JP3965941B2 - 用紙後処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの機能を有する複合機等の画像形成装置から画像形成後に排出される用紙を順次、用紙後処理装置内に取り込み、この用紙に綴じ処理や折り処理等の後処理を行い、排紙部に排出する機能を有する用紙後処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置より排紙される画像記録済の複数枚の用紙を、コピー部数ごとに丁合してステイプル手段により綴じ合わせる装置としてフィニッシャと呼ばれる用紙後処理装置が利用される。
【0003】
この用紙後処理装置は、複写機やプリンタ等の画像形成装置本体と機能が接続されていて、コピーまたはプリントプロセスのシーケンス作動に対応して駆動する。
【0004】
従って画像形成プロセスを高速で処理することの可能な画像形成装置に対しては、その処理速度に追従して機能を果すことの出来る高速処理の可能な用紙後処理装置が必要とされる。
【0005】
このような用紙後処理装置に関しては、すでに特開昭60−142359号、同60−158463号、同62−239169号さらに特開昭62−288002号、同63−267667号、特開平2−276691号、特開平8−319054号、特公平5−41991号の各公報に開示されている。
【0006】
特開昭60−183459号公報の製本装置は、表紙供給装置を有し、複写紙群と表紙とを重ね合わせた後、穴開け又はステイプル綴じ等の製本仕上げ作業を行うものである。
【0007】
特開平6−72064号、同7−187479号、同8−192951号各公報は、中綴じ処理機能を有する用紙後処理装置である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の用紙後処理装置には、以下の課題がある。
【0009】
用紙束の搬送方向中央部を中折りローラ対により挟持して中折り処理する用紙後処理装置においては、用紙束の中折り部が挟持される時間が少なく、中折りされた用紙束が膨らみ分厚い形状になる。特に、用紙枚数の多い用紙束においては、用紙束の膨らみが顕著であり、用紙束の仕上がり外観品質が低下する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
中折り処理における上記の課題は下記の用紙後処理装置により解決される。
【0012】
(1) 駆動回転する一対のローラが挟持位置で加圧される第1の中折りローラ対と、前記第1の中折りローラ対の挟持位置に向かって用紙の搬送方向中央部に押し込む中折り板部材と、前記第1の中折りローラ対の用紙搬送方向下流側に配置された第2の中折りローラ対とを有する用紙後処理装置において、前記第1の中折りローラ対の挟持位置を通過した用紙の中折り部の先端部が、前記第2の中折りローラ対の挟持位置に到達するまでは前記第1の中折りローラ対及び前記第2の中折りローラ対の駆動回転を低速に設定し、前記用紙を低速搬送し、前記用紙の中折り部の先端部が前記第2の中折りローラ対の挟持位置を通過後、前記第1の中折りローラ対及び前記第2の中折りローラ対の駆動回転を高速に切り換え、前記用紙を高速搬送することを特徴とする用紙後処理装置。
【0013】
(2) 駆動回転する一対のローラが挟持位置で加圧される第1の中折りローラ対と、前記第1の中折りローラ対の挟持位置に向かって用紙の搬送方向中央部に押し込む中折り板部材と、前記第1の中折りローラ対の用紙搬送方向下流側に配置された第2の中折りローラ対とを有する用紙後処理装置において、前記第2の中折りローラ対の用紙搬送下流側に、中折り処理された用紙の中折り部先端の通過を検知する検知手段を設け、前記中折り部先端が前記検知手段による検知位置に到達するまでは、前記第1の中折りローラ対及び前記第2の中折りローラ対の駆動回転を低速に設定し、前記用紙を低速搬送し、前記用紙の中折り部の先端部が前記検知位置を通過後、前記第1の中折りローラ対及び前記第2の中折りローラ対の駆動回転を高速に切り換え、前記用紙を高速搬送することを特徴とする用紙後処理装置。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の用紙後処理装置の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0015】
[画像形成装置の一実施形態]
図1は画像形成装置本体A、画像読み取り装置B、用紙後処理装置(以下、後処理装置と称す)Cから成る画像形成システムの全体構成図である。
【0016】
画像形成装置本体Aは、回転する像担持体(以下、感光体と称す)1の周囲に、帯電手段2、像露光手段(書き込み手段)3、現像手段4、転写手段5A、除電手段5B、及びクリーニング手段6を配置した画像形成手段を有する。画像形成手段は、帯電手段2によって感光体1の表面に一様帯電を行った後に、像露光手段3のレーザビームによって原稿から読み取られた画像データに基づく露光走査を行って潜像を形成し、該潜像を現像手段4により反転現像して感光体1の表面にトナー像を形成する。
【0017】
一方、用紙収納手段7Aから給紙された用紙Sは転写位置へと送られる。転写位置において転写手段5Aにより前記トナー像が用紙S上に転写される。その後に、用紙Sは除電手段5Bにより裏面の電荷が消去されて感光体1から分離され、中間搬送部7Bにより搬送され、引き続き定着手段8により加熱定着され、排紙部7Cから排出される。
【0018】
