JP4105441B2 - インク滴検出器の廃インク除去システム - Google Patents

インク滴検出器の廃インク除去システム Download PDF

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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的にインクジェットプリンタやインクジェットプロッタ等のプリント機構に関する。より詳細には、本発明は、プリント機構におけるインク滴検出器のターゲット領域からインクの残留物およびくずを取り除く廃インク除去システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント機構は、多くの異なるタイプの媒体上に画像を形成することができるインクジェットプリントヘッドを備えることが多い。インクジェットプリントヘッドは、所与の媒体がプリント領域を通って前進する間に、カラーインクの滴を複数のオリフィスを通ってその媒体上に噴出する。プリント領域は、プリントヘッドのオリフィスと媒体の動きに対して垂直で、端から端へのプリントヘッドの走査および往復運動により定義される。プリントヘッドのオリフィスすなわちノズルからインクを吐出する従来の方法は、当業者に周知の圧電技術および熱技術を含む。例えば、ともに本願の出願人であるヒューレット・パッカード社に譲渡されている米国特許番号第5,278,584号および第4,683,481号には、2つの熱インク噴出機構が示されている。
【0003】
熱インクジェットシステムにおいて、ノズルのオリフィス板と基板層との間に、インクチャネルと気化チャンバとを含むバリアー層が配置されている。この基板層は、典型的には、抵抗器のような発熱素子の直線状の配列を含み、このような発熱素子は、個々にアドレス可能で、通電されて気化チャンバ内のインクを加熱する。加熱すると、通電した抵抗器に関連するノズルからインク滴が噴出する。インクジェットプリントヘッドのノズルは、典型的には、プリント媒体がプリント領域を通って動くときの媒体の動きと略平行なひとつまたはそれよりも多い直線状の配列になるように整列している。直線状のノズルを配列する長さによって、媒体上方でプリント領域を通ってプリントヘッドが動くときにすべてのノズルを同時にかつ連続して発射すると仮定すると、プリントヘッドが媒体を横切る1行程でプリントされる画像形成した線の最大高さすなわち「スウォース」(swath)高さが規定される。
【0004】
典型的には、プリント媒体はインクジェットプリントヘッドの下で前送りされ、プリントヘッドが媒体の幅に沿って進み、制御装置が決定するとおりその各ノズルを発射して、個々のスウォースすなわち行程上に所望の画像を形成する間、静止状態に保持される。発射するインク滴の配置が不明確にならないようにするために、プリント媒体は通常、往復運動するインクジェットプリントヘッドの行程と行程との間で前進する。所与のスウォースについてプリント可能なデータ全体がプリントヘッドの1行程でプリントされ、プリントヘッドの行程と行程との間で最大スウォース高さに等しい距離だけ媒体が前進するようにすると、プリント機構は最大効率を達成する。
【0005】
しかし、利用できるノズルのうちの一部を利用し、最大スウォース高さよりも小さい距離だけ媒体を前進して、所与のスウォースについてのデータのうちの一部のみをプリントし、所望のプリント画像において第1の行程で意図的に残した空白を、同じまたは異なる一部のノズルで埋めるようになっていることが望ましいことが多い。このように、利用できるノズルのうちの部分集合(subsets)を利用して、プリント可能なデータを多数の行程に分けるプロセスを、当業者は「シングリング」、「マスキング」、または「プリントマスク」の使用と呼ぶ。プリントマスクを用いるとプリントシステムの効率は低下するが、画像品質と速度との兼ね合いが必要な場合に、相殺する利点を提供することができる。例えば、プリントマスクを用いると、同一カラーの大面積を多数の行程で徐々に埋めることができ、インクを分けて乾燥させることができ、この大面積がインク浸しになってその結果プリント媒体にひだや「しわ」が生じることがないようになる。1行程のスウォースであれば、このようなひだやしわが生じてしまう。
【0006】
プリント機構は、一以上のカラー、すなわち当業者が「プロセスカラー」と呼ぶものに対応して、一以上のインクジェットプリントヘッドを有していてもよい。例えば、典型的なインクジェットプリントシステムは、ブラックのインクのみを有する単一のプリントヘッドを有してもよい。または、システムは、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、およびイエローのインクを有する4つのプリントヘッドを有していてもよい。または、システムは、それぞれがシアン、マゼンタ、およびイエローのインクを有する3つのプリントヘッドを有していてもよい。もちろん、インクジェットプリントシステムにおける考えられるプリントヘッドにはさらに多くの組み合わせおよび数があり、インク/プリントヘッドシステムが7つおよび8つのものを含む。
【0007】
