JP4109844B2 - ストロボ用充電回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカメラのストロボ等に用いられる充電回路に関するものである。
【0002】
【従来技術】
図6はカメラのストロボに用いられる他励式の充電回路である。この回路はバッテリーからの入力電流IbをトランスT1の一次巻線Npに流し、その電流をスイッチングトランジスタQ1によりオン(ON)、オフ(OFF)し、トランスの二次巻線Nsに発生する交流をダイオードD1により整流してストロボ発光用メインコンデンサCmに供給するものである。
【0003】
この充電回路は他励式の充電回路であるため、スイッチングトランジスタQ1のゲートには1で示すパルス発生器が接続され、そのパルス発生器1で発生したパルスをトランジスタのゲートに供給し、トランジスタをオン、オフさせている。
【0004】
出力側のメインコンデンサCmには充電量を検知するために抵抗R2、抵抗R3を設け、メインコンデンサの端子電圧を抵抗R2、抵抗R3で分圧し、抵抗R3に生じる電圧を検知し、その電圧をパルス発生器1の制御端子1cにフィードバックし、発生するパルスのHレベル期間を制御している。即ち、トランジスタQ1のオン時間を制御している。抵抗R3には並列に平滑用コンデンサC1が接続されている。これら抵抗は高抵抗のため流れる電流は僅かである。
【0005】
パルス発生器1はトランジスタQ1を駆動するためのパルスを発生させ、そのパルスをトランジスタのゲートに供給し、パルスがHレベルの時トランジスタをオン(導通)させ、パルスがLレベルの時トランジスタをオフ(遮断)させる。パルスの周期は一定であり、Hレベル期間がメインコンデンサCmの充電量に応じて変えられる。具体的にはメインコンデンサCmの充電電圧が小さい時はHレベル期間が短く、即ち、トランジスタをオンさせる時間が短く、充電電圧が大きい時はHレベル期間が長くなるように、即ち、トランジスタをオンさせる時間が長くなるように制御される。
【0006】
パルス発生器1の入出力端子には3つの端子があり、1a端子は入力端子であり、この端子はメインコンデンサCmへの充電をスタートさせるためのCc信号(チャージコントロール信号)が入力される。1b端子は出力端子であり、発生したパルスがトランジスタQ1に供給される。1c端子は入力端子であり、前記したようにメインコンデンサCmの充電量に応じた検出電圧が入力される。尚、電源に関する端子は省略している。
【0007】
このような構成の回路において、Cc(チャージコントロール)信号をLレベルからHレベルにすると、パルス発生器1は周期が一定なパルスを発生する。パルスは充電スタート時はHレベル期間(トランジスタのオン時間)が短く設定され、その複数のパルスがトタンジスタQ1のゲートに供給され、トランジスタQ1がオン、オフされ、メインコンデンサCmが徐々に充電される。
【0008】
パルス発生器1で発生するパルスのHレベル期間は前記したようにメインコンデンサCmの充電電圧に応じて制御されるため、常時充電電圧を監視していて、第一の所定レベルになった段階でパルスのHレベル期間を長くし、そのパルスをトランジスタに供給する。その結果トランジスタのオン時間が長くなり、メインコンデンサCmの充電電圧がアップしてゆく。
【0009】
そして、充電電圧が第二の所定レベルになった段階でパルスのHレベル期間をさらに長くし、そのパルスをトランジスタに供給する。そのため、トランジスタのオン時間がさらに長くなり、メインコンデンサCmの充電電圧が更にアップしてゆく。
【0010】
このようなステップを繰り返してメインコンデンサCmの充電電圧が上昇してゆく。メインコンデンサCmの充電電圧は図示しない制御部に送られ、その制御部で充電完了がチェックされ、充電が完了した時に充電停止信号がパルス発生器1に送られる。具体的にはLレベルのCc信号がパルス発生器1の1a端子に送られ、パルスの発生が停止される。
【0011】
