JP4109498B2 - スイッチ - Google Patents

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  • Micromachines (AREA)
  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信回路等に用いられるスイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、大きさが数百μm程度の微細なスイッチとして、「IEEE Microwave and Wireless Components letters,Vol.11 No8,August2001 p334」に記載されているものが知られている。
【0003】
図20は、上記文献に記載された、従来のスイッチ100の構成を示す断面図であり、図21は、従来のスイッチ100の上面図である。図20は、図21のA−A´線を断面にとって示す断面図である。このスイッチ100は、メンブレン(Switch Membrane)上に、高周波信号が伝達される信号ライン101を形成し、当該信号ライン101の直下に制御電極103を設けている。
【0004】
制御電極103に直流電位を印加すると、メンブレンが制御電極103側に静電引力により引き付けられ、撓み、基板102上に形成されている接地電極(Ground Metal)104と接触することにより、メンブレンに形成されている信号ライン101は短絡状態となり、信号ライン101を流れる信号は減衰され、遮断される。
【0005】
これに対して、制御電極103に直流電位を印加しなければ、メンブレンは撓まず、当該メンブレン上の信号ライン101を流れる信号は、接地電極104から損失することなく、スイッチ100を通過する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のスイッチ100においては、メンブレンを制御電極103側に引き付けるために必要となる直流電位の電圧は、約30[V]以上となり、このような高電圧を必要とするスイッチ100を無線装置に組み込み難いという問題を有していた。
【0007】
また、メンブレンを制御電極103に引き付けて信号を遮断する際の、信号ライン101のインピーダンスは短絡状態となることにより、高周波信号を流す場合には反射が発生するため、サーキュレータ等の部品が必要になるという問題を有していた。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、一段と低い直流電位で高速に応答でき、かつ、アイソレーションの高いスイッチを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のスイッチは、表面に複数の表面電極を有する可動体と、前記可動体の一部に設けられた第1の端子と、前記可動体の一部に設けられ、前記第1の端子との間を導通する信号を所定の外部端子に出力させる第2の端子と、を具備し、前記可動体は、前記可動体を変形させる際に支点となる複数の結合梁部を有し、前記複数の表面電極に発生する静電引力によって前記複数の結合梁部を支点にして前記可動体を変形させることにより、前記第2の端子と前記所定の外部端子との間の前記信号の通過及び遮断を切り換える構成を採る。
【0010】
この構成によれば、表面電極間に発生する静電引力によって可動体を変形させ、その変形によって可動体(又は可動体に設けられた端子)及び基板(又は基板に設けられた端子)を電気的に結合又は遮蔽するスイッチを構成することができる。また、複数の結合梁部が支点となって可動体が変形するので、複数組の表面電極のそれぞれで可動体を小さく変位させるだけで、可動体全体として大きな変位量を得ることができる。従って、一段と低い直流電位で高速に応答でき、かつ、アイソレーションの高いスイッチを実現できる。
【0011】
本発明のスイッチは、表面に複数の表面電極を有し、任意な方向に移動可能な複数の構造体と、直列に結合された前記構造体の間に設けられ、入力信号を前記構造体間で伝達し、かつ各前記構造体上の前記表面電極が少なくとも2組以上対向するように前記各構造体を結合させるとともに、前記構造体を移動させる際に支点となる結合と、各前記表面電極に制御信号を伝達するための制御信号線と、各前記構造体が直列に結合されてなる構造体群の一端側の構造体に設けられ、前記入力信号を前記一端側の構造体に入力させるとともに、前記一端側の構造体を基板に固定する入力端子と、前記構造体群の他端側の構造体に設けられ、所定の外部端子に前記入力信号を出力させる出力端子とを具備し、各前記構造体間で対向する前記表面電極に静電引力を発生させ、前記結合梁部を支点にして各前記表面電極間の相対距離を変化させることにより、前記構造体群の前記他端側を各前記表面電極間の相対距離の変化よりも大なる距離だけ変位させ、前記構造体の出力端子と前記所定の端子との間の電気的結合度を変化させることで、前記出力端子と前記所定の外部端子との間の前記入力信号の通過及び遮断を切り換える構成を採る。
【0012】
この構成によれば、表面電極間に静電引力を発生させ、この静電引力によって構造体群を変位させることにより、各構造体を小さく変位させるだけで、構造体群として大きな変位量を得ることができる。従って、一段と低い直流電位で高速に応答でき、かつ、アイソレーションの高いスイッチを実現できる。
【0013】
本発明のスイッチは、上記構成において、前記対向する表面電極の少なくとも一方が曲面を形成している構成を採る。
【0014】
この構成によれば、構造体の変位に関わらず、表面電極間にその距離が微小である部分を常に存在させるようにすることができる。これにより、常に大きな静電引力を表面電極間に発生させることができる。