滴の大きさと、インク滴同士の相対位置、および少量の互いに別々のプロセスカラーとが、自然に起こる人間の目の視覚反応によって融合されて、識別できるカラーが何百万もある大きな色空間の効果と、ほとんど連続的なトーンの効果とをもたらすような方法で、それぞれのプロセスカラーのインクがプリント媒体上に噴出される。実際、このような画像形成技術を当業者が適切に行えば、3つから8つのカラーのインクだけを用いて、様々なプリント媒体上にほとんど写真品質の画像を得ることができる。
【0008】
この高レベルの画像品質は、以下のものを含む多くの要因に依存している。すなわち、インク滴の大きさが一定でありかつ小さいこと、プリントヘッドのノズルからプリント媒体までのインク滴の飛翔経路が一定であること、および、インクジェットプリントヘッドのノズルの信頼性が非常に高く詰まらないこと等である。
【0009】
この結果、インクジェットプリント機構には、インクジェットプリントヘッドを整備するサービスステーションを備えるものが多い。このようなサービスステーションは、スクレーパー、インク−溶剤アプリケーター、プライマー、およびキャップを備えていてもよい。キャップは、休止期間中にノズルが完全に乾いてしまわないようにしておくのに役立つ。さらに、インクジェットプリンタは、ノズルの詰まりを防止するためにインクをそれぞれのノズルから廃インクつぼ内に発射するように設計された整備ルーチンを備えることが多い。
【0010】
しかし、このような予防対策を行っても、典型的なインクジェットプリンタ内で働いてインクジェットノズルを詰まらせる可能性がある要因は多く、インクジェットノズルの故障が発生してしまう可能性がある。例えば、ノズル上に紙埃がたまり、結局はノズルを詰まらせるかもしれない。インクの噴霧または部分的に詰まったノズルからのインクの残留物が、サービスステーションのプリントヘッドのスクレーパーによって、詰まっていないノズル内に広がって、詰まらせてしまうかもしれない。プリントヘッド内部のインクからの沈殿物が蓄積することによってもまた、インクチャネルおよびノズルが塞がってしまうかもしれない。さらに、関連するノズルが詰まっていなくても、熱インクジェットプリントヘッドの発熱素子が通電せず、それによってそのノズルが駄目になってしまうかもしれない。
【0011】
プリントヘッドのノズルが詰まったり駄目になったりしてしまうと、その結果、画像のバンディング(均一なカラーの領域になるはずのところにできる、目に見える互いに異なる色合いやカラーの縞模様)や空白等の問題となるような容易に目立ちやすいプリント品質の欠陥が生じてしまう。実際、インクジェットプリントシステムはノズルの詰まりに非常に敏感であり、何百個のノズルのうちのただ1つのノズルが詰まっても、プリント出力は目立ち問題であることが多い。
【0012】
しかし、インクジェットプリントシステムに、特定のノズルが機能していないということがわかる方法があれば、そのインクジェットシステムが、抜けているノズルをプリントマスクから取り除いて、その後の重なり合う行程で未使用のノズルまたは使用したノズルと交換することによって、その抜けているノズルを補償することが可能である。インクジェットプリントヘッドのノズルが発射しているかどうかを検出するために、プリント機構は多数の異なるインク滴検出器システムを備えていてもよい。
【0013】
インク滴検出器システムには、インク滴が接触すると測定可能な信号を発生する圧電ターゲット表面を利用するタイプのものがある。しかし都合の悪いことに、このタイプの技術は高価であり、写真画像品質のインクジェットプリントシステムにおいて用いる非常に小さなインク滴は検出できないことが多い。
【0014】
インク滴検出器には、知覚回路からの光線をインク滴が通り過ぎると測定可能な信号を形成する光学センサを利用するタイプのものもある。都合の悪いことに、この方法では直線的な許容差が非常に厳しく、そのような許容差を設定し維持するのは困難でかつ費用がかかる。さらに、光学的インク滴検出システムは、プリント機構内部でのインクジェットプリントヘッドの発射の結果生じる、インクの噴霧の影響を受けやすい。時間が経つとこの噴霧が光学センサを覆ってしまい、光学センサの信号の品質を低下させ、ついには光学センサが機能しなくなってしまう。
【0015】
インク滴検出のより効果的な解決策は、本願の出願人であるヒューレット・パッカード社に譲渡されている米国特許番号第6,086,190号において説明されているもの等の、低コストインク滴検出システムを用いるものがある。この滴検出システムは、インクジェットプリントヘッドから噴出された一連のインク滴の噴出が衝突すると電気的刺激が与えられる静電感知要素を利用する。この静電感知要素を十分大きく作って、プリントヘッドの位置決めが決定的に重要にはならないようにしてもよく、感知要素は、他のタイプの滴検出センサが使えなくなるような量のインクまたは噴霧が感知要素表面上にあっても、機能することができる。
【0016】
