JP4107005B2 - 用紙後処理方法、用紙後処理装置及び画像形成システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの諸機能を有する複合機等の画像形成装置から排出される用紙を受容し、用紙収納部に積載して綴じ処理等の後処理を実施し、排紙部に排出する用紙後処理方法、用紙後処理装置、及び用紙後処理装置を備えて成る画像形成システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等の画像形成装置により画像が記録された多数枚の用紙を、プリント部数毎に丁合して、綴じ手段(ステイプラ)により綴じ合わせて製本する用紙後処理装置が提供されている。この用紙後処理装置は、画像形成装置のプリント機能と接続されて駆動される。
【0003】
複数枚で1セットになる用紙束に対して綴じ処理を行う用紙後処理装置として、特開平2−276691号、同8−319054号、特公平5−41991号各公報等が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の綴じ処理を行う用紙後処理装置においては、以下の課題がある。
【0005】
図9は、従来の幅整合部材と綴じ処理された用紙束の断面図である。
用紙載置台a上を搬送方向に沿って移動する用紙は、一対の幅整合部材b1,b2が用紙幅より広い間隔に保持された状態で導入される。用紙の進行方向先端部が用紙端突き当て部材の突き当て面に当接する直前に、駆動手段により幅整合部材b1,b2が用紙幅より狭い間隔に移動して、用紙の幅方向の両側縁部を押圧して幅整合を行う。この幅整合は用紙が用紙載置台a上に搬送される都度行われる。
【0006】
最終の用紙が用紙載置台a上の所定位置に載置されたとき、用紙載置台a上の複数の用紙から成る用紙束Saの側縁に対して一対の幅整合部材b1,b2が強く押圧して最終整合を行う。この最終整合による用紙束Saの側縁押圧状態において、綴じ手段により綴じ針SPを打針する。
【0007】
この最終整合による用紙束Saの幅整合時に、幅整合部材b1,b2が用紙幅より狭い間隔に停止するから、幅整合部材b1,b2が用紙束Saの両側縁を押圧して、用紙束Saの中央部付近を盛り上げた湾曲状にする。この湾曲状になった用紙束Saに綴じ手段により同時に綴じ処理を行うと、用紙束Saの中央部付近に弛みが生じて、平面性が損なわれた用紙束Saが作製されてしまう。
【0008】
特に、用紙載置台a上に多数枚の用紙Sを積載して綴じ処理する場合、用紙束Saの弛み発生が著しい。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明の用紙後処理方法、用紙後処理装置、及び画像形成システムにより解決される。
【0010】
(1) 画像形成装置から排出された用紙を搬送して用紙載置台上に積載し、前記用紙載置台上に積載される用紙を用紙搬送方向と直交する用紙幅方向を規制する一対の幅整合部材の移動により整列させるとともに、用紙端突き当て部材の突き当て面に用紙の端部を当接させて位置決め整列させた後、綴じ手段により綴じ処理する用紙後処理方法において、用紙幅方向の2箇所に配置された第1綴じ手段と第2綴じ手段とから成る一対の前記綴じ手段により整列された用紙に綴じ処理を行う時、前記第1綴じ手段の作動により第1の綴じ処理をした後、前記幅整合部材を用紙幅方向に若干開放させた後、前記第2綴じ手段の作動により第2の綴じ処理を行うように制御することを特徴とする用紙後処理方法。
【0011】
(2) 画像形成装置から排出された用紙を用紙載置台上に積載して整列させた後、綴じ手段により綴じ処理する用紙後処理装置において、前記用紙載置台上に積載される用紙を用紙搬送方向と直交する用紙幅方向を規制する一対の幅整合部材と、前記用紙幅方向の2箇所に配置された第1綴じ手段と第2綴じ手段とから成る一対の綴じ手段と、前記一対の幅整合部材を用紙搬送方向に直交する方向に往復移動させる駆動手段と、前記駆動手段により前記一対の幅整合部材の用紙幅方向間隔を縮小させる方向に移動させて用紙を整列させ、前記第1綴じ手段を作動させて第1の綴じ処理をした後、前記一対の幅整合部材の用紙幅方向間隔を拡大させる方向に移動させ、第2綴じ手段を作動させて第2の綴じ処理を行うように制御する制御手段と、を有することを特徴とする用紙後処理装置。
