも、その他の領域における膜厚の方が薄く形成されている。
なお、保護層8は、光取り出し面側を被覆するため、半導体発光素子1が発光する波長の光に対して、良好な透光性を有することが好ましい。保護層8としては、前記した反射層7に用いる誘電体材料と同様の材料を用いることができる。
また、戻り光の真空中における波長をλとし、保護層8の屈折率をnとすると、反射層7上に設けられる保護層8の厚さは、λ/(4n)より厚くすることが好ましい。また、反射層7上に設けられる保護層8の厚さを、λ・(2m+1)/(4n)とすることがより好ましく(但し、mは1以上の整数である)、λ・3/(4n)とすることが更に好ましい。
保護層8の外側を、保護層8よりも屈折率の高い封止部材で被覆する場合は、上方向から臨界角以上の入射角で入射される戻り光を、全反射させる反射膜として機能する。全反射の際は、高屈折率層である封止部材側から入射した光は、低屈折率層である保護層8側にエバネッセント光として染み出し、低屈折率層との相互作用により全反射される。このとき保護層8の厚さをλ/(4n)より厚くすることで、全反射膜として有効に機能させることができる。
また、反射層7上に設けられる保護層8の厚さをλ・(2m+1)/(4n)とすることで、保護層8の上面に垂直(入射角0°)に入射される戻り光を、反射層7の最上層である誘電体層72との界面で反射させることができる。すなわち、反射層7上に連続して積層された保護層8が、誘電体多層膜からなるDBRの一層として機能することとなる。
このとき、m=1、すなわち、保護層8の厚さをλ・3/(4n)とすることで、最低限の厚さで、保護層8と反射層7の最上層の誘電体層との界面で垂直に入射した戻り光を反射すると共に、保護層8の外側を保護層8よりも屈折率の高い封止部材で被覆した場合には、臨界角以上で入射した戻り光を全反射させることができる。このため、保護層8を形成するための材料を少なくでき、また、保護層8による戻り光の吸収を最小に抑えることができる。
なお、保護層8と反射層7の最上層となる誘電体層とが同じ材料又は材料が異なる場合であっても屈折率がほぼ同じ場合は、λ/(4n)以上とする厚さ、及びλ・(2m+1)/(4n)とする厚さは、保護層8と反射層7の最上層となる誘電体層とを加えた層の厚さとする。また、この場合、保護層8に垂直方向に入射した戻り光が反射する界面は、保護層8と、屈折率が異なる最上に設けられた誘電体層との界面である。
また、反射層7の上面以外の領域における保護層8の膜厚は、保護膜及び帯電防止膜としての機能が得られる範囲で薄くすることが好ましい。これによって、発光層32から放射される光の吸収を抑制して、外部への光取り出しの効率を向上することができる。
例えば、保護層8としてSiOを用い、発光層32が青色光を発光する場合は、100〜1000nm程度とすることが好ましく、更に好ましくは100〜300nm程度である。
また、保護層8に接して樹脂などの封止部材で被覆する場合は、封止部材の屈折率が保護層8の屈折率よりも高くすることが好ましい。封止部材の屈折率が、保護層8の屈折率よりも高いと、上方向から保護層8に入射する戻り光の内で、保護層8と封止部材との界面で臨界角以上の入射角で入射するする光を全反射することができる。これによって、半導体発光素子1からの光取り出し効率を向上させることができる。
[半導体発光素子の動作]
次に、図1及び図2を参照して、第1実施形態に係る半導体発光素子1の動作について説明する。なお、ここでは、半導体発光素子1は、n側電極4及びp側電極6が、光取り出し面である基板2の表面側に設けられ、基板2の裏面に反射層が設けられたフェースアップ実装型のLEDとする。
半導体発光素子1は、n側電極4及びp側電極6に接合されたワイヤボンディングなどの配線(不図示)を介して電流が供給されると、発光層32が発光する。発光層32が発光した光は、半導体積層体3及び基板2内を伝搬し、半導体積層体3の表面側から透光性の全面電極5及び保護層8を透過して外部に取り出される。
