JP4107503B2 - 棒状喫煙物品のためのパッケージ - Google Patents
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Description
上述のパッケージのリッドが消費者、即ち、喫煙者により最初に開かれたとき、喫煙者は包材の分離可能領域を包材から引き離し、この結果、内容物における棒状喫煙物品の束の一部がボックスの前壁から外部に露出される。より詳しくは、ボックスの前壁はインナフレームを含み、棒状喫煙物品の束の一部はインナフレームのU字形のアクセス開口を通じて外部に露出される。従って、喫煙者はインナフレームのアクセス開口を通じてボックスから棒状喫煙物品を容易に抜出すことができる。
上述のパッケージによれば、喫煙者はパッケージのリッドを最初に開き、そして棒状喫煙物品にアクセスするとき、内容物の分離可能領域を包材から必ず取り除かなければならない。このため、パッケージから棒状喫煙物品を初めて取出すことは喫煙者にとって煩わしい。
また、分離可能領域が包材から取り除かれると、分離可能領域は塵となる分離片を形成し、このような分離片の廃棄処理もまた喫煙者にとって煩わしい。
本発明の目的は、パッケージが最初に開かれる際、このパッケージからの棒状物品の抜き取りを容易に行え、しかも、パッケージの開封時に塵となる分離片を発生させることのない棒状喫煙物品のためのパッケージを提供することにある。
ボックスであって、前壁、開口端、並びに、前壁に開口端の前縁から形成されたアクセス開口及びアクセス開口を形成するための切り取り線の一方を含み、切り取り線が前壁に開口予定領域を区画する、ボックスと、
ボックス内に収容された内容物であって、棒状喫煙物品の束、この束を包み込み、開口端側の内容物の閉塞面を形成する包材及び包材に切り離し線を介して区画された分離可能領域を含み、分離可能領域がアクセス開口又は開口予定領域に対応したフロント部分を有する、内容物と、
ボックスにおける開口端の後縁にヒンジ結合されたリッドであって、アクセス開口又は開口予定領域及び開口端を覆う内面を含む、リッドと、
リッドの前記内面と分離可能領域とをアクセス開口又は開口予定領域を介して相互に結合する結合領域と
を具備する。
上述したパッケージによれば、パッケージが製造されたとき、リッドの内面と包材の分離可能領域とはアクセス開口又は開口予定領域を介して直線的又は間接的に接着されている。この状態で、リッドが最初に開かれたとき、リッドの回動に伴い、分離可能領域は包材の残部から切り離されるか、又は、ボックスからの開口予定領域の切り離しを同時に伴い、包材の残部から切り離され、そして、分離片を形成する。この分離片はリッドの内面に直接、又は、開口予定領域の切り離しにより形成された分離片を接着されたまま維持される。
従って、パッケージが最初に開封されたとき、分離可能領域の切り離しにより得られた分離片及び/又は開口予定領域の切り離しにより得られた分離片のための廃棄処理が不要となる。
具体的には、パッケージはインナフレームを備えたヒンジリッド型パックであって、パッケージのボックスはアクセス開口を予め含むことができる。
この場合、結合領域は、リッドの内面と分離可能領域のフロント部分とをアクセス開口を通じて接着する第1接着領域を含む。
更に、内容物の閉塞面が、一対のエンドフラップと、これらエンドフラップに順次重ね合わされたインナサイドフラップ及び前記分離可能領域の一部としてのアウタサイドフラップを含んでいる場合、結合領域は、アウトサイドフラップとリッドの内面とを互いに接着する第2接着領域を更に含むことができる。
上述したように結合領域が第1及び第2接着領域を共に含んでいれば、分離可能領域は確実に切り離される。
好ましくは、上述した切り離し線は、アウタサイドフラップを包材の残部から分離するスリットを有する。このようなスリットは分離可能領域の切り離しを更に容易にする。
更に、本発明のパッケージは、タングリッドを備えたパックである。この場合、ボックスは、その前壁にアクセス開口又は開口予定領域よりもボックスの底側に位置したスリットを有しており、タングリッドはボックスの開口端を覆うための天井壁と、ボックスのアクセス開口又は開口予定領域を覆うためのタングであって、スリットに差込み可能な先端を有するタングと、天井壁の内面に張り付けられた補強部材とを含み、補強部材はタングリッドが最初に開かれたときにボックスから分離される。
