JP4099874B2 - 異物投入方法および異物検出確認装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックフィルムに代表される連続巻取り材の表面検査装置の性能検証に用いる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、巻取り材のパスライン上に設置して表面を検査する外観検査装置は、検査物を撮像するカメラおよび撮像された映像情報から異常部を検出する処理部、そして出力装置からなる構成のものが一般的に使われている。検査装置の性能を検証するためには巻取り材の搬送方向の上流側で予め、形状や色や光の反射、透過といった光学的特性を考慮した物体を仮想異物として投入し、検査装置の撮像装置の視野を通過させて、検査装置から出力される結果から検査装置の性能を評価している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、治具を使わない仮想異物の投入は投入位置が安定しないため、意図した撮像装置で撮像できなかったり、特にサイズが小さく、明度差の少ない仮想異物の場合、投入する仮想異物の数やその配置状況を一定に揃えることは難しかった。
さらに高速で搬送される巻取り材の上に直接、物体を投入する作業は巻き込み事故の原因ともなり、危険を伴う作業でもあった。
【0004】
本発明はこのような状況に鑑みて提案されたものであり、着脱可能な異物形成ロール上に投入する仮想異物を形成することで巻取り材の搬送速度の影響を受けず、投入する仮想異物の数量や配置作業が容易になり、再現性のある検出確認作業が可能になる。
さらに、仮想異物を異物形成ロール上で形成した時にその数量や配置を撮像する等の方法で予め保存して置くことができる。さらに、異物形成ロールに設置したロータリーエンコーダから巻取り材の搬送状況の情報が得られるため、予め測定しておいた検査装置の撮像装置の視野を通過するタイミングが得られる。このようにして、仮想異物を異物形成ロール上で形成した時に撮像した数量や配置状況を示す画像と、検査装置の撮像装置の視野を通過するタイミングで撮像した映像を比較することで、投入した物体に対する検査装置の検出状況を再現性良く、かつ、精度良く評価することが可能になる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の発明は、巻取り材の移動距離を測定する回転状況監視装置を有し巻取り材を搬送する搬送ロールに対し着脱可能な異物形成ロールが、前記搬送ロールに接触していない状態、かつ/または、巻取り材を静止させた状態において、任意の形状の物体を該着脱可能な異物形成ロール上に形成する段階と、前記物体の形状の静止画を撮像して確認する段階と、該着脱可能な異物形成ロールを搬送ロールに接触させることにより、前記物体を巻取り材上に付着させることを特徴とする異物投入方法である。
【0006】
本発明の第2の発明は、巻取り材を搬送する搬送ロールに対し着脱可能な異物形成ロールと、
前記異物形成ロール上に形成された物体を撮像する確認用撮像装置と、
前記異物形成ロールよりも巻取り材の搬送方向の下流側に配置され、前記異物形成ロール上に形成された物体が付着した巻取り材が視野位置まで搬送されてきたときに撮像および検出を行う外観検査装置と、
前記確認用撮像装置により得られた画像を、記憶する第1の画像メモリ、および表示する第1の表示装置と、
前記外観検査装置から得られた画像を、記憶する第2の画像メモリ、および表示する第2の表示装置と、
を備えることにより、前期外観検査装置の検出の正誤を容易に判定することを可能とした異物検出確認装置である。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の装置構成を、図2は巻取り系に投入する仮想異物を異物形成ロール上に形成した状態を、図3は投入した仮想異物が検査装置の撮像装置の視野を通過する時の状態をそれぞれ示す。図1〜図3において、11は巻取り材、12は巻取り装置の搬送ロール、211は撮像装置a、212は撮像装置b、213は撮像装置c、214は撮像装置d、22は光源装置、23は検査処理部、24は画像メモリA、25は表示装置A、31は異物形成ロール、32は仮想異物、33はエンコーダ、34はエンコーダカウンタ、35はエアシリンダ、36はレール、41は確認用撮像装置、42は画像メモリB、43は表示装置B、51は異物形成ロールが巻取り材に接する点から撮像装置a〜dの視野に達するまでの距離、61は巻取り装置、62は外観検査装置である。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づき説明する。
【0009】
本実施例の異物検出確認装置の全体構成については図1および図2を用いて説明する。