次に図7のタイムチャートを用いてさらに説明する。図7(a)〜図7(d)は全て横軸が時間であり、図7(a)、図7(b)、図7(d)の縦軸は電圧で、図7(c)の縦軸は電流である。そして、各図の時間軸は同期して描かれている。
【0012】
図7(a)はCc(チャージコントロール)信号波形である。Cc信号は常時Lレベルで充電スタートさせる時にHレベルにする。図7(b)はパルス発生器1で発生するパルス(PLS)で、このパルスは出力端子1bからトランジスタに供給され、Hレベルの時トランジスタQ1をオンさせ、Lレベルの時トランジスタQ1をオフさせる。このパルスは図示のように周期が一定のパルスでHおよびLレベルの期間が異なる。図ではパルスの周期はT、Hレベル期間はTon、Lレベル期間はToffとし示されている。
【0013】
前記したようにパルスのTonはメインコンデンサの充電電圧(充電量)に応じて変えられる。そして、Tonを変える充電電圧の所定レベルがとびとびに設定されているため、ある期間毎にHレベル期間が変えられる。図ではパルス発生器1がパルスを発生してからS1期間はTonが小、次のS2期間はTonが中、そして、次のS3期間はTonが大に設定されている。このTonの制御は前記したようにメインコンデンサCmの充電量が電圧で検出され、その検出電圧がパルス発生器1に送られて決められるものである。本図ではTonを3種類としているが、実際はこれより細くTonが設定され制御される。しかし、Tonの設定を細かく設定すると回路が複雑になり高価になるので、これらの点が考慮され適宜設定されるものである。
【0014】
図7(c)は入力電流Ibでこの電流はトランジスタQ1のオン時に流れ、時間の経過とともに上昇する。そのため図7(b)でTonが長い程大きな入力電流、即ち、ピークが大きな電流が流れる。図7(d)はメインコンデンサCmの充電電圧を示し、時間の経過とともに上昇する。Cc(チャージコントロール)信号が入力され充電がスタートすると、メインコンデンサCmへの充電が開始され、最初パルス発生器1で発生するパルスのTonは小であり、このパルスによりメインコンデンサへの充電が開始され、時間の経過とともに充電電圧が上昇してゆく。このカーブが直線として示されているが、実際は変動しながら上昇するものである。
【0015】
充電電圧がP1(100V)に達した時、パルス発生器1で発生するパルスのTonが小から中に変更される。P2(200V)に達した時、パルス発生器1で発生するパルスのTonが中から大に変更される。充電電圧がP3(300V)に達した時、充電完了電圧に達したのでパルス発生器1は前記したようにパルスの発生を停止する。このようにしてストロボのメインコンデンサCmへの充電が行われている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
このような充電回路ではトランジスタQ1に供給するパルスの周期を一定として、Hレベル期間を変えながら充電している。トランジスタQ1に電流が流れ、トランスの一次巻線に電流が流れると、その電流によりトランスに電磁エネルギーが蓄積され、トランジスタがオフした時に、蓄積されたエネルギーが二次巻線から放出される。即ち、メインコンデンサCmに充電電流が流れる。エネルギーの放出が完了すると充電電流も流れなくなり、しばらくしてトランジスタがオンして、次のサイクルに進む。
【0017】
本来ならトランスの蓄積エネルギーが全て放出した時点で直ぐにトランジスタをオンさせることが望ましいが、トランジスタのオン制御はパルス発生器で発生するパルスで行われており、パルス発生器はトランスの蓄積エネルギーが全て放出されたかどうかに関係なくパルスを発生させているので、トランジスタのオンするタイミングがトランスの蓄積エネルギーが全て放出されない間に行われる場合が考えられ、その場合はトランスの一次巻線に通常流れる電流に未放出の蓄積エネルギーを打ち消すための電流が上乗せされ、増加した電流が一次巻線として流れることになる。次のサイクルでも未放出のエネルギーが残っている間にトランジスタがオンするとさらに一次巻線に流れる電流が増加するという悪循環に陥り、最終的には部品が破壊する。
