JP4099239B2 - GALα1、3GALエピトープを有する抗原性融合タンパク質 - Google Patents

GALα1、3GALエピトープを有する抗原性融合タンパク質 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、吸収による異種反応性ヒト抗ブタ抗体のような外来抗体の除去のための多数のGalα1,3Galエピトープを有する抗原性融合タンパク質に関する。
背景
今日、腎臓または心臓のような、組織または臓器の移植によってのみ治療可能な多くの疾患がある。移植レシピエントと適合する免疫学的マーカーを有する生体ドナーを見つけだすことは時には可能であるが、生体ドナーによる臓器提供は大きなリスクを伴い、ドナーに健康上有害な作用を及ぼす可能性がある。利用可能な生体ドナーがなければ、心拍動のある高品質のヒト死体から臓器を得る必要があり、そして再びドナーとレシピエントの間に良好な免疫学的適合がなければならない。今日の情況は、移植に適したヒト臓器に対する需要が着実に増大しており、移植手技および転帰の継続的改善を考慮すると、需要と臓器の利用可能性の間のギャップは、さらに大きくなっていきそうである。この問題に対する最も有望な可能性ある答えは、異種移植、すなわち異なる種間の組織または臓器の移植である。ヒト患者にとって、ブタは、医療上、実際上、倫理上および経済上の理由から最も適したドナー種と考えられる。
ブタからヒトのような不一致な種間の異種移植における主要な問題は、超急性拒絶(HAR)であり、これにより、移植後数分以内に血流の停止が起こる。他の機構の拒絶がHAR後に起こるとしても、HARさえ防止できれば、患者の免疫系は、順応のプロセスを受けて、その後従来の免疫抑制療法により患者と異種移植片の適合性を維持することができると一般に考えられている。
HARは、ドナー臓器中の内皮上の抗原と反応する、受容種に前もって形成される自然抗体により引き起こされ、補体と内皮細胞の活性化、血栓症、白血球の管外浸出、および最終的に拒絶をもたらす相互作用である。ヒトの自然抗体と反応するブタ抗原は、炭水化物であることが判明した(7〜10);その主なものは、旧世界ザル、サルおよびヒトではα1,3ガラクトシルトランスフェラーゼ(GT)の不活化により発現されないGalα1,3Galエピトープである(10〜12)。
レシピエントの血液から異種反応性抗体を除去または排除するためのいくつかの方法が提案されている。バッハ(Bach)ら(「異種移植(Xenotransplantation)」、ディー・ケイ・シー・クーパー(Cooper,D.K.C.)ら編、シュプリンガー・フェアラーク(Springer Verlag)、1991年、第6章)は、別の新鮮な臓器の移植の前に、提唱されるドナー種の臓器にレシピエント血液を灌流し、それによって抗ブタ抗体を除去することを提案した。
天然の抗体の非特異的除去のためにプラズマフェレシスも提案されており、これによって移植片の生存が延長される(例えば、ケアンズ(Cairns)ら、ライドバーグ(Rydberg)ら)。しかし、従来のプラズマフェレシス、すなわち血漿交換は、血液容積の損失を招き、そして新鮮凍結血漿、ヒトアルブミン、免疫グロブリンなどのプール調製物による容積置換を必要とするかもしれない。さらに、凝固因子、血小板および抗血栓性因子も置換する必要がある。このような処理は、HIVのようなウイルスの移入のリスクをもたらすだけでなく、外来物質に対するアナフィラキシー反応のリスクをももたらす。プラズマフェレシスの他の負の副作用は、レシピエントの感作および補体と凝固系の活性化である。したがって、プラズマフェレシスは、実際的でも安全でもないように思われる。
異種反応性抗体を除去するための他の方法は、非特異的な抗体の除去を伴う。黄色ブドウ球菌(S. aureus)の細胞壁の主要成分であるプロテインAは、免疫グロブリンGのサブクラス1、2および4(IgG1、IgG2、IgG4)のFc領域の一部に対する高い親和性を有しており、腎臓移植を必要とする過感作患者から抗HLA抗体を非特異的に除去するために使用されてきた。腎臓移植後のプロテインAカラム処理の有効性が報告されている(ジェイ・ダンタル(Dantal J.)ら,New England J.Med.550:7−14,1994;アイ・エム・ニルソン(Nilsson, I.M.)ら,Blood 58:38−44,1981;エイ・パルマー(Palmer, A)ら,The Lancet January 7,1989,pp.10−12)。しかし異種移植に関してプロテインAカラム法の使用による本質的な欠点は、IgGのみが除去されるという事実である。最近になって、ブタからヒトへの移植中のHARに関係する抗体は、いくつかの他の免疫グロブリンクラスであることが示された。さらに、非特異的な抗体の除去は、患者の免疫防御の全身的悪化を招くが、こういつたことは、患者が免疫抑制されている移植のようなプロセスの間には当然全く望ましくない。
レーベンタール(Leventhal)ら(WO95/31209)は、ヒトを含む霊長類レシピエントへのブタ臓器の移植後に起こる超急性反応を防止または改善するための方法を提案する。この方法は、レシピエントの血漿を、タンパク質が結合したカラムに通すことであり、このタンパク質が免疫グロブリンに結合し、それによって血漿から免疫グロブリンを除去するものである。タンパク質は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)プロテインA、ストレプトコッカス(Streptococcus)プロテインGおよび抗ヒト免疫グロブリン抗体よりなる群から選択される。この方法は、プロテインAについて上述されたものと同じ欠点を有する。
ヒトの自然抗体と反応するブタ抗原は炭水化物であることが証明されたが、その主要な抗原は、Galα1,3Galエピトープであり、これは、α1,3ガラクトシルトランスフェラーゼの不活化により、旧世界ザル、サルおよびヒトでは発現しない。
最近になって、マッケンジー(McKenzie)らは、α1,3−ガラクトシルトランスフェラーゼcDNAでトランスフェクションしたCOS細胞が、その表面にGalα1,3Gal−エピトープを発現し、ヒト血清からヒト抗ブタ活性の大部分を吸収することができることを示した。
さらに、Galα1,3Gal誘導体化カラムは、ヒト血清から抗ブタ活性を特異的に除去するために使用されており(22)、遊離Galα1,3Gal二糖は、内皮を含むブタ細胞への抗ブタ抗体の結合を防止し(23)、そしてブタ胃ムチンでも同様であることが証明された(24)。しかし、糖類の有機合成は、非常に困難かつ費用のかかる方法であり、さらにかなり時間がかかり、したがって広範な適用可能性は見いだされていない。
