JP4102593B2 - 自動製氷機の除氷完了検知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は自動製氷機の除氷完了検知装置に関し、更に詳細には、所定方向に開口する製氷小室に生成された氷塊を、該製氷小室を開閉する製氷水供給手段に氷結させたまま製氷小室から取出すよう構成した自動製氷機の除氷完了検知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
所要形状の氷塊を連続的に製造する自動製氷機では、その製氷方式として多数の型式が提案され、用途に応じて適宜の方式が採用されている。その一つの方式として、製氷部に画成されて所定方向に開口する製氷小室に、製氷運転に際して製氷小室を閉成する製氷位置に位置決めされた製氷水供給手段から製氷水を供給して該製氷小室に氷塊を生成させ、除氷運転に際して製氷水供給手段に氷塊を氷結させたまま開放位置に移動することで製氷小室から氷塊を取出し、この開放位置で該製氷水供給手段から氷塊を剥離落下させるよう構成したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述した自動製氷機では、除氷運転により氷塊が製氷水供給手段から剥離落下したことを検知して、除氷運転から製氷運転に切換える除氷完了検知装置が必要となる。この除氷完了検知装置としては、氷塊が製氷水供給手段から剥離落下したときの該製氷水供給手段の温度変化を、サーモスタットやサーミスタ等の感温素子により検知する温度検知装置や、除氷開始から終了までに要する時間を計測するタイマ装置等が採用されている。
【0004】
ここで、周囲温度が変化すると、製氷水供給手段の温度変化も影響を受けると共に、製氷水供給手段から氷塊が剥離落下するのに要する時間も変化する。すなわち、前述した何れの除氷完了検知装置の場合も、周囲温度の変動に対応して作動設定値(温度や時間)を頻繁に調整する必要がある。しかも、調整を怠ったり誤った値に設定した場合は、氷塊が完全に剥離していないにも拘らず製氷運転に移行してしまい、氷塊の噛み込みが発生するおそれがある。そこで、周囲温度の変化に対応して作動設定値を自動的に補正する補正装置を付設すれば、省力化を図ると共に人為的なミスの発生を防止することはできるが、この場合は保守管理が煩雑となるばかりでなく、製造コストが嵩む等の欠点が指摘される。また、前記温度検知装置やタイマ装置では、氷塊が剥離落下する前に除氷運転から製氷運転に移行しないよう安全を見込んで作動設定値を設定するため、除氷運転が必要以上に長くなって製氷能力が低下する難点もある。
【0005】
なお、光電センサにより氷塊の有無を直接検知する装置も提案されるが、高価であると共に、氷塊の状態によっては誤検知するおそれがある。
【0006】
【発明の目的】
この発明は、前述した欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、周囲温度の変化に影響されることなく確実に除氷完了を検知し得る自動製氷機の除氷完了検知装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本発明に係る自動製氷機の除氷完了検知装置は、
所定方向に開口する製氷小室を有する製氷部と、
前記製氷部に密着的に配設され、製氷運転に際して冷媒が循環されると共に除氷運転に際して高温冷媒ガスが循環される冷却管と、
製氷運転に際して前記製氷小室を閉成する製氷位置に位置決めされて、該製氷小室との間に氷塊を生成させると共に、除氷運転に際して開閉手段により製氷小室を開放する開放位置に移動される着氷部材とからなり、
前記除氷運転に際して着氷部材に氷塊を氷結させたまま開放位置に移動することで前記製氷小室から氷塊を取出し、この開放位置で該着氷部材から氷塊を剥離落下させるよう構成した自動製氷機において、
前記着氷部材に配設され、前記開放位置においては弾性手段により該着氷部材に氷結している氷塊に当接する方向に付勢される検知部材と、
前記着氷部材から氷塊が剥離落下することで、該氷塊に当接しなくなった前記検知部材が弾性手段の付勢力により移動したことを検知する検知手段と、
前記製氷部に配設され、前記着氷部材が製氷位置に臨む状態において前記検知部材が当接して、該検知部材が着氷部材における氷塊の形成領域に突出しない待機姿勢に保持する規制部および前記着氷部材が開放位置に臨む状態において着氷部材に氷結している氷塊に当接している前記検知部材が前記検知手段で検知される検知姿勢に移動するのを許容する間隔で離間する案内部を有する保持手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る自動製氷機の除氷完了検知装置につき、好適な実施例を挙げて添付図面を参照しながら以下説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施例に係る自動製氷機の主要製氷機構を、製氷状態で概略的に示すものである。図において、所要寸法の多数の角氷(氷塊)Sを製造する製氷機構は、横方向に開口する複数の製氷小室10aを有し、その裏面側(製氷小室10aの開口側とは反対側)が対向するよう略垂直に配置した一対の製氷室(製氷部)10,10と、両製氷室10,10の裏面間に配設された複数(実施例では2本)の冷却管11,11と、各製氷室10の表面側(製氷小室10aの開口側)に対して近接・離間可能な着氷部材としての水皿12とから基本的に構成される。
【0010】
(製氷室)
