JP4105862B2 - 潤滑油組成物及びそれを用いた軸受 - Google Patents

潤滑油組成物及びそれを用いた軸受 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、潤滑油組成物及びそれを用いた軸受に関する。さらに詳しくは、本発明は、低粘度で、かつ低蒸発性である上、加水分解されにくい脂肪酸エステル系基油を用いてなる、高速スピンドルモーターにおける軸受の寿命特性の向上や消費電力の低減などを図ることのできる潤滑油組成物、及びそれを用いた高速スピンドルモーターの軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
情報関連分野機器〔特にCD,DVD,HDD,レーザープリンタ(ポリゴンミラー)など〕に使用されるスピンドルモーターは、年々高速化(1万〜5万回転)している。このような高速化に対し、スピンドルモーターの軸受には、流体軸受、含油軸受などが使用され、そして軸受寿命や消費電力、さらには回転精度の向上を図るべく、構造や機構など、様々な面から対応がとられている。
一方、これらの軸受に使用される油剤は、消費電力の面から高速回転時の動力損失を極力少なくするために、極低粘度油剤が求められる。しかしながら、パラフィン系鉱油、ポリα−オレフィンなどで代表される、低極性の低粘度基油を使用した場合、モーターの運転温度又はそれ以上の高温雰囲気において、基油の蒸発損失が大きく、その結果、軸受自体の寿命特性に大きな影響を与える。
そこで、これらの情報関連分野で使用される高速スピンドルモーターの軸受用潤滑油の基油としては、できるかぎり低粘度で、かつ蒸発損失の少ないものが求められている。
ところで、前記高速スピンドルモーターに使用される代表的なすべり軸受、すなわち流体軸受及び焼結含油軸受は、高速回転時には、比較的流体潤滑に近い状態で潤滑し、軸/軸受間の接触は避けられる状態にあるが、始動時又は停止時においては、油膜の発生が充分ではなく、軸/軸受間の接触が避けられない状態にある。このような状態においても充分な低摩擦係数を維持するため、油性兼極圧剤として働くリン酸エステルなどの摩擦調整剤の添加が有効である。
したがって、使用される基油については、低粘度及び低蒸発性に加えて、添加される摩擦調整剤に対して、分解、重合などを起こしにくい安定な基油が求められることになる。
【0003】
このような高速スピンドルモーターの軸受には、従来、転がり軸受や流体軸受が主に検討されており、軸受油には低粘度基油をそのまま塗布又は封入して使用されることが多かった(特開2000−179552号公報)。また、低蒸発性の油剤を用いた技術(特開2000−156953号公報、特開2000−63860号公報)も開示されているが、転がりや流体軸受で使用することを前提としているため、動圧や油膜を維持するための使用粘度については特に規定していなかった。
さらに、最近の情報関連分野に使用されるスピンドルモーターの流体軸受には、軸受の回転精度を向上させるために、ヘリングボーン溝などの動圧発生機構が設けられており、始動時及び停止時における金属接触による摩擦損失や摩耗が懸念されている。
また、情報関連分野で使用されるスピンドルモーターの軸受には最近の低コスト化を反映して、低コストで大量生産が可能な焼結含油軸受が採用されつつある。しかしながら、流体軸受とこの焼結含油軸受の双方の要求特性を充分に満たす潤滑油は、これまで見出されていないのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、特に高速スピンドルモーターにおける流体軸受及び焼結含油軸受の双方に対して用いられ、それらの軸受の寿命特性を向上させ、かつ消費電力を低減させ得る潤滑油組成物、軸受用潤滑油組成物及びこの潤滑油組成物を用いた上記軸受を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために、まず下記の事柄について着目した。
軸受の寿命特性及び消費電力を考慮した場合、使用する基油は、できるかぎり低粘度であり、かつ低蒸発性のものが望まれ、これには低粘度の極性油剤(例えばエステルなど)が有効である。また、始動時や停止時における摩擦損失や摩耗の対策については、常に金属接触状態にある焼結含油軸受油に用いられているリン酸エステル類が油性、極圧性、耐摩耗性の面から優れた効果を発揮することが知られている。しかしながら、リン酸エステル類などの酸性物質を、基油にそのまま添加した場合、リン酸エステル類自体が加速因子となって、エステル基油が加水分解や変質が起こりやすくなるため、エステル基油自体が加水分解しにくい構造であることが求められる。さらに、エステル基油が仮に加水分解した場合、分解生成した脂肪酸が、使用される軸受に対し、金属の溶出や外観の変色など、悪影響を及ぼさないことが要求される。これらの特性をバランス良く満足し得る基油が、流体軸受及び焼結軸受の双方に適用できる潤滑油組成物を与えることができる。
