JP4106330B2 - 電線のリサイクル方法 - Google Patents

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Description

本発明は、移動体としての自動車などに配索されるワイヤハーネスを組み立てる方法に関し、電線をリサイクルする電線のリサイクル方法に関する。
移動体としての自動車などには、種々の電子機器が搭載される。このため、前記自動車などは、前記電子機器に電源などからの電力やコンピュータなどからの制御信号などを伝えるために、ワイヤハーネスを配索している。ワイヤハーネスは、複数の電線と、該電線の端部などに取り付けられたコネクタなどを備えている。
電線は、導電性の芯線と該芯線を被覆する絶縁性の被覆部とを備えている。電線は、所謂被覆電線である。コネクタは、導電性の端子金具と絶縁性のコネクタハウジングとを備えている。端子金具は、電線の端部などに取りつけられかつ該電線の芯線と電気的に接続する。コネクタハウジングは、箱状に形成されかつ端子金具を収容する。
前述したワイヤハーネスの電線は、芯線の大きさと、被覆部の材質(耐熱性の有無などによる材質の変更)と、使用目的などを識別する必要がある。なお、使用目的とは、例えば、エアバック、ABS(Antilock Brake System)や車速情報等の制御信号や、動力伝達系統などの電線が用いられる自動車の系統(システム)を示している。
ワイヤハーネスの電線は、前述した使用目的(系統)を識別するために、種々の色で着色されたり、種々のマーキングが施されてきた。従来のワイヤハーネスを製造する際には、銅などの導電性の金属から芯線を形成するなどして電線を製造する工程で、前述した着色やマーキングを施してきた。
前述したワイヤハーネスを組み立てる際には、電線の製造工程で各種の色などに着色された電線を所望の長さに切断した後、該電線の端部などに端子金具を取り付ける。必要に応じて電線同士を接続する。その後、端子金具をコネクタハウジング内に挿入する。こうして、前述したワイヤハーネスを組み立てる。
また、前述したワイヤハーネスに用いられる電線において、特に特定の種類の自動車の特定の用途(例えば、アース回路、電源回路、エアバックなど)に用いられる電線の外表面は、使用頻度の低い色に着色されることがある。特定の用途に用いられる電線を、使用頻度の低い色に着色することによって、該特定の用途に用いられる電線を容易に識別していた。こうして、前述したワイヤハーネスは、電線の誤組み付けなどの歩留まりの悪化を防止してきた。
前述した従来のワイヤハーネスの製造方法では、特定の用途に用いられる電線を、使用頻度の低い色に着色してきた。このため、特定の種類の自動車などの生産が終了すると、使用頻度の低い色に着色された電線は、殆ど用いられることがなくなる。すなわち、特定の用途で用いられなくなると、使用頻度の低い色に着色された電線は、事実上二度と用いられなくなる。
このため、ワイヤハーネスを製造する工場では、事実上二度と用いられなくなった電線を、長期間蓄え(ストックし)なければならない。このため、使用頻度の低い色に着色された電線(即ち使用頻度の低い電線)は、在庫となり、該電線を蓄えておくスペースが増加する傾向となっていた。さらに、前記電線は、所定期間蓄えられた後、廃棄されていた。このことは、省資源化の観点からも望ましくない。
したがって、本発明は、長期間蓄えなければならない電線を抑制できる電線のリサイクル方法を提供することを目的としている。
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の電線のリサイクル方法は、複数の電線を備えたワイヤハーネスに用いられる電線のリサイクル方法において、第1の色に着色された特定電線の被覆部の外表面を前記第1の色と異なりかつ当該第1の色と色相が同じ第2の色に着色し、該特定電線を用いてワイヤハーネスを組み立てることを特徴としている。
このことによれば、第1の色に着色された特定電線の被覆部の外表面を前記第1の色と異なる第2の色に着色する。このため、特定電線をワイヤハーネスに用いることができる。なお、第1の色を使用頻度の低い色として、特定電線を使用頻度の低い電線とするのが望ましい。さらに、第2の色を使用頻度の高い色とするのが望ましい。
また、第1の色の色相と第2の色の色相とが同じである。このため、第1の色の被覆部の外表面を確実に第2の色に着色できる。
なお、特定電線とは、特定の種類の自動車などの例えばアース回路、電源回路、エアバックなどの特定の用途に用いられた後、前記特定の種類の自動車の生産などが終了して、再び用いられることがない(ほとんどない)電線であるのが望ましい。特定の種類の自動車の例えばアース回路、電源回路、エアバックなどの特定の用途に用いられるため、特定電線の第1の色は、使用される頻度が非常に低い色であるのが望ましい。即ち、特定電線とは、使用頻度が低く、在庫となった電線であるのが望ましい。
また、本明細書でいう被覆部の外表面を着色するとは、被覆部の外表面を着色材で着色することを示している。着色材とは、色材(工業用有機物質)が水またはその他の溶媒に溶解、分散した液状物質である。有機物質としては、染料、顔料(大部分は有機物であり、合成品)があり、時には染料が顔料として、顔料が染料として用いられることがある。より具体的な例として、本明細書でいう着色材とは、着色液と塗料との双方を示している。