【0018】
このため、トランジスタをオンさせるタイミングはどうしてもトランスのエネルギーが全て放出された後に行う必要があり、そのためトランジスタをオンさせるタイミングを設定しようとすると、トランスのエネルギーが全て放出する時間を予測し、その時間にさらに充分余裕をみてオンさせるタイミングを決める必要があり、どうしても無駄な時間が生じ、メインコンデンサの充電時間が長くなる。
【0019】
また、入力電流の最大値はストロボの電源容量等により決められ、その最大電流を流すようにすればメインコンデンサの充電時間が短時間となるが、従来の回路では入力電流を最初小電流とし、徐々に電流を大きくしながらコンデンサを充電しているのでメインコンデンサの充電時間が長くなる。
【0020】
また、電源電圧Vbが変動すると、それに伴い入力電流も変動して、結果として充電時間が長くなる。例えば電源を電池で供給している場合、電池の消耗で電圧が低下する。電圧が低下するとトランジスタが一定時間オンしても、電圧が低下しない場合に比べて入力電流が低下する。このためメインコンデンサの充電時間が長くなる。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記した従来の課題を解決するために次のように構成したものである。
【0022】
(1)トランスの一次巻線に流れる電流を外部パルスで駆動されるスイッチングトランジスタで断続し、前記トランスの二次巻線に発生する交流を整流して、メインコンデンサに充電電流を流すようにした他励式ストロボ用充電回路であって、前記充電電流が流れなくなった時に前記トランスの一次巻線に発生するリンギング電圧を検出することにより、前記外部パルスを前記スイッチングトランジスタがオンとなるレベルに切換え制御し、さらに、前記リンギング電圧の大きさが所定値に達しない間はあらかじめ切換え時間が設定された前記外部パルスにより前記スイッチングトランジスタを駆動するようにする。
【0023】
(2) (1)記載のストロボ用充電回路で、前記スイッチングトランジスタのオン時間は入力電流が電源許容電流またはそれに近い所定値になるまでの時間であることを特徴とする1項記載のストロボ用充電回路。
【0024】
(3) (1)ないし(2)記載のストロボ用充電回路で、前記スイッチングトランジスタがオンとなるレベルを発生する前記外部パルスの時間を電源電圧に応じた長さとし、電源電圧の変動に対して入力電流のピーク値が変動しないように制御することを特徴とする1ないし2項記載のストロボ用充電回路。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施例を示す回路図であり、図6と同様カメラにおけるストロボ用充電回路の構成例を示している。図6と同じ部品は同じ符号を付して説明する。
【0027】
図1において、電源電圧Vbのバッテリーから入力電流IbがトランスT1の一次巻線Npに供給され、この一次巻線Npに流れる電流をスイッチングトランジスタQ1により断続し、これによりトランスの二次巻線Nsに交流電圧が発生し、その交流電圧をダイオードD1により整流し、負荷であるストロボ用メインコンデンサCmを充電する。
【0028】
トランジスタQ1がオンすると、電流がトランスの一次巻線に流れ、トランスT1にエネルギーが蓄積される。トランジスタがオフすると蓄積されたエネルギーが二次巻線を通して、メインコンデンサCmに充電電流として放出する。エネルギーの放出が終った時に一次巻線にリンギング電圧(振動電圧)が発生する。
【0029】
本充電回路ではリンギング電圧を検出するためにコンパレータ3を設け、そのコンパレータ3の(+)端子に電源電圧を抵抗R6、抵抗R7で分圧した電圧を基準電圧として入力している。(−)端子にはトランスの一次巻線が抵抗R5を介して接続され、その巻線で発生するリンギング電圧を入力している。リンギング電圧が基準電圧より大きくなった時コンパレータ3から制御信号がパルス発信器2に送られ、パルスがLレベルからHレベルに変わる。
【0030】