HARに加えて、異種移植はなお、遅延型異種移植拒絶(DXR)と呼ばれているプロセスにおいて典型的には数日以内に拒絶される(29)。DXRは、単核細胞活性化および移植片浸潤、さらにはサイトカイン産生を特徴とする(29)。これらの細胞事象に対するGalα1,3Galエピトープの重要性は未知であるが、最近になってヒト抗Galα1,3Gal抗体は、ブタ細胞の抗体依存性細胞障害作用(ADCC)に関係することが証明された。
したがって、ブタ抗体のような外来抗体を、異種移植を受けようとするレシピエントの血液から除去するための、より安価で効率の高い方法のニーズがなお存在している。さらに、異種移植の分野で、DXRを防止するための方法のニーズも存在する。
発明の要約
本発明の目的は、上述のニーズを実現することである。したがって本発明は、多数のGalα1,3Galエピトープを有する抗原性融合タンパク質を提供する。好適な実施態様において、本発明の融合タンパク質は、セレクチンへの結合を媒介しうる多量にグリコシル化されたムチン部分と、免疫グロブリン性を与える部分からなる。本発明の融合タンパク質は、多数のGalα1,3Galエピトープを有しており、これらは、ブタ細胞のような内皮細胞の抗体依存性補体介在性殺傷およびADCCに関係する、抗ブタ抗体のような外来抗体を有効に吸収する。
発明の詳細な説明
本発明は、多数のGalα1,3Galエピトープを有する抗原性融合タンパク質に関する。
すなわち、本発明の抗原性融合タンパク質は、前もって形成される抗体、さらにはGalα1,3Galエピトープが発現される種(該種は、好ましくは抗体産生種とは異なる種である)に由来する移植組織または臓器に応答して産生される抗体に結合することができる。好適な実施態様において、抗体産生種は、外来移植片(例えばブタ臓器)に対する抗体を産生するヒトであり、この場合にGalα1,3エピトープは、ブタ由来のα1,3ガラクトシルトランスフェラーゼにより合成される。移植片は、肝臓、腎臓、心臓などのような臓器、またはその組織であってよい。したがって、本発明の融合タンパク質の最も好適な実施態様において、抗原性融合タンパク質は、ブタ種から誘導されるα1,3ガラクトシルトランスフェラーゼにより合成される多数のGalα1,3Galエピトープを有する。
すなわち、本発明の融合タンパク質は、COS細胞のような遺伝子操作細胞の培養により調製することができるため、従来有機合成により産生された糖類に比べて安価かつ容易に産生できる。Galα1,3Galエピトープをその表面に発現するCOS細胞は報告されている(12)が、本発明は、多数のこのようなエピトープを有する組換え融合タンパク質の最初の提案である。本発明の融合タンパク質は、特定の応用に有利であろう他のペプチドおよび部分を含むように容易に設計することができる。本発明の融合タンパク質の他の成分の例は、以下にさらに詳細に記載される。
すなわち、好適な実施態様において、本発明の抗原性融合タンパク質は、さらにP−セレクチンのようなセレクチンへの結合を媒介する部分を含んでなる。該部分は、好ましくは、ムチン型のタンパク質のような、高度グリコシル化タンパク質である。ムチンは、その高含量のO−結合炭水化物のために、本発明の融合タンパク質でGalα1,3Galエピトープと一緒になって、この情況における抗原性が大きく改善されるため、特に有利である。すなわち、Galα1,3Galエピトープと反応性の抗体の結合は、該エピトープがムチン型のタンパク質により提示されるならばさらに有効であることが証明されたが、このことは、実際の結合には該エピトープ単独より多くのものが関係していることを示している。
本発明の融合タンパク質のこれまでの最も好適な実施態様において、セレクチンへの結合を媒介する部分は、P−セレクチン糖タンパク質リガンド−1(PSGL−1)またはその基本的な部分である。しかし、ムチン型ドメインを含有する他の細胞膜結合タンパク質が解析されており、適宜本発明の融合タンパク質に使用することができる(例えば、CD34、CD43、GlyCAM−1、PSGL−1、MAdCAM、CD96、CD45およびRBCグリコホリン)。本出願の実験の部では、該P−セレクチン糖タンパク質リガンド−1(PSGL−1)がHL−60細胞から誘導される例を示す。理論的には、抗ブタ抗体レパートリーは、分岐点に隣接する、Galα1,3Galエピトープを提示するコア糖類、およびフコースやシアル酸のような他の糖残基への近接により決定される種々の構造中のこのエピトープを認識することができる(31〜33)。Galα1,3Gal二糖類またはGalα1,3Galβ1,4GlcNAc三糖類が吸収物質として使用されるならば、ある特異性のレパートリーは有効に吸収されないかもしれない。
本発明のセレクチン結合を媒介する融合タンパク質の部分の性質、およびその選択に関するさらに別の理由は、以下にさらに考察する(「考察」の項を参照のこと)。
特に有利な実施態様において、本発明の抗原性融合タンパク質は、さらに免疫グロブリン性を与える部分を含んでなる。免疫グロブリン部分は、異種移植片に対する抗体から異種移植のレシピエントの血漿を精製するために使用する固体支持体に、本発明の融合タンパク質を結合する有効かつ単純な方法の設計のために有利である。免疫グロブリン部分はまた、融合タンパク質が、これを分泌する細胞で産生される好ましい場合に本発明の融合タンパク質に含まれてよく、その後培養液から分泌融合タンパク質の精製のために免疫グロブリン部分が使用される。
すなわち、本発明の抗原性融合タンパク質の有利な実施態様により、免疫グロブリン性を与える部分は、IgGまたはその部分のような、免疫グロブリンまたはその部分である。好ましくは、免疫グロブリン性を与える部分は、免疫グロブリン(好ましくはIgG)のFc部、またはその基本的な部分である。本発明の特定の実施態様において、免疫グロブリン性付与部分は、IgG2b、好ましくはそのFc部である。本発明の融合タンパク質の一例において、免疫グロブリン性を与える部分は、非ヒト由来であり、そして好ましくはマウスから誘導される。しかしいくつかの適用については、該部分は、さらに好ましくはヒト由来のものであろう。
本発明の融合タンパク質は、好ましくは組換え融合タンパク質である。これは、ムチン/免疫グロブリン融合タンパク質のcDNAと、ブタα1,3ガラクトシルトランスフェラーゼのcDNAの同時トランスフェクションにより、組換え細胞株、好ましくは真核細胞株(例えば、COS細胞株)で産生される。
本発明の融合タンパク質は、例えば、血漿からの抗体の除去用の吸収物質として使用することができる。用途は、「考察」の項で以下にさらに詳細に考察される。
本発明の別の側面は、上述の融合タンパク質、またはその誘導体または変種をコードするcDNA配列を含んでなるcDNA分子である。
本発明のさらに別の側面は、プライマーなどのような、適切な制御配列と共に上述のようなcDNA分子を含んでなるベクターである。当業者であれば、この末端のための適切な要素を容易に選択することができる。
