JP4104427B2 - 光学特性計測装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入射したレーザ光の光学特性を計測する光学特性計測装置関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光記録媒体の情報の記録、再生に用いられる光ヘッド装置では、フォトダイオードなどの半導体レーザ発光素子からの出射光を集光光学系を介して光記録媒体に収束させる。この際、光記録媒体に収束するスポット径は小さいほど好ましいとされている。それにはいろいろな技術要素が関わってくるが、とりわけ、集光光学系において集光レンズに入射する光の入射光軸、平行度、強度分布の最適化が必要である。そこで、レーザ光の光学特性を評価するために各種の光学特性計測装置が案出されている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。
【0003】
また、図17〜図20に示すような計測装置も使用されている。まず、図17に示す光学特性計測装置は、半導体レーザ発光素子101から出射された発散光を平行光化するコリメートレンズ102と、このコリメートレンズ102から出射された光を検出するレーザオートコリメータ110と、表示装置111とを有しており、この計測装置によれば、レーザ光の光軸と平行度とを計測することができる。
【0004】
図18に示す光学特性計測装置は、半導体レーザ発光素子101から出射された発散光を平行光化するコリメートレンズ102と、このコリメートレンズ102から出射された光に対する対物レンズ103と、CCD(撮像素子)121と、このCCD121での検出結果を解析するための画像処理装置122と、表示装置123とを有しており、この計測装置によれば、レーザ光の光量分布を計測することができる。
【0005】
図19に示す光学特性計測装置は、半導体レーザ発光素子101から出射された発散光を平行光化するコリメートレンズ102と、このコリメートレンズ102から出射された光を検出する光電変換式の位置検出素子131と、この位置検出素子131の検出結果を電気信号に変換する光電変換装置132と、表示装置133とを有しており、この計測装置によれば、レーザ光の光量分布重心を計測することができる。
【0006】
図20に示す光学特性計測装置は、半導体レーザ発光素子101から出射された発散光を平行光化するコリメートレンズ102と、干渉計141と、表示装置142とを有しており、この計測装置によれば、収差などを計測することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年の小型光学製品の場合、レーザ光の光軸、平行度、および強度分布の各々に対する光学特性計測装置を同時配置するのは空間的な制約により困難になりつつあり、また、各々の特性要素がトレードオフの関係をもって製品設計されることから、組立調整時に複数の要素を計測でき、かつ、光学特性計測装置の構成が安価であることが求められている。
【0008】
しかしながら、従来の光学特性計測装置では、入射光軸、強度分布の双方を同時に計測できるものがなく、その結果、当然のこととして、レーザ光の光軸、平行度、および強度分布の3要素を同時に計測できるものがない。
【0009】
図17および図18に示す計測装置は、CRTに出力されるのが一般的である。このため、それに表示されている画像データから光軸や強度分布の重心を数値的に読み取ろうとすると、作業者が表示画面から読み取る以外に方法がないため、作業者による読み取り誤差が発生しやすいという問題点がある。
【0010】
図19に示す計測装置によれば、開口を通過した直進性のあるレーザ光源の開口位置での光強度分布を評価する場合、センサーへの僅かな入射光の軸ずれと、開口と位置センサー受光面との距離との関係から、強度分布の重心の計測値に計測誤差が残ってしまうという問題点がある。
【0011】
図20に示す計測装置では、強度分布の数値的な評価はできるものの、計測およびデータ処理に長い時間を要する。このため、製造工程で使用しようとすると、相当数の光学特性計測装置が必要になるので、多大な設備費がかかるという問題点がある。
【0012】
しかも、従来からある光学特性計測装置は、いずれも高価であり、経済的ではない。とりわけ、図20に示す装置の場合、新たな開発設備でありため、多大な設備がかかるという問題点がある。
