JP4101933B2 - 電子内視鏡装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子内視鏡装置に関し、さらに詳しくは光源装置を備えた電子内視鏡装置において内視鏡のライトガイドに供給される照明光の調光状態を設定するための操作部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子内視鏡装置として、挿入部先端にCCD(Charge Coupled Device)を備えた電子内視鏡と、電子内視鏡内部に挿置されたライトガイドに照明光を供給する光源装置とを有するものが知られている。CCDから出力された観察対象部の映像信号は光源装置に含まれる信号処理回路を介してCRT等の表示装置に表示される。
【0003】
このような電子内視鏡装置においては、表示装置に表示される観察画像の明るさを適正に保つため、すなわち、観察対象を適正な照明光で照明するために、ライトガイドに供給する照明光の光束量を適宜調整する必要がある。
【0004】
一般に、照明光の光量の調整は、表示装置に表示される画像の明るさのレベルを設定するとそれに応じて光量を随時調整する自動調光と、観察対象を照明する光量を手動で設定する手動調光とがある。さらに自動調光には、画面全体の平均的な明るさを設定するモードと、画面中の最高輝度のレベルを規定するモードとがある。
【0005】
これらの調光モードおよび調光レベルの設定は、光源装置上の操作スイッチによっても設定でき、また、電子内視鏡の操作部に設けられたスイッチによっても設定できるようになっている。
【0006】
電子内視鏡の操作部に設けられたスイッチにより調光の設定を行う場合には、従来は、次のようにして設定を行っていた。
操作部には通常、表示画像を静止させるための静止画スイッチ、表示画像のハードコピーをプリントするためのプリントスイッチなど、複数のスイッチが設けられている。調光を行う場合には、まず、所定の操作により、内視鏡の動作モードを通常の観察モードから、調光状態の設定を行う調光モードに切り換える。動作モードが調光モードに切り換えられると、表示装置に調光の設定を行うためのメニューが表示画面に表示される。この時、例えば、上記の静止画スイッチおよびプリントスイッチが、表示画面に表示されたメニュー上でカーソルを移動させるスイッチとして機能する。
【0007】
変更可能な設定項目として、一般に、輝度UP、輝度DOWN、自動/手動調光の切り換え、平均値/最高値の切り換えの4つの項目がある。
ここで自動調光とは、操作者が設定した輝度値で画像が表示されるように、自動的に調光が制御されるモードであり、モニタ上の画面の輝度の平均値が操作者の設定値に一致するように光量を調整する平均値モードと、モニタ上の画面の輝度の最大値が操作者の設定値と一致するように光量調整を行う最大値モードがある。手動調光は、観察対象を照明する光量を操作者が指定するモードである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来、例えば第1のスイッチの操作により上記設定項目の選択を行い、第2のスイッチにより、選択された項目内での設定値の変更を行う、というように、2つの操作スイッチの組み合わせにより、設定項目を選択し、選択された項目に関する設定値を変更するという構成が一般的であった。
【0009】
例えば、輝度を高くする調整を行う場合には、まず第1のスイッチを操作して輝度UPという項目を選択し、次に第2のスイッチを操作して輝度を高くする。この操作のあと、観察モードに戻った時、輝度が高すぎた場合には、再び調光モードに移行した後、輝度DOWNの項目を第1のスイッチにより選択し、その設定値を第2のスイッチにより変更するという手順を踏む必要がある。あるいはまた、輝度UPを選択し輝度の設定値を変更する際、設定しようとしていた値を越えてしまったような場合にも、操作者は、第1のスイッチを操作して輝度DOWNを選択してから、第2のスイッチを操作して設定値を下げる必要があり、2つのスイッチの使い分け操作が煩わしく、操作者に負担をかける結果となっており、操作性の良い電子内視鏡装置が望まれていた。
【0010】
上記の事情に鑑み、本発明は、内視鏡の操作者が、簡単な操作で調光の設定を変更できるような電子内視鏡装置を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成するため、本発明の電子内視鏡装置は、複数の設定項目間での設定項目の切り換えと、各設定項目における複数の設定値の中の一つを選択することにより動作状態を設定するよう構成された電子内視鏡装置において、第1の操作部材を設け、該第1の操作部材の操作毎に、前記複数の設定項目とそれぞれの設定項目における前記複数の設定値との組合せが所定の順序で選択されるよう構成されたことを特徴としている(請求項1)。従って、従来は複数の異なる設定項目を設定する複数の操作部材の操作により設定していた動作条件を、単一の操作部材の操作により設定することができる。
