JP4103268B2 - 無線通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線伝送路を介して外部に信号を送信する送信手段と、外部より送信される信号を無線伝送路を介して受信する受信手段と、これらの送信手段及び受信手段による通信を制御する通信制御手段とを備えてなる無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような無線通信装置として、例えば、ETC(Electronic Toll Collection:自動料金徴収) システムに用いられる通信装置がある。ETCシステムは、有料道路などにおける料金徴収の業務を、通行車両が料金所で停止することなく所定の通信エリアを通過する際に無線通信を行なって種々の情報を授受することにより自動的に課金処理を行なうためのシステムである。
【0003】
この自動課金処理を行なうことにより、徴収すべき料金を予め登録された銀行口座などから自動的に引き落とすようにしたり、あるいは後日請求書を送付して相当金額の料金を支払うなどして徴収すべき料金の精算をするようになっている。これにより、料金所で通行料金の支払いをする必要がなくなるばかりか、車両を料金所で停止させる必要もなくなるので、料金徴収業務の合理化を図ることができると共に、交通量が増加している場合でも料金所での渋滞発生を抑制することができるものである。
【0004】
このようなシステムを実現するために、上記した料金徴収所においては路上アンテナを設けて、その通信エリア内を通過する車両と通信を行なうための路側無線装置(路側機)を配置する一方、車両側においては、その路上アンテナから受ける通信信号を受信して必要な情報の授受を行なうための車両側通信装置(車載機)を設けておくことが必要になる。
【0005】
ところで、このようなETCシステムは、故障が発生した場合にこれを修理するため車線規制をしかなかればならず渋滞の要因となることから、通信装置の信頼性を確保することは重要である。特に、路側無線装置については高い信頼性が要求されることから、無線信号による信号の送受信が確実に行われるか否かを比較的高い頻度でチェックしたいという要請がある。
【0006】
そして、従来、路側無線装置の送受信系の機能をチェックするためには、チェック用の無線装置を用いて路側無線装置と実際に信号を送受信することで行うようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、チェック用無線装置は、実際に車両と信号の送受信を行う状態に近くなるように路上に設置して行う必要がある。従って、チェック用無線装置を路上に常設することは困難であり、チェックを行う場合は、作業者が、車両の通行量が少ない時間帯を見計らい、チェック用無線装置を路上に持ち出して行うしかなかった。そのため、作業が非常に面倒であると共に、チェックを高い頻度で常時行うことができず路側無線装置に高い信頼性を保証することができないという問題があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、チェック用無線装置を用いることなく、高い信頼性を確保することができる無線通信装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の無線通信装置によれば、故障診断手段は、伝送路切替え手段による切替えを制御することで、送信手段より送信させたチェック用データを有線伝送路であるチェック用伝送路を介して受信手段に直接受信させる。その際、チェック用伝送路により伝送されるチェック用データの電力レベルは、例えば、受信手段が外部より送信される信号を無線伝送路を介して受信する場合の電力レベルに略等しくなるように、信号減衰手段によって減衰される。そして、故障診断手段は、受信手段が受信したチェック用データの値に基づいて、送信手段及び受信手段の故障診断を行う。また、車両検知器にて車両検知した時には、故障診断手段による故障診断を中止若しくは中断し、通常の通信を開始する。
【0010】
従って、送受信系の故障診断を行うために別体の診断装置を用いる必要がなく作業者も不要となるので、容易に故障診断を行うことができる。また、チェックを行う機会の自由度も高まるので、高い頻度で故障診断を行うことができ、無線通信装置の信頼性を向上させることができる。
【0011】