着色液とは、溶媒中に染料が溶けているもの又は分散しているものを示しており、塗料とは、分散液中に顔料が分散しているものを示している。このため、着色液で被覆部の外表面を着色すると、染料が被覆部内にしみ込み、塗料で被覆部の外表面を着色すると、顔料が被覆部内にしみ込むことなく外表面に接着する。即ち、本明細書でいう被覆部の外表面を着色するとは、被覆部の外表面の全体又は一部を染料で染めることと、被覆部の外表面の全体又は一部に顔料を塗ることとを示している。
また、前記溶媒と分散液は、被覆部を構成する合成樹脂と親和性のあるものが望ましい。この場合、染料が被覆部内に確実にしみ込んだり、顔料が被覆部の外表面に確実に接着することとなる。
請求項2に記載の本発明の電線のリサイクル方法は、請求項1に記載の電線のリサイクル方法において、前記第1の色の明度は前記第2の色の明度より明るいことを特徴としている。
このことによれば、第1の色の明度は、第2の色の明度より明るい。このため、第2の色で第1の色を確実に隠蔽できる。第1の色の明度が第2の色の明度より明るいとは、第1の色の明度が第2の色の明度より大きい(高い)ことを示している。
請求項3に記載の本発明の電線のリサイクル方法は、請求項2に記載の電線のリサイクル方法において、前記第1の色は明度6以上でかつ明度10以下であることを特徴としている。
このことによれば、第1の色が明度6以上でかつ10以下であるので、このため、第2の色で第1の色を確実に隠蔽でき、第1の色の外表面を第2の色に確実に着色できる。
請求項4に記載の本発明の電線のリサイクル方法は、請求項2に記載の電線のリサイクル方法において、前記第1の色は明度7以上でかつ明度10以下であることを特徴としている。
このことによれば、第1の色が明度7以上でかつ10以下であるので、このため、第2の色で第1の色を確実に隠蔽でき、第1の色の外表面を第2の色に確実に着色できる。
請求項5に記載の本発明の電線のリサイクル方法は、請求項2に記載の電線のリサイクル方法において、前記第1の色は明度7.5以上でかつ明度10以下であることを特徴としている。
このことによれば、第1の色が明度7.5以上でかつ10以下であるので、このため、第2の色で第1の色を確実に隠蔽でき、第1の色の外表面を第2の色に確実に着色できる。
請求項6に記載の本発明の電線のリサイクル方法は、請求項2に記載の電線のリサイクル方法において、前記第1の色は明度8.5以上でかつ明度10以下であることを特徴としている。
このことによれば、第1の色が明度8.5以上でかつ10以下であるので、このため、第2の色で第1の色を確実に隠蔽でき、第1の色の外表面を第2の色に確実に着色できる
お、本発明では、電線の被覆部の外表面を着色液の染料が染めることが望ましい。また、色相とは、JIS(日本工業規格)Z8721、JIS(日本工業規格)Z8105及びマンセル(Munsell)表色系などで定義された赤、黄、緑、青などの色の色合い則ち色調である。明度とは、JIS(日本工業規格)Z8721、JIS(日本工業規格)Z8105及びマンセル(Munsell)表色系などで定義された色の明るさを示す度合いである。
さらに、明度6、7、7.5、8.5、10とは、JIS(日本工業規格)Z8721及びマンセル(Munsell)表色系などで定義された値である。明度とは、マンセル(Munsell)表色系中のマンセルバリューである。
以上説明したように請求項1に記載の本発明は、第1の色に着色された特定電線の被覆部の外表面を前記第1の色と異なる第2の色に着色する。このため、特定電線をワイヤハーネスに用いることができる。第2の色を使用頻度の高い色にすることで、使用頻度の特定電線を長期間蓄える必要がなくなり、長期間蓄える必要のある電線を抑制できる。したがって、ワイヤハーネスの製造工場の電線を蓄えておくスペースを抑制できる。
また、第1の色の色相と第2の色の色相とが同じである。このため、第1の色の被覆部の外表面を確実に第2の色に着色できる。したがって、特定電線をワイヤハーネスにより確実に用いることができ、長期間蓄える必要のある電線をより確実に抑制できる。
請求項2に記載の本発明は、第1の色の明度が第2の色の明度より明るいため、第2の色で第1の色を確実に隠蔽できる。このため、第1の色の外表面を第2の色に確実に着色でき、特定電線をワイヤハーネスにより確実に用いることができる。したがって、長期間蓄える必要のある電線をより確実に抑制できる。
請求項3に記載の本発明は、第1の色が明度6以上でかつ10以下であるので、このため、第2の色で第1の色を確実に隠蔽でき、第1の色の外表面を第2の色に確実に着色できる。したがって、特定電線をワイヤハーネスにより確実に用いることができ、長期間蓄える必要のある電線をより確実に抑制できる。
請求項4に記載の本発明は、第1の色が明度7以上でかつ10以下であるので、このため、第2の色で第1の色を確実に隠蔽でき、第1の色の外表面を第2の色に確実に着色できる。したがって、特定電線をワイヤハーネスにより確実に用いることができ、長期間蓄える必要のある電線をより確実に抑制できる。