【0012】
(3) 画像書き込み手段、画像形成手段、用紙搬送手段から成る画像形成装置と、前記(2)に記載の幅整合部材、綴じ手段、制御手段から成る用紙後処理装置とを備えて成ることを特徴とする画像形成システム。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の用紙後処理方法、用紙後処理装置、及び用紙後処理装置を備えた画像形成装置を図面に基づいて説明する。
【0014】
[画像形成装置の一実施形態]
図1は画像形成装置A、画像読み取り装置B、用紙後処理装置(以下、後処理装置とも称す)FSから成る画像形成システムの全体構成図である。
【0015】
画像形成装置Aは、回転する像担持体1の周囲に、帯電手段2、像露光手段(書き込み手段)3、現像手段4、転写手段5A、除電手段5B、分離爪5C、及びクリーニング手段6を配置した画像形成部を有し、帯電手段2によって像担持体1の表面に一様帯電を行った後に、像露光手段3のレーザビームによって原稿から読み取られた画像データに基づく露光走査を行って潜像を形成し、該潜像を現像手段4により反転現像して像担持体1の表面にトナー像を形成する。
【0016】
一方、用紙収納手段7Aから給紙された用紙Sは転写位置へと送られる。転写位置において転写手段5Aにより前記トナー像が用紙S上に転写される。その後に、用紙Sは除電手段5Bにより裏面の電荷が消去され、分離爪5Cにより像担持体1から分離され、中間搬送部7Bにより搬送され、引き続き定着手段8により加熱定着され、排紙部7Cから排出される。
【0017】
用紙Sの両面に画像形成を行う場合には、定着手段8により加熱定着された用紙Sを、搬送路切り替え板7Dにより通常の排紙通路から分岐し、反転搬送7Eにおいてスイッチバックして表裏反転した後、排紙部7Cにより装置外に排出される。排紙部7Cから排出された用紙Sは、後処理装置FSの受入部11に送り込まれる。
【0018】
一方、像担持体1の画像処理後の表面は、分離爪5Cの下流においてクリーニング手段6により表面に残留している現像剤が除去され、次の画像形成に備える。
【0019】
画像形成装置Aの上部前面側には、画像形成モード、用紙後処理モードを選択して設定する操作部9が配置されている。
【0020】
画像形成装置Aの上部には、原稿移動型読み取り方式の自動原稿送り装置を備えた画像読み取り装置Bが設置されている。
【0021】
[後処理装置]
図2は、本発明に係る後処理装置FS内における用紙Sの搬送経路を示す全体構成図である。
【0022】
後処理装置FSには、図示の上段に第1給紙手段20Aと第2給紙手段20Bと固定排紙台30が配置され、中段に穿孔手段40とシフト手段50と排紙手段60がほぼ水平をなす同一平面上に直列配置され、下段に綴じ処理部(以下、用紙収納部とも称す)70と折り処理部80が傾斜面をなす同一平面上に直列配置されている。
【0023】
また、後処理装置FSの図示左側面には、シフト処理済みの用紙S及び端綴じ処理済みの用紙束Saを積載する昇降排紙台91と、三つ折り又は二つ折りに折り畳み処理された処理済み用紙束Sbを積載する固定排紙台92とが配置されている。
【0024】
後処理装置FSは画像形成装置Aから搬出された用紙Sの受入部11が画像形成装置Aの排紙部7Cと合致するよう位置と高さが調節され設置されている。
【0025】
受入部11には、画像形成装置Aから画像形成処理された用紙Sと、第1給紙手段20Aから供給される用紙束間を仕切る合紙K1と、第2給紙手段20Bから供給される表紙用紙K2とが導入される。
【0026】
・給紙手段
第1給紙手段20Aの給紙皿内に収容された合紙K1は、給紙部21により分離、給送され、搬送ローラ22,23,24に挟持されて、受入部11に導入される。また、第2給紙手段20Bの給紙皿内に収容された表紙用紙K2は、給紙部25により分離、給送され、搬送ローラ23,24に挟持されて、受入部11に導入される。