【0006】
本発明者らは、このような事柄に着目し、さらに研究を重ねた結果、特定の構造と粘度範囲を有する脂肪酸エステルを主体とする基油を含む潤滑油組成物、特に該基油と、特定の摩擦調整剤を含む潤滑油組成物が、その目的に適合し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。すなわち、本発明は、基油として、一般式(I)
1 −COO−(AO)n −R2 ・・・(I)
(式中、R1 は炭素数12〜24の飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基、R2は炭素数1〜のアルキル基、Aは炭素数1〜8のアルキレン基、nは平均値で1〜4の数を示す。)
で表され、かつ温度40℃における動粘度が1〜10mm2 /sの範囲にあり、引火点が200℃以上である脂肪酸エステルを主体とするものを含むことを特徴とするスピンドルモーターの軸受用潤滑油組成物、特に好ましくは、(A)上記基油と、(B)(イ)リン酸エステル類又はそのアミン塩、(ロ)硫黄系極圧剤及び(ハ)脂肪酸又はその金属塩の中から選ばれる少なくとも一種を含むスピンドルモーターの軸受用潤滑油組成物を提供するものである。また、前記スピンドルモーターの軸受用潤滑油組成物を用いたことを特徴とするスピンドルモーターの軸受をも提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の潤滑油組成物における基油としては、一般式(I)
1 −COO−(AO)n −R2 ・・・(I)
で表される脂肪酸エステルを主成分とするものが用いられる。
前記一般式(I)において、R1 は炭素数12〜24の飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基を示し、このようなものとしては、炭素数12〜24のアルキル基及びアルケニル基が挙げられる。このアルキル基及びアルケニル基は直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよく、例えばドデシル基、テトラデジル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデニル基、イコセニル基などが挙げられる。このR1 は炭素数が12未満では、該脂肪酸エステルが加水分解した場合、分解生成した脂肪酸が軸受に悪影響(特に外観上の変色)を与える。一方、炭素数が24を超えるものは、入手が困難であると共に、動粘度が上記の範囲より高くなりやすい。
【0008】
2は炭素数1〜のアルキル基を示し、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基などが挙げられる。なお、アルキル基の炭素数があまり大きいと粘度が高くなりすぎて好ましくない。Aは炭素数1〜8のアルキレン基を示し、直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよく、その例としては、メチレン基、エチレン基、各種プロピレン基、各種ブチレン基、各種ヘキシレン基、各種オクチレン基などが挙げられる。nは平均値で1〜4の数を示す。
本発明においては、この脂肪酸エステルは、40℃における動粘度が1〜10mm2/sの範囲にあることが必要である。この動粘度が1mm2/s未満では粘度が低すぎて、充分な潤滑性能が発揮されず、また10mm2/sを超えると高速スピンドルモーターの軸受用としては不適当で、消費電力が増大する
【0009】
また、基油としては、低蒸発性を有し、かつ加水分解しにくいものであることが肝要である。例えば80℃における薄膜残油率が、温度40℃における動粘度が17mm2/sのポリα−オレフィンと同等の性能を有することが好ましく、引火点が200℃以上のものが必要である。このような基油の要求特性を満たすには、前記脂肪酸エステルは、Aがエチレン基で、かつnが1又は2のものが好ましく、特にオレイン酸2−ブトキシエチルが好適である。このものは、公知の方法、例えばオレイン酸とエチレングリコールとをエステル化反応させて、オレイン酸2−ヒドロキシエチルを得たのち、ヒドロキシル基をブチルエーテル化することにより、製造することができる。本発明における基油は、前記の脂肪酸エステルを主体とするものである。ここで、脂肪酸エステルを主体とするとは、該脂肪酸エステルが50重量%以上を含む基油であることがより好ましいことを意味する。
【0010】
すなわち、基油としては、該脂肪酸エステル単独からなるものを用いることができ、また、基油が前記性状を有するものであれば、前記脂肪酸エステル50重量%以上を含む、該脂肪酸エステルと他の基油との混合物、好ましくは温度40℃における動粘度が10mm2 /s以上のポリα−オレフィンとの混合物も用いいることができる。
