本発明の実施形態に係るさや詰め装置及びさや詰め方法について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。
(グリーンチップのさや詰め装置の構成)
図1〜図7を参照して、本実施形態に係るグリーンチップのさや詰め装置1の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るグリーンチップのさや詰め装置の各要素を概略的に示すブロック図である。図2は、グリーンチップのさや詰め装置の主要部を示す平面図である。図3は、グリーンチップのさや詰め装置の主要部を示す側面図である。図4は、(a)がグリーンチップ整列部及び載置プレートを示す平面図であり、(b)がグリーンチップ整列部及び載置プレートを示す側面図である。図5は、挟持部及び載置プレート移動部を示す側面図である。図6は、挟持部を主に示す側面図である。図7は、(a)が焼成用さやの全体を示す斜視図であり、(b)が焼成用さやの側面図であり、(c)が焼成用さやの載置面にグリーンチップを載置した状態を示す斜視図である。
グリーンチップのさや詰め装置1は、焼成用さや2を自動供給すると共に、グリーンチップ3を整列し、整列されたグリーンチップ3を焼成用さや2に載置するための装置である。そのために、グリーンチップのさや詰め装置1は、さや供給搬出部10、グリーンチップ整列部20、載置プレート移動部30、載置プレート31、挟持部40及びさや移動部50を備えている。また、グリーンチップのさや詰め装置1はベース部4を備え、ベース部4がさや供給搬出部10、グリーンチップ整列部20、載置プレート移動部30、挟持部40及びさや移動部50を支える基礎となっている。さらに、グリーンチップのさや詰め装置1は制御部5を備え、制御部5がさや供給搬出部10、グリーンチップ整列部20、載置プレート移動部30、挟持部40及びさや移動部50の各部と信号の入出力を行い、各部の動作を制御する。
ここで、焼成用さや2は、例えば、図7(a)に示されるような略正方形状の平板であり、グリーンチップ3を載置する載置面S1を有する。焼成用さや2は、載置面S1が反ったものでないことが好ましいが、本発明に係るグリーンチップのさや詰め装置1では、図7(b)に示されるような、載置面S1が凸状に反った状態の焼成用さや2にも適用可能となっている。焼成用さや2は、耐熱性(耐火性)を有するセラミックス系材料(例えば、アルミナ、ムライト、ジルコニア)で形成されている。グリーンチップ3は、例えばチップビーズ、チップコンデンサ、チップインダクタといった積層型電子部品の焼成前のものである。グリーンチップ3は、1608タイプや0603タイプ等、種々の大きさのタイプとすることが可能である。なお、図7(c)は、焼成用さや2にグリーンチップ3が整列して載置された状態を示している。
さや供給搬出部10は、さや供給コンベア11及びさや搬出コンベア12を備えている。
さや供給コンベア11は、モータ11aと、駆動ローラ11bと、従動ローラ11cと、コンベアベルト11dとを有している。モータ11aは、駆動ローラ11bの駆動軸と接続されており、駆動ローラ11bを駆動させる。駆動ローラ11bは、モータ11aの動作に伴い回転する。駆動ローラ11bにはコンベアベルト11dが取り付けられており、駆動ローラ11bの回転に伴いコンベアベルト11dを図2に示される矢印A方向に送り出す。従動ローラ11cは、駆動ローラ11bによってコンベアベルト11dが送り出されるのに伴って回転し、コンベアベルト11d上に載置されている焼成用さや2を支持する。コンベアベルト11dは、焼成用さや2を載置するため、その短手方向の幅が焼成用さや2の幅と略同一となっている。なお、さや供給コンベア11には、複数段(本実施形態では10段)積まれた焼成用さや2がコンベアベルト11dの長手方向に複数列並べられて載置される(図3参照)。