【0027】
・用紙分岐手段
穿孔手段40の用紙搬送方向下流側には、切り換え手段G1,G2から成る用紙分岐手段が設けられている。切り換え手段G1,G2は図示しないソレノイドの駆動により三方の用紙搬送路、即ち、上段排紙用の第1搬送路▲1▼、中段の第2搬送路▲2▼、下段の第3搬送路▲3▼の何れかに選択的に分岐させる。
【0028】
・単純排紙
この用紙搬送が設定されると、切り換え手段G1は第2搬送路▲2▼、第3搬送路▲3▼を遮断し、第1搬送路▲1▼のみを開放する。
【0029】
第1搬送路▲1▼を通過する用紙Sは、搬送ローラ31に挟持されて上昇し、排出ローラ32により排出され、固定排紙台30上に載置され、順次積載される。
【0030】
・シフト処理
この搬送モードに設定されると、切り換え手段G1は上方に退避し、切り換え手段G2は第3搬送路▲3▼を遮断し、第2搬送路▲2▼を開放し用紙Sの通過を可能にする。用紙Sは切り換え手段G1,G2の間に形成された通紙路を通過する。
【0031】
画像形成装置Aより排出された画像形成済みの用紙S、又は、第1給紙手段20Aから給送された合紙K1、或いは、第2給紙手段20Bから給送された表紙用紙K2は、切り換え手段G1,G2の中間通紙路を通過して、シフト手段50により用紙搬送方向に直交する方向に所定量移動されるようにシフト処理され、排紙手段60により排紙される。シフト手段50は所定の枚数毎に、搬送幅方向に用紙Sの排紙位置を変えるシフト処理を行う。
【0032】
・昇降排紙台への排紙
シフト処理済みの用紙S、又はシフト処理をしない用紙Sは、排紙手段60により機外の昇降排紙台91に排出され順次載置される。この昇降排紙台91は多数枚の用紙Sを排紙するときには、順次下降するように構成されており、最大約3000枚(A4,B5)の用紙Sを収容することが可能である。
【0033】
・綴じ処理
図3は、綴じ処理部70と折り処理部80から成る後処理ユニット10の断面図である。
【0034】
操作部9において綴じ処理または折り処理が設定されると、画像形成装置A内で画像形成処理されて、後処理装置FSの受入部11に送り込まれた画像形成済みの用紙Sは、穿孔手段40を通過し、切り換え手段G2の下方の第3搬送路▲3▼に送り込まれ、搬送ローラ12に挟持されて下方に搬送される。
【0035】
第3搬送路▲3▼において、A4,B5判より大きいサイズの用紙Sが搬送されるとき、ソレノイドSD1が駆動され、用紙Sは、切り換え手段G3の図示左側の通紙路13Aを通過して、搬送ローラ14に挟持されて、下方に搬送される。用紙Sは、更に下流の入口搬送ローラ対15により挟持されて送り出され、傾斜配置された用紙載置台71の上方空間に排出され、用紙載置台71または用紙載置台71上に積載された用紙Sの上面に接し、斜め上方に搬送される。用紙Sの進行方向後端部が入口搬送ローラ対15の挟持位置から排出されたのちには、用紙Sの自重により下降に転じ、用紙載置台71の傾斜面上を搬送され、打針機構700Aと受針機構700Bとから成る綴じ手段(ステイプル手段)近傍の平綴じ用の用紙端突き当て部材(以下、第1突き当て部材と称す)72の用紙突き当て面に用紙Sの後端部が当接して停止する。16は、用紙Sの先端部に摺接して巻き込み、第1突き当て部材72に送り込む回動するエンドレスベルト状の巻き込みベルトである。
【0036】
第3搬送路▲3▼において、A4,B5判等の小サイズの用紙Sを、効率よく連続的に搬送してコピー生産性を向上させるため、可動の切り替え手段G3と、切り替え手段G3の図示左側の通紙路13Aに平行する通紙路13Bとを設ける。
【0037】
切り替え手段G3に接続するソレノイドSD1を駆動させると、通路13Aを閉止し、通路13Bを開放する。
【0038】
搬送ローラ12から送り出された1枚目の小サイズの用紙Sの先端部は、通紙路13Bを通過して、回転停止状態の入口搬送ローラ対15の周面に当接して停止する。
【0039】
