JP4887466B2 - Memsスイッチおよびそれを用いた通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、微小電気機械素子の一つである、MEMSスイッチおよびそれを用いた通信装置に関する。
微小電気機械素子(Micro Electro Mechanical Systems、以下「MEMS」と略すことがある)は、無線技術、光学技術、加速度センサ、およびバイオなど、多くの分野において多様な機能を発揮し得る。MEMSは、とりわけ無線端末用のスイッチおよびフィルタなどの素子に適用するのに適している。
無線端末などの情報通信機器の普及が進むにつれて、一つの無線端末で各種通信方式に対応した小型端末の実現が望まれている。また、最近では、端末の筐体内に内蔵されるスイッチなどの受動部品数が増加する傾向にあるため、受動部品の小型化もまた望まれている。
これらの要望に応える部品として、MEMS技術を利用して作製される高周波微小電気機械(RF−MEMS)スイッチが有望視されている。RF−MEMSスイッチとは、微小な可動電極を動かし、機械的に信号の伝播経路を切り替えるスイッチである。その利点は、超低挿入損失、高アイソレーション、および線形性等の高周波特性が優れていることである。また、MEMSスイッチは、半導体と親和性の良いプロセスで製造可能であるため、スイッチをRF−ICに内蔵することも可能である。これらの理由により、MEMSスイッチの開発は、無線部分(wireless segment)の小型化に大きく貢献する技術として期待されている。
従来のRF−MEMSスイッチは、メンブレン(membrane)状または棒状の両持ちもしくは片持ち梁構造の可動体を電極に接触させる、あるいは離間させることにより、機械的に信号の伝搬経路を切り替える。従来のRF−MEMSスイッチの多くは、可動体の駆動力源として、静電気力を用いている。他の駆動力源として電磁気力を用いたRF−MEMSスイッチも提案されている。
RF−MEMSスイッチの一つの型として、シリーズ型スイッチがある。シリーズ型RF−MEMSは、可動電極と駆動電極とを有し、可動電極においては、高周波信号が伝達される信号線路の延長上に位置し、信号電極から離間した長さ数百μm程度の微細なメンブレンが形成されている。可動電極の先端はオープン状態となっている。当該可動電極のメンブレンが位置しない部分の直下には駆動電極が設けられている。駆動電極に直流電位を印加すると、可動電極が駆動電極側に静電引力により引き付けられて撓み、信号を出力する信号線路と接触する。信号線路間はショート状態となり、高周波信号は可動電極を介して流れる(即ち、ON状態となる)。駆動電極に直流電位を印加しない状態では、可動電極と信号線路は接触せず、高周波信号は遮断される(即ち、OFF状態となる)。
図7および図8を参照して、従来のシリーズ型MEMSスイッチの構成の一例を説明する。図7は、従来のMEMSスイッチの一例の構成を示す上面図であり、図8は、図7におけるA−A’断面を示す横断面図である。
図示するMEMSスイッチ500においては、基板510上に層間絶縁膜となる絶縁層509が設けられ、絶縁層509の上に、駆動電極502、および信号の伝送路となる信号電極504が形成されている。これらの電極と対向し、これらの電極から離間するように、支持部505により支持された、接触電極503(メンブレン)を有する可動電極501が設けられている。可動電極501は、変形可能な部材であり、接触電極503から見て片側にのみ形成されている(即ち、片持ち梁である)。この構成のスイッチは、可動電極501と駆動電極502との間に静電気力を作用させて、接触電極503を信号電極504に電気的に接触させることにより、ONとなる。
また、微小電気機械素子である別の形態のスイッチとして、静電型リレーが、特許文献1に開示されている。特許文献1に記載のスイッチは、弾性的に支持された可動電極を静電気力に基づいて固定電極に面接触させる構成である。
国際公開第WO01/82323号
現在のところ、スイッチのON状態の低挿入損失を実現するためには、信号の伝搬する接点の接触抵抗を低く維持する必要がある。しかし、接触抵抗は、電極を構成する金属の表面に形成される酸化皮膜および電極表面の汚染により、高くなり、そのことが接点の信頼性の低下を招くという問題がある。酸化皮膜および汚染領域は、例えば、金属表面を擦る、および突刺す等して得られる、機械清浄効果を利用して、物理的に取り除く、または破ることが可能である。機械的清浄効果は、電気的接点が形成される際に加わる物理的な力によって得られる。しかし、そのような機械清浄効果が十分に得られない場合には、駆動電圧を高くして接触力を高くし、より高い機械清浄効果およびより低い接触抵抗を得る必要がある。このことは、スイッチにおいてより多くの電力が消費されることを意味する。また、接点の信頼性は、接点を形成した後、接点を分離することが困難となるスティクション(引っ付き現象)によっても低下する。駆動電圧を高くすると、このスティクションが発生しやすくなる。
特許文献1に記載された構成のスイッチにおいては、接点の両側に固定電極が存在するため、接触電極503と信号電極504とは面接触となる。面接触方式のスイッチにおいては、スティクション(引っ付き現象)による信頼性の低下という課題が発生し易くなる。さらに、特許文献1のスイッチは、一つの駆動電極および一つの制御信号で静電型アクチュエータを駆動させ、接点を一軸方向に押し付けて金属接合を形成する構成であるため、機械清浄効果を得るには、大きな接触力、即ち、大きな駆動電圧が必要である。
本発明は前記実情に鑑みてなされたものであり、高信頼性の接点形成の可能なMEMSスイッチを提供することを目的とする。