さや搬出コンベア12は、モータ12aと、駆動ローラ12bと、従動ローラ12cと、コンベアベルト12dとを有している。モータ12aは、駆動ローラ12bの駆動軸と接続されており、駆動ローラ12bを駆動させる。駆動ローラ12bは、モータ11aの動作に伴い回転する。駆動ローラ12bにはコンベアベルト12dが取り付けられており、駆動ローラ12bの回転に伴いコンベアベルト12dを図2に示される矢印B方向に送り出す。従動ローラ12cは、駆動ローラ12bによってコンベアベルト12dが送り出されるのに伴って回転し、コンベアベルト12d上に載置されている焼成用さや2を支持する。コンベアベルト12dは、焼成用さや2が載置するため、その短手方向の幅が焼成用さや2の幅と略同一となっている。なお、さや搬出コンベア12には、複数段(本実施形態では10段)積まれた焼成用さや2がコンベアベルト11dの長手方向に複数列並べられて載置される(図3参照)。
グリーンチップ整列部20は、互いに重ならないように整列させたグリーンチップ3を、後述する載置プレート31に載置させるものである。そのために、グリーンチップ整列部は、ボールフィーダ21、分離フィーダ22、整列フィーダ23を有している。
ボールフィーダ21は、ボール部21aと、駆動部21bとを有しており、いわゆるロータリフィーダである。ボールフィーダ21には、グリーンチップ3を所定量貯蔵するホッパ24からグリーンチップ3が供給される。ボール部21aは、その内部の周方向の側面が下部に向かうのに伴い径が小さくなるすり鉢状傾斜面を呈しており、周方向の側面に螺旋状の溝が形成されている。駆動部21bは、図示しない電磁石と板バネとを有する電磁式のものであり、電磁石の振動が板バネにより増幅されることで自ら振動する。駆動部21bは、自ら振動することによりボール部21aを振動させ、ボール部21aに形成された螺旋状の溝に沿ってグリーンチップ3を徐々に上昇させながら、グリーンチップ3の姿勢を揃えて分離フィーダ22に押し出す。
分離フィーダ22は、分離シュート22aと、駆動部22bとを有しており、いわゆるリニアフィーダである。分離シュート22aは、ボールフィーダ21から後述する整列フィーダ23へと向かって略扇状に広がる溝部22cを有している(図4(a)参照)。駆動部22bは、駆動部21bと同じく、図示しない電磁石と板バネとを有する電磁式のものであり、電磁石の振動が板バネにより増幅されることで自ら振動する。駆動部22bは、自ら振動することにより分離シュート22aの溝部22cに沿ってグリーンチップ3を押し出し、ボールフィーダ21から供給されたグリーンチップ3を均等にばらけさせて整列フィーダ23に押し出す。
整列フィーダ23は、直線シュート23aと、駆動部23bとを有しており、いわゆるリニアフィーダである。直線シュート23aは、分離フィーダ22によってばらけた状態で供給されたグリーンチップ3を載置プレート31に案内する搬送路である。駆動部23bは、駆動部21bと同じく、図示しない電磁石と板バネとを有する電磁式のものであり、電磁石の振動が板バネにより増幅されることで自ら振動する。
また、整列フィーダ23には、図4に示されるように、規制プレート25と、押出プレート26と、分離押え部材27と、シャッター28とが設けられている。
規制プレート25は、グリーンチップ3を高さ方向に揃えて所定の姿勢に整列させるための略長方形状の板状部材であり、直線フィーダ23aの搬送路を覆うように直線フィーダ23aの上部に設けられている。また、規制プレート25は、押出プレート26と共に、左右方向(図4(b)の矢印C方向)に移動可能となっている。さらに、規制プレート25は、図4(b)の上下方向に移動し、複数種類のグリーンチップ3の大きさに応じて直線フィーダ23aとの間隙の高さが調整可能となっている。なお、規制プレート25は、グリーンチップ3の整列状態を容易に確認できるように、ガラス等の透明な素材であると好ましい。
押出プレート26は、規制プレート25に対して分離フィーダ22側に隣接して設けられている。押出プレート26は、上下方向(図4(b)の矢印D方向)に移動し、左右方向(図4(b)の矢印E方向)に移動可能となっている。そのため、直線フィーダ23aと規制プレート25との間隙にグリーンチップ3が整列すると押出プレート26が下方に移動し、その後左方に移動して規制プレート25とグリーンチップ3とを共に載置プレート31方向に押し出すことにより、グリーンチップ3が重ならずに整列された状態で載置プレート31に載置されることとなる。