【0015】
本発明のスイッチは、上記構成において、前記構造体群が2次元方向に移動する構成を採る。
【0016】
この構成によれば、一段と低い直流電位で高速に応答でき、かつ、アイソレーションの高い2次元スイッチを実現できる。
【0017】
本発明のスイッチは、上記構成において、前記構造体群が3次元方向に移動する構成を採る。
【0018】
この構成によれば、一段と低い直流電位で高速に応答でき、かつ、アイソレーションの高い3次元スイッチを実現できる。
【0021】
本発明のスイッチは、上記構成において、前記構造体群を複数並列に設けた構成を採る。
【0022】
この構成によれば、電極面積を増加させることができ、この分、導体損失を小さくすることができる。従って、スイッチの直流抵抗値を下げることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、表面電極間に発生する静電引力によって可動体を変形させ、その変形によって可動体(又は可動体に設けられた端子)及び基板(又は基板に設けられた端子)を電気的に結合又は遮蔽する高速スイッチを構成することである。
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るスイッチの構成を示す平面図である。図1に示すスイッチ1は、複数の微小構造体2a、2b及び2cによって微小構造体群3が構成され、基板上を平面方向に移動するSPDTスイッチを構成している。このスイッチ1は、半導体の集積回路上に、当該集積回路と同じプロセスで形成されているものであり、無線通信装置の送信回路、受信回路、送受信切り換え回路、又はその他の種々の装置の回路に用いられるものである。
【0032】
各微小構造体2a、2b及び2cとしては、それぞれ、固く表面に電極を形成することが可能なポリシリコン等が用いられ、シリコンの表面に絶縁膜を形成したものが用いられる。但し、本発明はこれに限らず、ポリイミド等の高分子系材料又は、低温プロセスが可能なシリコン系(SiGe、SiGeC)等を用いるようにしてもよい。このような材料によって形成された各微小構造体2a、2b及び2cは、結合梁7a及び7bによって直列に結合されている。これら直列に結合された複数の微小構造体2a、2b及び2cのうち、一端側の微小構造体2aは、基板側に設けられた基板側入力部8に結合されている。
【0033】
また、この一端側の微小構造体2aに対して結合梁7aを介して結合された微小構造体2bは、微小構造体2aとの間の結合梁7aを支点にして基板上を移動自在となっている。
【0034】
さらに、微小構造体2bに対して結合梁7bを介して結合された他端側の微小構造体2cは、微小構造体2bとの間の結合梁7bを支点にして基板上を移動自在となっている。
【0035】
従って、結合梁7a及び7bによって結合された複数の微小構造体2a、2b及び2cは、基板側入力部8に結合された一端側の微小構造体2aを支点として、他端側の微小構造体2cが基板上をその平面方向に首振り動作が可能となっている。
【0036】
各微小構造体2a、2b及び2cの長さは100[μm]程度となっており、複数の微小構造体2a、2b及び2cを直列に繋いだ微小構造体群3の全体としての長さは、500[μm]程度以下となるように形成されている。このような大きさとすることにより、大き過ぎることによる信号損失の増大を回避し得るとともに、小さ過ぎることによる移動量の減少を回避して十分なアイソレーションを確保することができる。
【0037】
因みに、この実施の形態1の場合、3つの微小構造体2a、2b及び2cによって可動体としての微小構造体群3を構成する場合について述べているが、本発明はこれに限らず、他の種々の数を適用することができる。
【0038】
微小構造体2aの微小構造体2bに対向する部分には、平面で構成された端部が形成され、この端部に表面電極5a及び5bが設けられている。また、微小構造体2bの微小構造体2aに対向する部分には、曲面で構成された端部が形成され、この端部に表面電極4a及び4bが設けられている。
【0039】
また、同様にして、微小構造体2bの微小構造体2cに対向する部分には、平面で構成された端部が形成され、この端部に表面電極5a及び5bが設けられている。また、微小構造体2cの微小構造体2bに対向する部分には、曲面で構成された端部が形成され、この端部に表面電極4a及び4bが設けられている。
【0040】
各表面電極4a、4b、5a及び5bには、それぞれ図示しない配線パターンによって制御部15から所定の制御信号線(図示せず)を介して直流電位が与えられるようになされている。従って、各微小構造体2b及び2cの一方の表面電極4a及び5aに直流電位を与え、また、他方の表面電極4b及び5bにゼロ電位を与えることにより、表面電極4a及び5a間には静電引力が発生し、微小構造体群3は、図2に示すように、微小構造体2aを支点として先端の微小構造体2cが一方の基板出力部11aに当接する方向に移動し、その微小構造体2cが基板出力部11aに当接した状態が保持される。
【0041】
このように、表面電極4a、4b、5a及び5bに与える電位によって微小構造体群3を首振り動作させることにより、この微小構造体群3をスイッチ1として用いることができる。
【0042】
すなわち、図1及び図2と同一部分に同一符号を付して示す図3及び図4に示すように、微小構造体群3に、配線パターン12を設け、また、基板側に設けられた基板側出力部11a及び11bに基板側電極10a及び10bを設けることにより、微小構造体群3が首振り動作して微小構造体群3の先端部の微小構造体2cが基板側出力部11aに当接した状態において、当該微小構造体2cの配線パターン12の先端部である出力端子12aが、基板側出力部11aの基板側電極10aに接触する。この結果、基板側に設けられた基板入力部8と基板出力部11aとが微小構造体群3を介して、電気的に結合され、基板入力部8からの信号は、基板側出力部11aに伝達される。