請求項5に記載の本発明は、第1の色が明度7.5以上でかつ10以下であるので、このため、第2の色で第1の色を確実に隠蔽でき、第1の色の外表面を第2の色に確実に着色できる。したがって、特定電線をワイヤハーネスにより確実に用いることができ、長期間蓄える必要のある電線をより確実に抑制できる。
請求項6に記載の本発明は、第1の色が明度8.5以上でかつ10以下であるので、このため、第2の色で第1の色を確実に隠蔽でき、第1の色の外表面を第2の色に確実に着色できる。したがって、特定電線をワイヤハーネスにより確実に用いることができ、長期間蓄える必要のある電線をより確実に抑制できる
以下、本発明の一実施形態にかかる電線のリサイクル方法を図1ないし図11を参照して説明する。本発明の一実施形態にかかる電線のリサイクル方法を行うワイヤハーネスの製造装置1(図1に示す)は、図11に示すワイヤハーネス2を組み立てる装置である。
ワイヤハーネス2は、自動車などに配索される。ワイヤハーネス2は、図11に示すように、複数の電線3と、複数のコネクタ4と、ジョイント端子5と、を備えている。電線3は、導電性の芯線8と、該芯線8を被覆する絶縁性の合成樹脂からなる被覆部9とを備えた所謂被覆電線である。複数の電線3は、互いに束ねられる。電線3は、それぞれ、被覆部9の外表面9aが所望の色Q,R,S(図3ないし図9中に平行斜線で示す)に着色されている。
なお、色Q,R,Sは、本明細書に記した第2の色をなしており、以下第2の色と記す。また、第2の色Q,R,Sは、ワイヤハーネス2を構成する電線3として使用頻度の高い色である。電線3は、芯線8を被覆部9で被覆する工程において、被覆部9を構成する合成樹脂に周知の着色剤などが混入されて、前述した所望の第2の色Q,R,Sに着色される。また、電線3は、前述した合成樹脂に着色剤などを混入せずに、被覆部9を成形した後、被覆部9の外表面9aが着色されても良い。また、第2の色Q,R,Sは、使用頻度の高い色でなくても良い。
又、ワイヤハーネス2は、電線3として特定電線23(図11などに示す)を用いる。なお、特定電線23の構成は、電線3の構成と同等であるので同一部分に同一符号を付して説明を省略する。特定電線23とは、特定の種類の自動車の例えばアース回路、電源回路、エアバックなどの特定の用途に用いられた後、前記特定の種類の自動車の生産などが終了して、再び用いられることがない(ほとんどない)電線である。このため、特定電線23は、使用頻度が(非常に)低く、在庫となった電線である。
特定電線23は、外表面9aが使用頻度の低い第1の色P(図3ないし図9中に平行斜線で示す)に着色された後、前述した第2の色Q,R,Sに着色されている。なお、特定電線23も、前記電線3と同様に、芯線8を被覆部9で被覆する工程において、被覆部9を構成する合成樹脂に顔料が混入されて第1の色Pに着色される。また、特定電線23は、前述した合成樹脂に着色剤などを混入せずに、被覆部9を成形した後、被覆部9の外表面9aが第1の色Pに着色されても良い。その後、特定電線23は、外表面9aが第2の色Q,R,Sに着色される。
第1の色Pは、明度6以上でかつ明度10以下である。さらに、第1の色Pの明度は、第2の色Q,R,Sの明度より明るい。則ち、第1の色Pの明度は、第2の色Q,R,Sの明度より大きい(高い)。使用頻度の低い第1の色Pとは、ワイヤハーネス2を構成する電線3,23に殆ど用いられない色である。また、第1の色Pは、使用頻度の低い色でなくても良い。さらに、第1の色Pは、前述した第2の色Q,R,Sと異なっている。第1の色Pの色相と、第2の色Q,R,Sの色相とは、同じであるのが望ましい。
また、本明細書に記した色相とは、JIS(日本工業規格)Z8721、JIS(日本工業規格)Z8105及びマンセル(Munsell)表色系などで定義された赤、黄、緑、青などの色の色合い則ち色調である。明度とは、JIS(日本工業規格)Z8721、JIS(日本工業規格)Z8105及びマンセル(Munsell)表色系などで定義された色の明るさを示す度合いである。
さらに、後述する明度6、7、7.5、8.5、10とは、JIS(日本工業規格)Z8721及びマンセル(Munsell)表色系などで定義された値である。明度とは、マンセル(Munsell)表色系中のマンセルバリューをなしている。明度が大きくなるとより明るくなり(より透明になり)、明度が小さくなるとより暗くなる(より濃くなる)。
コネクタ4は、導電性の端子金具6と、絶縁性のコネクタハウジング7とを備えている。端子金具6は、導電性の板金を折り曲げて形成される。端子金具6は、前記電線3,23の端部に取り付けられる。端子金具6は、電線3,23の芯線8と電気的に接続される。コネクタハウジング7は、箱状に形成されている。コネクタハウジング7は、端子金具6を収容する。こうして、コネクタハウジング7に端子金具6が取り付けられる。
ジョイント端子5は、導電性の板金からなる。ジョイント端子5は、複数の電線3,23の芯線8を、互いに電気的に接続する。ジョイント端子5が電線3,23の芯線8同士を接続する接続箇所では、電線3,23の被覆部9が除去されて芯線8が露出している。ジョイント端子5は、露出した芯線8を覆う。そして、ジョイント端子5は、露出した芯線8同士を加締めて、これらの芯線8即ち電線3,23同士を電気的に接続する。
