JP4105693B2 - 耐熱性リボヌクレアーゼh - Google Patents

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Description

本発明はポリペプチド、さらに詳しくは、遺伝子工学において利用価値の高いリボヌクレアーゼH活性を有するポリペプチドに関する。また、本発明は該ポリペプチドの遺伝子工学的生産に有用な遺伝子に関する。さらに、本発明は該ポリペプチドの遺伝子工学的な製造方法に関する。
リボヌクレアーゼ(RNA分解酵素)にはエンド型とエキソ型が存在し、基質特異性も多様で、複雑な生理活性に関与している。リボヌクレアーゼ活性を有する酵素としては、リボヌクレアーゼT、リボヌクレアーゼT、リボヌクレアーゼH、リボヌクレアーゼP、リボヌクレアーゼI、リボヌクレアーゼII、リボヌクレアーゼIII、リボヌクレアーゼIV、リボヌクレアーゼL等の酵素が知られている。
リボヌクレアーゼH(本明細書に於いては、RNaseHと称する場合もある)は1969年にW.H.ステイン及びP.ハウゼンにより仔ウシ胸腺から初めて単離された。現在、RNaseHは種々の動物細胞、酵母等の真核生物及び大腸菌等の原核生物に広く存在する細胞性RNaseHと、RNA腫瘍ウイルスに存在するウイルス性RNaseHとに分けられている。1種の細胞に数種のRNaseH活性が存在しており、Mg2+、Mn2+等の2価金属イオン要求性である。
大腸菌由来RNaseHは155アミノ酸からなる分子量約17kDaの加水分解酵素であって、DNA/RNAハイブリッドのRNA鎖のみを特異的にエンド型で切断するという基質特異性を有する。生成したオリゴマーは5’末端にリン酸基を、3’末端に水酸基を有する。
大腸菌由来RNaseHとしては、RNaseHIとRNaseHIIが同定されている。RNaseHIの生理的機能として、Col E1プラスミドの複製において、1)正常な複製開始点ではない箇所に結合したRNAを分解し、正常な複製開始点を確保する、2)正常な複製開始点に特異的なRNAプライマーの合成をすることが示されている。しかしながら、RNaseHIIの機能は未だ不明である。
RNaseHは、その基質特異性に基づき、下記に例示される様な用途を有し、極めて利用価値の高い酵素として注目されている。
1)cDNAのクローニングの際の鋳型mRNAの除去。
2)mRNAのポリA領域の除去。
3)RNAの断片化。
RNaseHの重要性は遺伝子工学の発展に伴ってますます増大すると思われるが、この酵素は、大腸菌内での発現量が極めて低いことから、組換えDNA技術による該酵素の生産が試みられており、既にBRL、アマシャム ファルマシア バイオテク及びタカラバイオ等から、組換えDNA技術により生産されたRNaseHが供給されている。
これらの市販の組換えRNaseHは、大腸菌を宿主として生産されるものである〔金谷ら、ザ ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(The Journal of Biological Chemistry)、第264巻、第11546−11549頁(1989)〕。また、大腸菌由来RNaseHよりも極めて高い安定性を有する好熱菌由来RNaseHの大腸菌による製造法も報告されている〔金谷ら、第2回日本蛋白工学会年会プログラム・要旨集(1990)、69頁;特許第2533671号公報〕が、大腸菌を用いて産生された好熱菌RNaseHの酵素活性は大腸菌由来RNaseHよりも低いものであった。
上述のように耐熱性を有するRNaseHは大腸菌由来RNaseHよりも生産性及び酵素活性が低いものしかなく、RNaseHの用途拡大のため、大腸菌と同等もしくはそれ以上の生産性及び酵素活性を有する耐熱性RNaseHの開発が望まれていた。
そこで、上記問題点を解決すべく、さまざまな耐熱性を有するRNaseHがクローン化されてきた。例えば、国際公開第02/22831号パンフレット記載のバチルス カルドテナックス(Bacillus caldotenax)、ピロコッカス フリオサス(Pyrococcus furiosus)、サーモトガ マリティマ(Thermotoga maritima)、アルカエオグロバス フルギダス(Archaeoglobus fulgidus)、サーモコッカス リトラリス(Thermococcus litoralis)、サーモコッカス セラー(Thermococcus celer)、ピロコッカス ホリコシイ(Pyrococcus horikoshii)由来のRNaseHが挙げられる。
また、Nucleic Acids Research,Vol.19,No.16,p4443−4449(1991)、米国特許第5268289号に記載のサーマス サーモフィラス(Thermus thermophilus)、米国特許第5610066号に記載のピロコッカス フリオサス(Pyrococcus furiosus)、特開平11−32772号に記載のピロコッカスsp.KOD1株、Journal of Molecular Biology,Vol.307,p541−556(2001)記載のアルカエオグロバス フルギダス(Archaeoglobus fulgidus)由来のRNaseHが挙げられる。
しかし、これらのRNaseHは、耐熱性が低かったり、DNA/RNAハイブリッドのRNA鎖が短くなると活性が低下したり、比活性が低いなど、改善すべき問題を多く含んでいた。そこで、遺伝子工学の発展に伴ってますます増大すると思われるRNaseHの重要性に応えるため、さらなる耐熱性、基質特異性、作用機作を有するRNaseHの開発が望まれていた。
本発明の目的は、遺伝子工学において利用価値の高いRNaseH活性を有するポリペプチド、該ポリペプチドをコードする遺伝子ならびに該ポリペプチドの遺伝子工学的製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の事情を鑑み、耐熱性RNaseHを得るために鋭意研究及び探索を行った結果、高いRNaseH活性を有する耐熱性RNaseHポリペプチドを見出した。更に、得られた耐熱性RNaseHは遺伝子工学的手法による製造においても生産性がよいことも見出し、本発明を完成するに至った。
本発明を概説すれば、本発明の第1の発明は、耐熱性リボヌクレアーゼHポリペプチドに関し、下記の群より選択され、かつ、耐熱性リボヌクレアーゼH活性を有することを特徴とするポリペプチドに関する。
(a)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列において、少なくとも1つのアミノ酸残基の欠失、付加、挿入又は置換を有するポリペプチド;
(c)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも54%の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド。
本発明の第2の発明は、耐熱性リボヌクレアーゼHをコードする核酸に関し、下記の群より選択され、かつ、耐熱性リボヌクレアーゼH活性を有するポリペプチドをコードする核酸に関する。