【0043】
因みに、表面電極4a、4b、5a及び5bとしては、金、アルミニウム、ニッケル、銅又は合金等の金属や、ポリシリコンの燐をドープして導電率を高めたもの等が用いられる。
【0044】
ここで、微小構造体群3の先端の微小構造体2cには、基板出力部11a又は11bに当接する部位の近傍に、表面電極13a及び13bが設けられている。この表面電極13a又は13bは、例えば、微小構造体2b及び2cの表面電極4a及び5aに直流電位が与えられた際に、同じ側の表面電極13aにも直流電位が与えられるようになされている。
【0045】
従って、表面電極4a及び5aに直流電位を与えることにより、微小構造体2cが基板出力部11a方向に首振り動作を行うと、その基板出力部11aに設けられているガイド用電極9aと、微小構造体2cの表面電極13aとの間に静電引力が発生することにより、微小構造体2cの首振り動作(移動動作)をガイドすることができる。これにより、微小構造体2cは、正確に基板出力部11aの所定位置に当接することとなる。
【0046】
また、微小構造体2b及び2cの表面電極4b及び5bに直流電位が与えられた際に、同じ側の表面電極13bにも直流電位が与えられるようになされている。
【0047】
従って、表面電極4b及び5bに直流電位を与えることにより、微小構造体2cが基板出力部11b方向に首振り動作を行うと、その基板出力部11bに設けられているガイド用電極9bと、微小構造体2cの表面電極13bとの間に静電引力が発生することにより、微小構造体2cの首振り動作(移動動作)をガイドすることができる。これにより、微小構造体2cは、正確に基板出力部11bの所定位置に当接することとなる。
【0048】
以上の構成において、微小構造体群3からなるスイッチ1は、微小構造体群3を複数の微小構造体2a、2b及び2cを直列に結合されていることにより、当該スイッチ1の接点となる微小構造体2cが基板出力部11a又は11bに当接する際の移動量は、その微小構造体2cに結合された微小構造体2bに対する首振り動作の移動量のみとなる。また、微小構造体2bの移動量は、当該微小構造体2bが結合された微小構造体2aに対する首振り動作の移動量のみとなる。
【0049】
このように、互いに結合された微小構造体2a、2b及び2cの微小な移動が足し合わされて、微小構造体群3の先端部に位置する微小構造体2cが大きく、基板出力部11a及び11b間を移動するようになされている。従って、各微小構造体2b及び2cについては、これらを微小な首振り動作をさせる程度の極めて小さい直流電位を表面電極4a及び5a間、又は表面電極4b及び5b間に与えるだけでよく、一段と低い直流電位で動作するスイッチ1が実現される。
【0050】
また、各微小構造体2b及び2cに設けられた表面電極4a及び4bは、曲面形状となっていることにより、図1に示した、微小構造体群3が首振り動作を行っていない中立位置にある状態、及び図2に示した、微小構造体群3が首振り動作を行っている状態のいずれにおいても、表面電極4a及び5a間、又は表面電極4b及び5b間において、常に微小なギャップが存在することとなり、これらの表面電極に直流電位を与えることにより、これらの表面電極間に常に大きな静電引力を発生させることができる。従って、さらに一段と低い直流電位でスイッチ1を動作させることができる。
【0051】
また、基板出力部11a及び11bにガイド用電極9a及び9bを設け、このガイド用電極9a及び9bによって微小構造体2cの動きをガイドすることにより、微小構造体群3が首振り動作してその微小構造体2cが基板出力部11a又は11bに当接する際の位置決め精度を向上させることができる。また、微小構造体群3の首振り動作時に、微小構造体2cの表面電極13a又は13bと、ガイド用電極9a又は9bとの間に発生する静電引力によって微小構造体2cが基板出力部11a又は11b方向に引かれることにより、スイッチ1の動作時に一段と高速な応答を可能とすることができる。また、ガイド用電極9a又は9bに与える直流電位を調整することによって、微小構造体2cと基板側電極10a又は10bとの間の接触圧を、容易に制御することができる。
【0052】
因みに、微小構造体2cの出力端子12a又は12bと基板側電極10a又は10bとをスイッチング動作時に結合させる方法としては、出力端子12a又は12bを構成する金属と、基板側電極10a又は10bを構成する金属とを直接接触させる抵抗結合(図4)、又は、微小なギャップ若しくは薄い絶縁膜を介して容量結合させる方法等を用いることができる。この場合、出力端子12a又は12bと基板側電極10a又は10bの間を微小なギャップを介して容量結合させる方法としては、図5に示すように、微小構造体2cが基板出力部11a(又は11b)に当接した状態において、微小構造体2cの出力端子12a(又は12b)と基板側電極10a(又は10b)との間にギャップが形成されるように微小構造体2cの形状を決めればよい。また、出力端子12a又は12bと基板側電極10a又は10bの間を薄い絶縁膜を介して容量結合させる方法としては、図4に示した構成において、微小構造体2cが基板出力部11a(又は11b)に当接した状態において、微小構造体2cの出力端子12a(又は12b)と基板側電極10a(又は10b)との間に絶縁膜が介挿されるように、当該絶縁膜を、微小構造体2cの表面又は基板出力部11a及び11bの表面に形成すればよい。