可動電極と、
前記可動電極に対向し、かつ前記可動電極から離間して形成された信号電極と、
前記可動電極に対向し、かつ前記可動電極から離間して形成された対向電極とを有し、
前記可動電極と、対向電極との間に発生させた静電気力によって、前記可動電極と前記信号電極との間で電気的接点を形成し得る、MEMSスイッチであって、
前記可動電極と前記対向電極との間で静電気力を発生させるための電圧を、前記可動電極および前記対向電極のいずれか一方に印加するようになっており、
前記電圧が印加される電極が、複数に分割されており、
分割されたそれぞれの電極に電圧を印加することが時間差をもって行われる、
MEMSスイッチを提供する。
本発明のMEMSスイッチは、可動電極、および可動電極との間で静電気力を発生する対向電極のうち、いずれか一方を複数に分割し、分割されたそれぞれの電極への電圧の印加が時間差をもって行われることを特徴とする。そのような電圧の印加は、分割された電極それぞれへの制御信号の入力を、独立して行うことによって可能となる。電圧の印加に時間差を設けると、可動電極と信号電極の間の接点形成の際に、可動電極をスライドさせることができ、それにより機械清浄効果が得られ、繰り返し動作における接点形成の安定化を実現することができる。
よって、本発明のMEMSスイッチは、低駆動電圧において、低接触抵抗および低挿入損失を実現する高信頼性の接点形成を実現することができる。
電圧は、スイッチの応答時間と略同じ時間差をもって、分割された電極に印加されることが好ましい。時間差をスイッチの応答時間と略同じとすることによって、より高い機械的清浄効果を得ることができる。
本発明のMEMSスイッチにおいて、複数に分割された電極は、電気的接点に対して対称となるように配置されていることが好ましい。それにより、より高い機械的清浄効果を得ることができる。
本発明のMEMSスイッチにおいては、可動電極を第1の電極、信号電極を第2の電極とした場合に、対向電極が2つに分割されて、第3の電極と第4の電極を形成していることが好ましい。対向電極を分割することは、可動電極を分割することと比較して、より容易な回路設計および製造を可能にする。また、対向電極を2つに分割することにより、電圧が時間差をもって印加される電極を、電気的接点に対して対称となるように配置することが容易となる。
第3の電極と第4の電極を有するMEMSスイッチにおいては、第1の電極と第3の電極および/または第4の電極との間で接点を形成し得る凸部が、第1の電極、第3の電極および第4の電極から選択される一または複数の電極に設けられていることが好ましい。当該凸部の存在により、第1の電極と第2の電極との間で電気的接点が形成されたときに、第1の電極と、第3の電極および/または第4の電極との間にギャップが形成される。そのため、第1の電極と第2の電極が電気的に一旦接触した後も、第1の電極が有するバネ力に加え、第1の電極と第3の電極および/または第4の電極との間で作用する静電気力によって、高い接触力を維持することが可能となる。
前記凸部は、前記電気的接点が形成されているときに、前記第1の電極と、前記第3の電極および/または前記第4の電極とが直接接触しないように、数および位置を選択して形成することが好ましい。それにより、ギャップの領域を増大させることができ、その結果、静電容量が増大し、第1の電極と第2の電極とが接触している状態の電気的接点の保持に寄与する静電気力を増大させることができる。
本発明のMEMSスイッチにおいて、前記凸部が複数個設けられている場合には、前記複数個の凸部が、前記電気的接点から延びる複数の放射線上にそれぞれ1つずつ設けられていることが好ましい。その場合、前記複数個の凸部と前記電気的接点との距離がそれぞれ等しくなるように、前記複数個の凸部が配置されることがより好ましい。即ち、複数の凸部は、電気的接点を中心とする円上に配置されることがより好ましい。複数の凸部を複数の放射線上にそれぞれ1つずつ設けることにより、凸部が二次元的に配置され、電気的接点と凸部とによって囲まれる領域に架橋される可動電極が、長さのみならず幅を有することにより、可動電極のバネ力を増大させることが可能となる。また、複数の凸部をこのように配置することによって、前記第1の電極と、前記第3の電極(第4の電極が設けられる場合には、第3の電極および/または第4の電極)との間のギャップを、電気的接点が形成されている間、確保することができる。
前記凸部が第1の電極および/または第3の電極に複数形成されているときには、上から(即ち、第1の電極と第2の電極とが電気的接点を形成するときに、第1の電極が移動する(撓む)方向から)見たときに、第1の電極と第2の電極との電気的接点と凸部とによって囲まれる領域の面積が、第1の電極と第3の電極との間で静電気力が作用する面積の20%以上となるように、凸部の数および位置が選択されることが好ましい。電気的接点と凸部とによって囲まれる領域が大きいほど、第1の電極と第2の電極とが接触している状態の電気的接点の保持に寄与する静電気力を増大させることができる。本発明のMEMSスイッチにおいて、前記凸部が第1の電極および/または第4の電極に複数形成されているときも、凸部は、同様に形成されることが好ましい。
前記第3の電極および前記第4の電極は、上から見たときに前記電気的接点を挟むように配置されていることが好ましく、前記電気的接点を中心線として対称となるように配置されていることがより好ましい。その構成により、より高い機械的清浄効果が得られる。また、この構成により、電気的接点全体に偏りの無い均一な接触力を加えることが可能であり、接触力の分散を回避することができる。