本発明の潤滑油組成物は、(A)前述の基油と、(B)(イ)リン酸エステル類又はそのアミン塩、(ロ)硫黄系極圧剤及び(ハ)脂肪酸又はその金属塩の中から選ばれる少なくとも一種の摩擦調整剤を含むものが好ましい。
前記(B)成分である摩擦調整剤のうちの(イ)成分のリン酸エステル類又はそのアミン塩におけるリン酸エステル類としては、例えば一般式(II)
【0011】
【化1】
Figure 0004105862
【0012】
(式中、R3 、R4 及びR5 は、それぞれ水素原子又は炭素数4〜30の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよいが、その中の少なくとも一つは炭素数4〜30の炭化水素基である。)
で表されるリン酸エステル、あるいは一般式(III)
【0013】
【化2】
Figure 0004105862
【0014】
(式中、R6 、R7 及びR8 は、それぞれ水素原子又は炭素数4〜30の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよいが、その中の少なくとも一つは炭素数4〜30の炭化水素基である。)
で表される亜リン酸エステルをあげることができる。
前記一般式(II)及び(III)において、R3 〜R8 のうちの炭素数4〜30の炭化水素基としては、炭素数4〜30の直鎖状、枝分かれ状若しくは環状のアルキル基又はアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアリールアルキル基などを挙げることができる。このようなものの具体例としては、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基、イコシル基、フェニル基、キシリル基、ベンジル基、フェネチル基など及びこれらの異性体が挙げられる。
【0015】
前記一般式(II)で表されるリン酸エステルの例としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ベンジルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、エチルフェニルジフェニルホスフェート、ジエチルフェニルフェニルホスフェート、プロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリエチルフェニルホスフェート、トリプロピルフェニルホスフェート、ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ジブチルフェニルフェニルホスフェート、トリブチルフェニルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリデシルホスフェート、トリラウリルホスフェート、トリミリスチルホスフェート、トリパルミチルホスフェート、トリステアリルホスフェート、トリオレイルホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、ブチルアッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、イソデシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、トリデシルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、イソステアリルアシッドホスフェートなどを挙げることができる。これらの中でトリクレジルホスフェート及びオレイルアシッドホスフェートが、耐摩耗性、低摩擦係数、耐スラッジ析出性などの点から、好ましい。
【0016】
一方、前記一般式(III)で表される亜リン酸エステルの例としては、トリブチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリオレイルホスファイト、ジフェニルハイドロゲンホスファイト又は一般式(a)
(Ra O)2POH ・・・(a)
(式中、Ra は炭素数12〜30のアルキル基又は炭素数12〜30アルケニル基を示す。)で表されるジヒドロキシカルビルハイドロゲンホスファイトなどを挙げることができる。一般式(a)において、Ra のアルキル基又はアルケニル基の炭素数12〜30であると、安定性がよく、スラッジを発生しにくく、潤滑性が良好であり、炭素数14〜22であると好ましい。
一般式(a)で表されるジヒドロキシカルビルハイドロゲンホスファイトとしては、ジブチルハイドロゲンホスファイト、ジラウリルハイドロゲンホスファイト、ジオレイルハイドロゲンホスファイト、ジステアリルハイドロゲンホスファイト、ジパルミチルハイドロゲンホスファイトなどを挙げることができる。これらの中で、特に、ジオレイルハイドロゲンホスファイトが耐摩耗性、低摩擦係数、耐スラッジ析出性などの点から、好ましい。