用紙Sの両面に画像形成を行う場合には、定着手段8により加熱定着された用紙Sを、搬送路切り替え板7Dにより通常の排紙通路から分岐し、反転搬送部7Eにおいてスイッチバックして表裏反転した後、再び画像形成部を通過し、用紙Sの裏面に画像を形成し、定着手段8を経て、排紙部7Cから装置外に排出される。排紙部7Cから排出された用紙Sは、後処理装置Cの受入部11に送り込まれる。
【0019】
一方、感光体1の画像処理後の表面は、クリーニング手段6により表面に残留している現像剤が除去され、次の画像形成に備える。
【0020】
画像形成装置本体Aの上部には、原稿移動型読み取り方式の自動原稿送り装置を備えた画像読み取り装置Bが設置されている。
【0021】
[用紙後処理装置の構成]
画像形成装置本体Aに接続する後処理装置Cは、入口搬送部10、シフト処理部20、綴じ処理部30、ステイプル手段(綴じ手段)40、表紙給紙部50、中折り処理部60、及び排紙部80とから構成されている。
【0022】
入口搬送部10は画像形成装置本体Aから排出された用紙Sを各処理部に搬送する。シフト処理部20は入口搬送部10から搬送された用紙Sをシフト処理区分けして後述の昇降排紙台82に排出する。綴じ処理部30は入口搬送部10から搬送された用紙Sを積載して、後述のステイプル手段40により、中綴じ処理又は端綴じ処理を行う。中折り処理部60は用紙Sの用紙搬送方向中央部を折り曲げ中折り処理を行い、後述の下部排紙台83に排出する。表紙給紙部50は表紙用紙(以下、表紙と称す)Kを給紙してシフト処理部20または綴じ処理部30に搬送する。
【0023】
排紙部80は、画像形成装置本体Aから排出された用紙Sを入口搬送部10を経由して後処理を行わず直接排紙して収容する上部排紙台81と、シフト処理または端綴じ処理された用紙束を収容する昇降排紙台82と、中折り処理された用紙束を収容する下部排紙台83を有する。
【0024】
[後処理装置Cの用紙搬送経路、及び上部機構]
図2は後処理装置Cの用紙搬送経路を示す模式図、図3は後処理装置Cの上部機構を示す断面図である。
【0025】
後処理装置Cは画像形成装置本体Aから搬出された用紙Sの受入部11が画像形成装置本体Aの排紙部7Cと合致するよう位置と高さを調節して設置されている。
【0026】
受入部11の入口部ローラ対12の用紙搬送方向下流に接続する用紙Sの搬送路は、上段の第1搬送路▲1▼と中段の第2搬送路▲2▼及び下段の第3搬送路▲3▼の3系統に分岐されていて、切り替え手段G1,G2の占める角度の選択により用紙Sが何れかの搬送路に給送されるようになっている。
【0027】
・(上部排紙台81に排紙)
画像形成装置本体Aから排出された画像形成済みの用紙Sは、受入部11に導入され、入口部ローラ対12により搬送されて、入り口通過検知用の入り口部センサPS1により用紙Sの搬送方向長さが検知される。用紙Sは上方の切り替え手段G1の右方の通路13を通過して、上方の搬送ローラ対14の駆動ローラ14Aと従動ローラ14Bに挟持、搬送され、更に搬送ローラ対15により挟持、搬送された後、排出ローラ対16に挟持されて機外上部の上部排紙台81上に排出され、順次積載される(第1搬送路▲1▼)。
【0028】
この用紙搬送過程では、切り替え手段G1はソレノイドSD1の駆動により揺動され、通路17を閉止し、通路13を開放状態にして、用紙Sの上部排紙台81への通過を可能にする。
【0029】
この上部排紙台81には最大約200枚の用紙Sを収容することが可能であり、操作者は後処理装置Cの上部から容易に取り出すことができる。
【0030】
・(シフト処理又はノンソート)
この搬送モードに設定されると、切り替え手段G1はソレノイドSD1がオフの状態で、通路13を閉止し、通路17を開放状態に保持し、用紙Sの通路17の通過を可能にする。
【0031】
画像形成装置本体Aから排出された画像形成済みの用紙Sは、受入部11、入口部ローラ対12を通過し、切り替え手段G1の下方に開放状態に形成された通路17を通過して、搬送ローラ対18に挟持されて、第2搬送路▲2▼である斜め下方の切り替え手段G2の上方の通路21を通過して、搬送ローラ対22に挟持され、通路23を経て、搬送ローラ対(シフトローラ対)24に挟持され、上ローラ26Aと下ローラ26Bとから成る排出ローラ対26により機外の昇降排紙台82上に排出、載置される(第2搬送路▲2▼)。27は上ローラ26Aを下ローラ26Bに対して挟持、離間可能に揺動させる揺動手段である。
【0032】
この昇降排紙台82には最大約3000枚の用紙Sを収容することが可能である。
【0033】
[端綴じ処理]
画像形成装置本体A内で画像形成処理されて、後処理装置Cの受入部11に送り込まれた画像形成済みの用紙Sは、入口部ローラ対12、切り替え手段G1の下方の通路17を通過して、搬送ローラ対18に挟持されて、第3搬送路▲3▼に搬送される。
【0034】
第3搬送路▲3▼において、A4判、B5判より大きいサイズの用紙Sが搬送されるとき、ソレノイドSD2が駆動され、用紙Sは切り換え手段G2の下方の通路31Aを通過して、下流の搬送ローラ対32により挟持、搬送される。用紙Sは、更に下流の駆動ローラ34Aと従動ローラ34Bとから成る搬送ローラ対34により挟持されて送り出され、傾斜配置された中間載置台35の上方空間に排出され、中間載置台35または中間載置台35上に積載された用紙Sの上面に接し、滑走上昇したのち、搬送ローラ対34から用紙Sの進行方向後端部が排出されたのちには、用紙Sの自重により下降に転じ、中間載置台35の傾斜面上を滑落し、ステイプル手段40近傍の端綴じ用突き当て部材41の用紙突き当て面に用紙Sの進行方向先端部が当接して停止する。
