JP4105481B2 - トリ置換芳香族化合物の製造法 - Google Patents

トリ置換芳香族化合物の製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香環上の連続した1,2,3位に置換基を有する芳香族化合物の製造法に関し、就中、芳香環上の連続した1,2,3位に全て異なる置換基を有する芳香族化合物の効果的な製造法に関する。
これらの化合物は、例えば医薬品或いは医薬品中間体等の機能性分子の合成に極めて有用である。
【0002】
【従来の技術】
芳香環上の1,2,3位に異なる置換基を有する化合物の合成法としてこれまでに報告されているものは、その殆どが複雑な多段階を有するものばかりである。 従って、これらの方法は、置換基に多様性を持たせること、及び収率・収量を考慮すると、何れも大きな障害があり、実用面で大きな問題がある。
他の古典的な方法としてはアルキルリチウムおよびリチウムアミドを用いる水素引き抜き反応がある。この方法は原料入手の容易さ、反応の多様性などの点で最も可能性に富んでいると考えられるが、置換基に電子求引性基を有するものへの合成は制限される。
このように、芳香環の1,2,3位に異なる置換基を有する化合物は、非常に立体的に混み合った化合物であるため、簡便でかつ一般性の高い合成法は知られていない。しかしながら、目的とする機能性分子のデザイン・合成には、そのような化合物群が多数存在する。それ故、より置換基共存性が高く位置選択性の高い連続3置換芳香族化合物の製造法の開発が切望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した如き現状に鑑みなされたもので、芳香環上の連続した1,2,3位に置換基を有する芳香族化合物、就中、芳香環上の1,2,3位に異なる置換基を有する芳香族化合物の簡便で且つ一般性の高い合成法であって、且つ、より置換基共存性が高く位置選択性の高い当該連続3置換芳香族化合物の製造法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、芳香環上のm−位に二つの置換基を有する芳香族化合物に亜鉛アート錯体を作用させて選択的メタル化を行ない、次いでこれに求電子試薬を作用させることを特徴とする芳香環上の連続した1,2,3位に置換基を有する芳香族化合物の製造法に関する。
【0005】
即ち、本発明者は、化学選択的メタル化剤としての亜鉛アート錯体に着目し、トリアルキル亜鉛アート錯体の配位子の一つを嵩高い塩基であるテトラメチルピペリジド(TMP)としたTMP−ジンケート(t−BuZn(TMP)Li)を開発した。そして、このものをメタ2置換ベンゼンに対して作用させると、芳香環上においてシアノ、エステル、アミドといった様々な官能基共存下、化学及び位置選択的なオルト配向性亜鉛化反応が進行し、次いでこれに求電子試薬を作用させることにより芳香環上の連続した1,2,3位に様々な置換基(全て異なる置換基である場合も含む。)を有する化合物が容易に合成し得ることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる、芳香環上のm−位に二つの置換基を有する芳香族化合物としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、インドール環、ピリジン環、キノリン環等を有する化合物が挙げられる。
また、芳香環上のm−位に存在する二つの置換基としては、特にこれらの置換基に限定されるものではないが、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、置換又は無置換のアミド基、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げられる(但し、二つの置換基が何れもアルキル基である場合を除く)。
【0007】
上記アルキル基としては、例えば、炭素数が1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基が挙げられ、より具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
また、アルコキシ基としては、例えば、炭素数が1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6の直鎖状、分枝状又は環状のアルコキシ基が挙げられ、より具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、第二級ブトキシ基、第三級ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、カルボキシル基の水素原子が上記アルキル基で置換された炭素数が2〜21、好ましくは2〜11、より好ましくは2〜7の直鎖状、分枝状又は環状のアルコキシカルボニル基が挙げられ、より具体的には、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
置換アミド基としては、アミド基の水素原子の1又は2個が上記アルキル基で置換された炭素数が2〜21、好ましくは2〜11、より好ましくは2〜7の直鎖状、分枝状又は環状の置換アミド基が挙げられ、より具体的には、例えば、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジn−プロピルアミド基、ジイソプロピルアミド基、ジn−ブチルアミド基、ジt−ブチルアミド基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等が挙げられる。