自動製氷機の本体枠13には、前後方向に離間して一対の製氷室ブラケット14,14が配設され、図2に示す如く、両ブラケット14,14間に前記製氷室10,10が、前記製氷小室10aの開口側の面と平行な幅方向を前後方向に揃えた姿勢で支持されている。各製氷室10は、良好な熱伝導率を有する金属(例えば銅)を材質とする矩形箱状で、内部に複数の仕切板56,57を縦横に配設することで複数の製氷小室10aが画成されたものであって、該製氷室10における幅方向の前後に位置する各側壁10bの上下両端部が所定長さだけ延出しており、該延出部10c,10cが、対応する前記製氷室ブラケット14に断熱材(図示せず)を介して配設されることで、該製氷室10は略垂直に配置されるようになっている。
【0011】
なお、前記複数の縦仕切板56および横仕切板57は、相互に直交するように配設され、これら仕切板56,57により画成される製氷小室10aは立方体状に設定される。すなわち、前後方向に対向する縦仕切板56,56および上下方向に対向する横仕切板57,57は、何れも平行に臨むようになっている。また、両仕切板56,57における表面側の端部は、製氷室10の表面端より所定長さだけ内側に位置し、各製氷小室10a中に生成された角氷Sを表面側に生成される氷層によって相互に連結するよう設定してある。
【0012】
(冷却管)
前記両製氷室10,10の裏面間には、図3に示す如く、図示しない冷凍装置の一部を構成する2本の冷却管11,11が密着固定され、製氷運転時に両冷却管11,11中に冷媒を循環させて前記製氷室10,10を強制冷却すると共に、除氷運転に際して高温冷媒ガス(以後「ホットガス」と云う)を循環させて製氷室10,10を加熱するよう構成されている。各冷却管11は、直線部11aとU字状に折曲形成されたベンド部11bとが反復する蛇行状に形成されて、そのベンド部11bが上下に位置するよう製氷室10の裏面側に配置される。また両冷却管11,11は、製氷室10の幅方向に並列に配設されると共に、冷凍装置から供給される冷媒およびホットガスの入口が製氷室10における幅方向の前あるいは後側の端部側に設定されている。すなわち、前側に位置する冷却管11の入口は、製氷室10の前面側に位置し、また後側に位置する冷却管11の入口は、製氷室10の後面側に位置し、両冷却管11,11に供給される冷媒およびホットガスは、製氷室10の前後両端部側から幅方向の中央部に向けて流れるようになっている。
【0013】
前記各冷却管11における上下のベンド部11b,11bは、図3に示す如く、製氷室10の上下端部から外方に延出するよう設定され、各ベンド部11bと製氷室端部との間に隙間を画成するよう構成してある。そして、下部のベンド部11bと製氷室下端との間に画成される隙間は、製氷運転に際して製氷小室10a中に供給される製氷水および除氷運転に際して製氷室裏面に供給される除氷水をベンド部11bに溜まらせることなく下方に流すべく機能する。また、上部のベンド部11bと製氷室上端との間に画成される隙間は、前記除氷水を製氷室10の裏面全体に流下させるべく機能する。
【0014】
(水皿)
前記両製氷室10,10の表面側には、後述する開閉装置15に支持されて平行に横移動可能な水皿12が夫々臨んでいる。各水皿12は、氷が氷結し難い材料(例えば合成樹脂)を材質として、製氷室10における全ての製氷小室10aを覆い得る寸法の平板状に形成されて、該製氷小室10aを閉成する表面(氷塊氷結面)は平坦に設定されている。そして、この水皿12は、開閉装置15により製氷室10の表面側に近接する製氷位置(図6)と、表面側から離間する開放位置(図7)との間を、縦向き姿勢のまま平行に進退移動されるようになっている。なお、水皿12における上下端部は、図6に示す如く、製氷室10より外方に延出すると共に、その開放端に向かうにつれて製氷室10から離間する方向に所定角度(例えば30〜45°)で傾斜するよう折曲され、水皿自体の強度を向上するよう構成される。また下側の折曲部12cは、製氷運転に際して前記製氷小室10aに供給されて氷結することなく流下する未氷結水(後述)および除氷運転に際して前記水皿12の裏面側を流下する除氷水を、後述する製氷水タンク16に案内するガイド手段として機能する。
【0015】
前記水皿12における各製氷小室10aの中央と対応する位置に通孔12aが形成されると共に、該通孔12aには後述する分配管18に突設された突部19が同心的に挿入されて、該突部19の周りに戻り孔20を画成するよう構成される(図5参照)。
【0016】
前記製氷機構の下方には、図1に示す如く、製氷水タンク16が配設され、該タンク中に貯留されている所要量の製氷水は、循環ポンプPを介して各水皿12の裏面下部に配設されて幅方向に延在する供給管17の中央部に供給されるよう構成される。なお、製氷水タンク16と循環ポンプPとの接続部は該タンク16の最低部に設定されると共に、タンク底部は接続部に向けて下方傾斜するよう設定され、使用されることなくタンク中に残る製氷水の量を少なくするよう設定している。
【0017】
図4に示すように、この供給管17からは複数の分配管18が並列に導出され、各分配管18は水皿12における縦列の通孔群に沿って上方に延在している。各分配管18における夫々の通孔12aと対応する位置には、図5に示す如く、該通孔12aより小径の突部19が突設されて、該突部19が通孔12a内に同心的に挿入されている。この突部19には小径(例えば1.4mm)の噴水孔19aが穿設されており、前記製氷水タンク16から循環ポンプPを介して分配管18に圧送される製氷水は、各噴水孔19aを介して対応の各製氷小室10a中に噴射可能になっている。すなわち実施例では、前記水皿12、供給管17および分配管18から製氷水供給手段が構成され、該供給手段が一体的に製氷室10に対して平行に近接・離間移動するよう構成される。
【0018】
