JP4107909B2 - 掘削安定液の調製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、掘削安定液の調製方法、特に、コンクリートで置換する地中連続壁工法や場所打ち地中杭工法等で使用される掘削安定液の調製方法に関する。より詳しくは、アルカリ可溶性エマルションと水系溶媒含有液とを混合し、アルカリ可溶性エマルションの混合に伴う発泡を抑制した掘削安定液の調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
掘削安定液は、地下鉄建設工事等のボーリング工事等、特に、コンクリートで置換する地中連続壁工法や場所打ち地中杭工法等において、掘削された穴の壁面の崩れを防止するために不可欠なものであり、このような掘削安定液としては、ベントナイトを水に分散させたいわゆる掘削泥水が用いられている。このような掘削安定液において、使用済の廃泥の処理を簡便にするために、ベントナイトの含有量を減らすことが検討されているが、単にベントナイトの含有量を減らすと、掘削安定液の粘度が低下することに起因して壁面を安定化させる能力(濾水性)が低下し、また、ベントナイトが沈降して掘削安定液として用いることができなくなる。
【0003】
このような掘削安定液において、ベントナイトの含有量を減らすことによる問題を解決するために、すなわち濾水性を維持し、ベントナイトが沈降しないようにするために、通常ではカルボキシメチルセルロース(CMC)等の増粘剤が配合されているが、CMCは腐敗しやすく、また、分散しにくく、安定した物性の掘削安定液が得られないという問題があった。
【0004】
特開2000−212551号公報には、アルカリ性物質により増粘するポリマーを含有するエマルションを必須成分とする、掘削安定液が開示されている。このような掘削安定液は、ベントナイトの含有量を減らし、かつCMCを用いる場合に生じる不具合を解決するものとして有用なものであるが、掘削安定液の調製時において発泡を抑制させるための工夫の余地があった。
【0005】
一般に、掘削安定液、特に、コンクリートで置換する地中連続壁工法や場所打ち地中杭工法において使用される掘削安定液は、ベントナイトを水に分散させることにより調製されるが、このベントナイトを水に分散させるときの方法としては、例えば、ミキサー等を用いて水を攪拌させながらベントナイトを投入する方法や、水に強制的に空気を噴射させながら、噴射を利用して空気と共にベントナイトを吹き込む方法等が行われている。従来、増粘剤としてCMCを用いる場合、CMCの投入時期については、上記に例示したような種々の調製方法において、ベントナイトを投入する前、ベントナイトと同時、又は、ベントナイトを投入した後のいずれの時期においても行われることが一般的である。一方、増粘剤として上記に述べたようなアルカリ可溶性エマルションを用いる場合においても、該エマルションの投入時期については、上記のCMCの場合と同様にいずれの時期においても行うことができる。
【0006】
このような掘削安定液に用いられるエマルションにおいては、一般的に乳化重合法により製造され、重合安定性を向上、維持する目的から乳化剤が使用されていることから、乳化剤がエマルション中に含まれることになる。この乳化剤により、掘削安定液の調製時において掘削安定液が発泡する。また、上記アルカリ可溶性エマルションにおいては、一般に該エマルションを構成するポリマー中に、カルボキシル基等の親水性部分と、ポリマー主鎖やアルキル基等の疎水性部分を有しているため、該ポリマー自体が界面活性能を有する。上記アルカリ可溶性エマルションを用いて掘削安定液を調製するときには、この該ポリマー自体の界面活性能により発泡する。更に、上記で述べた掘削安定液を調製する方法の中でも、強制的に空気を噴射させる方法を用いて調製すると、特に掘削安定液が発泡しやすくなる。掘削安定液の発泡は、操業上、掘削安定液の比重低下により掘削溝壁との圧力バランスがとれず壁が崩れる、リザーブタンクから泡が溢れ出す、循環ポンプが空回りする、掘削安定液の比重での管理ができなくなる、超音波測定器を用いた掘削後の溝壁の観測ができなくなる等の問題を引き起こす。このアルカリ可溶性エマルションを投入したときの発泡による不具合を抑制するために、通常では消泡剤が用いられている。しかしながら、消泡剤は掘削安定液の構成成分において比較的高価なものであるので、ベントナイトの含有量を減らした掘削安定液を調製するに際し、濾水性を維持し、ベントナイトの沈降を防止することができるエマルションを用いる場合に、消泡剤の使用を抑制しつつ、発泡を抑制することができるようにする工夫の余地があった。
【0007】
特開2001−329530号公報には、セメントミルクを用いてソイルセメント連続壁を造成する工法において、前記セメントミルクが酸型エマルションを含有するソイルセメント地中連続壁工法が開示されている。このような工法においては、セメントミルクを注入しながら地中を掘削し、掘削の際に土砂成分が混合され、そのままソイルモルタルとして地中で硬化させて仮設の壁を作ることになる。しかしながら、掘削安定液を用いた工法、すなわち掘削安定液を注入させながら掘削を行い、その後安定液を置換する形で別途コンクリートを打ち込んで、常設の杭や連続壁を地中に構築させる工法に好適に使用することができる掘削安定液を調製する技術については開示されていないことから、掘削安定液を調製する優れた方法とするための工夫の余地があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、使用済の廃泥の処理が簡便であるうえに、掘削安定液としての基本性能に優れ、しかも消泡剤の使用を抑制しつつ、発泡を抑制することができるため、特に、コンクリートで置換する地中連続壁工法や場所打ち地中杭工法等で使用される掘削安定液を調製する際に好適な掘削安定液の調製方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、掘削安定液の調製方法について種々検討したところ、掘削安定液にアルカリ可溶性エマルションを配合すると、ベントナイトを用いる掘削安定液において使用済の廃泥の処理を簡便にするためにベントナイトの含有量を減らす場合に生じる不具合を解消して濾水性を維持し、ベントナイトが沈降しないようにすることが可能となるうえに、CMC等の増粘剤を配合する場合に生じる不具合も解消して掘削安定液としての基本性能に優れたものを調製することができることに着目した。そして、通常ではアルカリ可溶性エマルションを水系溶媒含有液と混合することにより掘削安定液を調製するときに発泡することとなるが、エマルションを水系溶媒含有液と混合するに際し、予め水系溶媒含有液に塩基性物質を添加したり、予め水系溶媒含有液に塩基性物質を添加して該水系溶媒含有液のpHを7以上としたりすると、消泡剤の使用を抑制しつつ、発泡を抑制することができることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。これは、アルカリ可溶性エマルションを構成するポリマー自体が乳化活性をもつことから、水系溶媒含有液と混合する際にアルカリ可溶性エマルション中の乳化剤と共に作用して発泡することとなるが、予め水系溶媒含有液に塩基性物質を添加したり、予め塩基性物質を添加して水系溶媒含有液のpHを7以上としたりすることにより、ポリマーの乳化活性が低下することに起因して、アルカリ可溶性エマルションを水系溶媒含有液と混合するときに生じる発泡を抑制することができるものと考えられる。例えば、ポリマーが加水分解してカルボキシアニオンとなるような官能基を有する場合、水系溶媒含有液をアルカリ性とし、pHを上記のように特定すると、加水分解が進行して親水性が向上し、それに伴って乳化活性が低下し、本発明の作用効果を奏することとなる。