【0008】
なお、本発明で用いられる、芳香環上のm−位に二つの置換基を有する芳香族化合物としては、芳香環上の他の位置に更に1以上の置換基を有しているものであっても良い。
【0009】
本発明で用いられる亜鉛アート錯体としては、例えば3配位亜鉛アート錯体が挙げられ、配位子の一つに嵩高い塩基を有する3配位亜鉛アート錯体が特に好ましく、より好ましい具体例としては、例えば、配位子の一つにテトラメチルピペリジド(TMP)を有する3配位亜鉛アート錯体(以下、TMP−ジンケートと呼ぶ。)が挙げられる。
より好ましい3配位亜鉛アート錯体(TMP−ジンケート)を一般式で表すと、例えば以下の如くなる。
【化2】
Figure 0004105481
(式中、R,Rはそれぞれ独立してアルキル基を表す。)
【0010】
上記一般式[1]において、R,Rで表されるアルキル基としては、例えば、炭素数が1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基が挙げられ、より具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられるが、R,Rの少なくともどちらか一方は嵩高いアルキル基であることが望ましい。
【0011】
より好ましいTMP−ジンケートの具体例としては、例えばt−BuZn(TMP)Li等、嵩高いアルキル基を二つ有するTMP−ジンケートが挙げられる。
【0012】
本発明で用いられるTMP−ジンケート、例えば、t−BuZn(TMP)Liは、例えば下記の如くして容易に調製し得る。
即ち、例えば、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下、無水テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル等のエーテル系溶媒中に、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを加え、これに−50℃以下、好ましくは−78℃前後の温度にてn−ブチルリチウムを滴下し、0℃で30分間程度撹拌する。
別に、上記と同じ溶媒(異なる溶媒でも良いが)、例えばテトラヒドロフランに塩化亜鉛を加え、これに−50℃以下、好ましくは−78℃前後の温度にてt-ブチルリチウムを滴下し、得られた懸濁液を上記Li−TMP溶液に−50℃以下、好ましくは−78℃前後の温度で加えて、0℃で30分間程度撹拌すれば目的とするt−BuZn(TMP)Liが容易に得られる。
【0013】
本発明の製造法において用いられる求電子試薬としては、例えば、ヨウ素、臭素、塩素、アルキルハライド(沃化メチル、塩化エチル、臭化エチル等)、アリールハライド(ヨードベンゼン等)、アルケニルハライド(臭化アリル、塩化アリル等)、酸クロライド(塩化アセチル、塩化ベンゾイル等)、エポキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等)、アルデヒド(アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等),ケトン(α,β−不飽和ケトンを含む)等のカルボニル化合物等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
本発明の製造法により得られる、芳香環上の連続した1,2,3位に置換基を有する芳香族化合物において、芳香環上の連続した1,2,3位の内の2位に存在する置換基は、当然のことながら上記求電子試薬に由来するものであるが、当該置換基の例としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アシル基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。
【0014】
上記ハロゲン原子としては、例えば、ヨウ素、臭素、塩素、フッ素等が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、炭素数1〜6の直鎖状、分枝状又は環状の低級アルキル基が挙げられ、具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、前記した炭素数2以上のアルキル基に1個以上の二重結合を有するものが挙げられ、より具体的には、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基等が挙げられる。
アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
ヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
【0015】
本発明に係る反応は、芳香族化合物に亜鉛アート錯体を作用させて選択的メタル化を行なう工程と、次いでこれに求電子試薬を作用させる工程とからなるが、何れの工程も、通常、例えば、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下、無水テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル等のエーテル系溶媒中で反応が行われる。
