JP4099583B2 - 生コンクリートからの骨材分離方法および当該骨材を利用したコンクリート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリートを使用する工事現場等で不要となった生コンクリートの硬化を阻止するものの凝固を許容し、凝固したコンクリートから、骨材や、砂粒子と凝固すれども硬化していないセメント粒子の混合粉体(以下、単に「混合粉体」という。)を、選択的に取り出し再利用するための方法および当該骨材や混合粉体を利用したコンクリートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンクリートを使用する工事現場等で不要となった生コンクリートの一部は、トラックアジテータにてそのまま生コンクリート製造業者に引き取られ、当該生コンクリート内の砕石、小石や砂はセメント成分と分離され当該砕石、小石や砂は再利用されていた。
【0003】
硬化前の前記生コンクリート内のセメント成分を骨材等と分離するためには、高価で大型の設備と大量の水が必要となり、また当該排水の処理等そのコストは膨大な額になるが、当該コストを削減するために、引き取った生コンクリートを一旦硬化させた後、削岩機やミルなどで破砕し、フルイにかけて再骨材として利用するか、産業廃棄物処理業者に処分を依頼していた。
【0004】
生コンクリートは一般に2時間ないし5時間で硬化を開始し、4週間で所定の硬度(略90%程度)に硬化するものであり、一般に、この4週間で所定の硬度に達しないものは、「硬化しない」と判断される。
【0005】
なお、不要となる生コンクリートは、一般的に、供給された生コンクリートの1%ないし3%に達し、実質的にその量は膨大なものとなっている。
【0006】
また、工事作業日程との関係で生コンクリートの硬化を遅延(1日ないし2日)させるための硬化遅延剤は存在する(特開平10−53444号公報、特開平11−199288号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、硬化前の生コンクリートから骨材等を分離するには莫大な金額の設備と水や排水の処理等に相当高額なランニングコストが必要であり、当該方法によって新骨材等を生成しても当該骨材等のコストは極めて高額とならざるを得ず、事実上当該方法による骨材等の再利用は一部を除き殆ど実施されていなかった。
【0008】
特に、設備は設置してもその稼動に要するランニングコストが高額ゆえに稼動されていない場合が多々見られた。
【0009】
従って、一般的には引き取った生コンクリートを屋外にて一旦硬化させた後、削岩機などで破砕し、産業廃棄物処理業者に処分を依頼していたが、資源再生の観点から好ましいものではなかった。
【0010】
また、一旦硬化したコンクリートを粉砕して骨材(砕石、小石、砂等)を取り出し再骨材として利用しようとしても、当該再骨材の表面には硬化したセメントが付着しており、前記再骨材に新規のセメントを投入しても前記再骨材表面の硬化したセメントが禍し、新規のセメントの接着力を減殺させ、新骨材と同様の強度が担保されず実用に供し難い情況となっている。
【0011】
従って、極めて限られた用途以外には再利用できず、資源の再利用は事実上不可能であったが、現在、バージンの骨材は入手が困難になってきており資源の再利用化は喫緊の課題となっている。
【0012】
特に、平成14年の所謂リサイクル法の全面試行により、骨材の再利用は焦眉の急となっている。
【0013】
また、産業廃棄物処理業者に処分を依頼するにも相当のコストが必要となり、ただでさえ利益の少ない生コンクリート製造業者の経営を圧迫していた。
【0014】
更に、生コンクリート内のセメント成分を骨材と分離するためには、大量の水が必要となるため、水資源の浪費に繋がる虞もあり、また塩基性の高い排水を大量の中和剤を使用して中和処理する必要もあった。
【0015】
なお、従来から存在する硬化遅延剤は、セメントの硬化を遅延させるものの、最終的にはセメントが完全に硬化しなければ目的を達成することができず、もしセメントが完全に硬化しなければ、建築物の一部となるコンクリートが脆弱なものとなって危険となり、使い物にはならないことになる。
【0016】
本発明は、かかる従来の技術の課題に鑑みてなされたもので、水分を含有するセメント即ち生コンクリートを硬化させることなく凝固させ、骨材を極めて容易に取り出し再利用を可能にせんとするものである。
【0017】