上述したタングリッド型パックの場合、結合領域は、タングの内面と前記分離可能領域の前記フロント部分とをアクセス開口を通じて直接に、又は、開口予定領域を介して接着する第1接着領域を含む。
更に、内容物の閉塞面が、一対のエンドフラップと、これらエンドフラップに順次重ね合わされたインナサイドフラップ及び分離可能領域の一部としてのアウタサイドフラップを含んでいる場合、結合領域は、アウトサイドフラップと補強部材とを互いに接着する第2接着領域を更に含むことができる。
第2図は、パック内に収容される内容物の斜視図、
第3図は、内容物の包材を展開して示した図、
第4図は、第1図のアウタケーシング及びリッドを形成するためのブランクの展開図、
第5図〜第7図は、第4図のブランクの折込み手順を順に説明するため図、
第8図は、タングリッド型パックの斜視図、
第9図は、第8図のパックのためのブランクの展開図、
第10図は、変形例のブランクの一部を示した図、
第11図は、インナフレームのためのブランクの展開図である。
パックはボックス2を備え、ボックス2はアウタケーシング4及びインナフレーム6を有する。アウタケーシング4は開口した上端を有し、この上端の開口面はボックス2の前壁10に向けて下方に傾斜している。インナフレーム6は断面でみてU字形状をなし、アウタケーシング4内に配置されている。インナフレーム6はアウタケーシング4の上端から突出し、ボックス2の開口端9をアウタケーシング4と協働して形成する。
ボックス2は内容物12を収容しており、この内容物12はシガレット束CB及びこのシガレット束CBを包み込む包材14を有する。例えば、シガレット束CBは20本のフィルタシガレットを含んでいる。
包材14は、紙等のベース層と、このベース層の表面に形成された金属の薄膜層とを有する。包材14はボックス2を形成するブランクと同様に可燃廃棄物として分類され、これに対し、前述したフィルムは不燃廃棄物として分類される。
内容物12は上側閉塞面を有し、この上側閉塞面は包材14の折込みにより形成されている。内容物12の上側閉塞面はボックス2の開口端8から露出する。また、内容物12の前面上部もまたインナフレーム6から露出している。より詳しくは、インナフレーム6はその上縁に略U字形のアクセス開口16を有し、このアクセス開口16が内容物12の前面上部を露出させている。
一方、内容物12の包材14は第2図中に示されるように1点鎖線の切り離し線18を有する。この切り離し線18は包材14の一部を分離可能領域20として区画する。分離可能領域20はインナフレーム6のアクセス開口16に対応した部分と、内容物12の上側閉塞面の一部とを含む。
より詳しくは、第2図から明らかなように内容物12の上側閉塞面は、包材14の左右のエンドフラップ22と、これらエンドフラップ22上に順次重ね合わされたインナフラップ24及びアウタフラップ26を有し、分離可能領域20はアウタフラップ26を含む。
第3図は包材14の展開図を示す。この展開図から明らかなように分離可能領域20を区画する切り離し線18は2つのスリット28と、これらスリット28間を接続する穿孔列とを有する。これらスリット28は、アウタフラップ26を形成するための包材14の部分と、包材14の残部、具体的にはエンドフラップ22を形成する包材14の部分との間に形成され、これらアウタフラップ26とエンドフラップ22を互いに分離させている。
なお、切り離し線18の穿孔列は、インナフラップ6のアクセス開口16に対応した部分を区画する。また、スリット28は穿孔列に置換可能である。
第3図中の破線は包材14の折込み線を示する。包材14は折込み線に従い、シガレット束CBの回りに折り込まれ、これにより、前述の内容物12が成形される。なお、図3でみて、包材14の下側部分は内容物12の下側閉塞面、即ち、その底を形成する。
再度、第1図を参照すれば、パックはリッド28を更に含み、このリッド28はボックス2(アウタケーシング4)における開口端8の後縁に一体的にセルフヒンジを介して結合されている。従って、リッド28はセルフヒンジの軸線を中心として回動可能であり、この回動により、ボックス2の開口端8を開閉する。
