JP4105966B2 - 演算型連続周波数可変発振回路 - Google Patents
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Description
【産業の属する技術分野】
本発明は、信号発生部における基準信号をリアルタイムに連続的に周波数を可変させる半導体検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術による可変周波数発振回路としては例えば、第4図、第5図あるいは第6図に示すようなものがある。第4図の可変周波数発振回路は原発振器としての水晶発振器40、可変分周比設定器41及び分周カウンタ42よりなり、分周カウンタ42により水晶発振器40より出力される一定周波数を可変分周比設定器41に可変設定される分周比で分周して所望の出力周波数を得るようになっている。
【0003】
第5図の可変周波数発振回路は電圧可変設定部50及び電圧制御発振器(VCO)51よりなり、電圧可変設定部50によりVCO51の制御電圧を可変設定して所望の出力周波数を得るものである。
【0004】
また、第6図の可変周波数発振器は水晶発振器60、分周器61、位相比較器62、ローパスフィルタ(LPF)63、VCO64、分周カウンタ65及び可変分周比設定器66等からなる所謂PLL(フェーズロックドループ)型のもので、水晶発振器60の源発周波数を分周器61で分周して得た基準周波数fγの信号と、出力周波数f0を可変分周比設定器66により可変設定される分周比Nで分周する分周カウンタ65の出力周波数f0/Nの信号との位相差に応じた直流制御電圧を位相比較器62及びLPF63で得、その制御電圧によってVCO64よりf0=N・fγなる出力周波数を得るようになっている。
【0005】
他方、例えば、第7図に示すようなリング発振型可変周波数発振回路が開示されている。この回路は2個(任意の偶数個)のNOT回路71、72よりなる第1の相反転回路群73と、これに直列に接続され2個(任意の偶数個)のNOT回路74、75が直列接続されてなる第2の位相反転回路群73と、上記第1の位相反転回路群と閉ループを成すように接続され、所定の制御信号(例えば“1”信号)の入力により上記第1の位相反転回路群と共にリング発振器を構成する位相反転機能を有する第1のゲート回路(NAND回路76)と、上記第1、第2の位相反転回路群の直列回路と閉ループを成すように接続され、所定の制御信号(例えば“0”信号)でこれらの位相反転回路群と共にリング発振器を構成する第2ゲート回路(NAND回路77)とを設け、制御信号入力Iを“0”または“1”の間で切り換えることによりリング発振器を構成する位相反転回路(NOT回路)の数(図示例では3個または5個)を切り換え、これによって出力信号Oの周波数を切り換えるようにしたものである(特許文献1)。
【0006】
また、例えば、第8図に示すような可変周波数発振回路が開示されている。この回路は遅延回路群と制御部とからなり、前記遅延回路群は入力端子と出力端子とを有し、その入力端子に入力されたパルス信号を出力端子へ通過させる際、通過するパルス信号を制御部によって設定された遅延時間だけ遅延する複数の遅延回路とその遅延回路の各出力端子と接続され、その接続された複数の遅延回路の出力を論理和出力し、その論理和出力が前記遅延回路の各入力端子と接続された出力OR回路とで構成され、一方、制御部は、上記各遅延回路のパルス通過動作を所定の順序で順次切替えて許容し、その切替えを繰り返すと共に、1つの遅延回路の動作中は、他の遅延回路の動作を禁止し、かつ、その動作を禁止した遅延回路に次回の遅延時間を設定する構成を採用したものである(特許文献2)。
【特許文献1】
特公昭53−13941号公報
【特許文献2】
特公平6−103833号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術による可変周波数発振器にあって、第4図の場合は、分周カウンタを使用するため、周波数を変化させる際のパルスのつながりは良いが、周波数を分周比の設定ステップ単位に応じて間隔的にしか変化させることができず、この間隔を小さくすると周波数の可変範囲が狭くなり、可変範囲を広くすると周波数間隔が粗くなるという問題があった。
【0008】
また、第5図の場合は、周波数を無段階で変化させることができるものの、電圧可変設定部50の可変抵抗器等でVCO51の制御電圧を変化させるため、これによって周波数を例えばf→f’ヘ変化させる際に出力パルスの周波数がf→f’ヘ直接切り替らず、fからf’での途中の周波数が出力されるため、パルスの周期が連続的に切り替わらずパルスのつながりが悪いという欠点がある。