次に、ソレノイドSD1の通電がオフになり、切り換え手段G3の先端部が時計方向に揺動し、通紙路13Bを閉止し、通紙路13Aを開放する。搬送ローラ12から送り出された2枚目の用紙Sの先端部は、通紙路13Aを通過して、回転停止状態の入口搬送ローラ対15の周面に当接して停止する。従って、入口搬送ローラ対15の挟持位置付近には、1枚目の用紙Sと2枚目の用紙Sの各先端部が重なって停止し、待機状態となる。
【0040】
所定のタイミングをとって、入口搬送ローラ対15が駆動回転し、2枚の用紙Sを挟持して同時に搬送し、用紙載置台71上に排出する。3枚目以降は、入口搬送ローラ対15Aが用紙Sを1枚ずつ排出する。
【0041】
73は用紙載置台71の両側面に移動可能に設けた一対の上流側の第1幅整合部材である。第1幅整合部材73は用紙搬送方向と直交する方向に移動可能であり、用紙Sが用紙載置台71上に搬送される用紙受け入れ時には、用紙幅より広く開放される。用紙Sが用紙載置台71上を搬送され、第1突き当て部材72に当接して停止するときには、第1幅整合部材73は、用紙Sの幅方向の側縁を軽打して用紙束Saの幅揃え(幅整合)を行う。この停止位置において、用紙載置台71上に所定枚数の用紙Sが積載、整合されると、打針機構700Aと受針機構700Bとから成る綴じ手段により綴じ合わせ処理が行われ、用紙束Saが綴じ合わされる。
【0042】
用紙載置台71の用紙積載面の一部には切り欠き部が形成されていて、駆動プーリ74Aと従動プーリ74Bに巻回された排出ベルト75が回動可能に駆動される。排出ベルト75の一部には、排出爪76が一体に形成されていて、その先端部は、図示一点鎖線のように長円軌跡Xを描く。綴じ処理された用紙束Saは、排出ベルト75の排出爪76により用紙Sの後端部が押圧されて、排出ベルト75上に載せられ、用紙載置台71の載置面上を滑走して斜め上方に押し上げられ、排紙手段60の排出ローラ61の挟持位置に進行する。回転する排出ローラ61に挟持された用紙束Saは、昇降排紙台91上に排出、積載される(図2参照)。
【0043】
図4は、各種綴じ処理を実施する場合の、用紙束Saと第1綴じ手段701、第2綴じ手段702の配置を示す平面図である。図4(a)は、用紙束Saの側縁近傍で中央振り分け2箇所に綴じ針SP1,SP2を打針する平綴じ処理を示す。
【0044】
操作部9において平綴じ2箇所処理が設定されると、第1綴じ手段701、第2綴じ手段702により、用紙束Saの用紙幅方向の中央振り分け2箇所に綴じ針SP1,SP2を打つ(図4(a)参照)。
【0045】
なお、2箇所平綴じ、及び後述の中綴じの各綴じ処理が施される用紙束Saは、合紙K1、表紙用紙K2を含む場合もある。
【0046】
・中綴じ処理
図4(b)は用紙束Saの中央部2箇所に綴じ針SP1,SP2を打針する中綴じ処理を示す。
【0047】
中綴じ処理が設定されると、第1綴じ手段701、第2綴じ手段702により、用紙束Sa中央2箇所に綴じ針SP1,SP2を打つ(図4(c)参照)。
【0048】
綴じ手段700は、打針機構700Aと受針機構700Bとの2分割構造に構成され、その中間に、用紙Sが通過可能な通紙路77Aを形成している(図3参照)。
【0049】
綴じ手段700は、用紙搬送方向に直交する方向に配置された第1綴じ手段701、第2綴じ手段702から成り、駆動手段により、用紙搬送方向に直交する方向に移動可能である(図5参照)。
【0050】
図3に示すように、中綴じ処理時には、第1綴じ手段701、第2綴じ手段702の綴じ処理位置(綴じ針の打針位置)近傍の一対の第1突き当て部材72が、図示しない駆動手段によって搬送路から待避し、ほぼ同時にそれより下流の中綴じ中折り兼用の第2突き当て部材(用紙端突き当て部材)79が図示しない駆動手段によって通紙路77Aの延長面方向に移動して、通紙路77Bを遮断する。
【0051】
第2突き当て部材79は、表紙用紙K2及び用紙Sのサイズ(搬送方向の長さ)が設定又は検知されると、中綴じ処理する用紙束Saの下方の端部に当接する位置に移動して停止する。
【0052】
