JP4105532B2 - 車々間通信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線によって車々間を接続する車々間通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、走行中の車両と車両の間を無線で接続し、次々に情報を中継する車々間通信方式が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような車々間通信方式を用いることにより、一の車両から送信された問い合わせを不特定多数の車両間で中継し、送信先の車両において受信することが可能になる。また、同様にして車々間で中継することにより、この送信先の車両から送信元の車両に向けて問い合わせに対する回答を送り返すことが可能になる。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−119331号公報(第2−5頁、図1−5)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通信経路が固定された一般の通信を考えると、上述した問い合わせに対する回答を送り返す経路(復路)として、問い合わせの送信経路(往路)を逆に辿った経路が用いられる。ところが、特許文献1に開示された車々間通信方式では、通信経路の構成が車両の走行状態に応じて変化するため、往路を逆に辿った復路を利用できない場合がある。例えば、一の車両から他の車両に対して問い合わせを送信した後、これらの車両間の距離が離れて、回答を送り返す際に他の車両の通信可能範囲に一の車両が含まれなくなってしまう場合がある。このように、車々間通信においては、車両の相対位置によっては情報を送り返す経路が切断されてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、データを送信する経路を確実に確保することができる車々間通信システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の車々間通信システムは、現在および過去のいずれかにおいて第1の車両と通信可能な状態にあった複数の第2の車両が含まれており、第2の車両から第1の車両に向けて無線通信手段によってデータを送信する際の経路設定を行う。また、第1の車両は、通信可能範囲に含まれる第2の車両に対して、所定間隔で確認信号を送信する確認信号送信手段を備えている。第2の車両は、確認信号を受信している間は所定の値を有する確認情報を作成し、確認信号の受信が途絶えてからは所定間隔で確認情報の値を逐次一方向に変化させる更新を行う確認情報更新手段と、第2の車両から第1の車両に向けてデータを送信する際に直接送信することが不可能なときに、通信可能範囲に含まれる他の第2の車両の中から第1の車両が遠ざかっていった方向に位置する第2の車両を確認情報に基づいて探す車両検索手段と、車両検索手段によって検索された他の第2の車両に向けて第1の車両を送信先とするデータを送信する送信処理手段とを備えている。データを送信しようとしている第2の車両から第1の車両が次第に遠ざかっていったときに、その方向に沿って各第2の車両が保持する確認情報の更新回数が少なくなるため、この確認情報に基づいて第1の車両が遠ざかった方向に沿って位置する第2の車両を知ることができ、この第2の車両に対して第1の車両を送信先とするデータを送るというデータの中継動作を繰り返すことにより、確実にデータを送信する経路を確保することが可能になる。
【0007】
また、上述した確認情報更新手段は、確認信号を受信している間は、第1の車両との間の通信状態に応じた値が設定された確認情報を作成することが望ましい。具体的には、上述した確認情報更新手段は、第1の車両までの距離および第1の車両から送信される電波の電界強度の少なくとも一方を用いて通信状態を判定することが望ましい。これにより、通信状態を考慮した確認情報を作成することが可能になり、通信状態が良好な第2の車両に向けてデータを送信することが可能になる。
【0008】
また、上述した車両検索手段は、確認情報の更新回数が自車両よりは少ない中で最も多く、かつ、自車両に最も近い他の第2の車両を探すことが望ましい。これにより、第1の車両が移動していった軌跡に沿って配置された第2の車両に向けて確実にデータを送信することが可能になる。