反応温度は、最初のメタル化工程が、芳香族化合物と亜鉛アート錯体との接触時が通常−50℃以下、好ましくは−78℃前後で、その後は通常−50℃〜50℃の間の適当な温度(化合物によって自ずから異なる)で数時間乃至数十時間撹拌を行えば良く、求電子試薬を作用させる工程は、求電子試薬の種類によっても自ずから異なるが、通常は、室温乃至その前後の適当な温度で数分乃至数時間撹拌を行うことで足りる。反応後は、反応液に亜硫酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を完全に終了させた後、常法に従い適当な抽出溶媒(例えばクロロホルム、ジクロルメタン、ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒等)による抽出、硫酸マグネシウム等による脱水乾燥、溶媒留去、シリカゲルカラム等による精製等の後処理操作を行うことにより、目的とする芳香環上の連続した1,2,3位に置換基を有する芳香族化合物が容易に且つ高収率で得られる。
【0016】
【実施例】
以下、参考例、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら参考例、実施例により何ら限定されるものではない。
【0017】
参考例1 t−BuZn(TMP)Li(t−ブチルTMP−ジンケート)の調製
アルゴン雰囲気下、30mLナスフラスコに無水テトラヒドロフラン(THF)5mL、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン0.36mL(2.2ミリモル)を加え、これに−78℃でn−ブチルリチウム0.8mL(2.0ミリモル)を滴下し、0℃で30分間撹拌した。別に、20mLナスフラスコにTHF5mL、塩化亜鉛4.4mL(2.2ミリモル)を加え、これに−78℃でt−ブチルリチウム3.02mL(4.4ミリモル)を滴下した。この懸濁液を先に用意したLi−TMP溶液中に−78℃で加え、0℃で30分間撹拌し、t−BuZn(TMP)Li(2.0ミリモル)のTHF溶液を得た。
【0018】
実施例1 3−ブロモ−2−ヨードベンゾニトリルの合成
参考例1に記載の方法でt−BuZn(TMP)LiのTHF溶液を調製した後、この溶液にアルゴン雰囲気下、−78℃にて3−ブロモベンゾニトリル(1a)182.0mg(1.00ミリモル)を加え、0℃で3時間撹拌した。
次いでこれにヨウ素1776.0mg(7.00ミリモル)のTHF溶液を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に亜硫酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化アンモニウム水溶液各10mLを加え、クロロホルムで抽出、硫酸マグネシウムで脱水後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=6/1)で精製し、3−ブロモ−2−ヨードベンゾニトリル(1b)303.0mgを得た。収率:96%。
得られた化合物の融点、各種スペクトルデータ、元素分析等の値は以下の通りである。
mp 148.0-149.0 ℃ (n−ヘキサンより再結晶, 無色プリズム)。
H−NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 7.84 (1H, dd, J = 7.7, 1.4 Hz), 7.55 (1H, dd, J = 7.7, 1.4 Hz), 7.33 (1H, t, J = 7.7 Hz)。
MS m/z: 307 (M)。HRMS Calcd for C79BrI: 306.8493。 Found: 30 6.8497。
元素分析 Calcd for CNBrI : C, 27.31; H, 0.98; N, 4.55。Found: C, 2 7.27; H, 1.15; N, 4.47。
【0019】
実施例2〜9 各種トリ置換芳香族化合物の合成
原料基質としてm−位に置換基を有する各種芳香族化合物を用い、THF溶媒中、実施例1と同様にして選択的メタル化反応及びそれに続くヨウ素化反応を行ない、芳香環上の連続した1,2,3位に種々の置換基を有する芳香族化合物をそれぞれ得た。結果を表1にまとめて示す。
【0020】
【表1】
Figure 0004105481
【0021】
上記実施例2〜9で得られた化合物の融点、各種スペクトルデータ、元素分析等の値は以下の通りである。
【0022】
3−ブロモ−2−ヨードアニソール(2b)
mp 61.5-62.0℃ (n−ヘキサンより再結晶, 無色プリズム)。
H−NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 7.26 (1H, dd, J = 8.0, 1.4 Hz), 7.19 (1H, t, J = 8.0 Hz), 6.72 (1H, dd, J = 8.0, 1.4 Hz), 3.88 (3H, s)。
MS m/z: 312 (M)。 HRMS Calcd for C79BrI: 311.8646。 Found: 311.8639。
元素分析 Calcd for CBrIO : C, 26.87; H, 1.93。 Found: C, 26. 97; H, 2.06。
IR (KBr,cm−1) 2983 (C-H), 1568 (Ar-O-C), 1039 (Ar-O-C), 763 (C-H)。
【0023】
N,N−ジイソプロピル−3−ブロモ−2−ヨードベンズアミド(3b)
mp 207.0℃ (n−ヘキサンより再結晶, 無色板状結晶)。
H−NMR (400 MHz, CDCl)δ(ppm) 7.59 (1H, dd, J = 7.8, 1.5 Hz), 7.23 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.03 (1H, dd, J = 7.8, 1.5 Hz), 3.54 (2H, m), 1.59 (3H, d, J = 6.6 Hz), 1.56 (3H, d, J = 6.6 Hz), 1.29 (3H, d, J = 6.6 Hz), 1.07 (3H, d, J = 6.6 Hz)。