(a)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸;
(b)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列において、少なくとも1つのアミノ酸残基の欠失、付加、挿入又は置換を有するポリペプチドをコードする核酸;
(c)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも54%の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸;
(d)配列表の配列番号2に示される塩基配列を有する核酸;
(e)配列表の配列番号2に示される塩基配列において、少なくとも1つの塩基がアミノ酸配列に翻訳される形での欠失、付加、挿入又は置換を有する塩基配列からなる核酸;
(f)前記(a)〜(d)のいずれか記載の核酸又はその相補鎖とストリンジェントな条件下にハイブリダイズしうる核酸;
(g)配列表の配列番号2に示される塩基配列に少なくとも61%の相同性を有する塩基配列である核酸。
本発明の第3の発明は組換えDNAに関し、第2の発明の核酸を含んでなることを特徴とする。
本発明の第4の発明は形質転換体に関し、第3の発明の組換えDNAにより形質転換されてなることを特徴とする。
本発明の第5の発明は耐熱性リボヌクレアーゼH活性を有するポリペプチドの製造方法に関し、第4の発明の形質転換体を培養する工程、および該培養物中より耐熱性リボヌクレアーゼH活性を有するポリペプチドを採取する工程を包含することを特徴とする。
第6の発明はプラスミドpApr108を導入した形質転換体を培養して得られる、耐熱性リボヌクレアーゼH活性を有するポリペプチドに関する。なお、このプラスミドを有する大腸菌株は、ブダペスト条約の下、2002年8月20日(原寄託日)にFERM BP−8433の受託番号の下、日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されている。
図1:本発明のRNaseHの耐熱性を示す図である。
以下、本発明に関して具体的に説明する。
本明細書において、RNaseHとは、DNA/RNAハイブリッドのRNA鎖のみを特異的にエンド型で切断するという基質特異性を有する加水分解酵素であって、生成したオリゴマーが5’末端にリン酸基を、3’末端に水酸基を有するように切断するものをいう。
本発明において、ポリペプチドが耐熱性のRNaseH活性を有するとは、特に限定するものではないが、70℃以上の温度で15分間保持した後においてもRNaseH活性を有することを意味する。
耐熱性RNaseH活性は、例えば、次のようにして測定することができる。
ポリ(rA)及びポリ(dT)(ともにアマシャム ファルマシア バイオテク製)1mgをそれぞれ1mM EDTAを含む40mMトリス−HCl(pH7.7)1mlに溶解し、ポリ(rA)溶液及びポリ(dT)溶液を調製する。
次に、4mM MgCl、1mM DTT、0.003%BSA、4%グリセロールを含む40mMトリス−HCl(pH7.7)に、終濃度20μg/mlとなるようにポリ(rA)溶液を、終濃度30μg/mlとなるようにポリ(dT)溶液を加え、37℃で10分間反応後、4℃に冷却し、ポリ(rA)−ポリ(dT)溶液を調製する。
このポリ(rA)−ポリ(dT)溶液100μlに酵素液1μlを加え、40℃で10分間反応させ、0.5M EDTA 10μlを加えて反応を停止させた後、260nmの吸光度を測定する。対照として、上記反応液に0.5M EDTA 10μlを加えた後、40℃で10分間反応させ、吸光度を測定する。その後、EDTA非添加で反応させ求めた吸光度から対照の吸光度を引いた値(吸光度差)を求めることにより、酵素反応によってポリ(rA)−ポリ(dT)ハイブリッドから遊離したヌクレオチドの濃度を吸光度差から求め、本発明の耐熱性RNaseH活性を測定することができる。
また、活性測定しようとする酵素液1μlに40℃であらかじめインキュベーションした反応液〔20mMヘペス−水酸化カリウム(pH8.5)、0.01%牛血清アルブミン(タカラバイオ社製)、1%ジメチルスルホキシド、4mM酢酸マグネシウム、20μg/mlポリ(dT)(アマシャム ファルマシア バイオテク社製)、30μg/mlポリ(rA)(アマシャム ファルマシア バイオテク社製)〕100μlを添加し、40℃で10分間反応させた後、0.5M EDTA(pH8.0)10μlで反応を停止し、260nmの吸光度を測定することにより、本発明の耐熱性RNaseH活性を測定することもできる。
RNaseHの1単位(ユニット)は、1nmolのリボヌクレオチドが遊離したのに相当するA260を10分間に増加させる酵素量とし、下記の式に従って算出することができる。
単位(unit)=〔吸光度差×反応液量(ml)〕/0.0152
本発明のポリペプチドとしては、配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドが例示される。また、本発明は耐熱性RNaseH活性を示す限りにおいて、配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列に1個以上のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つがなされたアミノ酸配列で示されるポリペプチドを包含する。
すなわち、天然に存在するポリペプチドにはそれをコードするDNAの多型や変異の他、生成後のポリペプチドの生体内および精製中の修飾反応などによってそのアミノ酸配列中にアミノ酸の欠失、挿入、付加、置換等の変異が起こりうる。しかし、このような変異が該ポリペプチドの活性や構造の保持に関して重要でない部分に存在する場合には、変異を有しないポリペプチドと実質的に同等の生理、生物学的活性を示すものがあることが知られている。
人為的にポリペプチドのアミノ酸配列に上記のような変異を導入した場合も同様であり、この場合にはさらに多種多様の変異体を作製することが可能である。例えば、ヒトインターロイキン2(IL−2)のアミノ酸配列中のあるシステイン残基をセリンに置換したポリペプチドがインターロイキン2活性を保持することが知られている〔サイエンス(Science)、第224巻、1431頁(1984)〕。
また、ある種のポリペプチドは、活性には必須でないペプチド領域を有していることが知られている。例えば、細胞外に分泌されるポリペプチドに存在するシグナルペプチド、プロテアーゼの前駆体等に見られるプロ配列あるいはプレ・プロ配列などがこれにあたり、これらの領域のほとんどは翻訳後、あるいは活性型ポリペプチドへの転換に際して除去される。このようなポリペプチドは一次構造上は異なった形で存在しているが、最終的には同等の機能を発現するポリペプチドである。
本発明により単離された、配列表の配列番号2に示される塩基配列の遺伝子には、配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を持つポリペプチドがコードされており、該ポリペプチドは耐熱性RNaseH活性を有している。そこから、活性には必須でないペプチド領域が削除されたポリペプチドも、本願のポリペプチドに含まれる。