また半導体積層体3内を表面側に伝搬し、n側電極4又はp側電極6の裏面に到達した光は、n側電極4又はp側電極6の裏面で反射され、下方向に伝播する。また、半導体発光素子1内を下方向に伝播する光は、基板2の裏面に設けられた反射層(不図示)で反射され、上方向に伝播し、光取り出し面である表面側から外部に取り出される。
半導体発光素子1の光取り出し面である表面側から出射された光は、外部電極と接続する配線であるワイヤなどによって下方向に反射され、戻り光として半導体発光素子1に入射される。戻り光の内で、保護層8及び全面電極5を介して再び半導体発光素子1の内部に入射した光は、前記した経路により再び外部に取り出される。
一方、保護層8に臨界角以上の入射角で入射した戻り光は、保護層8によって上方向に全反射される。
また、n側電極4及びp側電極6上の反射層7上に設けられた保護層8に垂直又は垂直に近い入射角で入射した戻り光は、DBRである反射層7によって上方向に反射される。
なお、半導体発光素子1の光取り出し面側に、発光層32が発光する波長の光で励起され、異なる波長の光を放射する蛍光体などの波長変換部材を設けた発光装置を構成する場合は、蛍光体がランダムな方向に光を放射する。このため、半導体発光素子1の方向に放射される戻り光が多くなり、反射層7及び保護層8によって反射される戻り光の割合が多くなる。従って、本発明の半導体発光素子1は、このような発光装置に適用した場合に、発光装置としての光出力の向上に大きく貢献することができる。
なお、このような構成の場合は、反射層7が反射する光の中心波長λは、戻り光中の成分が多い、波長変換部材が放射する光のピーク波長とすることが好ましい。
[半導体発光素子の製造方法]
次に、本発明の第1実施形態に係る半導体発光素子の製造方法について、図3を参照して説明する。
図3に示すように、第1実施形態に係る半導体発光素子の製造方法は、半導体層形成工程S10と、n型半導体層露出工程S11と、全面電極形成工程S12と、パッド電極形成工程S13と、反射層形成工程S14と、保護層形成工程S15と、接合部露出工程S16と、チップ分割工程S17と、を含み、この順で行われる。
以下、図4及び図5を参照(適宜図1乃至図3参照)して、各工程について詳細に説明する。
(半導体層形成工程)
まず、半導体層形成工程S10において、図4(a)に示すように、基板2上に半導体積層体3を形成する。
半導体層形成工程S10について具体的に説明すれば、まず、サファイア等からなる基板2上に、MOCVD法等により、GaN系化合物半導体等からなるn型半導体層31、発光層32及びp型半導体層33を構成するそれぞれの半導体層を成長させる。この後、各半導体層を成長させた基板2(以下、分割前の状態の基板及び基板上の形成物を併せて適宜ウェハという)を窒素雰囲気で、600〜700℃程度のアニールを行って、p型半導体層33を低抵抗化することが好ましい。
(n型半導体層露出工程(第1半導体層露出工程))
次に、n型半導体層露出工程S11において、図4(b)に示すように、n側電極4を設けるための、n型半導体層31が露出する段差部3aを形成する。この段差部3aの形成方法は、次の通りである。すなわち、アニール後のウェハ上にフォトレジストを用いて段差部3aを形成する領域に開口を有するレジストマスク(不図示)を形成し、RIE(反応性イオンエッチング)により、p型半導体層33及び発光層32と、更にn型半導体層31の一部とを除去して、n型半導体層31を露出させる。エッチングの後、レジストマスクを除去する。
なお、本実施形態では、基板2上には、複数の半導体発光素子の単位がマトリクス状に配列して形成され、半導体発光素子1が基板2上に完成後にチップに分割される。なお、図4(b)には、1つの半導体発光素子1が形成される領域についてのみ示している。
(全面電極形成工程)
次に、全面電極形成工程S12において、図4(c)に示すように、段差部3aを除く、ウェハのほぼ全面、すなわち、p型半導体層33の上面のほぼ全面に、全面電極5を形成する。このために、まず、スパッタリング法などにより、ウェハ全面にITO膜を成膜する。そして、フォトリソグラフィ法を用いて不要なITO膜をエッチングで除去することで全面電極5を形成する。