MS m/z: 411 (M)。 HRMS Calcd for C1317NO79BrI: 410.9517。Found : 410.9482。
元素分析 Calcd for C1317NOBrI: C, 38.08; H, 4.18; N, 3.42。 Found: C, 38.33; H, 4.15; N, 3.28。
【0024】
3−ブロモ−2−ヨード安息香酸 t−ブチルエステル(4b)
無色油状化合物。
H−NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 7.69 (1H, dd, J = 7. 7, 1.7 Hz), 7.3 6 (1H, dd, J = 7.7, 1.7 Hz), 7.23 (1H, t, J = 7.7 Hz), 1.62 (9H, s)。
MS m/z: 382 (M)。HRMS Calcd for C1112 79BrI: 381.9064。Found: 381.9070。
IR(KBr, cm−1) 2972 (C-H), 1710 (Ar-C=O), 1306 (C-O of aromatic ester), 7 52 (C-H)。
【0025】
4−ブロモ−1−ヨード安息香酸 t−ブチルエステル(4b’)
無色油状化合物。
H−NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 7.79 (1H, d, J = 2.5 Hz), 7.78 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.24 (1H, dd, J = 8.5, 2.5 Hz), 1.62 (9H, s)。
MS m/z: 382 (M)。HRMS Calcd for C1112 79BrI: 381.9064。 Found : 381.9070。
IR(KBr, cm−1) 2979 (C-H), 2931 (C-H), 1718 (Ar-C=O), 1297 (C-O of aroma tic ester), 748 (C-H)。
【0026】
3−ブロモ−2−ヨード安息香酸 エチルエステル(5b)
無色油状化合物。
H−NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 7.74 (1H, dd, J = 8. 0, 1.5 Hz), 7.4 5 (1H, dd, J = 8.0, 1.5 Hz), 7.26 (1H, t, J = 8.0 Hz), 4.41 (2H, q, J = 7.2 H z), 1.41 (3H, t, J = 7.2 Hz)。
MS m/z: 354 (M)。HRMS Calcd for C 79BrI: 353.8751。 Found: 3 53.8743。
IR(KBr, cm−1)2979 (C-H), 1727 (Ar-C=O), 1282 (C-O of aromatic ester), 7 57 (C-H)。
【0027】
4−ブロモ−1−ヨード安息香酸 エチルエステル(5b’)
無色油状化合物。
H−NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 7.92 (1H, d, J = 2.5 Hz), 7.83 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.28 (1H, dd, J = 8.3, 2.5 Hz), 4.41 (2H, q, J = 7.1 Hz), 1.41 (3 H, t, J = 7.1 Hz)。
MS m/z: 354 (M)。 HRMS Calcd for C 79BrI: 353.8751。 Found: 353.8743。
IR (KBr, cm−1) 2979 (C-H), 1728 (Ar-C=O), 1281 (C-O of aromatic ester), 7 75 (C-H)。
【0028】
2−ブロモ−6−クロロヨードベンゼン (6b)
mp 78.9-79.0℃ (エタノールより再結晶, 無色プリズム)。
H−NMR (400 MHz, CDCl)δ (ppm) 7.51 (1H, dt, J = 8.1, 1.5 Hz), 7.38 (1H, dt, J = 8.1, 1.5 Hz), 7.15 (1H, td, J = 7.9, 1.1 Hz)。
MS m/z: 316 (M)。HRMS Calcd for C 79Br35ClI: 315.8151。 Found: 315.8141。
元素分析 Calcd for CBrClI : C, 22.71; H, 0.95。 Found: C, 22.96; H, 1.21。
IR(KBr, cm−1) 1183 (Ar-Cl), 755 (C-H)。
【0029】
2−ブロモ−6−フルオロヨードベンゼン(7b)
無色油状化合物。
H−NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 7.44 (1H, dt, J = 8.1, 0.9 Hz), 7.24- 7.18 (1H, m), 6.99-6.97 (1H, m)。
MS m/z: 300 (M)。HRMS Calcd for C 79BrFI: 299.8446。Found: 299. 8481。
IR(KBr, cm−1) 1248 (Ar-F), 864 (C-H)。
