JP4106145B2 - 台所用洗剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、新規な台所用洗剤、とりわけ、トレハロースを配合することを特徴とする台所用洗剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品、食器、調理器具や、食品製造装置、食品加工装置の洗浄に頻用される従来の台所用洗剤においては、その多くに、界面活性剤として、アルキル硫酸塩やアルキルエーテル硫酸塩などの硫酸エステル塩が多量に配合されている。社団法人日本化学会編『化学便覧』、応用化学編、丸善株式会社、昭和61年10月15日発行、1,206乃至1,211頁においては、手荒れ、肌荒れなどの台所用洗剤による皮膚障害の主因が界面活性剤による皮膚の脱脂、角質層蛋白質の変性及び皮膚刺激にあり、とりわけ、硫酸エステル塩は皮膚刺激性が強いことが指摘されている。硫酸エステル塩は、このように、皮膚障害を惹起することが以前より指摘されていながら、比較的廉価に入手し得ることから、依然、台所用洗剤に多用されている。
【0003】
この問題を解決すべく、硫酸エステル塩に、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アミンオキシドなどを組合せて用いたり、あるいは、硫酸エステル塩に代えてアミノ酸系界面活性剤や脂肪酸系界面活性剤を用いる台所用洗剤が提案されている。しかしながら、真に皮膚障害を起こし難い台所用洗剤は未だ実現していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
斯かる状況に鑑み、この発明の課題は、界面活性剤本来の洗浄力を実質的に損なうことなく、手荒れ、肌荒れなどの界面活性剤による皮膚障害を有意に低減させた台所用洗剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決すべく、本発明者が糖質に着目して鋭意研究したところ、二糖類の1種であるトレハロースは、台所用洗剤に配合すると、界面活性剤本来の洗浄力を実質的に損なうことなく、手荒れ、肌荒れなどの界面活性剤による皮膚障害を有意に低減させるという、全く予想外の知見に到達した。すなわち、この発明は、前記課題を、トレハロースを配合することを特徴とする台所用洗剤を提供することにより解決するものである。
【0006】
トレハロースは2分子のグルコースが還元性基同士で結合してなる二糖類であり、自然界においては細菌、真菌、藻類、昆虫などに広く分布している。食品、化粧品及び医薬品の分野においては、蔗糖に代わる糖質としてトレハロースの需要が急速に伸びつつあるけれども、洗剤におけるトレハロースの挙動については全く解明されていないというのが実状である。
【0007】
トレハロースは公知の物質である。しかしながら、この発明は、前述のとおり、トレハロースが、台所用洗剤に配合して、界面活性剤本来の洗浄力を実質的に損なうことなく、界面活性剤に起因する皮膚障害を有意に低減するという独自の知見に基づくものであって、台所用洗剤におけるトレハロースの用途はこの発明をもって嚆矢とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明は、トレハロースを配合することを特徴とする台所用洗剤に関するものである。周知のとおり、トレハロースには、互いに結合様式が相違するα,α体、α,β体及びβ,β体と呼ばれる3種類の異性体が存在する。これらは、台所用洗剤に配合して、界面活性剤本来の洗浄力を実質的に損なうことなく、手荒れ、肌荒れなどの界面活性剤による皮膚障害を有意に低減する作用を有するので、いずれもこの発明において有利に用いることができる。したがって、この発明の台所用洗剤においては、これらの異性体の1又は複数が全体として有効量配合されてさえいれば、配合するトレハロースの調製方法、純度及び性状は問わない。
【0009】
トレハロースは種々の方法で調製することができる。この発明はトレハロースの調製に関するものではないので詳細な説明は割愛するけれども、経済性を問題にするのであれば、同じ特許出願人による特開平7−143876号公報、特開平7−213283号公報、特開平7−322883号公報、特開平7−298880号公報、特開平8−66187号公報、特開平8−66188号公報、特開平8−336388号公報及び特開平8−84586号公報のいずれかに開示された非還元性糖質生成酵素及びトレハロース遊離酵素を澱粉部分加水分解物に作用させる方法が好適である。この方法によるときには、廉価な材料である澱粉からトレハロースのα,α体が高収量で得られる。ちなみに、斯かる方法により調製された市販品としては、食品級トレハロース粉末(商品名『トレハオース』、純度98%以上、株式会社林原商事販売)及び食品級トレハロースシロップ(商品名『トレハスター』、純度28%以上、株式会社林原商事販売)がある。なお、α,α体は、マルトースに、例えば、同じ特許出願人による特開平7−170977号公報、特開平8−263号公報及び特開平8−149980号公報のいずれかに記載されたマルトース・トレハロース変換酵素を作用させるか、あるいは、公知のマルトース・ホスホリラーゼ及びトレハロース・ホスホリラーゼを組合せて作用させることによっても得ることができる。