【0053】
このように、本実施の形態のスイッチ1によれば、一段と低い直流電位で高速にスイッチング動作させることができる。
【0054】
なお、上述の実施の形態においては、1つの微小構造体群3によってスイッチ1を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、図4との対応部分に同一符号を付して示す図6に示すように、複数の微小構造体群3を並列に並べて構成するようにしてもよい。このようにすれば、図5について上述した容量結合を行う場合に、微小構造体2cのサイズが小さいことによる結合度の低下を複数構成によって等価的に端子面積を大きくすることで回避することができるとともに、図3に示した抵抗結合を行う場合に、出力端子12aの面積が小さいことによる導体損失の増大を同様にして回避することができる。因みに、図6に示した微小構造体2a、2b及び2cは、その形状が平面円形形状のディスク状としてもよい。
【0055】
また、上述の実施の形態においては、図1〜図4に示した形状の微小構造体2a、2b及び2cからなる微小構造体群3を用いる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図7及び図8に示す形状のものを用いるようにしてもよい。すなわち、図1〜図4との対応部分に同一符号を付して示す図7及び図8は、他の実施の形態による微小構造体22a、22b及び22cを含むスイッチ20の構成を示す平面図である。
【0056】
図7は可動体としての微小構造体群23が中立の位置にある状態を示し、また図8は、微小構造体群23が移動して一方の基板出力部11aに当接した状態を示す。この図7及び図8に示す微小構造体22a、22b及び22cの形状(表面電極24a、24b、25a、25bが設けられた曲面の形状)は、表面電極24a及び25a間、表面電極24b及び25b間の各静電引力が最大となるような形状に形成されている。
【0057】
すなわち、微小構造体22cと基板出力部11a(11b)との間の間隔をD、微小構造体22a、22b又は22cの長さをL、幅を2αとする。また、図7に示すように、微小構造体群23が中立状態となっている場合の、表面電極24a及び25a間、及び表面電極24b及び25b間に生じる最大間隔をdとする。
【0058】
基板出力部11a(11b)と微小構造体の間隔Dは、このスイッチ20を流れる信号の周波数、所望とするアイソレーション及び微小構造体22cの出力端子(図3及び図4に示した出力端子12a、12bに相当)の断面積によって一意に決まるものである。この場合、出力端子の断面積を2500[μm2]、信号の周波数を5[GHz]、所望とするアイソレーションを30[dB]以上とすると、間隔Dを1[μm]以上確保すれば、実用上十分なアイソレーションを達成することができる。
【0059】
そして、各微小構造体22a、22b及び22cの最大傾斜角度θ(図8)は、θ=tan-1(d/L)で表わされる。例えば、3個の微小構造体22a、22b及び22cを直列に接続した際の、微小構造体22cの外形形状を構成する曲面の位置(以下、これを単に微小構造体22cの位置と称する)(x3、y3)は、以下の(式1)〜(式5)によって求められる。
【0060】
すなわち、図9に示すように、基板側入力部8の側に設けられた、第1の微小構造体22aを傾斜させない方向c1(θ=0)から角度θだけ傾斜させた場合の当該第1の微小構造体22aの位置(x1、y1)は、以下の(式1)によって表される。
【0061】
【数1】
Figure 0004109498
この(式1)の結果に対して、さらに、以下の(式2)によって表される計算を行うことにより、第1の微小構造体22aが角度θだけ傾斜した状態での当該第1の微小構造体22aから、傾斜させない方向c2(θ=0)に第2の微小構造体22bがあると仮定した場合の、この第2の微小構造体22bの位置(x2′、y2′)を求める。
【0062】
【数2】
Figure 0004109498
この(式2)によって表される第2の微小構造体22bの位置(x2′、y2′)に基づいて、角度2θだけこの第2の微小構造体22bを傾斜させた状態での当該第2の微小構造体22bの位置(x2、y2)を、以下の(式3)によって求める。
【0063】
【数3】
Figure 0004109498
この位置(x2、y2)は、第1の微小構造体22aが傾斜角度θだけ傾斜した状態において、この第1の微小構造体22aに対して角度θだけ傾斜した(すなわち傾斜させない方向c2から角度2θだけ傾斜した)第2の微小構造体22bの位置である。
【0064】
この(式3)の結果に対して、さらに、以下の(式4)によって表される計算を行うことにより、傾斜させない方向c2(θ=0)から角度2θだけ傾斜した第2の微小構造体22bから、さらに傾斜させない方向c3(θ=0)に第3の微小構造体22cがあると仮定した場合の、第3の微小構造体22cの位置(x3′、y3′)を求める。
【0065】
【数4】
Figure 0004109498
この(式4)によって表される第3の微小構造体22cの位置(x3′、y3′)について、傾斜させない方向c3から角度3θだけこの第3の微小構造体22cを傾斜させた状態での当該第3の微小構造体22cの位置(x3、y3)を、以下の(式5)によって求める。
【0066】
【数5】
Figure 0004109498
この位置(x3、y3)は、第1の微小構造体22aが角度θだけ傾斜するとともに第2の微小構造体22bが角度2θだけ傾斜した状態において、この第2の微小構造体22bに対して角度θだけ傾斜した第3の微小構造体22cの位置である。
【0067】
