JP4104082B1 - 花付山葵の栽培方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】人工的な環境で山葵の花芽を育成し花付山葵を生産できる山葵の育成方法を提供する。
【解決手段】温度調整可能とされた栽培空間内に照明設備を設け、一日当たりの光照射時間が消灯時間より短くされた第1のパターンで光を照射するとともに、前記内部空間の平均温度が0℃以上15℃以下となるように温度調整して山葵を育成する。その後、内部空間の温度を一時的に−5℃以上0℃未満にする処理を1〜5回、繰り返す。さらに、内部空間の平均温度が0℃以上15℃以下となるように温度調整し、さらに光照射時間を第1のパターンより長くした上で内部空間の平均温度が10℃を超え20℃以下となるように温度調整して花芽を育成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、山葵の栽培方法および装置に関し、特に、山葵を閉鎖空間内で人工的に育成する方法および装置に関する。
従来、山葵栽培は山間地の渓流を利用するいわゆる山葵田で行われてきた。しかし、自然環境下での山葵栽培は、温度条件や山葵田を流れる水の水質等により生育障害等を受ける恐れが高い。このため、近年、温度等の環境を制御可能な人工的な環境で山葵を栽培する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、山葵を植栽した栽培容器をハウス内に設置し、栽培容器の上方から地下水を散水または噴霧する山葵の栽培方法が開示されている。特許文献1では、ハウス内の温度を調整するとともに、栽培容器に供給される水の溶存酸素濃度を高めることを目的として、栽培容器の上方から冷涼な地下水を散水または噴霧する。
また、特許文献2には、山葵を植栽した栽培容器から流出する水を循環する水循環装置を備える山葵栽培装置が開示されている。特許文献2では、栽培容器から流出した水を濾過し、水の温度と溶存酸素濃度およびpHを調整した上で栽培容器に循環させる。また、この山葵栽培装置は照明装置を備えるため、屋内で山葵栽培を行うことができる。
これら特許文献に開示された先行技術は、山葵が栽培される空間の温度を制御するとともに、溶存酸素濃度の高い水を供給することで山葵の根圏の酸素不足を防止することで、山葵の根茎の肥育を図る。
特開2005−245277号公報 特開2001−275504号公報
ところで、山葵は根茎部のみならず、葉や花茎部分も食用に供される。特に山葵の花は料理に彩りを添えることから、花をつけた葉茎が近年、注目されるようになっている。しかし、山葵の花は自然環境下では初夏の限られた期間しか開花しない。一方、人工的な環境下で山葵を育成し、花をつけさせる方法は知られていない。
本発明は、上記課題に鑑み、人工的な環境で山葵の花芽を育成し、花(開花した花および開花する花芽を含むものとする)が付いた山葵の地上茎(花付山葵)を生産できる山葵の栽培方法を提供することを目的とする。本発明はまた、人工的な環境下で山葵を育成することで、花付山葵を一年中、生産できる花付山葵の栽培方法を提供する。
本発明は、温度調整可能とされた栽培空間内に照明設備を設け、山葵への光照射パターンと温度条件とを関連付けて制御し、一時的に栽培空間内の温度を0℃未満にして山葵の花芽を育成する。より具体的には、本発明は以下を提供する。
(1) 内部空間を有する山葵栽培装置に山葵を植栽した栽培容器を収容し、 前記内部空間に照明機器を設けて前記山葵に、一日当たりの光照射時間が消灯時間より短くされた第1のパターンで光を照射するとともに、前記内部空間の温度を0℃以上15℃以下にする第1の栽培期と、 前記第1のパターンで前記山葵に光を照射するとともに前記内部空間の温度を一時的に−5℃以上0℃未満にする第2の栽培期と、 前記内部空間の温度を0℃以上15℃以下にする第3の栽培期と、を含む花付山葵の栽培成方法。
本発明では、光照射時間と温度条件とを人工的に制御できる環境下で山葵を栽培し、温度条件と明暗パターンとを同期的に切り替え、第1の栽培期で山葵を寒冷条件に馴化させた上で第2の栽培期で0℃以下の温度にさらして花芽形成を促す。
第1の栽培期は、15日以上90日以内(1〜3カ月)程度とするとよく、特に30日以上60日以内(1〜2ヶ月)程度とすればよい。第1の栽培期では、内部空間が0℃を超え15℃を超えないように温度を調整しつつ、平均温度が0℃以上15℃以下、特に8℃〜12℃程度となるように調整することが好ましい。第1の栽培期では、期間のはじめ(例えば第1の栽培期に入ってから7日程度までの間)は、内部空間の温度を10℃以上20℃以下にするとともに、平均温度が徐々に低下するように(例えば1日あたり0.5℃〜1℃程度低下するように)温度調整を行うことが好ましい。