【0012】
なお、前記第1の操作部材に加えて、第2の操作部材を設け、該第2の操作部材の操作毎に、前記複数の設定項目とそれぞれの設定項目における前記複数の設定値との組合せが前記所定の順序とは異なる順序で選択されるよう構成することができる(請求項2)。この場合、第1の操作部材と第2の操作部材は共に同一の設定値の候補を選択する際に、異なる順序で選択するものであり、従来の、複数の異なる設定項目の設定値をそれぞれの項目に対応した複数の操作部材で設定するものとは異なる構成である。
【0013】
前記所定の順序とは異なる順序とは、前記所定の順序と逆の順序とすることができる(請求項3)。即ち、所定の順序で並べられた設定値の候補を、順方向と逆方向のどちらででも順次選択することができる。
【0014】
なお、前記複数の設定項目とそれぞれの設定項目における前記複数の設定値との組合せは、前記複数の設定項目とそれぞれの設定項目における前記複数の設定値とのすべての組合せを含むようにすることができる(請求項4)。逆に、全ての組合せを含まない構成とすることも可能である。
【0015】
特に、電子内視鏡装置における観察対象への照明光の調光に注目すれば、本発明の電子内視鏡装置は、少なくとも自動調光モードと手動調光モードとの切り換えと、各調光モードにおける複数の調光設定値の中の一つを選択することにより調光状態を設定するよう構成された電子内視鏡装置において、第1の操作部材を設け、該第1の操作部材の操作毎に、前記自動および手動調光モードとそれぞれの調光モードにおける前記複数の調光設定値との組合せが所定の順序で選択されるよう構成されたことを特徴としている(請求項5)。
【0016】
従って、第1の操作部材の操作のみで、調光方式(自動調光・手動調光の別)を選択し、かつ選択した調光方式における明るさをも設定することができる。このため、内視鏡の操作者の負担が著しく軽減され、使い勝手の良い電子内視鏡装置を提供することが可能となる。
【0017】
前記第1の操作部材に加えて、第2の操作部材を設け、該第2の操作部材の操作毎に、前記自動および手動調光モードとそれぞれの調光モードにおける前記複数の調光設定値との組合せが前記所定の順序とは異なる順序で選択されるよう構成することができる(請求項6)。
【0018】
また、前記電子内視鏡装置は、調光状態設定モードと通常動作モードで動作可能であり、前記第1の操作部材が前記調光状態設定モードにおいて操作された場合には前記自動および手動調光モードとそれぞれの調光モードにおける前記複数の調光設定値との組合せが所定の順序で選択され、前記通常動作モードにおいて操作された場合には、別の機能を果たす構成とすることができる(請求項7)。従って、内視鏡に新たに操作部材を追加することなく、しかも操作者にとっては調光設定する際の負担の少ない電子内視鏡装置を提供することができる。
【0019】
前記第2の操作部材が前記調光状態設定モードにおいて操作された場合には前記自動および手動調光モードとそれぞれの調光モードにおける前記複数の調光設定値との組合せが前記所定の順序と異なる順序で選択され、前記通常動作モードにおいて操作された場合には、別の機能を果たす構成とすることができる(請求項8)。
【0020】
前記第1の操作部材および前記第2の操作部材を同時に操作することにより、前記調光状態設定モードと前記通常動作モードとが切り換えられるよう構成することができる(請求項9)。
【0021】
なお、前記自動調光モードは、平均値設定モードとピーク値設定モードを有し、該第1の操作部材の操作毎に、前記平均値設定モード、前記ピーク値設定モードおよび手動調光モードと、それぞれの調光モードにおける前記複数の調光設定値との組合せが所定の順序で選択されるよう構成することが可能である(請求項10)。
【0022】
また、別の観点からは、本発明の電子内視鏡装置は、複数の設定項目間の項目切り換えと各設定項目における所定の設定値の変更を任意に行えるように構成され、前記電子内視鏡の操作部に設けられた第1の操作部材と、前記第1の操作部材の操作毎に、前記設定項目を所定の順序で循環変更すると共に、前記設定項目が所定の設定項目に一巡する毎に前記設定値を一定量変化させる制御手段と、
を有することを特徴としている(請求項11)。
【0023】
