JP4100233B2 - 速結端子装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチやコンセントのような配線器具の器体に収納されて電線を接続する速結端子装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、端子板と錠ばねとを備えた速結端子装置を端子部に用いた配線器具が提供されている。このような配線器具では、図35に示すように器体101の背面に電線挿通用の挿通孔102を設けてあり、挿通孔102から導入される電線104に接触する端子板と、ばね力を利用して端子板との間で電線104の芯線を挟持する接触片及び電線104の一部に食い込むことで電線104を鎖錠する鎖錠片を具備した鎖錠ばねと、鎖錠片を端子板から離れる方向に押圧するための解除釦とを器体101の内部に収納してある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ここで、端子部に電線104を接続する際には、被覆が剥かれた電線104の芯線を挿通孔102から器体101の内部に挿入すると、電線104の芯線が端子板と鎖錠ばねとの間に挿入され、接触片及び鎖錠片と端子板との間で電線104の芯線が挟持されるとともに、鎖錠片の先端が芯線に食い込むことによって、芯線の脱落が防止される。したがって、この速結端子装置では挿通孔102から電線104の芯線を挿入するだけで、電線104の芯線を接続できるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−185905号公報(段落番号[0014]、及び、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の速結端子装置から電線104の芯線を外す場合は、器体101の背面に開口した操作孔103からマイナスドライバー110の先端を挿入して解除釦を押圧することによって、解除釦により鎖錠ばねの鎖錠片を端子板から離れる方向に撓ませており、鎖錠片が電線104の芯線から離れ、鎖錠状態が解除されるので、電線104を器体101から引き抜くことができる。しかしながら、片方の手で配線器具の器体101を持ち、もう一方の手に持ったマイナスドライバー110を操作孔103に挿入して解除釦を押した状態では、両方の手が塞がってしまうため、電線104を挿通孔102から引き抜くことが困難であった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、電線の引き抜き作業を容易に行える速結端子装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明では、配線器具の器体の底面に貫設した電線挿入孔を通して器体に導入される電線に接触する端子板と、ばね力を利用して該端子板との間で電線を狭持するとともに鎖錠部が該電線に食い込んで抜け止めする電線接続手段と、該電線接続手段による抜け止め状態を解除する解除釦とを備え、電線接続手段は端子板と一体に形成され、端子板は、ばね性を有する金属板の両端部を重なり合うように対向して折り曲げることによって、主片の一端側から器体の底面側に延出した接触片と、主片の他端側から器体の底面側に延出した略J形の鎖錠片とが設けられるとともに、接触片には電線に弾接する平坦な接触部と、電線の挿入方向に沿った接触部の両側において電線を押圧する一対の押圧部が設けられ、鎖錠片には、電線を接触部側へ押圧するとともに電線の一部に食い込んで抜け止めする鎖錠部が先端に設けられ、接触片が設けられた端子板の一方の端部と鎖錠片が設けられた端子板の他方の端部とが、器体内に導入される電線から離れる向きに撓み可能であり且つ接触部の電線挿入孔から遠い側の先端部よりも電線挿入孔に近い側の後端部が電線に近付く向きに傾斜するように端子板が器体内に収納されてなり、解除釦は、器体の表面に露出して手動操作される操作部と、当該操作部が押操作されると鎖錠部をそのばね力に抗して電線から引き離す向きに押し動かす押動部とを具備し、器体の内部にスライド移動自在に配置されたことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、解除釦は、鎖錠部が端子板に対向する方向に沿ってスライド移動自在に配置されたことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、器体は、前面が開口したボディと、ボディの開口に被着されるカバーとで構成され、端子板及び電線接続手段と、解除釦とは、解除釦をボディの底部側にしてボディに納装されることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明では、請求項2の発明において、器体に複数の電線接続手段並びに複数の解除釦が設けられ、1つの電線接続手段に対して1つの解除釦が設けられたことを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明では、請求項2の発明において、電線接続状態において、解除釦の操作部を、電線の非接続状態に比べて押操作方向へ移動可能としたことを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明では、請求項2の発明において、操作部の操作面に、外側へ向かって突出する突部を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明では、請求項2の発明において、突部の位置が器体の表面よりも後退した位置となるように解除釦を配置したことを特徴とする請求項6記載の速結端子装置。
【0014】
請求項8の発明では、請求項2の発明において、器体に複数の電線接続手段並びに複数の解除釦が設けられ、これら複数の解除釦が合成樹脂成型品により一体に形成されたことを特徴とする。
【0015】
請求項9の発明では、請求項8の発明において、器体の側壁は、底部から立設され解除釦の一部と当接することで解除釦の抜けを防止する抜止部を残し、該抜止部よりも前方の部位に操作部を露出させる開口が設けられたことを特徴とする。
【0016】
請求項10の発明では、請求項2の発明において、器体に2個で1組の電線接続手段が1乃至複数組設けられるとともに、2個の電線接続手段に対して1つの解除釦が設けられており、解除釦の押動部が、対応する2個の電線接続手段の鎖錠部にそれぞれ対向する位置に移動自在に設けられたことを特徴とする。
【0017】
請求項11の発明では、請求項1の発明において、解除釦は、電線の挿入方向に沿ってスライド移動自在に配置されたことを特徴とする。
【0018】
請求項12の発明では、請求項11の発明において、器体の側面に解除釦の操作部を露出させる開口を設けるとともに、該開口から露出する操作部の部位に手で摘むための操作突起を設け、該操作突起の先端位置が器体の側面よりも後退した位置となるように解除釦を配置したことを特徴とする。
【0019】
請求項13の発明では、請求項11の発明において、器体の側面に開口を設け、該開口から外側に操作部を露出させており、非操作状態において操作部の先端部を器体の底面付近まで突出させたことを特徴とする。
【0020】
請求項14の発明では、請求項11の発明において、解除釦の操作部を、器体の底面に設けた貫通孔から外方に突出させたことを特徴とする。
【0021】
請求項15の発明では、請求項11の発明において、器体の底面に手の指を入れることが可能な凹部を設けるとともに、該凹部の底に設けた貫通孔から外方に操作部を突出させており、操作部の先端位置が器体の底面よりも後退した位置となるように解除釦を配置したことを特徴とする。
【0022】
請求項16の発明では、請求項1、2又は11の発明において、解除釦の一部と当接することで解除釦をガイドするガイド手段を、解除釦のスライド方向に沿って設けたことを特徴とする。