【0010】
また、このような掘削安定液の調製方法により、発泡が抑制された掘削安定液を調製することができることから、掘削安定液の発泡に由来する各種問題点、すなわち掘削安定液の比重低下により掘削溝壁との圧力バランスがとれず壁が崩れる、リザーブタンクから泡が溢れ出す、循環ポンプが空回りする、掘削安定液の比重での管理ができなくなる、超音波測定器を用いた掘削後の溝壁の観測ができなくなる等の問題点を解決することができることとなる。従って、本発明により、掘削安定液を用いるコンクリートで置換する地中連続壁工法や場所打ち地中杭工法等を安定に操業することが可能となる。
【0011】
すなわち本発明は、アルカリ可溶性エマルションと水系溶媒含有液とを混合して掘削安定液を調製する方法であって、上記アルカリ可溶性エマルションと水系溶媒含有液とを混合するに際し、予め水系溶媒含有液に塩基性物質を添加する掘削安定液の調製方法である。
【0012】
本発明はまた、アルカリ可溶性エマルションと水系溶媒含有液とを混合して掘削安定液を調製する方法であって、上記アルカリ可溶性エマルションと水系溶媒含有液とを混合するに際し、予め水系溶媒含有液に塩基性物質を添加して該水系溶媒含有液のpHを7以上とする掘削安定液の調製方法でもある。
以下に、本発明を詳述する。
【0013】
本発明の掘削安定液の調製方法においては、アルカリ可溶性エマルションと水系溶媒含有液とを混合して掘削安定液を調製することとなる。これにより調製された掘削安定液は、アルカリ可溶性エマルションが水系溶媒含有液中に分散又は溶解されたものとなる。
【0014】
上記水系溶媒含有液とは、水を必須とし、必要に応じて水に溶解することができる有機溶媒1種又は2種以上を含む溶液であるが、掘削安定液に所望される性能等に応じて、溶媒以外の他の成分を含んでいてもよい。このような水系溶媒含有液の調製方法としては、これらの成分を混合することにより行うことができるが、水と溶解することができる有機溶媒及びその他の成分の種類や使用量としては、掘削安定液に所望する性能等に応じて適宜設定することになる。本発明の掘削安定液の調製方法は、消泡剤の使用量を抑制することができるという効果を奏することができることから、消泡剤の使用量の好適な範囲としては、例えば、掘削安定液100質量部に対して、3質量部以下、より好ましくは、1質量部以下、更に好ましくは0.5質量部以下とすることである。消泡剤の使用量が3質量部を超えると、消泡剤が分離してしまうか、濾水性が低下するおそれがあるため好ましくない。消泡剤としては、例えば、シリコーン系消泡剤、プルロニック型消泡剤、脂肪族アルコール系消泡剤、脂肪酸系消泡剤、鉱物油系消泡剤、トリブチルホスフェート、並びに、これらのエマルション型消泡剤等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、本発明の調製方法によって掘削安定液を調製する際には、上述したように、優れた発泡抑制効果を発揮することができることになるため、消泡剤を使用しない場合でも充分取り扱い可能である。
【0015】
本発明においては、上記アルカリ可溶性エマルションを水系溶媒含有液と混合して掘削安定液を調製するに際し、(1)予め水系溶媒含有液に塩基性物質を添加するか、又は、(2)予め水系溶媒含有液に塩基性物質を添加して上記水系溶媒含有液のpHを7以上とする。
【0016】
上記(2)においては、水系溶媒含有液のpHを予めこのように調整することにより、強制的に空気を噴射してエアーバブリングすることによってアルカリ可溶性エマルションを分散、混合、溶解するような方法によって掘削安定液を調製する場合等においても、発泡を充分に抑制することができることになる。好ましくは、pHを8以上とすることであり、より好ましくは、9以上とすることであり、更に好ましくは、10以上とすることである。
【0017】
本発明の掘削安定液の調製方法おいてはまた、上記アルカリ可溶性エマルションを水系溶媒含有液と混合した後の掘削安定液のpHを5以上に調整することが好ましい。これにより、本発明の作用効果をより充分に発揮することができることになる。より好ましくは、6〜13とすることである。
【0018】
上記水系溶媒含有液のpHを調整する方法としては、塩基性物質を添加することにより行うことができる。塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム;酸化カルシウム;無水炭酸ナトリウム(ソーダ灰)、炭酸水素ナトリウム;炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム;アンモニア(水);モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の水溶性有機アミン類等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。なお、ここでいう塩基性物質の中でも、水系溶媒含有液と混合した際に均一に溶解するものであることが好ましい。すなわち当該物質固有の各溶解度の範囲内において水と混合したときに、当該物質が不溶物を生ずることなく(スラリー化することなく)均一に水に溶解するものが好適である。このような塩基性物質としては、0℃の水に対して5質量%以上の溶解度を有するものが好ましい。また、塩基性物質の添加方法としては、固体を添加してもよく、塩基性物質の水溶液として添加してもよい。
これらの中でも、作業性とコストの点から、無水炭酸ナトリウム(ソーダ灰)が好適である。
【0019】
本発明における掘削安定液は、アルカリ可溶性エマルションと水系溶媒含有液とを含むものであるが、掘削安定液の調製時や施工直前等の任意の時点で、その他の成分1種又は2種以上を更に配合することができる。上記その他の成分としては、上記塩基性物質の他に、粘土鉱物、消泡剤、分散剤、CMC、界面活性剤類、逸泥防止剤等の他の添加剤等を挙げることができ、これら他の添加剤等としては、従来から掘削安定液に使用されているものを適宜使用することができる。
【0020】