しかし、実際の実施においては、この静電感知要素にはいくつか制限がある。第1に、連続するインク滴が互いのインク上で乾いていくと、乾いたインクが石筍状になり、これがプリントヘッドに向かって成長する可能性がある。読み取りをより正確にするためには、静電感知要素がプリントヘッドに非常に接近していることが好ましいので、このような石筍状のインクは、ついにはプリントヘッドを妨害したり永久的に損なったりして、プリント品質に悪影響を与えてしまう可能性がある。第2に、インクの残留物は、乾いても導電性を有しており、成長して広がると滴検出器のエレクトロニクスをショートさせてしまう可能性がある。したがって、この乾いた残留物は、センサの適切に滴の存在を判断する能力を損なってしまう。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、インクジェットプリント機構内の静電インク滴検出器から、廃インクの残留物を効果的に取り除く方法および機構を有することが望ましい。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の1態様によれば、プリント機構内のインク滴センサからインクの残留
物を取り除く廃インク除去システムが提供される。廃インク除去システムは、ベースと、可動パレット(アクチュエータ)と、スクレーパーとを備える。スクレーパーは、ベースによって支持され、可動パレットによって引退位置から係合位置に動かされると、インク滴センサからインクの残留物をこすり落とす。廃インク除去システムはまた、アブソーバーも含む。スクレーパーは、係合位置においてアブソーバーと接触して、スクレーパーからインクの残留物が除去される。
【0019】
本発明の他の態様によれば、プリント機構に、上述の廃インク除去システムを設けてもよい。
【0020】
本発明のさらに他の態様によれば、プリント機構内のインク滴センサからインクの残留物を取り除く廃インク除去システムが提供される。廃インク除去システムは、ベースと、可動パレットと、スクレーパーとを備える。スクレーパーは、ベースによって支持され、可動パレットによって引退位置から係合位置に動かされると、インク滴センサからインクの残留物をこすり落とす。廃インク除去システムはまた、くず受けも備える。くず受けは、スクレーパーがインクの残留物をインク滴センサからこすり落とした後にそのインクの残留物を押し込む開口部を有する。
【0021】
本発明のさらなる1態様によれば、プリント機構内のインク滴センサからインクの残留物を取り除く方法が提供される。方法は、スクレーパーを引退位置と係合位置との間で動かす段階と、スクレーパーが係合位置に動く間に、そのスクレーパーで、インク滴センサからインクの残留物をこすり落とす段階と、スクレーパーが係合位置にある間にアブソーバーと接触することによって、スクレーパー表面からインクの残留物を除去する段階とを含む。
【0022】
本発明の目的の1つは、静電インク滴検出器の検知要素からインクおよびインクの残留物を取り除いて、インクがセンサ上にたまってプリントヘッドに接触しそれによってプリントヘッドを損なうことがないようにすると同時に、センサ表面を確実にきれいにして正確な滴検出の読み取りを行うことができるようにし、これを用いて信頼性が高く経済的なインクジェットプリントユニットを消費者に提供することができる廃インク除去システムを提供することである。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明にしたがって構成したプリント機構の実施形態であって、ここではインクジェットプリンタ20として示す。これを用いて、産業、オフィス、家庭、その他環境における、紙、透明シート、コーティングを施した媒体、厚紙、写真品質の紙、および封筒等の様々な媒体上にプリントを行うことができる。様々なインクジェットプリント機構が市販されている。例えば、本明細書において説明する概念を実施してもよいプリント機構には、少数の例を挙げれば、デスクトッププリンタ、ポータブルプリントユニット、ワイドフォーマットプリンタ、ハイブリッド電子写真インクジェットプリンタ、複写機、カメラ、ビデオプリンタ、およびファクシミリが含まれる。便宜上、本明細書において導入する各概念は、インクジェットプリンタ20の環境で説明する。
【0024】
プリンタの構成要素はモデルによって変わってもよいということは明白であるが、典型的なインクジェットプリンタ20はシャシ22を含み、シャシ22は、典型的にはプラスチック材料でできたフレームすなわちケーシングの格納装置24で取り囲まれている。インクジェットプリンタ20はまた、概略的に制御装置26として示すプリンタ制御装置を有している。プリンタ制御装置は、コンピュータや携帯情報端末(PDA)等のホスト装置(図示せず)から命令を受け取る。また、ホスト装置に結合したスクリーンも用いて、プリンタのステータスやホスト装置上で実行している特定のプログラム等の視覚情報を、オペレータに表示してもよい。コンピュータやPDA等、プリンタのホスト装置、キーボード、マウス装置、ペン型(stylus)入力装置等の入力装置、および液晶表示スクリーンやモニタ等の出力装置は、すべて当業者に周知である。
【0025】