分離押え部材27は、押出プレート26に対して分離フィーダ22側に隣接して設けられている。分離押え部材27は、上下方向(図4(b)の矢印F方向)に移動し、分離フィーダ22から供給されるグリーンチップ3を規制プレート25の手前で塞き止め、整列フィーダ23によって規制プレート25方向へと押し出されるグリーンチップ3の量を調整する。なお、分離押え部材27の上方には図示しないエアノズルが設けられており、分離押え部材27が下方に移動してグリーンチップ3を塞き止める際に空気を吹き出して、分離押え部材27付近にあるグリーンチップ3を分離フィーダ22方向に吹き戻すようになっている。
シャッター28は、直線シュート23aの分離フィーダ22とは反対側の一端に設けられている。シャッター28は、上下方向(図4(b)の矢印G方向)に移動し、整列フィーダ23によって載置プレート31へと押し出されるグリーンチップ3を塞き止める。
載置プレート移動部30は、図5に示されるように、載置プレート31が設けられた回転部材32と、固定部材33と、リニアウェイ34とを有している。載置プレート移動部30は、後述する挟持プレート41の対向空間外であって載置プレート31にグリーンチップ3が載置される第1の位置(位置A1)と、挟持プレート41の対向空間内であって載置プレート31が挟持プレート41によって挟持される第2の位置(位置A2)との間で、載置プレート31を往復運動させる。
載置プレート31は、グリーンチップ3が載置される載置面S2を有する略正方形状の平板部材である。載置プレート31には、整列フィーダ23からグリーンチップ3が払出される方向と平行な辺に、回転部材32が一体となって設けられている。
回転部材32は、載置プレート31の載置面S2に平行な軸を中心として回転自在となっており、固定部材33と接続されている。固定部材33は、回転自在となっている回転部材32をロックし、載置プレート31の載置面S2の水平状態を保持するものである。
リニアウェイ34は、スライダ34a及びガイドレール34bからなっており、スライダ34aの内部に設けられた複数の鋼球がスライダ34aの内部を循環し、ガイドレール34b上を直線運動するものである。本実施形態では2つのリニアウェイ34が平行となるように配設されており、各スライダ34aが固定部材33に設けられている(図2及び図5参照)。そのため、固定部材33及び固定部材33に接続された回転部材32がガイドレール34bに沿って直線運動し、回転部材32に設けられた載置プレート31が第1の位置と第2の位置との間を移動することとなる。
挟持部40は、一対の挟持プレート41と、挟持プレート移動部42と、反転部43とを有している。
各挟持プレート41は、それぞれ焼成用さや2の載置面S1及び載置プレート31の載置面S2と略同一の大きさの挟持面S3を有する略正方形状の板状部材である。各挟持プレート41は、それぞれ金属プレート41aに弾性部材41bが重ねられ、さらに弾性部材41bにラバープレート41cが重ねられて、3層構造を呈している(図6参照)。各挟持プレート41にはそれぞれ挟持プレート保持部材44が設けられており、この挟持プレート保持部材44によって各挟持プレート41の挟持面S3が互いに対向するように配置されている。なお、弾性部材41bは例えばスポンジからなり、ラバープレート41cは例えばウレタンフォームからなっていて、共に焼成用さや2を一対の挟持プレート41で挟持したときに弾性変形可能となっている。また、ラバープレート41cは、グリーンチップ3が付着し難く、静電気が発生しない材質であると好ましくい。さらに、グリーンチップ3を挟持した際、ラバープレート41cにグリーンチップ3が付着しないように、ラバープレート41cの表面に予め微小粉やシリコンオイル等を塗布しておくと好ましい。ラバープレート41cには、株式会社イノアックコーポレーション社製「ポロン」を用いることができる。
挟持プレート移動部42は、各挟持プレート41が対向する方向に離間した第1の位置(位置B1)と、各挟持プレート41が対向して形成される対向空間内に位置する焼成用さや2あるいは載置プレート31を挟持する第2の位置(位置B2)との間で、各挟持プレート41を往復運動させる。そのために、挟持プレート移動部42は、リニアウェイ45と、シリンダ46とを有している。