前述した構成のワイヤハーネス2は、第1の色Pの特定電線23の被覆部9の外表面9aが第2の色Q,R,Sに着色された後、電線3,23を所望の長さに切断しかつ前記端部などの被覆部9を除去する。露出した芯線8に端子金具6を加締めるなどして、前記電線3,23の端部に端子金具6を取り付ける。電線3,23の前記接続箇所に位置する被覆部9を除去する。ジョイント端子5で、前記接続箇所から露出した芯線8を加締めて、電線3,23同士を接続する。端子金具6をコネクタハウジング7内に挿入する。端子金具6をコネクタハウジング7に取り付ける。
こうして、ワイヤハーネスの製造装置1は、前述した構成のワイヤハーネス2を組み立てる。こうして組み立てられたワイヤハーネス2は、自動車などに配される電子機器のコネクタに前記コネクタ4がコネクタ結合して、前記電子機器同士を接続する。ワイヤハーネス2は、前記電子機器に電力や制御信号などを伝える。
ワイヤハーネスの製造装置1は、前述した構成のワイヤハーネス2を組み立てる装置である。ワイヤハーネスの製造装置1は、図1に示すように、切断ユニット11と、ジョイントユニット12と、ケース嵌めユニット13と、着色ユニット22とを備えている。
切断ユニット11には、電線製造装置10から例えばドラムなどに巻かれた電線3が供給される。電線製造装置10は、銅などの導電性の金属から前記芯線8を製造するとともに、該芯線8を所望の着色剤が混入された絶縁性の合成樹脂で被覆する。そして、電線製造装置10は、前記電線3を製造する。電線製造装置10で製造されて切断ユニット11に供給される電線3の被覆部9は、周知の着色剤で所望の第2の色Q,R,Sに着色された状態となっている。即ち、切断ユニット11には、着色済みの電線3が供給される。
また、切断ユニット11には、着色ユニット22で第1の色Pから第2の色Q,R,Sに着色された特定電線23が供給される。なお、本明細書で記す被覆部9の外表面9aを着色するとは、被覆部9の外表面9aを着色材で着色することを示している。着色材とは、色材(工業用有機物質)が水またはその他の溶媒に溶解、分散した液状物質である。有機物質としては、染料、顔料(大部分は有機物であり、合成品)があり、時には染料が顔料として、顔料が染料として用いられることがある。より具体的な例として、本明細書でいう着色材とは、着色液と塗料との双方を示している。
着色液とは、溶媒中に染料が溶けているもの又は分散しているものを示しており、塗料とは、分散液中に顔料が分散しているものを示している。このため、着色液で被覆部9の外表面9aを着色すると、染料が被覆部9内にしみ込み、塗料で被覆部9の外表面9aを着色すると、顔料が被覆部9内にしみ込むことなく外表面9aに接着する。即ち、本明細書でいう被覆部9の外表面9aを着色するとは、被覆部9の外表面9aの全体又は一部を染料で染めることと、被覆部9の外表面9aの全体又は一部に顔料を塗ることとを示している。
また、前記溶媒と分散液は、被覆部9を構成する合成樹脂と親和性のあるものが望ましい。この場合、染料が被覆部9内に確実にしみ込んだり、顔料が被覆部9の外表面9aに確実に接着することとなる。
切断ユニット11は、前記電線3及び特定電線23を所望の長さに切断する。切断ユニット11は、切断した電線3及び特定電線23の端部などに位置する被覆部9を除去する。即ち、切断ユニット11は、電線3及び特定電線23に皮むき加工を施す。切断ユニット11は、被覆部9が除去された電線3及び特定電線23の端部に端子金具6を取り付ける。
ジョイントユニット12には、切断ユニット11から該切断ユニット11で端子金具6などが取り付けられた電線3及び特定電線23が供給される。ジョイントユニット12は、前記電線3及び特定電線23の前述した接続箇所に位置する被覆部9を除去する。ジョイントユニット12は、ジョイント端子5で芯線8を加締めて電線3及び特定電線23同士を接続する。
ケース嵌めユニット13には、ジョイントユニット12から端子金具6が取り付けられた電線3及び特定電線23が供給される。ケース嵌めユニット13は、電線3及び特定電線23の端部などに取り付けられた端子金具6をコネクタハウジング7内に挿入する。ケース嵌めユニット13は、端子金具6をコネクタハウジング7に取り付けて、コネクタ4を組み立てる。
着色ユニット22には、電線貯蔵庫24から使用頻度が低く在庫となった特定電線23が供給される。電線貯蔵庫24は、例えばドラムに巻くなどして、前述した特定の種類の自動車に用いられて再び用いられることのない(ほとんどない)特定電線23を貯蔵している。勿論、電線貯蔵庫24は、前記電線3を貯蔵しても良い。
着色ユニット22は、前記特定電線23の被覆部9の外表面9aに塗料を塗ったり前記被覆部9の外表面9aを着色液で染色して、前記第1の色Pとは異なる使用頻度の高い第2の色Q,R,Sに前記特定電線23の被覆部9の外表面9aを着色する。なお、前記被覆部9の外表面9aを着色液の染料で染める場合には、特に、第1の色Pの色相と第2の色Q,R,Sの色相とが同じであるのが望ましい。さらに、第1の色Pの明度は、第2の色Q,R,Sの明度より高い(明るい)のが望ましい。なお、使用頻度の高い第2の色Q,R,Sとは、ワイヤハーネス2を構成する電線3,23によく用いられる色である。