請求項2記載の無線通信装置によれば、故障診断手段が送信手段よりチェック用データを送信させると、その送信電力の一部は、送信信号分岐手段によってチェック用伝送路に分岐され、受信手段においては、無線伝送路を介して受信した信号とチェック用伝送路を介して受信した信号とが受信信号混合手段により混合される。しかし、チェック用データが送信された場合に、外部より受信手段に対して信号を送信するものがなければ、受信手段が受信する信号は、チェック用伝送路を介して受信するものだけになる。
【0012】
そして、請求項1と同様に、チェック用伝送路により伝送されるチェック用データの電力レベルは、信号減衰手段によって減衰され、故障診断手段は、請求項1と同様に、受信手段が受信したチェック用データの値に基づいて送信手段及び受信手段の故障診断を行う。また、車両検知器にて車両検知した時には、故障診断手段による故障診断を中止若しくは中断し、通常の通信を開始する。従って、故障診断手段は、送受信系の故障診断を行う場合に、請求項1のように伝送路切替え手段による切替えを制御する必要がないので、制御が容易となる。
【0013】
請求項3記載の無線通信装置によれば、信号減衰手段における減衰量を、受信手段がチェック用伝送路を介して信号を受信する場合の受信感度が、無線伝送路を介して信号を受信する場合の受信感度に略等しくなるように設定する。従って、チェック用伝送路を介して行う送受信系の故障診断を、受信手段が無線伝送路を介して信号を受信する場合の受信感度に略等しい状態で行うことができるので、故障診断の信頼性をより高めることができる。
【0014】
請求項4記載の無線通信装置によれば、信号減衰手段における減衰量を、受信手段がチェック用伝送路を介して信号を受信する場合の受信感度が、無線伝送路を介して信号を受信する場合の受信感度の規定値に略等しくなるように設定する。従って、送受信系の故障診断を、通信システムとして最低限保証しなければならない受信感度の規定値に基づいて行うことにより、信頼性を一層高めることができる。
【0015】
請求項5記載の無線通信装置によれば、故障診断手段は、チェック用データの送信周波数を、受信手段が無線伝送路を介して外部より受信する信号の周波数とほぼ等しくなるように設定するので、例えば全二重通信方式のように、送信周波数と受信周波数とが異なる値に設定される場合でも、故障診断をより正確に行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を高速道路の自動料金徴収システムに適用した場合の一実施例について図面を参照しながら説明する。図3は、自動車(移動体)に搭載される車載機1と高速道路の路側に設置される路側機(無線通信装置)2とが配設される環境を示すものである。この図において、高速道路3は、片側に3つのレーン3a〜3cが設けられており、その所定位置にこれら3つのレーン3a〜3cを跨ぐようにしてガントリ4が配設されている。
【0017】
ガントリ4の中央部にはアンテナ5を含んだ路側機2が配設されており、そのアンテナ5により図示のようにレーン3a〜3cの領域に渡って約30mの長さで通信エリアAを設定している。この通信エリアA内に車載機1が進入すると、路側機2は、アンテナ5を介して車載機1と通信を行なうようになっている。尚、路側機2は、高速道路3においては、インターチェンジなどの料金徴収を行なうところに設けられるもので、料金徴収に関連する予告アンテナや本線アンテナあるいは料金所アンテナなどの設置箇所に設けてそこを通過する自動車の車載機1と通信を行なうものである。
【0018】
車載機1は、高速道路3を通行する自動車V1〜V3などに搭載されるもので、例えばダッシュボードの上などに配設され、フロントガラスを通じて外部と無線通信を行なうもので、上述した通信エリアAを通過する間に後述するようにしてリンク処理を行なうと共に通信処理を行なうものである。なお、通行に際しては、料金精算などのために使用者を特定したり支払いの特定をするためのICカードを装着した状態で通信を行なうようになっている。
【0019】
図2は、車載機1及び路側機2の電気的構成を概略的に示すものである。車載機1は、マイクロ波通信を行なうためのマイクロストリップ形のアンテナ素子からなるアンテナ6、通信制御部7、ROM/RAM8、送受信回路9、ICカード制御回路10及び電源回路11から構成される。通信制御部7は、通信制御及びデータ処理の全般を制御するもので、ROMに記憶されたプログラムに従って各種の演算処理や通信制御の処理を行なうようになっている。
【0020】