さらに、前記第1の操作部材に加えて、第2の操作部材を有し、前記制御手段は前記第2の操作部材の操作毎に、前記第1の操作部材の操作時とは逆の順序で前記設定項目を循環変更させると共に、前記設定項目が前記所定の設定項目に一巡する毎に、前記第1操作部材の操作時とは異なる方向に前記設定値を一定量変化させる構成とすることができる(請求項12)。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態としての電子内視鏡装置100全体の概略構成を示すブロック図である。
【0025】
電子内視鏡装置100は、電子内視鏡10、光源装置20およびモニタ装置49から構成されており、電子内視鏡10は結合部6を介して光源装置20と結合される。
電子内視鏡10は、可撓性の導管からなる挿入部1を有し、挿入部1の先端には固体撮像素子としてのCCDイメージセンサ3(以下、CCDと略す)、そしてCCD3の前方には対物レンズ系2が配設されている。対物レンズ系2により観察対象部の光学像がCCD3の受光面上に形成される。内視鏡10の挿入部1には、光ファイバ束からなるライトガイド4が挿通されている。ライトガイド4の一端(光射出端)は挿入部1の端部に配置され、レンズ5を介して観察対象に対して光を照射する。ライトガイド4の他端の端面(光入射端面)は、電子内視鏡10が光源装置20と結合された状態で、集光レンズ24に対向するようになっており、ランプ22から射出された照明光は集光レンズ24により光入射端面に集光され、入射する。
【0026】
また、光源ランプ22と集光レンズ24との間には、ランプ22から発せられた照明光の光量を調整するための可動絞り25が配置されている。ランプ22はいわゆる白色光を射出する光源である。また、面順次撮像用の照明を行うために、赤(R)、緑(G)、青(B)の三色のフィルタを順に照明光路中に挿入するように一定速度で回転駆動されるRGB回転フィルタ23が、集光レンズ24とライトガイド4の光入射端面との間に配置されている。
【0027】
ランプ22はランプ制御回路27により駆動される。また、可動絞り25は絞り駆動回路28により駆動制御される。ランプ制御回路27および絞り駆動回路28は、光源装置20内に設けられたマイコン(マイクロコンピュータ)制御部30により動作制御されている。
【0028】
結合部6には、ライトガイド4の光入射端、内視鏡10に固有のパラメータ(CCDの画素数など)が格納されているEEPROM8が設けられている。EEPROM8は、電子内視鏡10が光源装置20と結合されると、ケーブル80によりマイコン制御部30に接続されるようになっている。
【0029】
CCD3は、電子内視鏡10が光源装置20と結合されると、ケーブル3Aにより映像信号処理部21と接続されるようになっている。映像信号処理部21の出力端にはモニタ49が接続されており、CCD3により出力された映像信号は、映像信号処理部21において所定の信号処理が施され、モニタ49に送られて、内視鏡観察像がモニタ49に表示される。
【0030】
図2は、マイコン制御部30とその周辺の構成を示すブロック図である。マイコン制御部30では、演算処理を行うための中央演算装置(CPU)31に接続されたシステムバス32に、プログラムなどを格納した読み出し専用メモリ(ROM)33、作業領域として使用されるランダムアクセスメモリ(RAM)34、リアルタイムクロック(RTC)35、EEPROM45などが接続されている。
【0031】
また、システムバス32に接続されたCRTコントーラ(CRTC)37を通して、ビデオ用ランダムアクセスメモリ(ビデオRAM)36に格納された表示用文字データと、映像信号処理部21から出力される画像データとが合成されてモニタ49に出力される。
【0032】
光源装置20のパネルスイッチ201、ランプ22を制御するためのランプ制御回路27及び外部のキーボード202は、各々入出力ポート38、39及び40を介してシステムバス32に接続されている。
【0033】
パネルスイッチ201には、可動絞り25を動作させ、照明光の光量を調整することによって行われる内視鏡映像の明るさ調節を、自動または手動のいずれで行うか選択する自/手切り換えスイッチや、内視鏡映像の明るさを例えば「−5」から「5」の11段階に調整するための明るさアップスイッチおよびダウンスイッチなどが配置されている。
【0034】
また、内視鏡10のスコープスイッチ200は、入出力ポート42を介してシステムバス32に接続されている。スコープスイッチ200は、モニタ49に表示されている画像を静止させる静止スイッチ200A、モニタ49に表示されている画像の信号を図示しないインターフェースを介して外部機器に出力するためのコピースイッチ200Bを有している。これらスコープスイッチ200の操作はCPU31に送られ、CPU31はスコープスイッチ200の操作に応じてシステムバス32を介して各回路を動作制御する。