【0009】
また、上述した車両検索手段は、確認情報の更新回数が最も少なく、かつ、自車両に最も遠い他の第2の車両を探すことが望ましい。これにより、第1の車両が移動していった軌跡に沿って配置されたより遠くの第2の車両に向けてデータを送信することが可能になり、データの中継回数を減らすことが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した一実施形態の車々間通信システムについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の車々間通信システムの概要を示す図である。本実施形態の車々間通信システムでは、図1に示すように2台の車両が相互に無線接続された状態で、(1)まず一方の車両Bから他方の車両Cに対して情報を送信する。(2)次に、車両Cは、この情報に対する回答等を含む情報を返送する。ところで、これらの2台の車両B、Cは、別々に移動中であり、車両Cから車両Bに対して情報を送信する際に、必ずしも車両Cの通信可能エリア内を車両Bが走行中であるとは限らない。(3)このような場合に、本実施形態の車々間通信システムでは、確実に通信経路を確保することが可能な中継車両E(2台以上の中継車両を経由してもよい)を探しだす動的な経路設定が行われる。
【0011】
図2は、本実施形態の車々間通信システムの拡張例を示す図である。図1に示す例では2台の車両B、C間で情報を送受信する場合を考えたが、本実施形態の車々間通信システムは3台以上の車両間で情報を送受信する場合に拡張することが可能である。例えば、図2に示すように、4台の車両A、B、C、Dが走行中に、車両Aから送信された情報が車両B、Cで中継された車両Dによって受信される。次に、車両Dでは、この受信した情報の送信元である車両Aに向けて返送する情報を用意し、送信経路を逆に辿った一つ前の車両Cに情報を送信する。ところが、このとき、車両Dから情報を受け取った車両Cと車両Bとの間の距離が遠ざかってしまった場合には、車両Cから車両Bに対して中継することができなくなってしまう。このような場合には、本実施形態の車々間通信システムでは、確実に通信経路を確保することが可能な中継車両Eを探し出す動的な経路設定が行われる。
【0012】
図3は、本実施形態の車々間通信システムを構成する各車両に搭載された車載装置100の構成を示す図である。図3に示すように、車載装置100は、車載端末装置10、GPS装置20およびアプリケーション処理装置200を含んで構成されている。
【0013】
車載端末装置10は、他の車両に搭載された車載端末装置10との間で無線通信を行うことにより、各種の情報を送受信する。このために、車載端末装置10は、端末制御部11、通信情報格納部12、送信部13、受信部14、アンテナ切替部15を含んで構成されている。
【0014】
端末制御部11は、情報の送受信制御および中継制御を行う。例えば、パケットの形式でデータの送受信を行うものとすると、端末制御部11は、自車両が送信元となるパケットを作成して送信処理を行ったり、自車両が送信先となるパケットを受信したときにこれを取り込む受信処理を行ったり、他の車両が送信先となるパケットを受け取ったときにこれを他の車両に転送する中継処理を行う。
【0015】
通信情報格納部12は、他の車両からパケットが送られてきたときにこの送信元となる他の車両の車載端末装置10のアドレスを格納するとともに、本実施形態において動的な経路設定を行うために必要な各種の情報(後述する)を格納する。
【0016】
送信部13は、端末制御部11から出力される送信信号(パケット)を、他の車両に向けてアンテナ切替部15を介してアンテナ17から送信する処理を行う。また、受信部14は、他の車両から送信されてアンテナ17に到達した受信信号(パケット)をアンテナ切替部15を介して受信する処理を行う。また、この受信部14は、周囲の車両の送信電波の受信レベルを検出する機能を有しているアンテナ切替部15は、端末制御部11から入力される送受信切替信号に基づいて、アンテナ17を送信部13あるいは受信部14に選択的に接続する。
【0017】
また、上述した車載端末装置10には、GPS装置20とアプリケーション処理装置200が接続されている。GPS装置20は、GPSアンテナとこのGPSアンテナで受信した衛星の電波を解析する演算部とを有しており、車載装置100が搭載された車両の位置(経度、緯度)を出力する。