遺伝子工学的にポリペプチドの生産を行う場合には、目的のポリペプチドのアミノ末端、あるいはカルボキシル末端に該ポリペプチドの活性とは無関係のペプチド鎖が付加されることがある。例えば、目的のポリペプチドの発現量を上げるために、使用される宿主中で高発現されているポリペプチドのアミノ末端領域の一部を目的のポリペプチドのアミノ末端に付加した融合ポリペプチドが作製されることがある。あるいは、発現されたポリペプチドの精製を容易にするために、特定の物質に親和性を有するペプチドを目的のポリペプチドのアミノ末端またはカルボキシル末端に付加することも行われている。これらの付加されたペプチドは目的ポリペプチドの活性に悪影響をおよぼさない場合には付加されたままであってもよく、また、必要であれば適当な処理、例えば、プロテアーゼによる限定分解などによって目的ポリペプチドから除去できるようにすることもできる。
従って、本発明によって開示されたアミノ酸配列(配列番号1)に1個以上のアミノ酸残基の欠失、挿入、付加又は置換が生じたアミノ酸配列によって示されるポリペプチドであっても、耐熱性RNaseH活性を有していれば本発明の範囲内に属するものである。
また、本発明によって開示されたアミノ酸配列(配列番号1)に少なくとも54%、好ましくは60%、さらに好ましくは70%、より好ましくは85%の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドは、耐熱性RNaseH活性を有していれば本発明の範囲内に属するものである。
上記相同性は、例えばコンピュータープログラムDNASIS−Mac(タカラバイオ社製)、コンピュータアルゴリズムFASTA(バージョン3.0;パーソン(Pearson,W.R.)ら、Pro.Natl.Acad.Sci.,85:2444−2448,1988)、コンピューターアルゴリズムBLAST(バージョン2.0;Altschulら、Nucleic Acids Res.25:3389−3402,1997)によって測定することができる。
例えば、上記アミノ酸配列の相同性が、アルカエオグロバス プロファンダス(Archaeoglobus profundus)由来リボヌクレアーゼH(配列表の配列番号1)と少なくとも54%であるアミノ酸配列を有するポリペプチドは、耐熱性RNaseH活性を有していれば本発明の範囲内に属するものである。
本発明のポリペプチドは、例えば、(1)本発明のポリペプチドを生産する微生物の培養物からの精製、(2)本発明のポリペプチドをコードする核酸を含有する形質転換体の培養物からの精製、等の方法により製造することができる。
(1)本発明のポリペプチドを生産する微生物の培養物からの精製
本発明のポリペプチドを生産する微生物としては、例えば、ドイッチェ・ザムルンク・フォン・ミクロオルガニスメン・ウント・ツェルクルツレンGmbH(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)より購入可能なアルカエオグロバス プロファンダス(Archaeoglobus profundus、DSM5631)等が挙げられる。微生物の培養は、その微生物の生育に適した条件で行えばよく、好ましくは、目的のポリペプチドの発現量が高くなるような培養条件が用いられる。かくして菌体あるいは培養液中に生産された目的のポリペプチドは、通常のタンパク質の精製に用いられる方法によって精製することができる。
上記菌株の培養にあたっては、通常、耐熱菌の培養に用いられる方法が利用でき、培地に加える栄養源は該菌株が利用しうるものであればよい。炭素源としては、例えば、デンプン等が利用でき、窒素源としては、例えば、トリプトン、ペプトン、酵母エキス等が利用できる。培地中には、マグネシウム塩、ナトリウム塩、鉄塩等の金属塩を微量元素として加えてもよい。また、例えば、海洋性の耐熱菌の場合、培地の調製に人工海水を用いることが有利である。
培養は静置培養又は撹拌培養で行なうことができるが、例えば、アプライド アンド エンバイロンメンタル マイクロバイオロジー(Applied and Environmental Microbiology)、第55巻、第2086−2088頁(1992)に記載のように、透析培養法を用いてもよい。培養条件や培養時間は、使用する菌株、培地組成に応じ、ポリペプチドの生産量が最大になるように設定するのが好ましい。
ポリペプチドを採取するに当たっては、まず、無細胞抽出液を調製する。無細胞抽出液は、例えば、培養液から遠心分離、ろ過などによって菌体を集め、ついで菌体を破砕することにより調製できる。菌体の破砕方法としては、超音波破砕、ビーズ破砕、溶菌酵素処理等のうちから目的酵素の抽出効果の高い方法を選べばよい。また、培養液上清中に該ポリペプチドが分泌されている場合には、硫安塩析法や限外濾過法等によって培養液上清中のポリペプチドを濃縮し、これを無細胞抽出液とする。かくして得られた無細胞抽出液からポリペプチドを単離するにあたっては、通常のタンパク質の精製に用いられる方法を使用できる。例えば、硫安塩析処理、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー等の方法を組み合わせて使用できる。
(2)本発明のポリペプチドをコードする核酸を含む組換えDNAにより形質転換された形質転換体の培養物からの精製
本発明のポリペプチドをコードする核酸、例えば配列表の配列番号2に示される塩基配列を有する核酸を含む組換えDNAで形質転換された形質転換体より、本発明のポリペプチドを取得することができる。配列番号2に示される塩基配列からは配列番号1に示されるアミノ酸配列のポリペプチドが生成する。
さらに、本発明のプラスミドpApr108を導入した形質転換体を培養して得られる培養物から本発明のポリペプチドを精製してもよい。
形質転換される宿主には特に限定はなく、例えば、大腸菌、枯草菌、酵母、糸状菌、植物、動物、植物培養細胞、動物培養細胞等、組換えDNAの分野で通常使用されている宿主が挙げられる。
例えば、本発明のポリペプチドは、lacプロモーターやT7ファージプロモーターの下流に本発明の核酸を連結したプラスミドを保持する大腸菌を通常の培養条件、例えば、100μg/mlのアンピシリンを含むLB培地(トリプトン10g/l、酵母エキス5g/l、NaCl 5g/l、pH7.2)中、37℃で対数増殖期まで培養後、1mMとなるようイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシドを添加し、さらに37℃で培養することにより、培養菌体中にポリペプチドを発現させることができる。
培養終了後、遠心分離によって集めた菌体を超音波で破砕し、さらに遠心分離して上清を集め、無細胞抽出液とする。該無細胞抽出液は耐熱性RNaseH活性を示す。さらにイオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過、疎水クロマトグラフィー、硫安沈殿等の公知の方法を用いることにより該無細胞抽出液から本発明のポリペプチドを精製することができる。上記の精製過程において得られる部分精製品も、当然ながらRNaseH活性を示す。なお、本発明の核酸を連結したプラスミドを保持する大腸菌で発現される本発明のポリペプチドは耐熱性を有しているため、精製手段として培養菌体及び/又は無細胞抽出液に対して、例えば、40℃以上の温度で、約10分間の熱処理を行って熱変性して不溶化した宿主由来のタンパク質を除去してもよい。また、この熱処理の温度や時間は、適宜、最適な温度及び時間を選択すればよい。