リニアウェイ45は、スライダ45a及びガイドレール45bからなっており、スライダ45aの内部に設けられた複数の鋼球がスライダ45aの内部を循環し、スライダ45aがガイドレール45b上を直線運動するものである。本実施形態では2つのリニアウェイ34が平行となるように配設されており、各スライダ45aが挟持プレート保持部材44に設けられ、各ガイドレール45bが後述する回転部材47に設けられている。そのため、各挟持プレート保持部材44がガイドレール45bに沿って図6の矢印H方向に直線運動し、各挟持プレート保持部材44に保持された各挟持プレート41が位置B1と位置B2との間を移動することとなる。
シリンダ46は、シリンダチューブ46a及び図示しないピストンに接続されたピストンロッド46bからなっており、圧縮空気がシリンダチューブ46aに出入りすることでピストンを動作させ、ピストンロッド46bを直線移動させるものである。シリンダチューブ46aは回転部材47に設けられており、ピストンロッド46bは挟持プレート保持部材44に設けられている。そのため、シリンダ46は、リニアウェイ45の直線運動に伴って動作して、各挟持プレート保持部材44を図6の矢印H方向に直線運動させる。
反転部43は、回転部材47と、モータ48とを有しており、一対の挟持プレート41を反転動作させるものである。
回転部材47は、図5に示されるように、二叉の凹形状となっており、叉の各先端にそれぞれリニアウェイ45のガイドレール45bとシリンダ46のシリンダチューブ46aが設けられ、各挟持プレート保持部材44と接続されている。また、回転部材47は、接続されたモータ48によって一対の挟持プレート41の対向面S3に平行な軸を中心として挟持プレート保持部材44を回転させ、一対の挟持プレート41の位置が互いに入れ替わるように反転させる。なお、回転部材47の回転軸と回転部材32の回転軸とは同一の軸となっており、挟持プレート41が載置プレート31を挟持した状態で共に回転可能となっている。
さや移動部50は、図3に示されるように、さや反転機構51と、さや移動機構52とを有している。さや移動部50は、さや供給搬出部10と挟持部40との間で焼成用さや2を受け渡す動作を行うものである。
さや反転機構51は、さやハンド部材51a、モータ51b及び昇降機構51cを有しており、さや供給コンベア11によって供給された焼成用さや2の載置面S1が下向きとなるように反転させる。
さやハンド部材51aには焼成用さや2と係合する係止片51dが設けられており、この係止片51dによってさやハンド部51aが焼成用さや2を把持する。さやハンド部材51aは、モータ51bと接続されており、把持した焼成用さや2の載置面S1に平行な軸周りに回転可能となっている。モータ51bは、昇降機構51cに設けられている。昇降機構51cは、ガイドレール51eに沿って上下方向(図3に示される矢印I方向)に移動可能となっており、さやハンド部材51aによって把持した焼成用さや2をさや供給コンベア11からさや移動機構52へと受け渡す。
さや移動機構52は、さやハンド部材52a、昇降機構52b及び水平移動機構52cを有している。さや移動機構52は、一対の挟持プレート41の対向空間外であって、さや供給コンベア11に載置されている焼成用さや2を把持し、さや搬出コンベア12にグリーンチップ3が載置された焼成用さや2を載置する第1の位置(位置C1)と、一対の挟持プレート41の対向空間内であって焼成用さや2が挟持プレート41によって挟持される第2の位置(位置C2)との間で、焼成用さや2を移動させるものである。
さやハンド部材52aには焼成用さや2と係合する係止片52dが設けられており、この係止片52dによってさやハンド部材52aが焼成用さや2を把持する。昇降機構52bは、さやハンド部材52aと接続されており、図示しないガイドレールに沿って上下方向(図3の矢印J方向)に移動可能となっている。水平移動機構52cは、さや昇降機構52bと一体的に設けられており、ガイドレール52eに沿って左右方向(図3の矢印K方向)に移動可能となっている。
(グリーンチップのさや詰め装置の動作)
次に、上述したグリーンチップのさや詰め装置1の動作について説明する。
まず、さや供給コンベア11のコンベアベルト11d上に焼成用さや2を複数段(本実施形態では10段)積んだものをコンベアベルト11dの長手方向に複数列並べる。また、ホッパ24にグリーンチップ3を所定量投入する。そして、載置プレート31を一対の挟持プレート41の対向空間外であってグリーンチップ3が載置される位置A1に位置させ、挟持プレート41を一対の挟持プレート41が対向する方向に離間させて位置B1に位置させ、さや移動機構52を一対の挟持プレート41の対向空間外である位置C1に位置させると、グリーンチップのさや詰め装置1を作動させる。