リッド28が閉じられたとき、リッド28はアウタケーシング4から突出したインナフレーム6の部分に被せられ、リッド28の開口縁はアウタケーシング4の開口縁に合致する。つまり、リッド28の開口面もまたアウタケーシング4の開口面の傾斜に合わせて傾斜している。
より詳しくは、リッド28はインナフレーム6のアクセス開口16を有する前面に重なり合う前側内面30と、内容物12の上側閉塞面に重なり合う天井面32と、インナフレーム6の両側面にそれぞれ重なり合う内側面を有する。
第1図に示されるようにリッド28が開かれると同時に、前述した分離可能領域20は包材14から切り離されて分離片34を形成し、この分離片34はリッド28の前側内面30及び天井面32にそれぞれ接着された状態で、保持されている。この結果、内容物12のシガレット束CBはその一部がインナフレーム6のアクセス開口16を通じて露出し、このアクセス開口16からシガレット束CBのフィルタシガレットを抜出し可能となる。
上述した分離片34を形成するため、パックの製造過程にて、包材14の分離可能領域20はリッド28の前側内面30及び天井面32のそれぞれに既に接着された状態にある。このような接着状態は、アウタケーシング4及びリッド28を形成するためのブランク36に、第4図に示される糊塗布域38,40を新たに付加することにより得られる。なお、第4図はブランク36の裏面を示し、糊塗布領域38,40は第4図中クロスハッチングを施して表されている。
第4図でみて、ブランク36はアウタケーシング4を形成するためのロアセクション36Lと、リッド28を形成するためのアッパセクション36Uとを含む。これらロアセクション36L及びアッパセクション36Uは、前述のセルフヒンジを形成する折込み線37を介して相互に連なっている。なお、以下の説明において、その他の折込み線もまた、第4図中にて、折込み線37と同様に破線で示されている。
ロアセクション36Lはその上部にリアパネル40を有し、このリアパネル40はアウタケーシング4の後壁を形成するための部分である。第4図でみて、リアパネル40の下側にはアウタボトムパネル42を介してフロントパネル44が接続されている。アウタボトムパネル42及びフロントパネル44は、アウタケーシング4の前壁10及び底壁をそれぞれ形成するための部分である。リアパネル40とアウタボトムパネル42との間、また、アウタボトムパネル42とフロントパネル44との間はそれぞれ折込み線を介して区画されている。
リアパネル40の両側縁には折込み線を介して一対のインナサイドフラップ46が接続されており、これらインナサイドフラップ46は、アウタケーシング4のインナサイド壁を形成する部分である。各インナサイドドフラップ46の下縁には折込み線を介してインナボトムフラップ48が接続されており、これらインナボトムフラップ48はアウタボトムパネル42の両側にそれぞれ配置されている。インナボトムフラップ48は、アウタケーシング4の底壁を補強するためのリーンフォースメントとなる部分である。
更に、フロントパネル44の両側縁にも折込み線を介して一対のアウタサイドフラップ50が接続されており、これらアウタサイドフラップ50はアウタケーシング4のアウタサイド壁を形成するための部分である。即ち、アウタケーンシグ4の各サイド壁は、インナ及びアウタサイドフラップ46,50から形成されることになる。
一方、アッパセクション36Uは、折込み線37を介してリアパネル40に連なる矩形部分を有する。この矩形部分は折込み線によって4つのパネルに区画され、これらパネルは、第4図でみて上側からインナフロントパネル52、アウタフロントパネル54、アウタトップパネル56及びリアパネル58と称される。
アウタフロントパネル54は、リッド28の前壁を形成するための部分であり、アウタフロントパネル54の両側縁には折込み線を介してサイドアウタフラップ60がそれぞれ接続されている。
リアパネル58の両側にも折込み線を介してインナサイドフラップ62がそれぞれ接続されている。インナサイドフラップ62及びアウタサイドフラップ60は互いに協働してリッド28の各側壁を形成するための部分である。