【0009】
また、第6図のPLL型発振器の場合は、上記第5図のVCO51の動作をより安定させたような発振回路であるが、やはり分周カウンタを使用するため上記第4図の発振器同様の欠点がある他、周波数を変化させる際出力パルスの周期が連続的に切り替わらずパルスのつながりが悪く、このような欠点を解消するための特別な回路手段を必要とし、そのため、回路が複雑かつ高価になるという問題があった。
【0010】
また、第7図に示すような従来技術によるリング発振型可変周波数発振回路の場合は、リングを構成する位相反転回路の数及び各位相反転回路の遅延時間によって発振周波数が固定的に決定されてしまうため、得られる周波数の数が極めて限定される上、周波数を連続的に切り換えることが不可能であるという問題がある。
【0011】
これに対し、第8図に示すような可変周波数発振回路の場合は、原理的には連続的にしかも円滑に発振周波数を変化させることが可能であるが、自己発振型遅延回路であるため、出力周波数の精度が低いという問題、遅延時間の調整が困難であるという問題がある。
また、動作周波数を上げるためには、回路構成(プリント基板、部品)の変更が必要であるという問題がある。
【0012】
そこで、この発明の課題は、周波数を広範囲にわたって連続的にしかも円滑に変化させ、かつ、遅延時間の調整を簡易に行うことが可能な可変周波数発振回路を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、第1の発明では、一定周期のクロックによりパルス信号を発生するクロック発振回路1と、クロック発振回路1が出力したパルス信号を主制御回路3、AND回路4、5に分配するクロック分配回路2と、入力されたパルス信号の内、主制御回路3からの制御信号に従って特定のパルスのみを遅延回路6、7に出力する複数のAND回路4、5と、入力されたパルス信号を主制御回路3によって設定された遅延時間D(n)だけ遅延してOR回路8に出力する複数の遅延回路6、7と、入力されたパルス信号を論理和出力するOR回路8と、クロック発振回路1から入力されたパルス信号と予め設定された周波数情報とから演算した制御情報を記憶する演算用メモリを有する主制御回路3と、を備え、前記主制御回路3は、前記AND回路4、5のパルス通過動作を所定の順序で切り替えて許容し、その切り替えを繰り返すと共に、1つのAND回路4、5の動作中は、他のAND回路4、5の動作を禁止し、かつ、主制御回路3の有する演算用メモリの制御情報に基づきその動作を禁止したAND回路に接続された遅延回路6、7に次回の遅延時間D(n+1)を設定する構成を採用したのである。
【0014】
また、その際、第2の発明では、前記クロック分配回路2から入力されたパルス信号の内、主制御回路3からの制御信号に従って特定のパルスのみを基準計測器10に出力する基準信号用AND回路9と、上記各遅延回路6、7、及び基準信号用AND回路9の出力パルスを測定する基準計測器10と、その測定結果に基づいて遅延補正値を演算するCPU11と、を設け、前記主制御回路3は、遅延補正値記憶用のメモリを有し、該メモリにCPU11が演算した遅延補正値を書き込む構成を採用したのである。
【0015】
また、その際、第3の発明では、前記主制御回路3は、FPGA(FieldProgrammable Gate Array)である構成を採用としたのである。
【0016】
【作用】
このように構成される第1の発明では、市販の精度の良いクロックを基準ベースクロックとして使用することにより、自己発振型の回路と比べ、誤差の少ないパルス信号を出力することができる。また、従来のリング発振型可変周波数回路においてはそれぞれの遅延回路の誤差が他の遅延回路の発振精度に影響するため、回路設計、遅延時間の調整が困難であるという問題があったが、各遅延回路を切り替えて動作させることにより他の遅延回路の発振精度に影響されるという問題も解決される。
【0017】
また、このように構成される第2の発明では、市販の精度の良いクロックを基準に遅延量を算出することにより、自己発振型の補正回路における出力周波数の精度が低いという問題、遅延時間の調整が困難であるという問題が解決される。
【0018】
また、このように構成される第3の発明では、主制御回路3をFPGAにすることにより、同等機能の回路と比べプリント基板上面積、使用部品を削減することが可能となる。