【0010】
トレハロースのα,β体を調製するには、例えば、同じ特許出願人による特開平4−144694号公報及び特開平4−179490号公報に記載された方法にしたがって澱粉部分加水分解物と乳糖との混合物にシクロマルトデキストリン・グルカノトランスフェラーゼとβ−ガラクトシダーゼをこの順序で作用させればよい。また、β,β体は公知の化学合成により得ることができる。なお、この発明においては、トレハロースは必ずしも高度に精製されておらずともよく、調製方法に特有な他の糖質やその他の物質との未分離組成物としての形態であってもよい。
【0011】
この発明の台所用洗剤は、上述のごときトレハロースとともに、台所用洗剤に通常一般に用いられる界面活性剤と、必要に応じて、例えば、水、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ソルビトールなどの溶剤、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、グアガム、プルラン、ポリエチレングリコール、エタノールなどの粘度調整剤、硫酸ナトリウムなどのpH調整剤、グリチルリチン酸、甘草エキスなどの抗炎症剤、トリクロサン、トリクロロカルバンなどの殺菌剤、メチルパラベン、ブチルパラベンなどの防腐剤、その他、消毒剤、安定剤、着香料、着色料などを適宜配合し、用途に応じて固形状又は液状に調製される。
【0012】
界面活性剤としては、台所用洗剤に通常一般に用いられるものであればよく、例えば、アルキルメチルアラニンナトリウム、アルキル−L−グルタミン酸トリエタノールアミンなどのアミノ酸系界面活性剤、アルキルアミドプロピルベタイン、脂肪酸カリウム、脂肪酸蔗糖エステル、脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸ポリエチレングリコールエステルなどの脂肪酸系界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸系界面活性剤、硫酸アルキルナトリウム、アルキルポリオキシエチレン硫酸ナトリウムなどの硫酸系界面活性剤、その他、アミンオキシド、脂肪酸ジエタノールアミドなどが挙げられ、必要に応じて、これらは組合せて用いられる。このうち、アミノ酸系界面活性剤は皮膚への浸透性が低く、この発明において極めて有利に用いられる。トレハロースと界面活性剤との配合比は特に厳密に調製する必要はなく、通常、トレハロースを洗剤全体の0.1%(w/w)以上、望ましくは、0.5%(w/w)以上配合すれば事足りる。トレハロースの配合量が多いと効果も大きいが、溶解度の制限があるので、液体台所用洗剤においては、通常、0.1乃至20%(w/w)、望ましくは、0.5乃至10%(w/w)の範囲に設定する。
【0013】
なお、この発明は、トレハロースが調製段階で配合された台所用洗剤に限定されるものではなく、トレハロース無含有の、例えば、市販の台所用洗剤に有効量のトレハロースを配合する実施の形態をも包含するものである。この方法によるときには、別途配合したトレハロースが元の台所用洗剤に配合されていた界面活性剤本来の洗浄力を実質的に損なうことなく、その界面活性剤による皮膚障害を有意に低減するので、元の台所用洗剤の品質・性能を容易に改善できることとなる。
【0014】
次に、この発明の実施の形態につき、実施例に基づき説明する。
【0015】
【実施例1】
常法にしたがって、アルキルメチルアラニンナトリウム、アルキルアミドプロピルベタイン及び脂肪酸ジエタノールアミドからなる界面活性剤組成物21重量部、食品級トレハロース粉末(商品名『トレハオース』、純度98%以上、株式会社林原商事販売)5重量部並びに適量のポリオキシエチレンアルキルエーテル、水、着香料及び着色料をそれぞれ配合し、得られた100重量部の液体組成物をポリエチレン製瓶に180mlずつ充填し、密栓して液体台所用洗剤を調製した。
【0016】
本品は、アルキルメチルアラニンナトリウム、アルキルアミドプロピルベタイン及び脂肪酸ジエタノールアミド本来の洗浄力を実質的に損なうことなく、それらの界面活性剤による皮膚の脱脂、角質蛋白質の変性及び皮膚浸透性をそれぞれ抑制した液体台所用洗剤であって、一般家庭及び事業所において食品、食器、調理器具、食品製造装置、食品加工装置などの洗浄に常用しても、手荒れ、肌荒れなどの皮膚障害を起こし難い、優れた液体台所用洗剤である。
【0017】
【実施例2】