【0035】
第3搬送路▲3▼において、A4判、B5判等の小サイズの用紙Sを、効率よく連続的に搬送してコピー生産性を向上させるため、前記の切り替え手段G1の下方の通路31Aに平行する通路31Bと切り替え手段G3とを設けた。
【0036】
切り替え手段G2用のソレノイドSD2、及び切り替え手段G3用のソレノイドSD3を共に駆動させると、切り替え手段G2、G3の先端部は共に図示の反時計方向に揺動し、通路21,31Aを閉止し、通路31Bを開放する。
【0037】
搬送ローラ対18から送り出された1枚目の用紙Sの先端部は、通路31Bを通過して、回転停止状態の搬送ローラ対34の周面に当接して停止する。
【0038】
次に、ソレノイドSD3の通電がオフになり、切り替え手段G3の先端部が時計方向に揺動し、通路31Bを閉止し、通路31Aを開放する。搬送ローラ対18から送り出された2枚目の用紙Sの先端部は、通路31Aを通過して、回転停止状態の搬送ローラ対34の周面に当接して停止する。
【0039】
所定のタイミングをとって、搬送ローラ対34が駆動回転し、前記の2枚の用紙Sを挟持して同時に搬送し、中間載置台35上に排出する。3枚目以降は1枚ずつ排出する。
【0040】
36は中間載置台35の両側面に設けた一対の幅整合部材から成る上流側幅整合手段である。上流側幅整合手段36の少なくとも一方の幅整合部材は用紙搬送方向と直交する方向に移動可能であり、用紙Sが中間載置台35上に放出される用紙受け入れ時には、用紙幅より広く開放され、中間載置台35上を滑落して、端綴じ用突き当て部材41に当接して停止するときには、用紙Sの幅方向の側縁を軽打して用紙Sの幅揃え(幅整合)を行う。この停止位置において、中間載置台35上に所定枚数の用紙Sが積載、整合されると、ステイプル手段40により綴じ合わせ処理が行われ、用紙Sが綴じ合わされる。
【0041】
中間載置台35の用紙積載面の一部には切り欠き部が形成されていて、駆動プーリ37Aと従動プーリ37Bに巻回された複数の排出ベルト38が回動可能に駆動される。排出ベルト38の一部には、排出爪38aが一体に形成されていて、その先端部は、図示一点鎖線のように長円軌跡を描く。ステイプル処理された用紙束は、排出ベルト38の排出爪38aにより用紙束の後端部を保持されて、排出ベルト38上に載せられ、中間載置台35の載置面上を滑走して斜め上方に押し上げられ、排出ローラ対26の挟持位置に進行する。回転する排出ローラ対26に挟持された用紙束は、昇降排紙台82上に排出、積載される。
【0042】
[表紙給紙]
表紙給紙部50は、給紙皿51、可動底板52、押し上げレバー53とから成る表紙載置部と、送り出しローラ54、給紙ローラ55、捌きローラ56等から成る表紙送り手段とから構成されている。
【0043】
表紙給紙部50から給紙された1枚の表紙Kは、通路57を通過して、搬送ローラ対14の駆動ローラ14Aと従動ローラ14Cとの挟持位置を通過し、通路19、搬送ローラ対18を通過した後、第3通路▲3▼の搬送ローラ対32、通路33、搬送ローラ対34を経て、中間載置台35上に到達する。
【0044】
搬送ローラ対14は、中央の駆動ローラ14Aと、この駆動ローラ14Aに圧接する2個の従動ローラ14B,14Cとから構成されている。駆動ローラ14Aが図示の左回転駆動すると、従動ローラ14Bは右回転して、通路13から搬送された用紙Sを上方に搬送する。同時に、従動ローラ14Cも右回転して、通路57から搬送された表紙Kを下方の通路19に搬送する。従って、駆動ローラ14Aの駆動回転により、第1搬送路▲1▼の用紙Sと、第4搬送路▲4▼の表紙Kとを同時に逆方向に搬送することが可能である。
【0045】
[中綴じ処理]
図4は後処理装置Cのステイプル処理部及び中折り処理部を示す断面図である。
【0046】
ステイプル手段40は、上部機構40Aと下部機構40Bとの2分割構造に構成され、その中間に、用紙Sが通過可能な通路42を形成している。
【0047】
ステイプル手段40は、用紙搬送方向に直交する方向に2組配置され、図示しない駆動手段により、用紙搬送方向に直交する方向に移動可能である。このステイプル手段40により、用紙幅方向の中央振り分け2箇所にステイプル針SPを打つ(図6(a)参照)。
【0048】
中綴じモードに設定されると、ステイプル手段40のステイプル処理位置近傍の端綴じ用突き当て部材41が第5搬送路▲5▼から待避し、ほぼ同時にそれより下流の中綴じ用突き当て部材43が起動して通路42を遮断する(図2参照)。
【0049】
中綴じ用突き当て部材43は、表紙K及び用紙Sのサイズ(搬送方向の長さ)が設定又は検知されると、所定位置に移動して停止する。
【0050】
表紙Kが中間載置台35上の所定位置に載置された後、画像形成装置本体Aから搬出された用紙Sが、後処理装置Cの入口搬送部10から第3搬送路▲3▼を通過して、中間載置台35上に載置された表紙Kの上面に順次積載され、用紙Sの端部が中綴じ用突き当て部材43に当接して位置決めされる。中綴じ処理時に用紙Sの幅方向を規制する一対の幅整合部材から成る下流側幅整合手段46は、上流側幅整合手段36と同様に1枚の用紙Sが搬入される都度、用紙Sの幅方向の側端を軽打して幅整合を行う。
【0051】
上流側幅整合手段36及び下流側幅整合手段46は、端綴じ処理又は中綴じ処理の設定により、選択的に幅整合駆動を行う。即ち、端綴じ処理時には上流側の幅整合手段36のみを駆動し、下流側幅整合手段46は駆動しない。中綴じ処理時には上流側幅整合手段36と下流側幅整合手段46とを駆動する。この中綴じ処理時には、下流側幅整合手段46は、上流側幅整合手段36より遅れて駆動される。
