JP4096366B2 - 非対称鎖状炭酸エステルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非対称鎖状炭酸エステルの製造方法に関する。
詳しくは、本発明は、二種の対称鎖状炭酸エステルを特定の触媒を用いて不均化反応させることにより非対称鎖状炭酸エステルを製造する方法に関する。
非対称鎖状炭酸エステルは、溶媒や各種有機合成試薬として有用であり、その中でも特にリチウムイオン二次電池用の溶媒として有用である。
【0002】
【従来の技術】
炭酸は二塩基性弱酸であるので、そのエステルもモノエステル、ジエステルとが存在し、ジエステルには同種のアルキル基が入った対称鎖状炭酸エステルと二種のアルキル基が入った非対称鎖状炭酸エステルがある。従来、工業的に鎖状炭酸エステルを得る方法として、ホスゲンとアルコールとの反応、触媒存在下にアルコールと一酸化炭素及び酸素とを反応させる方法等が提案されている。
しかし、ホスゲンは毒性のあるガスであるので、できるだけこの使用を避けた製造プロセスが好ましい。一方、触媒存在下にアルコールと一酸化炭素及び酸素とを反応させる方法は、対称鎖状炭酸エステルを製造することを目的としており、本発明が目的とする非対称鎖状炭酸エステルの製造には適しているとは言い難い。
従って、従来、非対称鎖状炭酸エステルを製造するに当たっては、対称鎖状炭酸エステルを別のアルキル基を持つアルコールとエステル交換させるか、二種の対称鎖状炭酸エステルを不均化反応させて平衡混合物より目的物である非対称鎖状炭酸エステルを得る方法が採用されてきた。
【0003】
最初の方法の例として、特開平6−166660号公報に一価アルコールと対称鎖状炭酸エステルをアルカリ金属の炭酸塩を触媒としてエステル交換させて非対称鎖状炭酸エステルを製造する方法が提案されている。しかしながら、ここでエステル交換反応の触媒に用いられているアルカリ金属の炭酸塩はアルコールに対する溶解性は低いが、完全に不溶という訳ではない。従って、反応液中に微量存在する炭酸塩が後工程の分離工程において逆反応を起こすのを防ぐために炭酸塩の除去工程が必要となり、やや手間と時間が掛かるという難点がある。また、アルカリ金属の炭酸塩は一般的に水に易溶であり、何らかの誤操作により触媒が水に接すると、反応プロセスに重大な支障を来すという問題点が潜在的に存在する。
【0004】
また、後者の例としては、特開平7−10811号公報にはアルカリ金属アルコラート等の塩基性触媒を用いて得られる非対称鎖状炭酸エステルを含む三種のジアルキルカーボネート混合物より蒸留により非対称鎖状炭酸エステルを得る方法が提案されている。しかし、金属アルコキシド等の強塩基は、付着した場合に人体に与える損傷が大きく、吸湿性を有し水分が混入すると変質する等取扱い、保存が難しいという欠点がある。また、このような均一系触媒を用いた場合、反応後に触媒を除くために水を加えて抽出処理などの煩雑な手間を必要としており、後処理で加えた水を取除くのに多大な手間を要するので、工業的には好ましい方法であるとは言い難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、前記公報に提案された方法は、工業的見地からは未だ不十分なものである。
本発明の課題は、二種の対称鎖状炭酸エステルを接触的に不均化反応させて平衡混合物より目的物である非対称鎖状炭酸エステルを得る方法において、安定かつ高活性で反応生成液に溶解しない不均一系触媒を提供すること及び高選択性で単純なプロセスで目的とする非対称鎖状炭酸エステルの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために非対称鎖状炭酸エステルの製造方法に有用な触媒について鋭意研究した結果、サマリウム及びイットリウムの酸化物が対称鎖状炭酸エステルの不均化反応の触媒として多くの面で優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、二種の対称鎖状炭酸エステルを触媒の存在下、不均化反応させて非対称鎖状炭酸エステルを製造するに際し、サマリウム及びイットリウムより成る群から選ばれた元素の酸化物を触媒活性成分として含む触媒を用いることを特徴とする非対称鎖状炭酸エステルの製造方法にある。
