JP4109622B2 - インプットシャフトの軸受部構造 - Google Patents
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Description
図1は実施例1の全体構成を表す概略図である。エンジン1から出力された回転は、エンジン出力軸E1を介してトルクコンバータ2に入力され、トルク増大された回転は、入力軸Input(インプットシャフトに相当する)を介して変速機構部に入力される。トルクコンバータ2はロックアップクラッチ機構を備えており、トルクの伝達効率が低下すると、エンジン出力軸E1と入力軸Inputを直結する。
第2遊星ギヤG2は、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、両ギヤS2,R2に噛み合う第2ピニオンP2を支持する第2キャリヤC2と、を有するシングルピニオン型遊星ギヤである。
第3遊星ギヤG3は、第3サンギヤS3及び第4サンギヤS4と、第3及び第4サンギヤS3,S4の各々に噛み合う第3ピニオンP3と、この第3ピニオンP3を支持する軸方向の第3キャリヤC3と、該第3キャリヤC3に接続され、両サンギヤS3,S4の間に配置されるセンターメンバCMと、第3ピニオンP3に噛み合う1つの第3リングギヤR3と、を有するダブルサンギヤ型遊星ギヤである。なお、センターメンバCMは、第3キャリヤPC3の円周上に隣接する複数の第3ピニオンP3との空間位置において、第3キャリヤC3に結合されている。
入力軸Inputの外周側には、前方から、トルクコンバータ2、内部にオイルポンプを有するO/Pカバー3(固定部に相当する)、第1遊星ギヤG1が配置されている。
この入力軸Inputは、前端部をトルクコンバータ2のインペラ部21と接続することにより、もしくはロックアップクラッチ機構により動力の入力がされ、後端部に取り付けた第1遊星ギヤG1のリングギヤ支持部からリングギヤR1へ動力を出力する。
入力軸Inputの後端は、縮径した形状にし、同軸である回転軸10の前端穴に挿入する構造にする。回転軸10では、相対回転が可能なように前端穴10a内部で入力軸Input後端を軸受ブッシュ10bで軸支する。
この2つの環状の溝11,12の外側とそれぞれの溝11,12の間には、シールリング6を取り付ける。O/Pカバー3の内穴はこのシールリング6に当接する径にする(シール面部に相当する)。入力軸Inputの2つの溝11,12に対向するO/Pカバー3内穴位置には、O/Pカバー3内部の油路の解放端をそれぞれの溝に対向させて設ける。
このシールリング6及び溝11,12を設けた部分の後方となる入力軸Input部分には、拡径した径大部15を設ける。
この径大部15に対向するO/Pカバー3の内穴部分31(軸受部に相当する)は、径大部15に対して径方向に所定の隙間を有する内穴にし、この空間に環状の軸受けブッシュ20を配置する。
実施例1では、入力軸Inputのシールリング6を取り付けた部分16と径大部15との段差部分において、径大部15の外周部分をシールリング側に張り出させて入力軸凸部17を設ける。
入力軸凸部17の内径側、言い換えるとシールリング取り付け部分16と径大部15との段差の内径側には、シールリング6取り付け部分16の外周部分を延長し、O/Pカバー凸部33を回避した形状(段差部分を奥まらせた凹形状)にした入力軸凹部18を設ける。
これにより、後方のシールリング6と軸受ブッシュ20の軸方向の位置は、オーバーラップするか、オーバーラップしないまでもより近づく位置関係となる。
1)入力軸Inputに、略同一径の複数のシールリング6を取り付ける取り付け部分16と、取り付け部分16に隣接しシールリング6の取付径よりも径大な径大部15とを設け、変速機ケースと一体的に設けられるO/Pカバー3に、シールリング6の外周と面接するシールリング6との対向部分32と、径大部15の外周と軸受ブッシュ20を介して面接する径を大きくした部分31とを設け、径大部15のシールリング6側外周面端部に、シールリング6側に延長した入力軸凸部17を形成し、径を大きくした部分31とシールリング6との対向部分32との段差面に、入力軸凸部17を回避するO/Pカバー凹部34を形成したため、シールリング6位置と軸受ブッシュ20の位置をオーバーラップもしくは、近づけることができる(請求項1に対応)。入力軸Inputは、自動変速機の中心回転軸であり、自動変速機の軸方向の長さを決める重要な基本要素である。よって、入力軸Inputの軸受構造を軸方向に短くできることは、入力軸Input自体の軸方向の長さを短くできることになり、自動変速機の軸方向の長さを短くできることになる。自動変速機は、入力軸の外周方向に複雑で点数の多い部品が配置され、それを支持する本体も大きい。よって、自動変速機において、軸方向を短くすることは、コスト低減に大きな効果をもたらすことになる。