【0018】
アプリケーション処理装置200は、車載端末装置10に対して情報の送信を指示したり、受信した情報を受け取って所定の処理を行う。例えば、ナビゲーション装置や車載コンピュータ等によってアプリケーション処理装置200が構成されている。
【0019】
上述した端末制御部11が確認信号送信手段、車両検索手段、送信処理手段ににそれぞれ対応する。端末制御部11および通信情報格納部12が確認情報更新手段に対応する。また、送信部13、受信部14、アンテナ切替部15、アンテナ17が無線通信手段に対応する。
【0020】
本実施形態の車々間通信システムはこのような構成を有しており、次にその動作を説明する。
本実施形態では、図1や図2に示した2台の車両B、Cを考えたときに、情報の送信側の車両B(必ずしも送信元の車両だけでなく、図2に示すように情報を中継する際の送信側の車両であってもよい)に着目し、この着目車両の通信可能範囲内で重み情報を検出する動作がその他の各車両(この重み情報を検出する車両を「検出車両」と称する)において行われる。なお、この重み情報は、他の車両から確認信号が送られてきたときにその内容が更新される確認情報であり、確認信号や重み情報の内容更新の具体的な方法については後述する。
【0021】
また、本実施形態では、着目車両からの距離と電界強度に基づいて重み情報が作成される。具体的には、各検出車両において、着目車両からの距離に基づいて設定される重み係数と、電界強度に基づいて設定される重み係数とを組み合わせることにより重み情報が作成される。
【0022】
図4は、距離に基づいて設定される重み係数の具体例を示す図である。図4に示すように、着目車両から検出車両までの距離が0〜20mの場合に重み係数が1に、20m〜40mの場合に重み係数が0.6に、40m〜60mの場合に重み係数が0.4に、60m以上のときに重み係数が0にそれぞれ設定される。
【0023】
図5は、電界強度に基づいて設定される重み係数の具体例を示す図である。図5に示すように、検出車両において着目車両から送信される電波の電界強度を検出したときに、電界強度が「強」の場合に重み係数が1に、「中」の場合に重み係数が0.6に、「弱」の場合に重み係数が0.4にそれぞれ設定される。
【0024】
図6は、距離と電界強度のそれぞれに対応する重み係数を用いて作成される重み情報の具体例を示す図である。例えば、重み情報基準値が「8」に設定されており、この値に距離に基づいて設定された重み係数と電界強度に基づいて設定された重み係数を掛け合わせることにより重み情報が作成される。例えば、図6において、検出車両としての「車1」では、距離(0〜20m)に基づく重み係数が1、電界強度(強)に基づく重み係数が1であり、これらを重み情報基準値「8」に掛け合わせた値「8」が重み情報となる。同様に、「車2」では、距離(20m〜40m)に基づく重み係数が0.6、電界強度(強)に基づく重み係数が1であり、これらを重み情報基準値「8」に掛け合わせた値「4.8」が重み情報となる。「車3」では、距離(20m〜40m)に基づく重み係数が0.6、電界強度(中)に基づく重み係数が0.6であり、これらを重み情報基準値「8」に掛け合わせた値「2.88」が重み情報となる。
【0025】
図7は、着目車両の周辺を走行中の各車両に対応する重み情報の分布を示す図である。図7において、Gが着目車両を示しており、その周囲であって数字が配置された場所に各検出車両がいるものとする。例えば、a、b、c、dで示された位置を走行中の各検出車両に対応する重み情報は、それぞれ0、2、4、8となっている。なお、図6に示した例では車1、2、3に対応するそれぞれの重み情報は8、4.8、2.88となって、小数点以下の値を有していたが、図7では、小数点以下を切り捨てて重み情報の値が表示されている。
【0026】
次に、上述した重み情報を用いて、情報を返送する経路を動的に設定する動作を説明する。
(1)各車両において送られてきた情報を中継・受信する動作
まず、図2において車両Aから送信されたパケットを車両B、Cで中継したり、車両Dで最終的に受信する動作について説明する。図8は、パケットの中継・受信を行う車載端末装置10の動作手順を示す流れ図である。