上記粘土鉱物は、掘削安定液に基本的な粘度特性と濾水性とを付与するために配合するものであり、例えば、セピオライト、アタパルジャイト、エントリガイト、ベントナイト、カオリンクレー、モンモリロナイト、クリストバライト、エクトライト、サポナイト、バイデライト、ゼオライト、パリゴスカライト、雲母等が挙げられる。これらは、必要に応じて1種用いることも、複数種を併用することもできる。これらのうちでも、セピオライト、アタパルジャイト、エントリガイト、ベントナイト、カオリンクレー、モンモリロナイト、クリストバライト等が濾水性が高いので好ましく、更にベントナイト、カオリンクレー、モンモリロナイトが特に好ましい。
掘削安定液における粘土鉱物の含有量としては、掘削安定液100質量%に対して、0〜20質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、0.5〜10質量%が更に好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。粘土鉱物の含有量が上記範囲内において、掘削安定液の適度な粘度と濾水性が得られ、好ましい。特に粘土鉱物の含有量が20質量%を超えると、掘削安定液の粘度が高くなりすぎて、取り扱いが困難となるおそれがある。
【0021】
更にまた、上記分散剤等の添加剤としては、ポリ(メタ)アクリル酸塩、リグニンスルホン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、トリポリリン酸塩等の分散剤;CMC、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子等の添加剤等が挙げられる。
【0022】
本発明においては、アルカリ可溶性エマルションと(1)予め塩基性物質を添加した水系溶媒含有液と混合するか、又は、(2)予め塩基性物質を添加してpHを7以上に調整した水系溶媒含有液とを混合するかして掘削安定液を調製することになるが、これらの混合割合として、掘削安定液におけるアルカリ可溶性エマルションの含有量としては、該エマルションの固形分として、掘削安定液100質量%に対して、0.01〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.05〜10質量%が更に好ましく、0.05〜5質量%が特に好ましい。該エマルションの固形分としての含有量が上記範囲内において、掘削安定液の適度な粘度と濾水性が得られるため、好ましいが、特に20質量%を超えると、掘削安定液の粘性が適正値を超え、掘削土砂の分離が阻害されるおそれがある。
【0023】
上記アルカリ可溶性エマルションと予めpHを7以上に調整した水系溶媒含有液とを混合する方法としては特に限定されず、(1)アルカリ可溶性エマルションを水系溶媒含有液に添加する形態、(2)アルカリ可溶性エマルションに水系溶媒含有液を添加する形態、(3)これらを一度に混ぜる形態等が挙げられる。
【0024】
本発明において、掘削安定液中にベントナイトを分散させる方法としては、ミキサー等を用いて水を攪拌させながらベントナイトを投入する方法や、水に強制的に空気を噴射させながら、噴射を利用して空気と共にベントナイトを吹き込む方法等が挙げられるが、ベントナイトを充分に分散させるために、噴射を利用して空気と共にベントナイトを吹き込む方法が好ましい。また、本発明の掘削安定液の調製方法における好ましい形態としては、まず水系溶媒含有液中に噴射を利用して空気と共にベントナイトを吹き込むことによってベントナイトを分散させ、ここに塩基性物質を添加してpHを7以上に調整し、アルカリ可溶性エマルションを添加して掘削安定液とすることである。
【0025】
以下では、本発明におけるアルカリ可溶性エマルションについて説明する。
本発明において使用されるアルカリ可溶性エマルションとしては、水系溶媒含有液中に分散又は溶解することができるアルカリ可溶性エマルションであればよく、水中油型エマルション(O/W型エマルション)を用いることがよい。
【0026】
上記アルカリ可溶性エマルションとしては、該エマルションを希釈してその固形分が1質量%に調整された水溶液の粘度が1〜1000mPa・s、好ましくは1〜500mPa・s、更に好ましくは1〜100mPa・sであり、該水溶液にアルカリ性物質を添加してpHを9に調整したときの粘度が、添加前の2〜10000倍、好ましくは2〜8000倍、更に好ましくは2〜5000倍となる増粘特性を有するエマルションを挙げることができる。
このようなエマルションは、例えば、アルカリ性物質により親水性が高まる基を有する単量体を必須とし、必要に応じてその他の単量体を含む単量体成分を乳化重合することにより得ることができる。アルカリ性物質により親水性が高まる基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等の酸性基や、カルボン酸エステル基、リン酸エステル基、スルホン酸エステル基等の容易に加水分解して酸性基を生成する基等が挙げられる。
【0027】
本発明におけるアルカリ可溶性エマルションとしてはまた、カルボキシル基を有する重合体を含むエマルションが好ましく、例えば、カルボキシル基を有する単量体と、該カルボキシル基を有する単量体と共重合可能なその他の単量体からなる単量体成分を乳化重合して得られるものが好適である。このようなエマルションは、公知の方法で製造することができる。また、このようなアルカリ可溶性エマルションの中でも、全単量体成分に占めるカルボキシル基を有する単量体の比率の高い、すなわち高酸価のポリマーを含有するエマルションが、特に発泡を低減するのに有効であり、このようなアルカリ可溶性エマルションとしては、カルボキシル基を有する単量体と20℃の水に対する溶解度が3質量%以上の非イオン性単量体とを共重合成分として含有する共重合体を含有するものが好適である。より好ましくは、カルボキシル基を有する単量体、20℃の水に対する溶解度が3質量%以上の非イオン性単量体及び強酸基を有する単量体を必須成分とする単量体成分を乳化重合して得られる、20℃の水への溶解度が10質量%未満である重合体の水分散体である。このような水分散体の製造方法について以下に説明する。
【0028】
上記アルカリ可溶性エマルションを形成することになるカルボキシル基を有する単量体、20℃の水に対する溶解度が3質量%以上の非イオン性単量体及び強酸基を有する単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記カルボキシル基を有する単量体としては、カルボキシル基及び/又はその塩を有する単量体を用いることができ、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、並びに、それらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及びアミン塩等が好適である。これらの中でも、重合安定性とアルカリ可溶性のバランスが良好であるメタクリル酸が最も好ましい。
【0029】