【0013】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、入射したレーザ光の光学特性を計測する光学特性計測装置おいて、簡易な光学系で各種計測を可能とする構成を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る計測装置では、平行光束化されたレーザ光が開口を介して入射する光路分離素子と、該光路分離素子を透過してきたレーザ光を受光する第1の面状光検出器と、前記光路分離素子で反射してきたレーザ光を受光する第2の面状光検出器とを有し、前記開口から前記第1の面状光検出器までの光路の長さと、前記開口から前記第2の面状光検出器までの光路の長さとが相違していることに特徴を有している。
【0015】
このような計測装置によれば、前記第1の面状光検出器における基準位置からの受光中心までの距離、前記第2の面状光検出器における基準位置からの受光中心までの距離、前記開口から前記第1の面状光検出器までの光路の長さ、および前記開口から前記第2の面状光検出器までの光路の長さに基づいて、前記レーザ光の入射角度、および前記開口を通過する際の光量分布の重心位置を計測可能である。
【0016】
また、前記第1の面状光検出器、および前記第2の面状光検出器はいずれも撮像素子であり、前記第1の面状光検出器、および前記第2の面状光検出器の検出結果に基づいて、前記レーザ光の平行度を計測可能に構成されていることに特徴を有している。撮像素子CCD:Charge Coupled Device)を用いれば、レーザ光の平行度を計測することができる。
【0017】
本発明において、前記光路分離素子から前記第1の面状光検出器に向かう光路上、あるいは前記光路分離素子から前記第2の面状光検出器に到る光路上のうちのいずれかに配置された光路合成素子と、該光路合成素子を介して前記光路分離素子に向けて校正用平行光を出射する校正用光源と、前記光路分離素子から出射された前記校正用平行光を当該光路分離素子に向けて反射して戻り光を前記第1の面状光検出器および前記第2の面状光検出器に受光させる校正用反射面とを有することが好ましい。このように構成すると、各光学素子の位置などを容易、かつ、高い精度で校正することができる。
【0024】
本発明のさらに別の形態に係る計測装置では、平行光束化されたレーザ光が開口を介して入射する光路分離素子と、該光路分離素子を透過あるいは反射してきたレーザ光を受光する第1の面状光検出器と、前記光路分離素子で反射あるいは透過してきたレーザ光を受光する第2の面状光検出器と、前記光路分離素子から前記第2の面状光検出器に向かう光路上に配置された集光レンズとを有し、前記第2の面状光検出器は、前記集光レンズの焦点位置近傍に配置されていることを特徴とする。
【0025】
本発明に係る計測装置によれば、前記第2の面状光検出器における基準位置から受光中心までの距離、および前記集光レンズから前記第2の面状光検出器までの光路の長さに基づいて、前記光路分離素子への前記平行光束の入射角度を計測することができ、かつ、当該入射角度、前記第1の面状光検出器における基準位置から受光中心までの距離、および前記開口から前記第1の面状光検出器までの光路の長さに基づいて、前記開口を通過する際の光量分布の重心位置を計測することができる。
【0026】
また、前記第1の面状光検出器、および前記第2の面状光検出器はいずれも撮像素子であり、前記第1の面状光検出器、および前記第2の面状光検出器の検出結果に基づいて、前記レーザ光の平行度を計測可能に構成されていることに特徴を有している。撮像素子を用いれば、レーザ光の平行度を計測することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明を適用した光学特性計測装置を説明する。
【0029】
[基本例1]
図1および図2はそれぞれ、本発明を適用した光学特性計測を説明するための基本的な構成例を示す装置全体の構成図、およびこの光学特性計測装置における各光学素子のレイアウトを示す説明図である。図3および図4はそれぞれ、図1に示す光学特性計測装置における計測原理を示す説明図、およびこの光学特性計測装置に用いた各光学素子を共通の光路上に展開して示す説明図である。
【0030】