更に、インナサイドフラップ62には折込み線を介してトップインナフラップ64がそれぞれ接続されている。これらトップインナフラップ64はアウタトップパネル56の両側に配置され、リッド28の天井壁を補強するためのリーンフォースメントとなる部分である。
前述したパネル及びフラップにはその裏面の所定個所、つまり、第4図中にハッチングを施して示した領域66に糊がそれぞれ塗布される。これら糊塗布領域66は、ブランク36への内容物12の接着や、互いに重ね合わされるフラップ間の接着に使用される。
上述した糊塗布領域66は通常のパックもまた備えているが、本発明のパックは前述した糊塗布領域38,40を新たに備えている。
図4から明らかなように糊塗布領域38はトップインナフラップ64の一部にそれぞれ形成されている。これら糊塗布領域38は、前述した内容物12の上側閉塞面を形成するアウタフラップ26の両端部にそれぞれ対応して位置付けられている(第2図参照)。
一方、糊塗布領域40はインナフロントパネル52の表面に形成されており、糊塗布領域40、前述したインナフラップ6のアクセス開口16に対応して位置付けられている。
次に、図5〜第7図を参照しながらパックの製造工程を説明する。
第5図に示されるように、ブランク36の裏面上に内容物12が供給される。この際、内容物12はリアパネル40に重ね合わされ、これら内容物12及びリアパネル40は糊塗布領域66を介して相互に接着される。
なお、内容物12がリアパネル40上に供給される前に、内容物12はその上面にインナフレーム6を有しており、インナフレーム6及び内容物12は互いに接着されている。
この後、一対のインナサイドフラップ46は内容物12の両側面に向けて折り込まれ、これら両面に重ね合わされる。この際、インナサイドフラップ46の糊塗布領域66はそのインナサイドフラップ46と内容物12の側面とを互いに接着する。
インナサイドフラップ46の折込みと同時に、一対のインナサイドフラップ62はトップインナフラップ64を伴い同様にして折り込まれる。それ故、インナサイドフラップ62及びトップインナフラップ64は、対応するインナサイドフラップ46とともに一線上に並ぶ。
この後、第6図に示されるように、一対のインナボトムフラップ48が内容物12の底面に向けて折り込まれ、この底面に重ね合わされる。同時に、一対のインナトップフラップ64もまた、内包体12の上側閉塞面に向けて折り込まれ、上側閉塞面に重ね合わされる。この際、これらインナトップフラップ64の糊塗布領域38は、そのインナトップフラップ64と上側閉塞面のアウタフラップ26との間を互いに接着する。
更に、第6図に示されるように、インナフロントパネル52はアウタフロントパネル54に向けて折り込まれ、アウタフロントパネル54に重ね合わされる。インナフロントパネル52の糊塗布領域66はインナ及びアウタフロントパネル52,54を互いに接着する。互いに接着されたインナ及びアウタフロントパネル52,54はリッド28の前壁を形成する。
ここで、前述した糊塗布領域40がインナフロントパネル52の折込みにより、ブランク36の裏面側に位置付けられることに留意すべである。
この後、アウタボトムパネル42はフロントパネル44を伴い、内容物12の底に向けて折り込まれ、この底に重ね合わされる。更に、フロントパネル44は内容物12の表面に向けて折り込まれ、この表面にインナフレーム6を介して重ね合わされる。フロントパネル44の糊塗布領域66は、フロントパネル44とインナフレーム6の下部とを互いに接着する。
フロントパネル44の折込みと同時に、アウタトップフラップ56は内容物12の上側閉塞面に向けて折り込まれ、この上側閉塞面に左右のインナトップフラップ64を介して重ね合わされる。このとき、前述したリッド28の前壁(インナ及びアウタフロントパネル52,54)は、左右のアウタサイドフラップ60とともに、内容物12の上面から起立した状態となる。
この後、リッド28の前壁はアウタサイドフラップ60を伴い、内容物12の上面に向けて折り込まれ、この上面に重ね合わされる。