このように、図7及び図8に示す微小構造体22a、22b及び22cを用いたスイッチ20においては、図1〜図4について上述したスイッチ1と同様にして、各微小構造体22a、22b及び22cの表面電極24a、24b、25a及び25bへの所定の直流電位の印加によって静電引力を発生させることにより、微小構造体群23を首振り動作させ、これによりスイッチング動作を行うことができる。このスイッチ20の場合、各微小構造体22a、22b及び22cが、上述の(式1)〜(式5)に基づいて形成された曲面形状を有し、この曲面に表面電極24a、24b、25a及び25bが設けられていることにより、最大の静電力を生じさせることができる。
【0068】
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2に係るスイッチ30の構成を示す斜視図である。但し、図1〜図4と同一の構成となるものについては、図1〜図4と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0069】
図10に示すスイッチ30は、半導体の集積回路上に、当該集積回路と同じプロセスで形成されているものであり、無線通信装置の送信回路、受信回路、送受信切り換え回路、又はその他の種々の装置の回路に用いられるものである。このスイッチ30は、図1について上述したスイッチ1の2次元的な移動(首振り)方向と比べて、3次元方向に移動(首振り)動作する点が異なる。このスイッチ30においては、3次元方向に首振り動作を行うことを実現するために、基板入力部8側に対して3次元方向に揺動自在に支持された第1の微小構造体32aと、当該第1の微小構造体32aに対して3次元方向に揺動自在に支持された第2の微小構造体32bと、当該第2の微小構造体32bに対して3次元方向に揺動自在に支持された第3の微小構造体32cとからなる可動体としての微小構造体群33を有する。
【0070】
この微小構造体群33を構成する各微小構造体32a、32b、32cは、それぞれ略球形に形成されており、この球形の微小構造体32a、32b、32cの各表面には、それぞれ表面電極が制御電極として設けられている。
【0071】
図11は、第3の微小構造体32cの表面構成を示す斜視図である。ただし、他の微小構造体32a及び32bも、この第3の微小構造体32cと同様の構成を有するものとする。
【0072】
図11において、微小構造体32cは、その表面において、制御電極としての表面電極16a、16b、16c、…及び、17a、17b、17c、17d、…が設けられている。これらの表面電極16a、16b、16c、…及び、17a、17b、17c、17d、…に対して選択的に所定の直流電位を与えることにより、図1〜図4に上述したスイッチ1の場合と同様にして、微小構造体群33を首振り動作させることができる。
【0073】
ずなわち、図12は、スイッチ30の上面図であり、微小構造体群33の各微小構造体32a、32b及び32cの表面電極16a、16b、16c、…及び、17a、17b、17c、17d、…のうち、互いに対向する表面電極(17b及び17d、17a及び17e、16b及び16d、16a及び16e)の間に静電引力が発生するように、各表面電極16a、16b、16c、…及び、17a、17b、17c、17d、…のうちのいずれかを選択し、当該選択された表面電極に対して直流電位を与える。
【0074】
これにより、微小構造体群33は、図12において一点鎖線で示すように、制御部15から所定の制御信号線(図示せず)を介して与えられた直流電位に応じて、左右いずれかの方向に首振り動作をする。スイッチ30の基板ベース部34には、基板出力部11a及び11bが設けられており、左右方向に首振り動作した微小構造体32cが基板出力部11a又は11bに当接することにより、当該当接箇所に設けられた配線パターンの端子同士が接してスイッチング動作する。また、基板出力部11a及び11bには、基板側電極10a及び10bが設けられており、この基板側電極10a又は10bに直流電位を与えることにより、微小構造体32cを引きつける静電引力を、その微小構造体32cの表面電極との間で発生させることができる。これにより、スイッチ30を高速にスイッチング動作させることができる。
【0075】
因みに、微小構造体群33は、中立状態で保持されるような構成とされている。この構成とは、各微小構造体32a、32b及び32cの表面電極16a、16b、16c、…及び、17a、17b、17c、17d、…に対して、微小構造体群33が中立位置に保持されるような直流電圧を与える構成、又は、弾性を持った所定の支持部材(図示せず)によって微小構造体群33を支えるようにしてもよい。
【0076】
また、図13は、スイッチ30の側面図であり、微小構造体群33の各微小構造体32a、32b及び32cの表面電極16a、16b、16c、…のうち、互いに対向する表面電極(16b及び16d、16a及び16e)の間に静電引力が発生するように、各表面電極16a、16b、16c、…のうちのいずれかを選択し、当該選択された表面電極に対して直流電位を与える。
【0077】
これにより、微小構造体群33は、図13において一点鎖線で示すように、与えられた直流電位に応じて、下方向に首振り動作をする。スイッチ30の基板ベース部34には、基板出力部31が設けられており、下方向に首振り動作した微小構造体32cが基板出力部31に当接することにより、当該当接箇所に設けられた配線パターンの端子同士が接してスイッチング動作する。また、この基板出力部31には、基板側電極10cが設けられている。この基板側電極10cに直流電位を与えることにより、微小構造体32cを引きつける静電引力を、その微小構造体32cの表面電極との間で発生させることができ、これにより、微小構造体群33を下方向に首振り動作させることによるスイッチング動作を高速で行うことができる。