前記水皿12の通孔12aに同心的に挿入された突部19の外周囲に戻り孔20が画成され、後述する製氷運転に際して、製氷室10で氷結するに到らなかった製氷水(以下「未氷結水」という)を、この戻り孔20から製氷水タンク16に戻し得るようになっている。なお、突部19の先端は、図5に示す如く、水皿12の表面(製氷室10と対向する面)より突出しないよう設定され、水皿12に氷結した角氷群が剥離落下する際に引掛かることがないよう構成される。
【0019】
前記全ての分配管18の上端部は接続管21に接続されて、前記供給管17と共に製氷水がエンドレスで流通し得るよう構成されている。供給管17および接続管21の長手方向の両端部は、蓋22,23により開閉可能に閉塞されるようになっており(図4参照)、該蓋22,23を取外すことで管内の掃除を行ない得るよう構成してある。
【0020】
前記両製氷室10,10の間における上方位置に、給水管(図示せず)を介して外部水道系に接続する第1除氷水散水管24が幅方向に延在すると共に、該散水管24には縦方向に整列する製氷小室群に対応する位置の夫々に分岐管24aが接続してある。そして、給水管に介挿した第1給水弁WV1(図13参照)を開放することにより、常温の水道水(除氷水)が第1除氷水散水管24に供給され、この除氷水は各分岐管24aを介して製氷室10,10の裏面側を流下して前記製氷水タンク16に供給され、これが次回の製氷運転時に製氷水として使用されるようになっている。なお、前述したように前記冷却管11,11の各ベンド部11bは製氷室10,10の上下端部から外方に延出しているから、該除氷水の流下は円滑になされる。
【0021】
前記各水皿12の前後両側に側板12b,12bが配設され、該側板12b,12b間における水皿12の後面側上部に、給水管(図示せず)を介して外部水道系に接続する除氷手段としての第2除氷水散水管25が接続管21と平行に配設され(図4参照)、給水管に介挿した第2給水弁WV2(図13参照)を開放することにより、常温の水道水(除氷水)が第2除氷水散水管25に供給されるよう構成される。また第2除氷水散水管25には複数の散水孔(図示せず)が穿設されており、第2除氷水散水管25に供給された除氷水は、散水孔を介して水皿12の裏面側を流下して前記製氷水タンク16に供給され、これも次回の製氷運転時に製氷水として使用されるようになっている。なお、水皿12における裏面には、図5に示す如く、前記各通孔12aを囲繞する堰部材26が配設され、水皿裏面を流下する除氷水が通孔12aを介して表面側に流出し、角氷Sを融解するのを防止するよう構成してある。また堰部材26は、前記戻り孔20からの製氷水の裏側への流出は許容するようになっている。
【0022】
前記水皿12における前記折曲部12cの下方には、図4および図6に示す如く、該水皿12と一体的に移動するカバー手段としての樋部材27が配設され、水皿12の表面側や裏面側を流下して折曲部12cで案内される製氷水や除氷水を、該樋部材27で回収して前記製氷水タンク16に案内するよう構成される。
【0023】
前記水皿12が開閉装置15により開放位置に移動された状態で、該水皿12の表面側に氷結している角氷群の下方に臨む製氷水タンク16に、氷通過口28が形成され、除氷運転により水皿12から剥離落下する角氷群は、該氷通過口28を介して図示しない貯氷室に放出されるようになっている。なお、水皿12の製氷位置においては、氷通過口28は前記樋部材27で覆われて閉成され(図1参照)、製氷水が該氷通過口28を介して貯氷室に流入するのは防止されている。また、樋部材27における製氷室10を向く端部は、前記水皿12の表面より製氷室側に突出しないよう設定されており、該水皿12から剥離した角氷群の円滑な落下を達成し得るよう構成される。
【0024】
(開閉装置)
前記各水皿12の前後両側板12b,12bに水皿ブラケット29,29が配設されると共に(図4参照)、各ブラケット29の上下両端部には、図8に示す如く、左右方向(製氷室10に対する近接・離間方向)に離間する一対の案内ローラ30,30が夫々回転可能に配設されている。また前記両製氷室ブラケット14,14には、各水皿12と対応する位置に、左右方向に延在する一対の長孔14a,14aが上下に離間して平行に形成され、この上下の長孔14a,14aに対応する上下の案内ローラ30,30が移動可能に配設されている。すなわち、各水皿12は、上下の長孔14a,14aに沿って左右方向に平行移動可能に構成される。
【0025】
前記水皿12,12の開閉装置(開閉手段)15は、前記両製氷室ブラケット14,14に配設される一対のリンク機構31,31と、両リンク機構31,31を作動する作動機構32とから構成され、両リンク機構31,31を作動機構32により作動することで、2つの水皿12,12が製氷位置と開放位置との間を移動するよう構成される。
【0026】
(作動機構)
前記作動機構32は、図2に示す如く、前記両製氷室ブラケット14,14の上端間に回動可能に架設された回動軸33を備え、該回動軸33における各製氷室ブラケット14から外方に突出する軸端にカム34が夫々一体回転可能に配設されている。また、回動軸33における前側の製氷室ブラケット14に近接する内側に、従動歯車35が一体回転可能に配設される。更に、前記本体枠13に配設されたモータ36の出力軸に駆動歯車37が一体回転可能に配設されており、該駆動歯車37が前記従動歯車35に噛合してある。すなわち、モータ36を所定方向に回転駆動することで、回動軸33と共にカム34,34を逆方向(実施例では図8における時計方向)に回転するよう構成される。
【0027】
(リンク機構)
前記両カム34,34には、対応するリンク機構31,31を構成する作動レバー38,38が連結され、両カム34,34の回転によって作動レバー38,38を作動するよう構成される。なお、両リンク機構31,31の構成は対称であるので、前側に配設されるリンク機構31の構成についてのみ説明し、後側のリンク機構31の同一部材には同じ符号を付して示すのみとする。