この際、リッド28の前壁、即ち、インナフロントパネル52の糊塗布領域40は、インナフレーム6のアクセス開口16を通じ、内包体12における包材14の分離可能領域20に当接し、分離可能領域20とリッド28の前壁とを互いに接着する。この状態は第7図に示されている。
この時点にて、第7図から明らかなようにリッド28側の一対のアウタサイドフラップ60及びボックス2側の一対のアウタサイドフラップ50は共に内容物12の両側面からそれぞれ突出した状態にある。
この後、アウタサイドサイドフラップ60,50は共に内容物12の対応する側面に向けて折り込まれ、この側面、即ち、既に折り込まれたインナサイドフラップ62,46にそれぞれ重ね合わされる。アウタサイドフラップ60,50のの糊塗布領域66は、アウタサイドフラップ60,50をインナサイドフラップ62,44にそれぞれ接着し、この時点で、パックの製造が完了する。
上述したブランク36の折込み手順は通常のブランクの折込み手順と同一である。それ故、本発明のパックは、通常のパック包装機に糊塗布領域38,40を形成するための糊塗布装置(図示しない)を付加するだけで、簡単に製造可能である。
この後、パックはフィルム包装機(図示しない)に供給され、このフィルム包装機は、開封テープを備えたフィルムによりパックを包み込む。
上述したパックのリッド28が未だ開かれていない状態にあるとき、包材14の分離可能領域20はリッド28における天井面32及び前壁の内面30にそれぞれ接着されている。具体的には、分離可能領域20の一部である包材14のアウタフラップ26は、リッド28の天井面32(一対のインナトップフラップ64)に糊塗布領域38を介して接着され、そして、分離可能領域20の残部はリッド28の前壁の内面30(インナフロントパネル52)に糊塗布領域40を介して接着されている。
なお、第2図中、糊塗布領域38,40による分離可能領域20の接着箇所はマークMにより示されている。
この後、パックのリッド28が最初にセルフヒンジの回りに回動されたとき、つまり、リッド28が最初に開かれたとき、分離可能領域20はリッド28に接着されているので、リッド28の回動は包材14から分離可能領域20を切り離する。切り離された分離可能領域20は第1図に示されるような分離片34を形成するが、この分離片34はリッド28の内面に接着した状態で維持される。
喫煙者はリッド28を最初に開くだけで、包材14の分離可能領域20を切り離すことができるので、リッド28を開いた後、喫煙者が分離可能領域20を手で切り離す必要はない。この結果、分離可能領域20の切り離しに要する手間が省け、パックの開封を容易に行うことができる、
分離片34はリッド28の内面に接着されているから、分離片34がリッド28から脱落することはない。従って、パックの開封時、分離片34の廃棄処理は不要となる。なお、パック内のフィルタシガレットが全て消費された後、分離片34は空のパックと共に廃棄される。
また、分離可能領域20はリッド28の内面に3個所にて接着されているので、リッド28の回動操作に伴い、分離可能領域20は切り離し線18(第2図参照)に沿って確実に切り離され、分離片34の一部がリッド28の外側にはみ出ることもない。
更に、分離可能領域20のアウタフラップ26はスリット28(第2図参照)により包材14の他の部位から完全に分離された状態にある。従って、分離可能領域20が切り離されるとき、アウタフラップ26がインナフレーム6やアウタケーシング4に引っ掛かり、分離可能領域20の切り離しにとって大きな抵抗となることもない。
本発明は上述の一実施例に制約されるものではなく種々の変形が可能である。
例えば、分離可能領域20を区画する切り離し線18はその全体をスリットの列から形成することができる。
また、分離可能領域は、通常のパックの内容物が有する分離可能領域であってもよい。この場合、包材14は通常の折込み形態で、内容物12の上側閉塞面を形成する。
第1図に示したパッケージはヒンジリッド型パックであるが、本発明のパッケージは第8図に示されるようなタングリッド型パックのように、種々の形態のリッドを備えたパックにも適用可能である。
第8図のタングリッド型パックによれば、ボディ2はアウタケーシング4のみから形成され、インナフレーム6を有していない。それ故、アウタケーシング4はその前壁に形成されたアクセス開口16を有する。
