JP4097063B2 - 陳列用告知板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、陳列棚に載置されて商品内容についての説明文、イラスト等を表示する陳列用告知板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の商品に関する告知を行う陳列用告知板としては、図10に示すように、正面板1の上端を、陳列棚の前端部分で上方へ曲げられた前壁に係合する係合溝3を形成するように対応する奥行幅の天板2を形成し、その後端を下方へ折り曲げて背板4を形成し、その下端を後方へ折曲げて商品を載置させるトレイ5を形成しているのが周知である。これにより、トレイ5を棚に載置してその前壁に係合溝3を係合させた状態で、トレイ5に商品を載置し、正面板1にその内容を説明する文字、イラストを表示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、告知板の横幅が一定であり、大きさの異なる商品に使用したり、並置する個数を変更したい場合、形状の異なる告知板を用意する必要があった。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて、横幅をスライド操作により調整可能な陳列用告知板を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、この目的を達成するために、請求項1により、商品内容についての説明文、イラスト等の表示面となる正面板を備えて陳列棚に載置される陳列用告知板において、正面板(11;33)を備えた本体板(10;30)と、横幅が正面板(11;33)の横幅と同程度かもしくは短く、かつ表示面となる2枚のスライド板(20;40)とより構成され、これらのスライド板が正面板(11;33)の背後で互に逆の横方向へスライドして正面板(11;33)の両側端からそれぞれ突出するように、正面板(11;33)の裏側の背板(13,16;32,35)により、スライド板(20;40)を正面板(11;33)に沿った横方向へスライド可能にガイドする1層のガイド溝(13a、14)が本体板(10;30)に形成され、ガイド溝(13a,14)の上壁(31a)及び下壁(32a)の少なくとも一方に、ストッパ孔(19;39)が横方向へ複数段に形成されると共に、スライド板(20;40)の内側端部分の上端部分及び下端部分の少なくとも一方に、スライド板内端から細片を残すように横方向に切込むことにより上下に曲げ弾性を呈し、かつストッパ孔(19;39)へ係入する突起(23;42)を有する被拘束片(22;41)が形成されたことを特徴とする。
【0006】
同様に、前述の目的を達成するために、2枚のスライド板を前後2層のガイド溝でスライドさせるのを前提に、請求項2により、商品内容についての説明文、イラスト等の表示面となる正面板を備えた陳列棚に載置される陳列用告知板において、正面板(72)を備えた本体板(70)と、横幅が正面板(72)の横幅と同程度かもしくは短く、かつ表示面となる2枚のスライド板(80)とより構成され、これらのスライド板が正面板(72)の背後で互に逆の横方向へスライドして正面板(72)の両側端からそれぞれ突出するように、正面板(72)の裏側の2層の背板(71,74)により、スライド板(80)を正面板(72)に沿った横方向へスライド可能にガイドする2層のガイド溝(73,75)が本体板(70)に形成され、ガイド溝(73,75)の上壁及び下壁の少なくとも一方に、ストッパ孔が横方向へ複数段に形成されると共に、スライド板(80)の内側端部分の上端部分及び下端部分の少なくとも一方に、スライド板内端から細片を残すように横方向に切込むことにより上下に曲げ弾性を呈し、かつストッパ孔へ係入する突起を有する被拘束片が形成されたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4は、本発明の第1の実施の形態による陳列用告知板を説明する。この陳列用告知板は、商品内容についての説明文、商品に関連したイラスト等の表示面となる正面板11を有する本体板10と、同様に商品内容についての説明文、イラスト等の表示面となる半分の横幅を有する両側2個のスライド板20とより構成され、透明の合成樹脂によりそれぞれ一体に形成されている。
【0008】
正面板11の裏側には、折目12で裏側に折曲げられた背板13により、下側のガイド溝13aが本体板10に形成されている。上端は、裏側に上側のガイド溝14を形成するように、折目15aで後方へ折曲げられて天板15が形成され、その後端を折目16aで途中の高さ位置まで下方へ折曲げて背板16が形成されている。その下端は、さらに正面板11に対して離反方向へ延長されて陳列棚上で商品を載置させるトレイ17が形成されている。