表紙用紙K2が用紙載置台71上の所定の停止位置に載置された後、画像形成装置Aから搬出された用紙Sが、後処理装置FSの受入部11から第3搬送路▲3▼を通過して、用紙載置台71上に載置された表紙用紙K2の上面に順次積載され、用紙Sの先端部が第2突き当て部材79に当接して位置決めされる。
【0053】
最終の用紙Sが用紙載置台71上に位置決め載置された後、表紙用紙K2と用紙Sの全頁とから成る用紙束Saに第1綴じ手段701、第2綴じ手段702による中綴じ処理を行う。この中綴じ処理により、表紙用紙K2及び用紙Sの搬送方向の中央部に綴じ針SP1,SP2が打ち込まれる。綴じ針SP1,SP2は綴じ針駆動側の打針機構700Aから、綴じ針クリンチ側の受針機構700Bに向けて打ち込まれる。
【0054】
・綴じ処理部の駆動系
図5は、用紙収納部70の要部平面図である。
【0055】
モータM1は、ベルト、プーリを介して駆動プーリ74A,74Bを固定した回転軸74Cを駆動回転させ、2本の排出ベルト75を回動させる。
【0056】
モータM2はベルト730を介して2個の上流側の第1幅整合部材73を用紙幅に対応して移動させる。モータM3はベルト703を介して2個の綴じ手段700を平行移動及び回転移動させ、綴じ位置に設置させる。モータM4はベルト781を介して下流側の第2幅整合部材78を移動させる。
【0057】
また、第1突き当て部材72は図示しないモータにより駆動され通紙路77Bを遮断及び開放する。第2突き当て部材79も図示しないモータにより駆動され、通紙路77B,81A内を移動し所定位置に設置される。
【0058】
・折り処理
図3に示すように、綴じ処理部70の斜め下方には、折り処理部80が配置されている。中綴じ処理後、第2突き当て部材79が用紙束Saの搬送下流方向に直線移動して、通紙路77Aの下流の通路を開放する。移動可能な第2突き当て部材79は、上方位置において中綴じ処理時の用紙束Saの停止位置を規制するとともに、下方位置において中折り処理時の用紙束Saの停止位置を規制する。
【0059】
中綴じ処理された表紙用紙K2と用紙Sから成る用紙束Saは、斜め下方を案内板81により形成される通紙路81A内を搬送され、第2突き当て部材79に用紙束Saの搬送方向の端部が当接して、所定位置に停止する。第2突き当て部材79は用紙サイズの設定と駆動手段により所定位置に移動可能である。
【0060】
後処理ユニット10の用紙載置台71と、通紙路77A,77B,81Aは、ほぼ同一の平面上に形成され、且つ、約70度の急傾斜を成している。
【0061】
折り処理部80は、折り板82、一対の第1折り上ローラ83、第1折り下ローラ84、第2折りローラ85、搬送ベルト86、搬送切り換え部材87等から成る。折り処理部80において二つ折り処理又は三つ折り処理された用紙束Sbは、固定排紙台92に排出される。
【0062】
[幅整合の制御]
図6は、一対の第1幅整合部材73の整合動作を示す模式図である。図7は、後処理装置FSの制御を示すブロック図である。
【0063】
(1) 画像形成装置Aから用紙サイズ信号及び用紙後処理指定信号が、制御手段100に入力されると、幅整合用の駆動モータM2の駆動開始により、第1幅整合部材73が初期位置(ホームポジション)P0(図6(a)参照)から第1の位置P1に移動する(図6(b)参照、第1幅整合部材73の内法寸法W1)。この第1の位置P1は、画像形成装置Aから搬出された用紙Sの幅方向の搬送バラツキ(例えば幅方向でプラス、マイナス約5mm)を考慮し、第1幅整合部材73が搬入される用紙Sに接触しないように、用紙幅Wの両側にそれぞれ余裕幅w1(例えば10mmずつ)を離間した待機位置に設定してある。
【0064】
(2) 後処理装置FSに導入された用紙Sの後端部が、用紙載置台71近傍の入口部センサPS1(図3参照)を通過してスイッチオンしてからタイマーによる所定時間経過後に、駆動モータM2(図5参照)の駆動により一対の第1幅整合部材73が第2の位置P2に移動する(図6(c)参照、第1幅整合部材73の内法寸法W2)。この第2の位置P2への移動タイミングは、入口搬送ローラ対15から搬出された用紙Sが、傾斜配置された用紙載置台71の面上で滑落し始めるタイミングである(図6(c)参照)。
【0065】