【0078】
なお、上述の実施の形態2においては、微小構造体群33を中立状態から下方向に首振り動作させることにより、スイッチング動作させる場合についてのべたが、本発明はこれに限らず、微小構造体群33の上方にも基板出力部を設け、微小構造体群33を上下方向に首振り動作させるようにしてもよい。
【0079】
また、上述の実施の形態2においては、微小構造体群33を左右方向及び上下方向に首振り動作させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の種々の方向に首振り動作させるようにしてもよい。このようにすれば、スイッチング動作のための方向を上下左右方向以外にも複数設定し、この方向に基板出力部を設けることにより、複数接点を切り換えるスイッチング動作を可能とすることができる。
【0080】
(実施の形態3)
図14は、本発明の実施の形態3に係るスイッチ40の構成を示す側面図である。図14に示すスイッチ40は、半導体の集積回路上に、当該集積回路と同じプロセスで形成されているものであり、無線通信装置の送信回路、受信回路、送受信切り換え回路、又はその他の種々の装置の回路に用いられるものである。そしてこのスイッチ40は、図1について上述したスイッチ1の微小構造体2a、2b及び2cに代えて、平板形状の微小構造体41a、41b、41c及び42a、42b、42cを用いて、可動体としての微小構造体群41及び42を構成している。
【0081】
微小構造体群41は、各微小構造体41a、41b及び41cを結合梁48によって結合して構成されており、その固定端部側は、基板(図示せず)上にほぼ垂直に固定された固定部45に結合され、またその可動端部側には可動部44が結合されている。また、微小構造体群42は、各微小構造体42a、42b及び42cを結合梁48によって結合して構成されており、その固定端部側が基板(図示せず)上に固定された固定部45に結合され、またその可動端部側には可動部44が結合されている。
【0082】
これにより、各微小構造体群41及び42は、基板上を水平1軸方向に伸縮自在となっている。従って、この微小構造体群41及び42の可動端部側に設けられた可動部44は、微小構造体群41及び42の伸縮に伴って、基板上を水平1軸方向に移動自在となっている。
【0083】
各微小構造体41a、41b、41c及び42a、42b、42cには、当該各微小構造体41a、41b、41c及び42a、42b、42cが縮んだ際に互いに対向する部分に、制御電極として表面電極51及び52が設けられている。そして、例えば、制御部15から所定の制御信号線(図示せず)によって表面電極51に直流電位を与えるとともに、これに対向する表面電極52に0電位を与えることにより、対向する各表面電極51及び52の間に静電引力を発生させることができる。このようにして、各表面電極51及び52の間に静電引力を発生させると、微小構造体群41及び42は、それぞれ縮むように変位する。この結果、微小構造体群41及び42の先端側に固定された可動部44が固定部45に近接する方向に引き寄せられる。
【0084】
これに対して、互いに対向する各表面電極51及び52に対して、それぞれ反発力を発生するような直流電位を与えることにより、微小構造体群41及び42は、伸びるように変位する。この結果、可動部44は、固定部45から離間する方向に移動することにより、この可動部44に設けられた信号ライン46が、基板出力部49に設けられている信号用電極47に当接することとなる。これにより、固定部45と基板出力部49とは、微小構造体群41、42、信号ライン46及びこれに当接した信号用電極47を介して電気的に導通した状態となる。因みにこの場合、微小構造体群41及び42を導電材料で構成することにより、この微小構造体群41及び42に直接信号が流れるようにしたり、又は、微小構造体群41及び42に信号を導通させるための信号ラインを別途設けるようにしてもよい。
【0085】
かくして、各表面電極51及び52に与える直流電位を切り換えることにより、微小構造体群41及び42を伸縮動作させることができ、これにより、これらの微小構造体群41及び42からなるスイッチ40をスイッチング動作させる事が可能となる。
【0086】
このように、本実施の形態のスイッチ40によれば、微小構造体群41及び42に設けられた制御電極としての表面電極51及び52に対してその間に静電引力や反発力を生じさせるような直流電位を与えることにより、各微小構造体41a、41b、41c及び42a、42b、42cの移動量は少なくしつつ、微小構造体群41及び42全体として移動量を大きくすることが可能となる。この結果、微小な直流電位で駆動させることが可能であり、かつ、高速応答及び高いアイソレーションを実現したスイッチ40を得ることができる。
【0087】
なお、上述の実施の形態3においては、信号ライン46及び信号用電極47間の電気的結合形態として、これら信号ライン46及び信号用電極47を直接接触させることによる抵抗結合を用いる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、信号ライン46及び信号用電極47間に所定のギャップを形成することにより、これらを容量結合させるようにしてもよい。
【0088】
(実施の形態4)
図15は、本発明の実施の形態4に係るスイッチ60の構成を示す側面図であり、図16は、そのスイッチ60の上面図である。図15及び図16に示すスイッチ60は、半導体の集積回路上に、当該集積回路と同じプロセスで形成されているものであり、無線通信装置の送信回路、受信回路、送受信切り換え回路、又はその他の種々の装置の回路に用いられるものである。このスイッチ60は、図1について上述したスイッチ1の表面電極4a、4b及び5a、5bによる静電引力を利用したスイッチング動作の、当該静電引力を利用する点を他の構成のスイッチに適用したものである。