グリーンチップのさや詰め装置1が動作を開始すると、制御部5がさや供給コンベア11に指示して、モータ11aを作動させる。モータ11aが作動すると、コンベアベルト11dが図2に示される矢印A方向に移動し、コンベアベルト11d上に載置されている焼成用さや2がさや反転機構51の下方まで搬送される。なお、さや反転機構51の下方にある焼成用さや2が全てさや搬出コンベア12に移動すると、制御部5が指示してモータ11aを断続的に作動させ、さや供給コンベア11に載置されている焼成用さや2を順次搬送する。
一方、グリーンチップのさや詰め装置1が動作を開始すると、制御部5がグリーンチップ整列部及びホッパ24に指示して、ボールフィーダ21、分離フィーダ22、整列フィーダ23及びホッパ24を作動させる。このとき、規制プレート25は直線シュート23aの搬送路を覆うように整列フィーダ23の上方に位置し、押出プレート23及び分離押え部材27はそれぞれグリーンチップ3を塞き止めないように上昇し、シャッター28は整列フィーダ23によって押し出されるグリーンチップ3を塞き止めるように上昇している。
ホッパ24が作動すると、ホッパ24に蓄えられているグリーンチップ3をボールフィーダ21に一定量投入する。ボールフィーダ21は、制御部5の指示により駆動部21bが駆動してボール部21aを振動させ、所定の向きに揃っているグリーンチップ3のみを分離フィーダ22に押し出す(図1の矢印a1)。分離フィーダ22は、制御部5の指示により駆動部22bが駆動して分離フィーダ22aを振動させ、溝部22cに沿ってグリーンチップ3を整列フィーダ23に押し出す(図1の矢印a2)。
整列フィーダ23では、制御部5の指示により駆動部23bが駆動して直線フィーダ23aを振動させ、グリーンチップ3を載置プレート31の方向に押し出す。このとき、シャッター28が上昇している状態であるため、グリーンチップ3は、グリーンチップ3同士が重ならず、グリーンチップ3の立ちがない状態で、主に直線シュート23aと規制プレート25との間隙に整列する。そして、直線シュート23aと規制プレート25との間隙に所定量のグリーンチップ3が整列すると、制御部5が整列フィーダ23に指示してその動作を停止させる。そうすると、制御部5の指示により図示しないエアノズルから空気が吹き出され、分離押え部材27付近にあるグリーンチップ3が分離フィーダ22方向に吹き戻される。その後、制御部5の指示により押出プレート26及び分離押さえ部材27が下方に移動して、グリーンチップ3を規制プレート25の手前で塞き止める。
整列フィーダ23では、押出プレート26及び分離押え部材27が下降すると、制御部5の指示により再び駆動部23bが駆動して、直線シュート23aと規制プレート25との間隙にあるグリーンチップ3を再び整列させる。そうすると、制御部5の指示によりシャッター28が下降し、押出プレート26が規制プレート25とグリーンチップ3とを共に載置プレート31の方向に押し出して、グリーンチップ3を載置プレート31に載置する。
載置プレート移動部30では、載置プレート31にグリーンチップ3が載置されると、制御部5の指示によりリニアウェイ34を作動させ、載置プレート31の載置面S2が一対の挟持プレート41いずれか一方の挟持面S3と対向するように載置プレート31を位置A1から位置A2に移動させて、載置プレート31を一対の挟持プレート41の対向空間内に位置させる(図1の矢印b1)。このとき、載置プレート31は、固定部材33によってロックされており、グリーンチップ3が載置された載置プレート31の載置面S2が水平状態を保ったまま位置A2へと移動することとなる。