前記第3の電極および前記第4の電極を有し、かつ前記凸部が設けられている場合において、前記電気接点における前記第1の電極は、前記凸部における前記第1の電極よりも高い位置にあることが好ましい。本構成により、接触後に、バネ力による接触力をも維持することが可能となる。
本発明のMEMSスイッチにおいて、前記可動電極(第1の電極)は両持ち梁(fixed-fixed beam)であることが好ましい。前記第1の電極が両持ち梁であり、両端が固定された構造であると、電圧の印加に時間差を設けて、可動電極の撓みの発生に時間差を生じさせたときに、一方の側に引っ張られていた可動電極が、他方の側の固定部によって確実に引っ張られる。それにより、信号電極(第2の電極)表面における可動電極のスライドがより確実に生じる。
本発明はまた、前記本発明のMEMSスイッチを有する通信用機器を提供する。本発明の通信用機器は、スイッチの高信頼性および低挿入損失に起因して、信頼性が高く、また、低電力で駆動可能となる。
本発明のMEMSスイッチは、従来実現困難であった高信頼性の電気的接点の形成を実現する。
本発明の実施の形態1におけるMEMSスイッチの構成を示す上面図 図1におけるA−A’断面を示す図であり、OFF状態のMEMSスイッチの構成を示す横断面図 図1におけるA−A’断面を示す図であり、ON状態のMEMSスイッチの構成を示す横断面図 図1におけるA−A’断面を示す図であり、ON状態の電気的接点近傍の横断面図 図1におけるA−A’断面を示す図であり、第1の電極と第3の電極との間にのみ駆動電圧が印加されている状態を示す横断面図 図1におけるA−A’断面を示す図であり、第1の電極と、第3の電極および第4の電極との間に駆動電圧が印加されている状態を示す横断面図 従来のMEMSスイッチの構成を示す上面図 図7におけるA−A’断面を示す横断面図 本発明の実施の形態2におけるMEMSスイッチの構成を示す横面図 本発明の実施の形態3におけるMEMSスイッチの構成を示す上面図 図10におけるA−A’断面を示す図であり、OFF状態のMEMSスイッチの構成を示す横断面図 図10におけるA−A’断面を示す図であり、ON状態のMEMSスイッチの構成を示す横断面図 本発明の実施の形態4におけるMEMSスイッチの構成を示す横断面図
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるMEMSスイッチの構成を示す上面図であり、図2は、図1におけるA−A’断面を示しており、MEMS素子のOFF状態の構成を示す横断面図であり、図3は、図1におけるA−A’断面を示しており、MEMSスイッチのON状態の構成を示す横断面図である。
図1乃至図3に示すMEMSスイッチ100はシリーズ型である。このスイッチにおいては、基板110上に層間絶縁膜となる絶縁層109が設けられ、絶縁層109の上に、駆動電極1021および1022、ならびに信号の伝送路となる第2の電極としての信号電極104が設けられている。これらの電極と対向し、これらの電極から離間するように、2つの支持部105により架橋された、第1の電極としての両持ち梁型の可動電極101が設けられている。可動電極101は、変形可能な部材であり、可動部と呼ぶこともできる。可動電極101には、信号電極104と接触する接触電極103と、駆動電極1021、1022と接触する凸部106(106A、106B)とが設けられている。
この実施の形態においては、第1の電極である可動電極との間で静電引力を発生する対向電極が分割されて、電圧が印加される駆動電極1021および1022を形成している。よって、駆動電極1021および1022はそれぞれ、第3の電極および第4の電極に相当する。駆動電極は、可動でないことから、固定電極と呼ばれることもある。
次に、MEMSスイッチ100におけるスイッチングの仕組みを説明する。
スイッチがOFFの状態においては、可動電極101と駆動電極1021、1022との間に駆動電圧Vd1およびVd2は印加しない。可動電極101は変位していない初期位置にあり、接触電極103は信号電極104と接触していない状態にある。したがって、入力ポート側(IN)と出力ポート側(OUT)の信号電極104の間には信号の導通経路は形成されない。より具体的には、信号電極104と接触電極103の間にエアーギャップを介して形成された静電容量Cは小さい値となるので、高周波信号が伝播する場合、交流的にインピーダンスの高い状態となる。このため、高周波信号の電力は大きく減衰し、入力ポート側と出力ポート側の信号電極104の間を高周波信号が伝播できない状態となる。
スイッチをONの状態とするときには、可動電極101と駆動電極1021、1022との間に駆動電圧Vd1およびVd2がそれぞれ印加される。それにより静電気力が作用して、可動電極101が基板110側に引き込まれ、接触電極103と信号電極104とが電気的に接触する。接触電極103と信号電極104との間の接触が、金属接触による抵抗結合型である場合、抵抗Rが低い値となり、信号の導通経路が形成され、信号は入力ポート側の信号電極104から出力ポート側の信号電極104へと接触電極103を介して伝播する。
ON状態からOFF状態に切り替える場合、可動電極101の電位と駆動電極1021、1022の電位を同じにして静電気力を排除し、可動電極101は自己の持つバネ力により初期位置に戻る。このようにして信号の伝播経路の開閉を行う。
図4は、図1におけるA−A’断面を示しており、本実施の形態のMEMSスイッチがON状態にあるときの接点近傍の横断面図である。