【0017】
さらに、これらのリン酸エステル類とアミン塩を形成するアミン類としては、例えば一般式(IV)
9 m NH3-m ・・・(IV)
(式中、R9 は炭素数3〜30のアルキル基若しくはアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアリールアルキル基又は炭素数2〜30のヒドロキシアルキル基、mは1〜3の整数を示し、R9 が複数ある場合、複数のR9 は同一でも異なっていてもよい。)
で表されるモノ置換アミン、ジ置換アミン又はトリ置換アミンが挙げられる。
前記一般式(IV) において、R9 のうちの炭素数3〜30のアルキル基は直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよい。
【0018】
なおここでモノ置換アミンの例としては、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ベンジルアミン等を挙げることができ、さらにジ置換アミンの例としては、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルミアン、ジシクロヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、ジオレイルアミン、ジベンジルアミン、ステアリル・モノエタノールアミン、デシル・モノエタノールアミン、ヘキシル・モノプロパノールアミン、ベンジル・モノエタノールアミン、フェニル・モノエタノールアミン、トリル・モノプロパノールアミン等を挙げることができる。
【0019】
また、トリ置換アミンの例としては、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリラウリルアミン、トリステアリルアミン、トリオレイルアミン、トリベンジルアミン、ジオレイル・モノエタノールアミン、ジラウリル・モノプロパノールアミン、ジオクチル・モノエタノールアミン、ジヘキシル・モノプロパノールアミン、ジブチル・モノプロパノールアミン、オレイル・ジエタノールアミン、ステアリル・ジプロパノールアミン、ラウリル・ジエタノールアミン、オクチル・ジプロパノールアミン、ブチル・ジエタノールアミン、ベンジル・ジエタノールアミン、フェニル・ジエタノールアミン、トリル・ジプロパノールアミン、キシリル・ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミンなどが挙げられる。
本発明においては、この(イ)成分のリン酸エステル類又はそのアミン塩は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、組成物全量に基づき、通常0.01〜10重量%の範囲で選定される。この量が0.01重量%未満では、摩擦調整剤として、この(イ)成分のみを配合する場合は、量が少なすぎて摩擦特性が不充分となるおそれがあり、また他の摩擦調整剤と併用する場合は、その相乗効果による摩擦特性の向上が不充分となりやすい。一方、10重量%を超えるとその量の割には、上記効果の向上があまりみられず、むしろ経済的に不利となり、好ましくない。したがって、この(イ)成分の好ましい配合量は、0.05〜5.0重量%の範囲である。
【0020】
また、(ロ)成分の硫黄系極圧剤は、分子内に硫黄原子を有し、潤滑油基油中に溶解若しくは均一に分散し得ると共に、極圧性や良好な摩擦特性を発揮するものが用いられる。このような物質としては、例えば硫化油脂、硫化脂肪酸、硫化エステル、硫化オレフィン、ジヒドロカルビルポリサルファイド、チアジアゾール化合物、アルキルチオカルバモイル化合物、チオカーバメート化合物、チオテルペン化合物、ジアルキルチオジプロピオネート化合物などを挙げることができる。
上記硫化油脂は硫黄や硫黄含有化合物と油脂(ラード油、鯨油、植物油、魚油等)を反応させて得られるものであり、この硫黄含有量については特に制限はないが、一般的に5〜30重量%のものの使用が好適である。またその具体例としては、硫化ラード、硫化なたね油、硫化ひまし油、硫化大豆油、硫化米ぬか油などを挙げることができる。上記硫化脂肪酸の例としては硫化オレイン酸などを、硫化エステルの例としては硫化オレイン酸メチルや硫化米ぬか脂肪酸オクチルなどを挙げることができる。
【0021】
さらに硫化オレフィンとしては、一般式(V)
10−Sa −R11 ・・・(V)
(式中、R10は炭素数2〜15のアルケニル基、R11は炭素数2〜15のアルキル基またはアルケニル基を示し、aは1〜8の整数を示す。)
で表される化合物などを挙げることができる。