送受信回路9は、例えば5.8GHz帯の周波数で路側機2との間の通信を行うように、通信信号の変調及び復調の信号処理を行なってアンテナ6を介して送受信の動作を行なう。ICカード制御回路10は、図示しないICカードインターフェースのスロットに挿入されるICカードとの情報の授受を制御するようになっている。
【0021】
路側機2は、前述したアンテナ5と、通信制御部(通信制御手段,故障診断手段)12、ROM/RAM13、送受信回路14、上位ホスト通信回路15及び電源回路16から構成される。通信制御部12は、通信制御及びデータ処理を行なうもので、ROMに記憶されたプログラムにしたがって各種の演算処理や通信制御の処理を行なうようになっている。
【0022】
送受信回路14は、車載機1との間の通信を行なうための通信信号の変調及び復調の信号処理を行なってアンテナ5を介して送受信の動作を行なうようになっている。上位ホスト通信回路15は、各ガントリ4に設けた路側機2を統括してデータの演算処理を行なう管理センタのホストコンピュータに対して通信処理を行なうものである。
【0023】
ここで、図1は、路側機2におけるアンテナ5,通信制御部12及び送受信回路14などを中心とするより詳細な構成を示す機能ブロック図である。通信制御部12は、I/F回路17を介して信号処理回路18と通信を行うようになっている。信号処理回路18は、送信回路(送信手段)14Sの発振回路19に送信周波数(f1)を設定するための設定コードを出力し、また、通信制御部12より与えられた送信データに基づく変調信号を変調回路20に出力するようになっている。
【0024】
変調回路20は、発振回路19からの出力信号を変調信号によって変調した送信信号を増幅回路21に出力し、増幅回路21は、送信信号が所定の送信電力となるように増幅する。尚、変調方式としては、例えばマンチェスタ符号によるASK(Amplitude Shift Keying)などが用いられる。これらの発振回路19,変調回路20及び増幅回路21が送信回路14Sを構成している。
【0025】
送信回路14Sより出力された送信信号は、伝送路切替え用のRFスイッチ (伝送路切替え手段)22を介して送信フィルタ23に与えられている。送信フィルタ23においては、送信信号における送信周波数帯域外の周波数成分が除去される。そして、送信信号は、送信アンテナ5Sより電波信号として外部に送信されるようになっている。
【0026】
一方、車載機1側より送信された(周波数f2)信号は、受信アンテナ5Rによって受信され、受信フィルタ24において受信周波数帯域外の周波数成分が除去される。それから、伝送路切替え用のRFスイッチ(伝送路切替え手段)25を介して受信回路(受信手段)14Rの低雑音増幅回路26に与えられるようになっている。
【0027】
低雑音増幅回路26によって増幅された受信信号は、ダウンコンバータ27に与えられる。ダウンコンバータ27は、ローカル発振回路28において発振出力されるローカル周波数信号(周波数f3)によって、受信信号の周波数を中間周波数(f2−f3)に低下させるようになっている。ローカル発振回路28に対しては、信号処理回路18よりローカル周波数信号の設定コードが与えられるようになっている。
【0028】
ダウンコンバータ27からの出力信号は、IF増幅回路29によって増幅された後復調回路30に与えられる。そして、復調回路30は、復調信号を信号処理回路18に出力するようになっている。尚、低雑音増幅回路26,ダウンコンバータ27,ローカル発振回路28,IF増幅回路29及び復調回路30は、受信回路14Rを構成している。
【0029】
送信側のRFスイッチ22の可動接点22aは、送信回路14Sの増幅回路21の出力端子に接続されており、固定接点22bは送信フィルタ23の入力端子に接続され、固定接点22cは、有線伝送路であるチェック用伝送路31の一端側に接続されている。また、受信側のRFスイッチ25の可動接点25aは、受信回路14Rの低雑音増幅回路26の入力端子に接続されており、固定接点25bは、受信フィルタ24の出力端子に接続され、固定接点25cはチェック用伝送路31の他端側に接続されている。
【0030】
これらのRFスイッチ22及び25の接点切替え信号は、通信制御部12より与えられるようになっている。そして、各スイッチ22及び25の可動接点22a及び25aは、通常の通信処理時には固定接点22b及び25b側に接続される。そして、後述する故障診断時には、可動接点22a及び25aは固定接点22c及び25c側に接続されて、送信回路14Sより送信される信号は、チェック用伝送路31を介して受信回路14Rに受信されるようにする。