【0009】
スライド板20は、1層のガイド溝13a、14の上下壁間の離間距離に相当する縦幅を有すると共に、内端側部分の下端部分は、スライド板20の内端から細片を残すように横方向に切込むことにより上下に曲げ弾性を呈する細片状の被拘束片22が形成され、その先端に下方へ向けて半球状の突起23が形成されている。対応して、ガイド溝13aの下壁となる折目12には、2個のスライド板20を正面板11の背後に並置させて隠す通常位置及び互に逆の横方向へスライドさせて正面板11の両側端からそれぞれ突出する4段階の位置で拘束するように、中央の共通の1個及び側方へそれぞれ3個のストッパ孔19が形成されている。これにより、スライド板20は突起23を手で押して被拘束片22を撓ませてストッパ孔19に浅く係合させた状態で、突出方向或いはその復帰方向へスライド操作される。
【0010】
天板15の奥行幅は、陳列棚8の前端部分で上方へ曲げられた前壁9の係合溝としてガイド溝14を機能させるように、前壁9を係入させ得るように設定されている。スライド板20の外側端には後方へ曲がるつまみ25が形成されている。天板15の両側端には、内側端部分の上端部分を折曲げて形成された被拘束片21を最も突出した拘束位置で拘束するストッパ片18が下方へ向けて形成されている。その背板16には、図2に示すように、細片状のポール28が貼着され、その先端に円形の商品内容についての説明文、イラスト等の表示面となる小形告知板29を取付けて、所謂アイキャッチャとして設けられている。
【0011】
図3に示すように、正面板11及び両側のスライド板20の表面には、陳列に際して説明文及びイラストが記載された白色の用紙26、27が貼着される。図4はこのような陳列状態を示すもので、同図Aでは、スライド板20は共に、正面板11の背後に隠れて最短の横幅となり(図2A参照)、突起23が中央の共通のストッパ孔19に係入している。トレイ17には、例えばソープ入りのパック2個と、その内容物が充填されて使用時に吐出される押下げポンプ付容器1個が載置され、正面板11の用紙26にはその商品内容の宣伝を行う文字及びイラストが記載されている。併せて、アイキャッチャ28、29にも人目を惹く短いワンポイントの宣伝文及びイラストが記載されている。
【0012】
同図Bは、ポンプ付容器を1個追加して両側のスライド板20を2段目のストッパ孔19に突起23を係入する位置にスライドさせた状態を示すもので、対応してイラストも増えている。同図C及び同図Dはさらに商品の陳列幅を広くするように、3段目及び4段目のストッパ孔19に突起23が係入させた状態を示すもので、イラストの表示範囲も対応して広くなっている。図2Bは、4段目にスライドした最も突出量が大きい状態を示す。
【0013】
尚、以上説明した本体板10及びスライド板20は、1枚の厚紙を折曲げ加工して製作することもできる。その際、ストッパ孔は正面板及びその下端から折り曲げられる背板の間の折目を穿孔して形成され、ストッパ孔の幅はプレス加工された折目の実際の幅より多少大きくなっても良い。この場合、文字及びイラストは直接厚紙に表示することもできる。但し、合成樹脂製であっても透明もしくは着色された樹脂面に長期使用を前提に直接表示することもできる。図5のストッパ片37及び被拘束片45の構成で、ガイド溝の互に逆の外側端には、正面板又は背板の折曲げによりストッパ片が形成されると共に、スライド板の内側端にストッパ片にそれぞれ係止される被拘束片を折曲げにより形成することもできる。2枚のスライド板は、本体板の横幅と同程度として、前後に重ねて共通のガイド溝に挿入し、3倍長程度に突出させることも可能である。
【0014】
図5乃至図7は第2の実施の形態による上下にストッパを備えた厚紙製の陳列用告知板を示す。本体板30は、図6に示すように、貼着片31、折目31a、背板32、折目32a、正面板33、折目33a、天板34、折目34a、背板35、折目35a、トレイ36が連設されて、展開状態の1枚の厚紙により製作される。正面板33の両側端には、裏面に折返されるように折目37aを介してストッパ片37が側方へ連設されている。
【0015】
このような厚紙は、図5に示すように、ストッパ片37が裏面に折返されると共に、折目32aで背板32を折曲げ、折目31aで貼着片31を表側に折曲げて正面板33の裏面に貼着して裏面全域に1層のガイド溝が形成される。さらに、折目33a、34a、35aで折曲げて、天板34及び背板35で前述の前壁9の係合溝を形成して本体板30が製作される。ガイド溝の上下壁となる背板32の上下端の折目31a、32aには、図1の場合と同様に打ち抜きによりストッパ孔39が形成される。