従来のプリント媒体取り扱いシステム(図示せず)を用いて、プリント媒体のシート(図示せず)を媒体入力トレイ28からプリント領域30を通って出力トレイ31へと前進させてもよい。シャシ22には運搬台の案内ロッド32が搭載されて、走査軸34を規定しており、案内ロッド32は運搬台36を、プリント領域30を横切って左右に往復して動くよう、摺動可能に支持している。従来の運搬台駆動モータ(図示せず)を用いて、制御装置26から受け取る制御信号に応答して運搬台36を進ませてもよい。制御装置26に運搬台位置フィードバック情報を提供するのに、従来のエンコーダの細長片(図示せず)をプリント領域30の長さに沿って整備領域38を越えて延ばしてもよい。例えば、これもまた本願の出願人であるヒューレット・パッカード社に譲渡されている米国特許番号第5,276,970号において説明されているように、従来の光学式エンコーダ読み取り装置を運搬台36の裏面上に搭載して、エンコーダの細長片が提供する位置情報を読み取ってもよい。エンコーダの細長片の読み取り装置によって位置フィードバック情報を提供する方法は、また、当業者に既知の様々な方法で行ってもよい。
【0026】
プリント領域30において、媒体シートは、ブラックのインクカートリッジ40やカラーインクジェットカートリッジ42等のインクジェットカートリッジから、インクを受け取る。カートリッジ40、42はまた、当業者に「ペン」と呼ばれることも多い。本明細書においては、ブラックインクペン40を、顔料をベースにしたインクを含むものとして示す。説明のために、カラーペン42を、シアン、マゼンタ、およびイエローのカラーである3つの別個の染料をベースにしたインクを含むものとして説明する。もっとも、実施例によっては、カラーペン42はまた、顔料をベースにしたインクも含んでもよい、ということは明白である。ペン40、42には、パラフィンをベースにしたインク、染料と顔料の両方の特性を有するハイブリッドまたは複合インク等、他のタイプのインクもまた用いてもよいということは明白である。図示のインクジェットプリンタ20は、交換式プリントヘッドカートリッジを用い、それぞれのペンは、プリントヘッドがプリント領域30の上方を往復するときに供給インク全体を保持する槽を有する。本明細書においては、「ペン」または「カートリッジ」という用語はまた、「オフアクシス」のインク送出システムのこともいう。オフアクシスのインク送出システムは、それぞれのインク(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、その他システム内のインク数によって決まるカラー)についての、インク供給領域に配置した主な静止した槽(図示せず)を有する。オフアクシスのシステムにおいては、プリントヘッドの移動経路から「オフアクシス」に配置された、このような主な静止した槽から、従来のフレキシブル管システムを通じて運ぶインクによって、ペンを補充して、小さいインク供給容器のみが、運搬台36によってプリント領域30を横切って進むようにしてもよい。他のインク送出または流体送出システムはまた、永久的または半永久的なプリントヘッドにカチッとはまるインク槽を有する「スナッパー」カートリッジ等の、本明細書において説明するシステムを用いてもよい。
【0027】
図示のブラックのペン40はプリントヘッド44を有し、カラーペン42は、シアン、マゼンタ、およびイエローのインクを噴出する三色のプリントヘッド46を有する。プリントヘッド44、46は、インクを選択的に噴出して、媒体シートがプリント領域30内にあるときに、その上に画像を形成する。プリントヘッド44、46はそれぞれ、当業者に周知の方法で複数のノズルを形成したオリフィス板を有する。それぞれのプリントヘッド44、46のノズルは、オリフィス板に沿って、典型的には少なくとも1つの、しかし典型的には2つの、直線状の配列になるように形成されている。したがって、本明細書においては、「直線状」という用語は、「ほぼ直線状」または実質的に直線状と解釈してもよく、例えば、ジグザグ配置等、互いからわずかにずれたノズル配置を含んでもよい。直線状の配列はそれぞれ、典型的には、走査軸34に垂直な長さ方向に整列しており、それぞれの配列の長さによって、プリントヘッド44,46の1行程の最大画像スウォースが決まる。プリントヘッド44、46は、熱インクジェットプリントヘッドであるが、圧電プリントヘッド等、他のタイプのプリントヘッドを用いてもよい。熱プリントヘッド44、46は、典型的には、ノズルに関連する複数の抵抗器を備える。選択した抵抗器に通電すると、気泡が形成され、それによって、プリント媒体がノズルの下のプリント領域30内にあるときに、インク滴がノズルからそのプリント媒体上に噴出される。プリントヘッド44,46の抵抗器は、制御装置26から運搬台36に伝えられる発射命令制御信号に応答して、選択的に通電される。
【0028】
プリントジョブとプリントジョブとの間で、運搬台36は運搬台案内ロッド32に沿って整備領域38へと動く。整備領域38において、サービスステーション48は、プライミング、スクレーピング、およびキャッピング等、当業者に既知の様々な整備機能を果たしてもよい。キャッピングは、休止期間中の保管用で、インクが乾いてインクジェットプリントヘッド44,46のノズルが詰まってしまわないようにする。
【0029】
図2は、サービスステーション48を詳細に示す。シャシ22にはベース50が搭載されて、可動パレット52を収容している。可動パレット52は、モータ(図示せず)で駆動して、フレーム50内で正および負のY軸方向に動いてもよい。可動パレット52は、当業者に既知の方法にしたがって制御装置26に応答してサービスステーション48のモータにより動力を供給されるラックピニオン機構によって駆動してもよい。これもまた本願の出願人であるヒューレット・パッカード社に譲渡されている米国特許番号第5,980,018号において、インクジェットクリーニングサービスステーション48におけるこのようなラックピニオン装置の例を見出すことができる。最終結果として、パレット52を、整備位置に向かって正のY軸方向に、およびキャップを取った位置に向かって負のY軸方向に、動かすことができる。パレット52は、ここではキャッピング位置である整備位置にあるときに、ブラックのプリントヘッドのキャップ54および三色のプリントヘッドのキャップ56を支持して、それぞれプリントヘッド44、46をシールする。