なお、本実施形態では、第1の色Pの色相と第2の色Q,R,Sの色相とが同じでありかつ第1の色Pの明度が第2の色Q,R,Sの明度より高い(明るい)。着色ユニット22として、図3ないし図9に示す第1ないし第7の着色装置14,15,16,17,18,19,20のうち少なくとも一つを用いる。即ち、ワイヤハーネスの製造装置1は、第1ないし第7の着色装置14,15,16,17,18,19,20のうち少なくとも一つを備えている。
図3に示す第1の着色装置14は、図3(a)に示すように、装置本体14aと、一対のローラ14bと、複数の噴霧器(スプレー)14cと、乾燥機14dと、を備えている。一対のローラ14bは、互いに間隔をあけて配されかつ互いの間に前記特定電線23を該特定電線23の長手方向に沿って走行させる。
噴霧器14cは、図示例では、一対設けられている。噴霧器14cは、塗料や着色液を一対のローラ14b間を走行する特定電線23に向かって吹き付ける。一対の噴霧器14cは、特定電線23の全周に亘って、該特定電線23の外表面9aを塗料で着色する又は着色液で染色(着色)する。一対の噴霧器14cは、前記特定電線23の全周に亘って、第1の色Pとは異なる第2の色Qに外表面9aを着色する。
乾燥機14dは、噴霧器14cより特定電線23の走行方向の下流側に配されている。乾燥機14dは、噴霧器14cによって特定電線23の外表面9aに吹き付けられた塗料や着色液を乾燥させる。前述した構成の第1の着色装置14は、図3(b)に示す第1の色P(図中に平行斜線で示す)の特定電線23の外表面9aを、図3(c)に示すように、全周に亘って第2の色Q(図中に平行斜線で示す)に着色する。
図4に示す第2の着色装置15は、図4(a)に示すように、一対のローラ15aと、含浸槽15bと、複数の案内ローラ15cと、スキージ15dとを備えている。一対のローラ15aは、互いに間隔をあけて配されかつ互いの間に前記特定電線23を該特定電線23の長手方向に沿って走行させる。
含浸槽15bは、一対のローラ15a間に配されている。含浸槽15bは上方が開口した箱状に配されている。含浸槽15bは、第1の色Pと異なる第2の色Qの着色液または塗料を収容している。複数の案内ローラ15cは、一対のローラ15a間に配されかつ特定電線23の走行方向に沿って互いに間隔をあけて配されている。複数の案内ローラ15cは一対のローラ15a間を走行する特定電線23を含浸槽15b内の着色液または塗料内につける。
スキージ15dは、含浸槽15bと、一対のローラ15aのうち特定電線23の走行方向の下流側のローラ15aと、の間に配されている。スキージ15dは、特定電線23の外表面9aにつけられた着色液または塗料のうち余分なものを除去する。
前述した構成の第2の着色装置15は、図4(b)に示す第1の色P(図中に平行斜線で示す)の特定電線23の外表面9aを、含浸槽15b内につけて、図4(c)に示すように、全周に亘って第2の色Q(図中に平行斜線で示す)に着色する。
図5に示された第3の着色装置16は、図5(a)に示すように、一対のローラ16aと、複数の噴霧器(スプレー)16bと、複数のマーカ(Marker)16cと、を備えている。一対のローラ16aは、互いに間隔をあけて配されかつ互いの間に前記特定電線23を該特定電線23の長手方向に沿って走行させる。
噴霧器16bは、図示例では、一対設けられている。噴霧器16bは、塗料や着色液を一対のローラ16a間を走行する特定電線23に向かって吹き付ける。一対の噴霧器16bは、前記特定電線23の外表面9aを塗料で着色する又は着色液で染色(着色)する。一対の噴霧器16bは、前記特定電線23の全周に亘って、第1の色Pとは異なる第2の色Qに外表面9aを着色する。
マーカ16cは、図示例では、一対設けられている。マーカ16cは、噴霧器16bより特定電線23の走行方向の下流側に配されている。マーカ16cは、特定電線23の外表面9aに接触して、該特定電線23の外表面9aの一部に前記噴霧器16bが着色した第2の色Qと前記第1の色Pとの双方と異なる色Rの塗料や着色液を付着させる。マーカ16cは、前記特定電線23の外表面9aの一部を前記噴霧器16bが着色した第2の色Qと前記第1の色Pとの双方と異なる色Rに着色する。なお、この色Rも、本明細書に記した第2の色である。
前述した構成の第3の着色装置16は、図5(b)に示す第1の色P(図中に平行斜線で示す)の特定電線23の外表面9aを、全周に亘って噴霧器16bが第2の色Q(図中に平行斜線で示す)に着色するとともに、噴霧器16bが着色した上をマーカ16cが前記色P,Qと異なる第2の色Rに着色する。第3の着色装置16は、図5(c)に示すように、特定電線23の外表面9aを前記第2の色Q,Rでストライプの模様に着色する。
図6に示された第4の着色装置17は、図6(a)に示すように、一対のローラ17aと、複数のマーカ(Marker)17bと、を備えている。一対のローラ17aは、互いに間隔をあけて配されかつ互いの間に前記特定電線23を該特定電線23の長手方向に沿って走行させる。
マーカ17bは、図示例では、一対設けられている。マーカ17bは、特定電線23の外表面9aに接触して、該特定電線23の外表面9aの一部に塗料や着色液を付着させる。一対のマーカ17bは、第1の色Pとは異なる第2の色Rに特定電線23の外表面9aの一部を着色する。