以下、本発明の方法について詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の方法においては、サマリウム又はイットリウムの酸化物からなる触媒の存在下二種の対称鎖状炭酸エステル同士の不均化反応が次記反応式(1)のように進行し、目的とする非対称鎖状炭酸エステルが生成する。
【0009】
【化1】
【0010】
式(1)において、R1 、R2 はそれぞれ異なる直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基を表わす。アルキル基の炭素数には特に制限はないが、通常1〜12、好ましくは1〜6である。アルキル基の具体例としては、直鎖状アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ドデシル基を挙げることができる。分枝状アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソアミル基、tert−アミル基、ネオペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基を挙げることができる。更に環状のアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基を挙げることができる。
【0011】
原料である対称鎖状炭酸エステルの具体例としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート等が挙げられる。
また、目的物である非対称鎖状炭酸エステルの具体例としては、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルメチルカーボネート、ブチルエチルカーボネート、ブチルプロピルカーボネート等が挙げられる。
なお、原料として何を用いるかは、目的物により決まり、目的物がEMCである場合には、原料としてDMC及びDECを用いることになる。
【0012】
本発明において用いられる触媒はサマリウム及びイットリウムの少なくとも一方の酸化物を触媒活性成分として含むものである。その触媒活性成分は上記の酸化物のみからなるものだけでなく、他の元素の化合物を含有したものを含んでいてもよい。サマリウム及びイットリウムの酸化物は、例えばこれらの元素のシュウ酸塩、酢酸塩、硝酸塩、水酸化物、炭酸塩等を空気中で焼成する方法により製造するか、または一般的に販売されているサマリウム及びイットリウムの酸化物を利用することもできる。
【0013】
触媒として用いる酸化物は、多孔質で比表面積の大きなものが高い触媒活性を得られるので好ましい。比表面積は通常5〜500m2 /g、より好ましくは10〜300m2 /gの範囲の酸化物が用いられる。比表面積が5m2 /g未満の場合充分な触媒活性が得られないため好ましくない。また、比表面積が500m2 /gを越えると、触媒の強度が低下し、耐久性の面で問題が生じるため好ましくない。
これらの酸化物は、触媒として使用する前に炭酸ガスや水分等の表面吸着物を除去する目的で、窒素等の不活性ガス気流中で加熱処理することにより活性化することが好ましい。その際の処理温度は100〜1000℃の範囲、より好ましくは200〜800℃の範囲である。処理温度が100℃未満では吸着物質の脱着が不充分となるため好ましくない。また、処理温度が1000℃を越える範囲は加熱処理にコストがかかる他、酸化物が一部溶融し表面積が減少するため好ましくない。活性化処理の時間は表面吸着物の量や処理温度により左右されるため特に限定されるものではないが、通常1〜10時間の範囲である。
【0014】
触媒の形状には特に制限はないが、反応時の通液性や反応後の触媒分離を容易にするため、成形されていることが望ましい。その形態は、100μm程度の微粉末であっても差支えないが、造粒、打錠等の一般的な方法で成形したものがより好ましい。
触媒を調製するに当って、適当なバインダーを用いることもできる。バインダーは触媒の酸化物固体を結合させ触媒の機械的強度を増強させる目的で用いられるものであり、触媒活性を阻害したりしないものであるか、反応に対して触媒活性がある程度発現するものでもよく、無機物或いは有機物いずれでもよい。バインダーの具体例としては、シリカゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾル、有機ポリマー等が挙げられる。