なお、生コンクリート中のセメントの硬化を阻止するも当該セメントンの凝固を許容する薬剤については、本発明者が既に特許出願をしている(特願2002−182179号参照)
【0018】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、生コンクリートに、当該生コンクリート中のセメントの硬化を阻止するも当該セメントの凝固を許容する薬剤を投入することによって、凝固するも硬化は阻止されたコンクリートを、非加圧破砕手段によって破砕して、骨材と他の部材に分離し、前記骨材を選択的に取り出すことを特徴する生コンクリートからの骨材分離方法である。
【0019】
本発明では、水分が含有されているセメントに、当該セメントの硬化を阻止する所定量のクエン酸を投入し、当該セメントの凝固を許容するも硬化の阻止を図るので、前記セメントは固形化するも脆弱な状態となるので、非加圧破砕手段によって容易に粉砕することが可能となり、同時に簡単に骨材を分離選択的に取り出すことが可能となる。
【0020】
また、生コンクリートに投入すると、骨材の表面に付着している凝固後のセメントも容易に剥離され、前記骨材を新骨材として再利用することが可能となる。
【0021】
なお、本発明および以下の発明において、「凝固」とは、例えば水分を含有するセメントを所定の型枠に流し込んで28日後に水分が蒸発した状態で、型枠を取り外しても当該セメントが暫定的に当該型枠の形状を保持することをいい、「硬化」と異なる点は、強度発現がなく微細な外力(例えば人間の指先)でも容易に崩れる状態を意味する。
【0022】
また、「硬化」とは、上記28日後に所定の硬度(例えばコンクリートの場合の強度が21N/cm2になる等)に達することをいい、硬化を阻止するということは、28日後も所定の強度に達するのを阻止することを意味する。
【0023】
更に、「非加圧破砕手段」とは、固形化したコンクリート自体に削岩機やコンクリートミルのような強力な装置によって直接的に高圧を付加する手段を使用しないことを意味する。
【0024】
更にまた「骨材」とは、砕石や小石等の砂利を意味し、微細な砂とは異なる概念をいうものとする。
【0025】
第2の発明は、前記第1の発明を前提とし、非加圧破砕手段は、ふるい分け機、遠心分離機、振動装置、ミキサー若しくはバベル研磨装置(ガラリ)である生コンクリートからの骨材分離方法である。
【0026】
本発明では、非加圧破砕手段として、ふるい分け機、遠心分離機、振動装置、ミキサー若しくはバベル研磨装置などの簡便な装置を使用するので、設備投資も安価なものとなる。
【0027】
第3の発明は、前記第1もしくは第2の発明を前提とし、薬剤は、クエン酸もしくはその化合物である骨材分離方法である。
【0028】
一般的なポルトランド系セメントを使用する場合、当該セメント1kg当たり、クエン酸の結晶を5g以上投入すると凝固するも硬化は阻止されるが、セメントの質によって変化することが考えられるので8g以上投入するとより確実に硬化は阻止される。
【0029】
第4の発明は、前記第1ないし第3のいずれかの発明によって選択的に取り出された骨材に、セメントと水を加えて混練することを特徴とする生コンクリートの製造方法である。
【0030】
本発明では、骨材の表面に硬化したセメントが付着していないので、当該骨材にセメントと水を加えて混練することによって通常の生コンクリートを生成することが可能となる。
【0031】
なお、本発明者等が実験した結果では、本発明方法によって生成した生コンクリートによって硬化させたコンクリートは、その表面に光沢があり高品質のものとなることが確認されている。
【0032】
この理由は必ずしも明確ではないが、骨材の表面に、硬化はしていないが凝固しているセメントが若干付着しており、このセメントの微粒子が起因して前述の光沢が生じているものと推察される。
【0033】
第5の発明は、前記第4の発明によって生成された生コンクリートである。
【0034】
前述のように、本発明によって生成された生コンクリートを硬化させたコンクリートは、その表面に光沢があり高品質なものとなるので、仕上げ作業を省略することも可能な場合もある。
【0035】
また、本発明によって生成された生コンクリートを硬化させたコンクリートは強度が非常に高く通常の新骨材を使用したコンクリートよりも高強度のものを実現することが可能となる。
【0036】