第2の栽培期は、15日以上60日以内(半月〜2月)程度とすればよく、特に20日以上45日以内(1カ月前後)程度とすればよい。第2の栽培期では、内部空間の温度が一時的に0℃未満となるようにする寒冷刺激を与える。また、第2の栽培期では、内部空間の平均温度が0℃以上5℃以下程度となるようにするとよい。0℃未満とする時間は、4時間以上とすることが好ましく、12時間〜36時間程度、特に24時間前後が好ましい。寒冷刺激を与える際は、内部空間の温度が−5℃を下回らないように温度調整を行うことが好ましく、特に内部空間の温度を−3℃以上0℃未満とすることが好ましい。寒冷刺激は、複数回、与えることが好ましく、少なくとも2〜3回、好ましくは3〜6回程度、繰り返すとよい。寒冷刺激は3〜10日間隔、特に6〜8日間隔で与えることが好ましい。
第3の栽培期は、15日以上90日以内(半月〜3月)程度とすればよい。第3の栽培期では、内部空間が0℃を超え15℃を超えないように温度を調整しつつ、平均温度が0℃以上15℃以下、特に8℃〜12℃程度となるように調整するとよい。ただし、第3の栽培期では、期間のはじめ(例えば第3の栽培期に入ってから7日程度までの間)は、内部空間の温度を0℃以上10℃以下にするとともに、平均温度が徐々に上昇するように(例えば1日あたり0.5℃〜1℃程度上昇するように)温度調整を行うことが好ましい。
第4の栽培期では、内部空間の平均温度が10℃を超え20℃を超えないように温度調整をしながら、光照射パターンを変更して光照射時間が消灯時間より長くなるようにすることが好ましい。第4の栽培期においては、照明機器から照射される光が一秒当たり数サイクル〜数十サイクルで変動してちらつきを生じるようにするとよい。光のちらつきを発生させるためには、照明機器に供給する電流を数サイクル〜数十サイクルで変動させるよう、制御すればよい。光のちらつきは、ランダムであることが好ましいが、これに限定されず規則的であってもよい。
本発明によれば、第2の栽培期で花芽が形成され、第3の栽培期で山葵が高温条件に適応するようにする馴化を行うことで、花芽を育成して開花させる第4の栽培期にスムーズに移行できる。よって、本発明によれば食用の花付山葵が生産され、本発明でいう栽培方法は、製造方法の一態様と見ることができる。
上記本発明に係る花付山葵の栽培方法は、温度および光を人工的に制御できるように閉鎖可能な内部空間が形成された箱や建物を栽培装置本体とし、内部空間に設けた照明機器、温度調整機器、および照明機器と温度調整機器とを制御する制御装置を備える栽培装置で実施できる。栽培装置にはまた、内部空間の二酸化炭素濃度を人工的に調整する二酸化炭素濃度調整器を設け、光照射中の内部空間の二酸化炭素濃度が消灯中の濃度より高くなるようにするとよい。
本発明によれば、花付山葵を人工的に育成し、季節によらずに花を付けた山葵の葉茎を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明について具体的に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る花付山葵育成装置(以下、省略して「育成装置」)1の全体模式図である。
育成装置1は、温度および光環境を人工的に調整できる内部空間10が内部に形成された箱体9を本体とする。本発明は、植物工場の建物を箱状の本体として実施することも可能である。
箱体9の内部空間10には、設置面9Bと向かい合う上面9Aに沿って照明機器11が設けられている。電源から送られる電気を照明機器11に供給する照明コード21の途中には制御装置8が設けられている。
内部空間10にはまた、照明機器11より設置面9Bに近い部分に、設置面に水平な棚19が設けられている。棚19の上(すなわち上面9A側)には栽培容器15が載置される。栽培容器15の底面には複数の孔が形成され、この孔から流出する水を受けるため、水受皿17が棚19の下に配置されている。すなわち、栽培容器15と水受け皿17とは棚19を介して向かい合うように配置されている。
水受皿17には排水ホース27が接続され、流出水を箱体9の外部へ排出できるように構成されている。ただし、栽培容器15や水受皿17の構成はこれに限られず、例えば栽培容器と水受皿とを取り外し可能に一体化し、水受皿を栽培容器から取り外すことで排水する等してもよい。