本発明の別の側面は、上述のベクターでトランスフェクションされた細胞株である。細胞株は、好ましくは真核細胞(例えば、COS細胞)である。好適な実施態様において、該細胞は、本発明の融合タンパク質を培地に分泌しており、このためタンパク質の回収が容易になり、したがってその合成のための対応する方法よりも安価になろう。
本発明の別の側面は、固体支持体に結合した本発明の融合タンパク質からなる吸収物質である。本発明の吸収物質は、ブタ内皮細胞の抗体依存性補体−および細胞−介在性細胞障害作用に関係する抗ブタ抗体を除去するために設定された移植前体外免疫吸収において使用される。
最後に、本発明の最後の側面は、外来抗体から血液を精製するための方法(例えば、ヒト血漿からの抗ブタ抗体の除去)である。本方法は、患者(例えば、ブタ由来の移植を受けることになっている患者)から血漿を回収し、血漿を本発明の融合タンパク質に接触させてそこに抗ブタ抗体を結合させ、それによって抗ブタ抗体を血漿から除去し、その後血漿を患者に再注入することを伴う。本発明の方法は、恐らく融合タンパク質中の大量の炭水化物のために、HARの防止における従来既知の方法よりも効率が高いことが証明された。実際、本方法はまた、本発明の融合タンパク質により除去される抗体のスペクトルが先行技術の方法よりも恐らく広いため、遅延型異種移植拒絶(DXR)の防止にも寄与しうる。
実験
本出願において、以下の略語が使用される:
ADCC、抗体依存性細胞障害作用;BSA、ウシ血清アルブミン;DXR、遅延型異種移植拒絶;ELISA、固相酵素免疫測定法;FT、フコシルトランスフェラーゼ;Gal、D−ガラクトース;GT、ガラクトシルトランスフェラーゼ;Glc、D−グルコース;GlcNAc、D−N−アセチルグルコサミン;GlyCAM−1、グリコシル化依存性細胞接着分子−1;HAR、超急性拒絶;Ig、免疫グロブリン;MAdCAM、粘膜アドレッシン(addressin)細胞接着分子;PAEC、ブタ大動脈内皮細胞;PBMC、末梢血単核細胞;PSGL−1、P−セレクチン糖タンパク質リガンド−1;RBC、赤血球;SDS−PAGE、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
材料と方法
細胞培養。COS−7 m6細胞(35)とSV40ラージT抗原不滅化ブタ大動脈内皮細胞株、PEC−A(36)を、10%ウシ胎児血清(FBS)と25μg/ml硫酸ゲンタマイシンを含むダルベッコー改変イーグル培地(DMEM)に継代接種した。ヒト赤白血病細胞株、K562とバーキットリンパ腫細胞株、RajiをATCCから入手して、10%FBS、100IU/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシンを含むHEPES緩衝化RPMI1640で培養した。
発現ベクターの作成。ブタα1,3GT(37〜39)は、コード配列の5’末端と相補性の6コドン、コザック(Kozak)翻訳開始コンセンサス配列およびHind3制限部位を有する前進プライマー、およびコード配列の3’末端と相補性の6コドン、翻訳停止およびNot1制限部位を有する逆進プライマーを使用して、ブタ脾臓cDNAからPCR増幅した。増幅したα1,3GT cDNAをHind3とNot1を使用してCDM8のポリリンカーにクローン化した(35)。P−セレクチン糖タンパク質リガンド−1(PSGL−1)−P−セレクチンへの結合を媒介する高度グリコシル化ムチン型タンパク質(40)−コード配列をHL−60cDNAライブラリーからPCRにより入手し、Hind3とNot1によりCDM8にクローン化して、DNA配列決定により確認した。PSGL−1の細胞外部分のPCR増幅cDNAを、CDM7中に発現カセットとして含まれるマウスIgG2bのFc部(ヒンジ、CH2およびCH3)と、BamH1部位を介してインフレームに融合することにより、ムチン/免疫グロブリン発現プラスミドを作成した(ビー・シード(Seed,B.)ら、未発表)。
分泌ムチン/免疫グロブリンキメラの産生と精製。DEAE−デキストランプロトコールおよびトランスフェクションカクテル1ml当たり1μgのCsCl−勾配精製プラスミドDNAを使用して、COS m6細胞をトランスフェクションした。空のベクター(CDM8)、単独またはα1,3GTをコードするプラスミドと組合せたPSGL1/mIgG2bプラスミドにより約70%コンフルエンスでCOS細胞をトランスフェクションした。トランスフェクションの翌日、トランスフェクションした細胞をトリプシン処理して、新しいフラスコに移した。約12時間の接着後、培地を廃棄して、細胞は、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で洗浄し、次に無血清AIM−V培地(カタログ番号12030、ライフ・テクノロジーズ社(Life technologies Inc.))でさらに7日間インキュベートした。インキュベーション後、上清を回収し、細胞砕片を遠心(1400×g、20分)し、NaN3を0.02%まで加えた。PSGL1/mIgG2b融合タンパク質をヤギ抗マウスIgGアガロースビーズ(A−6531、シグマ(Sigma))で、一晩4℃で上下を返して精製した。ビーズをPBSで洗浄し、次にSDS−PAGEおよびウェスタンブロット分析のため、またはヒトAB血清および精製ヒト免疫グロブリンの吸収のために使用した。
ヒトIgG、IgMおよびIgAの精製。ヒトIgG、IgMおよびIgAは、健常献血者20名以上からプールしたヒトAB血清から、ヤギ抗ヒトIgG(Fc特異的;A−3316、シグマ(Sigma))、IgM(μ鎖特異的;A−9935、シグマ(Sigma))、およびIgA(α鎖特異的;A−2691、シグマ(Sigma))アガロースビーズを使用して精製した。簡単に述べると、5mlのスラリー(2.5ml充填ビーズ)を直径10mmのカラムに注ぎ入れ、PBSで洗浄した。10mlのヒトプールAB血清をペリスタポンプを使用して1ml/分で適用し、数カラム容量のPBSで洗浄して、1ml/分の流速を利用して0.1Mグリシン、0.15M NaCl、pH2.4で溶出した。1ml画分を、0.7mlの中和緩衝液(0.2Mトリス/HCl、pH9)を含有する試験管に回収した。分光光度計により280nmで吸光度を読んで、タンパク質を含有する試験管をプールし、1%PBSに対して透析して、凍結乾燥した。凍結乾燥免疫グロブリンは、蒸留水に再懸濁して、濃度を、IgGでは16mg/ml、IgAでは4mg/ml、そしてIgMでは2mg/mlに調整した。