この化合物は、炭素数2〜15のオレフィン又はその二〜四量体を、硫黄、塩化硫黄などの硫化剤と反応させることによって得られ、該オレフィンとしては、プロピレン、イソブテン、ジイソブテンなどが好ましい。
【0022】
また、ジヒドロカルビルポリサルファイドは、一般式 (VI)
12−Sb −R13 ・・・ (VI)
(式中、R12およびR13は、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基又は環状アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基を示し、それらは互いに同一でも、また異なっていてもよく、bは1〜8の整数を示す。)
で表される化合物である。なおここでR12およびR13がアルキル基の場合、「硫化アルキル」と称される。
【0023】
上記一般式 (VI) におけるR12およびR13の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ドデシル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フェネチル基などを挙げることができる。
このジヒドロカルビルポリサルファイドの好ましい例としては、例えばジベンジルポリサルファイド、各種ジノニルポリサルファイド、各種ジドデシルポリサルファイド、各種ジブチルポリサルファイド、各種ジオクチルポリサルファイド、ジフェニルポリサルファイド、ジシクロヘキシルポリサルファイドなどを挙げることができる。
チアジアゾール化合物としては、例えば一般式(VII) 、(VIII)、(IX)
【0024】
【化3】
Figure 0004105862
【0025】
(式中、R14及びR15は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基、c及びdは、それぞれ0〜8の整数を示す。)
で表される1,3,4−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,3−チアジアゾールなどが好ましく用いられる。
このようなチアジアゾール化合物の好ましい具体例としては、2,5−ビス(n−ヘキシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1,1,3,3,−テトラメチルブチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、3,5−ビス(n−ヘキシルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(1,1,3,3,−テトラメチルブチルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、4,5−ビス(n−ヘキシルジチオ)−1,2,3−チアジアゾール、4,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,2,3−チアジアゾール、4,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,2,3−チアジアゾール、4,5−ビス(1,1,3,3,−テトラメチルブチルジチオ)−1,2,3−チアジアゾールなどを挙げることができる。
アルキルチオカルバモイル化合物としては、例えば一般式(X)
【0026】
【化4】
Figure 0004105862
【0027】
(式中、R16〜R19は、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、eは1 〜8 の整数を示す。)
で表される化合物が挙げられる。
このようなアルキルチオカルバモイル化合物の好ましい具体例としては、ビス(ジメチルチオカルバモイル)モノスルフィド、ビス(ジブチルチオカルバモイル)モノスルフィド、ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィド、ビス(ジブチルチオカルバモイル)ジスルフィド、ビス(ジアミルチオカルバモイル)ジスルフィド、ビス(ジオクチルチオカルバモイル)ジスルフィドなどを挙げることができる。
さらに、チオテルペン化合物としては、例えば五硫化リンとピネンの反応物をまたジアルキルチオジプロピオネート化合物としては、例えばジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネートなどを挙げることができる。
これらの硫黄系極圧剤の中では、極圧性、摩擦特性、熱的酸化安定性などの点から、硫化油脂、チアジアゾール化合物及びジベンジルポリサルファイが好適である。
【0028】