ON状態においては、可動電極101上に設けられた凸部106Bが、浮き島電極1026と接触する。浮き島電極1026は、駆動電極1021、1022と同じ材料からなる同じ厚さの層であって、かつスリット1020により、駆動電極1021、1022とは物理的および電気的に分離された部分である。浮き島電極1026の存在により、可動電極101と駆動電極1021、1022とが同電位となることは無く、静電気力を維持することができる。また、スリット1020により浮き島電極1026を形成する方法によれば、駆動電極1021、1022と同一の層に、1つの工程で浮き島電極1026を形成することが可能であるため、製造工程の簡素化を実現することが可能となる。また、浮き島電極1026を形成することにより、凸部106を接触電極103と同じ材料で形成することが可能となり、その点においても、製造工程の簡素化を実現することが可能となる。
接触後の可動電極101のバネ定数は、複数個設けられた凸部106および接触電極103の間に架橋された領域で決定され、領域が狭くなるためバネ定数は初期位置の状態と比較して大きくなる。接触後に可動電極101と駆動電極1021、1022が第2のプルインにより接触しないよう、接触後の可動電極101のバネ力が静電気力より大きくなるよう凸部106および接触電極103の配置を設定する。そのような配置により、接触後に可動電極101と駆動電極1021、1022の間にギャップが形成され、凸部106により点接触する形となる。そのことは、可動電極101と駆動電極1021、1022とが直接接触することによる接触界面のチャージングを回避できる。また、可動電極101と駆動電極1021、1022との間のスティクションを回避することを可能にする。
バネ力による接触力が電気的接触点を形成した後も作用するように、接触電極103の高さは、ギャップの高さより高く設定する。即ち、基板110から見て、接触電極の設けられた可動電極101の位置が、凸部の設けられた可動電極101の位置よりも高くなるように、接触電極103の高さ(または厚さ)および凸部106の高さ(または厚さ)を選択することが好ましい。一般に、可動電極101の厚さは一定であるから、接触電極103の高さが凸部106の高さよりも大きくなるようにすることが好ましい。凸部106Bと接触電極103との間に架橋された長さlの可動電極101は、高さの差Δz分だけ、撓みバネ定数kに依存するバネ力F=kΔzを、接触電極103と信号電極104との接点に加える。また、可動電極101と駆動電極1021、1022との間にギャップが形成されて、静電気力Fが加わり続ける構成となっているため、接点には接触力F=F+Fが加わる。ここで、可動電極101の長さlは、可動電極101の側縁のx座標と、複数の凸部の側縁のx座標のうち可動電極101の側縁のx座標に最も近いものとの間の差(即ち、x方向の距離)を指していることに留意されたい。
本実施の形態の構成により、接触後も、バネ力(または弾性力)に加え、静電気力により高い接触力を維持することが可能となり、低駆動電圧において低接触抵抗および低挿入損失を実現する高信頼性の接点形成を実現することができる。
次に、本実施の形態のMEMSスイッチにおいて、第3の電極としての駆動電極1021への制御信号の入力を、第4の電極としての駆動電極1022への制御信号の入力と時間差を有するように行うときのスイッチの状態を、具体的に説明する。図5および6は、図1におけるA−A’断面を示す、横断面図であり、2つの駆動電極に制御信号を独立して入力したときの状態を説明している。このようなMEMSスイッチ100におけるスイッチングの仕組みを説明する。
スイッチをONの状態とするために、可動電極101と駆動電極1021および1022との間にそれぞれ駆動電圧Vd1およびVd2を印加する制御信号を駆動電極1021および1022に送る。この形態においては、先ず、駆動電極1021に電圧を印加する制御信号が送られ、それから一定時間後に、駆動電極1022に電圧を印加する制御信号が送られる。駆動電極1021に電圧を印加する制御信号が送られると、可動電極101が駆動電極1021の側へ引き込まれ、接触電極103の駆動電極1021に近い側が、まず信号電極104に接触し、それから接触電極103が駆動電極1021の方に向かって(即ち、図5中、矢印で示す方向へ)信号電極104上をスライドする。
次に、駆動電極1022に電圧を印加すると、可動電極101が駆動電極1022の側に引き込まれ、接触電極103は、駆動電極1022側に(即ち、図6中、矢印で示す方向へ)スライドする。凸部106が駆動電極1022に接触すると、最終的に、接触電極103の全体が信号電極104に向かって下向きに力を加える。このように、2つの駆動電極に与える制御信号の入力に時間差を設けることにより、可動電極101を非対称に接触させ、接触電極103を信号電極104上でスライドさせながら、接点を形成することが可能である。
図示した形態においては、駆動電極1021に電圧を印加したときに、可動電極101と駆動電極1021が広い面積で接触することなく、凸部106のみが駆動電極(図示した形態では浮き島電極1026)に接触している。即ち、可動電極101と駆動電極1021との接触面積は小さく、したがって、基板110表面と水平な方向において両者の間で生じる摩擦力は小さい。そのため、駆動電極1022に電圧を印加したときに、可動電極101と駆動電極1021との間の摩擦力に起因する、可動電極101の駆動電極1022への引き込みの阻害が低減され、接触電極103を信号電極104上でスライドさせることが容易となる。
なお、駆動電極1021および1022に電圧を印加する時間差は、スイッチの応答時間と同程度であることが好ましい。そのような時間差で電圧を印加すると、駆動電極1021による駆動がほぼ完了して、可動電極101が非対称に変形した状態から、可動電極101が駆動電極1022側へ引き込まれるので、接触電極103を信号電極104上でスムーズにスライドさせることができる。スイッチの応答時間は、スイッチが組み込まれる機器の用途に応じて異なり、一般に数μ秒〜数百μ秒である。時間差が小さすぎると、接触電極103が十分にスライドしないことがある。時間差が大きすぎると、非対称に変形した状態の可動電極101を変形させる(即ち、図5の状態から図6の状態にする)ことが困難となることがある。