【0023】
請求項17の発明では、請求項1、2又は11の発明において、器体の表面又は操作部の表面の少なくとも何れか一方に文字、絵、記号などで解除釦の操作方向を表示する表示部を形成したことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る速結端子装置をコンセントの端子部に適用した実施形態について図面を参照して説明する。但し、配線器具はコンセントに限定されるものではなく、例えばスイッチなどのコンセント以外の配線器具にも本発明の技術思想が適用可能であることは言うまでもない。
【0025】
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図1〜図24に基づいて説明する。尚、以下の説明では特に断りがないかぎり、図2(a)に示す向きにおいて上下左右の方向を規定し、図2(a)における正面を前面とする。したがって、同図(b)における右端は後端となる。
【0026】
コンセントの器体1は、図1〜図4に示すように耐トラッキング性に優れた熱硬化性合成樹脂(例えばユリア樹脂)を用いて前面が開放された略函形に形成されたボディ2と、同じく耐トラッキング性に優れた熱硬化性合成樹脂(例えばユリア樹脂)を用いて後面が開放された略函形に形成されたカバー3とを、後述する組立枠4を用いて結合することにより形成され、器体1の内部には電圧極用の導電部材40a,40bと、接地極用の導電部材40cと、電圧極用の4個の解除釦50と、接地極用の解除レバー60とが納装されている。
【0027】
カバー3の前壁には、図7及び図8に示すように、突台状のボス部3aが突設され、長手方向に沿う両側面の中央部には肩部3bが突設されている。また、ボス部3aの前面には、栓刃や導電ピン等の接触子が挿入される一対の接触子挿入口6,6から成るコンセント口(所謂ユニバーサル型のコンセント口)5と、各々に接地極を含む平板状の栓刃が挿入される3個の接触子(栓刃)挿入口8…から成るコンセント口(3極のコンセント口)7とが長手方向に並べて1口ずつ設けてある。
【0028】
ユニバーサル型のコンセント口5の各接触子挿入口6,6は平板状の栓刃や略円柱状の導電ピン等の種々の接触子に対応可能な形状、すなわち、栓刃が挿入される矩形孔6aと導電ピンが挿入される半円形孔6bとを一体に連通させた形状に形成してある。また、3極のコンセント口7の各接触子挿入口8…は平板状の栓刃に対応させて矩形に形成され、接地極の栓刃が挿入される接触子挿入口8aの両側に残り(電圧極)の接触子挿入口8b,8bが逆ハ字形に配置してある。また、ボス部3aの前壁の裏面には、接触子挿入口6,6の間の部位と、接極子挿入口8b,8bの間の部位とからそれぞれ後方に突出する絶縁壁9,9が突設されている。
【0029】
一方、ボディ2の略中央には、図5及び図6に示すように底部より立設された周壁11で周りを囲まれて、接地極用の導電部材40cが収納される収納凹部12が形成されている。この収納凹部12の底部には、後述する解除レバー60の操作部61aを挿通する貫通孔2fが貫設されている。貫通孔2fの両側部には収納凹部12の底部からリブ11aが立設されており、このリブ11aによって収納凹部12の内部が後述の刃受部32を収納する刃受部収納室12aと、後述の端子部20’を収納する端子部収納室12bとに仕切られている。また収納凹部12の外側には、底部より立設された隔壁13によって左右2つの空間に仕切られて、それぞれ電圧極用の導電部材40a,40bを収納する収納凹部14,14が形成されている。各収納凹部14は、底部より立設された隔壁16によってさらに3つの空間に仕切られ、電圧極の刃受部30又は31を収納する刃受部収納室14aが長手方向の両側に設けられるとともに、後述の端子部20を収納する端子部収納室14bが長手方向の中間部に設けられる。なお、電圧極の端子部収納室14b,14bと接地極の端子部収納室12bとはボディ2の左右方向に並べて設けられており、端子部収納室12b,14bの底部には外部より電線を導入するための電線挿入孔15が2個ずつ開口している。また、ボディ2の長手方向に沿う両側壁にはカバー3の肩部3bに対応する部位に膨出部17が形成されており、この膨出部17には端子部収納室14bに連通する凹溝2aが形成されている。
【0030】
ここで、ボディ2の収納凹部14に収納される導電部材40a又は40bと一対の解除釦50について以下に説明を行う。導電部材40a,40bは端子板21及び刃受部30,31を一体に連結して構成され、端子板21と一対の解除釦50とで端子部20(速結端子装置)が構成される。なお、導電部材40a,40bは面対称に形成されており、互いに鏡像の関係にあるので、以下では導電部材40aについて図10〜図12を参照して説明を行い、導電部材40bについては説明を省略する。
【0031】
刃受部30は、ばね性を有する金属板を加工することによって、コ字形の基部30cと、基部30cの両側片先端部の前端縁から突設されて互いに対向配置される一対の導電ピン用刃受ばね30aと、基部30cの中央片の前端縁から両刃受ばね30aと略直角に突設された栓刃用刃受ばね30bと、基部30cの一側片の先端部から延設され後述する端子板21にかしめ固定される固定片30dとを連続一体に形成してある。
【0032】
また刃受部31は、ばね性を有する金属板を加工することによって、コ字状の基部31bと、基部31bの両側片の前端縁から突設されて互いに対向配置される一対の刃受ばね31aと、基部31bの一側片の先端部から延設され後述する端子板21にかしめ固定される固定片31cとを連続一体に形成してある。
【0033】
一方、端子板21は、略凸字形の主片21aと、主片21aの幅狭の一端側の両側部から後方(図12における下方、以下同じ)へそれぞれ垂下された接触片22,22と、主片21aの幅広の他端側の両側部から後方へそれぞれ垂下された略J字形の鎖錠片23,23と、鎖錠片23,23の側端縁から側方へ突出する連結片25,25とを有し、弾性を有する帯状の金属板を加工することで、接触片22の先端部と鎖錠片23の先端部が交差するように折り曲げて一体に形成される。接触片22には、ほぼ平坦な面を有して電線に弾接する接触部22aと、電線の挿入方向に沿った接触部22aの両側において電線を押圧する一対の押圧部22b,22cが設けられている。また、接触片22に対して内側に位置する鎖錠片23には、電線を接触部22aの方へ押圧するとともに電線の一部に食い込んで抜け止めする鎖錠部23aと、鎖錠部23aよりも接触片22に近づく向きに突出する受け部23cとが先端に並設され、鎖錠部23aよりも後方の部位に電線(接触片22)から離れる向きに凸となる曲げ部23bが設けられている。なお、図10(b)に示すように鎖錠部23aが接触片22に対向するとともに受け部23cが接触片22と対向しないように、接触片22の幅寸法が鎖錠片23の幅寸法のおよそ半分に設定されている。また、各連結片25には挿通孔25aが一対ずつ貫設されており(図16参照)、これら一対の挿通孔25aに刃受部30,31の連結片30d,31cに突設した一対の突起を挿通してかしめることで、刃受部30,31の固定片30d,31cに連結片25が固定される。
【0034】
また、2個で1組の解除釦50は、図1及び図14〜図19に示すように面対称に形成され、互いに鏡像の関係にある。各解除釦50は矩形板状の操作片51を有し、ボディ2の凹溝2aを操作片51で塞ぐようにして2個の解除釦50が並置されている(図2参照)。各解除釦50の操作片51の裏面側には、他方の解除釦50と隣接する側部から背面側に向かって押動部52が突設され、押動部52の下面側には押動部52よりも幅寸法が小さく、且つ、押動部52よりも突出量の大きいガイド突片53が突設されている。また押動部52の先端面の上部には、前側に行くほど操作片51側に近付く向きに傾斜する傾斜面52aが形成されており、押動部52の上部には、他方の解除釦50と隣接する側と反対側の面に、端子板21を逃がすための凹所52bが凹設されている。