パルス発生器2は複数の端子を持つ。2e端子は制御電源電圧Vcが供給される端子で定電圧が供給される。2f端子は電源のG(グランド)に接続される。2a端子はCc(チャージコントロール)信号が入力される端子で、LレベルからHレベルに変化させることでパルス発生器2が起動されパルスが発生する。2b端子はパルス発生器2で発生したパルスをトランジスタQ1に出力する。2c端子はリンギング電圧が所定レベルに達した時に発生する制御信号が入力され、パルスを強制的にLレベルからHレベルに切り換え、トランジスタをオンさせる。2d端子は制御電源電圧VcとGの間に直列接続された抵抗R4とコンデンサC2との中点に接続される。
【0031】
パルス発生器2はHレベル期間が一定なパルスを発生し、Hレベル期間はコンデンサC2の充電時間により決められる。パルスがLレベルになると、コンデンサC2の放電回路がパルス発生器の内部に形成され電荷が急速に放電する。パルスがHレベルになると前記放電回路が切り離され、抵抗R4を通して充電電流がコンデンサC2に流れ、充電電圧が所定レベルに達した時にパルスがLレベルになる。本回路では制御電源電圧Vcが一定電圧のためパルスのHレベル期間が一定になる。
【0032】
ストロボ用メインコンデンサCmの充電時間は短時間ほど望ましく、短時間とするためにはスイッチングトランジスタQ1を無駄な時間が生じないようにオン制御すること、また、電源(バッテリー)から供給される入力電流は電源容量から最大電流が決められるが、この入力電流を許される範囲で大きくすることである。
【0033】
無駄な時間が生じないようなトランジスタのオン制御について、本充電回路では一次巻線に発生するリンギング電圧を利用することで従来回路で発生していた無駄な時間を削除している。即ち、従来回路では蓄積エネルギーが全て放出され、しばらくしてトランジスタをオンさせているので無駄な時間が発生していたが、本回路ではトランスに蓄積されたエネルギーが全て放出された時に巻線に発生するリンギング電圧を使ってトランジスタをオンさせるようにしているので無駄な時間は発生しない。
【0034】
入力電流はトランジスタがオンした時に流れ始め、時間の経過とともに増大してゆく。増大してゆく割合は電源電圧の大きさとトランスの巻線に関係するが、電源電圧、および、トランスの巻線が決っている場合はトランジスタのオン時間にだけ関係し、オン時間が長ければ長いほど入力電流が大きくなる。
【0035】
図1の充電回路では入力電流が許容最大電流に近い電流になるようにパルス発生器2で発生するパルスのHレベル期間、即ちトランジスタのオン時間が決められているので、メインコンデンサCmを大きな電流で充電することになり充電時間が短時間で行われる。
【0036】
図2は図1に対するタイムチャートである。図2(a)はCc(チャージコントロール)信号でLレベルの時パルス発生器2は停止しており、Hレベルで起動してパルスを発生する。図2(b)はパルス発生器2で発生するパルス(PLS)波形で、Hレベル期間は一定であり、Lレベル期間が異なる。図2(c)は入力電流Ibの波形で、ピーク電流Ipはトランジスタのオン時間が一定のため一定電流となっている。この電流は前記したようにできる限り大きな電流に設定されている。
【0037】
本充電回路ではリンギング電圧が発生した時点でトランジスタをオフからオンに切り換えることで無駄な時間が発生しないようにしている。リンギング電圧の大きさはいつも一定な電圧として巻線に発生するわけでなく、メインコンデンサCmの充電電圧(端子電圧)の大きさに影響され、メインコンデンサCmの充電電圧が大きい程大きな電圧が発生する。そのため、充電開始時点ではこの電圧が小さく充電が進むにつれて大きな電圧となる。充電開始時からしばらくの時間、0.5秒程度の時間であるが、この期間はリンギング電圧が小さく検出できないので、この期間はパルス発生器2から所定のパルスを発生させるようにしている。
【0038】