挟持部40では、載置プレート31が位置A2まで移動すると、制御部5が挟持プレート移動部42に指示してリニアウェイ45及びシリンダ46を作動させ、一対の挟持プレート41を位置B1から位置B2へと移動させて、一対の挟持プレート41の対向空間内に位置している載置プレート31を挟持する(図8参照)。こうして、載置プレート31と、載置プレート31に載置されたグリーンチップ3とが共に挟持プレート41によって挟持されると、制御部5が反転部43に指示してモータ48を作動させ、挟持プレート41が載置プレート31とグリーンチップ3を挟持したまま、挟持プレート41の位置が互いに入れ替わるように挟持プレート保持部材44を反転させる(図9参照)。このとき、挟持プレート31は、制御部5の指示により固定部材33のロックが解除され、挟持プレート41の反転に伴って反転可能となっている。そして、一対の挟持プレート41が反転すると、制御部5が挟持プレート移動部40に指示してリニアウェイ45及びシリンダ46を作動させ、各挟持プレート41を位置B2から位置B1へと移動させて各挟持プレート41の挟持面S3が対向する方向に離間させる(図10参照)。さらに、制御部5が載置プレート移動部30に指示してリニアウェイ34を作動させ、載置プレート31を位置A2から位置A1まで移動させる(図11及び図1の矢印b2参照)。以上の工程により、載置プレート31に載置されていたグリーンチップ3が、一対の挟持プレート41のうち一方に移載されることとなる。
さや移動部50では、制御部5がさや反転機構51に指示して昇降機構51cを下降させ、さやハンド部材51aがさや供給コンベア11上の焼成用さや2を把持する。そして、制御部5がさや反転機構51に指示してモータ51bを作動させ、焼成用さや2を把持したさやハンド部材51cを焼成用さや2の載置面S1が下向きとなるように反転させる。そうすると、制御部5がさや反転機構51に指示して昇降機構51cを作動させ、さやハンド部材51aがさや移動機構52のさやハンド部材52aに位置するようにさやハンド部材51aを上昇させる。そうすると、さや移動部50では、制御部5がさや移動機構52に指示してさやハンド部材52aを作動させ、さやハンド部材51aが把持している焼成用さや2を把持する。これにより、載置面S1が下向きとなっている焼成用さや2が、さやハンド部材51aからさやハンド部材52aへと受け渡される。そして、さやハンド部材52aが焼成用さや2を把持すると、制御部5がさや移動機構52に指示して水平移動機構52cを作動させ、さやハンド部材52aが把持している焼成用さや2を位置C2まで移動させて、焼成用さや2の載置面S1が一対の挟持プレート41のいずれか一方の挟持面S3と対向するように焼成用さや2を一対の挟持プレート41の対向空間内に位置させる(図1の矢印c1)。
挟持部40では、焼成用さや2が位置C2に移動すると、制御部5が挟持プレート移動部42に指示してリニアウェイ45及びシリンダ46を作動させ、位置B1から位置B2へと一対の挟持プレート41を移動させる(図12参照)。このとき、焼成用さや2が図7(b)に示されるように反っている場合には、各挟持プレート41の弾性部材41b及びラバープレート41cがそれぞれ焼成用さや2の形状に沿って弾性変形し、焼成用さや2及びグリーンチップ3に密着することとなる(図13参照)。なお、一対の挟持プレート41が焼成用さや2を挟持すると、制御部5の指示によりさやハンド部材52aが焼成用さや2を放す。そして、その後の反転部43による挟持プレート41の反転動作の妨げとならないように、制御部5の指示によりさや移動機構52が作動して、さやハンド部材52aをさや供給搬出部10まで移動させる。こうして、焼成用さや2と、一対の挟持プレート41のうち一方の挟持プレート41に載置されているグリーンチップ3とが共に挟持プレート41によって挟持されると、制御部5が反転部43に指示してモータ48を作動させ、挟持プレート41が焼成用さや2とグリーンチップ3とを挟持したまま、挟持プレート41の位置が互いに入れ替わるように挟持プレート保持部材44を反転させる(図14参照)。そして、制御部5が挟持プレート移動部40に指示してリニアウェイ45及びシリンダ46を作動させ、各挟持プレート41を位置B2から位置B1へと移動させて各挟持プレート41の挟持面S3が対向する方向に離間させる(図15参照)。以上の工程により、一対の挟持プレート41のうち一方の挟持プレート41に載置されていたグリーンチップ3が、焼成用さや2の載置面S1に移載されることとなる(図16参照)。なお、このとき焼成用さや2は、制御部5の指示で挟持部40まで移動したさやハンド部材52aにより把持されている。