上記カルボキシル基を有する単量体の使用量としては、全単量体量100質量%に対して、10〜90質量%が好ましい。10質量%未満であると、重合安定性は向上するが、カルボキシル基を有する重合体のアルカリ可溶性、増粘性が低下するおそれがある。90質量%を超えると、重合安定性が著しく低下すると共に、得られるカルボキシル基を有する重合体の水への溶解度が10質量%以上となり水分散体として存在できなくなるおそれがある。より好ましくは、35〜90質量%であり、更に好ましくは、40〜85質量%であり、特に好ましくは、50〜80質量%である。
【0030】
上記20℃における水に対する溶解度が3質量%以上の非イオン性単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、アクリル酸ポリエチレングリコール、メタクリル酸ポリエチレングリコール、アクリル酸ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、メタクリル酸ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、イソプロペニルオキサゾリン、ポリエチレングリコール(2−(1−プロペニル)−4−ノニル)フェニルエーテル、ポリエチレングリコール(2−(1−プロペニル))フェニルエーテル、ポリエチレングリコール2−プロペニルエーテル、ポリエチレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテル、アリルアルコール、ポリオキシエチレンアリルエーテル、N−ビニル−2−ピロリドン、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドが好適である。これらの中でも、共重合性と親水性のバランスが良好である(メタ)アクリル酸エステル系単量体が好ましく、アクリル酸メチルが最も好ましい。
【0031】
上記20℃における水に対する溶解度が3質量%以上の非イオン性単量体の使用量としては、全単量体量100質量%に対して5〜60質量%が好ましい。60質量%を超えると、カルボキシル基を有する重合体のアルカリ可溶性が不充分となるおそれがある。より好ましくは、10〜50質量%であり、更に好ましくは、30〜50質量%である。
【0032】
上記強酸基を有する単量体としては、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸−2−スルホエチル、(メタ)アクリル酸−3−スルホプロピル、(メタ)アクリル酸−4−スルホブチル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類並びにそれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルホスフェート等の酸性リン酸エステル基を有する単量体が好適である。これらの中でも、重合安定性が良好であるスルホン酸系が好ましく、更に、共重合性も良い、(メタ)アクリル酸−2−スルホエチル、(メタ)アクリル酸−3−スルホプロピル、(メタ)アクリル酸−4−スルホブチル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸並びにそれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩が特に好ましい。
【0033】
上記強酸基を有する単量体の使用量としては、全単量体量100質量%に対して、0.5〜10質量%が好ましい。0.5質量%未満であると、重合安定性を向上させる効果が低くなるおそれがあり、10質量%を超えると、水溶性重合体が多くできるため、エマルション自体の粘度が上がり、ハンドリング性が悪くなるおそれがある。また、増粘性を担う成分が減少するため、増粘性が低下するおそれがある。より好ましくは、1〜7質量%である。
【0034】
上記単量体成分は、必要に応じて上述した単量体以外のその他の単量体1種又は2種以上を含んでいてもよい。その他の単量体としては、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸と炭素数2〜18のアルコール(環式アルコールを除く)とのエステルである(メタ)アクリル酸エステル系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、エチルビニルベンゼン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルメチル等のシクロヘキシル基を有する単量体;クロトン酸メチル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エステル類;ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン等のジエン類;(メタ)アクリル酸とポリプロピレングリコールとのモノエステル;(メタ)アクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の塩基性単量体類;ビニルフェノール等の石炭酸系単量体;(メタ)アクリル酸2−アジリジニルエチル、(メタ)アクリロイルアジリジン等のアジリジン基を有する単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有する単量体類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリエトキシシラン等のケイ素原子に直結する加水分解性ケイ素基を有する単量体;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲンを有する単量体;(メタ)アクリル酸とエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールとのエステル化物等の分子内に重合性不飽和基を2個以上有する多官能(メタ)アクリル酸エステル類;ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレート等の分子内に重合性不飽和基を2個以上有する多官能アリル化合物;(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸メタリル、ジビニルベンゼン等の多官能単量体;トリアリルシアヌレート等のシアヌレート類が好適である。
【0035】
上記その他の単量体の使用量としては、全単量体量100質量%に対して、0〜30質量%が好ましい。30質量%を超えると、カルボキシル基を有する重合体のアルカリ可溶性が不充分となるおそれがある。
【0036】
上記単量体成分を乳化重合してアルカリ可溶性エマルションを製造する方法としては特に限定されるものではないが、初期重合工程、滴下重合工程及び熟成工程を含む方法が好適である。
【0037】