【0089】
すなわち、図15及び図16において、スイッチ60は、支持部69a及び69bによって両端が支持された可動体としての両持ち梁61を有し、この両持ち梁61は、基板62と僅かなギャップを形成して設置されている。両持ち梁61の基板62側の面には、電極63が形成され、また、反対側の面には、櫛歯状電極65及び66が形成されている。
【0090】
入力信号が入力端子68aから入力され、電極63を介して出力端子68bに伝達されることにより、このスイッチ60を通過するようになされている。このとき、制御部15から所定の制御信号線(図示せず)を介して電極63に直流電位を与えると、両持ち梁61は、図17に示すように、電極63と基板側電極64との間に発生する静電力によって撓み、基板62と両持ち梁61との間のギャップが小さくなり互いに接触する。
【0091】
ここで、両持ち梁61及び基板側電極64が直流的に結合することを避けるため、基板側電極64には、薄い絶縁膜67を設けている。但し、この絶縁膜67は、両持ち梁61側に設けてもよく、また、基板62側及び両持ち梁61側の両方に設けてもよい。
【0092】
基板62と両持ち梁61との間のギャップが微小になると、両持ち梁61の電極63を伝達されている信号は、基板側電極64と電気的に結合することにより、出力端子68bには伝達されずに、基板62側に伝達される。この基板62を接地させることにより、短絡型のスイッチが構成される。因みに、基板62を接地させることに代えて、これを別の線路に接続すれば、切り換え型のスイッチを構成することもできる。
【0093】
そして、両持ち梁61を撓ませる際に、櫛歯状電極65及び66に対して、制御部15から所定の制御信号線(図示せず)を介して直流電位を与えて、互いに近接した櫛歯状電極65及び66に対して、それぞれ矢印71a及び71bで示す方向への静電引力を発生させることにより、両持ち梁61に圧縮応力を生じさせることができる。この圧縮応力は、両持ち梁61を基板62側に撓ませる力となる。この圧縮応力によって両持ち梁61を撓ませる力は、両持ち梁61と基板62との間の静電力と相まって、一段と高速に両持ち梁61を基板62側に撓ませることが可能となる。また、このようにすることにより、基板62と両持ち梁61との間の静電力のみによって両持ち梁61を撓ませる場合に比べて、スイッチ60全体として、印加電圧の低電圧化を図ることもできる。
【0094】
このように、本実施の形態のスイッチ60によれば、一段と高速にスイッチング動作を行うことが可能となる。
【0095】
(実施の形態5)
図18は、本発明の実施の形態5に係るスイッチ80の構成を示す側面図であり、図15及び図16と同一の構成となる部分については、同一符号を付して詳しい説明を省略する。図18に示すスイッチ80は、半導体の集積回路上に、当該集積回路と同じプロセスで形成されているものであり、無線通信装置の送信回路、受信回路、送受信切り換え回路、又はその他の種々の装置の回路に用いられるものである。このスイッチ80は、図1について上述したスイッチ1の表面電極4a、4b及び5a、5bによる静電引力を利用したスイッチング動作の、当該静電引力を利用する点を他の構成のスイッチに適用したものである。
【0096】
図18において、スイッチ80は、支持部89によって一端が支持された可動体としての片持ち梁81を有し、この片持ち梁81は、基板82と僅かなギャップを形成して設置されている。片持ち梁81の基板82側の面には、電極83が形成され、また、反対側の面には、櫛歯状電極65及び66が形成されている。この櫛歯状電極65及び66は、図16について説明したものと同様のものである。
【0097】
入力信号が入力端子88aから入力され、電極83を介して出力端子88bに伝達されることにより、このスイッチ80を通過するようになされている。このとき、制御部15から所定の制御信号線(図示せず)を介して電極83に直流電位を与えると、片持ち梁81は、電極83と基板側電極84との間に発生する静電力によって撓み、基板82と片持ち梁81との間のギャップが小さくなり互いに接触する。
【0098】
ここで、片持ち梁81及び基板側電極84が直流的に結合することを避けるため、基板側電極84には、薄い絶縁膜87を設けている。但し、この絶縁膜87は、片持ち梁81側に設けてもよく、また、基板82側及び片持ち梁81側の両方に設けてもよい。
【0099】
基板82と片持ち梁81との間のギャップが微小になると、片持ち梁81の電極83を伝達されている信号は、基板側電極84と電気的に結合することにより、出力端子88bには伝達されずに、基板82側に伝達される。この基板82を接地させることにより、短絡型のスイッチが構成される。因みに、基板82を接地させることに代えて、これを別の線路に接続すれば、切り換え型のスイッチを構成することもできる。
【0100】
そして、片持ち梁81と基板側電極84とを引き離す際に、櫛歯状電極65及び66に対して、直流電位を与えて、互いに近接した櫛歯状電極65及び66に対して、それぞれ矢印91a及び91bで示す方向への静電引力を発生させることにより、片持ち梁81に当該片持ち梁81を撓ませるような圧縮応力を生じさせる。この圧縮応力は、片持ち梁81を基板82から引き離す力となる。この圧縮応力によって片持ち梁81を撓ませる力は、片持ち梁81の本来有する復元力と相まって、一段と高速に片持ち梁81を基板82(基板側電極84)から引き離すことを可能にする。