更に、アウタケーシング4の前壁10には差込みスリット68を形成されている。差込みスリット68は、切欠16の下側に位置付けられ、アクセス開口16に向けて開いたV字形状をなす。
アウタケーシング4にはボックス形のリッド28に代えて、タングリッド70が備えてられている。このタングリッド70はアウタケーシング4における開口端8の後縁にセルフヒンジを介して接続されている。
タングリッド70は内容物12の上側閉塞面を閉塞する天井壁72と、この天井壁72に折込み線を介して接続されたタング74とを有する。タング74がアウタケーシング4の前壁に重ね合わされたとき、タング74はアクセス開口16及び差込みスリット68を共に覆うことができる。更に、タング74の先端部は先細状の差込み片76として形成され、この差込み片76は折込み線によりタング74の基部から区画されている。差込み片76はアウタケーシング4の差込みスリット68を通じてアウタケーシング4内に挿入可能である。
第8図のパックは、第9図に示されるブランク78から成形される。このブランク78は、前述したブランク36と比較して、以下の点で相違する。
ブランク78のフロントパネル44はアクセス開口16及び差込みスリット68を有し、タングリッド70はセルフヒンジを形成する折込み線を介してリアパネル40に接続されている。
糊塗布領域38は、各インナトップフラップ64の表面及び裏面のそれぞれに形成されている。更に、各インナトップフラップ64は、折込み線に代えて切り取り線80を介してインナサイドフラップ46に接続されている。
一方、糊塗布領域40はタング74の裏面に形成され、アクセス開口16に対応した位置に位置付けられている。
このようなブランク78の折込み手順は前述したブランク36の折込み手順とほぼ同様であるが、タングリッド70は、フロントパネル44の折込みが完了した後にフロントパネル44に向けて折り込まれる。即ち、タングリッド70のタング74はフロントパネル44上に重ね合わされる。
上述のタングリッド型パックが製造されたとき、分離可能領域20のアウタフラップ26(第2図参照)はその裏面の糊塗布領域38を介して一対のインナトップフラップ64に接着されており、そして、これらインナトップフラップ64はその表面の糊塗布領域38を介してタングリッド70の天井壁72の内面に接着されている。また、糊塗布領域40はアクセス開口16内に位置付けられ、タングリッド70のタング74と分離可能領域20とを互いに接着している。
タングリッド型パックのタングリッド70が最初に開かれたとき、一対のインナトップフラップ64が対応するインナサイドフラップ46から切り離されると同時に、分離可能領域20は包材14から切り離され、分離片34を形成する。この分離片34はタングリッド70に接着されたままに維持される。
第10図に示されるようにブランク78はアクセス開口16の代わりに、切り取り線82を有することができる。この切り取り線82は、ブランクのフロントパネル44に予め形成され、フロントパネル44にアクセス開口16のための開口予定領域84を区画する。開口予定領域84はその表面及び裏面に糊塗布領域40をそれぞれ有する。
パックが製造された後、分離可能領域20は開口予定領域84の裏面に糊塗布領域40を介して接着され、開口予定領域84はその表面の糊塗布領域40を介してタングリッド70のタング74に接着されている。
タングリッド70が最初に開かれたとき、包材14から分離可能領域20が切り離されると同時に、フロントパネル44から開口予定領域84が切り離される。開口予定領域84の切り離しはフロントパネル44にアクセス開口16を形成する。
分離可能領域20及び開口予定領域84の切り離しにより形成された分離片34,86(第10図参照)は共に、タングリッド70の裏面に接着した状態で保持される。
更に、前述したインナフレーム6もまた、アクセス開口16の代わりに前述した開口予定領域84と同様な開口予定領域を有することができる。即ち、第11図は、インナフレーム6のブランク86を示し、このブランク86には切り取り線88により開口予定領域90が区画されている。この場合、開口予定領域90はその裏面に糊塗布領域40を有し、この糊塗布領域40はインナフレーム6と分離可能領域20とを接着している。