【0052】
また、中綴じ処理時に、中間載置台35上を搬送してステイプル手段40の上流側を進行する用紙Sに対して、上流側幅整合手段36により先ず幅整合を行って用紙揃えし、次に、ステイプル手段40を通過して中綴じ用突き当て部材43に向かって進行する用紙Sに対して、下流側幅整合手段46により幅整合を行って用紙揃えする。このようにして、中間載置台35上を進行し、ステイプル手段40を中心にして上流側と下流側に亘って延長して積載される用紙S及び表紙Kは、上流側幅整合手段36と下流側幅整合手段46とにより、用紙Sの全長に亘り正確に幅整合される。
【0053】
最終の用紙Sが中間載置台35上に位置決め載置された後、表紙Kと用紙Sの全頁とから成る用紙束にステイプル手段40による中綴じ処理を行う。この中綴じ処理により、表紙K及び用紙Sの搬送方向の中央部にステイプル針SPが打ち込まれる。ステイプル針SPはステイプル針打ち込み駆動側を有する下部機構40Bから、ステイプル針折り曲げ側を有する上部機構40Aに向けて打ち込まれる。
【0054】
[中折り処理]
中綴じ処理後、中綴じ用突き当て部材43が揺動して、下流の通路42を開放する。中綴じ処理された表紙Kと用紙Sから成る用紙束Saは、湾曲した通路と中間搬送ローラ対61を通過して斜め下方の搬送ベルト62上を案内板63に案内されて搬送され、更に、第2用紙積載部(用紙積載台)64上を搬送されて、折り部可動突き当て手段65の位置決め部材である折り部突き当て部材650に用紙束Saの搬送方向の先端部が当接して、所定位置に停止する(図2に示す第6搬送路▲6▼)。折り部突き当て部材650は用紙サイズの設定又は検知と駆動手段により所定位置に移動可能である。
【0055】
停止状態の用紙束Saの搬送方向の中央部、即ち中綴じ位置の斜め下方には、用紙突き出し手段66が設置されている。中綴じ位置の斜め上方には、中折り形成部67と、加圧部68が設置されている。
【0056】
中折り処理部60は、用紙突き出し手段66、中折り形成部67、加圧部68等から構成されている。
【0057】
中折り開始信号により、用紙突き出し手段66の可動突き出し板である中折り板部材(以下、中折りナイフと称す)661が斜め上方に直進して、中折りナイフ661の先端部は、表紙Kと用紙Sから成る用紙束Saの中央部を押し上げ、用紙束を介して従動回転する中折りローラ671A,671B(以下、中折りローラ対671と称す)の挟持部を押し広げて揺動、離間させる。
【0058】
中折りナイフ661の先端部が前記挟持部を通過後、中折りナイフ661が後退して、用紙束Saの中央部は、中折り形成部67により挟圧されて、折り目が形成される。この折り目は、前述の中綴じ処理による用紙束Saへのステイプル針SPの打ち込み位置とほぼ一致する。
【0059】
中折り形成部67の回転する中折りローラ対671により挟圧されて折り目を形成された用紙束Saの中央部は、加圧部68に送り込まれ、一対の加圧ローラ681A,681B(以下、加圧ローラ対681と称す)の挟持位置で折り目が更に強く圧迫される。
【0060】
送り込まれた用紙束Saは、加圧部68に挟持されて搬送され、機外の下部排紙台83上に排出される(図2に示す第7搬送路)。
【0061】
図5は表紙Kと用紙Sの搬送経路と、複数枚の用紙Sから成る用紙束Saの中綴じと中折り処理過程を示す模式図、図6(a)は用紙Sの折り目部aに沿って中央振り分け2箇所にステイプル針SPを打針して中綴じ処理された用紙の平面図、図6(b)は中綴じと中折りの後処理を施した用紙束Saの斜視図、図6(c)は後処理済みの用紙束Saを見開き状態にした斜視図である。
【0062】
表紙給紙部50の給紙皿51上には、表紙Kが第1面(第1頁p1と第8頁p8)を上側にして載置される。給紙皿51から給紙手段により給送された表紙Kは、前記の第4搬送路▲4▼及び第3搬送路▲3▼を通過して搬送され、中間載置台35上に、第1面(p1,p8)を下側にして載置される。
【0063】
次に、画像形成装置本体Aから搬出された画像形成済みの用紙Sは、第1面(第3頁p3と第6頁p6)を下側にして、後処理装置Cに導入される。この用紙Sは、入口搬送部10から第3搬送路▲3▼に搬送され、中間載置台35上に載置された表紙Kの上に、第1面を下側にして載置される。
【0064】
中間載置台35上で、表紙Kと用紙Sとが整合され、ステイプル手段40によりステイプル針SPが打ち込まれて中綴じ処理される。
【0065】
中綴じ処理された用紙束Saは、第5搬送路▲5▼を通過して、第2用紙積載部64及び搬送ベルト62上の所定位置に載置され停止する。このとき用紙束Saは、用紙Sが第1面(p3,p6)を上側に、その上の表紙Kが第1面(p1,p8)を上側にした状態で載置される。
【0066】
次に、用紙突き出し手段66の押し上げ作動と、中折りローラ対671の回転とにより、中折り処理が行われ、引き続き、加圧部68により挟持、搬送され、機外の下部排紙台83上に排出される。
【0067】
中綴じ処理と中折り処理により作製された用紙束Saは、表紙Kの第1面(p1,p8)を外側に向け、その裏面側に第2面(p2,p7)、更にその内側に中身である用紙Sの第1面(p3,p6)、その内側に用紙Sの第2面(p4,p5)が配置され、図示のように8頁(p1〜p8)から成る冊子の頁揃えができる。
【0068】