上記のように本発明のポリペプチドを、当該ポリペプチドをコードする核酸を保持する形質転換体を用いて常温、例えば、37℃で発現させた場合でも、得られた発現産物はその活性、耐熱性などを保持している。すなわち、本発明のポリペプチドは、その本来の生産菌が生育する温度とは離れた温度において発現された場合にも、その固有の高次構造を形成し得る。
本発明の核酸は、本発明のポリペプチドをコードする核酸であり、具体的には、配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列、または該配列において1個以上のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つがなされたアミノ酸配列で示され、かつ、耐熱性RNaseH活性を示すポリペプチドをコードする核酸(1)、配列表の配列番号2に記載の塩基配列で示される核酸(2)、および上記核酸(1)または(2)にストリンジェントな条件下でハイブリダイズ可能であるか、(1)または(2)の塩基配列に少なくとも61%、好ましくは70%、さらに好ましくは80%、より好ましくは90%の相同性を有する塩基配列で、かつ耐熱性RNaseH活性を示すポリペプチドをコードする核酸(3)等である。
上記塩基配列の相同性は、コンピュータープログラムDNASIS−Mac、コンピュータアルゴリズムFASTA(バージョン3.0)、BLAST(バージョン2.0)によって測定することができる。
本明細書における核酸とは、1本鎖または2本鎖のDNAまたはRNAを意味する。上記核酸(2)がRNAである場合は、例えば配列表の配列番号2記載の塩基配列においてTをUで置換した塩基配列で示される。
本発明の核酸は、例えば、次のようにして得ることができる。
まず、配列表の配列番号2に記載の塩基配列で示される核酸(2)は、本発明のポリペプチドの説明中に記載した方法で培養したアルカエオグロバス プロファンダス(DSM5631)より常法にしたがってゲノムDNAを調製し、それを用いて作製したDNAライブラリーから単離することができる。またこのゲノムDNAを鋳型としたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、配列表の配列番号2に記載の塩基配列で示される核酸を増幅することによっても取得できる。
また、本発明により提供される、本発明のポリペプチドをコードする核酸の塩基配列、例えば配列表の配列番号2に記載の塩基配列を基に、本発明のポリペプチドと同様の耐熱性RNaseH活性を有するポリペプチドをコードする核酸を取得することも可能である。すなわち、本発明のポリペプチドをコードする核酸、またはその塩基配列の一部をハイブリダイゼーションのプローブに用いることにより、耐熱性RNaseH活性を有するポリペプチドをコードするDNAを、細胞から抽出したDNA、該DNAを鋳型として得られたPCR産物等からスクリーニングすることができる。あるいは上記の塩基配列から設計されたプライマーを使用したPCR等の遺伝子増幅法を用いることにより、耐熱性RNaseH活性を有するポリペプチドをコードするDNAを増幅することができる。また、耐熱性RNaseH活性を有するポリペプチドをコードするDNAを化学的に合成することも可能である。かかる方法により、上記核酸(1)または(3)を得ることができる。
上記の方法では目的の核酸の一部のみを含む核酸断片が得られることがあるが、その際には得られた核酸断片の塩基配列を調べて、それが目的の核酸の一部であることを確かめた上、該核酸断片、あるいはその一部をプローブとしてハイブリダイゼーションを行うか、または該核酸断片の塩基配列に基づいて合成されたプライマーを用いてPCRを行うことにより、目的の核酸全体を取得することができる。
上記の「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」とは、1989年、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー発行、T.マニアティス(T.Maniatis)ら編集、モレキュラー クローニング:ア ラボラトリー マニュアル第2版(Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd ed.)等に記載された条件でハイブリダイズ可能なことを意味し、例えば、以下の条件でハイブリダイズ可能なことをいう。すなわち、核酸を固定したメンブレンを0.5%SDS、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)、0.1%ポリビニルピロリドン、0.1%フィコール400、0.01%変性サケ精子核酸を含む6×SSC(1×SSCは0.15M NaCl、0.015Mクエン酸ナトリウム、pH7.0を示す)中で、50℃にて12〜20時間、プローブとともにインキュベートする。インキュベーション終了後、0.5%SDSを含む2×SSC中、37℃での洗浄から始めて、SSC濃度は0.1倍までの範囲で、また、温度は50℃までの範囲で変化させ、固定された核酸由来のシグナルがバックグラウンドと区別できるようになるまでメンブレンを洗浄したうえ、プローブの検出を行う。また、こうして得られた新たな核酸について、そこにコードされているタンパクの有する活性を上記同様の方法によって調べることにより、得られた核酸が目的とするものであるかどうかを確認することができる。
また、オリゴヌクレオチドプローブを使用する場合、前記「ストリンジェントな条件」としては、特に限定されないが、例えば、6×SSC、0.5%SDS、5×デンハルト、0.01%変性サケ精子核酸を含む溶液中、〔Tm−25℃〕の温度で一晩保温する条件などをいう。
オリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーのTmは、例えば、下記の式により求められる。
Tm=81.5−16.6(log10[Na])+0.41(%G+C)−(600/N)
(式中、Nはオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーの鎖長であり、%G+Cはオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマー中のグアニンおよびシトシン残基の含有量である。)
また、オリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーの鎖長が18塩基より短い場合、Tmは、例えば、A+T(アデニン+チミン)残基の含有量と2℃との積と、G+C残基の含有量と4℃との積との和〔(A+T)×2+(G+C)×4〕により推定することができる。