なお、リフトオフ法により全面電極5を形成してもよい。すなわち、最初に全面電極5を形成する領域に開口を有するレジストマスクをウェハ上に形成した後に、ウェハ全面にITO膜を形成し、レジストマスクを、レジストマスク上のITO膜と共に除去することで全面電極5をパターニングすることもできる。
(パッド電極形成工程)
次に、パッド電極形成工程S13において、図4(d)に示すように、段差部3aの底面の所定の領域にn側電極4を、p型半導体層33上に形成された全面電極5上の所定の領域にp側電極6を、リフトオフ法により形成する。
n側電極4及びp側電極6は、同一の金属材料から、以下のようにして形成される。
まず、ウェハの表面全体にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法により、n側電極4及びp側電極6の形成領域に開口を有するレジストマスク(不図示)を形成する。
次に、ウェハの表面全体に金属膜を成膜する。n側電極4及びp側電極6を多層膜構成とする場合は、順次に金属材料を変えて成膜することで形成することができる。
ここで、レジストマスクを除去すると、パターニングされたn側電極4及びp側電極6が形成されるが、本実施形態では、ここではレジストマスクを除去せずに次工程である反射層形成工程S14を行うこととする。
これにより、反射層7をパターニングするためのレジストマスクの形成を省略することができると共に、n側電極4及びp側電極6と反射層7との位置ずれが防止される。
(反射層形成工程)
次に、反射層形成工程S14において、図5(a)に示すように、n側電極4及びp側電極6上に、反射層7を形成する。
反射層7として、例えば、SiOからなる誘電体層71と、Nbからなる誘電体層72とを交互に積層した誘電体多層膜を形成する場合は、SiO膜とNb膜とを交互に、それぞれ所定の厚さで成膜する。誘電体層71及び誘電体層72の組を3ペア積層する場合は、前記の交互に成膜する工程を3回繰り返す。
なお、誘電体膜を積層する際は、パッド電極形成工程S13で形成したレジストマスクはそのまま残っているため、n側電極4及びp側電極6を形成する領域以外では、誘電体膜は、金属膜を介してレジストマスク上に積層される。
また、反射層7上の保護層8の膜厚を、他の領域よりも厚く形成する場合は、他の領域における膜厚との差分の膜厚の保護層8を、ここで続けて形成する。
その後、レジストを、レジスト上に積層された電極を形成するための金属膜及び反射層を形成するための誘電体膜と共に除去することで、パターニングされたn側電極4、p側電極6及び反射層7が形成される。
なお、n側電極4とp側電極6とを異なる材料を用いて構成する場合は、n側電極4とp側電極6とを順次形成し、その後、反射層を形成するようにする。
(保護層形成工程)
次に、保護層形成工程S15において、図5(b)に示すように、ウェハの表面全体に保護層8を形成する。保護層8は、例えば、SiO膜をスパッタリング法などにより形成することができる。
(接合部露出工程)
次に、接合部露出工程S16において、図5(c)に示すように、n側電極4及びp側電極6の外部の配線用電極と接合するための領域である接合部4a及び接合部6a上に形成された保護層8及び反射層7と、n側電極4及びp側電極6の一部をエッチングにより除去し、接合部4a及び接合部6aを露出させる。
接合部露出工程S16について図2に示した例について具体的に説明すると、まず、ウェハの表面全体にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法により接合部4a及び接合部6aとなる領域に開口を有するレジストマスク(不図示)を形成する。そして、保護層8であるSiO膜と、反射層7を構成する誘電体層71であるSiO膜及び誘電体層72であるNb膜と、n側電極4及びp側電極6の密着層であるNi層66及びバリア層であるW層65及び接合層であるAu層64の一部と、をエッチングにより除去する。
なお、これらの層を除去する際には、適宜にエッチング液を選択して用いることができる。
(チップ分割工程)