【0030】
2−ヨード−3−ブロモ−4−メトキシベンゾニトリル(8b)
mp 174.5-175.0℃ (n-ヘキサン/CHClより再結晶, 無色プリズム)。
H−NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 7.58 (1H, d, J = 8.6 Hz), 6.93 (1H, d, J = 8.6 Hz), 3.96 (3H, s)。
MS m/z: 337 (M)。HRMS Calcd for C 79BrINO: 336.8598。 Found: 336.8589。
元素分析 Calcd for CBrINO : N, 4.14; C, 28.43; H, 1.49。Fo und: N, 4.11; C, 28.27; H, 1.77。
IR(KBr, cm−1) 2982 (C-H), 2219 (Ar-CN), 1575 (Ar-O-C), 814 (C-H)。
【0031】
2,6−ジブロモヨードベンゼン(9b)
mp 100.0-100.5℃ (エタノールより再結晶, 無色プリズム)。
H−NMR (400 MHz, CDCl) δ(ppm) 7.56 (2H, d, J = 8.1 Hz), 7.07 (1H, t, J = 7.9 Hz)。
[cf. lit. (Organometallics, 15(11), 1996, 2582 ) H−NMR (300 MHz, CDCl) 7.54(d, 2H), 7.05 (t, 1H)。]
MS m/z: 360 (M)。HRMS Calcd for C 79BrI: 359.7646。 Fo und: 359.7657。
元素分析 Calcd for CBrI : C, 19.92; H, 0.56。 Found: C, 19. 83; H, 0.72。
【0032】
2,4−ジブロモヨードベンゼン(9b’)
無色油状化合物。
H−NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 7.77 (1H, dd, J = 2.2, 0.9 Hz), 7.69 (1H, dd, J = 8.4, 0.9 Hz), 7.13 (1H, ddd, J = 8.4, 2.2, 0.9 Hz) 。
IR(KBr, cm−1) 1439 (C-H), 802 (C-H)。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、芳香環上の連続した1,2,3位に置換基を有する芳香族化合物の製造法を提供するものであり、本発明の方法によれば、これまで合成が困難と考えられていた、芳香環上の連続した1,2,3位に全て異なる置換基を有する芳香族化合物群の合成も可能となる。従って、本発明の方法を利用することによりこれまで合成不可能とされてきた、医薬品或いは医薬品中間体等を始めとした種々の機能性分子の合成が可能となることが期待できる。

Claims (11)

  1. 芳香環上のm−位に二つの置換基を有する芳香族化合物に亜鉛アート錯体を作用させて選択的メタル化を行ない、次いでこれに求電子試薬を作用させることを特徴とする芳香環上の連続した1,2,3位に置換基を有する芳香族化合物の製造法(ただし、芳香環上のm−位に二つの置換基がハロゲン原子であって求電子試薬がハロゲン化剤である場合を除く)であって、
    芳香族化合物がベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、インドール環、ピリジン環又はキノリン環を有する化合物である、製造法。
  2. 芳香環上のm−位に存在する二つの置換基が、それぞれ、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、置換又は無置換のアミド基、シアノ基又はハロゲン原子の何れか(但し、二つの置換基が何れもアルキル基である場合を除く)である請求項1に記載の製造法。
  3. 亜鉛アート錯体が3配位亜鉛アート錯体である請求項1〜2の何れかに記載の製造法。
  4. 亜鉛アート錯体が、配位子の一つに嵩高い塩基を有する3配位亜鉛アート錯体である請求項3に記載の製造法。
  5. 亜鉛アート錯体が、配位子の一つにテトラメチルピペリジド(TMP)を有する3配位亜鉛アート錯体(TMP−ジンケート)である請求項4に記載の製造法。
  6. 亜鉛アート錯体が下記一般式[1]
    Figure 0004105481
    (式中、R,Rはそれぞれ独立してアルキル基を表す。)
    で示される化合物である請求項5に記載の製造法。
  7. 一般式[1]において、R,Rの少なくともどちらか一方は嵩高いアルキル基である請求項6に記載の製造法。
  8. 一般式[1]において、R,Rが共にt−ブチル基である請求項6に記載の製造法。
  9. 求電子試薬が、ヨウ素、臭素、塩素、アルキルハライド、アリールハライド、アルケニルハライド、酸クロライド、エポキサイド、アルデヒド又はケトン(α,β−不飽和ケトンを含む)である請求項1〜8の何れかに記載の製造法。
  10. 芳香環上の連続した1,2,3位の内の2位に存在する置換基が、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アシル基又はヒドロキシアルキル基の何れかである請求項1〜9の何れかに記載の製造法。
  11. 芳香環上の連続した1,2,3位に存在する置換基が全て異なるものである請求項1〜10の何れかに記載の製造法。
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