本発明においては、本発明のポリペプチドをコードする核酸にストリンジェントな条件下でハイブリダイズ可能な核酸は、本明細書に開示された塩基配列と同一の塩基配列ではなくとも、それが耐熱性RNaseH活性を示すポリペプチドをコードする限り本発明の範囲に含まれるものであることは上記したとおりである。
すなわち、遺伝子上でアミノ酸を指定するコドン(3つの塩基の組み合わせ)はアミノ酸の種類ごとに1〜6種類ずつが存在することが知られている。したがって、あるアミノ酸配列をコードする核酸はそのアミノ酸配列にもよるが多数存在することができる。核酸は自然界において決して安定に存在しているものではなく、その塩基配列に変異が起こることはまれではない。核酸上に起こった変異がそこにコードされるアミノ酸配列には変化を与えない場合(サイレント変異と呼ばれる)もあり、この場合には同じアミノ酸配列をコードする異なる核酸が生じたといえる。したがって、ある特定のアミノ酸配列をコードする核酸が単離されても、それを含有する生物が継代されていくうちに同じアミノ酸配列をコードする多種類の核酸ができていく可能性は否定できない。さらに同じアミノ酸配列をコードする多種類の核酸を人為的に作製することは種々の遺伝子工学的手法を用いれば困難なことではない。
例えば、遺伝子工学的なタンパク質の生産において、目的のタンパク質をコードする本来の核酸上で使用されているコドンが宿主中では使用頻度の低いものであった場合には、タンパク質の発現量が低いことがある。このような場合にはコードされているアミノ酸配列に変化を与えることなく、コドンを宿主で繁用されているものに人為的に変換することにより、目的タンパク質の高発現を図ることが行われている(例えば、特公平7−102146号公報)。このように特定のアミノ酸配列をコードする多種類の核酸は人為的に作製可能なことは言うまでもなく、自然界においても生成されうるものである。
本発明のポリペプチドをコードする核酸、例えば、配列表の配列番号2記載の塩基配列を有する核酸を適当なベクターに連結して組換えDNAを作成することができる。該組換えDNAの作成に使用されるベクターには特に限定はなく、例えば、プラスミドベクター、ファージベクター、ウイルスベクター等を使用することができ、組換えDNAの使用目的に応じて適当なベクターを選択すれば良い。
さらに、当該組換えDNAを適当な宿主に導入して形質転換体を作成することができる。形質転換体の作成に使用される宿主にも特に限定はなく、細菌、酵母、糸状菌等の微生物の他、動物、植物、昆虫等の培養細胞等を使用することができる。当該形質転換体を培養して培養物中に本発明のポリペプチドを産生させることにより、本発明のポリペプチドを大量に製造することが可能となる。
(3)本発明のポリペプチド
上述のようにして得られた本発明のポリペプチドは、例えば国際公開第00/56877号パンフレット、国際公開第02/16639号パンフレットに記載の核酸増幅方法に利用することができる。さらに、従来知られているRNaseHには、DNA−RNA−DNAのようなキメラ核酸において、RNAの長さによってそのRNaseH活性が低下するものもあるが、本発明のポリペプチドはRNAの長さによる影響を受けにくい。従って、国際公開第02/064833号パンフレット記載の塩基置換の検出方法や、BioTechniques,Vol.20,No.2,p240−248(1996)記載のサイクリングプローブ法(Cycling Probe)に好適に使用できる。また、95℃15分の処理を行っても、そのRNaseH活性を保持し得るという特徴を有し、多様な用途に使用することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
アルカエオグロバス プロファンダス RNaseH遺伝子のクローニング
(1)アルカエオグロバス プロファンダス ゲノムDNAの調製
アルカエオグロバス プロファンダス(Archaeoglobus profundus、ドイッチェ ザムルンク フォン ミクロオルガニスメン ウント ツェルクルツレンGmbHより購入:DSM5631)10ml相当分の菌体を集め、100μlの20%ショ糖、50mMトリス−HCl(pH8.0)に懸濁し、20μlの0.5M EDTA、10μlの10mg/ml塩化リゾチーム(ナカライテスク社製)水溶液を加えて、20℃で2時間反応させた。反応終了後、この反応液に800μlの150mM NaCl、1mM EDTA、20mMトリス−HCl(pH8.0)、10μlの20mg/mlプロテイナーゼK(タカラバイオ社製)及び50μlの10%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を加え、37℃で1時間保温した。反応終了後、フェノール−クロロホルム抽出、エタノール沈殿、風乾した後に50μlのTEに溶解してゲノムDNA溶液を得た。
(2)RNaseH遺伝子中央部のクローニング
様々な耐熱性RNaseHのアミノ酸配列の間で保存されている部分をもとにしてオリゴヌクレオチドRN−F1(配列番号3)とオリゴヌクレオチドRN−R2(配列番号4)を合成した。
上記実施例1−(1)で調製したアルカエオグロバス プロファンダス ゲノムDNA溶液5μlを鋳型にして、100pmolのRN−F1及び100pmolのRN−R2をプライマーに用い、100μlの容量でPCRを行った。PCRでのDNAポリメラーゼはタカラEx Taq(タカラバイオ社製)を添付のプロトコールに従って用い、PCRは94℃で30秒、45℃で30秒、72℃で1分を1サイクルとして、50サイクル行った。反応終了後、マイクロコン−100(タカラバイオ社製)で、プライマーを除去すると同時に濃縮し、約0.5kbのDNA断片AprF1R2を得た。
(3)RNaseH遺伝子上流および下流部分のクローニング
上記実施例1−(2)で得た約0.5kbの断片AprF1R2の塩基配列を決定し、それをもとに上流をクローニングするための特異的なオリゴヌクレオチドAprRN−1(配列番号5)と下流をクローニングするための特異的なオリゴヌクレオチドAprRN−2(配列番号6)を合成した。さらに、表1に示す48種類のプライマーを合成した。表1中のタグ配列を配列表の配列番号7に示す。
Figure 0004105693
実施例1−(1)で調製したアルカエオグロバス プロファンダス ゲノムDNA溶液1μlを鋳型にして20pmolのAprRN−1または20pmolのAprRN−2と、各20pmolの表1記載の48種類のプライマーとの組み合わせで20mM トリス酢酸(pH8.5)、50mM酢酸カリウム、3mM酢酸マグネシウム、0.01%BSA、各30μM dNTP混合物、2.5単位のタカラExTaq DNAポリメラーゼ(タカラバイオ社製)を含む反応液中でPCRをおこなった。PCRは94℃で3分インキュベートした後、98℃で10秒、50℃で10秒、72℃で40秒を1サイクルとし、40サイクル行った。得られたPCR産物の一部をアガロース電気泳導し、シングルバンドになったものを選び出し、それらの反応液をマイクロコンー100(タカラバイオ社製)で、プライマーを除去すると同時に濃縮し、ダイレクトシークエンスをおこない、RNaseHの上流または下流を含む断片をスクリーニングした。その結果、約600bpのPCR増幅断片Apr−1A5にRNaseH遺伝子の上流が、約500bpのPCR増幅断片Apr−2D9に下流が含まれていることがわかった。