【0028】
すなわち、図11に示す如く、前記カム34の回転中心から偏位する部位に一端部が第1支点ピン39を介して回動可能に枢支された作動レバー38が所定長さで垂下すると共に、該レバー38の下端部には長手方向(上下方向)に延在する長孔38aが形成されている。また、製氷室ブラケット14におけるカム34の回転中心から真下に所定長さだけ離間する位置に案内ピン40が突設され、該案内ピン40が作動レバー38の長孔38aに摺動可能に挿通されている。すなわち、カム34が回転した際には、作動レバー38は、長孔38aが案内ピン40に案内されつつ上下動するようになっている(図8,図9,図10参照)。
【0029】
前記作動レバー38には、左右の水皿12,12を移動させるレバー組41,41が連設されているが、その構成は該レバー38を挟んで対称であるので、図8において右側に配設されるレバー組41の構成についてのみ説明し、左側のレバー組41の同一部材には同じ符号を付して示すものとする。なお、以下の説明では、水皿12を製氷位置に位置決めしている状態で説明する。
【0030】
(レバー組)
前記作動レバー38における長手方向の略中間位置に第2支点ピン42が前後方向に突設され、その前側の端部に右用の中間レバー43の一端が回動可能に枢支されている。なお、左用の中間レバー43の一端は、第2支点ピン42の作動レバー38から後側に突出する端部に回動可能に枢支される。また、前記製氷室ブラケット14における作動レバー38より右側の位置には、略レ字状に折曲形成された右用のアーム44が、その折曲部において第3支点ピン45を介して回動可能に枢支されている。そして、アーム44における枢支部から作動レバー38に向けて延出する一方の第1アーム部44aに突設された第1支軸46が、前記中間レバー43の枢支点から離間する他端部に形成された長孔43aに摺動可能に挿通してある。更に、アーム44における枢支部から第1アーム部44aより下方で作動レバー38に向けて斜め下方に延出する第2アーム部44bに、第2支軸47が突設されている。
【0031】
前記製氷室ブラケット14における前記第3支点ピン45の略真上の位置に第1バネ軸48が配設され、該バネ軸48に一端が掛止された第1引張りバネ49の他端部が、前記アーム44の第2支軸47に掛止されている。また、前記水皿ブラケット29における前記第3支点ピン45の配設位置より下方で、かつ該支点ピン45より作動レバー側に偏位した位置に第2バネ軸50が配設され、該バネ軸50に一端が掛止された弾性部材としての第2引張りバネ51の他端部が、前記アーム44の第2支軸47に掛止されている。すなわち、図8に示すように水皿12を製氷位置に位置決めしている状態で右側のレバー組41は、アーム44における第2アーム部44bの第2支軸47が第3支点ピン45の真下の下死点より左側(作動レバー38に近接する閉成側)に到来しており、このとき第1引張りバネ49は、アーム44を第3支点ピン45を中心として時計方向(左側のレバー組41では反時計方向)に付勢し、これにより第2バネ軸50と第2支軸47との間に張架されている第2引張りバネ51の張力は、水皿12を製氷室10に向けて近接する方向に作用するよう設定される。
【0032】
また後述する除氷運転に際してアーム44における第2アーム部44bの第2支軸47が、第3支点ピン45の真下の下死点より右側(作動レバー38から離間する開放側)に到来した際には(図9参照)、第1引張りバネ49は、アーム44を第3支点ピン45を中心として反時計方向(左側のレバー組41では時計方向)に付勢し、これにより第2バネ軸50と第2支軸47との間に張架されている第2引張りバネ51の張力は、水皿12を製氷室10から離間する方向に作用するよう設定される。
【0033】
(リミットスイッチ)
前記一方のカム34の外周に凹部34aが形成されると共に、該凹部34aを検知可能な2基のリミットスイッチ52,53が、前記対応する製氷室ブラケット14に配設されている。図8において左側に位置する第1リミットスイッチ52は、前記第1支点ピン39が回動軸33の真上の上死点に到来したときに凹部34aを検知し、このときに前記モータ36を停止制御するべく機能する。そして、この状態で前記水皿12は製氷位置に臨むよう設定される。また右側に位置する第2リミットスイッチ53は、作動レバー38および中間レバー43により回転されるアーム44の第2支軸47が下死点より開放側に臨む位置に到来したときに凹部34aを検知し(図9参照)、このときに前記モータ36を停止制御するべく機能する。
【0034】
(製氷完了サーモ)
前記一方の製氷室10には、製氷完了検知手段としての製氷完了サーモTh(図13参照)が配設され、前記製氷室10に略完全な角氷Sが形成されることによって製氷室温度が製氷完了温度まで低下したことを該サーモThが検知した際に、製氷運転を完了して除氷運転に移行するよう設定されている。すなわち、図13に示すように、前記循環ポンプPを停止したもとで、冷凍装置のホットガス弁HVを開放して2つの冷却管11,11にホットガスを供給すると共に、前記モータ36を回転し、更には前記第1給水弁WV1を開放して両製氷室10,10の裏面側への除氷水の供給を開始するよう構成される。なお、ホットガス弁HVは、後述する検知スイッチ55,55が除氷完了を検知した際に閉成されるようになっている。
【0035】
(水皿の開放完了スイッチ)
前記製氷室ブラケット14には、一方(実施例では右側)の水皿12が開放位置に移動したことを検知する開放完了スイッチ54が配設され、該スイッチ54が水皿12の開放完了を検知したときに、前記第1給水弁WV1を閉成して製氷室10,10の裏面側への除氷水の供給を停止すると共に、第2給水弁WV2を開放して水皿裏面への除氷水の供給を開始するよう構成されている。