最後に、チップ分割工程S17において、基板2上にマトリクス状に配列して形成された複数の半導体発光素子1を、スクライブやダイシングなどによりチップに分割することにより、チップ単位の半導体発光素子1が完成する。また、チップに分割する前に、基板2の裏面から基板2を研削(バックグラインド)して所望の厚さとなるまで薄く加工してもよい。
また、チップ分割工程S17の前に、又は後に、基板2の裏面側に、Ag、Al等の高反射率の金属膜や誘電体多層膜からなる反射層を形成するようにしてもよい。
以上説明したように、光取り出し面側に形成された金属からなるn側電極4及びp側電極6の電極面上に、接合部4a及び接合部6aを除き、誘電体多層膜からなる反射層7及び透光性の保護層8を設けた半導体発光素子1が製造される。すなわち、光取り出し面側から入射する戻り光を効率的に反射し、光取り出し効率が向上した半導体発光素子1を製造することができる。
特に、パッド電極であるn側電極4及びp側電極6から供給される電流の半導体積層体3への電流拡散性を向上するために、延長部4b、6bを設けた場合には、これらの延長部4b、6bを構成する金属による戻り光の吸収を低減できるため、半導体発光素子1の光取り出し効率をより向上させることができる。
なお、本発明の半導体発光素子は、第1実施形態に限定されるものではない。例えば、n側電極4及びp側電極6は、それぞれ1個ずつ設けるようにしたが、これに限定されるものではく、何れか又は両方の電極を複数も受けるようにしてもよい。n側電極4及びp側電極6は、何れも光取り出し面側に設けるようにしたが、何れか一方を裏面側に設けるようにしてもよい。また、段差部3aの平面視における形状も、任意の形状とすることができる。
<第2実施形態>
[発光装置の構成]
次に、図6を参照して、本発明の第2実施形態に係る発光装置について説明する。図6に示す第2実施形態の発光装置10は、第1実施形態に係る半導体発光素子1を光源として備えた発光装置である。
図6に示すように、第2実施形態に係る発光装置10は、導電性の部材からなるリードフレーム11と、リードフレーム電極12と、半導体発光素子1と、第1封止部材15と、第2封止部材16とから構成されている。
半導体発光素子1は、リードフレーム11の凹形状に成形されたカップ11a内にフェースアップ実装されており、一方の電極であるn側電極4(図1参照)がリードフレーム11とワイヤ13で電気的に接続され、他方の電極であるp側電極6(図1参照)がリードフレーム電極12とワイヤ14で電気的に接続されている。
また、リードフレーム11のカップ11a内は、透光性の第1封止部材15が充填され、半導体発光素子1が外気から遮断されるように封止されている。この第1封止部材15には、半導体発光素子1から放射される色(波長)の光を、異なる色(波長)の光に変換する色変換部材(波長変換部材)が含有されている。また、リードフレーム11、リードフレーム電極12、及びワイヤ13,14は、外形が砲弾形状をした透光性の第2封止部材16によって覆われ、リードフレーム11の下部及びリードフレーム電極12の下部が、第2封止部材16から突出している。
第1封止部材(封止部材)15には、色変換部材として粒状の蛍光体が分散されている。なお、本実施形態では、特に断らない限り、発光装置10は、半導体発光素子1が青色光を放射するLED素子とし、色変換部材が半導体発光素子1が放射する青色光の一部を吸収して黄色光を発光する蛍光体とし、半導体発光素子が放射する青色光の一部と、色変換部材が変換した黄色光とを混色して白色光を出力するものとして説明する。
なお、発光装置10の構成はこれに限定されるものではなく、半導体発光素子1の発光色、色変換部材の変換色も様々に組み合わせることができる。また、色変換部材は1種類ではなく、例えば、緑色光、赤色光に変換する複数種類の蛍光体を用いるようにしてもよい。また、色変換部材は、半導体発光素子1の放射する光の一部を色変換するのではなく、全部を変換するようにしてもよい。