【0035】
上記静止スイッチ200Aとコピースイッチ200Bは、通常の使用状態では上記の機能を有するが、静止スイッチ200Aとコピースイッチ200Bとが同時に押されると、電子内視鏡装置100の動作モードが、明るさ設定モードに移行する。
【0036】
明るさ設定モードにおいては、静止スイッチ200Aとコピースイッチ200Bを用いて、自動調光、手動調光の切換と、明るさの調節を行うことができる。
【0037】
映像信号処理部21は、また、CCD3から受け取った映像信号に基づいて輝度信号を生成し、A/D変換器29に入力する。CPU31は、A/D変換器29によりデジタルデータに変換された輝度信号と、上記のパネルスイッチ201またはスコープスイッチ200により設定された明るさとを比較し、輝度信号が設定された明るさになるよう明るさ設定回路28を制御し、可動絞り25を駆動して、照明光の光量を調整する。
【0038】
次に、自動調光および手動調光について説明する。
自動調光には2つのモードがある。一つは、モニタ49上の画面の輝度の平均値が操作者の設定値に一致するように光量を調整する平均値モードであり、もう一つは、モニタ49上の画面の輝度の最大値が操作者の設定値と一致するように光量調整を行う最大値モードである。また、手動調光は、ライトガイド4に入射する光量を操作者が指定するモードである。
【0039】
従って、自動調光(平均値モードまたは最大値モード)が選択されている場合には、CPU31は映像信号処理部21から入力されA/D変換器29により変換された輝度信号と、操作者の設定した明るさとに基づいて可動絞り25を駆動制御する。一方、手動調光が選択されている場合には、CPU31は、輝度信号は参照せず、操作者が設定した明るさに対応した絞り値となるよう可動絞り25を駆動制御する。
【0040】
図3は、上記の各調光モードにおける設定値を示す表である。自動調光の平均値モード、最大値モード、および手動調光のそれぞれにおいて、明るさの指標として-5から+5までの値を設定することが可能になっている。
【0041】
調光で参照される設定値(自動調光・平均値モード/自動調光・最大値モード/手動調光モードの別および明るさ)は、パネルスイッチ201または、スコープスイッチ200により変更することができる。
【0042】
パネルスイッチ201にて上記の調光モードおよび明るさを設定する場合には、自動/手動切換スイッチにより調光モードを選択し、アップスイッチまたはダウンスイッチで設定値を上下させることにより所望の設定値を設定することができる。
【0043】
一方、スコープスイッチ200で調光モードおよび明るさの設定を変更するには、静止スイッチ200Aとコピースイッチ200Bを同時に押すことにより内視鏡の動作モードを明るさ設定モードにし、次に静止スイッチ200Aまたはコピースイッチ200Bのいずれか一方を操作することにより、調光モードと設定値の組み合わせを所定の順序で変更することができる。
【0044】
図4は、静止スイッチ200Aとコピースイッチ200Bを用いて上記の調光モードおよび明るさを設定する際に参照されるテーブルを示す。このテーブルは、EEPROM45に格納されている。図4において、調光レベルの項目中の文字AVは自動調光・平均値モードを、APは自動調光・最大値モードを、そしてMは手動調光モードを示し、調光モードを示すアルファベットの隣に記載されている数値は明るさの指標(図3参照)である。またBRは、静止スイッチ200Aまたはコピースイッチ200Bの操作に対応して増減する変数である。
【0045】
静止画スイッチ200Aまたはコピースイッチ200Bが調光モードにおいて操作されると、CPU31は変数BRをインクリメントまたはデクリメントする。ここでBRは−16から+16までの整数値をとる変数であり、図4に示すように、BRの値は図3に示す全ての調光モードと明るさの指標との組合せに、1対1で対応している。例えば、BR=−16であれば、調光の設定は自動調光・平均値モードで明るさが−5である。また、BR=−11であれば、手動調光であり明るさが−4と設定されていることを示している。
【0046】