画像形成装置本体Aの操作部において、冊子作製オートモードを選択、設定し、給紙皿51上に表紙Kを積載し、プリントを開始すると、画像形成装置本体Aの制御部により、前記の画像プロセスが実行され、画像を担持した用紙Sは後処理装置Cにより、中綴じ処理と中折り処理とが行われて、連続して小冊子が作製、排出される。
【0069】
後処理装置Cの操作部において、冊子作製マニュアルモードを選択、設定し、給紙皿51上に、表紙Kとその下に画像形成済みの1冊分の用紙Sとを積載し、送り出し動作を開始すると、後処理装置Cの制御手段90(後述の図17参照)により、表紙Kと用紙Sには、中綴じ処理と中折り処理とが行われて、1冊分の冊子が作製、排出される。
【0070】
図7は、折り部可動突き当て手段65、用紙突き出し手段66、中折り形成部67、加圧部68から成る中折り処理部60の断面図である。図8は、中折り処理部60の斜視図である。
【0071】
折り部可動突き当て手段65は、第2用紙積載部64上を搬送される各種サイズの用紙束Saの先端部に当接して先端部の位置決めをする。折り部突き当て部材650は保持部材651に固定されている。保持部材651はモータM1により駆動され、棒状の案内部材652に摺動して直線移動される。アクチュエータ653及び用紙積載部センサPS2は、第2用紙積載部64上を搬送されてくる用紙束Saの先端部通過を検知する。
【0072】
制御手段90は、用紙束Saの搬送方向先端部が、折り部突き当て部材650に当接するタイミングに合わせて、駆動手段により折り部突き当て部材650を用紙束Saの搬送方向に往復移動させて用紙束Saの先端部揃えを確実に行う。
【0073】
用紙束Saの先端部揃え後、中折り開始信号により可動保持部材662が、固定配置された棒状の案内部材663に沿って直進し、可動保持部材662に固定された中折りナイフ661は、用紙載置面より上方に突出する。中折りナイフ661はステンレス鋼板等の薄板のナイフ状をなし、その先端部は鋭角をなす。中折りナイフ661の先端部は、低摩擦面に形成され、例えば光沢仕上げや、フッ素樹脂被覆等の表面処理等が施されている。
【0074】
中折り形成部67の一方の押圧手段は、駆動源に接続して駆動される中折りローラ671Aと、この中折りローラ671Aを回転可能に支持し、支軸673Aを中心に揺動可能な支持部材である可動部材672Aと、この可動部材672Aの一端に係止され、中折りローラ671Aを挟持位置方向に付勢するバネ674Aとから成る。
【0075】
中折り形成部67の他方の押圧手段も同様な構成をなし、中折りローラ671B、可動部材672B、支軸673B、バネ674Bを有する。
【0076】
中折り形成部67の用紙搬送方向下流側には、加圧部68が配置されている。加圧部68は、駆動源に接続して駆動される加圧ローラ対681(第2の中折りローラ対)から構成されている。
【0077】
一対の加圧ローラ681A,681Bはゴム被覆層を有する。例えば、ゴム被覆層は、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)等の弾性材料から形成される。
【0078】
加圧ローラ対681が、金属ローラ同士であると、加圧ローラ対681の挟持位置を用紙束Saの後端部が通過するとき、金属ローラ同士の衝突による打撃音が発生する。なお、加圧ローラ対681のうち、何れか一方のローラは、金属等の硬質ローラにすることが、折り処理時の均一な加圧力の保持に有効である。
【0079】
回転する中折りローラ対671により挟圧されて折り目部a(図6(a)参照)を形成された用紙束Saは、加圧ローラ対681の挟持位置に送り込まれ、この位置で折り目が更に加圧され、装置外の下部排紙台83に排出される。
【0080】
・(中折りローラの駆動機構)
図9は、図7に示す中折り処理部60の中折りローラ対671、加圧ローラ対681、及び搬送ベルト62を駆動する中折りローラ駆動手段(第2駆動手段)670の構成図である。
【0081】
モータM2は、タイミングベルト(以下、ベルトと称す)B1を介して中間軸に回転可能に支持された2段構成のプーリP1を回転させる。プーリP1にはベルトB2が張設されていて、プーリP2を回転させる。プーリP2はベルトB3を介して、中間搬送ローラ対61の駆動ローラ611を回転させる。
【0082】
プーリP2を巻回するベルトB2は、中間軸のプーリP3,P4、及び加圧ローラ681Bの軸端に固定されたプーリP5を巻回して同時に回転させる。P6,P7はテンションプーリである。
【0083】
プーリP2の回転軸上に固定された駆動ローラ621は、駆動ローラ621、従動ローラ622間に張架された搬送ベルト62を回動させる。
【0084】
中間軸のプーリP3はベルトB4を介して中折りローラ671Aの軸端に固定されたプーリP8を回転させる。中間軸のプーリP4はベルトB5を介して中折りローラ671Bの軸端に固定されたプーリP9を回転させる。
【0085】
中折りローラ671Aの軸端のプーリP8には、一方向クラッチCAが内蔵されている。また、中折りローラ671Bの軸端のプーリP9には、一方向回転クラッチCBが内蔵されている。
【0086】
加圧ローラ681Bの軸端に固定された歯車g1は、装置本体のパネルの固定位置に回転可能に支持された歯車g2,g3を介して歯車g4に接続している。
【0087】
歯車g3は、装置本体のパネルに植設された支軸689に回転可能に支持されている。歯車g4は、揺動板687に支持された加圧ローラ681Aの軸端に固定されている。
【0088】