図1および図2に示すように、本形態の光学特性計測装置1Aは、半導体レーザ発光素子(図示せず)から出射されたレーザ光L0がコリメートレンズ(図示せず)によって平行光化された状態で入射する開口11と、この開口11からの出射光の進路上に配置されたプリズムからなるビームスプリッタ12(光路分離素子)と、このビームスプリッタ12の透過反射膜を透過してきた光を受光する第1の位置検出素子21(第1の面状光検出器)と、ビームスプリッタ12の透過反射膜で反射してきた光を受光する第2の位置検出素子22(第2の面状光検出器)とを有している。また、第1の位置検出素子21および第2の位置検出素子22での検出結果は、信号処理回路81を介してデータ記憶部82に出力されるとともに、計測結果が表示装置83で表示されるようになっている。なお、信号処理回路および表示装置としては、A/Dコンバータ86を介して、パーソナルコンピュータ87に入力されるように構成してもよい。
【0031】
このように構成した光学特性計測装置1Aにおいて、半導体レーザ発光素子から出射されたレーザ光L0は、図3に示すように、開口11によって所定の光束に絞られた後、その一部は、ビームスプリッタ12の透過反射膜を透過して第1の位置検出素子21で検出され、他の部分は、ビームスプリッタ12の透過反射膜で反射して第2の位置検出素子22で検出される。
【0032】
ここで、各光学素子を共通の光路上に展開すると、図4に示すように表わされる。従って、本形態の光学特性計測装置1Aにおいて、機械的に設定した仮想基準線L1(一点鎖線で示す線)に対するレーザ光L0の光軸の傾き(入射角度)、およびこの仮想基準線L1からみたときの開口11における光量分布の重心位置をそれぞれθ、Lとし、かつ、第1の位置検出素子21および第2の位置検出素子22における仮想基準線L1からのずれ量をそれぞれP1、P2とするとともに、開口11からビームスプリッタ12の透過反射膜を透過して第1の位置検出素子21に到るまでの距離、および開口11からビームスプリッタ12の透過反射膜を反射して第2の位置検出素子22に到るまでの距離をそれぞれD1、D2(D1≠D2)としたとき、以下の式より、入射角度θが求める。
【0033】
θ=arctan{(P2−P1)/(D2−D1)} ・・・(1)
【0034】
L=P1−D1*tanθ ・・・(2)
【0035】
従って、2つの位置検出素子21、22、および1つのビームスプリッタ12によって、レーザ光L0の光軸を求めることができ、かつ、2つの位置検出素子21、22のうちの一方の位置検出素子21での検出結果に基づいて光量分布の重心位置を求めることができる。
【0036】
[基本例2]
図5(A)、(B)、(C)は、本発明を適用した光学特性計測を説明するための基本的な構成例の要部を示す説明図、この光学特性計測装置を参考例として変位計として用いた構成図、および変位計としての原理を示す説明図である。なお、以下に説明する各形態は、基本的な構成が基本例1と同様であるため、共通する機能を有する部分には同一の符号を付して図示することにして、それらの詳細省略する。
【0037】
基本例1では、装置上に機械的に設定した仮想基準線L1に基づいて、2つの位置検出素子21、22の角度、および原点位置(基準位置)を設定したが、本形態では、2つの位置検出素子21、22の角度、および原点位置を光学的に校正できるように構成されている。
【0038】
すなわち、図5(A)に示すように、本形態の計測装置1Bでは、実施の形態1と同様、半導体レーザ発光素子(図示せず)から出射されたレーザ光L0がコリメートレンズおよび開口(いずれも図示せず)を介して入射するプリズムからなるビームスプリッタ12と、このビームスプリッタ12の透過反射膜を透過してきた光を受光する第1の位置検出素子21(第1の面状光検出器)と、ビームスプリッタ12の透過反射膜で反射してきた光を受光する第2の位置検出素子22(第2の面状光検出器)とを有している。
【0039】
また、本形態では、ビームスプリッタ12から第2の位置検出素子22に到る光路上にハーフミラー31(光路合成素子)を配置するとともに、このハーフミラー31に向けて、基準光源32から平行光を出射するように構成されている。また、開口11が配置されている位置には、基準反射面33を配置可能になっている。
【0040】