更にまた、主制御回路3をFPGAとしない回路構成においては、動作周波数を上げるために回路構成(プリント基板、部品)の変更が必要であるが、本発明では基準となるクロック発振回路1の周波数、FPGA内回路の変更のみで対応が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1を用いて説明する。
クロック1は、一定周波数のパルス信号を発振する回路であり、精度の良いものであればその発振方式を問わない。クロック1の出力端子はクロック分配回路2に接続されている。
クロック分配回路2はクロック発振回路1から入力されたパルス信号を主制御回路3、AND回路4、5、及び基準信号用AND回路9へ分配する。
AND回路4、5は入力端子と出力端子を備え、その入力端子に入力されたパルス信号を出力端子へ通過させる際に、主制御回路3からの制御信号に従って、特定のパルスのみを出力端子に接続された遅延回路6、7に出力する。
なお、AND回路4、5は遅延回路6、7に渡すクロック信号をマスクすることを目的として配置されたものであり、同様の目的を達することができるものであれば必ずしもAND回路である必要はない。例えば、AND回路の代わりにセレクタ回路を用いたとしても本発明は成立する。
遅延回路6、7は入力端子と出力端子を備え、その入力端子に入力されたパルス信号を出力端子へ通過させる際に、主制御回路3によって設定された遅延時間D(n)だけ遅延する遅延回路である。遅延回路6、7の出力端子はOR回路8と接続されており、その出力はOR回路8を通して論理和出力される。
この際、主制御回路3は、AND回路4、5のパルス通過動作を所定の順序で切り替えて許容し、その切り替えを繰り返すと共に、1つのAND回路4、5の動作中は、他のAND回路4、5の動作を禁止し、かつ、主制御回路3の有する演算用メモリの制御情報に基づきその動作を禁止したAND回路に接続された遅延回路6、7に次回の遅延時間D(n+1)を設定する。
【0020】
この様子を説明したのが図2である。AND回路4は、入力されたベースクロック▲1▼の内、主制御回路3からの制御信号▲2▼に従って、遅延回路6にパルス信号▲3▼を出力する。遅延回路6は、主制御回路3によって設定された遅延時間D1(n-1)だけ入力されたパルス信号を遅延させて出力する。
次に、AND回路5は、入力されたベースクロック▲1▼の内、主制御回路3からの制御信号▲5▼に従って、遅延回路7にパルス信号▲6▼を出力する。遅延回路7は、主制御回路3によって設定された遅延時間D2(n-1)だけ入力されたパルス信号を遅延させて出力する。遅延回路6、7から出力されたパルス信号は、OR回路8の論理和出力により行うことでパルス出力がとぎれることなく希望の周波数▲8▼を得ることができる。
【0021】
なお、主制御回路3においては、初回の待ち時間W1(n-1)及び遅延時間D1(n-1)は本発明使用前の調整により設定されるが、2回目以降の待ち時間W1(n)及び遅延時間D1(n)については、一つ前の遅延時間D1(n-1)と、周波数データT(n)と、ベースクロックの周波数との演算により算出される。かかる演算は主制御回路3で行われ、具体的には、次の演算方法によりこれらの値を算出する。
W(n)=(D(n-1)+T(n))÷ベースクロックの周波数…商のみ有効
D(n)=(D(n-1)+T(n))÷ベースクロックの周波数…余りのみ有効
【0022】
また、遅延回路6、7から出力される周波数の遅延を双方とも等しくするための補正を行うために、OR回路8からの出力、及び基準信号用AND回路9からの出力を基準計測器10に接続する。
基準計測器10は、遅延回路6、7、及び基準信号用AND回路9の出力周波数を測定する。CPU11は、基準計測機器10の測定結果を基に、各遅延回路における遅延時間D(n)毎の補正値を算出し、それに応じて主制御回路3内のメモリに遅延時間D(n)毎の補正値データを保管する。この際CPU11は、基準信号用AND回路9からの信号を基準に遅延回路6、7の遅延量を算出し、遅延回路6、7の遅延量が等しくなるように補正を行う。
【0023】