2枚の揺動板687は、歯車g3を固定した支軸689の両軸端に揺動可能にそれぞれ支持され、バネ688により付勢されている。歯車g4を固定した加圧ローラ681Aの両軸端は、揺動板687に回転可能に支持されている。
【0089】
揺動板687に支持された加圧ローラ681Aは、支軸689を中心にして揺動し、バネ688により付勢されて、加圧ローラ681Bに圧接する。
【0090】
・(中折り板部材の駆動機構)
図10は、中折りナイフ661を移動させる中折りナイフ駆動手段(第1駆動手段)660の平面図である。なお、用紙突き出し手段66は図示の中心線CLに対して線対称をなすから、図面の一部を省略してある。図11は、中折りナイフ駆動手段(第1駆動手段)660の断面図である。図10及び図11は、何れも用紙束Saを中折り処理する直前の状態を示す。
【0091】
モータM3は、歯車g5,g6,g7を介して大径の歯車g8を回転させる。歯車g8は固定基板667に植設された支軸665に回転可能に支持されている。歯車g8の底部には、偏芯円筒部材664が一体に形成されている。偏芯円筒部材664に穿設された環状凹部664Aは、歯車g8の回転により、支軸665の回転中心と異なる偏芯軸664Bを回転中心にして、偏芯運動をする。
【0092】
環状凹部664Aの内壁部には、可動保持部材662に植設されたコロ666が移動可能に転設する。666Aはコロ666の中心の移動軌跡である。
【0093】
可動保持部材662は、固定基板667に平行に配置された2本の案内部材663に沿って直進往復動可能に支持されている。歯車g8の回転により、環状凹部664Aが偏芯運動する事により、コロ666が環状凹部664Aの内壁に沿って移動して、可動保持部材662を2本の案内部材663に沿って直進往復動させる。可動保持部材662に固定された中折りナイフ661も同時に直進往復動する。
【0094】
・(用紙の中折り処理)
図12は、用紙束Saの中折り部が中折り形成部67を通過する状態を示す断面図である。
【0095】
モータM3の駆動開始により、可動保持部材662に保持された中折りナイフ661が前進する。中折りナイフ661の先端部は、用紙束Saの用紙搬送方向の中央の折り目部(中折り部)aを突き出し、回転を停止している中折りローラ対671の挟持位置Xに送り込み、用紙束Saを中折りし、中折り部を形成する。
【0096】
中折りナイフ661の先端部が、用紙束Saの折り合わせ部を突き出して、中折りローラ対671の外周面に摺接して挟持位置Xに送り込むとき、中折りローラ対671の各軸端に設けられた一方向回転クラッチCA,CBにより、中折りローラ対671は移動する用紙束Saと摺接して、用紙搬送方向にのみ従動回転する。
【0097】
中折りナイフ661の先端部は、中折りローラ対671の挟持位置Xより若干(0.5〜10mm)越えた最大押し込み位置Yまで前進して用紙Sを中折り状態に押し込んだ後、戻り動作を開始する。中折りナイフ661の先端部の戻り動作中だあって、用紙束Saの中折り部が中折りローラ対671の挟持位置Xを通過した後に、モータM2の駆動が開始し、中折りローラ対671の駆動回転が開始される。
【0098】
中折りナイフ661は引き続き戻り動作を続行し、用紙束Saの折り合わせ部から中折りナイフ661の先端部が引き抜かれ、用紙束Saの折り合わせ部は中折りローラ対671の外周面に挟持、保持されて、折り目が強く付けられる。
【0099】
用紙束Saの折り合わせ部から中折りナイフ661の先端部が引き抜かれるとき、中折りローラ対671は、一方向回転クラッチCA,CBにより、逆転が防止されるから、用紙束Saが後退することはない。
【0100】
以上が、中折り処理の基本動作である。折り性能向上のための本発明の用紙後処理装置の詳細は、後述の第1乃至第4の実施の形態で詳細に説明する。
【0101】
・(用紙の加圧処理)
図13は、中折り処理された用紙束Saが加圧部68を通過する状態を示す断面図である。
【0102】
回転する中折りローラ対671の挟持位置を通過した用紙束Saの先端部は、回転する加圧ローラ対681の挟持位置に送り込まれる。用紙束Saの先端部は、固定位置で回転する加圧ローラ681Bと、揺動板687に揺動可能に支持され回転する加圧ローラ681Aとにより挟持されて、折り目が更に強く付けられる。
【0103】
可動部材672Aは支軸673Aを中心にして揺動可能に支持され、バネ674Aにより付勢されている。揺動板687は支軸689を中心にして揺動可能に支持され、バネ688により付勢されている。
【0104】
中折りローラ対671に挟持されて搬送される中折り用紙束Saは、ローラ間隔が広げられた加圧ローラ対681間に押し込まれ、加圧ローラ対681により挟持されて、折り目がしっかり付けられた後、用紙束Saの厚さに関係なく円滑に搬送される。
【0105】
・(用紙の排出)
図14は中折り及び加圧処理済みの用紙束Saを排出する状態を示す断面図である。
【0106】
回転する加圧ローラ対681の挟持位置を通過した用紙束Saは、装置外に搬出される。用紙束Saの後端部が加圧ローラ対681の挟持位置を通過すると、中折りローラ対671が閉じられた初期状態に戻り、可動部材672A,672Bの先端部が弾性を有する停止部材678に当接して停止する。
【0107】
なお、中折りローラ対671、加圧ローラ対681は各一対に限定されるものではなく、必要に応じて適宜、何対配置してもよい。
【0108】
[中折り処理部における用紙搬送制御の第1の実施の形態]
図15は後処理装置の制御を示すブロック図、図16は中折り処理工程のタイミングチャート、図17は、中折り形成部67における用紙搬送制御の第1の実施の形態を示す断面図である。