このため、基準光源32から出射された光は、ハーフミラー31で反射してビームスプリッタ12で反射して基準反射面33に向かい、この基準反射面33での反射光は、一部がビームスプリッタ12の透過反射膜を透過して第1の位置検出素子21で検出され、他の部分は、ビームスプリッタ12の透過反射膜で反射した後、ハーフミラー31を透過し、しかる後に、第2の位置検出素子22で検出される。
【0041】
このときの第1の位置検出素子21、および第2の位置検出素子22での検出結果(センサ出力)に基づいて、第1の位置検出素子21、および第2の位置検出素子22について、その角度、および原点位置を調整すれば、正確に校正することができる。
【0042】
このような校正原理を利用すれば、図5(B)に示すように、光学式変位計を構成できる。この光学式変位計では、基準反射面33が角度φ分だけわずかに傾くように配置され、かつ、基準反射面33は、変位の計測対象であるワーク(図示せず)と一体に移動可能である。このため、図5(C)に示すように、ワークの移動によって、基準反射面33が光軸方向に位置d1から位置d2に変位し、それに伴って、第1の位置検出素子21での測定値が測定値X1から測定値X2に変化したとき、ワークの変位量δd(d2−d1)は、計測値の変化量δX(X2−X1)に基づいて下式より求まる。
【0043】
δd=δX/(tan(2φ)) ・・・(3)
【0044】
[基本例3]
図6は、本発明を適用した光学特性計測を説明するための基本的な構成例の要部を示す説明図である。
【0045】
図6に示すように、本形態では、基本例1と同様、半導体レーザ発光素子(図示せず)から出射されたレーザ光L0がコリメートレンズおよび開口(いずれも図示せず)を介して入射するプリズムからなるビームスプリッタ12と、このビームスプリッタ12の透過反射膜を透過してきた光を受光する第1の位置検出素子21(第1の面状光検出器)と、ビームスプリッタ12の透過反射膜で反射してきた光を受光する第2の位置検出素子22(第2の面状光検出器)とを有している。
【0046】
また、本形態では、半導体レーザ発光素子からビームスプリッタ12に向かう光路上には、ビームスプリッタ13が配置され、このビームスプリッタ13の透過反射膜を透過した光がビームスプリッタ12に向かうようになっている。また、ビームスプリッタ12の透過反射膜で反射された光は、簡易干渉計41に入射するようになっている。その他の構成は、基本例1と略同様である。
【0047】
このため、本形態の光学特性計測装置1Cによれば、基本例1で説明したように、2つの位置検出素子21、22、およびビームスプリッタ12によって、レーザ光L0の光軸を求めることができ、かつ、2つの位置検出素子21、22のうちの一方の位置検出素子21での検出結果に基づいて光量分布の重心位置を求めることができる。また、ビームスプリッタ13および簡易干渉計41によって、レーザ光L0の平行度を計測することもできる。
【0048】
[基本例4]
図7(A)、(B)は、本発明を適用した光学特性計測を説明するための基本的な構成例の要部を示す説明図、およびこの光学特性計測装置に第1の面状光検出器として用いたCCD(撮像素子)での検出結果を示す説明図である。
【0049】
図7(A)に示すように、本形態では、基本例1と同様、半導体レーザ発光素子(図示せず)から出射された光がコリメートレンズおよび開口(いずれも図示せず)を介して入射するプリズムからなるビームスプリッタ12と、このビームスプリッタ12の透過反射膜を透過してきた光を受光する第1の面状光検出器と、ビームスプリッタ12の透過反射膜で反射してきた光を受光する位置検出素子22(第2の面状光検出器)とを有している。基本例1では、第1の面状光検出器として、位置検出素子が用いられていたが、本形態では、第1の面状光検出器として、CCD51が用いられている。
【0050】
このように構成した光学特性計測装置1Dでも、第1の面状光検出器として用いたCCD51では、図7(B)に示すようなデータが得られるので、実施の形態1と同様、レーザ光L0の光軸、および光量分布の重心位置を求めることができる。
【0051】
[基本例5]
図8(A)、(B)は、本発明を適用した光学特性計測を説明するための基本的な構成例の要部を示す説明図、およびこの光学式計測装置に第2の面状光検出器として用いたCCDでの検出結果を示す説明図である。
【0052】