巻取り材(11)を搬送する巻取り装置(61)に設置された巻取り材(11)の外観検査装置(62)は4台の撮像装置a(211)、撮像装置b(212)、撮像装置c(213)、撮像装置d(214)と光源装置(22)および4台の撮像装置a(211)ないし撮像装置d(214)で撮像された映像情報を処理し、異常部を検出する検査処理部(23)、異常部と判断した部分の映像情報を保存する画像メモリA(24)、画像メモリAに保存した映像情報を表示する表示装置A(25)からなっている。
【0010】
巻取り材(11)として厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)フィルムを使用した。また、仮想異物として白色のポリプロピレン樹脂を細かく粉砕したもので大きさの揃ったものを選別し使用した。
【0011】
撮像装置a(211)、撮像装置b(212)、撮像装置c(213)、撮像装置d(214)はラインセンシング方式のCCDカメラを使用した。撮像装置としてはカメラの撮像素子はCCD以外の方式でも使用可能であり、巻取り材の搬送方式によってはエリアセンシング方式のカメラを使うことも可能である。
【0012】
また、本実施例の光源装置は巻取り材(11)の反射照明の構成となっているが、撮像装置a(211)ないし撮像装置d(214)と巻取り材を境界にして対向する側に設置することで、巻取り材(11)の透過光を撮像することが可能である。光源装置(22)はいずれかの位置で使用する以外にも、両者を同時に使用することも可能である。
【0013】
仮想異物を形成する巻取り材(11)を搬送する巻取り装置の搬送ロール(12)に対し着脱可能な異物形成ロール(31)について説明する。異物形成ロール(31)の表面材質としては仮想異物(32)の材質と接着力をもつ材質であると巻取り材に転移しなくなるため、付着力の少ないふっ素系の樹脂ないしゴム、シリコン系の樹脂ないしゴムを用いることが望ましい。
【0014】
異物形成ロール(31)には、異物形成ロールの回転状況を監視するエンコーダ装置(33)が接続されている。さらにエンコーダ装置(33)から出力される回転信号から回転情報に変換する機能と予め設定された回転情報を元に検査処理部(23)に信号出力を行うエンコーダカウンタ装置(34)が接続されている。
【0015】
異物形成ロール(31)の上方には、異物形成ロール(31)に形成した仮想異物(32)を撮像する確認用撮像装置(41)を配置する。確認用撮像装置(41)はエリアセンシング方式のカメラを使用した。
【0016】
仮想異物(32)を確認用撮像装置(41)で撮像した映像情報は画像メモリB(42)に保存され、表示装置B(43)に表示される。
【0017】
異物形成ロール(31)は巻取り材(11)の幅方向に渡したレール(36)上を移動することで仮想異物を検出させたい位置に合わせて固定可能となる。
また、異物形成ロールはエアシリンダ(35)により巻取り装置の搬送ロール(12)との脱着を可能にしている。
【0018】
図2は異物形成ロール(31)上に仮想異物(32)を形成し、巻取り材(11)に投入する直前の状況を示したものである。
【0019】
巻取り材(11)が所定の搬送速度に達したら、外観検査装置(62)を作動させる。
次にエアシリンダ(35)を作動させ、異物形成ロール(31)を巻取り装置の搬送ロール(12)に接触させる。異物形成ロール(31)が巻取り材(11)に接すると、エンコーダ(33)は異物形成ロール(31)の回転情報をエンコーダカウンタ(34)に送る。
【0020】
エンコーダカウンタ(34)には異物形成ロール(31)が巻取り材(11)に接する点から撮像装置a(211)ないし撮像装置d(214)の視野に達するまでの距離(51)に相当する信号値を格納してある。巻取り材(11)に転移した仮想異物(32)は巻取り材(11)と共に外観検査装置(62)の撮像装置a(211)ないし撮像装置d(214)の視野に向かって搬送される。
【0021】
異物形成ロール(31)上に形成した仮想異物(32)を投入した後、外観検査装置(62)の撮像装置a(211)ないし撮像装置d(214)の視野を通過して検出される状態を図3を用いて説明する。
【0022】
エンコーダカウンタ(34)には異物形成ロール(31)が巻取り材(11)に接する点から撮像装置a(211)ないし撮像装置d(214)の視野に達するまでの距離(51)に相当するパルスカウント値があらかじめ設定されており、エンコーダカウンタ(34)のカウント値がこの値が一致した時、検査装置の検査処理部(23)に信号が送られる。
検査処理部(23)は、外観検査装置(62)が作動してから撮像された情報を用いて検査動作を行っている。
【0023】