(4)RNaseH遺伝子全域のクローニング
上記塩基配列をもとにプライマーAprNde(配列番号8)及びAprBam(配列番号9)を合成した。
実施例1−(1)で得たサーモコッカス プロファンダス ゲノムDNA溶液1μlを鋳型にして、20pmolのAprNde及び20pmolのAprBamをプライマーに用い、100μlの容量でPCRを行なった。PCRでのDNAポリメラーゼはExTaq DNAポリメラーゼ(タカラバイオ社製)を添付のプロトコールに従って用い、PCRは94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で1分を1サイクルとし、40サイクル行った。増幅した約0.7kbのDNA断片をNdeI及びBamHI(ともにタカラバイオ社製)で消化し、得られたDNA断片をプラスミドベクターpTV119Nd(pTV119NのNcoIサイトをNdeIサイトに変換したもの)またはpET3a(ノバジェン社製)のNdeI及びBamHI間に組込み、プラスミドpAPR111NdおよびpApr108を作製した。
(5)RNaseH遺伝子を含むDNA断片の塩基配列の決定
実施例1−(4)で得られたpAPR111NdおよびpApr108の挿入DNA断片の塩基配列をジデオキシ法によって決定した。
得られた塩基配列の結果を解析したところ、RNaseHをコードすると考えられるオープンリーディングフレームが見出された。pApr108のオープンリーディングフレームの塩基配列を配列表の配列番号2に示す。また、該塩基配列から推定されるRNaseHのアミノ酸配列を配列表の配列番号1に示す。PCR断片AprF1R2は配列番号2の11〜449番塩基、Apr−1A5は59番塩基より5’末端側、Apr−2D9は373番塩基より3’末端側に相当した。なお、プラスミドpApr108で形質転換された大腸菌HMS174DE3は、Escherichia coli HMS174/pApr108と命名、表示され、平成14年8月20日(原寄託日)より日本国〒305−8566茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに受託番号FERM BP−8433として寄託されている。DNAシーケンス入力解析システムDNASIS(Ver.3.6、タカラバイオ社製)を用いて解析したところ、24.4kDaのタンパク質で、等電点は8.50であった。また、塩基配列の比較から、RNaseHIIに分類されると推定できた。
(6)アルカエオグロバス プロファンダス RNaseH遺伝子の発現
pAPR111Ndで形質転換された大腸菌JM109を100μg/mlのアンピシリンおよび1mM IPTGを含む10mlのLB培地に植菌し、37℃で1晩振盪培養した。培養終了後、遠心分離によって集めた菌体を176.3μlのバッファー(20mM トリス−HCl(pH8.0)、1mM EDTA)に懸濁し、超音波破砕機にかけた。この破砕液を12000rpmで10分間の遠心分離を行い、得られた上清を70℃、10分間の熱処理にかけた。その後、再度12000rpmで10分の遠心分離を行い、上清を集め、熱処理上清液を得た。同様にpApr108で形質転換された大腸菌HMS174(DE3)を100μg/mlのアンピシリンを含む10mlのLB培地に植菌し、37℃で1晩振盪培養し、培養終了後、遠心分離によって集めた菌体を上記の方法で処理し、Apr RNaseH熱処理上清液を得た。
上記で得られた熱処理上清液を用いて、以下の方法により酵素活性を測定した。
ポリ(rA)及びポリ(dT)(ともにアマシャム ファルマシア バイオテク製)1mgをそれぞれ1mM EDTAを含む40mMトリス−HCl(pH7.7)1mlに溶解し、ポリ(rA)溶液及びポリ(dT)溶液を調製した。
次に、4mM MgCl、0.1% DMSO、0.01% BSAを含む20mMヘペス−KOH(pH7.8)に、終濃度20μg/mlとなるようポリ(rA)溶液を、終濃度30μg/mlとなるようポリ(dT)溶液を加え、40℃で10分間反応後、4℃に冷却し、ポリ(rA)−ポリ(dT)溶液を調製した。
ポリ(rA)−ポリ(dT)溶液100μlにApr RNaseH熱処理上清液1μlを加え、40℃で10分間反応させ、0.5M EDTA 10μlを加えて反応を停止させた後、260nmの吸光度を測定した。対照として、上記反応液に0.5M EDTA10μlを加えた後、40℃で10分間反応させ、吸光度を測定した。その後、EDTA非存在下で反応させ求めた吸光度から対照の吸光度を引いた値(吸光度差)を求めた。すなわち、酵素反応によってポリ(rA)−ポリ(dT)ハイブリッドから遊離したヌクレオチドの濃度を吸光度差から求めた。RNaseHの1単位は、1nmolのリボヌクレオチドが遊離したのに相当するA260を10分間に増加させる酵素量とし、下記の式に従って算出した。なお、酵素液を希釈した場合は、下記式の値を希釈率で補正した。
単位(unit)=〔吸光度差×反応液量(ml)〕/0.0152
その結果、Apr RNaseH熱処理上清液にRNaseH活性が認められた。
(7)精製RNaseH標品の調製
実施例1−(4)で得られたpApr108で大腸菌BL21(DE3)を形質転換し、得られたpApr108を含む大腸菌BL21(DE3)を100μg/mlのアンピシリンを含む400mlのLB培地に植菌し、37℃で17時間振盪培養した。培養終了後、遠心分離によって集めた菌体を500mlのバッファーA〔20mM トリス−HCl(pH8.0)、1mM EDTA、2mMフェニルメタンスルフォニルフルオライド、10mM 2−メルカプトエタノール〕に懸濁し、超音波破砕機にかけた。この破砕液を14000rpmで30分間の遠心分離を行い、得られた上清を70℃、15分間の熱処理にかけた。その後、再度14000rpmで30分の遠心分離を行い、上清を集め、400mlの熱処理上清液を得た。
この熱処理上清液をバッファーAで平衡化したDE52陰イオン交換カラム(Whatman社製)に供し、バッファーAで洗浄した。その結果、RNaseHはDE52カラムを素通りした。
DE52カラムを素通りした蛋白溶液を、バッファーB〔20mM トリス−HCl(pH7.0)、1mM EDTA、100mM NaCl、10mM 2−メルカプトエタノール〕で平衡化したP−II陽イオン交換カラム(Whatman社製)に供し、100mM〜1000mM NaCl直線濃度勾配により溶出した。その結果、約500mM NaClのところに溶出されたRNaseH画分を得た。
このRNaseH画分150mlをPEG(ポリエチレングリコール)20000で50mlに濃縮した。これに150mMのバッファーC〔20mM トリス−HCl(pH7.0)、1mM EDTA、10mM 2−メルカプトエタノール〕を加え、バッファーBで平衡化したHeparin−Sepharose OL−6Bヘパリンアフィニティカラム(Amarsham BioSciences社製)に供し、100mM〜500mM NaCl直線濃度勾配により溶出した。その結果、約250mM NaClのところに溶出されたRNaseH画分を得た。