第1封止部材15及び第2封止部材16は、透光性であれば特に限定されず、シリコーン樹脂組成物、変性シリコーン樹脂組成物等を使用することが好ましいが、エポキシ樹脂組成物、変性エポキシ樹脂組成物、アクリル樹脂組成物等の透光性を有する絶縁樹脂組成物を用いることができる。また、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フッ素樹脂およびこれらの樹脂を少なくとも一種以上含むハイブリッド樹脂等、耐候性に優れた樹脂も利用できる。さらに、第1封止部材15及び第2封止部材16は有機物に限定されず、ガラス、シリカゲル等の耐光性に優れた無機物を用いることもできる。更にまた、第2封止部材16の発光面側を所望の形状にすることによってレンズ効果を持たせることができる。また、第1封止部材15と第2封止部材16とは、同じ材料を用いてもよく、異なる材料を用いてもよい。
また、第1封止部材15の屈折率は、半導体発光素子1の表面を被覆する保護層8(図1参照)の屈折率よりも大きくすることが好ましい。これによって、保護層8(図1参照)と第1封止部材15との界面で、臨界角以上の入射角で入射した戻り光を全反射させることができる。これによって、発光装置10から出力される光量を向上することができる。
例えば、保護層8(図1参照)として、屈折率1.45のSiOを用いる場合は、屈折率1.53のシリコーン樹脂、屈折率1.6程度のエポキシ樹脂などを用いることができる。
また、第1封止部材15は、接着性を有していることが好ましい。第1封止部材15に接着性を持たせることにより、半導体発光素子1と、これを載置させるリードフレーム11の中央領域との固着性を高めることができる。接着性は、常温で接着性を示すものだけでなく、第1封止部材15に所定の熱と圧力を加えることにより接着するものも含む。また第1封止部材15の、固着強度を高めるために、温度や圧力を加える他、乾燥させることもできる。
(波長変換部材)
第1封止部材15に含有される波長変換部材は、半導体発光素子1が放射する波長(色)の光で励起されて、励起光と異なる波長(色)の蛍光を発する蛍光物質などである。波長変換部材としては粒状の蛍光体を好適に用いることができる。粒状の蛍光体は、光散乱性及び光反射性を有するため、波長変換機能に加えて光散乱部材としても機能し、光の拡散効果を得ることができる。波長変換部材は、第1封止部材15中にほぼ均一の割合で混合することも、部分的に偏在するように配合することもできる。例えば、半導体発光素子1から所定の距離だけ離間させることにより、半導体発光素子1で発生した熱が蛍光物質に伝達し難くして蛍光物質の劣化を抑制できる。また、波長変換部材は、第1封止部材15中に、2種類以上を一様に混在させてもよいし、多層構造となるように分布させてもよい。
波長変換部材として用いる代表的な蛍光体としては、銅で賦活された硫化カドミ亜鉛やセリウムで賦活されたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体及びLAG(ルテチウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体が挙げられる。特に、高輝度かつ長時間の使用時においては(Re1-xSmx3(Al1-yGay512:Ce(0≦x<1、0≦y≦1、但し、Reは、Y、Gd、La、Luからなる群より選択される少なくとも一種の元素である。)等が好ましい。また、蛍光体としては、ガラスや樹脂に蛍光体を混合した蛍光体ガラスや蛍光体含有樹脂を用いてもよい。また、半導体発光素子1から発する熱に耐性のあるもの、使用環境に左右されない耐候性のあるものがより望ましい。
発光装置10において、蛍光体は、2種類以上の蛍光体を混合させてもよい。すなわち、Al、Ga、Y、La、Lu及びGdやSmの含有量が異なる2種類以上の(Re1-xSmx3(Al1-yGay512:Ce蛍光体を混合させて、RGBの波長成分を増やすことができる。また、黄〜赤色発光を有する窒化物蛍光体等を用いて赤味成分を増し、平均演色評価数Raの高い照明や電球色LED等を実現することもできる。具体的には、半導体発光素子1の発光波長に合わせてCIE(国際照明委員会)の色度図上の色度点の異なる蛍光体の量を調整し含有させることでその蛍光体間と発光素子で結ばれる色度図上の任意の点を発光させることができる。