遅延回路6、7における遅延量算出の様子を説明したのが図3である。基準信号用AND回路9は、入力されたベースクロックaの内、主制御回路3からの制御信号bに従って、基準計測器10にパルス信号cを出力する。次に、AND回路4は、入力されたベースクロックaの内、主制御回路3からの制御信号dに従って、遅延回路6にパルス信号eを出力する。遅延回路6は、主制御回路3によって設定された遅延時間だけ入力されたパルス信号を遅延させ、パルス信号fを出力する。基準信号用AND回路9の出力信号c1と遅延回路6の出力パルス信号fの差jが遅延回路6の遅延量である。一方、AND回路5は、入力されたベースクロックaの内、主制御回路3からの制御信号gに従って、遅延回路6にパルス信号hを出力する。遅延回路7は、主制御回路3によって設定された遅延時間だけ入力されたパルス信号を遅延させ、パルス信号iを出力する。基準信号用AND回路9の出力信号c2と遅延回路7の出力パルス信号iの差kが遅延回路7の遅延量である。
【0024】
なお、本発明で欲する周波数の発振を行うためには、予め周波数データの設定を行うことが必要である。まず最初に、CPU11は、連続周波数可変が可能となるように、周波数データT(n)を主制御回路3内のメモリに設定する。次に、CPU11は、主制御回路3に対し発振開始命令を送出する。これを受け、主制御回路3は、発振動作を開始し、入力端子から入力されたクロックの計数、クロックの遅延時間を演算し、演算結果を基にAND回路4、5の制御情報W(n)を主制御回路3内のメモリに設定し、遅延回路6、7に遅延時間D(n-1)を設定する。これにより欲する周波数を出力することが可能となる。
【0025】
【実施例】
本発明の詳細を実施例で説明する。本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0026】
実施例
図1に示される本発明の連続可変周波数発振器を詳細に説明する。
<構成>
1:クロック発振回路、2:クロック分配回路、3:主制御回路、4,5:AND回路、6,7:遅延回路、8:OR回路、9:基準信号用AND回路、10:基準計測器、11:CPUで構成される。4,6を「遅延回路群1」、5,7を「遅延回路群2」とする。なお、遅延回路群1、2にてその回路構成、使用デバイス、信号経路長は等しいものとする。
クロック発振回路1から発振される一定周期のクロック(ベースクロック)をクロック分配回路2にて分配し、遅延回路群1、2、主制御回路3、基準信号用AND回路9に供給する。主制御回路3は、出力するパルスの周期をクロック分配回路2から供給されるクロック(ベースクロック)を基準に算出し、そのデータを遅延回路群1,2に供給する。遅延回路群1,2からの出力パルスは、OR回路8を経由して外部に出力される。これにより、OR回路8の出力が期待した周波数の信号となる。遅延回路群1,2は、同じ回路構成、使用デバイスで信号経路長は等しいので主制御回路3から同じデータを入力した際、理論上同じ遅延をもった信号が出力される。しかし、使用デバイスの特性、温度環境の差異などの要因で各遅延回路群の遅延時間に誤差が発生するため、ベースクロックを基準に各遅延回路群の遅延時間を等しくするための補正を行う。補正の基準となるベースクロックは、基準信号用AND回路9から出力され、基準計測器10に入力される。また、OR回路8からの出力を基準計測器10に入力し、そこで基準となるベースクロックと、遅延回路群からの出力の遅延時間の差を測定する。測定したデータはCPU11にて読み出し、補正値を主制御回路3に設定する。
なお、本実施例においては、主制御回路3をFPGAにすることにより、同等機能の回路と比べプリント基板上面積、使用部品を1/2以下とすることが可能となった。
【0027】
<動作>
動作は「連続周波数可変動作」と「補正動作」の2つがある。
▲1▼連続周波数可変動作
本実施例1で欲する遅延タイミングを48nS→32nS→56nSとした場合を以下に説明する。
本実施例で欲する周波数の発信を行うためには、予め周波数データの設定を行うことが必要である。まず、最初に、CPU11は、周波数データを主制御回路3に48nS、32nS、56nSの周波数データを設定する。次に、CPU11は、主制御回路3に対し発振開始命令を送出する。該命令を受け取った主制御回路3は、発振動作を開始する。主制御回路3にクロック発振回路1から入力されたパルス信号が、遅延回路群1、2等を経て、OR回路8に出力されるまでの様子を説明したのが図9である。
【0028】
まず、主制御回路3は、AND回路4に対し制御信号102を送出する。AND回路4は、制御信号102aとベースクロック101aの論理積である出力103aを遅延回路6へ出力する。遅延回路6は、AND回路4から入力されたパルス信号103aから遅延回路6の持つ固定遅延時間(Tpd)と遅延時間D(0)の加算値分だけ遅れたパルス信号105aを出力する。ここでは、制御信号104によって、遅延回路6に遅延時間D(0)=0nSが設定されていることから、実際には遅延回路6の持つ固定遅延時間(Tpd)分だけ遅れて出力されることとなる。