本発明においては、この(ロ)成分の硫黄系極圧剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、組成物全量に基づき、通常0.01〜10重量%の範囲で選定される。この量が0.01重量%未満では、摩擦調整剤として、この(ロ)成分のみを配合する場合は、量が少なすぎて摩擦特性が不充分となるおそれがあり、また他の摩擦調整剤と併用する場合は、その相乗効果による摩擦特性の向上が不充分となりやすい。一方、10重量%を超えるとその量の割には、上記効果の向上があまり見られず、むしろ経済的に不利となり、好ましくない。したがって、この(ロ)成分の好ましい配合量は、0.05〜5.0重量%の範囲である。
さらに、(ハ)成分の脂肪酸又はその金属塩における脂肪酸としては、例えば炭素数12〜25の飽和又は不飽和の長鎖脂肪酸が挙げられる。この飽和又は不飽和の長鎖脂肪酸の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などを挙げることができる。これらの中で、効果の点から特にステアリン酸及びオレイン酸が好適である。
【0029】
また、上記脂肪酸の金属塩としては、例えばカルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩及びアルミニウム塩などが好ましく挙げられる。
本発明においては、この(ハ)成分の脂肪酸又はその金属塩は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、組成物全量に基づき、通常0.01〜10重量%の範囲で選定される。この量が0.01重量%未満では、摩擦調整剤として、この(ハ)成分のみを配合する場合は、量が少なすぎて摩擦特性が不充分となるおそれがあり、また他の摩擦調整剤と併用する場合は、その相乗効果による摩擦特性の向上が不充分となりやすい。一方、10重量%を超えるとその量の割りには、上記効果の向上があまりみられず、むしろ経済的に不利となり、好ましくない。したがって、この(ハ)成分の好ましい配合量は、0.05〜5.0重量%の範囲である。
本発明の潤滑油組成物においては、(B)成分の摩擦調整剤として、前記の(イ)成分のみを用いてもよいし、(ロ)成分のみを用いてもよく、また(ハ)成分のみを用いてもよい。あるいは、(イ)成分、(ロ)成分及び(ハ)成分を適当に組み合わせて用いてもよい。
【0030】
本発明の潤滑油組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じ、従来軸受用潤滑油に慣用されている各種添加剤、例えば酸化防止剤、抗乳化剤、防錆剤、金属不活性化剤、清浄分散剤、消泡剤などを適宜配合することができる。
ここで酸化防止剤としては、アミン系酸化防止剤やフェノール系酸化防止剤が好ましく用いられる。アミン系酸化防止剤として、例えばモノオクチルジフェニルアミン;モノノニルジフェニルアミンなどのモノアルキルジフェニルアミン系、4,4’−ジブチルジフェニルアミン;4,4’−ジペンチルジフェニルアミン;4,4’−ジヘキシルジフェニルアミン;4,4’−ジヘプチルジフェニルアミン;4,4’−ジオクチルジフェニルアミン;4,4’−ジノニルジフェニルアミンなどのジアルキルジフェニルアミン系、テトラブチルジフェニルアミン;テトラヘキシルジフェニルアミン;テトラオクチルジフェニルアミン;テトラノニルジフェニルアミンなどのポリアルキルジフェニルアミン系、α−ナフチルアミン;フェニル−α−ナフチルアミン;ブチルフェニル−α−ナフチルアミン;ペンチルフェニル−α−ナフチルアミン;ヘキシルフェニル−α−ナフチルアミン;ヘプチルフェニル−α−ナフチルアミン;オクチルフェニル−α−ナフチルアミン;ノニルフェニル−α−ナフチルアミンなどのナフチルアミン系のものを挙げることができる。これらの中で、特にジアルキルジフェニルアミン系及びナフチルアミン系のものが、抗酸化寿命の点で好ましい。
【0031】
一方、フェノール系酸化防止剤としては、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール;2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−{4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ}フェノールなどのモノフェノール系、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)などのジフェノール系のものなどを挙げることができる。
これらの酸化防止剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、組成物全量に基づき、通常0.01〜5.0重量%の範囲であり、好ましくは0.03〜3.0重量%の範囲である。
【0032】