【0030】
図2はまた、ベース50が支持するインク滴検出器システム58も示す。明らかに、インク滴検出器システム58は、例えばベース50の右側、サービスステーション48の内側、またはプリンタの、サービスステーション48と反対側の端を含むプリントヘッド44,46の走査軸34に沿った他の位置に搭載してもよい。しかし、図示のインク滴検出器システム58の位置が好ましい位置であり、これを用いて、製造および動作の好ましい原理を説明する。もっとも、他の実施においては、他の位置がより好適かもしれない。
【0031】
インク滴検出器システム58は、ベース50が支持するプリント回路基板装置60(以下「PCA」と記載する)を有する。PCA60の上前端には、本願の出願人であるヒューレット・パッカード社に譲渡されている米国特許番号第6,086,190号に説明されている装置および方法にしたがって、その上にインク滴を発射し検出することができる、誘電性静電感知要素62(以下「ターゲット」と記載する)がある。ターゲット62は、好ましくは、柔らかい金で構成されている。PCA60は、ターゲット62から受け取る滴検出信号のフィルタリングおよび増幅を行う、様々なエレクトロニクス(図示せず)を備える。導線64が、インク滴検出器システム58を、滴検出信号処理を行う制御装置26に連結する。インク滴検出器システム58はまた、廃インク除去システム65も有する。
【0032】
PCA60には、静止した案内(スライダ)カバー66が取り付けられている。スライダカバー66は、スクレーパースライダー68の動きの案内としての役目を果たす。スライダカバー66はまた、インク滴検出器システム58上の電気部品を、プリントヘッド44、46から発生するインクの噴霧から防護するように設計されていてもよい。スクレーパースライダー68は、正および負のY軸方向に動かすことができ、ばね部材70等によって、サービスステーション48の後部に向かって(負のY軸方向)付勢されている。バイアス部材は、スクレーパースライダー68と、ベース50から突出しているポストとの間に接続されている。スクレーパースライダー68は、スクレーパー72を有する。スクレーパー72は、スクレーバースライダー68の前端に取り付けられている、または好ましくは、その上にオーバーモールドされている。スクレーパー72は、ターゲット62の幅全体をこするのに十分な幅になっている。スクレーパー72は、好ましくは、スライダー68上にオーバーモールドされた熱可塑性樹脂(TPE)等の樹脂材で構成されている。スクレーパー72はまた、オーバーモールドされていない、硬い一体のプラスチックで構成されていてもよい。ばね部材70は、好ましくは、スクレーパー72に最小下向きにこすり落とす力を与えるために、スライダー68よりも上に斜めに搭載されて、それによってターゲット62の摩耗を最小にしている。インク滴検出器システム58はまた、アブソーバー74も備える。アブソーバー74は、セルロースやポリエステルで構成されていてもよいが、好ましくは焼結プラスチックで構成されている。アブソーバー74は、アブソーバー堆積面(deposition surface)76を有する。アブソーバー堆積面76は、スクレーパー72を正のY軸方向に、感知要素62を横切ってアブソーバー堆積面76上に動かすと、静電感知要素62からこすり落としたインクを受けるように構成されている。
【0033】
動きは、好ましくは、可動パレット52が図3に示すキャップを取った位置から図4に示すキャッピング位置に動くときに、パレット52の動きによってスクレーパースライダー68によって与えられる。図3および図4はまた、可動パレット52の、スクレーパースライダー68と隣接している側から上向きに突出する可動パレットタワー78も示す。スクレーパースライダー68と一体のスクレーパースライダーレッグ80が、可動パレット52に向かって内向きおよび下向きに突出している。可動パレットタワー78は、可動パレット52が図3のキャップを取った位置から図4のキャッピング位置に動くときに、スクレーパースライダーレッグ80とかみ合うような大きさおよび位置である。可動パレットタワー78がスクレーパースライダーレッグ80に及ぼす力は、ばね部材70によるこれに逆らう力よりも大きく、可動パレット52を動かすことによって、スクレーパースライダー68は、図3に示す最大引退位置から図4の最大係合位置に動く。スクレーパースライダー68が係合位置に動くと、図4に示すように、スクレーパー72が、静電ターゲット62を横切ってアブソーバー堆積面76上へとこする。可動パレット52がキャッピング位置にある間、スクレーパー72はアブソーバー堆積面76上にあるままであり、廃インクを毛管作用によってアブソーバー74に吸収できるようになっている。可動パレット52を、キャップを取った位置に戻すと、ばね部材70が及ぼす力のために、スクレーパースライダー68もまた引っ込む。可動パレット52が引っ込むとき、スクレーパー72は、図4に示すアブソーバー堆積面76上の位置から、ターゲット62を横切って戻り、図3に示す引退位置へと摺動する。