(添加部材)
また、第1封止部材15及び第2封止部材16は、半導体発光素子1が放射する光の少なくとも一部を反射又は散乱可能な光散乱部材を含有するようにしてもよい。光散乱部材としては、例えば、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、二酸化珪素、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム等の拡散剤、及び、これらを少なくとも一種以上含む混合物等を挙げることができる。
また、第1封止部材15中の光散乱部材は、半導体発光素子1近傍に偏在して分布されることが好ましい。これにより半導体発光素子1からの放射光を反射又は散乱させる効果が高まる。これによって、発光装置10から出力される光の出射角を広範囲とできるため全方向に拡散された光を得ることができる。
その他に、第1封止部材15及び第2封止部材16は、粘度増量剤、顔料など、使用用途に応じて適切な部材を添加することができる。例えば、外来光や半導体発光素子1から放射される不要な波長の光をカットするフィルター効果を持たせたフィルター材として各種着色剤を添加させることもできる。
[発光装置の動作]
次に、図6を参照(適宜図1及び図2参照)して、第2実施形態に係る発光装置10の動作について説明する。なお、ここでは、半導体発光素子1は青色光を発光し、第1封止部材15に含有される色変換部材は青色光によって励起され、黄色光を放出するものとして説明する。但し、これは例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。
発光装置10は、リードフレーム11及びリードフレーム電極12を介して電流が供給されると、半導体発光素子1が、それぞれワイヤ13及びワイヤ14を介してn側電極4及びp側電極6に電流が供給されて、発光層32から青色光を放射する。発光層32から放射された青色光は、半導体積層体3及び基板2内を伝搬し、半導体積層体3の表面側から透光性の全面電極5及び保護層8を透過して半導体発光素子1から第1封止部材15に入射される。
ここで、第1封止部材15の屈折率が保護層8の屈折率よりも大きい場合は、両者の屈折率で定められる臨界角未満の入射角で入射した光は第1封止部材15を伝搬し、第2封止部材16を介して発光装置10の外部に取り出される。すなわち、両者の屈折率で定められる臨界角よりも大きな入射角で保護層8に入射した戻り光は、保護層8と第1封止部材15との界面で上方向に全反射される。そして、上方向に全反射された光は、第1封止部材15及び第2封止部材16を伝搬して、発光装置10の外部に取り出される。
また、第1封止部材15に入射した青色光は、その一部が第1封止部材15の含有する色変換部材である蛍光体の粒子に吸収され、蛍光体の粒子から黄色の蛍光が放射される。このとき、蛍光体の粒子からは、ランダムな方向に蛍光が放射される。
蛍光体から上方向に放射された光は、ワイヤ13,14などによって下方向に反射される光を除き、第1封止部材15及び第2封止部材16を伝搬して、発光装置10の外部に取り出される。
また、蛍光体から横方向に放射された光は、リードフレーム11のカップ11aの傾斜した内側面で上方向に反射され、第1封止部材15及び第2封止部材16を伝搬して、発光装置10の外部に取り出される。
また、蛍光体から下方向に放射された光及びワイヤ13,14などによって下方向に反射された光である戻り光の内で、n側電極4及びp側電極6に向かって伝搬する光は、n側電極4及びp側電極6上に設けられた反射層7によって上方向に反射され、第1封止部材15及び第2封止部材16を介して発光装置10の外部に取り出される。
また、戻り光の内で、n側電極4及びp側電極6が設けられた領域以外の保護層8に入射した光は、半導体発光素子1の内部の半導体各層の界面等で反射され再び半導体発光素子1から取り出される。
また、半導体発光素子1の発光層32から放射された青色光の一部は、色変換部材によって色変換されることなく、第1封止部材15及び第2封止部材16を伝搬して発光装置10の外部に取り出される。