【0029】
次に、主制御回路3は、上記でAND回路4に対し制御信号102aを送出した後、パルス信号110aから48nS遅らせた波形を出力するために制御信号出力タイミング(待ち時間)、遅延時間を演算する。発振開始直後の遅延時間は
D(n−1)=D(0)=0nSであり、
欲する遅延タイミングT(1)=48nSであるから、
待ち時間W(1)、遅延時間D(1)は、
W(1)=(0nS+48nS)÷15nS=3クロック(商)
D(1)=(0nS+48nS)÷15nS=3nS(余り)
となる。
主制御回路3は、W(1)=3クロックであることから、AND回路5に対しパルス信号101aから3クロック遅れたタイミングでAND回路5に対し制御信号106bを送出する。AND回路5は、制御信号106bとベースクロック101bの論理積である出力107bを遅延回路7へ出力する。主制御回路3は、遅延時間D(1)が3nSであることから、制御信号108を送出し、遅延回路7へ遅延時間3nSを設定する。遅延回路7は、AND回路5から入力されたパルス信号107bから遅延回路7の持つ固定遅延時間(Tpd)と遅延時間D(1)の加算分だけ遅れたパルス信号109bを出力する。
【0030】
次に、主制御回路3は、上記でAND回路5に対し制御信号106bを送出した後、パルス信号110bから32nS遅らせた波形を出力するために待ち時間、遅延時間を演算する。一つ前の遅延時間は
D(n−1)=D(1)=3nSであり、
欲する遅延タイミングT(2)=32nSであるから、
待ち時間W(2)、遅延時間D(2)は、
W(2)=(3nS+32nS)÷15nS=2クロック(商)
D(2)=(3nS+32nS)÷15nS=5nS(余り)
となる。
主制御回路3は、W(2)=2クロックであることから、AND回路4に対しパルス信号101bから2クロック遅れたタイミングでAND回路4に対し制御信号102cを送出する。AND回路4は、制御信号102cとベースクロック101cの論理積である出力103cを遅延回路6へ出力する。主制御回路3は、遅延時間D(2)が5nSであることから、制御信号104を送出し、遅延回路6へ遅延時間5nSを設定する。遅延回路6は、AND回路4から入力されたパルス信号103cから遅延回路6の持つ固定遅延時間(Tpd)と遅延時間D(2)の加算分だけ遅れたパルス信号105cを出力する。
【0031】
次に、主制御回路3は、上記でAND回路5に対し制御信号102cを送出した後、パルス信号110cから56nS遅らせた波形を出力するために待ち時間、遅延時間を演算する。一つ前の遅延時間は
D(n−1)=D(2)=5nSであり、
欲する遅延タイミングT(3)=56nSであるから、
待ち時間W(3)、遅延時間D(3)は、
W(3)=(5nS+56nS)÷15nS=4クロック(商)
D(3)=(5nS+56nS)÷15nS=1nS(余り)
となる。
主制御回路3は、W(3)=4クロックであることから、AND回路5に対しパルス信号101cから4クロック遅れたタイミングでAND回路5に対し制御信号106dを送出する。AND回路5は、制御信号106dとベースクロック101dの論理積である出力107dを遅延回路7へ出力する。主制御回路3は、遅延時間D(3)が1nSであることから、制御信号108を送出し、遅延回路7へ遅延時間1nSを設定する。遅延回路7は、AND回路5から入力されたパルス信号107dから遅延回路7の持つ固定遅延時間(Tpd)と遅延時間D(3)の加算分だけ遅れたパルス信号109dを出力する。
以上より、OR回路8から出力される波形は110a、110b、110c、110dとなり、本実施例1で欲する遅延タイミングを48nS→32nS→56nSとした出力を得ることができた。
【0032】
▲2▼補正動作