【0031】
チェック用伝送路31の途中には、減衰器(信号減衰手段)32が介挿されている。その減衰器32の減衰量は、受信回路14Rがチェック用伝送路31を介して信号を受信する場合の受信感度が、車載機1より送信された信号を受信アンテナ5Rを介して(即ち、無線伝送路を介して)受信する場合の受信感度の規定値に略等しくなるように設定されている。例えば、わが国におけるETCの仕様における受信感度では、クラス2タイプが−75dBm以下、伝搬距離が10m以下であるクラス1タイプが−65dBm以下と規定されているので、この規定値にほぼ等しくなるように前記減衰量を設定する。
【0032】
次に、本実施例の作用について図4をも参照して説明する。本実施例において、車載機1と路側機2との間の通信制御は、例えばDSRC(Dedicated Short-Range Communication ;狭域通信)方式に基づいて行なわれる。これは、ARIB−STD(Association of Radio Industries and Businesses Standard )として規格が設定されているものである。
【0033】
通信方式としては、例えば、ポイントツーポイントの短時間内での双方向通信に適した同期式アダプティブスロッテッドアロハ方式の通信制御手順を基本としている。アップリンク、ダウンリンクに異なる伝送チャンネル(周波数)を用いる全二重(基地局側である路側機2)である。半二重通信も可能な通信制御方式として規定されている。
【0034】
このような構成の通信処理方式における通信手順は概略次のように行なわれる。まず、車載機1が路側機2の通信エリアAに進入すると、車載機1側では識別コードの判定を行ない、車載機1側からLIDを付した通信リンク接続用のACTC(ACTivation Channel )信号を送信する。
【0035】
これにより、路側機2は、通信エリアA内に車載機1が進入したことを認識する。このとき、路側機2側では、新たに進入した車載機1に対して通信すべきスロットをLIDにより指定したFCMC(Frame Control Message Channel )信号を送信する。尚、FCMC信号は、フレーム制御情報とTDMA(Time Domain Multiple Access) のスロット割付情報からなるフォーマットとして設定されている。
【0036】
車載機1側では、そのフレーム中の通信は自己のLIDにより割り当てられたスロットで行なうことができるようになり、リンク処理が確立されたことになる。以後は、各フレームにおいて、FCMC信号を受信して割り当てられたスロットにて通信処理を進行させ、データの受信及び送信を行ない、必要な通信が終了すると通信処理を終了する。
【0037】
ここで、図4は、通信制御部12によって行われる故障診断処理の制御内容を示すフローチャートである。通信制御部12は、故障診断周期(例えば、1時間に設定される)が経過したか否かを判断し(ステップS1)、故障診断周期が経過していなければ、車載機1より送信されるACTS信号を受信したか否かを判断する(ステップS8)。ACTS信号の受信がある場合はステップS8に移行し、上述したような通常の通信処理(ETC処理)を実行してから(ステップS9)ステップS1に戻る。また、ステップS7でACTS信号の受信がない場合もステップS1に移行する。
【0038】
ステップS1,S8,S9のループを回っている間に故障診断周期が経過すると、通信制御部12はステップS1で「YES」と判断し、RFスイッチ22及び25に接点切替え信号を出力し、可動接点22a及び25aを固定接点22c及び25c側に接続する(ステップS2)。そして、送信回路14Sよりチェック用伝送路31を介して受信回路14R側にチェックコードを送信する(ステップS3)。
【0039】
送信するチェックコードは任意のデータパターンで良い。但し、わが国におけるETCの仕様では、ビット誤り率(BER:Bit Error Rate)は10−5以下と規定されているので、通常この規定に基づいてチェックを行うために100kビット以上のデータを送信するようにする。
【0040】
但し、この場合、故障診断中に車両が通過して当該車両の車載機1が通信できなくなることを防止するため、受信電力を下げると共に診断するためのビット誤り率を高く設定し、通常の通信に与える影響を極力少なくするように診断時間を短くする必要がある。また、料金所などで車両検知器にて車両検知した後通信を開始するような場合は、故障診断時に通常のビット誤り率10−5以下を判定するための100kビット以上のデータを送信し、車両検知器にて車両検知した時には故障診断を中止若しくは中断し、通常の通信を開始するようにする。