さらに、径大部15を設けることにより、第1リングギヤR1へ動力を伝達するリングギヤ支持部4との接合部の径を大きくできる。これにより溶接等による接合部は周長を長くすることができ、強い接合強度を得ることができ、回転自体、及び回転の伝達等により接合部の単位面積当りに受ける応力を小さくすることができる。よって、接合部の不具合等が生じることがない構造で、動力を伝達できることになる。
また、O/Pカバー3の径を大きくした面部分31は、軸受ブッシュ20を介して入力軸Inputの軸受部分となるので、面の加工精度を要求される。本構造では、O/Pカバー凹部34を設けることによって、加工具の逃げ等に使用できる空間が形成されるので、軸受け面の加工精度の要求をも満たすことができる。
本構造は、上記の径大部の特徴・効果を満たすとともに、自動変速機の軸方向長さを短くでき、コストを抑制できるのである。
また、この構造では、O/Pカバー3に軸を受けるための径を大きくした部分31とシールリング6に当接する部分32が一体的に設けられることにより、コストをさらに抑制するとともに、軸を受ける部分31とシールリング6に当接する部分32との同軸等がズレなくできる。
例えば、実施例1では、入力軸Inputに入力軸凸部17と入力軸凹部18を設け、O/PカバーにO/Pカバー凸部33とO/Pカバー凹部34を設けたが、入力軸Inputに入力軸凸部17を設け、O/PカバーにO/Pカバー凹部34を設けるのみとしてもよい。また、入力軸Inputに入力軸凹部18を設け、O/PカバーにO/Pカバー凸部33を設けるのみとしてもよい。
10 回転軸
10a 前端穴
10b 軸受ブッシュ
Input 入力軸
11 (入力軸の)溝
12 (入力軸の)溝
13 (入力軸の)連通穴
14 (入力軸の)連通穴
15 (入力軸の)径大部
16 (入力軸の)シールリングを取り付けた部分
17 (入力軸の)入力軸凸部
18 (入力軸の)入力軸凹部
19 軸受ブッシュ
20 軸受ブッシュ
2 トルクコンバータ
21 インペラ部
3 O/Pカバー
31 (O/Pカバーの)径を大きくした部分
32 (O/Pカバーの)シールリングとの対向部分
33 O/Pカバー凸部
34 O/Pカバー凹部
4 リングギヤ支持部
6 シールリング
Claims (3)
- 自動変速機の変速機ケースに設けられた固定部により回転可能に支持され、エンジンからの動力を変速機構へ伝達するインプットシャフトの軸受部構造において、
前記インプットシャフトに、略同一径の複数のシールリングを取り付ける取り付け部と、前記取り付け部に隣接し前記シールリングの取付径よりも径大な径大部とを設け、
前記固定部に、前記シールリングの外周と面接する小径なシール面部と、前記径大部の外周と軸受けを介して面接する大径な軸受部とを設け、
前記径大部のシールリング側外周面端部に、前記シールリング側に延長したインプットシャフト凸部を形成し、
前記軸受部と前記シール面部との段差面に、前記インプットシャフト凸部を回避する固定部側凹部を形成したことを特徴とするインプットシャフトの軸受部構造。 - 自動変速機の変速機ケースに設けられた固定部により回転可能に支持され、エンジンからの動力を変速機構へ伝達するインプットシャフトの軸受部構造において、
前記インプットシャフトに、略同一径の複数のシールリングを取り付ける取り付け部と、前記取り付け部に隣接し前記シールリングの取付径よりも径大な径大部とを設け、
前記固定部に、前記シールリングの外周と面接する小径なシール面部と、前記径大部の外周と軸受けを介して面接する大径な軸受部とを設け、
前記シール面部の軸受部側端部に、前記軸受部側に延長した固定部側凸部を形成し、
前記径大部と前記取り付け部との段差面に、前記固定部側凸部を回避するインプットシャフト凹部を形成したことを特徴とするインプットシャフトの軸受部構造。 - 請求項1記載の自動変速機において、
前記シール面部の軸受部側端部に、前記軸受部側に延長した固定部側凸部を形成し、
前記径大部と前記取り付け部との段差面に、前記固定部側凸部を回避するインプットシャフト凹部を形成したことを特徴とするインプットシャフトの軸受部構造。
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