連続周波数可変動作の前に遅延回路群1、2の遅延量の誤差の補正が必要となる。補正は、まず基準信号用AND回路9から出力される基準信号と、遅延回路群1,2に同じ遅延データD(n)を設定した際にOR回路8から出力されるパルス信号の遅延時間の差を基準計測器10で測定し、CPU11で読み出し、CPU11は、遅延回路群1,2の基準信号に対する時間差が等しくなるよう遅延時間D(n)毎の遅延データを演算する。CPU11は、その演算した遅延データと、最初に設定した遅延データの差を補正値として、主制御回路3の補正値記憶用メモリに設定する。連続周波数可変動作時には、主制御回路3内の補正値記憶用メモリに設定された補正値に基づいて遅延回路群1、2から出力されるパルス信号は補正される。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、上記のように周波数を広範囲にわたって連続的にしかも円滑に変化させ、かつ、遅延時間の調整を簡易に行うことが可能な可変周波数発振回路を提供することができる。
更に詳細には、本発明では、市販の精度の良いクロックを基準ベースクロックとして用いることにより、自己発振型の回路と比べ、それぞれの遅延回路における誤差が少なくなり、回路の設計、調整が容易となる。
また、クロック分配回路2、AND回路4、5及び遅延回路6、7の制御を主制御回路3内に設けられたメモリ内の制御情報に基づいて行うことにより、ディジタル回路で制御を行う場合と比べ実行時間を短縮することが可能となり、かつ、計算遅延による周期への影響も回避することができる。
また、主制御回路3をFPGAにすることにより、同等機能の回路と比べプリント基板上面積、使用部品を削減することが可能となる。
更にまた、主制御回路3をFPGAとしない回路構成においては、動作周波数を上げるために回路構成(プリント基板、部品)の変更が必要であるが、本発明では基準となるクロック発振回路1の周波数、FPGA内回路の変更のみで対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続可変周波数回路概念図
【図2】連続可変周波数発振のイメージ図
【図3】遅延回路6、7における遅延量算出のイメージ図
【図4】従来の周波数可変型発振回路1
【図5】従来の周波数可変型発振回路2
【図6】従来の周波数可変型発振回路3
【図7】従来の周波数可変型発振回路4
【図8】従来の周波数可変型発振回路5
【図9】実施例1における連続可変周波数発振のイメージ図
【符号の説明】
1 クロック発振回路
2 クロック分配回路
3 主制御回路
4、5 AND回路
6、7 遅延回路
8 OR回路
9 基準信号用AND回路
10 基準計測機器
11 CPU
Claims (3)
- 一定周期のクロックによりパルス信号を発生するクロック発振回路1と、
クロック発振回路1が出力したパルス信号を主制御回路3、AND回路4、5に分配するクロック分配回路2と、
入力されたパルス信号の内、主制御回路3からの制御信号に従って特定のパルスのみを遅延回路6、7に出力する複数のAND回路4、5と、
入力されたパルス信号を主制御回路3によって設定された遅延時間D(n)だけ遅延してOR回路8に出力する複数の遅延回路6、7と、
入力されたパルス信号を論理和出力するOR回路8と、
クロック発振回路1から入力されたパルス信号と予め設定された周波数情報とから演算した制御情報を記憶する演算用メモリを有する主制御回路3と、
を備え、
前記主制御回路3は、前記AND回路4、5のパルス通過動作を所定の順序で切り替えて許容し、その切り替えを繰り返すと共に、1つのAND回路4、5の動作中は、他のAND回路4、5の動作を禁止し、かつ、主制御回路3の有する演算用メモリの制御情報に基づきその動作を禁止したAND回路に接続された遅延回路6、7に次回の遅延時間D(n+1)を設定することを特徴とする連続可変周波数発振回路。 - 前記クロック分配回路2から入力されたパルス信号の内、主制御回路3からの制御信号に従って特定のパルスのみを基準計測器10に出力する基準信号用AND回路9と、
上記各遅延回路6、7、及び基準信号用AND回路9の出力パルスを測定する基準計測器10と、
その測定結果に基づいて遅延補正値を演算するCPU11と、
を設け、
前記主制御回路3は、遅延補正値記憶用のメモリを有し、該メモリにCPU11が演算した遅延補正値を書き込むことを特徴とする請求項1に記載の連続可変周波数発振回路。 - 前記主制御回路3は、FPGAであることを特徴とする請求項1又は2に記載の連続可変周波数発振回路。
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---|---|---|---|
JP2003072223A JP4105966B2 (ja) | 2003-03-17 | 2003-03-17 | 演算型連続周波数可変発振回路 |
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