常法にしたがって、アルキル硫酸エステルトリエタノールアミン、アルキルエーテル硫酸ナトリウム、脂肪酸ジエタノールアミド及びポリオキシエチレンアルキルエーテルからなる界面活性剤組成物19重量部、食品級トレハロース粉末(商品名『トレハオース』、純度98%以上、林原商事販売)10重量部並びに適量のEDTAナトリウム塩、水、着香料及び着色料をそれぞれ配合し、得られた100重量部の液体組成物を120mlずつポリエチレン製瓶に充填し、密栓して液体台所用洗剤を調製した。
【0018】
本品は、アルキル硫酸トリエタノールアミン、アルキルエーテル硫酸ナトリウム、脂肪酸ジエタノールアミド及びポリオキシエチレンアルキルエーテル本来の洗浄力を実質的に損なうことなく、それらの界面活性剤による皮膚の脱脂、角質蛋白質の変性及び皮膚浸透性をそれぞれ抑制した液体台所用洗剤であり、一般家庭及び事業所において食品、食器、調理器具、食品製造装置、食品加工装置などの洗浄に常用しても、手荒れ、肌荒れなどの皮膚障害を起こし難い、優れた液体台所洗剤である。
【0019】
【実施例3】
界面活性剤としてアルキルメチルアラニンナトリウム、アルキル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン及び脂肪酸ジエタノールアミドを21%(w/w)含んでなる市販の液体台所用洗剤100重量部に対して、食品級トレハロース粉末(商品名『トレハオース』、純度98%以上、林原商事販売)を7重量部添加し、均一に溶解し、得られた液体組成物を160mlずつポリエチレン製瓶に充填し、密栓して液体台所用洗剤を調製した。
【0020】
本品は、アルキルメチルアラニンナトリウム、アルキル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン及び脂肪酸ジエタノールアミド本来の洗浄力を実質的に損なうことなく、それらの界面活性剤による皮膚の脱脂、角質蛋白質の変性及び皮膚浸透性をそれぞれ抑制した液体台所用洗剤であって、一般家庭及び事業所において食品、食器、調理器具、食品製造装置、食品加工装置などの洗浄に常用しても、手荒れ、肌荒れなどの皮膚障害を起こし難い、優れた台所用洗剤である。
【0021】
次に、この発明の作用効果につき、実験例に基づき説明する。
【0022】
【実験例1】
〈蛋白質変性の抑制〉
実施例1の方法に準じて、トレハロースの配合量が2%(w/w)又は5%(w/w)である2種類の液体台所用洗剤を調製した。両台所用洗剤を1.5mlずつとり、それぞれ別々に0.1M燐酸緩衝液(pH7.0)を用いて全量が1,000mlになるまで希釈して被検試料とした。
【0023】
次に、新鮮鶏卵から卵白を分離し、均一に撹拌し、金網(400メッシュ)を用いて濾過し、5mlずつ容器に分注した後、被検試料を5mlずつ加え、室温下で30秒間振盪した。その後、各混液を真空ポンプで脱気した後、分光光度計(商品名『U−2000型』、日製産業株式会社販売、光路長10mm)を用い、常法にしたがって、蛋白質変性による濁度の指標としての波長600nmにおける透過率を測定した(試験区)。併行して、被検試料として、トレハロースを省略した以外は実施例1におけると同様にして調製した液体台所用洗剤を用いる系(対照1)と、被検試料に代えて精製水を用いる系(対照2)をそれぞれ設け、これらを上記と同様に処置して対照とした。結果を表1に示す。なお、表1における「変性率」とは、対照2における透過率に対する、試験区及び対照1における透過率の低下率を百分率(%)で表示したものである。
【0024】
【表1】
Figure 0004106145
【0025】
表1の結果は、トレハロースを配合した台所用洗剤は、トレハロース無含有の台所用洗剤と比較して、卵白の変性が有意に少ないことを示している。卵白の変性は、トレハロースの配合量が上昇にしたがって低減し、このことは、トレハロースが、台所用洗剤に配合すると、界面活性剤による蛋白質変性を有意に抑制することを物語っている。
【0026】
【実験例2】
〈皮膚刺激及び皮膚浸透の抑制〉
血管拡張剤の1種であるノニル酸バニリルアミド(以下、「NVA」と略記する。)の1%エタノール溶液1mlを皮膚障害のない健常者の前腕内側部に塗布し、発赤の生じない健常者を選別して被験者とした。
【0027】
実施例1及び実施例2の方法に準じて調製したトレハロースの配合量が10%(w/w)である台所用洗剤を1.5mlずつとり、それぞれ別々に精製水を用いて全量が1,000mlになるまで希釈して被検試料(以下、「被検試料1」及び「被検試料2」と言う。)とした。別途、トレハロースを省略した以外は実施例1及び実施例2と同様にして調製した台所用洗剤を1.5mlずつとり、それぞれ別々に精製水を用いて全量が1,000mlになるまで希釈して対照(以下、「対照1」及び「対照2」と言う。)とした。
【0028】