【0036】
(除氷完了検知装置)
前記一方(実施例では前側)の水皿ブラケット29およびこれに対応する製氷室ブラケット14には、前記各水皿12が開放位置に到来した状態で、該水皿12の表面側に角氷群が存在しているか否かを検知可能な除氷完了検知装置58が夫々配設され、各水皿12から角氷群が剥離落下したことを該検知装置58が検知した際に、第2給水弁WV2を閉成して除氷運転から製氷運転に移行させるよう設定されている。なお、左右の水皿12,12における除氷完了を検知する除氷完了検知装置58,58は対称であるので、図8において右側に配設される除氷完了検知装置58の構成についてのみ説明し、左側の除氷完了検知装置58の同一部材には同じ符号を付して示すものとする。
【0037】
前記除氷完了検知装置58は、図8および図12に示す如く、前記水皿ブラケット29に配設されて一体的に移動する取付板59に、前記水皿12における表面側に氷結している角氷Sの前面側に当接可能な検知部材60が、支持軸61を介して回動可能に配設される。この検知部材60は、支持軸61に巻装された弾性手段としての捩じりばね62により、常には支持軸61から径方向の一方(実施例では下側)に延出する検知片60aが前記角氷Sに当接する方向に回動付勢されている。なお、前記製氷室10に対して水皿12が開放位置に移動した際には、該水皿12の表面側に氷結している角氷Sの前面は、図10に示すように前記製氷室ブラケット14から露出し、この部分に前記検知片60aが当接するよう設定される。
【0038】
前記製氷室ブラケット14には、前記支持軸61より上方において左右方向に延在する保持手段としてのガイド棒63が配設され、該ガイド棒63における水皿12の前側に臨む部位に検知手段としてのマイクロスイッチ等の検知スイッチ55が配設される。この検知スイッチ55の検知レバー55aは、前記水皿12が開放位置に臨む状態で、前記検知部材60における支持軸61を挟んで検知片60aとは反対側(実施例では上側)に延出する作動片60bが当接可能な位置に位置決めされている。但し、検知部材60の検知片60aが角氷Sに当接している状態では、作動片60bは検知レバー55aに当接しないよう位置決めされ、検知片60aが角氷Sから離間して前記捩じりばね62の弾力(付勢力)により検知部材60が回動(移動)された際に作動片60bが検知レバー55aを当接作動し、これにより検知スイッチ55が除氷完了を検知(ON状態)するよう構成される。なお、実施例では左右の検知スイッチ55,55が、電気的に直列に配線され、両検知スイッチ55,55の何れもがON状態となったときにのみ、除氷運転から製氷運転に移行するよう設定される。
【0039】
前記ガイド棒63は、前記検知部材60における作動片60bより前側に臨むよう位置決めされ、前記水皿12が製氷位置に臨む状態において作動片60bが当接可能な規制部63aと、該規制部63aの対応する水皿12を向く端部から前方に向けて所定角度で折曲されて水皿12が開放位置に臨む状態において作動片60bの前側に臨む案内部63aとから構成される。そして、ガイド棒63の規制部63aは、この部分に前記作動片60bが当接したときに、検知部材60の検知片60aが角氷Sの形成領域(水皿12の表面側)に突出しない待機姿勢(図12の実線参照)に該検知部材60を保持するよう構成され、水皿12が製氷室10に近接する際に該検知部材60が水皿12と製氷室10とで挟まれるのを防止するべく機能する。またガイド棒63の案内部63bは、前記開放位置において作動片60bが前記検知レバー55aに当接するのを許容する間隔で前側に離間しており、該作動片60bが検知レバー55aを当接作動させた検知姿勢の検知部材60が水皿12と共に製氷室10に向けて近接移動する際に、該作動片60bが案内部63bに当接案内されることで検知部材60を回動して前記待機姿勢に戻すよう設定される。なお、実施例では左右のガイド棒63,63は1本の部材で構成してあるが、夫々を別の部材としてもよい。
【0040】
実施例では、除氷運転から製氷運転に移行して前記水皿12が製氷位置に位置決めされた後、図示しないタイマにより設定された所定時間(例えば15秒)だけ前記第2給水弁WV2を開放して、前記製氷水タンク16に除氷水(製氷水)を追加供給するよう設定してある。
【0041】
【実施例の作用】
次に、実施例に係る自動製氷機の除氷完了検知装置の作用につき、自動製氷機全体の作用との関係で、図13のタイミングチャートを参照して説明する。製氷運転に際し、図6に示す如く両水皿12,12は、製氷室10,10の表面側に近接する製氷位置に臨み、各製氷小室10aが水皿12,12で閉成された状態となっている。このとき、図8に示す如く、前記開閉装置15における各リンク機構31の作動レバー38の第1支点ピン39は上死点に位置し、また各レバー組41におけるアーム44の第2支軸47が下死点より閉成側に位置して、前記第2引張りバネ51の張力によって水皿12を夫々製氷位置に向けて付勢している。また、前記各除氷完了検知装置58の検知部材60は、図12に実線で示す如く、その作動片60bがガイド棒63の規制部63aに当接した待機姿勢に保持されている。
【0042】
前述した状態において、前記冷凍装置の運転(圧縮機ON)により、両製氷室10,10の裏面側に配設された2本の冷却管11,11に夫々冷媒が循環供給され、両製氷室10,10の冷却がなされる。この場合に、冷却管11,11を複数としたことで、各冷却管11の長さを短かくすることができ、これにより管路抵抗が小さくなって冷却能力が向上する。また前記循環ポンプPの運転により、前記製氷水タンク16からの製氷水は各分配管18にポンプ圧送され、該分配管18の各噴水孔19aを介して各製氷室10の各製氷小室10a中に向けて噴射供給される。
【0043】