棚19と照明機器11との間には、栽培容器15上方にあって設置面に対して水平に延びる支持棒23が設けられている。支持棒23には、散水器13が取り付けられている。この散水器13は、ホースの先端に複数の噴出口が形成されたシャワーヘッドが取り付けられて構成されている。シャワーヘッドは、支持棒23の延伸方向に沿って移動可能に構成され、箱9の一方の側壁側の山葵Wから他方の側壁側の山葵Wまで散水できる。
育成装置1には、内部空間10の温度を調整する温度調整機器12が配備されている。温度調整器12は、温風および冷風を内部空間10内に供給する空調機器で構成される。温度調整機器12に電源から送られる電気を供給する空調コード22の途中には制御装置8が配置されている。
制御装置8は、照明機器11への電気供給を制御して照明機器のオン/オフを制御する照明制御部81と、温度調整機器12への電気供給を制御して温度調整機器12に内部空間10の温度を調整させる温度調整制御部82を有する。本実施態様では、制御装置8はさらに散水器13に水を供給するポンプPのオン/オフを制御する潅水制御部83を有する。
照明制御部81は、照明機器11を第1のパターンまたは第2のパターンで光照射するように設定された光照射プログラムを備え、あらかじめ設定された第1のパターンまたは第2のパターンを実行するプログラムに従い、例えば制御装置8に設けたタイマによって光照射時間を制御する。照明制御部81は、第2のパターンで光照射を行う際には、光にちらつきを生じさせるように照明機器11への電気供給を行うように設定されていることが好ましい。第2のパターンで光照射を行う際に、光をちらつかせることで、葉の緑色を鮮やかにできる。
また、照明制御部81は、照明機器11の照度を変更できるように構成されていることが好ましい。照明機器11の照度は、少なくとも低照度(照度が6,000〜7,000ルクス程度)での光照射と、高照度(7,000〜15,000ルクス、特に7,500〜10,000ルクス程度)での光照射ができるように構成されていることが好ましい。
制御装置8は、少なくとも第1〜第3の栽培期に合わせて第1〜第3のパターンで照明機器11と温度調整器12とを制御する装置であれば限定されない。例えば、照明制御部81および温度調整制御部82の両方が自動的に設定変更され、第1〜第3のパターンでの制御が自動的に実行されるように構成されていてもよい。あるいは、照明制御部81および温度調整制御部82を別々に手動で切り替え、第1〜第3のパターンでの制御を実行するように構成されてもよい。なお、本実施態様では制御装置8は、第3のパターンの後に第4の制御パターンが実行されるように構成されている。
本実施態様では、内部空間10の棚19の近傍に温度センサTを配置している。温度センサTは制御装置8に接続され、制御装置8に温度センサTで自動的に計測され出力される温度情報が送られる。温度調整制御部82は、温度センサTから受け取った温度情報に基づき、温度調整器12を制御して内部空間10の温度を第1〜第4のパターンに調整する。
また、栽培装置1には内部空間10の二酸化濃度を調整するため、内部空間10に二酸化炭素ガスを供給する二酸化炭素供給装置をさらに設け、制御装置8で内部空間10の二坂炭素濃度を制御するようにしてもよい。例えば、温度調整機器12から内部空間10に気体を供給する供給路の途中に、二酸化炭素ガスを送るCO管を接続し、CO管を流れる二酸化炭素ガスの流量を調整する開閉可能な弁を設け、弁を制御装置8で制御して内部空間10の二酸化炭素濃度を調整してもよい。内部空間10の二酸化炭素濃度は、光照射を行っている間と、光照射をしない間とで変更するとよい。
次に、図2および図3を参照して、上記育成装置1を用いる本発明の花付山葵栽培方法について説明する。
まず、第1の栽培期として、一日当たりの光照射時間を、光照射をしない消灯時間より短くした第1の光照射パターンで光を照射する。第1の光照射パターンは、例えば光照射時間を一日当たり6時間以上12時間未満、消灯時間を12時間以上18時間未満とするパターンとするとよい。図2では、光照射時間を8時間、消灯時間を16時間としている。第1の栽培期においては、低照度で光照射を行えばよいが、低照度で光照射を行った後、高照度に切り替え、再び低照度にすることも排除されない。
第1の栽培期では、内部空間10の温度が上述した低めの範囲となるように調整しつつ第1の光照射パターンで光照射を行う。第1の栽培期では、特に期間の初めにおいて内部空間10の平均温度が漸減するようにしてもよい。