第6の発明は、生コンクリートに、当該生コンクリート中のセメントの硬化を阻止するも当該セメントの凝固を許容する薬剤を投入することによって、凝固するも硬化は阻止されたコンクリートを、非加圧破砕手段によって破砕して、骨材と混合粉体に分離し、前記混合粉体を選択的に取り出すことを特徴する生コンクリートからの混合粉体分離方法である。
【0037】
本発明では、水分が含有されているセメントに、当該セメントの硬化を阻止する所定量のクエン酸を投入し、当該セメントの凝固を許容するも硬化の阻止を図るので、前記セメントは固形化するも脆弱な状態となるので、非加圧破砕手段によって容易に粉砕することが可能となり、同時に簡単に混合粉体を分離選択的に取り出すことが可能となる。
【0038】
また、生コンクリートに投入すると、混合粉体を砂として再利用することが可能となる。
【0039】
なお、本発明および以下の発明においても、「凝固」とは、例えば水分を含有するセメントを所定の型枠に流し込んで28日後に水分が蒸発した状態で、型枠を取り外しても当該セメントが暫定的に当該型枠の形状を保持することをいい、「硬化」と異なる点は微細な外力(例えば人間の指先)でも容易に崩れる状態を指す。
【0040】
また、「硬化」とは、上記28日後に所定の硬度(例えばコンクリートの場合の強度が21N/cm2になる等)に達することをいい、硬化を阻止するということは、28日後も所定の強度に達するのを阻止することを意味する。
【0041】
更に、「非加圧破砕手段」とは、固形化したコンクリート自体に削岩機やコンクリートミルのような強力な装置によって直接的に高圧を付加する手段を使用しないことを意味する。
【0042】
更にまた「混合粉体」とは、砂利以外の微細な砂やセメント等の混合物を意味する。
【0043】
第7の発明は、前記第6の発明を前提として、非加圧破砕手段は、ふるい分け機、遠心分離機、振動装置、ミキサー若しくはバベル研磨装置である生コンクリートからの混合粉体分離方法である。
【0044】
本発明では、非加圧破砕手段として、ふるい分け機、遠心分離機、振動装置、ミキサー若しくはバベル研磨装置などの簡便な装置を使用するので、設備投資も安価なものとなる。
【0045】
第8の発明は、前記第6もしくは第7の発明を前提とし、薬剤は、クエン酸もしくはその化合物である混合粉体分離方法である。
【0046】
一般的なポルトランド系セメントを使用する場合、当該セメント1kg当たり、クエン酸の結晶を5g以上投入すると凝固するも硬化は阻止されるが、セメントの質によって変化することが考えられるので8g以上投入するとより確実に硬化は阻止される。
【0047】
第9の発明は、前記第6ないし第8のいずれかの発明によって選択的に取り出された混合粉体に、骨材やセメントおよび水を加えて混練することを特徴とする生コンクリートの製造方法である。
【0048】
本発明では、混合粉体に、セメントと骨材および水を加えて混練することによって通常の生コンクリートを生成することが可能となる。
【0049】
なお、本発明者等が実験した結果では、本発明方法によって生成した生コンクリートによって硬化させたコンクリートは、その表面に光沢があり高品質のものとなることが確認されている。
【0050】
この理由は必ずしも明確ではないが、混合粉体に、硬化はしていないが凝固しているセメントが混入されており、このセメントの微粒子が起因して前述の光沢が生じているものと推察される。
【0051】
第10の発明は、前記第9の発明によって生成された生コンクリートである。
【0052】
前述のように、本発明によって生成された生コンクリートを硬化させたコンクリートは、その表面に光沢があり高品質なものとなるので、仕上げ作業を省略することも可能な場合もある。
【0053】
また、本発明によって生成された生コンクリートを硬化させたコンクリートは強度が非常に高く通常の砂を使用したコンクリートよりも高強度のものを実現することが可能となる。
【0054】
第11の発明は、生コンクリートに、当該生コンクリート中のセメントの硬化を阻止するも当該セメントの凝固を許容する薬剤を投入することによって、凝固するも硬化は阻止されたコンクリートを、非加圧破砕手段にて破砕したものに、セメントと水を加えて混練することを特徴とする再製の生コンクリートの製造方法である。
【0055】
本発明では骨材や混合粉体を分離することなく、凝固するも硬化は阻止されたコンクリートを破砕しただけのものに、セメントと水を加えて混練するだけで再製の生コンクリートを製造することができる。
【0056】