ON状態からOFF状態に切り替える場合、可動電極101と駆動電極1022を同電位とした後に、可動電極101と駆動電極1021を同電位として、静電気力を排除する。その結果、可動電極101は、自己の持つバネ力により、元の初期位置に戻る。OFF状態への切り替えの際にも、2つの駆動電極に与える制御信号に時間差を設けることによって、可動電極101を非対称に復元させて、接触電極103を信号電極104上でスライドさせながら、接触電極103を信号電極104から離して、電気的接触を解除する。即ち、電気的接触を解除する際にも、機械清浄効果が得られ、次の電気的接触のときに、良好な電気的接触を得ることが可能となる。このようにして信号の伝播経路の開閉を行うことにより、接触電極103と信号電極104との接触および離間の際の接触電極103のスライド作用により、接点を、繰り返し、安定に且つ低接触抵抗で形成することができる。
この形態において、可動電極101は、その両端が固定された両持ち梁構成である。可動電極が両持ち梁構成であると、図5に示すように、可動電極101が左側に引っ張られた後、右側に確実に引っ張られる。よって、接触電極103は、図5に示すように、左側にスライドした後、右側へ、より確実にスライドして、高い機械清浄効果が得られる。
また、本実施の形態の構成は、高い接触力を電気的接点で得ることを可能にし、もってMEMSスイッチにおける、接触電極103と信号電極104との物理的な接触面積を減少させることができる。そのことはスティクションによる信頼性低下を回避することを可能にする。
図1に示すように、この形態において、駆動電極1021、1022は、接触電極103を挟むように配置される。即ち、駆動電極1021、1022は、信号電極104と平行な方向(図において上下方向)を長さ方向とし、これに直交する方向を幅方向としたときに、接触電極103の両側部に配置される。さらに、図示した形態において、駆動電極1021、1022は、信号電極104とこれをつなぐ接触電極103を中心線として対称に配置されている。そのような配置により、ON状態(図6に示す状態)で接触電極103と信号電極104の間の接点全体に偏りの無い均一な接触力を加えることが可能であり、接触力の分散を回避することができる。
図示した形態において、凸部106は、上から見たときに、信号電極104とこれをつなぐ接触電極103を中心線として、対称となるように配置されている。そのような配置は、接触電極103の両側に形成されるギャップを対称なものとし、接触電極103の両側にて、電気的接点に偏りの無い均一な接触力を加えることに寄与する。凸部106は、必要に応じて、非対称となるように配置してよく、あるいは、一方の駆動電極のみと対向するように配置されてよい。
図示するように、凸部106は、複数個設けられ、各凸部106と電気的接点との距離がそれぞれ等しくなるように、互いに異なる位置に配置されることが好ましい。図示した形態においては、駆動電極1021および1022と接触する凸部106が設けられており、各凸部106が電気的接点を中心とする円の上に配置されている。電気的接点と凸部との距離は、図示するように、電気的接点および凸部が面接触している場合には、信号電極103の中心と、凸部106との間の距離をいう。このように凸部を配置すると、電気的接点と凸部とによって囲まれる領域に架橋される可動電極101が、x方向のみならずy方向にも支持されることによりバネ力が増大し、可動電極101の駆動電極1021、1022への引き込みを回避できる。そのため、可動電極101と駆動電極1021、1022との間のギャップを確保することができる。
凸部106は、上から見たときに、電気的接点(図示するように、面接触している場合には、面接触(信号電極103))の中心と、凸部(凸部の中心)とを直線で結んで形成される領域(図1において一点鎖線で囲まれる領域)の面積が、可動電極101と駆動電極1021との間で静電気力が作用する面積の20%以上となるように、設けることが好ましい。それにより、接触後に、凸部106と接触電極103の間に架橋する可動電極101と、駆動電極1021、1022とにより形成されるギャップ領域が、広く確保される。ギャップ領域を広げることにより可能電極101のバネ力が低下し、また、ギャップ領域の可動電極101と駆動電極1021、1022の対向面積が大きくなり静電気力が増大する。それにより接触後においても、接点に静電気力を加え続けることが可能となる。
例えば、図示した形態において、2つの駆動電極の面積が合わせて1mm2、駆動電圧7V、可動電極の厚さが8μmであって、接触電極103が信号電極104に接触した後で、駆動電極と可動電極との間で0.2μmのギャップが形成されるようにする場合、電気的接点から各凸部までの距離を最大0.3mmに設定することができる。この場合、電気的接点と凸部で囲まれた領域の面積の合計は0.23mm2となり、可動電極と駆動電極との間で静電気力が作用する面積の23%となる。
凸部106の数および位置は、可動電極101の物性および寸法等を考慮して、選択される。凸部は、好ましくは、電気的接点の近傍に位置せず、かつ駆動電極1021、1022の周縁部に位置するように設けられる。それにより、可動電極101と駆動電極1021との間で静電気力が作用する領域の面積を広くすることができる。この実施の形態においては、上から見たときに略三角形である駆動電極1021、1022の略頂点に凸部106を配置して、電気的接点と凸部とが囲む領域が、できるだけ広くなるようにしている。その結果、ギャップの領域が広くなって、静電容量が増大し、それにより接触後に接触電極103と信号電極104の間の接触を保持する力となる静電気力を増大させることができる。