【0041】
送信回路14Sよりチェック用伝送路31を介して受信回路14R側にチェックコードが送信されると、そのデータは復調されて信号処理回路18に送信され、内部の受信バッファなどに記憶される。
【0042】
続いて、通信制御部12は、RFスイッチ22及び25の可動接点22a及び25aを固定接点22b及び25b側に接続して伝送路を切替えると(ステップS4)、送信したチェックコードデータと受信されたチェックコードデータとを照合してビット誤り率の算出を行う(ステップS5)。それから、算出したビット誤り率が、許容値をクリアしているか否かを判断し(ステップS6)、クリアしていれば「YES」と判断して診断周期計測用のカウンタをゼロクリアしてから(ステップS7)ステップS1に戻る。
【0043】
一方、ステップS6において、ビット誤り率が許容値をクリアしていない場合は「NO」と判断し、上位ホスト通信回路15を介して管理センタのホストコンピュータに対して故障信号を送信し(ステップS10)処理を終了する。ホストコンピュータは、故障信号を受信すると、当該路側機2が設置されているレーンのゲートを閉鎖して車両の通行を禁止する。また、予備のレーンが配設されている場合は、当該レーンを可動させて通行車両を処理するよう切替えを行う。
【0044】
以上のように本実施例によれば、通信制御部12は、伝送路切替え手段による切替えを制御することで、送信回路14Sより送信させたチェック用データを有線伝送路であるチェック用伝送路31を介して受信回路14Rに直接受信させる。そして、通信制御部12は、受信回路14Rが受信したチェック用データの値に基づいて、送信回路14S及び受信回路14Rの故障診断を行うようにした。従って、送受信系の故障診断を行うために別体の診断装置を用いる必要がなく作業者も不要となるので、容易に故障診断を行うことができる。また、チェックを行う機会の自由度も高まるので、高い頻度で故障診断を行うことができ、無線通信装置の信頼性を向上させることができる。
【0045】
また、本実施例によれば、チェック用伝送路31に減衰器32を配置することにより、送信回路14Sよりチェック用伝送路31を介して伝送されるチェック用データの電力レベルが、受信回路14Rが車載機1より送信される信号を受信アンテナ5Rを介して受信する場合の受信感度の規定値に略等しくなるように設定したので、送受信系の故障診断を、ETCシステムとして規定された受信感度に基づいて行うことができ、信頼性を一層高めることができる。
【0046】
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
チェック用データを送信する場合の送信周波数を、通常、車載機1より送信される電波信号の周波数f2に等しくなるように設定しても良い。斯様に構成すれば、全二重通信方式のように、送信周波数と受信周波数とが異なる値に設定される場合でも故障診断をより正確に行うことができる。
減衰器32の減衰量は、必ずしも受信回路14Rが受信アンテナ5Rを介して信号を受信する場合の受信感度の規定値に略等しく設定する必要はなく、例えば、チェック用伝送路31において送信される電力を単に1/2や1/3などに減衰させるようにしても良い。また、規定値に対してマージンを取りたい場合には、減衰量をより大きく設定しても良い。また、受信回路14Rが車載機1より送信される信号を受信アンテナ5Rで受信する場合の電力レベルに略等しくなるように設定しても良い。
【0047】
伝送路切替え手段たるRFスイッチ22に代えて方向性結合器(送信信号分岐手段)や分配器(送信信号分岐手段)を用い、RFスイッチ25に代えて混合器(送信信号混合手段)を用いても良い。斯様に構成すれば、通信制御部12が送信回路14Sよりチェック用データを送信させると、その送信電力の一部はチェック用伝送路31に分岐され、受信回路14Rにおいては、受信アンテナ5Rを介して受信した信号とチェック用伝送路31を介して受信した信号とが混合される。
この場合、チェック用データが送信された時に外部より受信回路14Rに対して信号を送信するものがなければ、受信回路14Rが受信する信号はチェック用伝送路31を介して受信するものだけとなるので、通信制御部12は、上記実施例と同様に故障診断を行うことが可能である。そして、通信制御部12は、送受信系の故障診断を行う場合に伝送路の切替えを制御する必要がないので、制御が容易となる。但し、この場合、減衰器32の減衰量の設定は、方向性結合器或いは分配器による送信電力量の分配率に応じて行うようにする。