【0035】
一方、ボディ2の底部には、図17及び図18(b)に示すように、両解除釦50のガイド突片53をガイドする2条の突条2dがガイド突片53,53の両側部に突設され、さらに端子板21には、一対の鎖錠片23,23の間に両解除釦50をガイドするガイド溝24を形成してある(図16参照)。なお、突条2dとガイド溝24とは、接触部22aと鎖錠部23aとが対向する方向に沿って形成されている。
【0036】
而して、ボディ2の端子部収納室14bに端子部20を収納する際は、ボディ2の開口側から端子部収納室14b内に一対の解除釦50と刃受部材40a又は40bを順番に挿入すると、2個の解除釦50のガイド突片53が背中合わせに配置されるとともに、操作片51が凹溝2aを塞ぐようにして並置される。このように解除釦50と刃受部材40a又は40bとを、解除釦50を底部側にして、ボディ2の開口側から順番に挿入することで端子部20の組み込みが完了するので、組込作業を簡単に行える。
【0037】
また組込状態においては、背中合わせに配置された2個の解除釦50のガイド突片53が、ボディ2の底壁に設けた2条の突条2dの間、及び、ガイド溝24内に配置され、突条2dと鎖錠片23とで両側からガイドされるから、組立時に2個の解除釦50が倒れるのを防止でき、さらに操作片51の押操作時に解除釦50を突条2d及びガイド溝24に沿ってスライド移動させることができるから、接触部22aと鎖錠部23aとが対向する方向において解除釦50をスムーズに移動させることができる。また、ガイド突片53の外側縁がボディ2の底部に設けた段部2eと当接することによって、解除釦50の外側方向への移動が規制され、解除釦50の抜けが防止される。そして、組込状態においては各解除釦50の押動部52が、鎖錠片23における受け部23cに対向配置されており、解除釦50の操作片51を内側に押し込むと、押動部52でそれぞれ対向する鎖錠片23の受け部23cを押圧することにより、電線に食い込んでいる鎖錠部23aを電線から離すように鎖錠片23を撓ませて電線の引き抜きが可能となる。なお、ガイド突片53は押動部52に比べて細幅に形成されているので、ガイド突片53が鎖錠片23に当たることはない。
次に、ボディ2の収納凹部12に収納される導電部材40c及び解除レバー60について説明する。導電部材40cは、図1及び図13に示すように端子板21’と刃受部32とを一体に連結して構成され、端子板21’と解除レバー60とで接地極側の端子部20’(速結端子装置)が構成される。なお、端子板21’は連結片25を無くした点以外は上述の端子板21と同様の構造を有しているので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0038】
刃受部32は、ばね性を有する金属板を加工することによって、略コ字形の基部32bと、基部32bの両側片の先端縁から突設されて互いに対向配置される一対の栓刃用刃受ばね32aと、側面視の形状がL字形に形成され、基部32bの中央片から連続一体に延出して端子板21’の主片21aにかしめ固定される連結片32cとを連続一体に形成してある。
【0039】
解除レバー60は、図20(a)〜(c)に示すように側面視の形状が略Y字状に形成されたレバー体61を有し、レバー体61の二股に分かれた一方の端部の両側縁からは押動部62,62が側方に突出し、他方の端部の両側縁からは丸棒状の回動軸63,63が側方に突出している。
【0040】
一方、カバー3の前壁の裏面からは、ボディ2の貫通孔2fに対向する部位に軸受け台3eが立設されており、組立状態においては軸受け台3eの先端面に凹設された円周面3fと、貫通孔2fの両側部に立設された隔壁11aの先端面とで回動軸63を挟持することによって、解除レバー60が回動軸63を中心として回動自在に保持される。
【0041】
そして、以上のような端子部20,20’に電線を接続する際は、電線挿入孔15を通して接触片22と鎖錠片23との間に電線を挿入すると、鎖錠片23の鎖錠部23aが電線に食い込むことによって電線が抜け止めされるとともに、鎖錠片23のばね力によって電線が接触片22の接触部22aに弾接し、さらに電線は一対の押圧部22b,22cによって鎖錠片23の方へ押圧されるから、鎖錠部23aと押圧部22b,22cの押圧力とが均衡して電線が挟持される。すなわち、端子部20,20’は電線挿入孔15に電線を挿入するだけで結線することが可能な速結端子となっている。ここに、鎖錠片23から電線接続手段が構成され、端子板としての接触片22と鎖錠片23とを一体に連結することで端子板21,21’を形成してある。
【0042】
また、端子部20から電線を外す際には、ボディ2の凹溝2aから露出する解除釦50の操作片51を内側に押し込むと、解除釦50の押動部52が鎖錠片23の受け部23cを接触片22から離れる向きに押圧するので、電線の鎖錠状態が解除され、電線を容易に引き抜くことができる。したがって、一方の手で器体1を持ち、器体1を持つ方の手の指で解除釦50の操作片51を押して、鎖錠片23を撓ませながら、もう一方の手で電線を引き抜くことができ、作業に習熟していなくても容易に電線を外すことができる。なお、解除釦50は1個の鎖錠片23に対して1個ずつ設けられており、1個の解除釦50で1個の鎖錠片23のみを撓ませているので、2個の鎖錠片23を同時に撓ませる場合に比べて操作荷重を小さくできる。
【0043】
また、図18(a)は端子部20に電線が接続されていない状態、同図(b)は端子部20に電線が接続された状態をそれぞれ示しており、電線の非接続時において解除釦50の操作片51に操作力を加えていない状態では、鎖錠片23のばね力によって解除釦50が外側に押圧されるので、解除釦50は、ガイド突片53がボディ2底部の段部2eと当接する位置まで移動している。一方、電線の接続時には、接触片22と鎖錠片23との間に挿入された電線によって接触片22から離れる向きに鎖錠片23が撓められているから、解除釦50は、電線の非接続時に比べてさらに内側まで入り込むことができ、解除釦50の位置によって結線完了状態を表示することもできる。
【0044】
一方、端子部20’から電線を外す際には、ボディ2底面の凹部2gに開口する貫通孔2fから突出する解除レバー60の操作部61aを起こすと、レバー体61が回動軸63を中心に回動して、押動部62が鎖錠片23の受け部23cを押圧することにより、電線に食い込んでいる鎖錠部23aを接触片22(電線)から離れる向きに撓ませるので、電線を容易に引き抜くことができる。
【0045】
なお、電線解除時の釦操作やレバー操作の操作方向を分かりやすくするために、図21及び図22に示すように、解除釦50の操作片51の表面(操作面)や、ボディ2の表面における解除釦50や解除レバー60の周縁部に操作する方向などを例えば「PUSH」という文字や矢印で表示する表示部Aを形成しても良く、表示部Aの表示から操作方向を容易に把握でき、誤操作を防止できる。なお表示部Aの表示は文字や絵や記号などで行えば良く、その表示方法は刻印、印刷、ラベルなど適宜の方法で行えば良い。
【0046】
また、本実施形態では操作片51の表面(操作面)を平坦面としているが、図23(a)(b)に示すように操作片51の操作力を加えたい部位に、外側へ突出する突部54を形成しても良く、突部54を設けることで所望の部位に力を加えやすくなる。なお突部54の先端部には丸みを持たせるのが望ましく、突部54を押圧する際に手の指に加わる圧力を小さくして、指に痛みが加わるのを防止できる。また、図24に示すように、組立状態において突部54の先端の位置がボディ2の側壁表面よりも後退した位置となるように解除釦50を配置しても良く、器体1の表面よりも外側に突出する部位がないので、器体1の外側に配設された電線などで突部54が押し込まれて、電線の接続状態が解除されるのを防止できる。