この期間が図2(c)でG1として示した期間である。この期間を過ぎたG2期間ではリンギング電圧が検出可能となり、リンギング電圧が検出された時にトタンジスタがオフからオンに切り換えられる。このタイミングが図2(b)でD1〜Dnとして示されている。尚、充電開始から0.5秒でどの程度メインコンデンサに充電されるか確認したところ、メインコンデンサの充電完了電圧を300Vとして10V程度である。従って、リンギング電圧が検出できない時間は充電時間全体からみればわずかな時間である。
【0039】
以上から本充電回路ではリンギング電圧を検出して、その電圧でトランジスタをオフからオンに切り換えている。また、入力電流を出来る限り大きな電流に設定しているのでメインコンデンサを短時間で充電させることができる。発明者らは図1回路の入力電流に関して検討したところ、電源電圧Vbが変動した場合に問題があることが分かった。
【0040】
ここまで電源電圧(バッテリー電圧)を一定として説明してきたが、バッテリーは放電等により電源電圧が変動する。図3に電源電圧Vbが10V、5V、2.5Vに変動した場合の入力電流を電圧と対比して示している。図3(a)はパルス発生器2で発生するパルス波形、図3(b)は電源電圧Vbが10Vの時の入力電流波形でピーク電圧がIp1、図3(c)は電源電圧Vbが5Vの時の入力電流波形でピーク電圧がIp2、図3(d)は電源電圧Vbが2.5Vの時の入力電流波形でピーク電圧がIp3である。
【0041】
図示のように入力電流の大きさは Ip1>Ip2>Ip3 の関係があり、電源電圧が低下すると入力電流も低下し、充電時間も影響される。即ち、電源電圧が低くなると充電時間が長くなる。そこで発明者らは電源電圧が変動しても入力電流が変化しない方法がないかさらに検討したところ、図1で抵抗R4の+側を定電圧電源(制御電源電圧Vc)に接続しているが、図4に示すように抵抗R4の+側を電源電圧Vbに接続すれば、電源電圧が変動しても入力電流があまり変化しないことが分かった。
【0042】
図4ではパルス発生器で発生するパルスのHレベル期間は電源電圧Vbが高くなると短く、電源電圧が低くなると長くなる。それは前記したようにトランジスタを駆動するパルスのHレベル期間は抵抗R4とコンデンサC2により決まり、抵抗R4からの充電電流でコンデンサC2を充電してゆき、所定レベルまで充電する時間がHレベル期間である。コンデンサC2の充電電流の大きさは電源電圧Vbに対応しているため、電源電圧が高くなると充電電流が大きくなり、短時間に所定レベルまで充電するのでHレベル期間が短くなり、反対に電源電圧が低くなるとHレベル期間が長くなる。
【0043】
Hレベル期間と入力電流の関係について図5を用いて説明する。図5(a),図5(b)は電源電圧が10Vの時パルス発生器2で発生するパルス、及び、入力電流を示し、図5(b)から入力電流のピーク値はIp4である。図5(c)、図5(d)は電源電圧が5Vの時パルス発生器2で発生するパルス、及び、入力電流であり、パルスのHレベル期間は電源電圧が10V時のHレベル期間より長くなっている。それは電源電圧の低下により、コンデンサC2の充電電流が低下し充電カーブが緩やかになるため、所定レベルの電圧に達するまでの時間が長くかかることになり、Hレベル期間が長くなる。従って、電源電圧の低下により入力電流の上昇カーブが緩やかであっても、トランジスタがオンしている時間が長いため入力電流のピーク値IP5は10Vの時の入力電流のピーク値Ip4にほぼ近い値となる。
【0044】
図5(e)、図5(f)は電源電圧が2.5Vの時パルス発生器2で発生するパルス、及び、入力電流であり、パルスのHレベル期間は電源電圧が5V時のHレベル期間よりさらに長くなっている。そして、入力電流の上昇カーブも電源電圧が5Vの時よりさらに緩やかになっているが、トランジスタのオン時間がさらに長くなっているので、入力電流のピーク値Ip6は10Vの時の入力電流のピーク値Ip4にほぼ近い値となる。従って、電源電圧が変動しても入力電流のピーク値がほぼ同じ値となり、メインコンデンサへの充電時間のバラツキも少なく短時間で充電できる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように従来の周期が一定の他励式ストロボ用メインコンデンサの充電回路では充電スタートしてから、スイッチングトランジスタのオン時間をメインコンデンサの充電電圧に応じて短から長に切換えながら充電していた。