エンコーダカウンタ(34)より信号が入力されたとき、検査装置の検査処理部(23)は、その時からさかのぼり決められたライン数とその後のライン数分の画像情報を画像メモリA(24)に蓄積し、正常あるいは異常の検査結果情報とともに検査結果表示装置A(25)に表示する。この映像と、すでに確認用撮像装置(41)で撮像されて表示装置B(43)に表示されている、投入前の仮想異物(32)の映像とを、作業者は確認し比較することができる。このようにして、投入された異物に対する外観検査装置(62)の検出動作が、正しいかどうかの評価作業を容易に行うことができた。
【0024】
また、巻取り材(11)に接する点から撮像装置a(211)ないし撮像装置d(214)の視野に達するまでの距離(51)に相当する信号値と異物形成ロール1周分の整数倍の信号値の和に達する毎に検査処理部(23)に信号が送られる様にすることで、1回では完全に転移せず、連続的に投入されてしまう材料、例えば、インキに代表される液状物を仮想異物(32)として使用する場合、連続的に情報を得る事ができる。ここで、異物形成ロール(31)1周分の信号値はエンコーダ1周分のデータと等しいので、改めて格納しておく必要はない。
【0025】
この一連の動作を任意の検査装置の撮像装置a(211)ないし撮像装置d(214)に対して行い、各撮像装置の検出能力について評価を行った。
【0026】
【発明の効果】
本発明の異物投入方法および異物検出確認装置を利用することにより、連続巻取り材の表面を検査する装置の性能検証において、同一形状の仮想異物に対する検出性能を確認することが可能となった。
すなわち、本発明の異物投入方法および異物検出確認装置を利用することにより、連続巻取り材の表面を検査する装置の性能検証において、各カメラの視野の端部ないしは中心部の決められた位置に仮想異物を繰り返し通過させて検査動作を調べることにより、検査装置における検査の安定性を評価することができるようになったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の異物検出確認装置の概略図を示す。
【図2】 本発明で、巻取り系に投入する仮想異物を異物形成ロール上に形成した状態の概略図を示す。
【図3】 本発明で、投入した仮想異物が検査装置の撮像装置の視野を通過する時の状態の概略図を示す。
【符号の説明】
11…巻取り材
12…巻取り装置の搬送ロール
211…撮像装置a
212…撮像装置b
213…撮像装置c
214…撮像装置d
22…光源装置
23…検査処理部
24…画像メモリA
25…表示装置A
31…異物形成ロール
32…仮想異物
33…エンコーダ
34…エンコーダカウンタ
35…エアシリンダ
36…レール
41…確認用撮像装置
42…画像メモリB
43…表示装置B
51…異物形成ロールが巻取り材に接する点から撮像装置a〜dの視野に達するまでの距離
61…巻取り装置
62…外観検査装置
Claims (2)
- 巻取り材の移動距離を測定する回転状況監視装置を有し巻取り材を搬送する搬送ロールに対し着脱可能な異物形成ロールが、前記搬送ロールに接触していない状態、かつ/または、巻取り材を静止させた状態において、任意の形状の物体を該着脱可能な異物形成ロール上に形成する段階と、前記物体の形状の静止画を撮像して確認する段階と、該着脱可能な異物形成ロールを搬送ロールに接触させることにより、前記物体を巻取り材上に付着させることを特徴とする異物投入方法。
- 巻取り材を搬送する搬送ロールに対し着脱可能な異物形成ロールと、
前記異物形成ロール上に形成された物体を撮像する確認用撮像装置と、
前記異物形成ロールよりも巻取り材の搬送方向の下流側に配置され、前記異物形成ロール上に形成された物体が付着した巻取り材が視野位置まで搬送されてきたときに撮像および検出を行う外観検査装置と、
前記確認用撮像装置により得られた画像を、記憶する第1の画像メモリ、および表示する第1の表示装置と、
前記外観検査装置から得られた画像を、記憶する第2の画像メモリ、および表示する第2の表示装置と、
を備えることにより、前期外観検査装置の検出の正誤を容易に判定することを可能とした異物検出確認装置。
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JP26001498A JP4099874B2 (ja) | 1998-09-14 | 1998-09-14 | 異物投入方法および異物検出確認装置 |
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JP26001498A JP4099874B2 (ja) | 1998-09-14 | 1998-09-14 | 異物投入方法および異物検出確認装置 |
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1998
- 1998-09-14 JP JP26001498A patent/JP4099874B2/ja not_active Expired - Fee Related
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