【0109】
画像形成装置本体Aの操作部において、用紙サイズ信号、用紙枚数信号、中綴じ指定信号、中折り指定信号が入力されると、制御手段90は、中綴じ、中折り処理の実行を制御する。
【0110】
後処理装置Cにおいて、入り口部センサPS1、折り部センサPS2、排紙部センサPS3、加圧部センサPS4により、用紙S及び用紙束Saの通過が検知される。HPセンサは中折りナイフ661の初期位置を検知する。
【0111】
モータM3の駆動回転開始により、中折りナイフ661を待機位置Wから始動し、中折りローラ対の挟持位置X1に向けて前進させる。中折りナイフ661の先端部は用紙束Saの搬送方向中央部を押圧して前進し、用紙束Saを介して中折りローラ対671を従動回転させる。中折りナイフ661の先端部は更に前進して、用紙束Saを介して中折りローラ対671の挟持位置X1を押し広げ、用紙束Saを中折りする。前進する中折りナイフ661は、挟持位置X1を越えた最大押し込み位置Yに到達する。中折りナイフ661の最大押し込み位置Y到達は、中折りナイフ661の初期位置(ホームポジション)HPを検出するHPセンサPS4とタイマとにより制御される。
【0112】
中折りナイフ661の初期位置HP通過時点からタイマによる所定時間t1経過までに、中折りナイフ661は最大押し込み位置Yから後退する。中折りナイフ661は、所定時間t1経過後も引き続き、挟持位置X1よりも更に後退し、待機位置Wに復帰する。
【0113】
所定時間t1経過後、モータM2の駆動開始により、中折りローラ対671の駆動回転が開始され、中折りされた用紙束Saが強く押圧されて搬送される。この用紙束Saの搬送線速(第1の速度)V1は、例えば、200mm/secの低速であり、用紙束Saは低速回転する中折りローラ対671により充分押圧されて搬送される。
【0114】
用紙束Saの中折り部の先端が中折りローラ対671の挟持位置X1を越えた所定位置Z1に到達したことを、中折り形成部センサPS3により検知されると、制御手段90はモータM2の駆動回転速度を低速から高速に切り替え、中折りされた用紙束Saが高速で排出される。この用紙束Saの搬送線速(第2の速度)V2は、第1の速度V1より高速の速度であり、例えば、580mm/secである。挟持位置X1から所定位置Z1までの距離は、例えば約20mmである。
【0115】
中折り形成部センサPS3による用紙束Saの中折り部先端通過検知後、タイマによる所定時間t2経過中に用紙束Saは高速回転する中折りローラ対671により、迅速に装置外に排出される。所定時間t2経過後、モータM2の駆動回転を停止させる。
【0116】
[中折り処理部における用紙搬送制御の第2の実施の形態]
図18は中折り形成部67及び加圧部68における用紙搬送制御の第2の実施の形態を示す断面図である。
【0117】
中折りローラ対671の挟持位置X1を通過した用紙束Saの先端部が加圧ローラ681A,681B(加圧ローラ対681)の挟持位置X2に到達する。加圧ローラ対681の挟持位置X2に到達する時点は、中折りナイフ661の初期位置(ホームポジション)HPを検出するHPセンサとタイマとにより制御される。
【0118】
用紙束Saの中折り部の先端部が、加圧ローラ対681の挟持位置X2又は挟持位置X2をやや越えた所定位置Z2に到達するまでは、モータM2を低速駆動し、中折りローラ対671及び加圧ローラ対681の駆動回転を低速に設定し、用紙束Saを低速搬送する。この用紙束Saの第1の速度V1は、例えば、200mm/secの低速であり、用紙束Saは低速回転する中折りローラ対671により充分押圧されて搬送される。
【0119】
用紙束Saの中折り部の先端部が加圧ローラ対681の挟持位置X2又は所定位置Z2を通過した後、モータM2を高速駆動に切り換え、中折りローラ対671及び加圧ローラ対681を高速回転させ、用紙束Saを高速搬送する。この用紙束Saの第2の速度V2は、例えば、580mm/secの高速である。用紙束Saは高速回転する中折りローラ対671により、迅速に装置外に排出される。
【0120】
[中折り処理部における用紙搬送制御の第3の実施の形態]
図19は中折り形成部67及び加圧部68における用紙搬送制御の第3の実施の形態を示す断面図である。
【0121】
用紙束Saの中折り部先端が加圧部センサPS4による検知位置(所定位置Z3)に到達するまでは、モータM2を低速駆動し、中折りローラ対671及び加圧ローラ対681の駆動回転を低速の線速に設定し、用紙束Saを第1の速度V1の低速で搬送する。用紙束Saの中折り部先端が所定位置Z3を通過した後、モータM2を高速駆動に切り換え、中折りローラ対671及び加圧ローラ対681の駆動回転を第2の速度V2の高速に設定し、用紙束Saを高速搬送して機外に排出する。
【0122】
なお、本発明の上記の実施の形態では、中折りローラ対671と加圧ローラ対681の2組のローラ対により、用紙を中折り処理したが、本発明はこれに限定されるものではなく、中間搬送ローラ対等を含む複数のローラ対を有する中折り処理手段にも適用可能である。
【0123】
また、本発明の実施の形態では、複写機に接続した用紙後処理装置を示したが、プリンタ、軽印刷機等の画像形成装置と接続して使用する用紙後処理装置にも適用可能である。
【0124】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の用紙後処理装置により、以下の優れた効果が得られる。
【0126】