【0047】
ところで、上述のように構成される導電部材40a,40bは、ボディ2の四隅に設けた刃受部収納室14aに刃受部30,31を収納するとともに、端子部収納室14bに端子板21を収納するようにして、ボディ2の各収納凹部14に納装される。なお、両収納室14a,14bを仕切る隔壁16には端子板21の結合部25,25を挿通するためのスリット16aを設けてある。また導電部材40cは、ボディ2の刃受部収納室12aに刃受部32を収納するとともに、端子部収納室12bに端子板21’を収納するようにして収納凹部12内に収納される。そして、ボディ2の開口面にカバー3を突き合わせた状態では、刃受部30とカバー3の前壁に設けたユニバーサル型のコンセント口5の接触子挿入口6とが対向するとともに、刃受部31,32と3極のコンセント口7の接触子挿入口8b,8aとが対向することになる。
【0048】
ここで、接触子挿入口6から対向する一対の刃受ばね30aの間に円柱状の導電ピンが挿入されると、一対の刃受ばね30aの間に導電ピンが弾性挟持されて、導電部材40a,40bと導電ピンとが電気的に接続され、一対の刃受ばね30aの側縁と刃受ばね30bとの間に平板状の栓刃が挿入されると、一対の刃受ばね30aの側縁と刃受ばね30bとの間で栓刃が弾性挟持されて、導電部材40a,40bと栓刃とが電気的に接続されるのである。また接触子挿入口8から一対の刃受ばね31aの間に平板状の栓刃が挿入されると、一対の刃受ばね31aの間に栓刃が弾性挟持されて、導電部材40a,40bと栓刃とが電気的に接続されるのである。また接触子挿入口8aから対向する一対の刃受ばね32aの間に平板状の栓刃が挿入されると、一対の刃受ばね32aの間に栓刃が弾性挟持され、導電部材40cと栓刃とが電気的に接続されるのである。ここに、刃受部30の一対の刃受ばね30a、刃受部31の一対の刃受ばね31a、並びに刃受部32の一対の刃受ばね32aは、ともに対向する互いの間隔が前方ほど幅狭となるように傾斜し且つ前端間が導電ピンあるいは栓刃が挿入し易いように前方ほど間隔が拡がるように傾斜させてあり、導電ピンあるいは栓刃が挿入し易いようになっている。また、刃受部30の刃受ばね30bも、刃受ばね30aとの間隔が前方ほど幅狭となるように傾斜し且つ前端間は栓刃が挿入し易いように前方ほど間隔が拡がるように傾斜させてあり、栓刃が挿入し易いようにしてある。
【0049】
次に、ボディ2とカバー3とを結合して器体1を組み立てる構造について説明する。本実施形態においては、ボディ2とカバー3との双方に設けた嵌合突起2b,3cに組立枠4を凹凸嵌合することでボディ2とカバー3とを結合して器体1を組み立てるようになっている。
【0050】
ボディ2の長手方向に沿う両側面には膨出部17の両側部に角柱状の嵌合突起2bが突設され、さらに嵌合突起2bの前側(図5(b)における左側)には凹溝2cが形成されている。また、カバー3の長手方向に沿う両側面には、嵌合突起2bと同形状且つ同寸法の嵌合突起3cが肩部3bの両側部に突設されており、ボディ2の開口面にカバー3を突き合わせた状態では、それぞれの嵌合突起2b,3cが凹溝2cを挟んで前後方向に一列に配置されることになる。
【0051】
一方、組立枠4は弾性を有する合成樹脂成型品からなり、図9(a)〜(c)に示すように嵌合突起2b,3cと各々嵌合する嵌合孔4b,4bが長手方向に並設された短冊状の縦片4aを有し、器体1と対向する縦片4aの背面側において嵌合孔4b,4bで挟まれた略中央部からは先端に係止爪4dを有する係止突片4cが背方へ突設されている。また、縦片4aの前端面には、埋込型の配線器具を造営面に埋込配設するための取付枠、又は配線器具の取付構造を有したフラッシプレート(以下、単に「プレート」という)が具備する係合孔と係合して器体1を取付枠又はプレート枠に取り付けるための取付爪4eが突設されている。そして、カバー3の長手方向に沿う両側壁の後縁には、嵌合突起3c近傍の部位に、後方に向かうにつれて内側に傾斜するガイド面3dが形成されている。
【0052】
而して、ボディ2とカバー3とを結合して器体1を組み立てるには、ボディ2とカバー3を開口面側で突き合わた状態で係止突片4cを凹溝2cに挿入するように組立枠4を器体1の長手方向に対向する両側面の方へ押しつければ、組立枠4の各嵌合孔4b,4bにボディ2及びカバー3の嵌合突起2b,3cがそれぞれ嵌合してボディ2とカバー3とが結合されると同時に、係止突片4cの先端に設けた係止爪4dがカバー3の両側壁のガイド面3dに沿うように係止突片4cが後方に撓み、やがて係止突片4cの係止爪4dがカバー3の両側壁の開口縁に係止することによって、組立枠4の嵌合突起2b,3cからの脱落が防止でき、ボディ2とカバー3とが結合されるのである。
【0053】
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図25及び図26を参照して説明する。上述の実施形態1では、1個の鎖錠片23について1個の解除釦50を設けているのに対して、本実施形態では2個の鎖錠片23について1個の解除釦50’を設け、1個の解除釦50’で2個の鎖錠片23を同時に撓ませて、2本の電線の接続状態を同時に解除できるようにしている。尚、解除釦50’以外の構成は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0054】
解除釦50’は合成樹脂成型品からなり、上述した解除釦50を2個並置したのと略同じ形状に形成されている。すなわち、解除釦50’は凹溝2aの開口面と略同じ大きさの矩形板状の操作片51を具備しており、この操作片51の裏面側には、背面側に向かって押動部52が突設され、押動部52の下面側には押動部52よりも幅寸法が小さく、且つ、押動部52よりも突出量の大きいガイド突片53が突設されている。また、押動部52の先端面の上部には、前側に行くほど操作片51側に近付く向きに傾斜する傾斜面52aが形成されており、さらに押動部52の上部の両側面には端子板21を逃がすための凹所52bが凹設されている。このように、解除釦50’は実施形態1で説明した2個の解除釦50を一体に形成しているので、部品点数を削減でき、組立性の向上やコストダウンが図れる。
【0055】
一方、ボディ2の底部には、図26(b)に示すように解除釦50’のガイド突片53をガイドする2条の突条2dがガイド突片53の両側部に突設され、さらに端子板21には、一対の鎖錠片23,23の間にガイド突片53をガイドするガイド溝24を形成してある。なお、突条2dとガイド溝24とは、接触部22aと鎖錠部23aとが対向する方向に沿って形成されている。
【0056】
而して、ボディ2の端子部収納室14bに端子部20を収納する際は、ボディ2の開口側から端子部収納室14b内に解除釦50’と刃受部材40a又は40bとを順番に挿入すると、解除釦50’のガイド突片53が2条の突条2dによってガイドされるとともに、操作片51が凹溝2aを塞ぐようにして配置される。このように解除釦50’と刃受部材40a又は40bとを、解除釦50’を底部側にして、ボディ2の開口側から順番に挿入することで端子部20の組み込みが完了するので、組込作業を簡単に行える。
【0057】