以上のようにして、発光装置10から出力される光は、黄色光と青色光とが混色して、白色光として観察される。
<実施例1>
次に、本発明の実施例について説明する。
まず、実施例1として、図1に示す構成の電極(n側電極及びp側電極)及び反射層を有する第1実施形態に係る半導体発光素子を作製し、電極部における分光反射特性を測定した。
電極の構成は、接合層としてAu層を用い、その上層にバリア層としてW層を、密着層としてNi層を、順次に積層した構成とした。
なお、本実施例では、Au層、W層及びNi層の膜厚は、それぞれ500nm、30nm及び6nmとした。
更に、電極の最上層であるNi層上に、反射層としてSiO層とNb層とを交互に1ペア〜7ペア積層し、最後に保護層としてSiO層を積層した。
なお、反射層におけるSiO層の膜厚は78nmとし、Nb層の膜厚は49nmとした。また、保護層の膜厚は235nmとした。
なお、本実施例では、YAG系の黄色に発光する蛍光体の光のピーク波長である560nmを高反射率が得られる波長域の中心波長(λ)とし、各誘電体多層膜の膜厚をλ/4n、保護層の膜厚を3λ/4n(但し、nは各層の屈折率)となるように設定したものである。
また、比較例として、電極の構成を本実施例と同じとし、反射層を設けずに本実施例と同じ膜厚の保護層を形成した半導体発光素子を作製し、電極部の分光反射特性を測定した。
実施例及び比較例の半導体発光素子の電極部の分光反射特性の測定結果を図7に示す。なお、図7において、「Ref」で示したものが、比較例の測定結果である。
図7に示すように、誘電体多層膜からなる反射層を設けない比較例(Ref)において、560nm付近における反射率が55%である。これに対して、誘電体多層膜からなる反射層を設けた実施例(1ペア〜7ペア)においては、560nm付近を中心として、前後の数十nmの波長域の反射率が向上しているのが分かる。この波長域の反射率は、ペア数が増加するほど高くなっており、3ペア以上とすることで、90%以上の反射率が得られることが分かる。
<実施例2>
次に、実施例2として、第2実施形態に係る発光装置を作製し、発光装置としての出力光の分光発光特性を測定した。
実施例2の発光装置は、半導体発光素子として、窒化ガリウム系の化合物半導体を用いた青色光を放射するLEDを用い、色変換部材として、黄色の蛍光を発するYAG系の蛍光体を用いた。
実施例2の発光装置の分光発光特性の測定結果を図8に示す。
図8に示すように、実施例2の発光装置は、半導体発光素子が放射する450nm付近に発光ピークを有する青色光と、560nm付近に発光ピークを有するYAG系蛍光体の黄色光とが混色した分光発光特性(発光スペクトル)を示している。YAG系蛍光体の発光は、ブロードなスペクトルを有することが分かる。
<実施例3>
次に、実施例3として、第2実施形態に係る発光装置を作製し、順方向電圧と発光出力とを測定した。また、比較例として、実施例3において誘電体多層膜からなる反射層を有さない構成の発光装置を作製し、順方向電圧と発光出力とを測定した。また、半導体発光素子は、図1(a)に示した平面視の電極構成を有し、横方向のチップサイズが750μm、縦方向のチップサイズが550μmである。なお、電極の積層構造は実施例1における半導体発光素子と同じであり、また、半導体発光素子の表面には、反射層としてSiO層とNb層とを交互に3ペア積層し、最後に保護層としてSiO層を積層した。ここで、反射層におけるSiO層の膜厚は78nmとし、Nb層の膜厚は49nmとした。また、保護層の膜厚は235nmとした。
また、色変換部材として、図8に示した分光発光特性を有するYAG系蛍光体を用いた。
表1に測定結果を示す。なお、表1において、サンプル1とサンプル2とは製造ロットが異なり、各ロットについて、実施例及び比較例それぞれ5個の発光装置を作製した。表1に示した数値は、同じロットの5個の発光装置の測定値の平均値である。また、表2の最下段に示す「平均」は、2つのロットについての平均である。
Figure 0005983068