NVAの1%エタノール溶液1mlを被験者の前腕内側部に広く塗布し、5分間乾燥させた後、被検試料1及び対照1をそれぞれ区分して塗布した。これと併行して、被験者のもう一方の腕の同一部位に、同様に、NVA溶液を塗布し、乾燥させた後、被検試料2及び対照2をそれぞれ区分して塗布した。その後、塗布してから100分間に亘って経過を注意深く観察し、所見を記録するとともに、赤発の認められた50分後に写真撮影をした。結果を表2に纏めた。
【0029】
【表2】
Figure 0004106145
【0030】
表2の結果は、トレハロースが、台所用洗剤に配合すると、NVAの存在下ですら、界面活性剤による皮膚刺激、紅斑及び疼痛の発生をそれぞれ有意に抑制することを示している。経過観察の所見及び写真記録によると、対照1及び対照2の場合、塗布してから50分前後で熱感と皮膚刺激が感じられるようになり、100分前後で、界面活性剤が皮膚浸透したことによる疼痛を伴う明瞭な紅斑(直径60mm前後)が観察された。対照2の場合、紅斑はさらに明瞭となり(直径80mm前後)、疼痛も一段と強く、長時間持続した。これに対して、被検試料1及び被検試料2の場合、NVAの作用により、対照におけると同様の熱感は感じられたものの、皮膚刺激は僅少であって、紅斑は被検試料2の場合でも最大直径30mm程度と、対照1及び対照2の場合より明らかに小さく、疼痛も微弱であった。
【0031】
これらの結果は、トレハロースが、台所用洗剤に配合すると、界面活性剤による皮膚刺激性と皮膚浸透性をそれぞれ効果的に抑制することを物語っている。
【0032】
【実験例3】
〈使用試験〉
家事に液体台所用洗剤を常用しているという女性にトレハロースを省略した以外は実施例2におけると同様にして調製した液体台所用洗剤を配布し、食品、食器及び調理器具の洗浄に1週間に亙って毎日繰返し使用させる予備試験を行った。
【0033】
この予備試験で手荒れ、肌荒れを起こした対象者20名を選別し、無作為に試験群と対象群に10名ずつグループ分けした後、試験群の対象者には実施例2の方法により調製した台所用洗剤を、また、対照群の対象者にはトレハロースを省略した以外は、実施例2におけると同様にして調製した台所用洗剤を配布した。試験は洗剤を配布した日から開始し、予備試験におけると同様にして5週間使用させた。使用開始から1週間目、3週間目及び5週間目に医師が対象者の手及び腕を診察するとともに、洗剤の使用に伴う皮膚刺激性、疼痛及び洗浄力について対象者を問診した。この診察及び問診の結果を総合的に判断し、「たいへん効果があった」、「やや効果があった」、「変わらなかった」及び「かえって悪くなった」の4段階評価し、全対象者に対する「たいへん効果があった」又は「やや効果があった」と判断される対象者の百分率(%)をもって奏効率とした。表3に示す。
【0034】
【表3】
Figure 0004106145
【0035】
表3の結果は、トレハロースは、台所用洗剤に配合すると、界面活性剤による手荒れ、肌荒れなどの皮膚障害が有意に改善されることを物語っている。この発明の台所用洗剤を用いた対象者が「手がいつもスベスベしている」とか「家事が苦痛にならなくなった」と回答したのに対して、対照の台所用洗剤を用いた対象者の多くが、「いままでのものと変わるところがない」と回答した。なお、ほとんどの対象者が、この発明の台所用洗剤と対照の台所用洗剤で、洗浄力に差がないと回答した。
【0036】
【発明の効果】
叙上のとおり、この発明は、トレハロースが、台所用洗剤に配合して、界面活性剤本来の洗浄力を維持しつつ、界面活性剤による皮膚障害を有意に低減するという独自の知見に基づくものである。したがって、トレハロースを配合したこの発明の台所用洗剤は、食品、食器、調理用具、食品加工装置、食品製造装置などの洗浄に常用して、例えば、手荒れ、肌あれなどの皮膚障害を起こし難いものであり、家庭用及び業務用の台所用洗浄剤として有用である。また、この発明にしたがって、トレハロース無含有の台所用洗剤にトレハロースを配合するときには、その台所用洗剤の品質を改善することができる実益がある。
【0037】
斯くも顕著な効果を奏するこの発明は、斯界に貢献すること誠に多大な、意義のある発明であるといえる。

Claims (2)

  1. 界面活性剤としてアルキルメチルアラニンナトリウム及び/又はアルキル−L−グルタミン酸トリエタノールアミンを配合するとともに、トレハロースを0.5乃至10%(w/w)配合することを特徴とする、界面活性剤本来の洗浄力を実質的に損なうことなく界面活性剤による皮膚障害を低減させた台所用洗剤。
  2. 更に、脂肪酸系界面活性剤、スルホン酸系界面活性剤及び/又は硫酸系界面活性剤を配合することを特徴とする請求項に記載の界面活性剤本来の洗浄力を実質的に損なうことなく界面活性剤による皮膚障害を低減させた台所用洗剤。
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