また、抗乳化剤としてはポリアルキレングリコール、金属スルホネートなどを挙げることができ、中でもEO/POブロック共重合体で、両末端がOHのポリアルキレングリコールの使用が好ましい。
防錆剤としては、金属系スルホネート、カルボン酸、アルカノールアミン、アミド、酸アミド、リン酸エステルの金属塩などを挙げることができ、なかでもカルボン酸の使用が好ましい。さらに金属不活性剤化としては、ベンゾトリアゾールなどが、また清浄分散剤としては、金属スルホネート、金属フィネート、金属サリチレート、金属ホスホネート、コハク酸イミド、酸アミド系などが挙げられ、さらに消泡剤としては、メチルシリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル、ポリアクリレートなどを挙げることができ、これらの中で特にメチルシリコーンオイルの使用が好ましい。
【0033】
本発明の上記潤滑油組成物は、特に軸受用の潤滑油に好適である。
本発明はまた、前述の潤滑油組成物を用いてなる軸受、特にスピンドルモーターの流体軸受及び焼結含油軸受をも提供する。
本発明の軸受は、該潤滑油組成物を用いることにより、モーターの始動時、停止時、運転時のいずれの状態においても、軸ロス(摺動抵抗、粘性抵抗)が少なく、耐久性に優れている。本発明の軸受を装着したスピンドルモーターは、特にHDD、レーザプリンタ(ポリゴンミラーモーター)、CD、DVDなどの情報関連分野機器に好適に用いることができる。
【0034】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、基油単体の諸特性を下記の方法に従って測定した。
(1)加水分解特性
試料油75g、蒸留水25gと秤量した銅板をガラス瓶に入れ密封する。このガラス瓶を93℃に保った恒温槽に入れ, 一回転中に一度逆さまになる方向に5rpmで48時間回転させる。試験後、銅板の重量減少量(銅溶出量)と銅板の変色状態(銅板腐食度)を調べる。また、油層と水層とを分離し油層は動粘度及び全酸価上昇量を、水層はpH等を測定する。
試験装置及び器具
1.恒温層:93±0.5℃に調節できるものを用いる。
2.回転装置:恒温槽内でガラス瓶が一回転中に一度逆さまになる方向に5rpmの速度で回転できるものを用いる。
3.ガラス瓶(滅菌瓶):耐圧型ガラス瓶。容量約200mlのものを用いる。
4.ガラス瓶の蓋:ポリカーボネート製のものを用いる。
5.ガラス瓶のガスケット:シリコーンゴム製のものを用いる。
(2)粘度指数(VI)
JIS K2283に準拠して測定した。
(3)引火点
JIS K2265に準拠し、クリーブランド引火点試験器(COC)を用い、測定した。
また、潤滑油組成物の諸特性は、下記の方法に従って測定した。
(4)薄膜残油率
JIS K2540の潤滑油熱安定度試験に示されている容器及び恒温空気浴を用い、サンプル量を1gとして、80℃、24時間の残油量を測定した。それを百分率で表し残油率とした。なお、測定中は絶えず空気を10リットル/hr流し込むようにした。
(5)振り子型油性試験
JASO M314−88 6.13項に準拠し、室温にて振り子型油性試験を行い、摩擦係数〔μ〕を測定した。
(6)シェル摩耗試験
回転数1200rpm、荷重392N、温度80℃、時間60分の条件で、シェル摩耗試験を行い、摩耗痕径を測定して、耐摩耗性を求めた。
(7)銅板半浸漬試験
出光式銅板半浸漬試験で評価する。すなわち、容器として、外径40mm×高さ75mmの50mlねじ口びんとそれに合うふたを用いる。供試剤としては油剤10gに対し蒸留水を1重量%入れ攪拌混合したものを使用する。銅板については、JIS H3100に規定される材質で13×51×1mmのものを用いる。これはあらかじめ研磨紙をE2401で表面を研磨しておく。試験方法としては、上記の容器に銅板を入れ、銅板全体に上記供試剤が塗布されるよう供試剤を10g容器に入れる。銅板は容器側面に立てかけるようにし、ふたをする。これを60℃の恒温槽で7日間放置し、銅板の液面に触れていない気相部を外観で評価する。脂肪酸銅に代表される緑色生成物の発生の有無により適否を判断する。
実施例1〜5及び比較例1〜7
第2表に示す配合組成の潤滑油組成物を調製し、諸特性を求めた。結果を第2表に示す。なお、使用した基油単体の諸特性を第1表に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0004105862
【0036】
【表2】
Figure 0004105862
【0037】
(注)
オレイン酸2−ブトキシエチル(BEO)
ジオクチルアジペート(DOA)
ジイソノニルアジペート(DINA)
ネオペンチルグリコールエステル(NPG)
トリメチロールプロパンエステル(TMP)
ブチルステアレート(BS)
ブチルオレエート(BO)
ポリα−オレフィン(ポリ(1−デセン))(PAO)
【0038】
【表3】