また組込状態においては、解除釦50’のガイド突片53が、ボディ2の底壁に設けた2条の突条2dの間、及び、ガイド溝24内に配置され、突条2dと鎖錠片23とで両側からガイドされるから、組立時に解除釦50’が倒れるのを防止でき、さらに操作片51の押操作時に解除釦50’を突条2d及びガイド溝24に沿って(つまり、接触部22aと鎖錠部23aとが対向する方向に沿って)スライド移動させることができるから、解除釦50’をスムーズに移動させることができる。また、ガイド突片53の外側縁がボディ2の底部に設けた段部2eと当接することによって、解除釦50’の外側方向への移動が規制され、解除釦50’の抜けが防止される。そして、組込状態においては解除釦50’の押動部52が、鎖錠片23の先端部に対向配置されており、解除釦50’の操作片51を内側に押し込むと、押動部52によって鎖錠片23の先端部が押圧され、鎖錠片23が接触片22から離れる向きに撓められるのである。なお、ガイド突片53は押動部52に比べて細幅に形成されているので、ガイド突片53が鎖錠片23に当たることはない。
【0058】
ここで、端子部20に接続された電線を外す際には、ボディ2の凹溝2aから露出する解除釦50’の操作片51を内側に押し込むと、解除釦50’の押動部52が鎖錠片23,23を接触片22,22から離れる向きに押圧するので、2本の電線の鎖錠状態が解除され、2本の電線を同時に引き抜くことができる。したがって、一方の手で器体1を持ち、器体1を持つ方の手の指で解除釦50’の操作片51を押して、鎖錠片23を撓ませながら、もう一方の手で電線を引き抜くことができ、作業に習熟していなくても容易に電線を外すことができる。
【0059】
また、2個の鎖錠片23を同時に撓ませるため、より大きな操作力が必要になるが、1個の鎖錠片23について1個ずつ解除釦50を設けた場合に比べて、操作片51の面積を大きくとることができるので、操作片51を指で押し易くなり、より大きな力を加えることができる。なお、段部2eの高さは、ガイド突片53と係止して解除釦50’の抜け止めを行うのに必要な最小の高さとするのが望ましく、ボディ2の側壁は、抜止部としての段部2eを残して段部2eよりも前側の部位を開口させることで、操作片51の面積を大きくとることができ、操作片51の押し操作時に指に加わる圧力を小さくして、指に痛みを感じるのを防止できる。
【0060】
また、電線の非接続時において解除釦50’の操作片51に操作力を加えていない状態では、鎖錠片23のばね力によって解除釦50’が外側に押圧されるので、解除釦50’は、ガイド突片53がボディ2底部の段部2eに当接する位置まで移動している。一方、電線の接続時には、接触片22と鎖錠片23との間に挿入された電線によって接触片22から離れる向きに鎖錠片23が撓められているから、解除釦50’は、電線の非接続時に比べてさらに内側まで入り込むことができ、解除釦50’の位置によって結線完了状態を表示することもできる。
【0061】
(実施形態3)
本発明の実施形態3を図27(a)〜(c)に基づいて説明する。上述の実施形態1では、1個の鎖錠片23について1個の解除釦50を設けているのに対して、本実施形態では2個の鎖錠片23に対して1個の解除釦50″を設け、1個の解除釦50″で何れか一方の鎖錠片23を選択的に撓ませて、電線の接続状態を1本ずつ解除できるようにしている。尚、解除釦50″以外の構成は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0062】
解除釦50″は合成樹脂成型品からなり、実施形態1で説明した解除釦50を2個並置したのと略同じ形状に形成されている。すなわち、解除釦50″は凹溝2aの開口面と略同じ大きさの矩形板状の操作片51を具備し、この操作片51の裏面側には背面側に向かって突台部55が突設され、突台部55の下面側には突台部55よりも幅寸法が小さく、且つ、突台部55よりも突出量の大きいガイド突片53が突設されている。突台部55の先端面の略中央には、端子板21の鎖錠片23,23と対向する部位に開口穴55aが形成され、この開口穴55a内に押動部としての押代部56をスライド自在に配置してある。開口穴55aの内側面には、鎖錠片23,23の配列方向に沿ってレール溝55bが形成されており、このレール溝55bに押代部56のガイド突起56aを係合させることで、押代部56を鎖錠片23,23の配列方向に沿ってスライド移動させることができる。ここで、押代部56の幅寸法は、鎖錠片23を1つだけ押操作可能な寸法に形成されているので、解除釦50″によって2つの鎖錠片23,23の内の一方のみを選択的に撓ませることができる。したがって、電線の解除操作を行う際には、先ず電線を外したい方の鎖錠片23が下になるように器体1を傾けて、押代部26を所望の鎖錠片23に対向する位置までスライド移動させた後(図27(b)参照)、操作片51を押操作すると、押代部26によって所望の鎖錠片23が接触片22から離れる方向に撓められて、電線の鎖錠状態が解除されるので、電線を容易に引き抜くことができる。また実施形態1と同様に、一方の手で器体1を持ち、器体1を持つ方の手の指で解除釦50″の操作片51を押して、鎖錠片23を撓ませながら、もう一方の手で電線を引き抜くことができ、作業に習熟していなくても容易に電線を外すことができる。
【0063】
このように、本実施形態では解除釦50″により2個の鎖錠片23の内の一方のみを選択的に撓ませているので、2個の鎖錠片23を同時に撓ませる場合に比べて操作荷重を小さくできる。さらに、解除釦50″の操作片51は、凹溝2aの開口面と略同じ大きさに形成されており、1個の鎖錠片23に対して1個の解除釦50を設けた場合に比べて、操作片51の面積を大きくとることができるので、操作片51を指で押し易くなり、より大きな力を加えることができる。
【0064】
(実施形態4)
本発明の実施形態4を図28及び図29を参照して説明する。上述の実施形態1〜3では、解除釦50,50’,50″を、鎖錠部23aと接触部22aとが対向する方向に沿ってスライド移動自在に配置しているのに対して、本実施形態では2個の鎖錠片23に対して1個の解除釦70を設け、この解除釦70を電線の挿入方向に沿ってスライド移動自在に配置している。尚、解除釦70以外の構成は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0065】
解除釦70は合成樹脂成型品であって、矩形板状の主部70aと、主部70aの前面に突設された操作突起70bと、主部70a後面の幅方向略中央から立設された縦片70cとを一体に形成して構成され、縦片70cの上端部には2つの鎖錠片23,23の受け部23c,23cを同時に押圧するための押動部70dが突設されている。
【0066】
そして、解除釦70は、主部70aの左右両側縁を、凹溝2aの左右の端面に形成したガイド溝に挿入するなどして、電線の挿入方向(器体1の前後方向)に沿ってスライド自在に配置されており、組込状態においては操作突起70bが凹溝2aから露出している。電線の解除操作を行う際に操作突起70bを摘んで操作するため、この操作突起70bを凹溝2aから露出させているが、操作突起70bの先端面はボディ2の表面と略面一となっており、器体1の表面から突出する部分がないので、外観の見栄えが良い。なお、操作突起70bの先端位置が、ボディ2の表面よりも後退した位置となるように、解除釦70を配置すれば良く、ボディ2の表面から突出する部分を無くして、外観の見栄えを良くできる。
【0067】
ここで、図29(a)は電線の非接続状態を、同図(b)は電線の接続状態を夫々示しており、解除釦70の操作突起70bに操作力を加えていない状態では、鎖錠片23のばね力によって押動部70dが同図中の下側へ押圧され、解除釦70は主部70a及び縦片70cがボディ2の底部と当接する位置まで移動している。
【0068】
そして、端子部20に接続された電線を解除する際には、凹溝2aから露出する操作突起70bを摘んで、解除釦70を上側に押し上げると、解除釦70の押動部70dが鎖錠片23の受け部23cを接触片22から離れる向きに押圧するので、電線の鎖錠状態が解除され、電線を容易に引き抜くことができる。したがって、一方の手で器体1を持ち、器体1を持つ方の手の指で解除釦70の操作片70aを押して、鎖錠片23を撓ませながら、もう一方の手で電線を引き抜くことができ、作業に習熟していなくても容易に電線を外すことができる。なお、カバー3の肩部3bには、解除釦70の主部70aを逃がすための透孔3gが形成されており、解除釦70を上側に押し上げると、主部70aの上部が透孔3g内に挿入されるようになっている。