噴射された製氷水は、製氷小室10aの内壁面に接触して冷却され、該製氷小室10a中で氷結することなく開口から流出する未氷結水は、前記水皿12の各戻り孔20から該水皿12の裏面側に流出して流下し、前記折曲部12cおよび樋部材27を介して製氷水タンク16に戻されて再度の循環に供される。なお、製氷運転に際して前記氷通過口28は対応する樋部材27により閉成されているから(図1参照)、水皿裏面を流下する製氷水が氷通過口28から貯氷室に入るのは防止される。すなわち、貯氷室に貯留されている角氷Sに製氷水が付着して再氷結するのは抑制される。そして製氷水の循環が反復されるうちに、製氷小室10a中で製氷水の一部が氷結して氷層が形成され始め、最終的に該製氷小室10aの内部形状に対応する角氷Sが生成される。前述した如く、製氷小室10aを画成する仕切板56,57における表面側の端部は、製氷室10の表面端より所定長さだけ内側に位置しているから、各製氷小室10a中に生成された角氷Sは表面側に生成される氷層によって相互に連結すると共に、水皿表面に氷結付着する。
【0044】
前記角氷Sの製造が完了し、製氷室10の温度が製氷完了温度となったことを製氷完了サーモThが検知すると、前記循環ポンプPが停止されて、製氷水の循環供給を停止する。またホットガス弁HVが開放して両冷却管11,11にホットガスが供給され、製氷室10,10の加温がなされて、各製氷小室10aの内壁面と角氷Sとの氷結面の融解を開始する。このとき、各冷却管11のホットガスの入口は製氷室10における幅方向の両端部側に設定されているから、製氷室10における全ての角氷Sが平均的に融解し、部分的に角氷Sがやせて不揃いとなるのは防止される。更に、前記第1給水弁WV1を開放し、外部水道系に接続する第1除氷水散水管24への給水を開始する。第1除氷水散水管24に供給された除氷水(常温の水道水)は、各分岐管24aを介して製氷室10,10の裏面側に散水され、これにより製氷室10,10が加熱されて各製氷小室10aと角氷Sとの氷結力が低下する。この場合に、前記冷却管11,11の下側のベンド部11bは製氷室10,10の下端部から外方に延出しているから、該除氷水の流下は円滑になされ、前記製氷水タンク16に回収される。
【0045】
前述した製氷完了検知により、前記開閉装置15のモータ36が回転駆動し、そのカム34,34が図8において時計方向への回動を開始し、これにより一対のリンク機構31,31が作動する。すなわち、各リンク機構31においては、カム34に第1支点ピン39を介して枢支されている作動レバー38が、長孔38aに係合する案内ピン40に案内されつつ下方に移動する。この作動レバー38の下動により両中間レバー43,43が下方に押され、各中間レバー43における長孔43aの上端縁に第1支軸46を介して係合しているアーム44は、第3支点ピン45を中心として第2アーム部44bが作動レバー38から離間する方向に夫々回動する。そして、カム34の凹部34aを第2リミットスイッチ53が検知したときに、前記モータ36が一旦停止される。このとき、前記各アーム44の第2支軸47は、図9に示す如く、下死点より開放側に位置しているから、前記第2引張りバネ51の張力は、対応する水皿12を製氷室10から離間する方向に作用することとなる。
【0046】
前記冷却管11,11へのホットガスの供給および除氷水の製氷室裏面への供給により各製氷室10が加温され、各製氷小室10aに対する角氷Sの固着力が低下すると、前記第1および第2引張りバネ49,51の張力により製氷室10から離間する方向に付勢されている水皿12に角氷群が氷結したまま製氷室10から分離して各製氷小室10aから角氷Sが取出され、図10に示すように該水皿12は開放位置に到る。すなわち、製氷小室10aと角氷Sとの固着力が低下してから角氷Sを取出すから、製氷室10およびこれを支持する機構部の強度を低く設定することが可能で、製造コストを低廉に抑えることができる。また、角氷Sを製氷小室10aから取出す際の音も小さくなる。
【0047】
前述したように、両引張りバネ49,51の張力によって除氷を補助するよう構成してあるから、除氷時間を短縮することができる。また製氷室10から角氷群を分離可能となったことを、温度やタイマ等で検知して制御する必要はなく、制御系を簡略化し得る。更には、リンク機構31に加わる負荷を引張りバネ49,51の伸びの変移により軽減することが可能であるから、開閉装置15の耐久性を向上することもできる。また、製氷室10の除氷をホットガスと除氷水との両方を利用して行なうから、これによっても除氷に要する時間を短縮し得る。なお、前記除氷完了検知装置58の検知部材60は、前記水皿12と一体的に移動し、このとき前記作動片60bはガイド棒63の規制部63aから案内部63bに沿って移動するが、水皿12の表面側に氷結している角氷Sに検知片60aが当接して該検知部材60の回動は規制されているから、水皿12が開放位置に到ったときには、作動片60bは前記検知スイッチ55における検知レバー55aに当接しない位置に臨んでいる。
【0048】
前記水皿12が開放位置に到来したことを前記開放完了スイッチ54が検知すると、前記第1給水弁WV1を閉成して製氷室10,10の裏面側への除氷水の供給を停止したもとで、前記第2給水弁WV2を開放し、外部水道系に接続する各第2除氷水散水管25への給水を開始する。第2除氷水散水管25に供給された除氷水(常温の水道水)は、各散水孔を介して水皿12の裏面側に散水され、これにより水皿12が加熱されてその表面側に氷結している角氷群との氷結力が低下する。なお、水皿裏面を流下する除氷水は、前記堰部材26により通孔12aを介して表面側に流出するのは阻止され、除氷水により角氷が融解するのは防止される。また水皿裏面を流下する除氷水は、前記折曲部12cおよび樋部材27を介して製氷水タンク16に案内され、該除氷水が前記氷通過口28から貯氷室に入ることはない。