前述した構成の第4の着色装置17は、図6(b)に示す外表面9aが第1の色P(図中に平行斜線で示す)の特定電線23の外表面9aの一部を、図6(c)に示すように、マーカ17bで、第1の色とは異なる第2の色R(図中に密な平行斜線で示す)に着色する。第4の着色装置17は、図6(c)に示すように、特定電線23の外表面9aを前記第2の色Rでストライプの模様に着色する。
第5の着色装置18は、図7(a)に示すように、一対の走行ローラ18aと、管状部材18bと、着色部18cと、を備えている。一対の走行ローラ18aは、互いの間に特定電線23を通して、該特定電線23を走行させる。
管状部材18bは、前記特定電線23の端部などが侵入可能な円管状に形成されている。管状部材18bには、貫通孔18dが設けられている。着色部18cは、貫通孔18dを通して、管状部材18b内の特定電線23の外表面9aの一部に塗料や着色液を塗布する。着色部18cは、第1の色Pとは異なる第2の色S(図中に平行斜線で示す)に特定電線23の外表面9aの一部を着色する。
前述した構成の第5の着色装置18は、図7(b)に示すように、着色部18cで、第1の色P(図中に平行斜線で示す)の特定電線23の外表面9aの一部を、前記第1の色Pとは異なる第2の色Sに着色する。第5の着色装置18は、図7(b)に示すように、特定電線23の外表面9aの一部を前記第2の色Sに着色して、印21を形成する。
第6の着色装置19は、図8(a)に示すように、電線クランパ19aと、噴霧器(スプレー)19bと、を備えている。電線クランパ19aは、特定電線23の特に端部をクランプ(固定)する。噴霧器19bは、前記特定電線23の端部の外表面9aの一部に塗料や着色液を吹き付ける。噴霧器19bは、第1の色Pとは異なる第2の色S(図中に平行斜線で示す)に特定電線23の外表面9aの一部を着色する。
前述した構成の第6の着色装置19は、図8(b)に示すように、噴霧器19bで、特定電線23の外表面9aの一部を、前記第1の色P(図中に平行斜線で示す)とは異なる第2の色Sに着色する。第6の着色装置19は、図8(b)に示すように、特定電線23の外表面9aの一部を前記第2の色Sに着色して、印21を形成する。
第7の着色装置20は、図9(a)に示すように、電線クランパ20aと、スタンプ20bと、を備えている。電線クランパ20aは、互いに接離する挟持部材20c,20cを備えている。電線クランパ20aは、挟持部材20c,20c間に特定電線23の特に端部を挟む。電線クランパ20aは、特定電線23の端部をクランプ(固定)する。
スタンプ20bは、挟持部材20c,20cが互いに接離すると、特定電線23の端部に接離する。スタンプ20bは、挟持部材20c,20cが互いに近づくと、該挟持部材20c,20c間に挟まれた特定電線23の端部に近づく。スタンプ20bは、前記特定電線23の端部に接触して、前記端部の外表面9aの一部に塗料や着色液を塗布する。スタンプ20bは、第1の色Pとは異なる第2の色S(図中に平行斜線で示す)に特定電線23の外表面9aの一部を着色する。
前述した構成の第7の着色装置20は、図9(b)に示すように、スタンプ20bで、特定電線23の外表面9aの一部を、前記第1の色P(図中に平行斜線で示す)とは異なる第2の色Sに着色する。第7の着色装置20は、図9(b)に示すように、特定電線23の外表面9aの一部を前記第2の色Sに着色して、印21を形成する。
前記ワイヤハーネスの製造装置1を用いて、ワイヤハーネス2を製造する際には、まず、図2中のステップS1において、前述した着色ユニット22を用いて電線貯蔵庫24に蓄えられている特定電線23の使用頻度の低い第1の色Pに着色された外表面9aのうち少なくとも一部を、使用頻度の高い第2の色Q,R,Sに着色して、ステップS2に進む。
ステップS2では、電線製造装置10から着色された電線3を切断ユニット11に向かって搬送するとともに、着色ユニット22から第2の色Q,R,Sに着色された特定電線23を切断ユニット11に向かって搬送する。切断ユニット11は、電線3及び特定電線23を所望の長さに切断し、端部の被覆部9を除去した後、該端部に端子金具6を取り付ける。そして、ステップS3に進む。
ステップS3では、切断ユニット11からジョイントユニット12に向かって電線3及び特定電線23を搬送する。ジョイントユニット12は、電線3及び特定電線23の接続箇所の被覆部9を除去して、ジョイント端子5で電線3及び特定電線23同士を接続する。そして、ステップS4に進む。
ステップS4では、ジョイントユニット12からケース嵌めユニット13に向かって電線3及び特定電線23を搬送する。ケース嵌めユニット13は、電線3及び特定電線23の端部に取り付けられた端子金具6をコネクタハウジング7内に挿入する。ケース嵌めユニット13は、端子金具6をコネクタハウジング7に取り付ける。こうして、ワイヤハーネスの製造装置1は、ワイヤハーネス2を組み立てる。
次に、本発明の発明者らは、第1の色Pの特定電線23の外表面9aを、種々の第2の色Q,R,Sに着色した。結果を図10に示す。このとき、第1の色Pとして色相が黄色の特定電線23を用いた。さらに、第1の色Pの明度が異なる複数の特定電線23の外表面9aを、種々の第2の色Q,R,Sに着色した。第2の色Q,R,Sで第1の色Pを隠蔽できた時、第2の色Q,R,Sで着色可能と判断した。