静止画スイッチ200Aが操作されると、BRは現在の設定値に対応した値から1づつインクリメントされる。たとえば、現在の設定が、自動調光・最大値モードで明るさの設定が+4であるとすれば、BR=+12である。そして、この状態で静止画スイッチ200Aが2回押されると、BRは+14となり、自動調光・平均値モード、明るさ+5という設定が為されることになる。コピースイッチ200Bが操作される場合には、BRは1づつデクリメントされるようになっている。従って、静止画スイッチ200Aまたはコピースイッチ200Bの操作のみで調光モード(自動・平均、自動・最大、手動)と明るさの値を設定することができる。さらに、静止スイッチ200Aとコピースイッチ200Bとでは操作時の設定値の移行方向が逆になっているため、一方のスイッチで設定しようとした値を通り過ぎてしまっても、他方のスイッチにより容易に設定値を逆方向に変更することができるため、操作性が極めて良く、従来の装置に比べて、操作者の負担を大幅に軽減することができる。このように、同一のボタンを繰り返し操作することにより、調光の設定が所定の順に変更されていくため、内視鏡の操作者は、メニュー画面を表示させることなく、簡単に所望の調光設定を行うことができる。
【0047】
なお、設定完了後は、再度静止スイッチ200Aとコピースイッチ200Bを同時に押すことにより、電子内視鏡10の動作モードを通常の観察モードに戻すことができる。
【0048】
なお、上記の例では、静止画スイッチ200Aあるいはコピースイッチ200Bを押す毎に調光モードと設定値との組み合わせが変更されるようになっているが、たとえば、静止画スイッチ200Aを押し続けた場合には、調光モードを変えず、明るさの設定のみが変更されるようにしてもよい。
【0049】
なお、図4に示す例では、静止スイッチ200Aの操作毎に、設定値が同一のまま設定項目(自動調光・平均値モード、自動調光・最大値モード、手動調光)が順に切り替わり、設定項目が一巡する毎に設定値が一定量(1)ずつ増加するようになっている。同様に、コピースイッチ200Bの操作毎に、設定値が同一のまま、設定項目(自動調光・平均値モード、自動調光・最大値モード、手動調光)が静止スイッチ200Aの操作時とは逆の順で切り替わり、設定項目が一巡する毎に設定値が一定量ずつ(1ずつ)減少するようになっている。
【0050】
また、図4に示すテーブルは一例であり、設定項目である自動調光・平均値モード、自動調光・最大値モード、手動調光およびその値の順序は任意のものであってよい。
【0051】
さらに、本実施の形態の電子内視鏡装置100においては、図4に示すテーブルはEEPROM45に格納されているため、電子内視鏡装置100の操作者は、テーブルの内容を書き換えることにより、静止スイッチ200Aおよびコピースイッチ200Bの操作により変更される調光の設定の値、順序を任意のものに変更することができる。
【0052】
図4に示すテーブルを書き換える場合には、パネルスイッチ201の中の、EEPROM書き換えモードスイッチを操作する。すると、制御部30はEEPROM書き換えモードで動作し、モニタ49には図4と同様のテープルが表示される。この状態で、操作者は、カーソル(図示せず)をテーブル上の変更しようとする設定値上に移動させ、キーボード202を操作して新たな設定値を入力することにより、テーブルを任意のものに変更することができる。
【0053】
次に、フローチャートを参照して、静止画スイッチ200Aとコピースイッチ200Bの操作とBRの値について説明する。
図5は、調光設定モードにおけるスイッチ操作に対応した処理を実行する際のフローチャートである。
【0054】
CPU31は、図5のS10においてスイッチが操作されたか否かを判定する。スイッチ操作が為されない場合には(S10:NO)、S11以降の処理はスキップして図5の処理を終了する。何らかのスイッチが操作された場合には(S10:YES)、S11において、静止画スイッチ200Aが操作されたか否かを判定する。静止画スイッチ200Aが操作された場合には、S12のBRインクリメント処理(図6)を実行したのち、図5の処理を終了する。
【0055】
また、S11でNOと判定されると、S13において、コピースイッチ200Bが操作されたか否かを判定する。もしも、コピースイッチ200Bが操作された場合には(S13:YES)、S14のBRデクリメント処理を実行する。
【0056】
S13でNOと判定された場合は、静止画スイッチ200A、コピースイッチ200B以外のボタンが操作された場合であり、この時にはS15において、操作されたボタンに対応した処理が実行される。
以上の処理が実行されると、図5の処理は終了する。なお、図5に示す処理は内視鏡のスイッチ操作を検出し、操作されたスイッチに対応した処理を実行するためのものであり、割り込み処理として、電子内視鏡装置100のメインプログラム(図示せず)の実行中に、所定の時間間隔で繰り返し実行される処理である。
【0057】
図6は、図5のスイッチ処理のS12でコールされるサブルーチン、BRインクリメント処理を説明するためのフローチャートである。