【0027】
車両Bの車載端末装置10内の端末制御部11は、他の車両からパケットを受信したか否かを判定しており(ステップ100)、パケットを受信しない場合には否定判断を行ってこの判定を繰り返す。また、例えば車両Aから送られてくるパケットを受信するとステップ100において肯定判断が行われ、次に、端末制御部11は、パケットを受信した車両A(あるいはこの車両Aの車載端末装置10)を記録する(ステップ101)。例えば、車両A(あるいはこの車両Aの車載端末装置10)を特定する情報が通信情報格納部12に格納されて、車両Aの記録が行われる。
【0028】
次に、端末制御部11は、受信したパケットのヘッダ情報等に基づいて、ブロードキャスト配信が指示されているか否かを判定する(ステップ102)。ブロードキャスト配信が指示されていない場合には否定判断が行われ、次に、端末制御部11は、受信したパケットが自車両宛であるか否かを判定する(ステップ103)。自車両宛の場合には肯定判断が行われ、端末制御部11は、受信パケットに含まれる受信データを抽出してアプリケーション処理装置200に向けて出力する(ステップ104)。その後、ステップ100に戻って、パケットの受信判定以降の動作が繰り返される。
【0029】
また、受信したパケットが自車両宛でない場合にはステップ103において否定判断が行われ、次に、端末制御部11は、他の車両に向けてパケットを転送する(ステップ105)。その後、ステップ100に戻って、パケットの受信判定以降の動作が繰り返される。
【0030】
また、ブロードキャスト配信が指示された場合にはステップ102の判定において肯定判断が行われ、次に、端末制御部11は、受信パケットに含まれる受信データを抽出してアプリケーション処理装置200に向けて出力する(ステップ106)。その後、ステップ105に移行して、他の車両に向けてパケットを転送する処理が行われる。
【0031】
このようにして、送信先の車両に到達するまで、複数の車両間をパケットが中継される。なお、上述した例では、ブロードキャスト配信か否かを判定するようにしたが、マルチキャスト配信が指示された場合もブロードキャスト配信と同様に扱われる。
【0032】
(2)各車両において重み情報を作成・更新する動作
次に、各車両において重み情報を作成するとともにその内容を更新する動作について説明する。図9は、重み情報を作成・更新する車載端末装置10の動作手順を示す流れ図である。
【0033】
例えば、車両Cに搭載された車載端末装置10内の端末制御部11は、他の車両に搭載された車載端末装置10から送信された確認信号を受信したか否かを判定する(ステップ110)。この確認信号とは、各車両から所定間隔(例えば1秒間隔)で送信される車両の存在を確認するための信号である。例えば、確認信号に対応するパケットには、この確認信号を送信した車両を特定する情報と、この車両の位置とが含まれている。なお、この車両の通信範囲内に一度も入ってこない車両については、確認信号の送信の有無を判定することはできないので、過去に少なくとも一度は通信範囲内に進入したことのある他の車両のそれぞれについて個別の確認信号の有無が判定される。
【0034】
例えば、車両Bから送信された確認信号を受信するとステップ110の判定において肯定判断が行われ、次に、端末制御部11は、自車両とこの確認信号を送信してきた車両との間の距離を計算する(ステップ111)。確認信号としてのパケットにはこの確認信号を送信した車両の位置が含まれているため、端末制御部11は、自車両に備わったGPS装置20で検出した車両位置と、確認信号を送信した車両の車両位置とに基づいて距離を計算する。また、端末制御部11は、受信部14によって検出された確認信号の送信元の車両に対応する送信電波の受信レベルに基づいて、電界強度を判定する(ステップ112)。
【0035】
次に、端末制御部11は、距離に対応する重み係数と、電界強度に対応する重み係数とから重み情報を作成し(ステップ113)、通信情報格納部12に格納する(ステップ114)。その後、ステップ110に戻って、確認信号の有無を判定する動作が所定間隔で繰り返される。このようにして、車両Cの通信可能範囲内に車両Bがいる間は(正確には、車両Bの通信可能範囲内に車両Cがいて、所定間隔で確認信号を受信している間は)、車両Cの端末制御部11は、車両Bに対応する重み情報を所定間隔で作成し、それ以前の内容に上書きして格納し続ける。