また、凸部106は、可動電極101と、駆動電極1021、1022とが直接接触しないように、数および位置を選択して形成することが好ましい。可動電極と駆動電極との間で接触が生じると、静電気力による接触力を得られなくなる。前述のように、Δzが大きくなるほど、大きいバネ力を得ることができるので、凸部と可動電極との間の距離、および凸部間の距離を調節することによって、可動電極を大きく撓ませることが好ましい。しかし、それらの距離が大きくなりすぎて、撓んだ可動電極が駆動電極と接触すると、静電気力Fが得られなくなる。そのことを避けるように、可動電極101のバネ定数等を考慮して、凸部の位置および数を決定することが好ましい。
以上において説明したように、この形態のMEMSスイッチ100によれば、従来実現困難であった高信頼接点形成を実現する微小電気機械スイッチおよびそれを用いた電気機器を提供することが可能となる。このMEMSスイッチは、種々の電気機器、特に、通信機器に用いることができる。具体的には、携帯電話、無線通信端末の送受信部、およびアンテナ装置に用いることができる。
図示した形態において、MEMSスイッチは、上から見たときに正八角形の形状を有する。本発明のMEMSスイッチの形状はこれに限定されず、例えば、正方形、正六角形、円形、楕円形、長方形、または三角形等の他の形状を有してよい。
なお、本発明は、MEMSスイッチの等価回路上で信号が結合する可動電極と信号電極の接触部を伝送線路に対して並列に接続し、その先を接地させた構成のスイッチ(シャント型スイッチ)にも適用可能である。シャント型スイッチにおける、ON状態、OFF状態における可動電極の位置は、シリーズ型スイッチのそれらとは逆となる。OFF時においては、可動電極と信号電極が接触した状態となる。信号は接地に伝播し、出力ポートへは伝搬しない。ON時においては、可動電極と信号電極とが接触していない状態にあり、信号は入力ポートから出力ポートに向かって、信号電極上を伝搬する。
本発明のさらに別の実施の形態においては、実施の形態1において可動電極側に設けられていた凸部を駆動電極側に設けてよい。
本発明のさらに別の実施の形態においては、凸部を絶縁体で構成してよい。その場合には、駆動電極内に浮き島電極を設けなくても、可動電極と駆動電極とが同電位となることを避けることができる。
いずれの形態(後述する形態を含む)のMEMSスイッチも、その製造方法は特に限定されない。例えば、可動電極は、犠牲層を用いたエッチングにより、両持ち梁型または片持ち梁型となるように形成できる。接触電極は、エッチングによって犠牲層に凹部を形成し、当該凹部内に接触電極の材料(可動電極の材料と同じであってよい)を堆積することにより形成される。接触電極103は、プラチナまたはルテニウムなどの材料で形成することが好ましい。そのような材料は、低抵抗であり、かつ高い剛性を有するので、低接触抵抗および高信頼性の電気的接点を与える。また、接触電極103は、直方体であることが好ましく、矩形または正方形の断面を有することが好ましい。そのような形状の接触電極103は、信号電極104において、直方体の1辺が線接触して、信号電極上をスライドするため、広範囲にわたって機械的清浄効果が得られることを可能にする。
可動電極に凸部を形成する場合、マスキングおよびエッチングにより、犠牲層に、接触電極を形成するための凹部とは別の凹部を形成し、当該凹部内および犠牲層表面に可動電極の材料を堆積させた後、犠牲層を除去することにより、凸部を有する可動電極が形成される。凸部の材料は、可動電極の材料と異なる材料(例えば、絶縁体)であってよい。絶縁層は、例えば、シリコンから成る基板の表面を熱酸化することにより形成してよい。絶縁層の厚さは、例えば、1μm程度としてよい。
第3の電極および第4の電極としての駆動電極、および第2の電極としての信号電極は、絶縁層の上に、各電極材料を堆積し、マスキングおよびエッチングによりパターニングして形成する。第3の電極および第4の電極としての駆動電極、および第2の電極としての信号電極の厚さは、いずれも0.5〜1.0μm程度であってよい。第3の電極および第4の電極内に、浮き島電極を形成する場合には、同一マスクにスリットを設け、エッチング工程により、浮き島電極を第3の電極および第4の電極から分離して形成する。
また、本発明のMEMSスイッチにおいて、電圧の印加に時間差を生じさせるために、第3の電極および第4の電極への制御信号の入力回路を独立して設け、それらの電極への制御信号の入力が独立して行われるようにする必要がある。これらの回路を制御することにより、2つの電極への制御信号の入力において、所望の時間差を設けることができる。それに加えて、2つの電極の電位Vd1、Vd2を互いに異なる値とすることもできる。
d1を印加し、その後、Vd2を印加する場合、Vd2の大きさは、Vd1が印加された状態における第1の電極(可動電極101)のバネ力、および第1の電極(可動電極101)と第4の電極(駆動電極1022)との間のギャップの距離に応じて決定される。一般に、Vd1が印加された状態における第1の電極のバネ力は、Vd1が印加されていない状態のそれより大きく、それを撓ませるには、より大きな静電気力を要する。また、Vd1が印加されると、第1の電極と第4の電極との間のギャップの距離は、Vd1が印加されていない状態のそれよりも小さくなり、第1の電極を第4の電極に接触させるのに必要な静電気力はより小さくなる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、対向電極が分割されて、第3および第4の電極として、駆動電極1021および1022を構成している形態を説明した。実施の形態2として、可動電極が2つに分割されて、分割された可動電極に、電圧の印加を時間差をもって行う形態を説明する。図9は、実施の形態2のMEMSスイッチの構成を示す横断面図である。このMEMSスイッチの上面図は、実施の形態1のそれと略同じ(即ち、図1)であり、図9は、図1のA−A’断面を示している。