上記乳化重合における初期重合工程においては、強酸基を有する単量体の使用量を、全単量体量の0.5〜10質量%とし、かつ初期重合工程における連鎖移動剤の使用量を、使用する全単量体量100質量部に対して0.0001〜1質量部として、強酸基を有する単量体と連鎖移動剤とを集中的に添加することが好ましい。これにより安定に重合を行うことができ、また、固形分を高くすることができる。
なお、ここでいう初期重合とは、乳化重合方法を大きく初期重合工程、滴下工程、熱成工程の3投階の工程に分けた場合の最初の工程であり、水又は乳化剤水溶液の仕込まれた初期の釜に一定量の単量体を一括して投入し、一定時間重合を行う工程である。
【0038】
上記初期重合工程においては、重合反応液中の単量体濃度を5〜45質量%とすることが好ましい。5質量%未満であると、例えば、最終的に得ようとするアルカリ可溶性エマルションの固形分を30質量%以上とするためには、滴下工程で使用するプレエマルション濃度を50質量%を超えるものにしなければならず、滴下時にショックを起こし凝集物を発生するおそれがある。また、45質量%を超えると、初期重合時の発熱が著しく、反応温度を制御することが非常に困難となるおそれがある。より好ましくは、8〜35質量%であり、更に好ましくは、10〜25質量%である。
【0039】
上記連鎖移動剤としては、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプト基を有する化合物;四塩化炭素;イソプロピルアルコール;トルエン等の連鎖移動係数の高い化合物が好適であり、1種又は2種以上を用いることができる。
【0040】
上記初期重合工程において添加される連鎖移動剤の使用量が、使用する全単量体量100質量部に対して0.0001質量部未満であると、保護コロイドとして働く水溶性重合体が少なく、エマルション粒子の安定性が低下するおそれがあり、1質量%を超えると、重合安定性を向上させる効果が低下して、凝集物が多く発生したりエマルション粒子が沈降したりするおそれがある。より好ましくは、0.001〜0.1質量部であり、更に好ましくは、0.003〜0.07質量部である。なお、連鎖移動剤については、エマルション粒子を形成する重合体の分子量を調節する目的として、別途、滴下工程において用いることもできる。
【0041】
上記乳化重合に用いられる重合開始剤としては、熱又は酸化還元反応によって分解し、ラジカル分子を発生させる化合物であればよく、水溶性を備えた重合開始剤が好ましい。このような重合開始剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類;2,2′アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4′アゾビス−(4−シアノペンタン酸)等の水溶性アゾ化合物;過酸化水素等の熱分解性開始剤;過酸化水素及びアスコルビン酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド及びロンガリット、過硫酸カリウム及び金属塩、過硫酸アンモニウム及び亜硫酸水素ナトリウム等の組み合わせからなるレドックス系重合開始剤が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の使用量としては、単量体成分の組成や重合条件等に応じて適宜設定すればよい。
【0042】
上記乳化重合に用いる乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤、又は、これらの反応性界面活性剤等が好適であり、1種又は2種以上を用いることができる。乳化剤の使用量としては、全単量体量100質量部に対して0.001質量部以上が好ましく、また、3質量部以下が好ましい。3質量部を超えると、重合安定性は向上するが、使用時の発泡を促し作業性や物性を低下させるおそれがある。より好ましくは、0.005質量部以上であり、また、2質量部以下である。更に好ましくは、0.01質量部以上であり、また、1質量部以下である。特に好ましくは、0.05質量部以上であり、また、0.5質量部以下である。
上記アニオン系界面活性剤としては、カリウムドデシルサルフェート、ナトリウムドデシルサルフェート、アンモニウムラウリルサルフェート等のアルキル硫酸エステル塩;ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート等のポリオキシアルキルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンカルボン酸エステル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレン置換フェニルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩;コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩;アルキルアリルポリエーテル硫酸塩;ポリオキシエチレンアルケニルアリールサルフェート塩、α−スルホナト−ω−1−(アリルオキシメチル)アルキルオキシポリオキシエチレン塩等の不飽和基を有する反応性アニオン乳化剤が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0043】
上記ノニオン系界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、グリセロールモノラウレート、ソルビタン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル等の脂肪族と多価アルコールとのエステル;ポリオキシエチレン、オキシエチレンオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、高級アルコール・ポリエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸モノエステル・ポリエチレングリコール縮合物、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルグリセリンホウ酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、エチレンオキサイドと脂肪族アミン、アミド又は酸との縮合生成物、アルキルアミド・ポリエチレングリコール縮合物、アルキルアミン・ポリエチレングリコール縮合物等のポリオキシエチレン鎖を分子内に有し、界面活性能を有する化合物が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0044】