【0036】
また、車両Bが車両Cから遠ざかって、車両Bから送信された確認信号が車両Cに到達しなくなるとステップ110の判定において否定判断が行われる。この場合には、端末制御部11は、その時点で格納されている車両Bに対応する重み情報の値から「1」を減じる更新処理を行う(ステップ115)。このようにして、確認信号の受信が途絶えると、その後所定間隔で、車両Bに対応する重み情報が次第に小さい値に更新される。なお、最初にステップ110で否定判断されてステップ115で重み情報の更新を行う場合に、その時点で格納されている車両Bに対応する重み情報の値から「1」を減じる代わりに、その時点で格納されている重み情報の値に関わらずその値を「−1」に更新するようにしてもよい。この場合には、重み情報の値を、確認信号が受信されなくなってから重み情報が更新された回数に一致させることができる。
【0037】
図10および図11は、重み情報の作成・更新の具体例を示す図である。これらの図において、「B」、「C」が車両B、Cの走行位置を示しており、0〜8の数字は、各数字の位置にいる車両において作成される車両Bの重み情報を示している。図10に示すように、車両Cと車両Bとが互いの通信範囲内にいて、車両Bから送信された確認信号が車両Cに到達する場合には、車両Cでは、そのときの車両Bまでの距離と車両Bから送信される電波の電界強度とに基づいて作成される重み情報(図10では「0」)が格納される。その後、車両Bから送信された確認信号が車両Cに届かなくなると、車両Cでは、それまでに保持されていた車両Bの重み情報から「1」を減じる更新処理が行われる(図11)。
【0038】
なお、上述した車両Bに対応する重み情報の作成・更新処理は、直接パケットを受信した車両Cで行われるだけでなく、車両Bから送信されたパケットを受信していないが車両Bの通信可能範囲内に入って確認信号のみを受信した各車両において行われる。
【0039】
また、確認信号を受信しなくなってから十分な時間が経過した車両については、所定のタイミングで(例えば所定時間経過したタイミングで)重み情報が削除される。これにより、通信の可能性がほぼなくなった車両に対応して行われる重み情報更新に要する処理の負担を軽減することができる。
【0040】
(3)各車両においてパケットを返送する動作
次に、各車両においてパケットを返送する動作について説明する。図12は、一の車両から他の車両に向けてパケットを返送する動作手順を示す流れ図である。なお、このパケットの返送動作には、自車両が送信元となって他の車両にパケットを送信する場合と、他の車両から受信したパケットを別の他の車両に転送する場合の両方が含まれている。
【0041】
例えば、車両Cに搭載された端末制御部11は、自車両からパケットの送信を行うか否かを判定する(ステップ200)。例えば、車両Bに向けてパケットを送信する要求が発生した場合にはステップ200の判定において肯定判断が行われ、次に、端末制御装置11は、パケットの送信先となる車両Bが通信範囲内にいるか否かを判定する(ステップ201)。車両Bが車両Cの通信範囲内にいない場合にはステップ201の判定において否定判断が行われ、次に、端末制御部11は、車両Cの通信範囲内にいる全車両から車両Bに対応する重み情報を取得する(ステップ202)。次に、端末制御部11は、自車両が保持する車両Bの重み情報よりも1つ大きな重み情報を有し、かつ、自車両から最も近い位置にいる車両を特定し(ステップ203)、この車両に向けてパケットを送信する(ステップ204)。このようにして、自車両が保持する車両Bの重み情報よりも更新回数が少ない中で最も多く、かつ、自車両に最も近い位置にいる車両が特定されてパケットが送信される。
【0042】
また、車両Bが車両Cの通信範囲内にいる場合にはステップ201の判定において肯定判断が行われ、次に、端末制御部11は、車両Bに対して直接パケットを送信する(ステップ204)。
図13は、重み情報に基づいてパケットの次の送信先の車両を設定する具体例を示す図である。車両Cと車両Bとが互いに遠ざかって、車両Cから車両Bにパケットを直接送信できない場合が示されている。まず、車両Cは、通信範囲内に車両Bがいないことを確かめた後、周囲の車両が保持する車両Bの重み情報を取得し、自車両が保持する重み情報「−2」よりも1つだけ大きい重み情報を有し、かつ、自車両に最も近い車両E1を探し、この車両E1にパケットを送って車両Bへの中継を依頼する。