【0069】
ところで、本実施形態では主部70aの前面に設けた操作突起70bを凹溝2a内に露出させ、操作突起70bを摘んで解除釦70を押し上げているが、図30及び図31に示すように、主部70aの前面に操作突起70bを形成する代わりに、主部70a前面の前後方向略中間部から後方に向かって突出する短冊状のスライド操作部70eを主部70aと一体に形成するとともに、ボディ2表面の凹溝2a後方の部位にスライド操作部70eが挿入される凹部2hを設けても良く、スライド操作部70eを押し上げることによって、解除釦70をスライド移動させることができるから、操作性が向上する。また、スライド操作部70eの表面はボディ2の表面と略面一になっており、器体1の表面から突出する部分がないので、外観の見栄えも良い。なお、スライド操作部70eの先端位置が、ボディ2の表面よりも後退した位置となるように、解除釦70を配置すれば良く、ボディ2の表面から突出する部分を無くして、外観の見栄えを良くできる。
【0070】
(実施形態5)
本発明の実施形態5を図32(a)(b)を参照して説明する。上述の実施形態1〜3では、解除釦50,50’,50″を、鎖錠部23aと接触部22aとが対向する方向に沿ってスライド移動自在に配置しているのに対して、本実施形態では2個の鎖錠片23に対して1個の解除釦71を設け、この解除釦71を電線の挿入方向(前後方向)に沿ってスライド移動自在に配置している。尚、解除釦71以外の構成は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0071】
解除釦71は合成樹脂成型品であって、矩形板状の主部71aと、主部71aの下側縁略中央から下方に突出する操作突起71bと、主部71a後面の幅方向略中央から立設された縦片71cとを一体に形成して構成され、縦片71cの上端部には2つの鎖錠片23,23の受け部23c,23cを同時に押圧するための押動部71dが突設されている。また、ボディ2の膨出部17に設けた凹溝2aの開口が塞がれており、さらにボディ2の底部には解除釦71の操作突起71bを挿通させる貫通孔2fが貫設されている。
【0072】
而して、解除釦71は、操作突起71bを貫通孔2f内に挿通するとともに、主部71aの左右両側縁を、凹溝2aの左右の壁面に形成したガイド溝に挿入するなどして、電線の挿入方向に沿ってスライド自在に配置されており、組込状態においては操作突起71bの先端が貫通孔2fから後方に突出している。
【0073】
そして、端子部20に接続された電線を解除する際には、貫通孔2fから突出する操作突起71bを前方に押し込んで、解除釦71を前方に押し上げると、解除釦71の押動部71dが鎖錠片23の受け部23cを接触片22から離れる向きに押圧するので、電線の鎖錠状態が解除され、電線を容易に引き抜くことができる。したがって、一方の手で器体1を持ち、器体1を持つ方の手の指で解除釦71の操作突起71bを押して、鎖錠片23を撓ませながら、もう一方の手で電線を引き抜くことができ、作業に習熟していなくても容易に電線を外すことができる。
【0074】
このように、本実施形態では解除釦71を電線の挿入方向に沿ってスライド移動自在に配置しており、解除釦71の操作突起71bを押し込んで、解除釦71を前方に移動させることによって、解除釦71の押動部71dで鎖錠片23を変位させており、実施形態4のように操作突起70bを摘んで解除釦70を押し上げる場合に比べて、解除釦71に操作力を加えやすく、より小さい力で解除操作が行えるという利点がある。
【0075】
(実施形態6)
本発明の実施形態6を図33及び図34を参照して説明する。上述の実施形態1では、接地極用の端子部20’から電線を外すために、器体1の内部に解除レバー60を回動自在に収納しているが、本実施形態では、解除レバー60の代わりに解除釦64を電線の挿入方向に沿ってスライド移動自在に収納してある。尚、解除釦64以外の構成は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0076】
解除釦64は合成樹脂成型品からなり、矩形板状のスライド操作部64aと、スライド操作部64aの前端部から側方に突出する横片64bと、横片64bの先端部に突設された押動部64cと、横片64bの左右の両側縁から前方に突出する突片64d,64dとを連続一体に形成して構成される。
【0077】
そして、解除釦64は、スライド操作部64aの先端を後側、突片64dを前側にそれぞれ向けた状態で凹部12内に収納され、組込状態においてはスライド操作部64aがボディ2底部の貫通孔2fを通して外側に突出するとともに、押動部64cが端子板21’の鎖錠片23,23の受け部23c,23cに対向して配置される。また、解除釦64は、スライド操作部64aを貫通孔2fの周縁部に沿わせるようにして、電線の挿入方向(器体1の前後方向)にスライド移動するので、押操作時に解除釦64が傾くことはなく、解除釦64をスムーズにスライド移動させることができる。
【0078】
また、ボディ2の底面には貫通孔2fの周りに凹部2gを形成してあり、スライド操作部64aの先端位置をボディ2の底面と略面一にしているので、ボディ2の底面から突出する部分がなく、外観の見栄えを良くできる。なお、スライド操作部64aの先端位置が、ボディ2の底面よりも後退した位置となるように、解除釦64を配置すれば良く、ボディ2の底面から突出する部分を無くして、外観の見栄えを良くできる。
【0079】
また、解除釦64を電線挿入方向に沿ってスライド移動させることで、鎖錠片23を撓ませて電線の解除操作を行っているので、スライド操作部64aに加えた力を効率良く鎖錠片23に作用させることができ、より小さい力で電線の接続状態を解除することができる。
【0080】
【発明の効果】
上述のように、請求項1の発明は、配線器具の器体の底面に貫設した電線挿入孔を通して器体に導入される電線に接触する端子板と、ばね力を利用して該端子板との間で電線を狭持するとともに鎖錠部が該電線に食い込んで抜け止めする電線接続手段と、該電線接続手段による抜け止め状態を解除する解除釦とを備え、電線接続手段は端子板と一体に形成され、端子板は、ばね性を有する金属板の両端部を重なり合うように対向して折り曲げることによって、主片の一端側から器体の底面側に延出した接触片と、主片の他端側から器体の底面側に延出した略J形の鎖錠片とが設けられるとともに、接触片には電線に弾接する平坦な接触部と、電線の挿入方向に沿った接触部の両側において電線を押圧する一対の押圧部が設けられ、鎖錠片には、電線を接触部側へ押圧するとともに電線の一部に食い込んで抜け止めする鎖錠部が先端に設けられ、接触片が設けられた端子板の一方の端部と鎖錠片が設けられた端子板の他方の端部とが、器体内に導入される電線から離れる向きに撓み可能であり且つ接触部の電線挿入孔から遠い側の先端部よりも電線挿入孔に近い側の後端部が電線に近付く向きに傾斜するように端子板が器体内に収納されてなり、解除釦は、器体の表面に露出して手動操作される操作部と、当該操作部が押操作されると鎖錠部をそのばね力に抗して電線から引き離す向きに押し動かす押動部とを具備し、器体の内部にスライド移動自在に配置されたことを特徴とし、解除釦の操作部を押操作して、解除釦をスライド移動させることによって、解除釦の押動部で鎖錠部を電線から引き離す向きに押し動かすことができるので、器体を持った方の手で解除釦を押操作するとともに、もう一方の手で電線を引き抜くことができるから、鎖錠部による電線の鎖錠状態を容易に解除して、電線を引き抜くことができる。