Figure 0004105862
【0039】
【表4】
Figure 0004105862
【0040】
【表5】
Figure 0004105862
【0041】
第1表から分かるように、本発明の潤滑油組成物(実施例1〜5)の基油として用いるBEO(オレイン酸2−ブトキシエチル)は、低粘度、高引火点、高粘度指数を有し、しかも加水分解を受けにくい。第2表から、本発明の潤滑油組成物は、比較例のものに比べ、低粘度、低蒸発性であり、金属(銅)への影響も少なく各特性をバランスよく満足したものであることが分かる。
なお、実施例1において、ジオレイルハイドロゲンホスファイトを配合しない場合、振り子型油性試験において、摩擦係数〔μ〕が0.92から0.125に上昇し、かつシェル摩耗試験において、摩耗痕径が0.41mmから0.57に上昇した。また、比較例2において、ジオレイルハイドロゲンホスファイトを配合しない場合、振り子型油性試験において、摩擦係数〔μ〕が0.94から0.130に上昇し、かつシェル摩耗試験において、摩耗痕径が0.45mmから0.59mmに上昇した。
【0042】
【発明の効果】
本発明の潤滑油組成物は、特に軸受用の潤滑油として好適であり、とりわけ高速スピンドルモーターの流体軸受及び焼結含油軸受の双方に適用することができる。また本発明の潤滑油組成物は、極低粘度及び低蒸発性基油と摩擦調整剤の作用により、モーターの始動時、停止時、運転時のいずれの状態においても、該軸受の軸ロス(摺動抵抗、粘性抵抗)を低減させることができ、耐久性を向上させ、かつ消費電力を低減させることができる。
とくに、LBP用スキャナーモーター、DCメインモーター、DCブラシレスモーター、あるいはAV機器用のスピンドルモーター、CD、DVD、HDD用スピンドルモーターなどの高機能化モーター、さらには各種ファンモーターの軸受用として用いられ、それらのモーターの耐久性と信頼性を向上させると共に、消費電力やメンテナンスコストの低減を図ることができる。

Claims (9)

  1. 基油として、一般式(I)
    1 −COO−(AO)n −R2 ・・・(I)
    (式中、R1は炭素数12〜24の飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基、R2 は炭素数1〜のアルキル基、Aは炭素数1〜8のアルキレン基、nは平均値で1〜4の数を示す。)で表され、かつ温度40℃における動粘度が1〜10mm2 /sの範囲にあり、引火点が200℃以上である脂肪酸エステルを主体とするものを含むことを特徴とするスピンドルモーターの軸受用潤滑油組成物。
  2. 一般式(I)において、Aがエチレン基及びnが1又は2である請求項1記載のスピンドルモーターの軸受用潤滑油組成物。
  3. 脂肪酸エステルがオレイン酸2−ブトキシエチルである請求項2記載のスピンドルモーターの軸受用潤滑油組成物。
  4. (A)基油と、(B)(イ)リン酸エステル類又はそのアミン塩、(ロ)硫黄系極圧剤及び(ハ)脂肪酸又はその金属塩の中から選ばれる少なくとも一種を含む請求項1、2又は3記載のスピンドルモーターの軸受用潤滑油組成物。
  5. (B)(イ)成分のリン酸エステル類又はそのアミン塩におけるリン酸エステル類が、トリクレジルホスフェート、オレイルアシッドホスフェート又は一般式(a)
    (Ra O)2POH ・・・(a)
    (式中、Ra は炭素数12〜30のアルキル基又は炭素数12〜30アルケニル基を示す。)で表されるジヒドロキシカルビルハイドロゲンホスファイトである請求項4記載のスピンドルモーターの軸受用潤滑油組成物。
  6. (B)(ロ)成分の硫黄系極圧剤が、硫化油脂、チアジアゾール化合物又はジベンジルポリサルファイドである請求項4記載のスピンドルモーターの軸受用潤滑油組成物。
  7. (B)(ハ)成分の脂肪酸又はその金属塩における脂肪酸が、ステアリン酸又はオレイン酸であり、金属塩がカルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩又はアルミニウム塩である請求項4記載のスピンドルモーターの軸受用潤滑油組成物。
  8. 基油が、一般式(I)で表され、かつ温度40℃における動粘度が1〜10mm2 /sである脂肪酸エステル50重量%以上を含む、該脂肪酸エステルと温度40℃における動粘度が10mm2 /s以上であるポリα−オレフィンとの混合物である請求項1,2又は3記載のスピンドルモーターの軸受用潤滑油組成物。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載のスピンドルモーターの軸受用潤滑油組成物を用いたことを特徴とするスピンドルモーターの軸受。
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