SDS−PAGEおよびウェスタンブロッティング。SDS−PAGEは、5%積層ゲルおよび6または10%分離ゲルにより、垂直ミニ−プロテアンII(Mini-PROTEAN II)電気泳動システム(バイオ・ラッド(Bio-Rad)、ハーキュラス(Herculus)、カリホルニア州)を用いてリームリ(Leammli)の方法により流した(41)。分離されたタンパク質は、ミニ・トランス−ブロット(Mini Trans-Blot)電気泳動転移セル(バイオ・ラッド(Bio-Rad)、ハーキュラス(Herculus)、カリホルニア州)を用いて、電気泳動によりハイボンド(Hybond)(登録商標)−C特別膜(アマーシャム(Amersham))にブロットした(42)。タンパク質ゲルは、銀染色キットを製造業者(バイオ・ラッド(Bio-Rad)、ハーキュラス(Herculus)、カリホルニア州)の指示により使用して染色した。少なくとも2時間PBS中の3%BSAでブロッキング後、膜を室温で2時間、0.2mMCaCl2を含有するPBS(pH6.8)に1μg/mlの濃度まで希釈したペルオキシダーゼ結合バンデレイア・シンプリチフォリア(Bandereia simplicifolia)イソレクチンB4(L−5391、シグマ(Sigma))によりプローブ結合した。膜をPBS(pH6.8)で5回洗浄して、結合レクチンは、イーシーエル(ECL)(登録商標)キットを製造業者(アマーシャム(Amersham))の指示により使用して化学ルミネセンスにより視覚化した。
抗マウスIgG Fc ELISAによるPSGL1/mIgG2bの定量。吸収の前後の細胞培養液上清中の融合タンパク質の濃度は、96ウェルELISA測定法により測定したが、ここで、融合タンパク質は、親和性精製されたポリクローナルヤギ抗マウスIgG Fc抗体(カタログ番号55482、カッペル/オルガノンテクニカ(Cappel/Organon Teknika)、ダラム、ノースカロライナ州)で捕捉した。PBS中の3%BSAでブロッキング後、融合タンパク質は、O−フェニレンジアミン二塩酸塩(シグマ(Sigma))を基質として使用して、ペルオキシダーゼ結合した親和性精製ポリクローナル抗マウスIgG Fc抗体(カタログ番号55566、オルガノンテクニカ(Organon Teknika)、ダラム、ノースカロライナ州)で捕捉して検出した。プレートを492nmで読んで、AIMV無血清培地に再懸濁した精製マウスIgG Fc断片(カタログ番号015−000−008、ジャクソン・イムノリサーチ・ラブズ社(Jackson Immuno-Research Labs., Inc.)、ウェストグローブ(West Grove)、ペンシルバニア州)の希釈系列を使用してELISAを較正した。
ブタ大動脈内皮細胞ELISA。PEC−A細胞を、ゼラチンコーティングした96ウェルプレート(ヌンクロン(Nunclon)、デンマーク)に15000細胞/ウェルの密度で接種し、AIM V無血清培地で48時間培養した。プレートを、0.02%トゥイーン20を含有する0.15M NaClで5回洗浄して、PBS中の50μl/ウェルの精製ヒトIgG、IgM、およびIgAと共に(それぞれ8、1、および2mg/mlの濃度から出発して)室温で1時間インキュベートした。プレートを再度上記のように洗浄し、PBSに1:200希釈した50μlのアルカリホスファターゼ結合ヤギ抗ヒトIgG(γ鎖特異的;A3312、シグマ(Sigma))、IgM(μ鎖特異的;A1067、シグマ(Sigma))およびIgA(α鎖特異的;A3062、シグマ(Sigma))F(ab)’2断片を加えて、室温で1時間インキュベートした。プレートを上記のように洗浄し、基質のリン酸p−ニトロフェニル(シグマ(Sigma)104−105)と共にインキュベートして、405nmで読んだ。
ブタ大動脈内皮細胞の細胞障害性測定法。PEC−A細胞を、PEC−A ELISAに関して上述したように96ウェルプレートに接種して培養した。48時間の培養後、細胞にNa2 51CrO4(カタログ番号CJS4、アマーシャム(Amersham))1μCi/ウェルを37℃で1時間載せて、AIM V培地で3回洗浄した。50μlの連続希釈した、吸収したかまたは吸収していないヒトAB血清または精製ヒトIgG、IgA、またはIgM抗体を、補体の供給源として50μlのウサギ血清(カタログ番号439665、バイオテスト社(Biotest AG)、ドライアイヒ(Dreieich)、ドイツ)と一緒に加えた。5%CO2雰囲気で37℃で4時間インキュベーション後、スカトロン(Skatron)上清回収システム(スカトロ・インスツルメンツ(Skatro Instruments)、ノルウェー)を使用して上清を回収し、γ−カウンター(1282コンピュガンマ(Compugamma)、エルケービー・ワラック(LKB Wallac))で分析した。各血清およびIg試料は、三重測定で分析した。殺傷パーセントは、(測定値−自発放出)/(最大放出と自発放出の間の差)として計算した。
抗体依存性細胞障害作用(ADCC)。ヒトPBMCを、ストックホルムのサウス(South)病院の血液銀行で健常ドナーから調製した新鮮バフィーコートから単離した。6mlのバフィーコートを50mlポリプロピレン試験管内で、1mg/mlBSAと3.35mg/mlEDTAを含有する15mlのPBSと混合した。500×gで10分間遠心分離後、多血小板上清を廃棄して、6mlの下相を6mlのハンクス液(Hank’s balanced salt solution)(HBSS)と混合し、6mlのリンホプレップ(Lymphoprep)(登録商標)(ナイコメド・ファーマ社(Nycomed Phama AS))と共に下層にした。遠心分離(800×g、20分)後、界面を新しい試験管に移して、HBSSで3回洗浄し、無血清AIM V培地に再懸濁した。エフェクター細胞調製物による最終工程は、PBMCを、プラスチック付着細胞を除去するために37℃および5%CO2で1時間インキュベートした組織培養フラスコに移すことであった。標的細胞は、上述の様に維持したK562およびRaji細胞か、または測定の前日にトリプシン処理し、次にAIM V無血清培地で培養してプラスチック表面への再付着を防止したPEC−A細胞とした。測定時にPEC−A細胞は、フラスコの底から洗い出した。標的細胞にNa2 51CrO4、100μCi/1×106細胞を37℃で1時間載せ、HBSSで3回洗浄して、AIM Vに再懸濁し、5×104/mlの最終濃度とした。5000標的細胞を、10%加熱不活化ヒトAB血清を含むかまたは含まない200μl AIM V培地中のエフェクター細胞と共に、エフェクター(E):標的(T)比50:1から2倍希釈で6.25:1の範囲で各ウェルに加えた。
エフェクター細胞を含まない200μl AIM V培地中でインキュベートした5000標的細胞を含むウェルで自発放出を読み、100μl AIM V中の5000標的細胞を100μlの5%トリトンX−100と共にインキュベートしたウェルで最大放出を読んだ。各E:T比は、三重測定で分析した。37℃で4時間インキュベーション後、上清はスカトロン(Skatron)上清回収システムム(スカトロ・インスツルメンツ(Skatro Instruments)、ノルウェー)を使用して回収し、γ−カウンター(エルケービー・ワラック(LKB Wallac))で分析した。殺傷パーセントは、(測定値−自発放出)/(最大放出と自発放出の間の差)として計算した。