このRNaseH画分130mlを、PEG20000によって10mlに濃縮した後、バッファーD〔20mM トリス−HCl(pH7.0)、0.5mM EDTA、200mM NaCl、10mM 2−メルカプトエタノール〕で平衡化したHiLoad 26/60 SuperdexG200HRゲル濾過カラム(Amarsham BioSciences社製)に供し、バッファーDで溶出を行った結果、25mlのRNaseH画分を得た。
このRNaseH画分25mlに35mlのバッファーCを加え、バッファーBで平衡化したSP−Sepharose FF陽イオン交換カラム(Amarsham BioSciences社製)に供し、100mM〜500mM NaCl直線濃度勾配により溶出した。その結果、約250mM NaClのところに溶出されたRNaseH画分50mlを得た。
このRNaseH画分50mlを、Ultrafree−4 BIOMAX−5K(Millipore社製)を用いて11mlに遠心濃縮した。この濃縮液11mlを形状バッファー〔25mM トリス−HCl(pH7.0)、0.5mM EDTA、30mM NaCl、5mM 2−メルカプトエタノール、50% グリセロール〕に対して透析し、4.5mlのRNaseH溶液を得た。
こうして得られたRNaseHをAprRNaseH標品とした。
上記で得られたAprRNaseH標品を用いて、実施例1−(6)に記載の方法により酵素活性を測定した結果、AprRNaseH標品にRNaseH活性が認められた。
実施例2 ホモロジー検索
実施例1において得られたアルカエオグロバス プロファンダス(Apr)RNaseHのアミノ酸配列とそれをコードする塩基配列について、ホモロジー検索を行なった。相同性は検索プログラムとして、コンピュータアルゴリズムFASTA(バージョン3.2;パーソン(Pearson,W.R.)ら、Pro.Natl.Acad.Sci.,85:2444−2448,1988)で算出した。
コンピュータアルゴリズムFASTAで遺伝子データベースをApr RNaseHに関して検索した。その結果、Apr RNaseHのアミノ酸配列、塩基配列に対して、リボヌクレアーゼであると推定されているアミノ酸配列、塩基配列で最も相同性の高かったものは、それぞれ53%、60%の相同性を有していた。
実施例3 RNaseHの耐熱性の検討
アルカエオグロバス プロファンダス RNaseHとして実施例1−(6)で得られたpApr108で形質転換された大腸菌を用いて耐熱性を調べた。すなわち、上記大腸菌を培養し、培養液から調製した素酵素抽出液を95℃、15分の条件で熱処理を行ない、実施例1−(6)と同様の方法でRNaseH活性を調べた。その結果、アルカエオグロバス プロファンダス由来のRNaseHにおいてRNaseH活性が確認できた。
さらに、熱処理バッファー(25mM Tris−HCl(pH8.0),5mM メルカプトエタノール、30mM NaCl、0.5mM EDTA、0.1% BSA、50% グリセロール)中の5単位/mlのApr RNaseHを、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃のそれぞれの温度条件で10分間熱処理し、残存活性を調べた。熱処理をしなかったサンプル、熱処理後のサンプルを、最終濃度0.2単位/mlになるように、最終濃度がそれぞれ32mMヘペス−水酸化カリウムバッファー(pH7.8)、100mM 酢酸カリウム、1% DMSO、0.05% BSA、4mM 酢酸マグネシウム、0.2μM 基質 DNA−RNA−DNA、1μM templateW49(配列番号16)の活性測定溶液に添加して、probeW3(配列番号15)に対する酵素単位当たりの分解速度を求めた。熱処理を行わなかったRNaseHの活性を100として図1に、その結果を示す。Apr RNaseHは、50〜80℃においては、ほぼ100%、90℃、10分間の反応の後でも、86.9±7.0%の残存活性を有していた。
実施例4 Apr由来RNaseHを用いたICAN systemによるHBV検出の検討
配列表の配列番号10に記載のHBV Xプロテイン遺伝子の一部である560bpをPCR反応にて増幅し、その断片をTAクローニングによりpT7Blue Tベクターに挿入した。これをHBV陽性コントロールプラスミドとした。
反応組成は最終濃度32mMヘペス−水酸化カリウムバッファー(pH7.8)、100mM酢酸カリウム、1%DMSO、0.01%BSA、4mM酢酸マグネシウム、各600μMdNTP混合物、11単位BcaBEST DNAポリメラーゼ、および、配列表の配列番号11、12に記載の塩基配列を有するHBVF−2プライマーとHBVR−1プライマーを各々50pmol、HBV陽性コントロール10コピー、および、Apr由来RNaseH、1.625単位 または、3.25単位 または、6.5単位 または、13単位を添加して最終容量を25μlにした。該反応液は予め55℃に設定したサーマルサイクラーにセットし、60分間保持した。
反応終了後、該反応液3μlを3.0%アガロースゲル電気泳動に供した。その結果、いずれのRNaseH量においても目的の増幅断片76bpが確認できた。
同様の実験を、HBV陽性コントロール10コピー、またはHBV陽性コントロール10コピー、またはHBV陽性コントロール1コピーの場合についても行い、HBV陽性コントロールに対する感度を検討した。その結果、Apr RNaseH 6.5単位添加した場合の感度が最も高く、HBV陽性コントロール1コピーを検出すること出来た。
次にピロコッカス フリオサス(Pyrococcus furiosusu)由来RNaseHII(Pfu RNaseHII)、アルカエオグロバスフルギダス(Archaeoglobus fulgidus)由来 RNaseHII(Afu RNaseHII)、サーモコッカス リトラリス(Thermococcus litoralis)由来 RNaseHII(Tli RNaseHII)を国際公開第02/22831号パンフレット記載の方法で調製し、上記ICAN systemによるHBV検出に用いて、その感度をApr RNaseHと比較した。Pfu RNaseHII を用いた場合に最も高い感度が得られた酵素添加量は2.2単位で、HBV陽性コントロールに対する感度は10コピーであった。Afu RNaseHII を用いた場合に最も高い感度が得られた酵素添加量は2.2単位で、HBV陽性コントロールに対する感度は10コピーであった。Tli RNaseHII を用いた場合に最も高い感度が得られた酵素添加量は8単位で、HBV陽性コントロールに対する感度は10コピーであった。
このように、このICAN systemによるHBV遺伝子の検出では、Apr由来RNaseHを用いた場合にHBV陽性コントロール1コピーを検出することが可能であり、最も高い感度が得られることが確認できた。
AprRNaseHの基質形状の違いによる基質分解速度の比較