自動料金徴収システムに限ることなく、車両との間で電波信号や光信号などの空中伝搬信号を用いて双方向通信を行う固定側の通信装置について、故障診断を行う必要があるものに適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であり、路側機におけるアンテナ,通信制御部及び送受信回路のより詳細な構成を示す機能ブロック図
【図2】車載機及び路側機の電気的構成を概略的に示す図
【図3】自動車に搭載される車載機と高速道路の路側に設置される路側機とが配設される環境を示す平面図
【図4】通信制御部によって行われる故障診断処理の制御内容を示すフローチャート
【符号の説明】
2は路側機(無線通信装置)、12は通信制御部(通信制御手段,故障診断手段)、14Sは送信回路(送信手段)、22及び25RFスイッチ(伝送路切替え手段)、14Rは受信回路(受信手段)、31はチェック用伝送路、32は減衰器(信号減衰手段)を示す。
Claims (5)
- 外部に信号を送信する送信手段と、外部より送信される信号を無線伝送路を介して受信する受信手段と、これらの送信手段及び受信手段による通信を制御する通信制御手段とを備え、車両との間で空中伝搬信号を用いて双方向通信を行う固定側の無線通信装置において、
前記送信手段によって送信される信号を、有線伝送路によって前記受信手段に直接送信するためのチェック用伝送路と、
このチェック用伝送路に設けられ、伝送される信号を減衰させるための信号減衰手段と、
前記送信手段及び受信手段に夫々設けられ、送信及び受信する信号の伝送路を、前記無線伝送路と前記チェック用伝送路との何れかに切替えるための伝送路切替え手段と、
この伝送路切替え手段による切替えを制御すると共に、前記送信手段よりチェック用データを送信させ、前記チェック用伝送路を介して前記受信手段が受信したチェック用データの値に基づいて、前記送信手段及び受信手段の故障診断を行う故障診断手段とを備え、
車両検知器にて車両検知した時には、前記故障診断手段による故障診断を中止若しくは中断し、通常の通信を開始することを特徴とする無線通信装置。 - 無線伝送路を介して外部に信号を送信する送信手段と、外部より送信される信号を無線伝送路を介して受信する受信手段と、これらの送信手段及び受信手段による通信を制御する通信制御手段とを備え、車両との間で空中伝搬信号を用いて双方向通信を行う固定側の無線通信装置において、
前記送信手段によって送信される信号を、有線伝送路によって前記受信手段に直接送信するためのチェック用伝送路と、
このチェック用伝送路に設けられ、伝送される信号を減衰させるための信号減衰手段と、
前記送信手段に設けられ、送信信号の電力の一部を、前記無線伝送路から前記チェック用伝送路に分岐させるための送信信号分岐手段と、
前記受信手段に設けられ、受信信号の電力の一部を前記チェック用伝送路から得て、前記無線伝送路を介して受信した信号と混合させる受信信号混合手段と、
前記送信手段よりチェック用データを送信させ、前記チェック用伝送路を介して前記受信手段が受信したチェック用データの値に基づいて、前記送信手段及び受信手段の故障診断を行う故障診断手段とを備え、
車両検知器にて車両検知した時には、前記故障診断手段による故障診断を中止若しくは中断し、通常の通信を開始することを特徴とする無線通信装置。 - 前記信号減衰手段における減衰量は、前記受信手段が前記チェック用伝送路を介して信号を受信する場合の受信感度が、当該受信手段が無線伝送路を介して信号を受信する場合の受信感度の値に略等しくなるように設定されることを特徴とする請求項1または2記載の無線通信装置。
- 前記信号減衰手段における減衰量は、前記受信手段が前記チェック用伝送路を介して信号を受信する場合の受信感度が、当該受信手段が無線伝送路を介して信号を受信する場合の受信感度の規定値に略等しくなるように設定されることを特徴とする請求項1または2記載の無線通信装置。
- 前記故障診断手段は、チェック用データの送信周波数を、前記受信手段が無線伝送路を介して外部より受信する信号の周波数とほぼ等しくなるように設定することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の無線通信装置。
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