結果
PSGL1/mIgG2b融合タンパク質の発現と解析。ベクタープラスミドCDM8、PSGL1/mIgG2bプラスミド、またはブタα1,3GTと一緒のPSGL1/mIgG2bプラスミドでトランスフェクションしたCOS−7 m6細胞からの上清は、トランスフェクションの約7日後に回収した。分泌ムチン/Ig融合タンパク質は、抗マウスIgGアガロースビーズで吸収により精製して、バンデレイア・シンプリチフォリア(Bandereia simplicifolia)イソレクチンB4(BSA IB4)を検出のために使用する、SDS−PAGEおよびウェスタンブロッティングに付した。図1に示されるように、還元条件下で、銀で比較的充分に染色されない145kDaの見かけ分子量の広いバンドとして融合タンパク質は泳動した。約125〜165kDaという大きさの不均一さ、および不充分な染色性は、高度グリコシル化ムチン型タンパク質の性質に関する従来の観察に一致する(43、44)。非還元条件下のSDS−PAGEで、250kDa以上の見かけ分子量の二重バンドが明らかになったため、融合タンパク質はホモ二量体として産生される可能性が最も高い。それぞれ単独またはα1,3GTプラスミドと一緒のPSGL1/mIgG2bプラスミドでトランスフェクションした同数のCOS細胞から誘導した2つの上清から親和性精製した融合タンパク質の量は、同程度であった。電気ブロットした膜をBSA IB4でプローブ結合すると、ブタα1,3GTで同時トランスフェクションにより得られた融合タンパク質の強い染色が現れた(図1)。しかし、α1,3GT cDNAの同時トランスフェクションなしにCOS−7 m6細胞で産生されるPSGL1/mIgG2b融合タンパク質もBSA IB4レクチンで弱い染色を示すことは、COS細胞が、類人猿(Simian monkey)(α1,3GT活性を欠いている旧世界ザル)から誘導されるという事実にも関わらず、明らかである。このことは、BSA IB4レクチンが、Galα1,3Galエピトープだけよりもわずかに広い特異性を有することを示している(45)。それにもかかわらず、ブタα1,3GT cDNAの同時トランスフェクションは、高度Galα1,3Gal置換PSGL1/mIgG2b融合タンパク質の発現を支持した。
トランスフェクションしたCOS細胞の上清中、および吸収後のヤギ抗マウスIgGアガロースビーズ上のPSGL1/mIgG2bキメラの定量。サンドイッチELISAを利用してトランスフェクションしたCOS細胞の上清中のPSGL1/mIgG2bの量を定量した。典型的には、70%コンフルエンスでCOS細胞を含む5つの培養フラスコ(260mlフラスコ、ヌンクロン(Nunclon)(登録商標))をトランスフェクションして、材料と方法に記載されたようにインキュベートした。フラスコ当たり10mlのAIM V培地中で7日のインキュベーション期間の後、培地を回収した。このようなトランスフェクションからの上清中の、さらには抗マウスIgGアガロースビーズの100μlゲルスラリー(50μl充填ビーズに対応する)による吸収後の異なる容量の上清中の融合タンパク質の濃度を、精製マウスIgG Fc断片で較正したELISAにより測定した(図2)。上清中のPSGL1/mIgG2bの濃度は、150〜200ng/μlであり、この特定の実験では約160ng/μlであった(図2A、非吸収カラム)。50μl充填抗マウスIgGアガロースビーズによる吸収後の2、4および8mlの上清中に残ったPSGL1/mIgG2bの濃度は、それぞれ32、89および117ng/μlであった。これは、260、290および360ngのPSGL1/mIgG2bが、それぞれ2、4および8mlの上清から50μl充填抗マウスIgGアガロースビーズに吸収されたことに対応する。ビー・シンプリチフォリア(B. simplicifolia)IB4レクチンによるウェスタンブロット分析により、50μlの充填ビーズは、1ml上清から検出限界未満に、そして2mlからようやく検出可能なレベルにPSGL1/mIgG2b融合タンパク質を吸収できることが明らかになった(示していない)。
固定化したGalα1,3Gal置換PSGL1/mIgG2bの吸収能力。単独またはブタα1,3GT cDNAと一緒のPSGL1/mIgG2bプラスミドでトランスフェクションしたCOS細胞からの20mlの上清を、それぞれ抗マウスIgGアガロースビーズの500μlゲルスラリーと混合した。充分な洗浄後、100μlのゲルスラリー(50μl充填ビーズ)を0.25、0.5、1.0、2.0および4.0mlのプールした補体枯渇ヒトAB血清と混合するように、ビーズを等分して、4℃で4時間上下を返した。PSGL1/mIgG2bおよびGalα1,3Gal置換PSGL1/mIgG2bによる吸収後、ブタ内皮細胞の細胞障害性に関してウサギ補体の存在下で4時間の51Cr放出測定法を使用して、血清を測定した(図3)。図3に示されるように、約300ngのPSGL1/mIgG2b(上記を参照のこと)を有する100μlのビーズは、各希釈工程において4および2mlのAB血清の細胞障害性を低下させることができ、1ml以下のヒトAB血清に存在する細胞障害性を完全に吸収することができる。同量の非Galα1,3Gal置換PSGL1/mIgG2bは、0.25mlの吸収されたヒトAB血清の細胞障害性を非常にわずかにしか低下させないことに注意されたい(図3)。
補体依存性ブタ内皮細胞の細胞障害性および結合に及ぼすGalα1,3Gal置換PSGL1/mIgG2bの作用。PSGL1/mIgG2bが個々のヒト免疫グロブリンクラスを吸収することができる効率を調査するために、ヒトIgG、IgMおよびIgAを、抗ヒトIgG、IgMおよびIgAアガロースビーズで免疫親和性クロマトグラフィーによりヒトAB血清から精製した。単離後IgAは、抗IgGおよびIgMカラムを通して痕跡量のIgGおよびIgMを除去した。この手順を他のIgクラスに関しても同様に実施した。Ig画分純度は、SDS−PAGEによりチェックした(図4)。正常血清で認められる濃度では、ヒトIgGおよびIgMは、ウサギ補体の存在下でPEC−Aに対して細胞障害性であったが、IgAでは細胞障害性ではなかった(図5)。IgGおよびIgM画分に存在する細胞障害性は、Galα1,3Gal置換PSGL1/mIgG2bによる吸収により完全に除去された。IgA画分により示される細胞障害性の欠如は、ヒトIgA抗体のPEC−Aへの結合の欠如によるものであるかどうかを調査するために、細胞障害性測定法で使用した同じIg画分により細胞ELISAを行い、結合IgG、IgMおよびIgAを検出した。アルカリホスファターゼ結合クラス特異的F(ab)’2断片を二次抗体として使用した。IgGおよびIgMの細胞障害性は、Galα1,3Gal置換PSGL1/mIgG2bによる吸収により完全に除去されたが、結合は、IgGでは70%以上低下することはなく(30〜70%の範囲)、そしてIgMでは55%以上低下することはなかった(10〜55%の範囲)(図5)。ヒトIgAは、明らかにPEC−Aに結合し、この結合は、Galα1,3Gal置換PSGL1/mIgG2bによる吸収により、わずかに低下しただけだった(29%未満)。したがってIgA画分の細胞障害性の欠如は、IgA画分がPEC−Aに結合できないことにより説明することはできなかったが、補体を活性化できないことに帰すことができるであろう。