Claims (15)
- 棒状喫煙物品のためのパッケージは、
ボックスであって、前壁、開口端、並びに、前記前壁に前記開口端の前縁から形成されたアクセス開口及び前記アクセス開口を形成するための切り取り線の一方を含み、前記切り取り線が前記前壁に開口予定領域を区画する、ボックスと、
前記ボックス内に収容された内容物であって、棒状喫煙物品の束、この束を包み込み、前記開口端側の前記内容物の閉塞面を形成する包材及び前記包材に切り離し線を介して区画された分離可能領域を含み、前記分離可能領域が前記アクセス開口又は前記開口予定領域に対応したフロント部分を有する、内容物と、
前記ボックスにおける前記開口端の後縁にヒンジ結合されたリッドであって、前記アクセス開口又は開口予定領域及び前記開口端を覆う内面を含む、リッドと、
前記リッドの前記内面と前記分離可能領域とを前記アクセス開口又は前記開口予定領域を介して相互に結合する結合領域と
を具備する。 - 請求項1のパッケージにおいて、
前記パッケージは、インナフレームを備えたヒンジリッド型パックである。 - 請求項2のパッケージにおいて、
前記ボックスは、前記アクセス開口を予め含む。 - 請求項3のパッケージにおいて、
前記結合領域は、前記リッドの前記内面と前記分離可能領域の前記フロント部分とを前記アクセス開口を通じて接着する第1接着領域を含む。 - 請求項4のパッケージにおいて、
前記内容物の前記閉塞面は、一対のエンドフラップと、これらエンドフラップに順次重ね合わされたインナサイドフラップ及び前記分離可能領域の一部としてのアウタサイドフラップを含み、
前記結合領域は、前記アウトサイドフラップと前記リッドの内面とを互いに接着する第2接着領域を更に含む。 - 請求項5のパッケージにおいて、
前記切り離し線は、前記アウタサイドフラップを前記包材の残部から分離するスリットを有する。 - 請求項1のパッケージにおいて、
前記パッケージはタングリッドを備えたパックであり、
前記ボックスは、その前壁に前記アクセス開口又は前記開口予定領域よりも前記ボックスの底側に位置したスリットを有し、
前記タングリッドは前記ボックスの前記開口端を覆うための天井壁と、前記ボックスの前記アクセス開口又は前記開口予定領域を覆うためのタングであって、前記スリットに差込み可能な先端を有するタングと、前記天井壁の内面に張り付けられた補強部材とを含み、前記補強部材は前記タングリッドが最初に開かれたときに前記ボックスから分離される。 - 請求項7のパッケージにおいて、
前記ボックスは、前記アクセス開口を予め含む。 - 請求項8のパッケージにおいて、
前記結合領域は、前記タングの内面と前記分離可能領域の前記フロント部分とを前記アクセス開口を通じて接着する第1接着領域を含む。 - 請求項9のパッケージにおいて、
前記内容物の前記閉塞面は、一対のエンドフラップと、これらエンドフラップに順次重ね合わされたインナサイドフラップ及び前記分離可能領域の一部としてのアウタサイドフラップを含み、
前記結合領域は、前記アウトサイドフラップと前記補強部材とを互いに接着する第2接着領域を更に含む。 - 請求項10のパッケージにおいて、
前記切り離し線は、前記アウタサイドフラップを前記包材の残部から分離するスリットを有する。 - 請求項7のパッケージにおいて、
前記ボックスは、前記開口予定領域を含む。 - 請求項12のパッケージにおいて、
前記結合領域は、前記開口予定領域を前記タングの内面及び前記分離可能領域の前記フロント部分にそれぞれ接着する第1接着領域を含む。 - 請求項13のパッケージにおいて、
前記内容物の前記閉塞面は、一対のエンドフラップと、これらエンドフラップに順次重ね合わされたインナサイドフラップ及び前記分離可能領域の一部としてのアウタサイドフラップを含み、
前記結合領域は、前記アウトサイドフラップと前記補強部材とを互いに接着する第2接着領域を更に含む。 - 請求項14のパッケージにおいて、
前記切り離し線は、前記アウタサイドフラップを前記包材の残部から分離するスリットを有する。
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