図9に示すMEMSスイッチ200は、基板110上に層間絶縁膜109となる絶縁層109が設けられ、絶縁層109の上に、2つの対向電極1121および1122、ならびに信号の伝送路となる信号電極104が設けられている。これらの電極と対向し、これらの電極から離間するように、2つの支持部105により架橋された、両持ち梁型の可動電極201が設けられている。図示した形態において、可動電極201は2層からなり、支持部により架橋された架橋層201Aと、電圧を印加する層である駆動電極層2021および2022とからなる。これらの駆動電極層2021および2022によって、可動電極が実質的に分割され、電圧をそれぞれの駆動電極層に時間差をもって印加することが可能となる。
可動電極201には、さらに信号電極104と接触する接触電極103が設けられ、対向電極1121および1122と接触する凸部106(106A、106B)が設けられている。可動電極201と対向電極1121および1122との間での静電引力の発生は、可動電極201の駆動電極層2021および2022に電圧を印加することによって行う。この形態においても、対向電極1121および1122は、可動でないから、固定電極とも呼ばれ得る。
可動電極201においては、架橋層201を、駆動電極層2021および2022から、絶縁体によって電気的に絶縁させて、駆動電極層2021および2022への電圧の印加が互いに影響を受けないようにする必要がある。あるいは、架橋層201を、絶縁体で形成することによって、2つの駆動電極層の独立性を確保してもよい。駆動電極層2021および2022は、上から見たときに、対向電極1121および1122と実質的に同じ形状および寸法を有するように形成されることが好ましい。
電圧が駆動電極層2021および2022に印加されることを除いては、MEMSスイッチ200におけるスイッチングの仕組みは、実施の形態1に関連して説明したとおりである。よって、その詳細な説明は省略する。また、この形態においても、凸部106が浮き島電極と接触するように、対向電極1121および1122を構成することが好ましい。その他、実施の形態1に関連して説明した各部材の好ましい構成が、この形態においても好ましく採用され得る。さらに、この形態のMEMSスイッチにおいて達成される効果も、実施の形態1に関連して説明したとおりである。
(実施の形態3)
実施の形態1および2は、可動電極に凸部を設けた形態である。しかし、このような凸部は必ずしも必要ではない。実施の形態3として、凸部を設けない形態を説明する。
図10は、本発明の実施の形態3におけるMEMSスイッチの構成を示す上面図である。図11は、図10におけるA−A’断面を示しており、MEMS素子のOFF状態の構成を示す横断面図である。図12は、図10におけるA−A’断面を示しており、MEMSスイッチのON状態の構成を示す横断面図である。
図10乃至図12に示すMEMSスイッチ1000は、凸部を有していない点を除いては、実施の形態1のMEMSスイッチと同じ構成を有する。したがって、同じ部材または要素は、同じ符号で表している。凸部を具備しないMEMSスイッチ1000においても、実施の形態1のMEMSスイッチ100において採用する制御信号の入力方法を実施して、同様のメカニズムにより、スイッチングのオン/オフ動作を実行できる。即ち、この形態においても、駆動電極1021に電圧を印加した後、駆動電極1022に電圧を印加することによって、接触電極103を信号電極104上でスライドさせることができる。それにより、機械清浄効果が得られ、繰り返し動作における接点形成の安定化を実現することができる。図示するように、凸部を有しない形態においても、電気的接点が形成されている間、可動電極101と駆動電極1021および1022との間でギャップが確保され、静電気力を作用させることが好ましい。そのために、電圧の印加によって、可動電極101が駆動電極1021および1022と接触しないように、可動電極および回路の設計を行い、かつ制御信号を調節する必要がある。
(実施の形態4)
実施の形態1〜3では、可動電極が両持ち梁型であるスイッチを説明した。実施の形態4として、可動電極が片持ち梁型である形態を説明する。図13に示すMEMSスイッチ300においては、基板310上に層間絶縁膜となる絶縁層309が設けられ、絶縁層309の上に、駆動電極3021および3022、ならびに信号の伝送路となる信号電極304が形成されている。これらの電極と対向し、これらの電極から離間するように、支持部305により支持された、接触電極303を有する可動電極301が設けられている。
この形態においては、可動電極と対向する対向電極が2つに分割されて、駆動電極3021および3022を形成し、これらの電極に電圧を印加することが時間差をもって行われる。この形態もまた、図10〜12に示す形態と同様に、可動電極に凸部が設けられていない。可動電極が片持ち梁型である場合にも、必要に応じて凸部を設けてよい。