ブタ内皮細胞のADCCに及ぼすGalα1,3Gal置換PSGL1/mIgG2bの作用。PEC−Aが、K562およびRaji細胞に比較して、新たに単離したPBMCによる直接殺傷に対して中程度の感受性を示した、無血清条件下でいくつかの測定を行った;ヒトNK細胞による殺傷に対してK562は感受性であり、Rajiは非感受性である(図6A)。10%ヒト補体不活化AB血清の存在下で、殺傷速度はほぼ2倍になったが、このことは、以前に発表されたデータ(30)と一致してインビトロのADCC作用(図6B)を支持している。しかし、血清が、全てのPEC−A細胞障害性抗体を除去することが知られている条件下でGalα1,3Gal置換PSGL1/mIgG2bで吸収される(上記を参照のこと)と、殺傷速度は、無血清条件下で見られたよりわずかに低いレベルまで低下する。これに反して、Galα1,3GalエピトープのないPSGL1/mIgG2b融合タンパク質自体は、ヒトAB血清の存在下で殺傷速度を上昇させたものを吸収できなかった(図6B)。これらのデータは、Galα1,3Gal特異性を有する抗ブタ抗体が、抗体依存性細胞介在性細胞障害作用をインビトロで支持することができ、そしてGalα1,3Gal置換PSGL1/mIgG2b融合タンパク質が、補体固定細胞障害性抗ブタ抗体を有効に除去するのと同様に、これらの抗体を有効に除去することができるという概念を支持する。
図面の説明
図1。ベクター単独(CDM8)、PSGL1/mIgG2b、またはPSGL1/mIgG2bとブタα1,3GT発現プラスミドでトランスフェクションしたCOS細胞の上清から単離したタンパク質の6パーセントSDS−PAGE。融合タンパク質の免疫親和性精製のために抗マウスIgGアガロースビーズを使用した。充分に洗浄後、ビーズを試料緩衝液中で還元および非還元条件下で煮沸して吸収したタンパク質を放出させた。同時に流したゲルは、銀染色したか、またはニトロセルロース膜への分離タンパク質の電気泳動による移動のために使用した。これらは次にペルオキシダーゼ結合バンデレイア・シンプリチフォリア(Bandereia simplicifolia)イソレクチンB4レクチンでプローブ結合して、化学ルミネセンスにより視覚化して、免疫精製したタンパク質上のGalα1,3Galエピトープを検出した。220、97および66kDaの分子量タンパク質のゲル泳動距離を左側に示す。
図2。50μlの抗マウスIgGアガロースビーズによる吸収の前後のトランスフェクションしたCOS細胞上清の容量を増大させて、PSGL1/mIgG2b融合タンパク質濃度の抗マウスIgG Fc ELISAによる定量。三重測定で試料を分析した。
図3。51Cr−放出測定法で概算して約300ngのGalα1,3Gal−または非−置換PSGL1/mIgG2bを有する50μlの抗マウスIgGアガロースビーズで吸収後のヒトAB血清の異なる容量による抗体依存性補体介在性PEC−A細胞の細胞障害性。
図4。免疫親和性精製したヒトIgG、IgM、およびIgAの10パーセントSDS−PAGE。4μgの各試料を還元および非還元条件下で流して、銀染色によりタンパク質を視覚化した。220、97、66、46および30kDaの分子量タンパク質のゲル泳動距離を左側に示す。
図5。Galα1,3Gal置換PSGL1/mIgG2bによる吸収の前後の免疫親和性精製したヒトIgG、IgMおよびIgAの抗体依存性補体介在性PEC−A細胞の細胞障害性は、51Cr−放出測定法により調査した(右側Y軸;殺傷%)。Galα1,3Gal置換PSGL1/mIgG2bによる吸収の前後の免疫親和性精製したIgG、IgMおよびIgAのPEC−A細胞結合は、細胞ELISAで概算した(左側Y軸;405nmの光学濃度)。吸収および非吸収Ig画分で同時に2つの測定を実施した。異なるIgクラスの濃度は、ヒト血清に通常認められる濃度の最大の約半分になるように選択した。
図6。K562、RajiおよびPEC−A細胞に及ぼすヒトPBMCの直接細胞障害作用(無血清条件)、および加熱不活化ヒトAB血清の添加による殺傷に及ぼす増強作用を4時間の51Cr−放出測定法で調査した(グラフA)。PEC−A細胞の抗体依存性細胞障害性に及ぼす加熱不活化ヒトAB血清の作用は、それぞれGalα1,3Gal−および非−置換PSGL1/mIgG2bによる吸収の前後に4時間の51Cr−放出測定法で試験した(グラフB)。
考察
HARを防止するための方策を開発するために研究の3つの主要な方法が使用されてきた。(i)抗ブタ抗体を除去または中和するための方法、(ii)補体活性化を妨害するための方法、および(iii)Galα1,3Gal決定基を除去または修飾するための方法が、インビトロの測定、エクスビボの臓器灌流およびブタから霊長類への移植において試験されてきた。
移植前ブタ臓器灌流(46)、プラズマフェレシス(13、14、20)、免疫吸収(13、14、17)、および固相に結合した合成で調製したGalα1,3Gal含有オリゴ糖による吸収(22)は、抗ブタ抗体を除去するために使用されてきた。最近、ブタ胃ムチンから誘導されたオリゴ糖は、抗Galα1,3Gal特異的抗体、およびそのため抗ブタ細胞障害性を効率よく除去することが証明された(24)。循環内の抗ブタ抗体をブロックするための遊離糖類の注射は、HARを防止するために使用される代替経路である。炭水化物の静脈注射療法は、ABO不適合、ヒヒにおける異所性心臓同種移植モデル(47)およびABO溶血性疾患の新生児(48)に使用して成功した。4gの遊離の血液型三糖類のボーラス注射後に500mg/時間に対応する速度でこの三糖類を注射すると、レシピエントのヒヒには何ら有害な作用は認めなかった(47)。抗ブタ抗体を中和するために遊離のGalα1,3Gal含有糖類がインビトロで使用されてきた(23)が、ブタから霊長類への異種移植モデルに使用するために充分な量の合成Galα1,3Gal含有オリゴ糖類は、今のところ利用可能ではない。しかし、インビトロでブタPK15細胞に及ぼすヒヒ血清の毒性作用を防止するため、および移植ヒヒにおけるブタ心臓異種移植片の生存を延長するために、高濃度のメリビオース(Galα1,6Glc)またはアラビノガラクタン(非還元性α−D−ガラクトースを含有する天然植物多糖)が使用されてきた(49)。この炭水化物の致死性毒性作用がこの研究において観察された(49)。Galα1,3Gal構造を模倣するペプチド(50、51)および天然ヒト抗ブタ抗体に共通のイディオトープに対するマウスモノクローナル抗イディオタイプ抗体(52)は、抗ブタ抗体を吸収またはブロックするために使用することができる新しい試薬である。さらに、抗μ鎖抗体は、異種反応性IgM抗体を枯渇させるためにモルモットからラットの異種移植モデルにインビボで使用されてきた(15、16)−ブタから霊長類の組合せにおけるさらなる研究を保証する方策である。