そして、このオン時間の切換え制御には無駄な時間があり充電時間が長くかかっていたが、本発明の充電回路ではトランジスタがオフした後、トランスの蓄積エネルギーが二次巻線を通してメインコンデンサCmに充電電流として放出され、放出が終了した時点で一次巻線に発生するリンギング電圧を使って直ちにトランジスタをオンさせるようにしたので無駄な時間がなくなり短時間で充電できるようになる。
【0046】
また、従来の充電回路ではメインコンデンサの充電電圧に応じて入力電流を小電流から徐々に大電流へと変えながら充電していたので充電効率が悪く短時間の充電ができなかったが、本発明の回路では入力電流をいつも電源許容電流に近い値に設定しているので短時間で充電できるようになる。
【0047】
また、図1でも電源電圧の変動に対して入力電流が変動して充電効率が低下するという問題について、本発明では電源電圧の変動に対応して、トランジスタのオン時間を変えるようにしているので、入力電流のピーク値に変動がなく短時間で充電できるようになる。即ち、電源電圧が低下すればトランジスタのオン時間を長く、反対に電源電圧が高くなればトランジスタのオン時間を短く制御するため、電源電圧が変動しても、入力電流のピーク値に変動がなく短時間で充電できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のストロボ用充電回路
【図2】図1回路のタイムチャート(各部の波形)
【図3】図1回路で電源電圧が変動したときのトランジスタ駆動パルスと入力電流の波形
【図4】図1回路を電源電圧の変動に対して充電効率が低下しないように改良した充電回路
【図5】図4回路で電源電圧が変動したときの駆動パルスと入力電流の波形
【図6】従来のストロボ用充電回路
【図7】図6回路のタイムチャート(各部の波形)
【符号の説明】
1 メインコンデンサの充電電圧に応じてパルスが制御されるパルス発生器
2 リンギング電圧の検出によりパルスが制御されるパルス発生器
3 リンギング電圧を検出するためのコンパレータ
T1 トランス
Np トランスの一次巻線
Ns トランスの二次巻線
Q1 スイッチングトランジスタ
Cm メインコンデンサ
C1,C2 コンデンサ
D1 ダイオード
R1〜R7 抵抗
Vb 電源電圧
Vc 制御電源電圧
Ib 入力電流
Ip1〜Ip6 入力電流のピーク値
Cc チャージコントロール信号
G グランド
PLS パルス発生器で発生するトランジスタ駆動パルス(外部パルス)
T 駆動パルスの周期
Ton 駆動パルスのHレベル期間
Toff 駆動パルスのLレベル期間

Claims (3)

  1. トランスの一次巻線に流れる電流を外部パルスで駆動されるスイッチングトランジスタで断続し、前記トランスの二次巻線に発生する交流を整流して、メインコンデンサに充電電流を流すようにした他励式ストロボ用充電回路であって、前記充電電流が流れなくなった時に前記トランスの一次巻線に発生するリンギング電圧を検出することにより、前記外部パルスを前記スイッチングトランジスタがオンとなるレベルに切換え制御し、さらに、前記リンギング電圧の大きさが所定値に達しない間はあらかじめ切換え時間が設定された前記外部パルスにより前記スイッチングトランジスタを駆動するようにしたことを特徴とするストロボ用充電回路。
  2. 前記スイッチングトランジスタのオン時間は入力電流が電源許容電流またはそれに近い所定値になるまでの時間であることを特徴とする1項記載のストロボ用充電回路。
  3. 前記スイッチングトランジスタがオンとなるレベルを発生する前記外部パルスの時間を電源電圧に応じた長さとし、電源電圧の変動に対して入力電流のピーク値が変動しないように制御することを特徴とする1ないし2項記載のストロボ用充電回路。
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