図10において、横軸は第1の色Pの明度を示し、図10中右側(則ち明度が大きく)なるにしたがって、第1の色Pが明るく(薄く)なっていることを示している。また、図10において、縦軸は、着色可能な第2の色Q,R,Sの割合を示している。則ち、ワイヤハーネス2に用いられる電線3の外表面9a全ての色に着色できるとき、着色可能な第2の色Q,R,Sの割合が100%となる。
図10によれば、第1の色Pの明度が3を下回ると、着色可能な第2の色Q,R,Sの割合が0%となることが明らかとなった。則ち、第1の色Pの明度が3を下回ると、如何なる色にも着色できないことが明らかとなった。また、第1の色Pの明度が6以上になると、着色可能な第2の色Q,R,Sの割合が30%以上となることが明らかとなった。則ち、第1の色Pの明度が6以上になると、ワイヤハーネス2に用いられる電線3の外表面9aのうち30%以上の色に着色できることが明らかとなった。
さらに、第1の色Pの明度が7以上になると、着色可能な第2の色Q,R,Sの割合が50%以上となることが明らかとなった。則ち、第1の色Pの明度が7以上になると、ワイヤハーネス2に用いられる電線3の外表面9aのうち50%以上の色に着色できることが明らかとなった。また、第1の色Pの明度が7.5以上になると、着色可能な第2の色Q,R,Sの割合が75%以上となることが明らかとなった。則ち、第1の色Pの明度が7.5以上になると、ワイヤハーネス2に用いられる電線3の外表面9aのうち75%以上の色に着色できることが明らかとなった。
さらに、第1の色Pの明度が8.5以上になると、着色可能な第2の色Q,R,Sの割合が90%以上となることが明らかとなった。則ち、第1の色Pの明度が8.5以上になると、ワイヤハーネス2に用いられる電線3の外表面9aのうち90%以上の色に着色できることが明らかとなった。
本実施形態によれば、特定の用途に用いられて使用頻度の低い第1の色Pに着色されて在庫となった特定電線23の被覆部9の外表面9aを、使用頻度の高い第2の色Q,R,Sに着色する。第2の色Q,R,Sが使用頻度の高い色なので、特定電線23をワイヤハーネス2に用いることができる。
したがって、使用頻度の低い第1の色Pから使用頻度の高い第2の色Q,R,Sに着色するので、特定電線23を長期間蓄える必要がなくなり、長期間蓄える必要のある電線3,23の数を抑制できる。したがって、ワイヤハーネス2の製造工場の電線3,23を蓄えておくスペースを抑制できる。
また、第1の色Pの色相と第2の色Q,R,Sの色相とが同じでかつ第1の色Pの明度が第2の色Q,R,Sの明度より高い(明るい)。このため、第2の色Q,R,Sで第1の色Pを確実に隠蔽できる。したがって、特定電線23をワイヤハーネス2により確実に用いることができる。したがって、使用頻度の低い第1の色Pから使用頻度の高い第2の色Q,R,Sにより確実に着色でき、特定電線23を長期間蓄える必要がなくなり、長期間蓄える必要のある電線3,23の数をより確実に抑制できる。本発明では、第1の色Pを必ずしも使用頻度の低い色としなくても良く、第2の色Q,R,S必ずしも使用頻度の高い色としなくても良い。
また、本実施形態では、第1の色Pが明度6以上でかつ10以下であるので、このため、ワイヤハーネス2に用いられる電線3の外表面9aの色のうち30%以上の第2の色Q,R,Sで第1の色Pを確実に隠蔽でき、第1の色Pの外表面9aを30%以上の第2の色Q,R,Sに確実に着色できる。したがって、特定電線23をワイヤハーネス2により確実に用いることができ、長期間蓄える必要のある電線をより確実に抑制できる。
また、本実施形態では、第1の色Pを明度7以上でかつ10以下としても良い、この場合、ワイヤハーネス2に用いられる電線3の外表面9aの色のうち50%以上の第2の色Q,R,Sで第1の色Pを確実に隠蔽でき、第1の色Pの外表面9aを50%以上の第2の色Q,R,Sに確実に着色できる。したがって、特定電線23をワイヤハーネス2により確実に用いることができ、長期間蓄える必要のある電線をより確実に抑制できる。
さらに、本実施形態では、第1の色Pを明度7.5以上でかつ10以下としても良い、この場合、ワイヤハーネス2に用いられる電線3の外表面9aの色のうち75%以上の第2の色Q,R,Sで第1の色Pを確実に隠蔽でき、第1の色Pの外表面9aを75%以上の第2の色Q,R,Sに確実に着色できる。したがって、特定電線23をワイヤハーネス2により確実に用いることができ、長期間蓄える必要のある電線をより確実に抑制できる。
また、本実施形態では、第1の色Pを明度8.5以上でかつ10以下としても良い、この場合、ワイヤハーネス2に用いられる電線3の外表面9aの色のうち90%以上の第2の色Q,R,Sで第1の色Pを確実に隠蔽でき、第1の色Pの外表面9aを90%以上の第2の色Q,R,Sに確実に着色できる。したがって、特定電線23をワイヤハーネス2により確実に用いることができ、長期間蓄える必要のある電線をより確実に抑制できる。