図8(A)に示すように、本形態では、基本例1と同様、半導体レーザ発光素子(図示せず)から出射された光がコリメートレンズおよび開口(いずれも図示せず)を介して入射するプリズムからなるビームスプリッタ12と、このビームスプリッタ12の透過反射膜を透過してきた光を受光する位置検出素子21(第1の面状光検出器)と、ビームスプリッタ12の透過反射膜で反射してきた光を受光する第2の面状光検出器とを有している。基本例1では、第2の面状光検出器として、位置検出素子が用いられていたが、本形態では、第2の面状光検出器として、CCD52が用いられている。
【0053】
このように構成した光学特性計測装置1Eでも、第2の面状光検出器として用いたCCD52には、図8(B)に示すようなデータが得られるので、基本例1と同様、レーザ光L0の光軸、および光量分布の重心位置を求めることができる。
【0054】
[実施の形態
図9(A)、(B)は、本発明を適用した光学特性計測の要部を示す説明図、およびこの光学特性計測装置に面状光検出器として用いたCCDでの検出結果を示す説明図である。
【0055】
図9(A)に示すように、本形態では、基本例1と同様、半導体レーザ発光素子(図示せず)から出射された光がコリメートレンズおよび開口(いずれも図示せず)を介して入射するプリズムからなるビームスプリッタ12と、このビームスプリッタ12の透過反射膜を透過してきた光を受光する第1の面状光検出器と、ビームスプリッタ12の透過反射膜で反射してきた光を受光する第2の面状光検出器とを有している。基本例1では、第1および第2の面状光検出器として、位置検出素子が用いられていたが、本形態では、第1の面状光検出器として第1のCCD51が用いられ、第2の面状光検出器として第2のCCD52が用いられている。
【0056】
このように構成した光学特性計測装置1Fでも、面状光検出器として用いたCCD51、52には、図9(B)に示すようなデータが得られるので、基本例1と同様、レーザ光L0の光軸、および光量分布の重心位置を求めることができる。
【0057】
また、第1のCCD51、および第2のCCD52での検出結果は、図9(B)に示すように、発散光、平行光、および収束光のいずれであるかによって、異なる画像データが求められる。従って、第1のCCD51および第2のCCD52での検出結果を比較してその比などを求めれば、入射光の平行度を計測、評価することができる。
【0058】
[基本例6]
図10(A)、(B)は、本発明を適用した光学特性計測を説明するための基本的な構成例における各光学素子のレイアウトを示す説明図、およびこの光学特性計測装置をベースに光軸位置の計測機能を付加したときの各光学素子のレイアウトを示す説明図である。図11および図12はそれぞれ、図10(B)に示す光学特性計測装置における計測原理を示す説明図、およびこの光学特性計測装置に用いた各光学素子を共通の光路上に展開して示す説明図である。
【0059】
図10(A)に示す示すように、本形態の光学特性計測装置1Gは、半導体レーザ発光素子(図示せず)から出射された光がコリメートレンズおよび開口(いずれも図示せず)を介して入射するビームスプリッタ12と、このビームスプリッタ12の透過反射膜を反射してきた光を受光する第2の位置検出素子22(第2の面状光検出器)とを有している。また、本形態の光学特性計測装置1Gには、ビームスプリッタ12から第2の位置検出素子22に向かう光路の途中位置に集光レンズ61が配置され、第2の位置検出素子22は、この集光レンズ61の焦点位置付近に配置されている。
【0060】
このように構成した光学特性計測装置1Gでは、後述するように、第2の位置検出素子22での検出結果に基づいて、入射光の光軸(入射角度)を求めることができる。
【0061】
また、本形態では、図10(B)に示すように、光学特性計測装置1Gに対して、ビームスプリッタ12の透過反射膜を透過してきた光を受光する第1の位置検出素子21(第2の面状光検出器)を設ければ、入射光軸に加えて、光量分布の重心を求めることができる。
【0062】
このように構成した光学特性計測装置1Gでは、半導体レーザ発光素子から出射されたレーザ光L0は、図11に示すように、開口11によって所定の光束に絞られた後、その一部は、ビームスプリッタ12の透過反射膜を反射して第1の位置検出素子21で検出され、他の部分は、ビームスプリッタ12の透過反射膜で透過した後、集光レンズ61によって収束光とされた後、第2の位置検出素子22で検出される。
【0063】