上記高分子界面活性剤としては、ポリビニルアルコール及びその変性物;(メタ)アクリル酸系水溶性高分子、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート系水溶性高分子、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート系水溶性高分子(ただし、上記アルカリ可溶性エマルションの製造方法により製造される共重合体とは異なる共重合体);ポリビニルピロリドンが好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0045】
また、乳化剤の種類については、上記例示の各種乳化剤のうち、その気泡性に関して、その1質量%水溶液の25℃におけるロスマイルス法(JIS K 3362)による起泡力試験において、落下直後の泡高が200mm以下であり、かつ、落下5分後の泡高が100mm以下であるものが、特に好ましい。乳化剤の起泡性能が上記性能の範囲内であり、また、乳化剤の使用量が上述した範囲内である場合に、特に本発明の方法によって掘削安定液を調製した際に、エマルションに含まれる乳化剤に起因する発泡を抑制できるので好ましい。
【0046】
上記滴下工程における滴下方法としては、モノマー滴下、プレエマルション滴下等が挙げられるが、これらの中でも、プレエマルション滴下が好ましい。また、滴下形態としては、一括添加、均一滴下、多段滴下、パワーフィード等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0047】
上記プレエマルションとは、単量体を水又は乳化剤水溶液に加え、攪拌混合することにより予めプレ乳化した単量体分散体をいう。このプレエマルションを初期重合後の反応系に滴下投入して行くことになるが、このときのプレエマルション中の単量体濃度は、50質量%以下が好ましい。50質量%を超えると、滴下時にショックを起こし凝集物を発生する可能性が高くなるおそれがある。なお、プレエマルションの濃度が低すぎると最終の固形分が低下するため、ショックを起こさない範囲で、できるだけプレエマルション中の単量体濃度を上げることが好ましい。プレエマルション中の単量体濃度は、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。
【0048】
上記乳化重合において、最終工程である熟成工程としては、従来の方法と同様に行うことができるが、残存単量体量が充分低減するまで行い、場合によっては、後添加触媒を加えることがある。
【0049】
上記乳化重合における反応温度や反応時間等の重合条件としては、単量体成分の組成や重合開始剤の種類等に応じて適宜設定すればよいが、反応温度は0〜100℃とすることが好ましく、40〜95℃とすることがより好ましい。また、反応時間は初期重合工程、滴下工程及び熟成工程全てを総合して1〜15時間程度が好適である。
【0050】
上記アルカリ可溶性エマルションを構成する重合体としては、重量平均分子量が10万〜300万であるものが好ましい。すなわち本発明におけるアルカリ可溶性エマルションとしては、このような重合体を含むものが好適である。重合体の重量平均分子量が10万未満であると、該重合体が増粘剤として働かず、結果的に掘削安定剤の粘度が下がり、充分な濾水性が得られないおそれがある。より好ましくは、重量平均分子量が20万〜150万である。
【0051】
上記アルカリ可溶性エマルションとしては、アルカリ可溶性エマルション100質量%に対する固形分濃度が10〜60質量%であることが好ましく、15〜40質量%であることがより好ましい。
【0052】
本発明の掘削安定液の調製方法により調製される掘削安定液は、地下鉄建設工事等のボーリング工事等、特に、コンクリートで置換する地中連続壁工法や場所打ち地中杭工法等において、掘削された穴の壁面の崩れを防止するため等に好適に用いることができるものである。このような、本発明の調製方法により調製される掘削安定液は、本発明の好ましい実施形態の1つである。また、このような掘削安定液を用いる、コンクリートで置換する地中連続壁工法や場所打ち地中杭工法等の工法もまた、本発明の好ましい実施形態の1つである。
【0053】
【実施例】
以下に実施例を揚げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は、「質量部」を、「%」は、「質量%」をそれぞれ意味するものとする。
【0054】
エマルション製造例(1)
滴下ロート、攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を取り付けたフラスコに、イオン交換水192.7部と、スチレンスルホン酸ナトリウム11.9部とを仕込み、フラスコ内を窒素ガスで置換した。一方、メタクリル酸179.4部と、アクリル酸メチル107.6部とを、30%乳化剤水溶液(日本乳化剤社製、商品名:ニューコール707SF)1.0部をイオン交換水467.2部溶解した乳化剤溶液に添加し、激しく攪拌することにより、プレエマルションを調製した。該プレエマルションを滴下ロートに仕込んで、このうちの52.9部をフラスコ内の水溶液に投入し、75℃まで攪拌しながら昇温した。
【0055】
次いで、1%3−メルカプトプロピオン酸水溶液2.0部をフラスコに一括投入し、続いて、重合開始剤としての5%過硫酸アンモニウム水溶液14.0部を一括投入し、75℃で20分間攪拌することにより、初期重合を行った。その後、反応温度を75℃に保ちながら、滴下ロートから残りのプレエマルション702.3部を3時間かけて滴下した。滴下ロートからの滴下終了後、イオン交換水10.2部を用いて滴下ロートを洗浄し、この洗液をフラスコに投入した。更に30分間重合させた後、後添加触媒として0.5%亜硫酸水素ナトリウム14.0部を一括添加し、更に60分間重合させた。得られた反応液を冷却して重合を終了し、エマルション(1)を得た。このときの固形分は、30.0%であった。[組成:メタクリル酸/アクリル酸メチル/スチレンスルホン酸ナトリウム=60/36/4(質量比)]
【0056】
実施例1
上記製造方法により製造したエマルション(1)を用いて泡立ち試験を行った。500mLメスシリンダーにイオン交換水200mLを入れ、ガス濾過管(相互理化学硝子製作所社製、硝子粒子番号2)を用いて15L/分で空気をバブリングしながら、ベントナイト(商品名:クニゲルV−1、クニミネ工業社製)4.0g(2%)を徐々に添加し、そのまま5分間バブリングを続けてベントナイトを分散させた。次に、一旦バブリングを停止し、無水炭酸ナトリウム(ソーダ灰)0.2g(0.1%)を添加して、5L/分で空気を1分間バブリングし、一旦バブリングを停止して、ここへエマルション(1)を1.0g(0.5%)添加した後、5L/分で空気をバブリングした。泡立ち試験の結果を表1に示す。
【0057】
比較例1
500mLメスシリンダーにイオン交換水200mLを入れ、ガス濾過管(相互理化学硝子製作所社製、硝子粒子番号2)を用いて15L/分で空気をバブリングしながら、ベントナイト(商品名:クニゲルV−1、クニミネ工業社製)4.0g(2%)を徐々に添加し、そのまま5分間バブリングを続けてベントナイトを分散させた。次に、一旦バブリングを停止し、ここへエマルション(1)を1.0g(0.5%)添加した後、5L/分で空気をバブリングした。泡立ち試験の結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