なお、本発明者等が実験した結果では、本発明方法によって生成した再製の生コンクリートを硬化させることによって形成されたコンクリートも、硬度が高くその表面に光沢があり高品質のものとなることが確認されている。
【0057】
この理由も必ずしも明確ではないが、混合粉体に、硬化はしていないが凝固しているセメントが混入されており、このセメントの微粒子が起因して前述の光沢が生じているものと推察される。
【0058】
第12の発明は、前記第11の発明によって生成された再製の生コンクリートである。
【0052】
前述のように、本発明によって生成された再製の生コンクリートを硬化させたコンクリートは、その表面に光沢があり高品質なものとなるので、仕上げ作業を省略することも可能な場合もある。
【0059】
また、本発明によって生成された生コンクリートを硬化させたコンクリートは強度が非常に高く通常の砂を使用したコンクリートよりも高強度のものを実現することが可能となる。
【0060】
【発明の実施の形態】
図1は二段振動ふるいの斜視図、図2は遠心分離機の一部断面正面図である。
【0061】
トラックアジテータ等によって持ち帰られた生コンクリートに、ポルトランド系のセメント1kg当りクエン酸の結晶を8g投入して1分程度混練し、所定の場所に貯留し数日ないし1週間程度放置すると、セメントは凝固はするも硬化せず、凝固したコンクリートは容易に粉砕処理を行い得る状態となる。
【0062】
また、上記の状態で4週間以上放置しても、セメントは凝固はするものの硬化はせず、コンクリートは常に容易に粉砕処理を行い得る状態となる。
【0063】
而して、工事現場等で余った残りの生コンクリートに硬化阻止剤を投入し、数日ないし1週間程度放置した後に、凝固した当該コンクリートを非加圧破砕手段によって容易に破砕することが可能となり、コンクリートの骨材と混合粉体とを選択的に分離し容易に取り出すことができ、当該骨材や混合粉体を個別に再利用することができる。
【0064】
非加圧破砕手段とは、前述のように固形化(凝固するも硬化せず)したコンクリート自体に削岩機やコンクリートミルのような強力な装置によって直接的に高圧を付加する手段を使用しないことを意味し、例えば、ふるい分け機(図1)、遠心分離機(図2)の他、周知の振動装置、ミキサー若しくはバベル研磨装置(例えば、有蓋開口を有するガラリと称されるパンチングメタルにて形成された6角柱状の箱体内に、固形化したコンクリートを投入し、当該6角柱状の箱体をその中心軸線を水平となるような姿勢で回転させると、当該コンクリートは箱体内で容易に破砕され、砂などの細かな粒子はパンチングメタルの多数の貫通孔から外部に排出され、当該貫通孔から排出されない大型の砕石等は蓋を開放し前記開口から取り出される。)などを挙げることができる。
【0065】
なお、これらの装置は周知であるので装置自体の説明は省略するが、例えば図1に示す二段振動ふるいの供給部に、固形化したコンクリートを供給すると、粗粒として大型の砕石が排出され、中粉として小型の小石が排出され、そして細紛として混合粉体が排出されることになり、固形化したコンクリート塊は極めて容易に破砕されると共に骨材と混合粉体等に分離され、当該骨材等を容易に選択的に取り出すことができる。
【0066】
従って、前記骨材や混合粉体を通常の新骨材や砂と同様に、新たな生コンクリートの材料として利用でき、かかる生コンクリートが硬化してなるコンクリートは、通常のコンクリートと比較すると表面に光沢があるばかりでなく、高強度のコンクリートを実現することができる。
【0067】
発明者等の実験結果では、本発明によって取り出された骨材を利用して、呼び強度が21Nの生コンクリートを生成した場合の4週間強度の実測値は31Nであり、呼び強度18Nの生コンクリートを生成した場合の4週間強度の実測値は29Nとなり、通常の新骨材を使用したものよりも相当高強度となることが明確となっている。
【0068】
なお、本発明によって粉砕された固形化コンクリートの断片(骨材と混同粉体の混合物)を、骨材と混同粉体に分離することなく、更にセメントや水を加えて混練して再製の生コンクリートを生成することも可能である。
【0069】
このようにして生成された生コンクリートを硬化させた場合も、上記と同様に通常の新骨材とセメントを使用したものよりも相当高強度となることが明確となっている。
【0070】
【発明の効果】
第1の発明では、水分が含有されているセメントに、当該セメントの硬化を阻止する所定量のクエン酸を投入し、当該セメントの凝固を許容するも硬化の阻止を図るので、前記セメントは固形化するも脆弱な状態となるので、非加圧破砕手段によって容易に粉砕することが可能となり、同時に簡単に骨材を分離選択的に取り出すことが可能となる。