ここで、各光学素子を共通の光路上に展開すると、図12に示すように表わされる。従って、本形態の光学特性計測装置1Gにおいて、仮想基準線L1(一点鎖線で示す線)に対するレーザ光L0の光軸の傾き(入射角度)をθとし、かつ、第2の位置検出素子22における基準位置からのずれ量をそれぞれP2とするとともに、集光レンズ61から第2の位置検出素子22に到るまでの距離をD3としたとき、以下の式より、入射角度θが求まる。
【0064】
θ=arctan{P2/D3} ・・・(4)
【0065】
また、入射角度θが求めることができれば、第1の位置検出素子21でのずれ量をP1、および開口11からビームスプリッタ12の透過反射膜を反射して第1の位置検出素子21に到るまでの距離D1に基づいて、以下の式より、開口11での光量分布の重心位置Lを求めることができる、
【0066】
L=P1−D1*tanθ ・・・(5)
【0067】
従って、1つの位置検出素子22、および1つの集光レンズ61によって、レーザ光L0の光軸(入射角度)を求めることができ、この入射角度、および1つの位置検出素子22の検出結果に基づいて光量分布の重心位置を求めることができる。
【0068】
[基本例7]
図13(A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した光学特性計測を説明するための基本的な構成例の要部を示す説明図、および本形態の別の光学特性計測装置の要部を示す説明図である。
【0069】
図13(A)に示す光学特性計測装置1Hは、図10(A)に示す計測装置の改良例であり、半導体レーザ発光素子(図示せず)から出射された光がコリメートレンズおよび開口(いずれも図示せず)を介して入射するビームスプリッタ12と、このビームスプリッタ12の透過反射膜を反射してきた光を受光する第2の位置検出素子22(第2の面状光検出器)とを有している。また、本形態の光学特性計測装置1には、ビームスプリッタ12から第2の位置検出素子22に向かう光路の途中位置に集光レンズ61が配置され、第2の位置検出素子22は、この集光レンズの焦点位置付近に配置されている。
【0070】
このように構成した光学特性計測装置1に対して、基本例3のように、簡易干渉計41を追加する場合には、ビームスプリッタ12に対して光入射側とは反対側の位置に簡易干渉計41を配置すればよい。このように構成すると、ビームスプリッタ12の透過反射膜を透過してきた光が簡易干渉計41に入射するので、平行度を計測することができる。
【0071】
これに対して、図10(B)に示す装置構成の場合には、図13(B)に示すように、半導体レーザ発光素子からビームスプリッタ12に向かう光路上にビームスプリッタ13を配置し、このビームスプリッタ13の透過反射膜で反射された光を簡易干渉計41が検出するように構成すればよい。
【0072】
このような構成によれば、基本例6に係る光学特性計測装置に平行度を計測する機能を追加することができる。
【0073】
[基本例8]
図14(A)、(B)は、本発明を適用した光学特性計測を説明するための基本的な構成例の要部を示す説明図、およびこの光学特性計測装置に第1の面状光検出器として用いたCCDでの検出結果を示す説明図である。
【0074】
図14(A)に示すように、本形態では、基本例6と同様、半導体レーザ発光素子(図示せず)から出射された光がコリメートレンズおよび開口(いずれも図示せず)を介して入射するプリズムからなるビームスプリッタ12と、このビームスプリッタ12の透過反射膜を透過してきた光を受光する第1の面状光検出器と、ビームスプリッタ12の透過反射膜で反射してきた光を受光する位置検出素子22(第2の面状光検出器)とを有している。基本例6では、第1の面状光検出器として、位置検出素子が用いられていたが、本形態では、第1の面状光検出器として、CCD51が用いられている。
【0075】
このように構成した光学特性計測装置1Iでも、第1の面状光検出器として用いたCCD51には、図14(B)に示すようなデータが得られるので、基本例6と同様、レーザ光L0の光軸、および光量分布の重心位置を求めることができる。
【0076】
[基本例9]
図15は、本発明を適用した光学特性計測を説明するための基本的な構成例の要部を示す説明図である。
【0077】