配列中に含むRNAの数が異なる3つのDNA−RNA−DNAである、probeW1(配列番号13)、probeW2(配列番号14)、probeW3(配列番号15)を基質に用いた場合のRNaseHによる分解速度を測定し、その違いを調べた。同時に、ピロコッカス フリオサス(Pyrococcus furiosus)由来RNaseHII(Pfu RNaseHII)、ピロコッカス ホリコシイ(Pyrococcus horikoshii)由来 RNaseHII(Pho RNaseHII)を国際公開第02/22831号パンフレット記載の方法で調製し、サーマス サーモファイラス(Thrmus thermophilus)由来RNaseHI(Tth RNaseHI、東洋紡社製)とあわせて、上記の基質を用いた時の切断速度を比較した。
FAMの最大励起波長495nm付近の波長をprobeW1,probeW2,probeW3を含む溶液に当てた場合、各基質の5’端に修飾されたFAMが最大波長519nmの蛍光を発するが、その蛍光は、3’端に修飾されたDABCYLとの間に起こる蛍光共鳴エネルギー移動(Fluoresence resonance energy transfer、FRET)によって減衰される。基質がRNaseHによって切断を受けた場合は、FRETが解消されるので、519nm の蛍光強度は増大する。従って、基質が切断を受ける前と切断された後の519nmの蛍光強度差を測定することにより、基質の分解をモニターすることが出来る。
基質濃度が酵素濃度に対して十分な場合は、酵素反応産物量は時間に比例して増大する。酵素量に対して十分過剰な量の基質を用いて、その分解速度を519nmの蛍光強度の測定によりモニターする時、反応初期の単位時間当たりの蛍光強度上昇は、一次式で近似出来る。この近似直線の傾きは、時間当たりの蛍光強度上昇((蛍光強度)/(分))になる。また、蛍光強度上昇がプラトーに達し、更に蛍光強度が最大に達した時に反応系中の基質が完全に分解したと仮定すると、(最大の蛍光強度)−(分解前の蛍光強度)は、基質分解量当たりの蛍光強度上昇値となる。この値と、時間当たりの蛍光強度上昇((蛍光強度)/(分))から、反応速度v((基質分解量)/(分))を求めることが出来る。
最終濃度がそれぞれ32mM ヘペス−水酸化カリウムバッファー(pH7.8)、100mM 酢酸カリウム、1% DMSO、0.05% BSA、4mM 酢酸マグネシウム、0.2μM 基質 DNA−RNA−DNA、1μM templateW49(配列番号16)の活性測定溶液に最終濃度0.4単位/ml、0.8単位/ml、1.6単位/ml、2.4単位/ml のAprRNaseHをそれぞれ添加した。RNaseHの反応と蛍光強度の測定には、タカラバイオ社製リアルタイムPCR測定装置SmartCyclerを用い、55℃で100分間反応させて反応速度v((基質分解量)/(分))を求めた。更に、AprRNaseHの濃度に対して、反応速度v((基質分解量)/(分))をプロットし、検量線を作成してその傾きから酵素単位当たりの反応速度((基質分解量)/(分・単位))を求めた。また、Pfu RNaseHII、Pho RNaseHII、Tth RNaseHIについても同様の方法で活性測定を行い、酵素単位当たりの反応速度((基質分解量)/(分・単位))を求めた。Tth RNaseHIに関しては、最終濃度10単位/ml、20単位/ml、30単位/ml、40単位/mlのTth RNaseHIを活性測定溶液にそれぞれ添加した。
各酵素のprobeW1,probeW2,probeW3に対する酵素単位当たりの反応速度を、表2に示す。表中の数値は、pmol/(分・単位)を示す。また、probeW3に対する酵素単位当たりの反応速度を100%とした場合の相対的な反応速度をカッコ内に示す。他のRNaseHに比べてApr RNaseHは、RNAの数がいずれの場合でも切断速度が大きく、RNAが2個の基質に対する切断速度が最も大きかった。RNAが1個または2個の基質に対する切断速度が、RNAが3個の基質を切断する速度に近い値を示した。
Figure 0004105693
以上のように、RNAの長さに切断速度が影響されにくいApr RNaseHは、核酸増幅反応、核酸検出反応に有用であることが示された。
産業上の利用の可能性
本発明により、遺伝子工学において利用価値の高いRNaseH活性を有するポリペプチド、該ポリペプチドをコードする遺伝子ならびに該ポリペプチドの遺伝子工学的製造方法を提供される。また、本発明のRNaseHは耐熱性を有しており、工業的に有利なRNaseHの製造方法も提供される。
本発明によって、さまざまな用途で本発明のRNaseHを用いることが可能となった。
Figure 0004105693
Figure 0004105693

Claims (6)

  1. 下記の群より選択され、RNAが1個のDNA−RNA−DNAキメラ核酸を切断することができ、かつ、リボヌクレアーゼH活性を有することを特徴とするポリペプチド:
    (a)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    (b)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入又は置換を有するポリペプチド;
    (c)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド。
  2. 下記の群より選択され、RNAが1個のDNA−RNA−DNAキメラ核酸を切断することができ、かつ、リボヌクレアーゼH活性を有するポリペプチドをコードする核酸:
    (a)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸;
    (b)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入又は置換を有するポリペプチドをコードする核酸;
    (c)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸;
    (d)配列表の配列番号2に示される塩基配列を含む核酸;
    (e)配列表の配列番号2に示される塩基配列において、1もしくは数個の塩基の欠失、付加、挿入又は置換を有する塩基配列からなる核酸;
    (f)配列表の配列番号2に示される塩基配列に少なくとも90%の同一性を有する塩基配列である核酸。
  3. 請求項2記載の核酸を含んでなる組換えDNA。
  4. 請求項3記載の組換えDNAにより形質転換されてなる形質転換体。
  5. 請求項4記載の形質転換体を培養する工程、および該培養物中より請求項2記載の核酸によってコードされるリボヌクレアーゼH活性を有するポリペプチドを採取する工程を包含することを特徴とするリボヌクレアーゼH活性を有するポリペプチドの製造方法。
  6. Escherichia coli HMS174/pApr108(FERM BP−8433として寄託)に保持されるプラスミドpApr108を導入した形質転換体を培養して得られる、pApr108上にコードされるリボヌクレアーゼH活性を有するポリペプチド。
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