補体活性化を混乱させるために、そしてそのためブタから非ヒト霊長類の移植における異種移植片の生存を延長するために、コブラ毒因子(20)および可溶性補体受容体1型(21)が使用されてきた。種限定補体調節タンパク質CD55およびCD59のヒト配列をコードするcDNAがブタ内皮で発現される、トランスジェニックブタが作成された(53〜55)。トランスジェニックブタからの臓器は、ヒト血液による臓器灌流後または非ヒト霊長類への移植後、HARを起こしにくいことが証明された(56〜59)。
HARを防止するための最も新しいアプローチは、ブタ内皮上のGalα1,3Galエピトープの発現の調節である。サンドリン(Sandrin)とマッケンジー(McKenzie)は、同じ前駆体炭水化物に関して内因性α1,3ガラクトシルトランスフェラーゼと競合するα1,2FTのようなグリコシルトランスフェラーゼの発現が、ブタLLC−PK1細胞へのトランスフェクションによるGalα1,3Galエピトープの発現を防止することを示唆および証明した(26)。その結果これらの細胞は、抗体介在性補体依存性細胞溶解に対して感受性が低くなった(26)。最近、2つの別個のグループが、この血液型Hα1,2FTを発現するトランスジェニックブタの作成を報告しているが、抗体介在性細胞障害性に対するこれらのブタから誘導される内皮の感受性に関して何のデータも報告されていない(27、28)。
我々は、安価に大量に製造することができ、かつ固相に容易に結合して、ブタ臓器異種移植の前に抗ブタ抗体を除去するためのヒト血液の体外免疫吸収を促進することのできる、新規で効率的な吸収物質の作成および製造を記載する。大量のGalα1,3Galエピトープを有する高度グリコシル化組換えタンパク質の製造を可能にするために(図1)、我々は、膜固定型ムチンの細胞外部分PSGL−1(40)をコードするcDNAを、マウスIgGのFc部と融合することによりキメラタンパク質を作成し、そしてこれをブタα1,3GTと同時発現させた。ムチンは、全ての粘膜を覆うゲルである粘液の主要な成分である。ムチンの物理的特徴は、その高含量のO−結合炭水化物(通常MWの60%を超える)による。ムチン型ドメインを含有するいくつかの細胞膜固定型タンパク質が解析されている:特にCD34、CD43、GlyCAM−1、PSGL−1、MAdCAM、CD96、CD45、およびRBCグリコホリン(43、44)。この群のタンパク質は、これらの多くが接着分子のセレクチンファミリーの炭水化物リガンドを有することが示されたために、注目を浴びてきた;CD34、MAdCAMおよびGlyCAM−1は、L−セレクチンにより認識される炭水化物エピトープを有しており、そしてPSGL−1は、E−およびP−セレクチンの両方により認識されるエピトープを有する(60)。2つの理由から、我々は融合パートナーとしてPSGL−1細胞外部分を選択した。第1に、これが、このファミリーのタンパク質の中で知られている最も長いムチンドメインの1つを持ち、そのため最も多くのO−結合炭水化物を有することが期待される(44、60)。第2に、PSGL−1は、E−セレクチンの機能性リガンドであるばかりでなく、シアリル−LeXをP−セレクチンに提示することが知られている、これまでに同定された唯一のタンパク質骨格である(61)。そのため、P−およびE−セレクチン介在性接着を阻害するためにシアリル−LeXを発現する融合タンパク質を作成しようとすれば、これは、PSGL−1細胞外部分を含有するばずである。我々は、現在Galα1,3Galとシアリル−LeXの両方を発現し、それによって二重インヒビター(抗ブタ抗体を中和する一方の部分、および異種移植拒絶における白血球管外浸出に必須であろうE−およびP−セレクチン依存性ローリングを防止するもう一方の部分)の特徴を示す融合タンパク質の作成可能性を検討している。
移植用のブタ臓器が容易に入手可能な異種移植の情況では、レシピエントは、抗ブタ抗体を除去してHARを防止するために体外免疫吸収により準備することができる。代替の方策を選択することができる(上記を参照のこと)が、抗ブタ抗体の特異的な除去は、プラズマフェレシスやプロティンA吸収に比較すると、液性免疫に関して患者をより好ましい状態にするであろう。したがって、抗ブタ抗体自体により認識されるエピトープを含有する免疫吸収媒体は理想的であろう。Galα1,3Gal含有二糖および三糖類の製造は、困難で費用がかかるが、有機合成と酵素合成の組合せにより、操作が単純になり安価になった(34)。さらには、ヒト抗ブタ抗体レパートリーの特異性がGalα3Galβ4GlcNAcエピトープだけよりも広がることは期待できそうもない、すなわち、認識は、分岐点および単糖類に隣接するコアの糖鎖、さらには硫酸化のような修飾により調節することができる。これに関連して、ブタα1,3GT自体の作用により修飾されるグリコシル化組換え糖タンパク質を使用して、Galα1,3Gal含有構造のより自然な配列が生じるほうがよい。300ngの我々の融合タンパク質は、1mlのヒトAB血清からブタ内皮細胞の細胞障害性抗体を完全に除去することができた(図3)が、これを、固相に結合した1gのオリゴ糖を3mlのヒトAB血清を吸収するために使用した他の研究と比較されたい(23)。しかし、吸収能力における差を述べるには直接比較が必要である。Galα1,3Gal含有決定基の多価発現のため、および種々の構造においてエピトープの発現が可能であり、ヒト抗ブタレパートリーのより広いスペクトルの吸収を促進するために、本融合タンパク質は効率的である可能性がある。最近のブタ胃ムチン由来オリゴ糖による研究は、多価性が吸収有効性にとって重要であることを示している(24)。