【0016】
両側2枚の半分幅の厚紙製のスライド板40の内側端部分の上下端部分には、スライド板内端から細片を残すように横方向の切込みにより上下に曲げ弾性を呈する被拘束片41が形成され、その先端に上下へ向けてコーナ部分の丸い突起42が形成されている。さらに、切り込み部分には、折目を介して表側に折曲げられた被拘束片45が形成されている。また、外側端には折目を介してつまみ43が形成されている。
【0017】
図7は組立て状態を示すもので、両側のスライド板40を4段目のストッパ孔39に突起42が係入する位置にスライドされ、さらにストッパ片37で被拘束片45が拘束されて最も突出量が大きくなっている。
【0018】
中央の共通のストッパ孔39に突起42が係入した状態では、スライド板40は丁度正面板33に隠れて、その表面だけで告知が行われる。このようなスライド操作に際して、トレイ36を持ち上げて天板34を立て、背板32の上端を開放した状態で、上下の突起42を押し込む。正面板33及びスライド板40には、直接告知記載を行っても良く、また説明文或いはイラストが記載された用紙を粘着させて、商品を交換する際に貼り替えても良い。天板34からはアイキャッチャ49が突出している。以上説明した本体板30及びスライド板40は合成樹脂で製作することもできる。
【0019】
図8及び図9は第3の実施の形態による3倍幅に拡大できる告知板を示すもので、本体板70は、1枚の厚紙の展開板により製作される。即ち、1層目の背板71を折目71aで折曲げて正面板72を形成し、その間に1層目のガイド溝73を形成する。また、正面板72の上端の折目72aで背板71の背後に折曲げて2層目のガイド溝75を形成する2層目の背板74を形成し、さらに折目75aを介して連設された貼着片76を折曲げて背板71に貼着する。正面板72の左側端は横方向裏側への折曲げでストッパ片77が形成され、背板74の右側端は表側への折曲げでストッパ片78が形成されている。
【0020】
前後2枚のスライド板80は、正面板72と同じ横幅を有し、それぞれの内側端には表及び裏側横方向への折曲げにより被拘束片82、83が形成され、それぞれの外側端には表側へ略直角に曲げられて側板85が折目を介して形成されている。この側板はつまみとして機能すると共に、スライド板80の変形を抑制している。
【0021】
背板74には、図9Aに示すように、天板89a及び下方への背板を有することにより、係合溝を形成する取付け部材89が貼着されている。また、この状態は、2枚のスライド板80が共に正面板72の背後で重なった最も狭い横幅になっている。図9Bは、両側のスライド板80が、ストッパ片77、78に被拘束片82、83が拘束された最大突出状態を示し、正面板72の三倍幅よりも僅かに短い横幅になっている。スライド板80は、その縦幅がガイド溝73、75の上下壁間の離間距離に相当する縦幅に対応することにより、上下端の折目71a、72a、75aに沿って摩擦を伴って摺動することにより、途中の任意の横幅にも調整可能である。
【0022】
尚、スライド板のガイド溝内での拘束は、ガイド溝73、75の上下壁となる折目71a、72a、75aの双方もしくは一方に複数段のストッパ孔を穿孔すると共に、前述したような構成により、両側のスライド板80の内側端部分の上下端部分に、スライド板内端から細片を残すようにスライド方向の切込みにより上下に曲げ弾性を呈する被拘束片を形成し、その先端に上下へ向けてストッパ孔に係入する突起を形成することも考えられる。2枚のスライド板は、本体板の横幅と必ずしも同程度に設定する必要はなく、半分程度にしても良い。
【0023】
以上説明した図8による前後2枚のスライド板式の告知板は合成樹脂で製作することも可能である。また、いずれの実施の形態による告知板も陳列棚の前壁に係合させる構成を前提に説明したが、陳列棚の構造によっては、係合溝を廃止して正面板の下端から背後に延びるトレイのみにしたり、陳列棚の細片部分を挟持するクリップを本体板に下設する等種々の取り付け構造が考えられる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、商品の大きさ或いは陳列個数に応じて表示面の横幅の調整可能な陳列用告知板が実現されると共に、ストッパ孔の穿孔及び切込みによる被拘束片の形成による簡単な構成のストッパ構造により調整位置での拘束が行われる。被拘束片がスライド板の内端から形成されることにより、スライド板の突出量を大きくすることができる。その際、請求項1の発明によれば、共通のガイド溝で正面板の両側からその横幅を拡大でき、特に横幅の略半分まで両側で拡大するのに適しているが、重ねて略3倍の横幅まで拡大させるように構成することもできる。請求項2の発明によれば、前後2枚のスライド板を2層のうちの所属のガイド溝で正面板の両側から突出させることができ、特に最大で正面板の略3倍の横幅まで拡大するのに適しているが、それより大幅に少ない突出に構成することもできる。さらに、請求項3の発明によれば陳列用告知板を陳列棚にスペースを取らず保持させることができ、請求項4の発明によればさらに確実に陳列棚に保持させることができ、請求項5の発明によれば人目を惹くワンポイントの宣伝が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態による陳列用告知板の分解斜視図である。