【0101】
このように、本実施の形態のスイッチ80によれば、一段と高速にスイッチング動作を行うことが可能となる。
【0102】
なお、上述の実施の形態5においては、平板状の片持ち梁81を用いる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、図18と同一部分に同一符号を付した図19に示すように、カール状の片持ち梁95を用いたスイッチ90としてもよい。このように本来の片持ち梁95の形状として、図19に示すようなカール状の状態となっているものを用いることにより、基板側電極84と電極83との間の静電力によって片持ち梁95が基板82側に接した状態において、櫛歯電極65及び66に直流電圧を与えることにより片持ち梁95を基板82から引き離す際に、そのカール状ゆえの強い復元力によって一段と高速に、片持ち梁95を基板82から引き離すことができる。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、微小な構造体で構成される微小構造体群を用い、各構造体を僅かに移動させることによって、群としては大きな移動量を得ることができる。また、これにより、個々の微小構造体の制御電極に印加する直流電位を小さくすることができる。かくして、高速に応答でき、かつアイソレーションの高いスイッチであって、小さな直流電圧で動作するスイッチを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るスイッチの構成を示す平面図
【図2】本発明の実施の形態1に係るスイッチの構成を示す平面図
【図3】本発明の実施の形態1に係るスイッチの構成を示す平面図
【図4】本発明の実施の形態1に係るスイッチの構成を示す平面図
【図5】本発明の実施の形態1に係るスイッチの構成を示す部分平面図
【図6】本発明の実施の形態1に係るスイッチの変形例を示す平面図
【図7】本発明の実施の形態1に係るスイッチの変形例を示す平面図
【図8】本発明の実施の形態1に係るスイッチの変形例を示す平面図
【図9】本発明の実施の形態1に係るスイッチの変形例の動作原理を示す略線図
【図10】本発明の実施の形態2に係るスイッチの構成を示す斜視図
【図11】本発明の実施の形態2に係るスイッチの微小構造体を示す斜視図
【図12】本発明の実施の形態2に係るスイッチの構成を示す上面図
【図13】本発明の実施の形態2に係るスイッチの構成を示す側面図
【図14】本発明の実施の形態3に係るスイッチの構成を示す側面図
【図15】本発明の実施の形態4に係るスイッチの構成を示す側面図
【図16】本発明の実施の形態4に係るスイッチの構成を示す上面図
【図17】本発明の実施の形態4に係るスイッチの構成を示す側面図
【図18】本発明の実施の形態5に係るスイッチの構成を示す側面図
【図19】本発明の実施の形態5に係るスイッチの変形例の構成を示す側面図
【図20】従来のスイッチの構成を示す断面図
【図21】従来のスイッチの構成を示す上面図
【符号の説明】
1、20、30、40、60、80、90 スイッチ
2、22、32 微小構造体
3 微小構造体群
4、5、51、52 表面電極
8 基板側入力部
9 ガイド用電極
11 基板側出力部
15 制御部
61 両持ち梁
65、66 櫛歯状電極
81、95 片持ち梁

Claims (6)

  1. 表面に複数の表面電極を有する可動体と、
    前記可動体の一部に設けられた第1の端子と、
    前記可動体の一部に設けられ、前記第1の端子との間を導通する信号を所定の外部端子に出力させる第2の端子と、を具備し、
    前記可動体は、前記可動体を移動させる際に支点となる複数の結合梁部を有し
    前記複数の表面電極間に発生する静電引力によって前記複数の結合梁部を支点にして前記可動体を変形させることにより、前記第2の端子と前記所定の外部端子との間の前記信号の通過及び遮断を切り換えることを特徴とするスイッチ。
  2. 表面に複数の表面電極を有し、任意な方向に移動可能な複数の構造体と、
    直列に結合された前記構造体の間に設けられ、入力信号を前記構造体間で伝達し、かつ各前記構造体上の前記表面電極が少なくとも2組以上対向するように前記各構造体を結合させるとともに、前記構造体を移動させる際に支点となる結合と、
    各前記表面電極に制御信号を伝達するための制御信号線と、
    各前記構造体が直列に結合されてなる構造体群の一端側の構造体に設けられ、前記入力信号を前記一端側の構造体に入力させるとともに、前記一端側の構造体を基板に固定する入力端子と、
    前記構造体群の他端側の構造体に設けられ、所定の外部端子に前記入力信号を出力させる出力端子と、
    を具備し、
    各前記構造体間で対向する前記表面電極に静電引力を発生させ、前記結合梁部を支点にして各前記表面電極間の相対距離を変化させることにより、前記構造体群の前記他端側を各前記表面電極間の相対距離の変化よりも大なる距離だけ変位させ、前記構造体の出力端子と前記所定の端子との間の電気的結合度を変化させることで、前記出力端子と前記所定の外部端子との間の前記入力信号の通過及び遮断を切り換えることを特徴とするスイッチ。
  3. 前記対向する表面電極の少なくとも一方が曲面を形成していることを特徴とする請求項2記載のスイッチ。
  4. 前記構造体群が2次元方向に移動することを特徴とする請求項2記載のスイッチ。
  5. 前記構造体群が3次元方向に移動することを特徴とする請求項2記載のスイッチ。
  6. 前記構造体群を複数並列に設けたことを特徴とする請求項2記載のスイッチ。
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