第1の栽培期の後、制御装置8による制御パターンを変更し、第2の栽培期に入る。第2の栽培期では、内部空間10の温度を低く維持しつつ、内部空間10の温度を一時的に0℃未満として、山葵Wに寒冷刺激を与える。第2栽培期では、内部空間10の温度が−5℃を下回らず15℃を超えないようにして、例えば平均気温を0℃以上5℃以下となるように温度調整を行うとよい。寒冷刺激が1回限りであると形成される花芽の数が少ない。これに対し、寒冷刺激を複数回与えると花芽を多く形成させることができるため好ましい。第2の栽培期での光照射パターンは、第1の栽培期と同じでよいが、第1の栽培期の光照射時間が10時間以上であった場合などは、光照射時間を第1の栽培期よりさらに短く(例えば8時間程度に)してもよい。
第2の栽培期で花芽を形成させた後、第3の制御パターンに切り替えて第3の栽培期に移る。第3の栽培期では、内部空間10の気温を低めに維持するが、平均温度が漸増するようにしてもよく、特に期間の初めにおいては内部空間10の温度が一日当たり漸増するようにするとよい。第3の栽培期での光照射パターンは、第1の栽培期と同じでよいが、光照射時間を第2の栽培期より長くするとよく、第1の栽培期より照射時間が長くなってもよい。
このように、第3の栽培期を経ることで、山葵が急激な温度上昇にさらされて育成に障害が生じることを回避できる。よって、本発明では、第3の栽培期の後に、必要に応じて第4の制御パターンで温度および光照射を制御する第4の栽培期に入る。
第4の栽培期では光照射パターンを変更して光照射時間を第1のパターンより長くするとともに、内部空間10の平均温度が10℃超え20℃を超えないように調整する。第4の栽培期では平均温度が10℃を超え15℃以下となるように調整することが好ましい。
第4の栽培期での光照射パターン(第2の光照射パターン)は、光照射時間を一日当たり12時間以上とすることが好ましく、例えば光照射時間を12時間以上16時間以下、消灯時間を8時間以上12時間未満とするとよい。図2では、光照射時間を14時間、消灯時間を10時間としている。第2のパターンで光照射をする場合は、低照度で2〜5時間(特に3〜4時間)程度、光照射した後、5〜8時間(特に6〜7時間)程度高照度で光照射を行い、ついで再び低照度で2〜5時間(特に3〜4時間)程度光照射を行うことが好ましい。
第4の栽培期は、花芽が伸長して開花して花付山葵が収穫できる状態となるまで実施すればよく、その長さは特に限定されない。一般には、15日〜30日程度で足りる。花山葵を収穫して第4の栽培期を終了した後は、直ちに第1の栽培期に入ってもよいが、15〜30日程度、第4の栽培期と同様の温度調整および光照射を継続する養生期間を経た後、第1の栽培期に戻ってもよい。
上記パターンで光照射および温度条件が制御される育成装置1においては、山葵Wを植栽した栽培容器15をその内部空間10に配置する。山葵Wは、幼苗であってもよく、ある程度成長した山葵の株であってもよい。幼苗を用いる場合は、上述した第1の栽培期の前に第4の栽培期と同様の光・温度制御を行う育成期間を設けることで幼苗をある程度生育させてから、前記第1の栽培期に入ればよい。図3に、種子またはカルス等から育てた幼苗を用いる場合の光照射および温度制御パターンの一例を示す。発芽した幼苗の育成期間は、30日以上90日未満(1〜3カ月)程度とするとよく、特に30日以上60日以内(1〜2ヶ月)程度とすればよい。
図3に示す育成期間の後、第1の栽培期を経ずに第2の栽培期で寒冷刺激を与えると、寒冷障害が生じる。本発明によれば、第1の栽培期を経た後、第2の栽培期を実施することで、寒冷障害の発生を回避して人工的に花芽形成を促すことができる。
なお、栽培容器15には、山葵Wの培地として、赤土や砂礫等の固形培地を充填してもよく、養分を含む水等の液体培地を充填してもよい。水はけのよい固形培地を用いると、山葵根茎に十分な酸素を供給し、山葵を健康に育成できるので、好ましい。
また、照明機器11としては、白熱灯、蛍光灯、発光ダイオード等の任意の照明を使用できるが、発光ダイオード単独とすることは好ましくなく、特に蛍光灯を使用することが好ましい。照明機器11の数も限定されないが、6,000ルックス以上、特に7,500〜10,000ルックス程度の照度が得られるようにするとよい。また、第4の栽培期において、光がちらつくように設定しやすい照明機器11が好ましい。
山葵Wの栽培中は、栽培容器15にセンサ等を設けて培地の含水率を測定する等し、散水器13から適宜、自動的に散水を行って山葵Wに常時、十分な潅水が行われるようにするとよい。
以下、実施例に基づき本発明をさらに説明する。実施例では、上記育成装置1を模した実験装置を用いて、種子から発芽させた山葵の苗(発芽してから2カ月程度育成した苗)を育成した。育成装置1には、照明機器11として20Wの蛍光灯を12基、配置し、制御装置8で点灯させる数を変更することで照度を切り替えられるようにした。