【図2】 同告知板の組立て及び調整状態を説明する斜視図である。
【図3】 図2のA−A線断面図である。
【図4】 同告知板の使用方法を説明する正面図である。
【図5】 第2の実施の形態による陳列用告知板の分解斜視図である。
【図6】 図5の告知板を製作するための展開状態の厚紙の平面図である。
【図7】 図5による告知板の使用状態を説明する斜視図である。
【図8】 第3の実施の形態による陳列用告知板の分解斜視図である。
【図9】 図8による告知板の使用状態を説明する斜視図である。
【図10】 従来の告知板の斜視図である。
【符号の説明】
8 陳列棚
9 前壁
10、30、70 本体板
11、33、72 正面板
12、15a、16a、31a、32a、33a、34a、35a、37a、
71a、72a、75a 折目
13、16、32、35、71、74 背板
13a、14、73、75 ガイド溝
15、34、89a 天板
17、36 トレイ
18、37、77、78 ストッパ片
19、39 ストッパ孔
20、40、80 スライド板
21、22、41、45、82、83 被拘束片
23、42 突起
29 小形告知板
31、76 貼着片
Claims (5)
- 商品内容についての説明文、イラスト等の表示面となる正面板を備えて陳列棚に載置される陳列用告知板において、
正面板を備えた本体板と、横幅が前記正面板の横幅と同程度かもしくは短く、かつ表示面となる2枚のスライド板とより構成され、
これらのスライド板が前記正面板の背後で互に逆の横方向へスライドして前記正面板の両側端からそれぞれ突出するように、前記正面板の裏側の背板により、前記スライド板を前記正面板に沿った前記横方向へスライド可能にガイドする1層のガイド溝が前記本体板に形成され、
前記ガイド溝の上壁及び下壁の少なくとも一方に、ストッパ孔が前記横方向へ複数段に形成されると共に、前記スライド板の内側端部分の上端部分及び下端部分の少なくとも一方に、前記スライド板内端から細片を残すように前記横方向に切込むことにより上下に曲げ弾性を呈し、かつ前記ストッパ孔へ係入する突起を有する被拘束片が形成されたことを特徴とする陳列用告知板。 - 商品内容についての説明文、イラスト等の表示面となる正面板を備えた陳列棚に載置される陳列用告知板において、
正面板を備えた本体板と、横幅が前記正面板の横幅と同程度かもしくは短く、かつ表示面となる前後2枚のスライド板とより構成され、
これらのスライド板が前記正面板の背後で互に逆の横方向へスライドして前記正面板の両側端からそれぞれ突出するように、前記正面板の裏側の2層の背板により、前記スライド板を前記正面板に沿った前記横方向へスライド可能にガイドする2層のガイド溝が前記本体板に形成され、
前記ガイド溝の上壁及び下壁の少なくとも一方に、ストッパ孔が前記横方向へ複数段に形成されると共に、前記スライド板の内側端部分の上端部分及び下端部分の少なくとも一方に、前記スライド板内端から細片を残すように前記横方向に切込むことにより上下に曲げ弾性を呈し、かつ前記ストッパ孔へ係入する突起を有する被拘束片が形成されたことを特徴とする陳列用告知板。 - 陳列棚の前端で上方へ突出する前壁を係入させるように、正面板の上端を後方へ折り曲げて天板を形成し、この天板の後端を下方へ折曲げた背板を形成することにより、前記前壁の奥行幅以上の奥行幅を有する係合溝が本体板に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の陳列用告知板。
- 本体板が、係合溝を形成した背板の下端を正面板に対して離反方向へ延長されることにより、陳列棚に載置されて商品を載置させるトレイが形成されていることを特徴とする請求項3記載の陳列用告知板。
- 本体板から上方へ突設されたポールに、前記本体板の上方へ離間した状態で正面板よりも相対的に小形の小形告知板が支持されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか記載の陳列用告知板。
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