JP4109479B2 - パルスジェット型ろ過式集じん装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ごみ処理施設などの排ガス処理設備に配置されるろ過式集じん装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、ろ過式集塵装置において、ろ布へ付着したダストを払い落とす方式として逆洗式やパルスジェット式がある。即ち、逆洗式は、清浄室を複数の仕切板により仕切り、これら仕切られた室ごとに逆洗、即ち、該当する室の清浄機能を中断し、ろ過状態の時とは逆の方向へ清浄ガスを流すことによりろ布の表面に付着したダストを払い落とさんとするものである。これに対して、パルスジェット式は、清浄室を仕切板にて仕切ることなく、且つ、操業を中断することなくダストを落とさんとする任意のろ布の内面に高圧空気をパルス的に吹き込むことにより、ろ布の表面に付着したダストを払い落とさんとするものである。従って、一般的には、ダストの払い落とし性能は、逆洗式の方が良好といわれているが、逆洗法にあっては、逆洗時には当然、逆洗するろ布は使用出来ないため、逆洗していない残りのろ布で処理する必要がある。その結果、必要とされるろ布の数量が多くなり、どうしてもパルスジェットに比べ構造が大きくなる。従って、最近のろ過式集塵装置にあっては、逆洗式と同じ能力で構造が小さく出来るパルスジェット式が主流となっている。
【０００３】
本発明は、パルスジェット型ろ過式集塵装置に関するものである。
【０００４】
ろ過式集じん装置に使用するろ布は、排ガス中のダイオキシン等を含むダストを捕集する重要な役目を担っているが、除々にダストが付着し、機能を阻害するため、空気圧等により付着ダストを定期的に除去する必要がある。又、ろ布が突発的に破損、または経年変化による劣化によってダスト捕集機能が低下することがある。従って、これら破損したり、劣化したろ布を緊急又は定期的に交換して集じん機能を維持する必要がある。
【０００５】
ろ布の交換は、たとえば、リテーナを抜き取った後、ろ布を集じん装置の下部のバグホッパに落として取り出している。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したように、ろ布には有害なダストが付着しており、交換時にダストを撒き散らし、周囲の作業環境を悪化させ、その結果、作業者の安全を脅かす要因となっている。
【０００７】
そこで、本発明は、周囲へのダストによる汚染を防止しながら作業者が安全にメンテナンス作業ができるパルスジェット型ろ過式集じん装置を提供するものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明のろ過式集じん装置は、ろ布を配置したダスト室と清浄室を有するろ過式集じん装置における清浄室内を、仕切板を介して２分割すると共に、前記清浄室の側壁部で、且つ、前記２分割線上に位置する部分にガス出口を設け、更に、該ガス出口の１／２を適宜遮断可能な左右１対の仕切板を進退自在に設け、且つ、ダスト室の側壁部には、該室へのガス流入口を設けたことを特徴とする。
【００１１】
【発明の実施の形態】
参考例
図１は参考例のパルスジェット型ろ過式集じん装置を示し、（ａ）は正面図、（ｂ）は側面図、（ｃ）はろ布とリテーナを示す図、図２はろ過式集じん装置のガス出口の配置を示し、（ａ）は参考例の清浄室の各室にガス出口を設けた図、（ｂ）は本発明の清浄室の各室にガス出口を共通に設けた図、図３（ａ）は参考例のろ過式集じん装置の概略平面図、（ｂ）は本発明のろ過式集じん装置の概略平面図である。本体ケースの内部は、ろ布３を配置するダスト室１とその上部の清浄室２に区画されている。
【００１２】
ダスト室１には、上部が開口し下部が閉じられた袋状のろ布３が複数垂下配置されており、それぞれのろ布３は、図１（ｃ）に示すように、縦長のリテーナ４の外側を囲んで支持される。なお、図１（ａ）の左側は、リテーナ４をろ布３から抜いた状態を示す図である。
【００１３】
ダスト室１にはダストを含んだガスが導入されるガス入口５が設けられている。ダスト室１の下方にはろ布３から落下するダストを集めるホッパ６が設けられ、落下したダストはダスト排出口７から排出される。７ａはダスト排出装置である。
【００１４】
清浄室２には、ろ布３に付着しているダストを落とすため、各ろ布３の開口に向かって空気をパルス状に吹き込むブローパイプ８が配置されている。清浄室２は、縦方向の仕切板９によって分割されて複数の室が形成されている。参考例ではＡ室２ａとＢ室２ｂの２室に分割されている。分割された室２ａ，２ｂにはそれぞれろ過されたガスが誘引排出されるガス出口１０ａ，１０ｂが設けられ、各ガス出口１０ａ，１０ｂは、開閉弁１１ａ，１１ｂを介して誘引送風機（ＩＤＦ）に接続されている。また、分割された各室２ａ，２ｂの上部には、それぞれ開閉可能な天井蓋１２ａ，１２ｂが設けられている。
【００１５】