図15に示すように、本形態では、基本例6と同様、半導体レーザ発光素子(図示せず)から出射された光がコリメートレンズおよび開口(いずれも図示せず)を介して入射するプリズムからなるビームスプリッタ12と、このビームスプリッタ12の透過反射膜を透過してきた光を受光する位置検出素子(第1の面状光検出器)と、ビームスプリッタ12の透過反射膜で反射してきた光を受光する第2の面状光検出器とを有している。基本例6では、第2の面状光検出器として、位置検出素子が用いられていたが、本形態では、第2の面状光検出器として、CCD52が用いられている。
【0078】
このように構成した光学特性計測装置1Jでも、基本例6と同様、レーザ光L0の光軸、および光量分布の重心位置を求めることができる。
【0079】
[実施の形態2]
図16(A)、(B)は、本発明を適用した光学特性計測の要部を示す説明図、およびこの光学特性計測装置に面状光検出器として用いたCCDでの検出結果を示す説明図である。
【0080】
図16(A)に示すように、本形態では、基本例6と同様、半導体レーザ発光素子(図示せず)から出射された光がコリメートレンズおよび開口(図示せず)を介して入射するプリズムからなるビームスプリッタ12と、このビームスプリッタ12の透過反射膜を透過してきた光を受光する第1の面状光検出器と、ビームスプリッタ12の透過反射膜で反射してきた光を受光する第2の面状光検出器とを有している。基本例6では、第1および第2の面状光検出器として、位置検出素子が用いられていたが、本形態では、第1の面状光検出器として第1のCCD51が用いられ、第2の面状光検出器として第2のCCD52が用いられている。
【0081】
このように構成した光学特性計測装置1Kでも、面状光検出器として用いたCCD51、52には、図16(B)に示すようなデータが得られるので、基本例6と同様、レーザ光L0の光軸、および光量分布の重心位置を求めることができる。
【0082】
ここで、第1のCCD51で検出結果は、発散光、平行光、および収束光のいずれであるかによって、異なる画像データが求められる。また、第2のCCD52で検出結果は、発散光、平行光、および収束光のいずれであるかによって、スポットのピーク値が異なる。従って、第1のCCD51および第2のCCD52での検出結果を比較すれば、入射光の平行度を計測、評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を説明するための基本例1に係る光学特性計測装置全体の構成図である。
【図2】 図1に示す光学特性計測装置における各光学素子のレイアウトを示す説明図である。
【図3】 図1に示す光学特性計測装置における計測原理を示す説明図である。
【図4】 図1に示す光学特性計測装置に用いた各光学素子を共通の光路上に展開して示す説明図である。
【図5】 (A)、(B)、(C)は、本発明を説明するための基本例2に係る光学特性計測装置の要部を示す説明図、この光学特性計測装置を参考例として変位計として用いた場合の構成図、および変位計としての原理を示す説明図である。
【図6】 本発明を説明するための基本例3に係る光学特性計測装置の要部を示す説明図である。
【図7】 (A)、(B)はそれぞれ、本発明を説明するための基本例4に係る光学特性計測装置の要部を示す説明図、およびこの光学特性計測装置に第1の面状光検出器として用いたCCD(撮像素子)での検出結果を示す説明図である。
【図8】 (A)、(B)はそれぞれ、本発明を説明するための基本例5に係る光学特性計測装置の要部を示す説明図、およびこの光学特性計測装置に第2の面状光検出器として用いたCCDでの検出結果を示す説明図である。
【図9】 (A)、(B)はそれぞれ、本発明を説明するための基本例6に係る光学特性計測装置の要部を示す説明図、およびこの光学特性計測装置に面状光検出器として用いたCCDでの検出結果を示す説明図である。
【図10】 (A)、(B)はそれぞれ、本発明の実施の形態に係る光学特性計測装置における各光学素子のレイアウトを示す説明図、およびこの光学特性計測装置をベースに光軸位置の計測機能を付加したときの各光学素子のレイアウトを示す説明図である。
【図11】 図10(B)に示す光学特性計測装置における計測原理を示す説明図である。
【図12】 図10(B)に示す光学特性計測装置に用いた各光学素子を共通の光路上に展開して示す説明図である。
【図13】 (A)、(B)はそれぞれ、本発明を説明するための基本例7に係る光学特性計測装置の要部を示す説明図、および本形態の別の光学特性計測装置の要部を示す説明図である。