(3) 更に、タイマーによる所定時間経過後、制御手段100は駆動手段を制御することにより、幅整合用の駆動モータM2が駆動回転を開始し、第1幅整合部材73を移動させ、第3の位置P3に達し、用紙Sを整合する。この第3の位置P3は、用紙幅Wよりやや狭い位置、即ち、用紙幅Wに対して片側で圧縮幅w2(例えば約1.5mm)ずつに設定されている。この第3の位置P3では、用紙載置台71上を滑落してきた用紙Sの後端は、第1綴じ手段701、第2綴じ手段702の近傍に設けた第1突き当て部材72の突き当て面に当接するとともに、用紙Sの両側端は一対の第1幅整合部材73により軽打、押圧されて、幅揃えが行われる(図6(d)参照、第1幅整合部材73の内法寸法W3)。第1幅整合部材73により、積載される複数枚の用紙Sは湾曲されて、用紙間に隙間が出来る位に押圧される。
【0066】
[綴じ処理の制御]
図8は綴じ処理工程を示す断面図である。
【0067】
以下、用紙束Saに対する綴じ処理工程を説明する。
(1) 用紙幅方向の2箇所に配置された第1綴じ手段701と第2綴じ手段702とにより、用紙載置台71において一対の第1幅整合部材73によって整列された用紙に綴じ処理を行う時、第1幅整合部材73は、図6(d)に示す第3の位置P3に停止している。又は第1幅整合部材73の内法寸法W3より僅か大きい距離で、且つ、用紙束Saの両側縁を軽圧接する位置に停止させる。
【0068】
(2) 制御手段100は、先ず、第1綴じ手段701に設けたモータM5により駆動手段を作動させ、用紙束Saに綴じ針SP1を打ち込み、第1の綴じ処理を行う(図8(a)参照)。
【0069】
(3) 第1の綴じ処理の終了後に、制御手段100はモータM2を駆動させ、第1幅整合部材73を用紙幅方向に若干開放させて、用紙幅Wより僅か広い第4の位置P4に停止させる。
【0070】
(4) その後、制御手段100はモータM6を駆動させ、第2綴じ手段702により用紙束Saに綴じ針SP2を打ち込み、第2の綴じ処理を行う(図8(b)参照)。
【0071】
なお、第1綴じ手段701の作動による第1の綴じ処理開始から第1の綴じ処理完了までの間に、第1幅整合部材73を用紙幅方向に若干開放させた後、第2綴じ手段702の作動により第2の綴じ処理を行うように制御する事により、処理時間の短縮も可能になる。
【0072】
以上、用紙束Saの側縁近傍で中央振り分け2箇所に綴じ針SP1,SP2を打針する平綴じ処理を行う場合の、第1幅整合部材73と第1綴じ手段701、第2綴じ手段702の作動について説明したが、用紙束Saの用紙幅方向の中央振り分け2箇所に綴じ針SP1,SP2を打つ中綴じ処理の場合にも、第2幅整合部材78と第1綴じ手段701、第2綴じ手段702を平綴じ処理時と同様に作動させる事により、用紙束Saの平面性向上による出来上がりの外観品質を向上させる事が出来る。
【0073】
なお、前記一対の第1幅整合部材73は、用紙Sの中心線CLを中心にして対称に配置されて両側面が移動可能な中心基準の用紙幅整合手段について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一方の側壁が固定された基準壁、他方の側壁が用紙幅に対応して移動可能である片側基準の用紙幅整合手段にも適用可能である。
【0074】
なお、本発明の実施の形態では、複写機に接続した後処理装置について説明したが、プリンタ、ファクシミリ、複合機、軽印刷機等の画像形成装置に接続して使用する後処理装置にも適用可能である。
【0075】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の用紙後処理方法、用紙後処理装置及び画像形成システムにより以下の効果が奏せられる。
【0076】
(1) 用紙幅方向の2箇所に配置された第1綴じ手段と第2綴じ手段により用紙載置台上に積載されて幅整合された用紙束に綴じ処理を行う時、第1綴じ手段の作動により第1の綴じ処理をした後、幅整合部材を用紙幅方向に若干開放させる事により、用紙束の中央部付近に発生する盛り上がった湾曲形状が解消されて平坦状になる。その後、第2綴じ手段を作動させて第2の綴じ処理を行う事により、平面性の良い用紙束Saが作製される。