【0034】
スクレーパー72を作動する好適な方法は、上述のように可動パレット52を動かすことによるものであるが、例えば、制御装置26に応答して動作するソレノイドまたはモータ等、他の構造的に等価なものを代わりに用いて、スクレーパー72のアクチュエータの役目を果たすようにできることは明白である。
【0035】
図3に示すように、可動パレット52がキャップを取った位置にあり、スクレーパー72が引退位置にある間、運搬台36は、プリントヘッド44、46のうちのひとつまたはそれよりも多くが静電感知要素62の真上に配置されるまで、運搬台案内ロッド32に沿って動くことができる。説明のために、図3においては三色のプリントヘッド46をターゲット62の真上に配置して示すが、プリントヘッド44、46のうちのどちらかを一度に1つ、または、ターゲット62の大きさ、それぞれのプリントヘッド44,46の大きさ、およびプリントヘッド44,46同士の間の間隔が許すのであれば、同時に様々に組み合わせて、ターゲット62の真上に配置することができることは明白である。
【0036】
プリントヘッド44、46とターゲット62との間の好ましい間隔は、約2ミリメートルである。いったんプリントヘッド46がターゲット62と適切に整列すると、制御装置26によってインク滴82がプリントヘッド46からターゲット62上に発射される。インク滴82は、ターゲット62に接触すると電気的滴検出信号を発生し、この信号を、PCA60の電子回路が捕捉する。次にこの滴検出信号を制御装置26が分析して、プリントヘッド46の様々なノズルがインクを適切に吐出しているかどうか、すなわち詰まっているかを判定する。これもまた本願の出願人であるヒューレット・パッカード社に譲渡されている米国特許番号第6,086,190号には、静電ターゲットインク滴検出器からの信号を分析する好ましい方法が示されている。それぞれのノズルが適切に機能しているかどうかに関する制御装置26による判定をベースにして、制御装置26は、プリントマスクを調整して、いかなる作動不良のノズルの代わりに機能しているノズルを用いて、永久的に詰まってしまったノズルのあるプリントヘッド44,46を依然として用いながらも一定の高品質なプリント出力を提供することができる。
【0037】
インク滴検出器システム58が行う測定の信頼性が確実に高くなるようにするためには、測定または一連の測定を行った後にターゲット62からインクの残留物を除去して、乾燥したインクが過剰に堆積してターゲット62の表面上に蓄積してしまわないようにすることが望ましい。乾燥したインクが堆積してしまうと、静電感知要素62がショートしてインク滴検出器システム58の測定能力を低下させてしまう可能性がある。さらに、乾燥したインクが堆積したものが経時的に蓄積して石筍状になり、それが結局成長してプリントヘッド44、46を妨害し、もしかしたらノズルが石筍状のインクに当たって損なわれてしまうかもしれない。このプロセスは、「石筍衝突」として知られている。
【0038】
したがって、上述のように可動パレット52がキャッピング位置に動いてプリントヘッド44、46をシールする度に、スクレーパー72はターゲット62を横切ってこする。好ましくは、運搬台36は、パレット52を動かす前に、ブラックのプリントヘッドのキャップ54がブラックのプリントヘッド44と整列し三色のプリントヘッドのキャップ56が三色のプリントヘッド46と整列するまで、インク滴検出器システム58を通り整備領域38を越えて動く。プリントヘッド44、46がキャッピング位置にあるときには、スクレーパースライダー68およびスクレーパー72は、ペン40、42または運搬台36から妨害されることなく自由に動く。
【0039】
前述のように、スクレーパー72がターゲット62を横切って動いてアブソーバー堆積面76上の係合位置になると、スクレーパー72は、濡れたインクをターゲット62からアブソーバー堆積面76上に押し出しながら、押しのけなければ石筍状のインクを形成し始めていたかもしれないターゲット62上のいかなる乾燥したインクが堆積してたまったものも押しのける。
【0040】
図1ないし図4に示す廃インク除去システムの実施形態を用いて、石筍状のインクやその他固体のくずがもしターゲット62に存在するならば、そのようなものはアブソーバー堆積面76上に押し出される。制御装置26が用いるプリンタ制御ルーチンが理想的に調整されて、キャッピング直前にインク滴検出測定を行う。その直後の、パレット52をキャッピング位置に動かすプロセスによって、スクレーパー72が始動し、スクレーパー72がターゲット62からインクをまだ濡れている間に除去し、それによって、石筍状のまたは乾燥したインクがターゲット62上で固まってしまう可能性を最小にする。
【0041】