【0043】
同様にして、車両E1は、通信範囲内に車両Bがいないことを確かめた後、周囲の車両が保持する車両Bの重み情報を取得し、自車両が保持する重み情報「−1」よりも1つだけ大きい重み情報を有し、かつ、自車両に最も近い車両E2を探し、この車両E2にパケットを送って車両Bへの中継を依頼する。
【0044】
車両E2の通信範囲内には、パケットの送信先となる車両Bがいるため、車両E2は、車両Bに対して直接パケットを送信する。
このように、パケットの送信元の車両から送信先の車両が次第に遠ざかっていったときに、その方向に沿って他の車両が保持する重み情報の更新回数が少なくなるため、この重み情報の値(あるいは更新回数)に基づいて送信先の車両が遠ざかった方向に沿って位置する他の車両を知ることができ、この他の車両に対してデータを送るという中継動作を繰り返すことにより、確実にデータを送信する経路を確保することが可能になる。
【0045】
また、確認信号を受信したときに重み情報の値を通信状態に応じて、具体的には確認信号の送信元の車両との間の距離やこの車両から送信される電波の電界強度に応じて設定することにより、通信状態が良好な車両に向けてパケットを送信することが可能になる。
【0046】
また、パケットを返送する際に、自車両の通信範囲内にパケットの送信先の車両がいなかった場合に、自車両が保持する重み情報よりも1つだけ大きな重み情報を有し、かつ、自車両に最も近い他の車両を探して、パケットの中継を依頼することにより、パケットの送信先の車両が移動していった軌跡に沿って存在している他の車両に向けて確実にパケットを送信することが可能になる。
【0047】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。上述した実施形態では、パケットを返送する際に、自車両の通信範囲内にパケットの送信先の車両がいなかった場合に、自車両が保持する重み情報よりも1つだけ大きな重み情報を有し、かつ、自車両に最も近い他の車両を探して、パケットの中継を依頼しているが、パケットの中継を依頼する他の車両は、他の条件で探すようにしてもよい。
【0048】
図14は、一の車両から他の車両に向けてパケットを返送する他の動作手順を示す流れ図である。図12に示した動作手順に対して、ステップ203をステップ210に置き換えた点が異なっている。ステップ210では、端末制御部11は、最も大きな車両Bの重み情報を有し、かつ、自車両から最も遠い位置にいる車両を特定する。これにより、重み情報の更新回数が最も少なく、かつ、自車両から最も遠い位置にいる車両が特定されてパケットが送信される。
【0049】
図15および図16は、重み情報に基づいてパケットの次の送信先の車両を設定する具体例を示す図であり、図14の動作手順に対応している。まず、車両Cは、通信範囲内に車両Bがいないことを確かめた後、周囲の車両が保持する車両Bの重み情報を取得し、車両Bに対応する最も大きな重み情報「−1」を有し、かつ、自車両に最も遠い車両E3を探し、この車両E3にパケットを送って車両Bへの中継を依頼する(図15)。
【0050】
同様にして、車両E3は、通信範囲内に車両Bがいないことを確かめた後、周囲の車両が保持する車両Bの重み情報を取得し、車両Bに対応する最も大きな重み情報「8」を有し、かつ、自車両に最も遠い車両E4を探し、この車両E4にパケットを送って車両Bへの中継を依頼する。
【0051】
車両E4の通信範囲内には、パケットの送信先となる車両Bがいるため、車両E4は、車両Bに対して直接パケットを送信する。
このように、重み情報が最も大きな他の車両であって、自車両から最も遠い車両に向けてパケットの中継を依頼することにより、パケットの中継回数を減らすことが可能になる。
【0052】