なお、着色及び印21が形成された電線3,23は、ワイヤハーネス2を組み立てる工程を指示するためなどに用いられていない。前述したように着色及び印21が形成された電線3,23は、ワイヤハーネス2の電線3,23の線種、系統(システム)の識別などを行うために用いられる。また、本発明は、第1の色Pに着色された特定電線23を第2の色Q,R,Sに着色するものであり、無着色の被覆部9を第2の色Q,R,Sに着色するものではない。
また、前述したワイヤハーネスの製造装置1では、切断ユニット11で電線3及び特定電線23を所望の長さに切断して被覆部9の一部を除去する前に、特定電線23の外表面9aを第2の色R,Q,Sに着色している。しかしながら、本発明では、電線3及び特定電線23を切断、被覆部9を除去、端子金具6の取付、端子金具6をコネクタハウジング7内に挿入する各工程の前後いずれで、第1ないし第7の着色装置14,15,16,17,18,19,20で特定電線23を着色しても良いことは勿論である。
さらに、前述した実施形態では、自動車に配索されるワイヤハーネス2に関して記載している。しかしながら本発明の製造方法で製造されるワイヤハーネス2を自動車に限らず、ポータブルコンピュータなどの各種の電子機器や各種の電気機械に用いても良いことは勿論である。
なお、本発明では、特定電線23を第2の色Q,R,Sに着色する手段として、浸漬、噴霧、噴射、印刷、転写などの種々の手段を用いても良い。さらに、着色液及び塗料として、アクリル系塗料、インク(染料系、顔料系)、UVインクなどの種々のものを用いても良い。
さらに、前述した実施形態から以下の電線のリサイクル方法が得られる。複数の電線と複数のコネクタとを備えかつ前記コネクタが前記電線に取り付けられたワイヤハーネスを組み立てるワイヤハーネスの製造方法において、被覆部の外表面が第1の色でかつ特定の用途に用いられた特定電線の前記外表面を第2の色に着色した後、該特定電線を用いてワイヤハーネスを組み立てることを特徴する電線のリサイクル方法。
本発明の一実施形態にかかる電線のリサイクル方法を行うワイヤハーネスの製造装置の構成を示す説明図である。 図1に示されたワイヤハーネスの製造装置でワイヤハーネスを製造する工程の流れを示すフローチャートである。 図1に示されたワイヤハーネスの製造装置の第1の着色装置の説明図であり、(a)は第1の着色装置の構成を示す説明図であり、(b)は図3(a)の第1の着色装置で着色される前の電線の斜視図であり、(c)は図3(a)の第1の着色装置で着色された電線の斜視図である。 図1に示されたワイヤハーネスの製造装置の第2の着色装置を示す説明図であり、(a)は第2の着色装置の構成を示す説明図であり、(b)は図4(a)の第2の着色装置で着色される前の電線の斜視図であり、(c)は図4(a)の第2の着色装置で着色された電線の斜視図である。 図1に示されたワイヤハーネスの製造装置の第3の着色装置を示す説明図であり、(a)は第3の着色装置の構成を示す説明図であり、(b)は図5(a)の第3の着色装置で着色される前の電線の斜視図であり、(c)は図5(a)の第3の着色装置で着色された電線の斜視図である。 図1に示されたワイヤハーネスの製造装置の第4の着色装置を示す説明図であり、(a)は第4の着色装置の構成を示す説明図であり、(b)は図6(a)の第4の着色装置で着色される前の電線の斜視図であり、(c)は図6(a)の第4の着色装置で着色された電線の斜視図である。 図1に示されたワイヤハーネスの製造装置の第5の着色装置を示す説明図であり、(a)は第5の着色装置の構成を示す説明図であり、(b)は図7(a)の第5の着色装置で着色された電線の斜視図である。 図1に示されたワイヤハーネスの製造装置の第6の着色装置を示す説明図であり、(a)は第6の着色装置の構成を示す説明図であり、(b)は図8(a)の第6の着色装置で着色された電線の斜視図である。 図1に示されたワイヤハーネスの製造装置の第7の着色装置を示す説明図であり、(a)は第7の着色装置の構成を示す説明図であり、(b)は図9(a)の第7の着色装置で着色された電線の斜視図である。 図1に示されたワイヤハーネスの製造装置の着色装置で明度が異なる第1の色の被覆部の外表面を第2の色に着色した結果を示す説明図である。 図1に示されたワイヤハーネスの製造装置で組み立てられるワイヤハーネスの概略の構成を示す説明図である。

Claims (6)

  1. 複数の電線を備えたワイヤハーネスに用いられる電線のリサイクル方法において、
    第1の色に着色された特定電線の被覆部の外表面を前記第1の色と異なりかつ当該第1の色と色相が同じ第2の色に着色し、該特定電線を用いてワイヤハーネスを組み立てることを特徴とする電線のリサイクル方法。
  2. 前記第1の色の明度は前記第2の色の明度より明るいことを特徴とする請求項1記載の電線のリサイクル方法。
  3. 前記第1の色は明度6以上でかつ明度10以下であることを特徴とする請求項2記載の電線のリサイクル方法。
  4. 前記第1の色は明度7以上でかつ明度10以下であることを特徴とする請求項2記載の電線のリサイクル方法。
  5. 前記第1の色は明度7.5以上でかつ明度10以下であることを特徴とする請求項2記載の電線のリサイクル方法。
  6. 前記第1の色は明度8.5以上でかつ明度10以下であることを特徴とする請求項2記載の電線のリサイクル方法。
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