【0071】
また、本発明によって選択的に分離され取り出された骨材を生コンクリートの製造過程に通常の新骨材以上の効果を奏する(高強度、光沢)。
【0072】
従って、不要となった生コンクリートから容易且つ安価に新骨材以上の骨材を取り出すことが可能となり、従来のように大々的な設備や大量の水が不要となって、資源の再生利用に多大な貢献が可能となる。
【0073】
第2の発明では、非加圧破砕手段として、ふるい分け機、遠心分離機、振動装置、ミキサー若しくはバベル研磨装置などの簡便な装置を使用するので、設備投資も安価なものとなる。
【0074】
第3の発明では、薬剤として、クエン酸もしくはその化合物を使用するので、安価で且つ無害である。
【0075】
第4の発明では、骨材の表面に硬化したセメントが付着していないので、当該骨材にセメントと水を加えて混練することによって通常の生コンクリートを生成することが可能となる。
【0076】
なお、本発明者等が実験した結果では、本発明方法によって生成した生コンクリートによって硬化させたコンクリートは、その表面に光沢があり高品質のものとなることが確認されている。
【0077】
第5の発明では、硬化させたコンクリートは、その表面に光沢があり且つ高品質、高強度となるので、仕上げ作業などを省略することが可能となってトータルコストの低減も企図できる。
【0078】
第6の発明では、水分が含有されているセメントに、当該セメントの硬化を阻止する所定量のクエン酸を投入し、当該セメントの凝固を許容するも硬化の阻止を図るので、前記セメントは固形化するも脆弱な状態となるので、非加圧破砕手段によって容易に粉砕することが可能となり、同時に簡単に混合粉体を分離選択的に取り出すことが可能となる。
【0079】
第7の発明では、非加圧破砕手段として、ふるい分け機、遠心分離機、振動装置、ミキサー若しくはバベル研磨装置などの簡便な装置を使用するので、設備投資も安価なものとなる。
【0080】
第8の発明では、薬剤として、クエン酸もしくはその化合物を使用するので、安価で且つ無害である。
【0081】
第9の発明では、混合粉体に、セメントと骨材および水を加えて混練することによって通常の生コンクリートを生成することが可能となる。
【0082】
第10の発明では、硬化させたコンクリートは、その表面に光沢があり且つ高品質、高強度となるので、仕上げ作業などを省略することが可能となってトータルコストの低減も企図できる。
【0083】
第11の発明では、骨材や混合粉体を分離することなく、凝固するも硬化は阻止されたコンクリートを破砕しただけのものに、セメントと水を加えて混練するだけで再製の生コンクリートを製造することができる。
【0084】
従って、骨材や混合粉体を分離する工程不要となって更なるコスト低減を企図し得る。
【0085】
第12の発明でも、硬化させたコンクリートは、その表面に光沢があり且つ高品質、高強度となるので、仕上げ作業などを省略することが可能となってトータルコストの低減も企図できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に利用する二段振動ふるいの斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に利用する遠心分離機の一部断面正面図である。
Claims (4)
- 生コンクリートに、当該生コンクリート中のセメントの硬化を阻止するも当該セメントの凝固を許容する薬剤を投入することによって、凝固するも硬化は阻止されたコンクリートを、非加圧破砕手段によって破砕して、骨材と混合粉体に分離し、前記混合粉体を選択的に取り出し、当該取り出された混合粉体に、骨材とセメントおよび水を加えて混練することを特徴とする生コンクリートの製造方法。
- 請求項1記載の方法によって製造された生コンクリート。
- 生コンクリートに、当該生コンクリート中のセメントの硬化を阻止するも当該セメントの凝固を許容する薬剤を投入することによって、凝固するも硬化は阻止されたコンクリートを非加圧破砕手段にて破砕したものに、セメントと水を加えて混練することを特徴とする再製の生コンクリートの製造方法。
- 請求項3記載の方法によって製造された生コンクリート。
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