表1に示すように、何れのロットも、誘電体多層膜からなる反射層を有さない比較例に比べて、順方向電圧(Vf)はほぼ同じである。発光出力(φv)は、サンプル1の実施例が比較例に比べて0.68%高く、サンプル2の実施例が比較例に比べて1.30%高くなっている。両ロットを平均すると、実施例は比較例に対して、発光出力が約1%向上しているのが分かる。
すなわち、実施例の発光装置では、波長変換部材であるYAG系蛍光体からの戻り光を、誘電体多層膜からなる反射層によって効果的に光取り出し方向に反射され、発光装置としての出力が向上することが確認された。
1 半導体発光素子
2 基板
3 半導体積層体
31 n型半導体層(第1半導体層)
32 発光層
33 p型半導体層(第2半導体層)
3a 段差部
4 n側電極(電極)
4a 接合部
4b 延長部
5 全面電極
6 p側電極(電極)
6a 接合部
6b 延長部
61 Ti層
62 Rh層
63 W層
64 Au層
65 W層
66 Ni層
7 反射層(誘電体多層膜)
71 誘電体層
72 誘電体層
8 保護層
10 発光素子
11 リードフレーム
11a カップ
12 リードフレーム電極
13,14 ワイヤ
15 第1封止部材(封止部材)
16 第2封止部材

Claims (7)

  1. 半導体積層体と、
    前記半導体積層体上の光取り出し面側に設けられるパッド電極と、
    前記半導体積層体上及び前記パッド電極上を被覆する保護層と、
    前記パッド電極と前記保護層との間に、DBR膜と、を有し、
    前記保護層の屈折率は、前記DBR膜の最上層と異なる屈折率であり、
    前記保護層の前記DBR膜の上面と接する領域の膜厚が、3・λ/4n (但し、λは所定の波長、n は保護層の屈折率)であることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 半導体積層体と、
    前記半導体積層体上の光取り出し面側に設けられるパッド電極と、
    前記半導体積層体上及び前記パッド電極上を被覆する保護層と、
    前記パッド電極と前記保護層との間に、DBR膜と、を有し、
    前記保護層の屈折率は、前記DBR膜の最上層とほぼ同じ屈折率であり、
    前記保護層の前記DBR膜の上面と接する領域及び前記DBR膜の最上層の合計膜厚が、3・λ/4n (但し、λは所定の波長、n は保護層の屈折率)であることを特徴とする半導体発光素子。
  3. 前記DBR膜における各層の膜厚は、λ/4n(但し、λは所定の波長、nは各層の誘電体の屈折率)であることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の半導体発光素子。
  4. 前記保護層は、前記DBR膜の上面と接する領域の膜厚よりも、それ以外の領域の膜厚の方が薄いことを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか一項に記載の半導体発光素子。
  5. 前記保護層はSiOからなり、
    前記DBR膜は、前記保護層側から順にNbからなる誘電体膜と、SiOからなる誘電体膜とが交互に積層された複数組の誘電体膜から構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項1を引用する請求項3若しくは請求項4の何れか一項に記載の半導体発光素子。
  6. 前記請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の半導体発光素子と、
    前記保護層に接して前記半導体発光素子を被覆する封止部材と、を有し、
    前記封止部材の屈折率が、前記保護層の屈折率よりも高いことを特徴とする発光装置。
  7. 前記封止部材は、前記半導体発光素子が発光する波長の光を吸収し、当該波長と異なる波長の光を発光する波長変換部材を含有することを特徴とする請求項に記載の発光装置。
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