次ぎに参考例のろ過式集じん装置の操作について説明する。定常運転では、ダストを含んだガスがガス入口からダスト室に導入され、ろ布でろ過され、ろ過されたガスは二つのガス出口から誘引排出される。
【００１６】
ろ過式集じん装置をろ布の取り替え、清掃などのメンテナンスの際には、次の手順で行う。
【００１７】
ガス入口およびガス出口１０ａ，１０ｂを閉じた後、ブローパイプ８で空気をろ布３内に吹き込む。その際、ダスト落とし用空打ちパルスは、例えば、２〜３サイクル行って、ろ布に付着しているダストを落とす。
【００１８】
メンテナンスするＡ室２ａのガス出口１０ａの開閉弁１１ａは閉めたままで天井蓋１２ａを開け、メンテナンスしないＢ室は天井蓋１２ｂを閉めたままでガス出口１０ｂの開閉弁１１ｂのみを開いて誘引送風機を運転すると、Ａ室２ａは天井蓋１２ａを開けているので空気が誘引され、空気はダスト室１を経てＢ室２ｂのガス出口１０ｂから排出される。この運転中にＡ室２ａのリテーナ４を取り外し、ろ布を取り外してホッパー６へ落とす。この際、ろ布３から離れたダストは、Ｂ室２ｂに誘引されてろ布３に付着するので、ダストの飛散を防止することができる。
【００１９】
誘引送風機（ＩＤＦ）を停止し、ろ布を取り付けた後、Ｂ室２ｂのガス出口の開閉弁１１ｂを閉じ、Ａ室２ａのガス出口１０ａの開閉弁１１ａを開いて、誘引送風機を運転し、ホッパー６を開放し、ろ布３を取り出す。
【００２０】
Ｂ室２ｂをメンテナンスにも同様にしてダストをＡ室２ａに誘引してろ布３に付着させて、ダストの飛散を防止することができる。
【００２１】
実施例
図２（ｂ）において、図１と同一部材には同一符号を付し、その説明は省略する。本実施例もダスト室１と清浄室２の内部の構造は参考例と同じである。図２（ｂ）および図３（ｂ）において、仕切板９がガス出口１１の入側の中央を仕切るように清浄室２を分割してＡ室２ａおよびＢ室２ｂが形成され、ガス出口１１の出側に中央で左右が開閉可能な開閉扉１３ａ，１３ｂが設けられている。
【００２２】
本実施例においては、定常運転では、ダストを含んだガスがガス入口５からダスト室１に導入され、ろ布３でろ過され、ろ過されたガスはガス出口１１から誘引排出される。ガス入口５およびガス出口１１を閉じた後、ブローパイプ８で空気をろ布３内に吹き込む。ダスト落とし用空打ちパルスは２〜３サイクル行って、ろ布に付着しているダストを落とす。
【００２３】
メンテナンスするＡ室２ａのガス出口１１の開閉扉１３ａは閉めたままで天井蓋１２ａを開け、メンテナンスしないＢ室は天井蓋１２ｂを閉めたままでガス出口１１の開閉扉１３ｂのみを開いて誘引送風機（ＩＤＦ）を運転すると、Ａ室２ａは天井蓋１２ａを開けているので空気が誘引され、空気はダスト室１を経てＢ室２ｂのガス出口１１から排出される。この運転中にＡ室２ａのリテーナ４を取り外し、ろ布を取り外してホッパー６へ落とす。この際、ろ布３から離れたダストは、Ｂ室２ｂに誘引されてろ布３に付着するので、ダストの飛散を防止することができる。
【００２４】
誘引送風機（ＩＤＦ）を停止し、ろ布３を取り付けた後、Ｂ室２ｂのガス出口の開閉扉１３ｂを閉じ、Ａ室２ａのガス出口１０の開閉扉１３ａを開いて、誘引送風機を運転し、ホッパー６を開放し、ろ布３を取り出す。
【００２５】
Ｂ室２ｂのメンテナンスにも同様の手順にしてダストをＡ室２ａに誘引してろ布３に付着させて、ダストの飛散を防止することができる。
【００２７】
【発明の効果】
本発明のろ過式集じん装置では、仕切板で清浄室を設け、各室にガス出口を設ける簡単な構造であり、安価である。また既存のろ過式集じん装置においても図２（ｂ），図３（ｂ）の改造を行うことで、既存レイアウト変更を最小限におさえ安価に環境対策を実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 参考例のパルスジェット型ろ過式集じん装置を示し、（ａ）は正面図、（ｂ）は側面図、（ｃ）はろ布とリテーナを示す図である。
【図２】ろ過式集じん装置のガス出口の配置を示し、（ａ）は参考例の清浄室の各室にガス出口を設けた図、（ｂ）は本発明の清浄室の各室にガス出口を共通に設けた図である。
【図３】（ａ）は参考例のろ過式集じん装置の概略平面図、（ｂ）は本発明のろ過式集じん装置の概略平面図である。
【符号の説明】
１：ダスト室 ２：清浄室
２ａ，２ｂ：分割された室 ３：ろ布
４：リテーナ ５：ガス入口
６：ホッパ ７：ダスト排出口
８：ブローパイプ ９：仕切板
１０ａ，１０ｂ：ガス出口 １１：ガス出口
１１ａ，１１ｂ：開閉弁 １２ａ，１２ｂ：天井蓋
１３ａ，１３ｂ：開閉扉

Claims (1)

1. ろ布を配置したダスト室と清浄室を有するろ過式集じん装置における清浄室内を、仕切板を介して２分割すると共に、前記清浄室の側壁部で、且つ、前記２分割線上に位置する部分にガス出口を設け、更に、該ガス出口の１／２を適宜遮断可能な左右１対の開閉扉を進退自在に設け、且つ、ダスト室の側壁部には、該室へのガス入口を設けたことを特徴とするパルスジェット型ろ過式集じん装置。

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