【0049】
前記各水皿12と角氷群との氷結力が或る程度解除されると、該角氷群は自重落下し、前記氷通過口28を介して貯氷室に落下貯留される。既に述べた如く、水皿12は除氷水により加熱されて、水皿12と角氷群との固着力は低下し、しかも水皿自体は氷が氷結し難い材料を材質としているから、当該水皿12から角氷群は短時間で剥離落下する。また、水皿12における角氷群が氷結している表面は平坦であるから、該角氷群を剥離させるのに要する熱量は少なくて済み、実施例のように第2除氷水散水管25を介して水皿裏面に供給される除氷水のみでく脱氷し得る。しかも、水皿12は縦向き姿勢であるから、その垂直な裏面に供給される除氷水は裏面全体を均一に流下して平均的に加温することができ、脱氷がより容易に行なわれる。
【0050】
前記水皿12の表面から角氷群が剥離落下すると、前記除氷完了検知装置58の検知部材60は、前記捩じりばね62の弾力付勢下に回動し、前記作動片60bが前記検知スイッチ55の検知レバー55aを当接作動することで(図12の二点鎖線参照)、除氷完了を検知(検知スイッチ55のON)する。実施例では、左右の除氷完了検知装置58,58の何れもが除氷完了を検知したときに、除氷運転から製氷運転に移行する工程に進むよう設定してあるから、一方の水皿12に角氷Sが氷結したまま製氷運転に移行することはない。また、角氷Sの有無を機械的に直接検知しているから、除氷完了を正確に検知することができると共に、角氷群の剥離落下後に直ちに製氷運転に移行させ得る。すなわち、従来の温度検知装置やタイマ装置等のように、安全を見込んで作動設定値を設定することで除氷運転が必要以上に長くなることはなく、製氷能力を向上することができる。
【0051】
そして、両除氷完了検知装置58,58が除氷完了を検知すると、前記第2給水弁WV2およびホットガス弁HVを閉成すると共に、前記モータ36の回転が再開される。なお、水皿12の通孔12aに挿入されている前記突部19の先端は、図5に示す如く、水皿12の表面より突出していないから、水皿12からの角氷群の脱氷落下が阻害されることはなく、円滑に落下する。同様に前記樋部材27の端部も水皿12の表面から突出していないから、角氷群の落下を阻害することはない。
【0052】
前述したように、実施例では縦向きに配置した製氷室10に対して製氷小室10aを開閉する水皿12を、該水皿12に角氷群を氷結させたまま平行に横移動させるよう構成したから、水皿12の移動量は角氷群の左右寸法より僅かに大きければよく、製氷機構自体を小型化することができ、小さな設置スペースで多くの製氷量を稼ぐことができる。しかも、冷却管11を挟んで2つの製氷板10,10を対向配置したから、小さなスペースでより多くの角氷Sを効率的に製造し得る。また水皿12を平行移動させるから、製氷小室10aの形状を立方体とすることができ、整った形状の角氷Sを製造し得る。更に、水皿12に氷結している角氷群を真下に落とすので、前記氷通過口28の開口寸法を小さく設定することができ、これによって前記製氷水タンク16の小型化を図り得る。
【0053】
前記モータ36が回転駆動することにより、そのカム34,34が図10において時計方向への回動を開始する。これにより、各カム34に第1支点ピン39を介して枢支されている作動レバー38が、案内ピン40に案内されつつ上方に移動する。この作動レバー38の上動により両中間レバー43,43が上方に引上げられ、各中間レバー43における長孔43aの下端縁に第1支軸46を介して係合しているアーム44は、第3支点ピン45を中心として第2アーム部44bが作動レバー38に近接する方向に夫々回動する。そして、カム34の凹部34aを第1リミットスイッチ52が検知したときに、前記モータ36が停止される。このとき、前記各アーム44の第2支軸47は、下死点より閉成側に位置しているから、前記第2引張りバネ51の張力は水皿12を製氷室10に近接する方向に作用し、水皿12は開放位置から移動して製氷室10の開口を塞ぐ製氷位置に保持される。前述したように水皿12は引張りバネ49,51を介して移動されるよう構成してあるから、水皿12と製氷室10との間に仮に角氷等を噛み込んだ場合においても、両引張りバネ49,51の伸び量等が変移することで開閉装置15に大きな負荷が加わるのは防止され、該装置15が故障するのを防ぐことができる。また、開閉装置15を構成する各部品の寸法精度や組付け誤差等も引張りバネ49,51で吸収し得るから、組付けが容易となる。
【0054】
前記水皿12と一体的に移動する前記検知部材60は、その検知片60aが角氷Sの形成領域に臨む検知姿勢から、前記作動片60bがガイド棒63の案内部63bに当接案内されることで元の待機姿勢に向けて回動し、該作動片60bが前記規制部63aに当接することで待機姿勢に保持され、両除氷完了検知装置58,58は除氷完了の非検知状態(検知スイッチ55のOFF)となる。これにより、検知部材60が水皿12と製氷室10との間に挟まれることはない。
【0055】
前述したホットガス弁HVの閉成により前記2本の冷却管11,11に夫々冷媒が循環供給された後、循環ポンプPが運転されて各製氷小室10aへの製氷水の循環供給が開始されることで、製氷運転が再開される。なお、製氷運転が再開されたときに、前記第2給水弁WV2がタイマで設定された数秒間だけ開放され、前記水皿12の裏面側を流下させた水道水が製氷水タンク16に追加給水される。
【0056】
実施例の自動製氷機では、前記除氷運転に際し、製氷室10の各製氷小室10aに生成された複数の角氷Sは、前記仕切板と水皿12との隙間に生成された氷層によって相互に連結され、これを水皿12に氷結した状態で剥離落下させるので、各角氷Sがバラバラに落下することはない。すなわち、角氷Sがバラバラに落下することで、水皿12の一部に角氷Sが残留固着している状態で、前記除氷完了検知装置58による除氷完了検知がなされ、製氷室10と水皿12との間に角氷Sが噛み込まれるのは防止される。