ヒトIgG、IgMおよびIgAを、プールしたヒトAB血清から精製(図4)して、ブタ大動脈内皮細胞への結合、およびこれに対する細胞障害性を調査し、そして本融合タンパク質のIgクラス特異的吸収効力を評価した(図5)。8mg/mlのヒトIgGおよび1mg/mlのIgMのPAEC細胞障害性は、Galα1,3Gal置換PSGL1/mIgG2bにより完全に除去された。しかし、細胞障害性測定と同じ抗体調製物のアリコートを使用してPAEC ELISAで概算すると、結合は完全には無くならなかった。これが、抗体介在性細胞障害作用を誘導することができない、PAECエピトープ上のGalα1,3Gal以外のエピトープへの残存IgGとIgMの結合を表すか、Fc受容体結合であるか、またはただの非特異的非機能性結合であるかは、今のところ知られていない。我々のデータでは、精製IgAは、明らかにPAECに結合したが、PAECに対して細胞障害性ではなかった(図5)。これは、シャープハーダー(Schaapherder)らによる以前の研究とは対照的であり、彼らは、補体活性化の代替経路を介する二量体ヒトIgAによる細胞障害性を証明した(62)。しかし、彼らはヒト無ガンマグロブリン血症ドナーからの血清を補体供給源として使用したが、一方我々は、ウサギ血清を使用した(62)。さらには、我々はIgA調製物に二量体IgAの明らかな証拠を認めなかった(図4)。いずれにしても、IgAは明らかにPAECに結合し、そして例えば、マクロファージや好中球へのFc受容体結合により媒介される他のエフェクター機構によって、ブタ異種移植拒絶に関係しているかもしれない(63、64)。このことは、プロテインAと抗μ鎖抗体吸収が除去しない、全ての抗ブタIgクラスを除去する吸収物質の使用の重要性を強調する。
抗ブタ抗体はかなりの程度、充分な細胞障害作用のための補体活性化に依存するが、ブタ内皮細胞の細胞障害性を引き起こすかもしれない抗体に関係するさらに別のエフェクター機構が存在する。抗体依存性細胞障害性は、Galα1,3Gal特異性を有する抗ブタ抗体が、補体の非存在下でさえ細胞障害性にとって重要であるような機構である(30)。したがって我々は、吸収されたヒトAB血清および吸収されない同血清が、ヒトPBMCによるPAEC細胞障害性にどのように寄与しているかを検討した(図6)。図6に示すように、ヒト補体枯渇AB血清は、エフェクター対標的比4つのうち3つで10%以上に近くPEC−A細胞障害性を上昇させた。このヒトAB血清が寄与する細胞障害性の上昇は、Galα1,3Gal置換PSGL1/mIgG2bを用いる吸収により完全に除去されたが、一方Galα1,3Galを含まないPSGL1/mIgG2bによる吸収では効果がなかった。このことは、Galα1,3Gal特異的抗体が、ブタ内皮細胞に対するADCCに寄与するだけでなく、ヒトPBMC/PAEC混合培養物にヒトAB血清を添加したときに見られる全ての増強された細胞障害作用の原因であることを、明白に証明している。このADCC作用がインビボでも存在するならば、補体活性化を阻害することを目的とする方策は、急性ブタ異種移植拒絶を防止するのに充分ではないかもしれない。
我々は、ブタ内皮細胞の抗体依存性補体−および細胞−介在性細胞障害性に関係する抗ブタ抗体を除去するための移植前体外免疫吸収装置において使用することができる、新規で有効なGalα1,3Gal置換ムチンドメイン含有吸収物質の作成および製造を提示した。PSGL1/mIgG2bおよびブタα1,3GT cDNAを発現するために細胞を安定にトランスフェクションすることにより、ブタから霊長類への異種移植モデルにおいて試験するための、大量の融合タンパク質を低コストで製造することができる。
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Claims (19)

  1. 第2のポリペプチドに作動可能に連結された第1のポリペプチドを含む二量体化融合ポリペプチドであって、該第1のポリペプチドは:
    (a)P−セレクチン糖タンパク質リガンド−1を含み;かつ
    (b)α1,3ガラクトシルトランスフェラーゼによってグリコシル化され、かつ
    該第2のポリペプチドは、免疫グロブリン重鎖ポリペプチドを含む、
    上記二量体化融合ポリペプチド。
  2. 前記第1のポリペプチドは、複数のGalα1,3Galエピトープを含む、請求項1に記載の融合ポリペプチド。
  3. 前記α1,3ガラクトシルトランスフェラーゼは、ブタのものである、請求項1に記載の融合ポリペプチド。
  4. 前記第2のポリペプチドは、免疫グロブリン重鎖のFc領域を含む、請求項1に記載の融合ポリペプチド。
  5. 前記第1のポリペプチドは、野生型P−セレクチン糖タンパク質リガンド−1ポリペプチドよりも多くのGalα1,3Galエピトープを含む、請求項1に記載の融合ポリペプチド。
  6. 第2のポリペプチドに作動可能に連結された第1のポリペプチドを含む二量体化融合ポリペプチドであって、該第1のポリペプチドは:
    (a)P−セレクチン糖タンパク質リガンド−1の細胞外部分を含み;かつ
    (b)α1,3ガラクトシルトランスフェラーゼによってグリコシル化され、かつ
    該第2のポリペプチドは、免疫グロブリン重鎖ポリペプチドを含む、
    上記二量体化融合ポリペプチド。
  7. 前記第1のポリペプチドは、複数のGalα1,3Galエピトープを含む、請求項6に記載の融合ポリペプチド。
  8. 前記α1,3ガラクトシルトランスフェラーゼは、ブタのものである、請求項6に記載の融合ポリペプチド。
  9. 前記第2のポリペプチドは、免疫グロブリン重鎖のFc領域を含む、請求項6に記載の融合ポリペプチド。
  10. 前記第1のポリペプチドは、野生型P−セレクチン糖タンパク質リガンド−1ポリペプチドよりも多くのGalα1,3Galエピトープを含む、請求項6に記載の融合ポリペプチド。
  11. 第2のポリペプチドに作動可能に連結された第1のポリペプチドを含む二量体化融合ポリペプチドであって、該第1のポリペプチドは:
    (a)セレクチンへの結合を媒介するP−セレクチン糖タンパク質リガンド−1の部分を含み;かつ
    (b)α1,3ガラクトシルトランスフェラーゼによってグリコシル化され、かつ
    該第2のポリペプチドは、免疫グロブリンポリペプチドを含む、
    上記二量体化融合ポリペプチド。
  12. 前記第1のポリペプチドは、複数のGalα1,3Galエピトープを含む、請求項11に記載の融合ポリペプチド。
  13. 前記α1,3ガラクトシルトランスフェラーゼは、ブタのものである、請求項11に記載の融合ポリペプチド。
  14. 前記第2のポリペプチドは、免疫グロブリン重鎖のFc領域を含む、請求項11に記載の融合ポリペプチド。
  15. 前記第1のポリペプチドは、野生型P−セレクチン糖タンパク質リガンド−1ポリペプチドよりも多くのGalα1,3Galエピトープを含む、請求項11に記載の融合ポリペプチド。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の融合ポリペプチドのアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む核酸分子。
  17. 請求項16に記載の核酸分子を含むベクター。
  18. 請求項17に記載のベクターでトランスフェクトされた細胞。
  19. α1,3ガラクトシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する核酸分子をさらに含む、請求項18に記載の細胞。
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