【0081】
請求項2の発明は、請求項2の発明において、解除釦は、鎖錠部が端子板に対向する方向に沿ってスライド移動自在に配置されたことを特徴とし、請求項1の発明と同様の効果を奏する。
【0082】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、器体は、前面が開口したボディと、ボディの開口に被着されるカバーとで構成され、端子板及び電線接続手段と、解除釦とは、解除釦をボディの底部側にしてボディに納装されることを特徴とし、ボディの内部に解除釦を納装した後、解除釦の上に端子板及び電線接続手段を納装することで組込作業が行えるので、組込作業の作業性が向上するという効果がある。
【0083】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、器体に複数の電線接続手段並びに複数の解除釦が設けられ、1つの電線接続手段に対して1つの解除釦が設けられたことを特徴とし、1つの解除釦で複数の電線接続手段の鎖錠部を同時に撓めて鎖錠状態を解除する場合に比べて、解除操作に必要な力を小さくできる。
【0084】
請求項5の発明は、請求項2の発明において、電線接続状態において、解除釦の操作部を、電線の非接続状態に比べて押操作方向へ移動可能としたことを特徴とし、解除釦の操作部の位置から電線の接続が完了したことを容易に確認できる。
【0085】
請求項6の発明は、請求項2の発明において、操作部の操作面に、外側へ向かって突出する突部を設けたことを特徴とし、操作面に設けた突部を押すことで、力を加えたい場所を確実に押操作することができる。
【0086】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、突部の位置が器体の表面よりも後退した位置となるように解除釦を配置したことを特徴とし、器体の外側に配設された電線などで突部が押されて、電線の接続状態が解除されるのを防止できる。
【0087】
請求項8の発明は、請求項2の発明において、器体に複数の電線接続手段並びに複数の解除釦が設けられ、これら複数の解除釦が合成樹脂成型品により一体に形成されたことを特徴とし、複数の解除釦を一体に形成してあるので、部品点数を削減でき、組立性の向上やコストダウンが図れるという効果がある。
【0088】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、器体の側壁は、底部から立設され解除釦の一部と当接することで解除釦の抜けを防止する抜止部を残し、該抜止部よりも前方の部位に操作部を露出させる開口が設けられたことを特徴とし、操作部を露出させる開口をできるだけ大きくとることができるから、操作部の面積を大きくとることができ、手の指で押操作する部分の面積を大きくすることで、押操作時に指に加わる圧力を軽減して、より大きな荷重を加えることが可能になる。
【0089】
請求項10の発明は、請求項8の発明において、器体に2個で1組の電線接続手段が1乃至複数組設けられるとともに、2個の電線接続手段に対して1つの解除釦が設けられており、解除釦の押動部が、対応する2個の電線接続手段の鎖錠部にそれぞれ対向する位置に移動自在に設けられたことを特徴とし、1個の電線接続手段について1個の解除釦を設ける場合に比べて操作部の面積を大きくとることができ、手の指で押操作する部分の面積を大きくすることで、押操作時に指に加わる圧力を軽減して、より大きな荷重を加えることが可能になる。さらに解除釦の押動部を2個の電線接続手段の鎖錠部にそれぞれ対向する位置に移動自在に設けているので、押動部を移動させることで何れか一方の電線接続手段の鎖錠部を選択的に押し動かすことができるから、押操作時に加える荷重が、1個の電線接続手段の解除操作に必要な荷重で済み、小さい力で解除操作が行えるという効果がある。
【0090】
請求項11の発明は、請求項2の発明において、解除釦は、電線の挿入方向に沿ってスライド移動自在に配置されたことを特徴とし、請求項1の発明と同様の効果がある。
【0091】
請求項12の発明は、請求項11の発明において、器体の側面に解除釦の操作部を露出させる開口を設けるとともに、該開口から露出する操作部の部位に手で摘むための操作突起を設け、該操作突起の先端位置が器体の側面よりも後退した位置となるように解除釦を配置したことを特徴とし、操作突起を摘んで解除釦をスライド移動させることによって、電線の解除操作を行うことができ、さらに操作突起の先端位置が器体の側面よりも後退した位置にあるので、器体の表面から外側に突出する部分がなく、外観の見栄えを良くできるという効果がある。
【0092】
請求項13の発明は、請求項11の発明において、器体の側面に開口を設け、該開口から外側に操作部を露出させており、非操作状態において操作部の先端部を器体の底面付近まで突出させたことを特徴とし、器体側面の開口から外側に突出する操作部を、器体の底面付近まで突出させているので、操作部の操作面を大きくとることができ、操作性が向上する。
【0093】
請求項14の発明は、請求項11の発明において、解除釦の操作部を、器体の底面に設けた貫通孔から外方に突出させたことを特徴とし、器体の底面の貫通孔から突出する操作部を前方へ押圧することによって、解除釦をスライド移動させ、押動部で鎖錠部を押し動かしているので、器体側面の開口から露出する操作突起を摘んでスライド移動させる場合に比べて、操作力を加えやすく、より小さい力で解除操作を行うことができる。
【0094】
請求項15の発明は、請求項11の発明において、器体の底面に手の指を入れることが可能な凹部を設けるとともに、該凹部の底に設けた貫通孔から外方に操作部を突出させており、操作部の先端位置が器体の底面よりも後退した位置となるように解除釦を配置したことを特徴とし、凹部の底の貫通孔から突出する操作部を前方へ押圧することによって、解除釦をスライド移動させ、押動部で鎖錠部を押し動かしているので、器体側面の開口から露出する操作突起を摘んでスライド移動させる場合に比べて、操作力を加えやすく、より小さい力で解除操作を行うことができる。そのうえ、操作部の先端位置が器体の底面よりも後退した位置にあるので、器体の底面から外側に突出する部分がなく、外観の見栄えを良くできるという効果もある。
【0095】
請求項16の発明は、請求項1、2又は11の発明において、解除釦の一部と当接することで解除釦をガイドするガイド手段を、解除釦のスライド方向に沿って設けたことを特徴とし、ガイド手段で解除釦をガイドすることによって、解除釦の倒れを防止するとともに、解除釦をスムーズにスライド移動させることができる。
【0096】
請求項17の発明は、請求項1、2又は11の発明において、器体の表面又は操作部の表面の少なくとも何れか一方に文字、絵、記号などで解除釦の操作方向を表示する表示部を形成したことを特徴とし、表示部の表示から解除釦の操作方向を容易に把握でき、誤操作を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を用いたコンセントの分解斜視図である。
【図2】同上を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は下面図である。
【図3】同上の背面図である。
【図4】同上の外観斜視図である。
【図5】同上のボディを示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は下面図である。
【図6】同上のボディの背面図である。
【図7】同上のカバーの正面図である。
【図8】同上のカバーを示し、(a)は背面から見た図、(b)は側面図、(c)は下面図である。
【図9】同上の組立枠を示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は右側面図である。