インクをまだ濡れている間にターゲット62から除去しようとしても、乾燥したインクくずがやはりターゲット62上で形成され、次にアブソーバー堆積面76上に押し出されるかもしれない。この可能性を処理するために、図5に他の実施形態を示す。図5の部分断面図に示すように、くず受け84をベース50内にモールドしてもよい。好ましくは、くず受け84は、PCA60の、アブソーバー堆積面76に近いほうの端の下に配置されている。くず受け84は、PCA60の前端とアブソーバー堆積面76との間に配置された開口部86を有する。その他の実施形態において、スクレーパー72がターゲット62を横切ってアブソーバー堆積面76に向かって動く間、いかなる乾燥したくずも、そして濡れたインクの残留物のうちのいくらかは、くず受け開口部86を通ってくず受け84に落ちる。その後、スクレーパー72は係合位置への移動を完了し、アブソーバー堆積面76上で静止して、くっついているいかなる濡れたインクも吸収できるようにする。
【0042】
さらに他の実施形態において、アブソーバー74とアブソーバー堆積面76とを省いて、インクの残留物およびインクくずが、もっぱらくず受け84内に堆積することができるようにしてもよい。本実施形態は、固体のくずがアブソーバー堆積面76上に蓄積するという問題を回避することによって、スクレーパー72が固体のくずをアブソーバー堆積面76からターゲット62上に引きずり戻すことがないようにしている。
【0043】
プリントヘッド44、46がキャッピングされている間、スクレーパー72はアブソーバー堆積面76と接触したままであり、ターゲットからこすり落とした今はスクレーパーにくっついているかもしれないいかなる濡れたインクも、アブソーバー74の毛管作用によってアブソーバー堆積面76内に引き込まれる時間があるようにしている。実際、図示のアブソーバー74の試作品テストは、アブソーバー堆積面76上に堆積したインクが、毛管作用を受けてアブソーバー74の全体にわたって流れるということを示している。したがって、アブソーバー74は、様々な量のインク、好ましくはインクジェットプリンタ20の予想寿命の間もつのに十分なインクを保持するような大きさに設計してもよい。
【0044】
可動パレット52を、キャップを取った位置に動かすと、ばね部材70によってスクレーパー72が引っ込み、運搬台36が運搬台案内ロッド32に沿ってプリント領域30内へと動いてプリントを行う間隔が提供される。インク滴検出器の測定からの情報を用いてプリントマスクを調整して、詰まったノズルを交換して最適の画像品質になるようにすることができる。
【0045】
【発明の効果】
廃インク除去システム65を静電インク滴検出器システム58とともに用いると、濡れたインクを乾燥する前にターゲット62から除去することができる。廃インク除去システム65によってまた、乾燥したインクが蓄積して石筍状のインクができる時までに、その乾燥したインクが蓄積したものを除去することができ、それによって、プリントヘッド44、46が損なわれないようにする。したがって、廃インク除去システムによって、プリント機構が高い信頼性でインク滴検出読み取りを用いて、プリントヘッド44、46が経時的に詰まる可能性があっても、一定で高品質かつ経済的なインクジェット出力をユーザに提供することができる。インク滴検出器システム58およびサービスステーション48の様々な構成要素の説明において、様々な利点を上述した。
【0046】
特許請求の範囲内での特定の実施次第で、様々な他の構造的に等価な改良および代用によって、本明細書において包含される概念にしたがってインク滴検出器の廃インク除去システムを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ここでは廃インク除去システムのある静電インク滴検出器を有するサービスステーションを備える、インクジェットプリンタの1形式の部分切り欠き斜視図である。
【図2】図1のサービスステーションの拡大斜視図である。
【図3】静電インク滴検出器上にインクを発射するインクジェットプリントヘッドをともに示す、図1のサービスステーションの拡大側面図である。
【図4】廃インク除去システムできれいにしている静電インク滴検出器を示す、図1のサービスステーションの拡大側面図である。
【図5】統合したくず受けを示す、廃インク除去システムの拡大部分側面図である。
【符号の説明】
20 インクジェットプリンタ
22 シャシ
24 格納装置
26 制御装置
28 媒体入力トレイ
30 プリント領域
31 出力トレイ
32 案内ロッド
34 走査軸
36 運搬台
38 整備領域
40 ブラックインクカートリッジ(ペン)
42 カラーインクカートリッジ(ペン)
44,46 プリントヘッド
48 サービスステーション
50 ベース
52 可動パレット(アクチュエータ)
54 ブラックのプリントヘッドキャップ
56 三色のプリントヘッドキャップ
58 インク滴検出器システム
60 プリント回路基板装置(PCA)
62 誘電性静電感知要素(ターゲット)
64 導線
65 廃インク除去システム
66 案内(スライダ)カバー
68 スクレーパースライダー
70 ばね部材
72 スクレーパー
74 アブソーバー
76 アブソーバー堆積面
78 可動パレットタワー
80 スクレーパースライダーレッグ
82 インク滴
84 くず受け
86 開口部

Claims (7)

  1. プリント機構内のインク滴センサからインクの残留物を取り除く廃インク除去システムにおいて、
    ベースと、
    アクチュエータと、