【0077】
(2) 画像形成装置の定着装置を通過して湾曲した用紙と、後処理装置の第1給紙装置から給送される変形の少ない合紙、又は第2給紙装置から給送される変形の少ない表紙用紙とを積層した用紙束に綴じ処理する場合にも、本発明の後処理方法及び後処理装置により、用紙整合と綴じ処理が確実に実施される。
【0078】
(3) 複写機、プリンタ等の画像形成装置に接続される後処理装置は、画像形成装置により所望のデジタル処理が行われ、定着処理後、排出される用紙が湾曲を生じている場合にも、本発明の後処理方法及び後処理装置により、綴じ処理された高品質の用紙束が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置、画像読み取り装置、後処理装置から成る画像形成システムの全体構成図。
【図2】本発明に係る用紙後処理装置内における用紙の搬送経路を示す全体構成図。
【図3】綴じ処理部と折り処理部から成る後処理ユニットの断面図。
【図4】各種綴じ処理を実施する場合の、用紙束と第1綴じ手段、第2綴じ手段の配置を示す平面図。
【図5】用紙収納部の要部平面図。
【図6】一対の幅整合部材の整合動作を示す模式図。
【図7】後処理装置の制御を示すブロック図。
【図8】綴じ処理工程を示す断面図。
【図9】従来の幅整合部材と綴じ処理された用紙束の断面図。
【符号の説明】
70 綴じ処理部(用紙収納部)
71 用紙載置台
72 第1突き当て部材(用紙端突き当て部材)
73 第1幅整合部材
78 第2幅整合部材
79 第2突き当て部材(用紙端突き当て部材)
100 制御手段
700 綴じ手段(ステイプル手段)
701 第1綴じ手段
702 第2綴じ手段
A 画像形成装置
FS 用紙後処理装置(後処理装置)
S 用紙
SP,SP1,SP2 綴じ針
W 用紙幅
Claims (4)
- 画像形成装置から排出された用紙を搬送して用紙載置台上に積載し、前記用紙載置台上に積載される用紙を用紙搬送方向と直交する用紙幅方向を規制する一対の幅整合部材の移動により整列させるとともに、用紙端突き当て部材の突き当て面に用紙の端部を当接させて位置決め整列させた後、綴じ手段により綴じ処理する用紙後処理方法において、
用紙幅方向の2箇所に配置された第1綴じ手段と第2綴じ手段とから成る一対の前記綴じ手段により整列された用紙に綴じ処理を行う時、前記第1綴じ手段の作動により第1の綴じ処理をした後、前記幅整合部材を用紙幅方向に若干開放させた後、前記第2綴じ手段の作動により第2の綴じ処理を行うように制御することを特徴とする用紙後処理方法。 - 前記第1綴じ手段の作動による第1の綴じ処理開始から第1の綴じ処理完了までの間に、前記幅整合部材を用紙幅方向に若干開放させた後、前記第2綴じ手段の作動により第2の綴じ処理を行うように制御することを特徴とする請求項1に記載の用紙後処理方法。
- 画像形成装置から排出された用紙を用紙載置台上に積載して整列させた後、綴じ手段により綴じ処理する用紙後処理装置において、
前記用紙載置台上に積載される用紙を用紙搬送方向と直交する用紙幅方向を規制する一対の幅整合部材と、
前記用紙幅方向の2箇所に配置された第1綴じ手段と第2綴じ手段とから成る一対の綴じ手段と、
前記一対の幅整合部材を用紙搬送方向に直交する方向に往復移動させる駆動手段と、
前記駆動手段により前記一対の幅整合部材の用紙幅方向間隔を縮小させる方向に移動させて用紙を整列させ、前記第1綴じ手段を作動させて第1の綴じ処理をした後、前記一対の幅整合部材の用紙幅方向間隔を拡大させる方向に移動させ、第2綴じ手段を作動させて第2の綴じ処理を行うように制御する制御手段と、を有することを特徴とする用紙後処理装置。 - 画像書き込み手段、画像形成手段、用紙搬送手段から成る画像形成装置と、請求項3に記載の幅整合部材、綴じ手段、駆動手段、制御手段から成る用紙後処理装置とを備えて成ることを特徴とする画像形成システム。
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