Figure 0004107909
【0059】
表1中、剤添加量とは、エマルション(1)の添加量である。バブリングにおいて、流量とは、空気の流量である。最終pHとは、エマルション(1)を添加してバブリングした後のpHである。
【0060】
エマルション製造例(2)
滴下ロート、攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を取り付けたフラスコに、イオン交換水239.3部、スチレンスルホン酸ナトリウム12.0部、メタクリル酸28.7部、及び、30%乳化剤水溶液(日本乳化剤社製、商品名:ニューコール707SF)0.1部とを仕込み、フラスコ内を窒素ガスで置換しつつ、75℃まで攪拌しながら昇温した。一方、メタクリル酸150.6部と、アクリル酸メチル107.6部とを、30%乳化剤水溶液(日本乳化剤社製、商品名:ニューコール707SF)0.9部をイオン交換水420.5部に溶解した乳化剤水溶液に添加し、激しく攪拌することにより、プレエマルション(単量体濃度38.0%)を調製した。
【0061】
次いで、2%3−メルカプトプロピオン酸水溶液2.0部をフラスコに一括投入し、続いて、重合開始剤として5%過硫酸アンモニウム水溶液14.0部を一括投入し、75℃で20分間攪拌することにより、初期重合を行った。その後、反応温度を75℃に保ちながら、滴下ロートからプレエマルションを3時間かけて滴下した。滴下終了後、イオン交換水10.3部を用いて滴下ロートを洗浄し、この洗液をフラスコに投入した。更に30分間重合させた後、後添加触媒として0.5%亜硫酸水素ナトリウム14.0部を一括添加し、更に60分間重合させた。得られた反応液を冷却して重合を終了し、エマルション(2)を得た。このときの固形分は、30.0%であった。
[組成:メタクリル酸/アクリル酸メチル/スチレンスルホン酸ナトリウム=60/36/4(質量比)]
【0062】
実施例2
エマルション(1)の代わりにエマルション(2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして泡立ち試験を行った。結果を表2に示す。
【0063】
比較例2
エマルション(1)の代わりにエマルション(2)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして泡立ち試験を行った。結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
Figure 0004107909
【0065】
表2中、剤添加量とは、エマルション(2)の添加量である。バブリングにおいて、流量とは、空気の流量である。最終pHとは、エマルションを添加してバブリングした後のpHである。
【0066】
実施例3
エマルション(1)の代りにエマルション(2)を用い、かつ、クニゲルV−1の代りに浅間印ベントナイト(豊順洋行社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして泡立ち試験を行った。結果を表3に示す。表3中の記載は、表2と同様である。
【0067】
比較例3
エマルション(1)の代りにエマルション(2)を用い、かつ、クニゲルV−1の代りに浅間印ベントナイト(豊順洋行社製)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして泡立ち試験を行った。結果を表3に示す。
【0068】
【表3】
Figure 0004107909
【0069】
実施例4
エマルション(1)の代りにエマルション(2)を用い、かつ、イオン交換水の代りに水道水を用いたこと以外は、実施例1と同様にして泡立ち試験を行った。結果を表4に示す。表4中の記載は、表2と同様である。
【0070】
比較例4
エマルション(1)の代りにエマルション(2)を用い、かつ、イオン水の代りに水道水を用いたこと以外は、比較例1と同様にして泡立ち試験を行った。結果を表4に示す。
【0071】
【表4】
Figure 0004107909
【0072】
実施例5
1000mLビーカーに25℃の水道水500mLを入れ、ベントナイト(商品名:クニゲルV−1、クニミネ工業社製)10.0g(2%)を投入し、ラボスターラーを用いて500rpmで25分間攪拌し、ベントナイトを分散させた。続けて無水炭酸ナトリウム(ソーダ灰)0.5g(0.1%)を添加し、更に5分間攪拌した。この液を3000mLメスシリンダーに移し入れ、小型エアーポンプを用いて1279mL/分で5分間エアーバブリングした。一旦バブリングを停止して、ここへエマルション(2)を2.5g(0.5%)添加した後、直ちに1279mL/分でエアーバブリングし、発泡量を測度した。測定後の液を16時間静置後、再び1279mL/分でエアーバブリングし、発泡量を測定した。泡立ち試験の結果を表5に示す。
【0073】
比較例5
1000mLビーカーに25℃の水道水500mLを入れ、ベントナイト(商品名:クニゲルV−1、クニミネ工業社製)10.0g(2%)を投入し、ラボスターラーを用いて500rpmで25分間攪拌し、ベントナイトを分散させた。この液を3000mLメスシリンダーに移し入れ、小型エアーポンプを用いて1279mL/分で5分間エアーバブリングした。一旦バブリングを停止して、ここヘエマルション(2)を2.5g(0.5%)添加した後、直ちに1279mL/分でエアーバブリングし、発泡量を測定した。測定後の液を16時間静置後、再び1279mL/分でエアーバブリングし、発泡量を測定した。泡立ち試験の結果を表5に示す。
【0074】
【表5】
Figure 0004107909
【0075】
実施例6
1000mLメスシリンダーにイオン交換水500mLを入れ、ガス濾過管(相互理化学硝子製作所社製、硝子粒子番号2)を用いて15L/分で空気をバブリングしながら、ベントナイト(商品名:クニゲルV−1、クニミネ工業社製)10.0g(2%)を徐々に投入し、そのまま10分間バブリングを続けてベントナイトを分散させた。次に一旦バブリングを停止し、無水炭酸ナトリウム(ソーダ灰)0.5g(0.1%)を添加して、5L/分で空気を1分間バブリングした。−旦バブリングを停止し、ここヘエマルション(2)を2.5g(0.5%)添加した後、5L/分で空気を1分間バブリングした。このときのバブリング時における泡高は、最大800mL標線であった。得られた掘削安定液について、以下に示すAMERICAN PETROLEUM INSTITUTE(API)の試験方法に準じた方法で、ファンネル粘度及び濾水量を測定し、あわせてpHを測定した。結果を表6に示す。
【0076】
[ファンネル粘度測定方法]