また、上述した実施形態では、車両間の距離と電界強度に基づいて重み情報を作成したが、どちらか一方に基づいて重み情報を作成するようにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、データを送信しようとしている第2の車両から第1の車両が次第に遠ざかっていったときに、その方向に沿って各第2の車両が保持する確認情報の更新回数が少なくなるため、この確認情報に基づいて第1の車両が遠ざかった方向に沿って位置する第2の車両を知ることができ、この第2の車両に対して第1の車両を送信先とするデータを送るというデータの中継動作を繰り返すことにより、確実にデータを送信する経路を確保することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の車々間通信システムの概要を示す図である。
【図2】本実施形態の車々間通信システムの拡張例を示す図である。
【図3】本実施形態の車々間通信システムを構成する各車両に搭載された車載装置の構成を示す図である。
【図4】距離に基づいて設定される重み係数の具体例を示す図である。
【図5】電界強度に基づいて設定される重み係数の具体例を示す図である。
【図6】距離と電界強度のそれぞれに対応する重み係数を用いて作成される重み情報の具体例を示す図である。
【図7】着目車両の周辺を走行中の各車両に対応する重み情報の分布を示す図である。
【図8】パケットの中継・受信を行う車載端末装置の動作手順を示す流れ図である。
【図9】重み情報を作成・更新する車載端末装置の動作手順を示す流れ図である。
【図10】重み情報の作成・更新の具体例を示す図である。
【図11】重み情報の作成・更新の具体例を示す図である。
【図12】一の車両から他の車両に向けてパケットを返送する動作手順を示す流れ図である。
【図13】重み情報に基づいてパケットの次の送信先の車両を設定する具体例を示す図である。
【図14】一の車両から他の車両に向けてパケットを返送する他の動作手順を示す流れ図である。
【図15】重み情報に基づいてパケットの次の送信先の車両を設定する具体例を示す図である。
【図16】重み情報に基づいてパケットの次の送信先の車両を設定する具体例を示す図である。
【符号の説明】
10 車載端末装置
11 端末制御部
12 通信情報格納部
13 送信部
14 受信部
15 アンテナ切替部
17 アンテナ
20 GPS装置
100 車載装置
200 アプリケーション処理装置
Claims (5)
- 現在および過去のいずれかにおいて第1の車両と通信可能な状態にあった複数の第2の車両が含まれており、前記第2の車両から前記第1の車両に向けて無線通信手段によってデータを送信する際の経路設定を行う車々間通信システムであって、
前記第1の車両は、通信可能範囲に含まれる前記第2の車両に対して、所定間隔で確認信号を送信する確認信号送信手段を備え、
前記第2の車両は、前記確認信号を受信している間は所定の値を有する確認情報を作成し、前記確認信号の受信が途絶えてからは所定間隔で前記確認情報の値を逐次一方向に変化させる更新を行う確認情報更新手段と、前記第2の車両から前記第1の車両に向けてデータを送信する際に直接送信することが不可能なときに、通信可能範囲に含まれる他の前記第2の車両の中から前記第1の車両が遠ざかっていった方向に位置する前記第2の車両を前記確認情報に基づいて探す車両検索手段と、前記車両検索手段によって検索された他の前記第2の車両に向けて前記第1の車両を送信先とするデータを送信する送信処理手段とを備えることを特徴とする車々間通信システム。 - 請求項1において、
前記確認情報更新手段は、前記確認信号を受信している間は、前記第1の車両との間の通信状態に応じた値が設定された前記確認情報を作成することを特徴とする車々間通信システム。 - 請求項2において、
前記確認情報更新手段は、前記第1の車両までの距離および前記第1の車両から送信される電波の電界強度の少なくとも一方を用いて前記通信状態を判定することを特徴とする車々間通信システム。 - 請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記車両検索手段は、前記確認情報の更新回数が自車両よりは少ない中で最も多く、かつ、自車両に最も近い他の前記第2の車両を探すことを特徴とする車々間通信システム。 - 請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記車両検索手段は、前記確認情報の更新回数が最も少なく、かつ、自車両に最も遠い他の前記第2の車両を探すことを特徴とする車々間通信システム。
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