【0057】
【変形例について】
実施例では、製氷室と水皿を夫々2基づつ設けた製氷機構の場合で説明したが、製氷室と水皿は1基づつであってもよい。また製氷室は縦向きに配置されるものに限定されず、製氷小室を下向きに開口するよう水平に配置し、この製氷室に対して製氷水を噴射供給する水皿を回動して製氷位置と開放位置とに位置決めする構成の自動製氷機であっても、本願発明の除氷完了検知装置を採用し得る。更には、製氷小室を上向きに開口するよう製氷室を水平に配置すると共に、この製氷室に製氷水を貯留し、冷却管を配設した着氷部材の下面に突設垂下した製氷突起を該製氷水に浸漬させることにより、該製氷突起の周囲に氷塊を形成する型式の自動製氷機であっても、本願発明の除氷完了検知装置を採用し得る。なお、製氷室中で生成される氷塊の数は、複数に限らず1個であってもよく、またその形状に関しても角形に限定されるものでなく、円筒形やその他の形状を採用し得る。
【0058】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明に係る自動製氷機の除氷完了検知装置によれば、着氷部材から氷塊が剥離落下したことを機械的に検知するよう構成したから、周囲温度に影響されることなく確実に除氷完了を検知することができる。しかも周囲温度に対応して作動設定値を自動的に調整する補正装置等を付設する必要もなく、保守管理が簡単で製造コストも低廉に抑え得る。また、製氷位置においては検知部材を保持手段により氷塊に当接しない位置に保持するから、製氷部と着氷部材との間に検知部材が挟まれることはない。更に、着氷部材を開放位置から製氷位置への移動をするだけでは検知部材を待機姿勢に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る自動製氷機の概略構成を製氷状態で示す縦断正面図である。
【図2】 実施例に係る自動製氷機における製氷機構の概略構成を示す側面図である。
【図3】 実施例に係る製氷室を示す側面図である。
【図4】 実施例に係る水皿を示す側面図である。
【図5】 実施例に係る水皿の要部断面図である。
【図6】 実施例に係る製氷室に対して水皿を製氷位置に位置決めした状態で示す縦断正面図である。
【図7】 実施例に係る製氷室に対して水皿を開放位置に位置決めした状態で示す縦断正面図である。
【図8】 実施例に係る開閉装置を、水皿が製氷位置に位置決めされている状態で示す正面図である。
【図9】 実施例に係る開閉装置を、製氷位置の水皿を製氷室から離間する方向に付勢する状態で示す正面図である。
【図10】 実施例に係る開閉装置を、水皿が開放位置に移動した状態で示す正面図である。
【図11】 実施例に係る開閉装置における一方のリンク機構を示す側面図である。
【図12】 実施例に係る除氷完了検知装置を示す側面図である。
【図13】 実施例に係る自動製氷機の製氷−除氷運転のタイミングチャート図である。
【符号の説明】
10 製氷室(製氷部),10a 製氷小室,11 冷却管
12 水皿(着氷部材),15 開閉装置(開閉手段)
55 検知手段(検知スイッチ),60 検知部材
62 捩じりばね(弾性手段),63 ガイド棒(保持手段),63a 規制部
63b 案内部,S 角氷(氷塊)
Claims (2)
- 所定方向に開口する製氷小室(10a)を有する製氷部(10)と、
前記製氷部(10)に密着的に配設され、製氷運転に際して冷媒が循環されると共に除氷運転に際して高温冷媒ガスが循環される冷却管(11)と、
製氷運転に際して前記製氷小室(10a)を閉成する製氷位置に位置決めされて、該製氷小室(10a)との間に氷塊(S)を生成させると共に、除氷運転に際して開閉手段(15)により製氷小室(10a)を開放する開放位置に移動される着氷部材(12)とからなり、
前記除氷運転に際して着氷部材(12)に氷塊(S)を氷結させたまま開放位置に移動することで前記製氷小室(10a)から氷塊(S)を取出し、この開放位置で該着氷部材(12)から氷塊(S)を剥離落下させるよう構成した自動製氷機において、
前記着氷部材(12)に配設され、前記開放位置においては弾性手段(62)により該着氷部材(12)に氷結している氷塊(S)に当接する方向に付勢される検知部材(60)と、
前記着氷部材(12)から氷塊(S)が剥離落下することで、該氷塊(S)に当接しなくなった前記検知部材(60)が弾性手段(62)の付勢力により移動したことを検知する検知手段(55)と、
前記製氷部 (10) に配設され、前記着氷部材 (12) が製氷位置に臨む状態において前記検知部材 (60) が当接して、該検知部材 (60) が着氷部材 (12) における氷塊 (S) の形成領域に突出しない待機姿勢に保持する規制部 (63a) および前記着氷部材 (12) が開放位置に臨む状態において着氷部材 (12) に氷結している氷塊 (S) に当接している前記検知部材 (60) が前記検知手段 (55) で検知される検知姿勢に移動するのを許容する間隔で離間する案内部 (63b) を有する保持手段 (63) とを備える
ことを特徴とする自動製氷機の除氷完了検知装置。 - 前記案内部 (63b) は、前記着氷部材 (12) が開放位置から製氷位置に向けて移動する際に、着氷部材 (12) が開放位置に臨む状態において検知姿勢となった検知部材 (60) を当接案内して前記待機姿勢に戻すよう構成されている請求項1記載の自動製氷機の除氷完了検知装置。
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