山葵苗は、培養土(スミリン農産工業株式会社製、商品名「土太郎」)を充填した栽培容器15に植栽した。山葵苗を植栽した栽培容器15を育成装置1の内部空間10に入れ、次に述べるステップで育成した。
まず、第1の栽培期として、照明機器11から連続して14時間、光照射を行った後、光照射を停止し、光照射を停止してから10時間後に光照射を再開しこれを繰り返すというパターンとなるよう、制御装置8によって光照射を制御した。このとき、温度調整機器12は、光照射をしている時間帯は内部空間10の温度が15℃、光を照射していない時間帯の温度は6℃となるように設定して運転した。この第1の工程を約2ヶ月、継続したが、花芽は認められなかった。
そこで、制御装置8の設定を変更して、光照射をしている時間帯の内部空間10の温度を10℃とし、光照射をしていない時間帯の温度を2℃とした。この期間において、一時的に(光照射しない14時間)、−5℃にする寒冷刺激を与えた。寒冷刺激は、1週間おきに3回与えた。3回目の寒冷刺激を与えてから2週間後、花芽が認められたため、第2の栽培期を終了した。
ついで、第3の栽培期として光照射をしている時間帯は内部空間10の温度が10℃、光を照射していない時間帯の温度は5℃となるように設定して栽培した。その結果、山葵の葉が生育を開始し、花芽が育成される状態に入ったことが確認できた。
なお、栽培期間を通じて、栽培容器15に設置した土壌センサで培地の含水率を測定して散水器13から適宜、散水を行った。
本発明は、山葵を人工的に育成し、食用の花付山葵を生産するために利用できる。
本発明の一実施形態に係る花付山葵の育成装置を示す図。 本発明における光照射パターンおよび温度制御の一例を示す図。 本発明における光照射パターンおよび温度制御の一例を示す図。
符号の説明
1 花付山葵の育成装置
8 制御装置
9 箱体
10 内部空間
11 照明機器
12 温度調整機器
13 散水器

Claims (6)

  1. 内部空間を有する山葵栽培装置に山葵を植栽した栽培容器を収容し、
    前記内部空間に照明機器を設けて前記山葵に、一日当たりの光照射時間が消灯時間より短くされた第1のパターンで光を照射するとともに、前記内部空間の平均温度を0℃以上15℃以下にする第1の栽培期と、
    前記第1のパターンで前記山葵に光を照射するとともに前記内部空間の温度を一時的に−5℃以上0℃未満にする第2の栽培期と、
    前記内部空間の平均温度を0℃以上15℃以下にする第3の栽培期と、を含む花付山葵の栽培成方法。
  2. 一日当たりの光照射時間が前記第1のパターンより長くされた第2のパターンで前記山葵に光を照射するとともに前記内部空間の平均温度を、10℃を超え20℃以下にする第4の栽培期をさらに含む請求項1に記載の花付山葵の栽培方法。
  3. 前記第4の栽培期において、前記照明機器から照射する光をちらつかせる請求項2に記載の花付山葵の栽培方法。
  4. 山葵が植栽された栽培容器が収容される内部空間を有する山葵栽培装置であって、
    前記内部空間に設けられ前記山葵に光を照射する照明機器と、
    前記内部空間内の温度を調整する温度調整機器と、
    前記照明機器および前記温度調整機器を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、一日当たりの光照射時間が消灯時間より短くされた第1のパターンで光を照射させるとともに、前記内部空間の平均温度を0℃以上15℃以下にする第1の制御パターンと、
    前記第1のパターンで光を照射させるとともに前記内部空間の温度を一時的に−5℃以上0℃未満にする第2の制御パターンと、
    前記内部空間の平均温度を0℃以上15℃以下にする第3の制御パターンと、を含む制御パターンで前記照明機器および前記温度調整機器を制御するように構成されている花付山葵栽培装置。
  5. 前記制御装置は、前記第3の制御パターンの後に一日当たりの光照射時間が前記第1のパターンより長くされた第2のパターンで前記山葵に光を照射するとともに前記内部空間の平均温度を、10℃を超え20℃以下にする第4の制御パターンで前記照明機器および前記温度調整機器を制御するように構成されている請求項4に記載の花付山葵栽培装置。
  6. 前記照明機器は、前記第4の制御パターンで制御されている場合、ちらつきを発生するように構成されている請求項5に記載の花付山葵栽培装置。
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