BRインクリメント処理が開始されると、まずS121で、変数BRが最大値(図4に示した例においてはBRの最大値は+16)に達しているか否かが判定される。BRが最大値になっている場合には、S122、S123の処理をスキップして直ちに図6の処理を終了する。即ち、BRが最大値に達した場合には、静止画スイッチ201を操作しても調光方式・明るさは変更されない。
【0058】
BRが最大値未満であれば(S121:NO)、S122でBRが1だけインクリメントされ、S123において、インクリメントされたBRに対応した調光方式・明るさが設定されるよう、CPU31は、明るさ設定回路28を制御し、図6の処理を終了する。
【0059】
図7は、図5のスイッチ処理のS14でコールされるサブルーチン、BRデクリメント処理を説明するためのフローチャートである。
BRデクリメント処理が開始されると、まずS141で、変数BRが最小値(図3、4に示した例においてはBRの最小値は−16)に達しているか否かが判定される。BRが最小値になっている場合には、S142、S143の処理をスキップして直ちに図7の処理を終了する。即ち、BRが最小値に達した場合には、コピースイッチ202を操作しても調光方式・明るさは変更されない。
BRが最小値より大きければば(S141:NO)、S142でBRが1だけデクリメントされ、CPU31は、S143において、デクリメントされたBRに対応した調光方式・明るさが設定されるよう、明るさ設定回路28を制御した後、図7の処理を終了する。
【0060】
以上のように、本発明の電子内視鏡装置によれば、内視鏡の操作者が容易に観察対象に対する照明光の調光方式および明るさを切り換えることができる。
なお、上記の実施の形態においては、スイッチの操作に応じて、図4に示した順序で調光の設定が変わるよう構成されているが、この順序はこれに限るものではなく、例えば、静止画スイッチを操作したときにBRが2ずつ増加し、コピースイッチを押したときにはBRが1ずつ減少するように構成するなど、様々な変形が可能である。また、BRが増加すると、自動調光(平均値モード)、自動調光(最大値モード)、手動調光の順に調光方式が変わり、さらに調光方式が一巡した後に明るさが次の値に変わるようになっているが、BRの増加と調光の設定値との組合せはこれに限られるものではなく、任意の設定とすることができる。
【0061】
また、上記の実施の形態においては、モニタ装置49に調光設定の変更が表示されるようになっているが、音声を利用して操作者に知らせる方法を採用したり、両者を併用するなど、様々な変形が可能である。
【0062】
さらに、上記の実施の形態においては、調光設定を内視鏡のスコープスイッチ200により変更する場合について説明したが、光源装置200のパネルスイッチ201に設けられたスイッチを同様に機能させることも可能である。
【0063】
また、上記実施の形態においては、調光の設定を変更する場合についてのみ説明したが、調光設定に限らず、様々な設定を調整する場合に応用することが可能である。すなわち、従来であれば第1の条件を設定する操作部材と、第2の条件を設定する操作部材とを設け、第1の操作部材と第2の操作部材を操作してある設定条件を設定しているような場合に、第1の条件と第2の条件との全ての組合せを単一の操作部材の操作により順次設定できるように構成すれば、内視鏡の操作者は、たとえ操作回数は増えるとしても、操作自体は非常に単純なものとなるため、容易に各種の設定を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の電子内視鏡装置の構成の概略を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の電子内視鏡装置におけるマイコン制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】各調光モードと明るさの指標を示す表である。
【図4】静止画スイッチおよびコピースイッチの操作により増減する変数BRと調光設定との関係を示す表である。
【図5】スイッチ処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】スイッチ処理でコールされるBRインクリメント処理を示すフローチャートである。
【図7】スイッチ処理でコールされるBRデクリメント処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 電子内視鏡装置
10 電子内視鏡
1 挿入部
2 対物レンズ
3 CCD
4 ライトガイド
5 レンズ
6 結合部
8 EEPROM
200 スコープスイッチ
200A 静止画スイッチ
200B コピースイッチ
20 光源装置
21 映像信号処理部
22 ランプ