【図10】同上の電圧極用の導電部材を示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は下面図である。
【図11】同上の電圧極用の導電部材の右側面図である。
【図12】同上の電圧極用の導電部材を示し、図10(a)のA−A断面図である。
【図13】同上の接地極用の導電部材を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は下面図である。
【図14】同上の解除釦を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は上面図である。
【図15】同上の解除釦の外観斜視図である。
【図16】同上の解除釦と端子部の配置を説明する説明図である。
【図17】同上のボディに解除釦と導電部材を組み込んだ状態の断面図である。
【図18】(a)(b)は同上のボディに解除釦と導電部材を組み込んだ状態を下側から見た断面図である。
【図19】同上の要部斜視図である。
【図20】同上の解除レバーを示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は上面図である。
【図21】同上の解除釦を示し、(a)は外観斜視図、(b)は正面図である。
【図22】同上を背面側から見た外観斜視図である。
【図23】(a)は同上の別の解除釦の側面図、(b)はその解除釦を組み込んだコンセントの外観斜視図である。
【図24】同上のまた別の解除釦を組み込んだコンセントの外観斜視図である。
【図25】実施形態2の解除釦の外観斜視図である。
【図26】同上を示し、(a)は解除釦と導電部材の配置を説明する説明図、(b)は解除釦と導電部材をボディに組み込んだ状態の断面図である。
【図27】実施形態3の解除釦を示し、(a)は分解斜視図、(b)は背面側から見た外観斜視図、(c)は斜めに傾けた状態の説明図である。
【図28】実施形態4を示し、(a)は解除釦の外観斜視図、(b)は解除釦を器体に組み込んだ状態の要部拡大斜視図である。
【図29】同上を示し、(a)(b)は解除釦を器体に組み込んだ状態の断面図である。
【図30】同上の別の解除釦の外観斜視図である。
【図31】(a)(b)は同上の解除釦を器体に組み込んだ状態の要部拡大斜視図である。
【図32】実施形態5を示し、(a)は解除釦の外観斜視図、(b)は解除釦を器体に組み込んだ状態の要部拡大斜視図である。
【図33】実施形態6を示し、(a)は解除釦の外観斜視図、(b)は解除釦を器体に組み込んだ状態の要部拡大斜視図である。
【図34】同上を示し、(a)(b)は解除釦を器体に組み込んだ状態の断面図である。
【図35】従来の速結端子装置を用いた配線器具を背面側から見た外観斜視図である。
【符号の説明】
1 器体
2 ボディ
3 カバー
21 端子板
22 接触片
23 鎖錠片
50 解除釦
51 操作片
52 押動部
Claims (17)
- 配線器具の器体の底面に貫設した電線挿入孔を通して器体に導入される電線に接触する端子板と、ばね力を利用して該端子板との間で前記電線を狭持するとともに鎖錠部が該電線に食い込んで抜け止めする電線接続手段と、該電線接続手段による抜け止め状態を解除する解除釦とを備え、前記電線接続手段は前記端子板と一体に形成され、前記端子板は、ばね性を有する金属板の両端部を重なり合うように対向して折り曲げることによって、主片の一端側から器体の底面側に延出した接触片と、主片の他端側から器体の底面側に延出した略J形の鎖錠片とが設けられるとともに、接触片には電線に弾接する平坦な接触部と、電線の挿入方向に沿った接触部の両側において電線を押圧する一対の押圧部が設けられ、前記鎖錠片には、電線を接触部側へ押圧するとともに電線の一部に食い込んで抜け止めする前記鎖錠部が先端に設けられ、前記接触片が設けられた端子板の一方の端部と前記鎖錠片が設けられた端子板の他方の端部とが、器体内に導入される電線から離れる向きに撓み可能であり且つ接触部の電線挿入孔から遠い側の先端部よりも電線挿入孔に近い側の後端部が電線に近付く向きに傾斜するように前記端子板が器体内に収納されてなり、前記解除釦は、前記器体の表面に露出して手動操作される操作部と、当該操作部が押操作されると前記鎖錠部をそのばね力に抗して前記電線から引き離す向きに押し動かす押動部とを具備し、前記器体の内部にスライド移動自在に配置されたことを特徴とする速結端子装置。
- 前記解除釦は、前記鎖錠部が前記端子板に対向する方向に沿ってスライド移動自在に配置されたことを特徴とする請求項1記載の速結端子装置。
- 前記器体は、前面が開口したボディと、ボディの開口に被着されるカバーとで構成され、前記端子板及び前記電線接続手段と、前記解除釦とは、前記解除釦を前記ボディの底部側にして前記ボディに納装されることを特徴とする請求項2記載の速結端子装置。
- 前記器体に複数の電線接続手段並びに複数の解除釦が設けられ、1つの電線接続手段に対して1つの解除釦が設けられたことを特徴とする請求項2記載の速結端子装置。
- 電線接続状態において、前記解除釦の操作部を、電線の非接続状態に比べて押操作方向へ移動可能としたことを特徴とする請求項2記載の速結端子装置。
- 前記操作部の操作面に、外側へ向かって突出する突部を設けたことを特徴とする請求項2記載の速結端子装置。
- 前記突部の位置が前記器体の表面よりも後退した位置となるように前記解除釦を配置したことを特徴とする請求項6記載の速結端子装置。
- 前記器体に複数の電線接続手段並びに複数の解除釦が設けられ、これら複数の解除釦が合成樹脂成型品により一体に形成されたことを特徴とする請求項2記載の速結端子装置。
- 前記器体の側壁は、底部から立設され前記解除釦の一部と当接することで前記解除釦の抜けを防止する抜止部を残し、該抜止部よりも前方の部位に前記操作部を露出させる開口が設けられたことを特徴とする請求項8記載の速結端子装置。
- 前記器体に2個で1組の電線接続手段が1乃至複数組設けられるとともに、2個の電線接続手段に対して1つの解除釦が設けられており、解除釦の押動部が、対応する2個の前記電線接続手段の鎖錠部にそれぞれ対向する位置に移動自在に設けられたことを特徴とする請求項2記載の速結端子装置。
- 前記解除釦は、電線の挿入方向に沿ってスライド移動自在に配置されたことを特徴とする請求項1記載の速結端子装置。
- 前記器体の側面に前記解除釦の操作部を露出させる開口を設けるとともに、該開口から露出する前記操作部の部位に手で摘むための操作突起を設け、該操作突起の先端位置が前記器体の側面よりも後退した位置となるように前記解除釦を配置したことを特徴とする請求項11記載の速結端子装置。
- 前記器体の側面に開口を設け、該開口から外側に前記操作部を露出させており、非操作状態において前記操作部の先端部を前記器体の底面付近まで突出させたことを特徴とする請求項11記載の速結端子装置。
- 前記解除釦の操作部を、前記器体の底面に設けた貫通孔から外方に突出させたことを特徴とする請求項11記載の速結端子装置。
- 前記器体の底面に手の指を入れることが可能な凹部を設けるとともに、該凹部の底に設けた貫通孔から外方に前記操作部を突出させており、前記操作部の先端位置が前記器体の底面よりも後退した位置となるように解除釦を配置したことを特徴とする請求項11記載の速結端子装置。
- 前記解除釦の一部と当接することで前記解除釦をガイドするガイド手段を、前記解除釦のスライド方向に沿って設けたことを特徴とする請求項1、2又は11の何れか1つに記載の速結端子装置。
- 前記器体の表面又は前記操作部の表面の少なくとも何れか一方に文字、絵、記号などで前記解除釦の操作方向を表示する表示部を形成したことを特徴とする請求項1、2又は11の何れか1つに記載の速結端子装置。
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