    前記ベースによって摺動可能に支持されているスクレーパーであって該スクレーパーは、前記アクチュエータによって前記インク滴センサから離れた位置である引退位置から前記インク滴センサの近傍の位置である係合位置へ動かされると、前記インク滴センサからインクの残留物をこすり落とすようになっているスクレーパーと、
    記インクの残留物を前記スクレーパーから除去するアブソーバーであって、前記スクレーパーが前記係合位置にあるときに前記アブソーバーは前記スクレーパーと接触するようになっているアブソーバー
    を備えており、
    前記アブソーバーは、前記スクレーパーが前記係合位置にあるときに前記スクレーパーからインクの残留物を受け取り除去するアブソーバー堆積面を含み、前記インク滴センサは、平面を規定するターゲット表面を有し、前記アブソーバー堆積面は、前記ターゲット表面と同一平面上に配置されている、
    廃インク除去システム。
  2. 前記ベースはさらに、前記スクレーパーの前記引退位置と前記係合位置との間での動きを制御する案内カバーを含む、請求項1記載の廃インク除去システム。
  3. 前記スクレーパーはさらに、
    前記案内カバー内で動いて、前記スクレーパーが前記引退位置と前記係合位置との間で動くときに前記スクレーパーを支持するスクレーパースライダーと、
    前記スクレーパースライダーを前記引退位置に向かって付勢するばね部材と
    を含む、請求項2記載の廃インク除去システム。
  4. 前記ばね部材はさらに、前記インク滴センサの寿命を延ばすために、前記スクレーパーのこすり落とし力を最小にする方向の付勢部品を含む、請求項3記載の廃インク除去システム。
  5. インクを選択的に噴出するプリントヘッドと、
    該プリントヘッドからインクを受け、その上にインクの残留物を蓄積するインク滴センサと、
    前記ベースによって摺動可能に支持されているスクレーパーであって、該スクレーパーは、前記アクチュエータによって前記インク滴センサから離れた位置である引退位置から前記インク滴センサの近傍の位置である係合位置へ動かされると、前記インク滴センサからインクの残留物をこすり落とすようになっているスクレーパーと、前記インクの残留物を前記スクレーパーから除去するアブソーバーであって、前記スクレーパーが前記係合位置にあるときに前記アブソーバーは前記スクレーパーと接触するようになっているアブソーバーとを備えており、前記アブソーバーは、前記スクレーパーが前記係合位置にあるときに前記スクレーパーからインクの残留物を受け取り除去するアブソーバー堆積面を含み、前記インク滴センサは、平面を規定するターゲット表面を有し、前記アブソーバー堆積面は、前記ターゲット表面と同一平面上に配置されている、廃インク除去システムと
    を具備するプリント機構。
  6. プリント機構内のインク滴センサからインクの残留物を取り除く廃インク除去システムにおいて、
    ベースと、
    アクチュエータと、
    前記ベースによって摺動可能に支持されているスクレーパーであって、該スクレーパーは、前記アクチュエータによって前記インク滴センサから離れた位置である引退位置から前記インク滴センサの近傍の位置である係合位置へ動かされると、前記インク滴センサからインクの残留物をこすり落とすようになっているスクレーパーと、
    前記インクの残留物を前記スクレーパーから除去するアブソーバーであって、前記スクレーパーが前記係合位置にあるときに前記アブソーバーは前記スクレーパーと接触するようになっているアブソーバーと、
    前記インク滴センサの下方に配置されているくず受けであって、該くず受けは、前記スクレーパーが前記インクの残留物を前記インク滴センサからこすり落とした後に前記インクの残留物を押し込む開口部を有している、くず受けと
    を備えており、
    前記アブソーバーは、前記スクレーパーが前記係合位置にあるときに前記スクレーパーからインクの残留物を受け取り除去するアブソーバー堆積面を含み、前記インク滴センサは、平面を規定するターゲット表面を有し、前記アブソーバー堆積面は、前記ターゲット表面と同一平面上に配置されている、
    廃インク除去システム。
  7. プリント機構内のインク滴センサからインクの残留物を取り除く方法において、
    前記インク滴センサが配置された平面上において、スクレーパーを前記インク滴センサから離れた位置である引退位置と前記インク滴センサの近傍の位置である係合位置との間で摺動させる段階と、
    前記スクレーパーが前記係合位置に動く間に、前記スクレーパーで、前記インク滴センサからインクの残留物をこすり落とす段階と、
    前記スクレーパーが前記係合位置にある間にアブソーバーと接触することによって、前記スクレーパーの表面からインクの残留物を除去する段階と、
    くず受け開口部を有するくず受けを設ける段階であって、該くず受けは、前記スクレーパーが前記引退位置から前記係合位置に動くときに前記スクレーパーが摺動する前記平面よりも下に配置されている段階と
    を含み、
    前記くず受け開口部は、前記くず受けの上側において前記インク滴センサと前記アブソーバーとの間に配置されている、
    インクの残留物を取り除く方法。
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