さや移動部50では、制御部5がさや移動機構52に指示して水平移動機構52cを作動させ、一対の挟持プレート41の対向空間内に位置している焼成用さや2を、さや搬出コンベア12の上方まで移動させる。そして、制御部5がさや移動機構52に指示して昇降機構52bを作動させ、さやハンド部材52aを下降させてグリーンチップ3を載置した焼成用さや2をさや搬出コンベア12のコンベアベルト12dに載置する(図1の矢印c2)。
グリーンチップのさや詰め装置1では、以上の動作を繰返して行い、焼成用さや2の載置面S1にグリーンチップ3が重ならない状態で整列し(図7(c)参照)、グリーンチップ3がさや詰めされた焼成用さや2がさや搬出コンベア12に複数段(本実施形態では10段)積まれることとなる(図3参照)。なお、さや搬出コンベア12では、焼成用さや2が所定の段数積まれると、制御部5の指示によりモータ12aが作動し、コンベアベルト12dが図2に示される矢印B方向に移動する。これにより、グリーンチップ3が載置された焼成用さや2が搬出され、人手によってさや搬出コンベア12から取り出されて、グリーンチップ3が焼成炉で焼成されることとなる。
以上のように、本実施形態においては、グリーンチップ整列部20で整列されたグリーンチップ3を載置プレート31に載置し、この載置プレート31を一対の挟持プレート41の対向空間内(位置A2)に移動させ、グリーンチップ3が載置された載置プレート31を挟持プレート41で挟持する。そして、反転部43によって、載置プレート31及びグリーンチップ3を挟持している挟持プレート41を、互いの位置が入れ替わるように反転させる。その後、挟持プレート41が互いに対向する方向に離間すると、載置プレート31を一対の挟持プレート41の対向空間外(位置A2)に移動させ、さや移動部50により載置面S1が下向きとなっている焼成用さや2を一対の挟持プレート41の対向空間内(位置C2)に移動させて、挟持プレート41で挟持する。そして、反転部によって、焼成用さや2及びグリーンチップ3を挟持している挟持プレート41を、互いの位置が入れ替わるように反転させる。その後、挟持プレート41が互いに対向する方向に離間すると、焼成用さや2を一対の挟持プレートの対向空間外(位置C1)に移動させる。これにより、人手を用いることがないため、短時間でグリーンチップ3を焼成用さや2にさや詰めすることができる。その結果、グリーンチップ3のさや詰めの効率向上を図ることができることとなる。また、さや詰めの際に、従来のように貫通保持孔を有する整列治具を用いる必要がないので、グリーンチップ3が損傷を受けることがなくなる。さらに、焼成用さや2が反っている場合でも、一対の挟持プレート41が焼成用さや2の形状に応じて変形可能となっているので、挟持プレート41が焼成用さや2及びグリーンチップ3を確実に挟持して、グリーンチップ3を零すことなくさや詰めすることができる。
また、本実施形態では、整列フィーダ23に設けられた規制プレート25によってグリーンチップ3を高さ方向に揃え、グリーンチップ3同士が重ならないと共に、グリーンチップ3の立ちがない状態で、グリーンチップ3を整列させている。これにより、グリーンチップ3同士が重なったときに人手で修正する作業を行う必要がなくなり、より短時間で効率よくグリーンチップ3を焼成用さや2にさや詰めすることができる。また、本実施形態では、規制プレート25と直線シュート23aとの間隙の大きさが調整可能となっている。これにより、種々の形状及び大きさのグリーンチップ3に対応することができることとなる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、一対の挟持プレート41の対向空間内に載置プレート31又は焼成用さや2をそれぞれ移動させたが、一対の挟持プレート41を移動させることで対向空間内に載置プレート31又は焼成用さや2を位置させてもよい。
1…グリーンチップのさや詰め装置、2…焼成用さや、3…グリーンチップ、10…さや供給搬出部、20…グリーンチップ整列部、23…整列フィーダ、25…規制プレート、30…載置プレート移動部、31…載置プレート、40…挟持部、41…挟持プレート、41a…金属プレート、41b…弾性部材、41c…ラバープレート、42…挟持プレート移動部、43…反転部、50…さや移動部、S1,S2…載置面。