(1) 中折りローラ対と加圧ローラ対と中折り板部材とを有する用紙後処理装置において、加圧ローラ対の挟持位置に到達するまでは中折りローラ対及び加圧ローラ対に挟持されて搬送される用紙束を低速搬送し、用紙束の中折り部の先端部が前記加圧ローラ対の挟持位置を通過後、中折りローラ対及び加圧ローラ対の駆動回転を高速に切り換え、用紙束を高速搬送する事により、用紙束中央部が低速回転する中折りローラ対の挟持位置に確実に押し込まれ、且つ、用紙束が低速回転する中折りローラ対及び加圧ローラ対に挟持され、用紙束の中折り部が充分押圧され、用紙束の折り目がしっかり付けられる。特に、用紙枚数の多い用紙束を中折り処理する場合、用紙束の仕上がり外観品質の向上が顕著である。
【0127】
(2) 中折りローラ対と加圧ローラ対と中折り板部材とを有する用紙後処理装置において、加圧ローラ対の用紙搬送下流側に、中折り処理された用紙束の中折り部先端の通過を検知する検知手段を設け、用紙束の中折り部先端が検知手段による検知位置に到達するまでは、中折りローラ対及び加圧ローラ対に挟持されて搬送される用紙束を低速搬送し、用紙束の中折り部の先端部が検知手段による検知位置を通過後、中折りローラ対及び加圧ローラ対の駆動回転を高速に切り換え、用紙束を高速搬送する事により、用紙束の中折り部の先端部が加圧ローラ対を越えた所定位置に到達した事を確実に検知され、中折りローラ対及び加圧ローラ対を低速回転から高速回転に切り替える制御精度が安定し、用紙束の折り目付けが確実になり、用紙束の仕上がり外観品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置本体、画像読み取り装置、用紙後処理装置から成る画像形成システムの全体構成図。
【図2】後処理装置の用紙搬送経路を示す模式図。
【図3】後処理装置の上部機構を示す断面図。
【図4】後処理装置のステイプル処理部及び中折り処理部を示す断面図。
【図5】表紙と用紙の搬送経路と、用紙束の中綴じと中折り処理過程を示す模式図。
【図6】中綴じ処理された用紙束の平面図、中綴じと中折りの後処理を施した用紙束の斜視図、及び後処理済みの用紙束を見開き状態にした斜視図。
【図7】中折り処理部の断面図。
【図8】中折り処理部の斜視図。
【図9】中折りローラ駆動手段の構成図。
【図10】中折りナイフ駆動手段の平面図。
【図11】中折り板部材駆動手段の断面図。
【図12】用紙束の中折り部が中折り形成部を通過する状態を示す断面図。
【図13】中折り処理された用紙束が加圧部を通過する状態を示す断面図。
【図14】中折り及び加圧処理済みの用紙束を排出する状態を示す断面図。
【図15】後処理装置の制御を示すブロック図。
【図16】中折り処理工程のタイミングチャート。
【図17】中折り形成部における用紙搬送制御の第1の実施の形態を示す断面図。
【図18】中折り形成部及び加圧部における用紙搬送制御の第2の実施の形態を示す断面図。
【図19】中折り形成部及び加圧部における用紙搬送制御の第3の実施の形態を示す断面図。
【符号の説明】
60 中折り処理部
64 第2用紙積載部(用紙積載台)
66 用紙突き出し手段
660 中折りナイフ駆動手段(第1駆動手段)
661 中折り板部材(中折りナイフ)
67 中折り形成部
670 中折りローラ駆動手段(第2駆動手段)
671 中折りローラ対(第1の中折りローラ対)
671A,671B 中折りローラ
68 加圧部
681 加圧ローラ対(第2の中折りローラ対)
681A,681B 加圧ローラ
90 制御手段
A 画像形成装置本体
C 用紙後処理装置(後処理装置)
PS3 中折り形成部センサ
PS4 加圧部センサ
S 用紙
Sa 用紙束
V1 第1の速度
V2 第2の速度
Z1,Z2,Z3 所定位置
a 折り目部(中折り部)
Claims (2)
- 駆動回転する一対のローラが挟持位置で加圧される第1の中折りローラ対と、前記第1の中折りローラ対の挟持位置に向かって用紙の搬送方向中央部に押し込む中折り板部材と、前記第1の中折りローラ対の用紙搬送方向下流側に配置された第2の中折りローラ対とを有する用紙後処理装置において、
前記第1の中折りローラ対の挟持位置を通過した用紙の中折り部の先端部が、前記第2の中折りローラ対の挟持位置に到達するまでは前記第1の中折りローラ対及び前記第2の中折りローラ対の駆動回転を低速に設定し、前記用紙を低速搬送し、前記用紙の中折り部の先端部が前記第2の中折りローラ対の挟持位置を通過後、前記第1の中折りローラ対及び前記第2の中折りローラ対の駆動回転を高速に切り換え、前記用紙を高速搬送することを特徴とする用紙後処理装置。 - 駆動回転する一対のローラが挟持位置で加圧される第1の中折りローラ対と、前記第1の中折りローラ対の挟持位置に向かって用紙の搬送方向中央部に押し込む中折り板部材と、前記第1の中折りローラ対の用紙搬送方向下流側に配置された第2の中折りローラ対とを有する用紙後処理装置において、
前記第2の中折りローラ対の用紙搬送下流側に、中折り処理された用紙の中折り部先端の通過を検知する検知手段を設け、
前記中折り部先端が前記検知手段による検知位置に到達するまでは、前記第1の中折りローラ対及び前記第2の中折りローラ対の駆動回転を低速に設定し、前記用紙を低速搬送し、前記用紙の中折り部の先端部が前記検知位置を通過後、前記第1の中折りローラ対及び前記第2の中折りローラ対の駆動回転を高速に切り換え、前記用紙を高速搬送することを特徴とする用紙後処理装置。
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