MEMSスイッチ300におけるスイッチングの仕組みは、実施の形態1に関連して説明したとおりである。具体的には、駆動電極3021および3022のいずれか一方に電圧を印加した後、好ましくはスイッチの応答時間と略同じ時間差でもって、他方に電圧を印加する。それにより、接触電極303が、信号電極304に接触した状態で、後から電圧が印加された駆動電極の側に引き込まれてスライドし、機械的清浄効果が得られる。その結果、電気的接点において、接触抵抗を低くすることができる。また、この形態においても、可動電極301は、駆動電極3021および3022と直接接触しないように構成されるので、可動電極と駆動電極との間で発生する静電気力によって、高い接触力を維持することができる。
本発明に係るMEMSスイッチは、高信頼性であり、通信機器等の電気機器の部品として有用である。
100、200、300、500、1000 MEMSスイッチ
101、201、301 可動電極
1020 スリット
1021、1022、3021、3022 駆動電極
1026 浮き島電極
103、303 接触電極
104、304 信号電極
105、305 支持部
106、106A、106B 凸部
109、309 絶縁層
110、310 基板
201A 架橋層
2021、2022 駆動電極層
1121、1122 対向電極
301、501 可動電極
502 駆動電極
503 接触電極
505 支持部
509 絶縁層

Claims (17)

  1. 可動電極と、
    前記可動電極に対向し、かつ前記可動電極から離間して形成された信号電極と、
    前記可動電極に対向し、かつ前記可動電極から離間して形成された対向電極とを有し、前記可動電極と、前記対向電極との間に発生させた静電気力によって、前記可動電極と前記信号電極との間で電気的接点を形成し得る、MEMSスイッチであって、
    前記可動電極と前記対向電極との間で静電気力を発生させるための電圧を、前記可動電極および前記対向電極のいずれか一方に印加するようになっており、
    前記電圧が印加される電極が、複数に分割されており、
    分割されたそれぞれの電極に電圧を印加することが時間差をもって行われる、
    MEMSスイッチ。
  2. 前記時間差が、スイッチの応答時間と略同じである、請求項1に記載のMEMSスイッチ。
  3. 前記複数に分割された電極が、前記電気的接点に対して対称となるように配置されている、請求項1または2に記載のMEMSスイッチ。
  4. 前記可動電極を第1の電極、前記信号電極を第2の電極とした場合に、前記対向電極が2つに分割されて、第3の電極と第4の電極を形成している、請求項1〜3のいずれか1項に記載のMEMSスイッチ。
  5. 前記第1の電極と前記第3の電極および/または前記第4の電極との間で接点を形成し得る凸部が、前記第1の電極、前記第3の電極および前記第4の電極から選択される一または複数の電極に設けられており、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間で電気的接点が形成されたときに、前記第1の電極と、前記第3の電極および/または前記第4の電極との間にギャップが形成される、請求項4に記載のMEMSスイッチ。
  6. 前記凸部の数および位置が、前記電気的接点が形成されているときに、前記第1の電極と、前記第3の電極および/または前記第4の電極とが直接接触しないように、選択されている、請求項5に記載のMEMSスイッチ。
  7. 前記凸部が複数個設けられており、前記複数個の凸部が、前記電気的接点から延びる複数の放射線上にそれぞれ1つずつ設けられている、請求項5または6に記載のMEMSスイッチ。
  8. 前記複数の凸部が、各凸部と前記電気的接点との距離が等しくなり、かつ前記複数の凸部の位置が互いに異なるように、配置されている、請求項7に記載のMEMSスイッチ。
  9. 前記凸部が、前記第1の電極と前記第3の電極との間で複数個設けられており、前記凸部の数および位置が、前記電気的接点と前記凸部とによって囲まれる領域の面積が、前記第1の電極と前記第3の電極との間で静電気力が作用する面積の20%以上となるように、選択されている、請求項5〜8のいずれか1項に記載のMEMSスイッチ。
  10. 前記凸部が、前記第1の電極と前記第4の電極との間で複数個設けられており、前記凸部の数および位置が、前記電気的接点と前記凸部とによって囲まれる領域が、前記第1の電極と前記第4の電極との間で静電気力が作用する面積の20%以上となるように、選択されている、請求項5〜9のいずれか1項に記載のMEMSスイッチ。
  11. 前記凸部が、前記第3の電極および/または前記第4の電極内に形成された浮き島電極と接点を形成し得る、請求項5〜10のいずれか1項に記載のMEMSスイッチ。
  12. 前記凸部が、絶縁体である、請求項5〜11のいずれか1項に記載のMEMSスイッチ。
  13. 前記電気的接点における前記第1の電極が、前記凸部における前記第1の電極よりも高い位置にある、請求項5〜12のいずれか1項に記載のMEMSスイッチ。
  14. 前記電気的接点において、前記第1の電極に接触電極が形成され、接触電極の高さが、前記凸部の高さよりも大きい、請求項13に記載のMEMSスイッチ。
  15. 前記第3の電極および前記第4の電極が、上から見たときに前記電気的接点を挟むように配置されている、請求項4〜14のいずれか1項に記載のMEMSスイッチ。
  16. 前記可動電極が両持ち梁である、請求項1〜15のいずれか1項に記載のMEMSスイッチ。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載のMEMSスイッチを有する通信用機器。
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