漏斗型のファンネル粘度計に掘削安定液を500mL採り、その全量が流出するまでの時間を測定した。
【0077】
[濾水量測定法]
直径90mmの濾紙(No.4A、東洋濾紙社製)をセットした濾水量測定装置のシリンダー内に、掘削安定液を290mL入れ、ドレン付の蓋をセットした。シリンダーを所定位置に固定し、その下にメスシリンダーを置いた後、窒素ボンベを用いてシリンダー内を2.94×102kPaとなるように圧力をかけ、30分間に流出する水の量(mL)を測定した。
【0078】
参考例1
イオン交換水600mLとエマルション(2)3.6g(0.6%)を、ステンレスカップに入れ、次にベントナイト(商品名:クニゲルV−1、クニミネ工業社製)18.0g(3%)を投入して、ハミルトンビーチミキサーを用いて回転速度1200rpmで攪拌しながら、続けて無水炭酸ナトリウム(ソーダ灰)0.84g(0.14%)を添加して、そのまま30分間攪拌した。得られた掘削安定液について、実施例6と同様の方法で、ファンネル粘度及び濾水量を測定し、あわせてpHを測定した。結果を表6に示す。
【0079】
参考例2
ベントナイトとして、クニゲルV一1の代わりに浅間印ベントナイト(豊順洋行社製)を用いたこと以外は、参考例1と同様にして掘削安定液を調製した。得られた掘削安定液について、実施例6と同様の方法で、ファンネル粘度及び濾水量を測定し、あわせてpHを測度した。結果を表6に示す。
【0080】
参考例3
イオン交換水600mLをステンレスカップに入れ、次にベントナイト(浅間印、豊順洋行社製)18.0g(3%)を投入して、ハミルトンビーチミキサーを用いて回転速度1200rpmで攪拌しながら、CMC(商品名:テルポリマー30、テルナイト社製)1.8g(0.3%)を添加して、そのまま30分間攪拌した。得られた掘削安定液について、実施例6と同様の方法で、ファンネル粘度及び濾水量を測定し、あわせてpHを測定した。結果を表6に示す。
【0081】
【表6】
Figure 0004107909
【0082】
表6の結果から明らかなように、本発明の方法で調製した掘削安定液(実施例6)は、塩基性物質後添加系での掘削安定液(参考例1、2)や従来の掘削安定液(参考例3)(いずれも攪拌法による)と比較して、その性能上、すなわちファンネル粘度と濾水量においてほぼ同等の値を示しており、実用上充分問題なく使用できることを示している。
【0083】
エマルション製造例(3)
滴下ロート、攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を取り付けたフラスコに、イオン交換水270.6部、及び、30%乳化剤水溶液(日本乳化剤社製、商品名:ニューコール707SF)9.7部とを仕込み、フラスコ内を窒素ガスで置換しつつ、75℃まで攪拌しながら昇温した。一方、メタクリル酸101.9部と、アクリル酸メチル189.2部とを、30%乳化剤水溶液(日本乳化剤社製、商品名:ニューコール707SF)19.4部をイオン交換水392.4部に溶解した乳化剤水溶液に添加し、激しく攪拌することにより、プレエマルション(単量体濃度41.4%)を調製し、該プレエマルションを滴下ロートに仕込んだ。
【0084】
次いで、上記プレエマルションのうちの70.3部をフラスコ内に投入して10分間攪拌後、続いて、重合開始剤として5%過硫酸アンモニウム水溶液3.4部を一括投入し、20分間攪拌することにより、初期重合を行った。その後、反応温度を77℃に保ちながら、滴下ロートからプレエマルションを2時間かけて滴下した。滴下終了後、イオン交換水10.0部を用いて滴下ロートを洗浄し、この洗液をフラスコに投入した。更に30分間重合させた後、後添加触媒として0.5%亜硫酸水素ナトリウム3.4部を一括添加し、更に60分間重合させた。得られた反応液を冷却して重合を終了し、エマルション(3)を得た。このときの固形分は、30.0%であった。
[組成:メタクリル酸/アクリル酸メチル=35/65(質量比)]
【0085】
実施例7
500mLメスシリンダーにイオン交換水100mLを入れ、ガス濾過管(相互理化学硝子製作所社製、硝子粒子番号2)を用いて15L/分で空気をバブリングしながら、ベントナイト(商品名:クニゲルV−1、クニミネ工業社製)2.0g(2%)を徐々に添加し、そのまま5分間バブリングを続けてベントナイトを分散させた。次に、一旦バブリングを停止し、無水炭酸ナトリウム(ソーダ灰)0.4g(0.4%)を添加して、5L/分で空気を1分間バブリングした。一旦バブリングを停止し、ここへエマルション(3)を0.5g(0.5%)添加した後、5L/分で空気を1分間バブリングした。泡立ち試験の結果を表7に示す。
【0086】
比較例6
500mLメスシリンダーにイオン交換水100mLを入れ、ガス濾過管(相互理化学硝子製作所社製、硝子粒子番号2)を用いて15L/分で空気をバブリングしながら、ベントナイト(商品名:クニゲルV−1、クニミネ工業社製)2.0g(2%)を徐々に添加し、そのまま5分間バブリングを続けてベントナイトを分散させた。一旦バブリングを停止し、ここへエマルション(3)を0.5g(0.5%)添加した後、5L/分で空気を1分間バブリングした。泡立ち試験の結果を表7に示す。
【0087】
【表7】
Figure 0004107909
【0088】
表7中、剤添加量とは、エマルション(3)の添加量である。バブリングにおいて、流量とは、空気の流量である。最終pHとは、エマルションを添加してバブリングした後のpHである。
【0089】
【発明の効果】
本発明の掘削安定液の調製方法は、上述の構成からなり、使用済の廃泥の処理が簡便であるうえに、掘削安定液としての基本性能に優れ、しかも消泡剤の使用を抑制しつつ、発泡を抑制することができるため、特に、コンクリートで置換する地中連続壁工法や場所打ち地中杭工法に用いられる掘削安定液を調製する際に好適である。

Claims (2)

  1. アルカリ可溶性エマルションと水系溶媒含有液とを混合してベントナイトが分散された掘削安定液を調製する方法であって、
    該掘削安定液の調製方法は、アルカリ可溶性エマルションと水系溶媒含有液とを混合するに際し、
    水系溶媒含有液中に噴射を利用して空気と共にベントナイトを吹き込むことによってベントナイトを分散させ、ここに塩基性物質を添加してpHを7以上に調整することにより、予め水系溶媒含有液に塩基性物質を添加して該水系溶媒含有液のpHを7以上とし、
    アルカリ可溶性エマルションを添加して掘削安定液とする
    ことを特徴とする掘削安定液の調製方法。
  2. 前記掘削安定液は、ベントナイトの含有量が、掘削安定液100質量%に対して、質量%であり、アルカリ可溶性エマルションの含有量が、エマルションの固形分として、掘削安定液100質量%に対して、0.01〜20質量%である
    ことを特徴とする請求項記載の掘削安定液の調製方法。
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