23 回転フィルタ
24 集光レンズ
25 可動絞り
27 ランプ制御回路
28 絞り駆動回路
32 EEPROM
49 モニタ装置

Claims (12)

  1. 複数の設定項目間での項目の切り換えと、各設定項目における複数の設定値の中の一つを選択することにより動作状態を設定するよう構成された電子内視鏡装置において、
    第1の操作部材を設け、該第1の操作部材の操作毎に、前記複数の設定項目とそれぞれの項目における前記複数の設定値との組合せが所定の順序で選択されるよう構成されたことを特徴とする電子内視鏡装置。
  2. 前記第1の操作部材に加えて、第2の操作部材を設け、該第2の操作部材の操作毎に、前記複数の設定項目とそれぞれの項目における前記複数の設定値との組合せが前記所定の順序とは異なる順序で選択されるよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡装置。
  3. 前記所定の順序とは異なる順序とは、前記所定の順序と逆の順序であることを特徴とする請求項2に記載の電子内視鏡装置。
  4. 前記複数の設定項目とそれぞれの設定項目における前記複数の設定値との組合せは、前記複数の設定項目とそれぞれの項目における前記複数の設定値とのすべての組合せを含むことを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡装置。
  5. 少なくとも自動調光モードと手動調光モードとの切り換えと、各調光モードにおける複数の調光設定値の中の一つを選択することにより調光状態を設定するよう構成された電子内視鏡装置において、
    第1の操作部材を設け、該第1の操作部材の操作毎に、前記自動および手動調光モードとそれぞれの調光モードにおける前記複数の調光設定値との組合せが所定の順序で選択されるよう構成されたことを特徴とする電子内視鏡装置。
  6. 前記第1の操作部材に加えて、第2の操作部材を設け、該第2の操作部材の操作毎に、前記自動および手動調光モードとそれぞれの調光モードにおける前記複数の調光設定値との組合せが前記所定の順序とは異なる順序で選択されるよう構成されたことを特徴とする請求項5に記載の電子内視鏡装置。
  7. 前記電子内視鏡装置は、調光状態設定モードと通常動作モードで動作可能であり、前記第1の操作部材が前記調光状態設定モードにおいて操作された場合には前記自動および手動調光モードとそれぞれの調光モードにおける前記複数の調光設定値との組合せが所定の順序で選択され、前記通常動作モードにおいて操作された場合には、別の機能を果たすことを特徴とする請求項5または6に記載の電子内視鏡装置。
  8. 前記第2の操作部材が前記調光状態設定モードにおいて操作された場合には前記自動および手動調光モードとそれぞれの調光モードにおける前記複数の調光設定値との組合せが前記所定の順序と異なる順序で選択され、前記通常動作モードにおいて操作された場合には、別の機能を果たすことを特徴とする請求項7に記載の電子内視鏡装置。
  9. 前記第1の操作部材および前記第2の操作部材を同時に操作することにより、前記調光状態設定モードと前記通常動作モードとが切り換えられることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の電子内視鏡装置。
  10. 前記自動調光モードは、平均値設定モードとピーク値設定モードを有し、該第1の操作部材の操作毎に、前記平均値設定モード、前記ピーク値設定モードおよび手動調光モードと、それぞれの調光モードにおける前記複数の調光設定値との組合せが所定の順序で選択されるよう構成されていることを特徴とする請求項5から9のいずれかに記載の電子内視鏡装置。
  11. 複数の設定項目間の項目切り換えと各設定項目における所定の設定値の変更を任意に行えるように構成された電子内視鏡装置において、
    前記電子内視鏡の操作部に設けられた第1の操作部材と、
    前記第1の操作部材の操作毎に、前記設定項目を所定の順序で循環変更すると共に、前記設定項目が所定の設定項目に一巡する毎に前記設定値を一定量変化させる制御手段と、
    を有することを特徴とする電子内視鏡装置。
  12. 前記第1の操作部材に加えて、第2の操作部材を有し、前記制御手段は前記第2の操作部材の操作毎に、前記第1の操作部材の操作時とは逆の順序で前記設定項目を循環変更させると共に、前記設定項目が前記所定の設定項目に一巡する毎に、前記第1操作部材の操作時とは異なる方向に前記設定値を一定量変化させることを特徴とする請求項11に記載の電子内視鏡装置。
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