【図14】 (A)、(B)はそれぞれ、本発明を説明するための基本例8に係る光学特性計測装置の要部を示す説明図、およびこの光学特性計測装置に第1の面状光検出器として用いたCCDでの検出結果を示す説明図である。
【図15】 本発明を説明するための基本例9に係る光学特性計測装置の要部を示す説明図である。
【図16】 本発明の実施の形態に係る光学特性計測装置の要部を示す説明図、およびこの光学特性計測装置に面状光検出器として用いたCCDでの検出結果を示す説明図である。
【図17】 従来の第1の光学特性計測装置の要部を示す説明図である。
【図18】 従来の第2の光学特性計測装置の要部を示す説明図である。
【図19】 従来の第3の光学特性計測装置の要部を示す説明図である。
【図20】 従来の第4の光学特性計測装置の要部を示す説明図である。
【符号の説明】
1A〜1K 光学特性計測装置
11 開口
12、13 ビームスプリッタ(光路分離素子)
21 第1の位置検出素子(第1の面状光検出器)
22 第2の位置検出素子(第2の面状光検出器)
31 ハーフミラー(光路合成素子)
32 基準光源
33 基準反射面
41 干渉計
51 第1のCCD(第1の面状光検出器/撮像素子)
52 第2のCCD(第2の面状光検出器/撮像素子)
61 集光レンズ

Claims (3)

  1. 平行光束化されたレーザ光が開口を介して入射する光路分離素子と、該光路分離素子を透過してきたレーザ光を受光する第1の面状光検出器と、前記光路分離素子で反射してきたレーザ光を受光する第2の面状光検出器とを有し、
    前記開口から前記第1の面状光検出器までの光路の長さと、前記開口から前記第2の面状光検出器までの光路の長さとが相違し、
    前記第1の面状光検出器における基準位置からの受光中心までの距離、前記第2の面状光検出器における基準位置からの受光中心までの距離、前記開口から前記第1の面状光検出器までの光路の長さ、および前記開口から前記第2の面状光検出器までの光路の長さに基づいて、前記レーザ光の入射角度、および前記開口を通過する際の光量分布の重心位置を計測可能に構成されており
    前記第1の面状光検出器、および前記第2の面状光検出器はいずれも撮像素子であり、
    前記第1の面状光検出器、および前記第2の面状光検出器の検出結果に基づいて、前記レーザ光の平行度を計測可能に構成されていることを特徴とする光学特性計測装置。
  2. 請求項1において、前記光路分離素子から前記第1の面状光検出器に向かう光路上、あるいは前記光路分離素子から前記第2の面状光検出器に到る光路上のうちのいずれかに配置された光路合成素子と、該光路合成素子を介して前記光路分離素子に向けて校正用平行光を出射する校正用光源と、前記光路分離素子から出射された前記校正用平行光を当該光路分離素子に向けて反射して戻り光を前記第1の面状光検出器および前記第2の面状光検出器に受光させる校正用反射面とを有することを特徴とする光学特性計測装置。
  3. 平行光束化されたレーザ光が開口を介して入射する光路分離素子と、該光路分離素子を透過あるいは反射してきたレーザ光を受光する第1の面状光検出器と、前記光路分離素子で反射あるいは透過してきたレーザ光を受光する第2の面状光検出器と、前記光路分離素子から前記第2の面状光検出器に向かう光路上に配置された集光レンズとを有し、
    前記第2の面状光検出器は、前記集光レンズの焦点位置近傍に配置され、
    前記第2の面状光検出器における基準位置から受光中心までの距離、および前記集光レンズから前記第2の面状光検出器までの光路の長さに基づいて、前記光路分離素子への前記平行光束の入射角度を計測可能に構成され、
    かつ、当該入射角度、前記第1の面状光検出器における基準位置から受光中心までの距離、および前記開口から前記第1の面状光検出器までの光路の長さに基づいて、前記開口を通過する際の光量分布の重心位置を計測可能に構成されており、
    前記第1の面状光検出器、および前記第2の面状光検出器はいずれも撮像素子であり、
    前記第1の面状光検出器、および前記第2の面状光検出器の検出結果に基づいて、前記レーザ光の平行度を計測可能に構成されていることを特徴とする光学特性計測装置。
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