【0015】
触媒を調製するに当って、適当な担体を用いることもできる。担体はその表面にサマリウム又はイットリウムの酸化物を分散されて高表面積の触媒としたり、触媒の機械的強度を高めたりする目的で用いられる。担体は反応を阻害したり触媒活性を阻害したりしないものであれば特に制限はなく、反応に対して触媒活性がある程度発現するものでもよい。本発明に用いられる担体の具体例としては、特に制限はないが、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ−アルミナ、ジルコニア−チタニア、シリカ−ジルコニア等の無機担体、カオリナイト族のカオリナイト、ディッカイト、ハロイサイト等やスメクタイト族のモンモリロナイト、バイデライト等、雲母族の白雲母、パラゴナイト、金雲母、黒雲母等、ハイドロタルサイト、タルク等の粘土化合物等が挙げられる。
【0016】
出発原料となる二種の対称鎖状炭酸エステルのモル比は特に限定されないが、通常は実質的に等モルで使用するのが目的物である非対称鎖状炭酸エステルの収量を高める意味で好ましい。しかし、どちらか一方を過剰に用いて反応させても勿論特に不都合はなく、1:1〜1:20の範囲で選ぶのが好ましい。
【0017】
反応温度は特に限定されないが、窒素等の不活性ガス雰囲気中で、通常0〜300℃の範囲で、好ましくは50〜200℃の範囲で反応させる。反応温度が低い場合には反応速度が低下し、逆に高い場合には副反応が増すため、いずれも好ましくない。また、反応圧力は特に限定されず、0.1〜100kg/cm2 −Gの範囲で反応させることができるが、通常0〜50kg/cm2 −Gの範囲で、好ましくは0〜10kg/cm2 −Gの範囲で行う。
【0018】
本発明において、触媒の存在下で対称鎖状炭酸エステルを不均化反応させる方法としては、回分式反応でも流通式反応でもよく、特に限定されるものではないが、工業的には流通式反応が大量に連続的に原料を処理できると共に触媒を繰り返し長時間使用することができるため、経済的により好ましい反応方式である。回分式反応を行う場合の触媒の使用量は、原料に対して0.01〜30重量%、より好ましくは0.1〜15重量%の範囲である。回分式反応器内に本発明の触媒、及び原料を所定量充填し、所定温度で攪拌を伴いながら不均化反応することにより、目的とする非対称鎖状炭酸エステルを含む反応液混合物が得られる。その際、反応時間は反応温度と触媒使用量により異なるが、一般的には0.1〜100時間、より好ましくは1〜10時間の範囲が用いられる。
【0019】
流通式反応を行う場合には、固定床式、流動床式、攪拌槽式のいずれの方式でも用いることができる。この際の通液条件は、触媒に対する液時空間速度(LHSV)で表わすと、0.05〜50/時、より好ましくは0.1〜10/時の範囲を用いることができる。
また、本発明の非対称鎖状炭酸エステルの製造方法において、反応は液相で進行する。この際、原料の二種の対称鎖状炭酸エステル自体が溶媒の役割を果たすので他の溶媒を用いる必要はなく、後処理の容易性の観点から用いない方が好ましいが、原料及び生成物と反応しない溶媒であり、反応後の分離の妨げにならなければ使用しても差支えない。このような溶媒として、芳香族炭化水素系溶媒、飽和炭化水素性溶媒、不飽和炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒等が挙げられる。
【0020】
反応後は、反応液に触媒が溶出してこないことから、反応液をそのまま、或いは微量に存在する微細な触媒粉を濾過等により除去した後、常圧蒸留、減圧蒸留、加圧蒸留等公知の蒸留法により、原料である二種の対称鎖状炭酸エステル、反応生成物である非対称鎖状炭酸エステルを分離することができる。分離のための蒸留では沸点の順番として、原料の一方の対称鎖状炭酸エステル、目的物である非対称鎖状炭酸エステル、原料の他方の鎖状炭酸エステルの順で留出するので、目的物は蒸留の第二番目の留分として所望の純度で得ることができる。ここで原料のうち沸点の高い対称鎖状炭酸エステルについては留出させてもよいし、蒸留釜に残し、反応にリサイクルしてもよい。本発明の非対称鎖状炭酸エステルの製造方法では、原料となる対称鎖状炭酸エステル、生成物である非対称鎖状炭酸エステルの他の生成物が実質的に生成しないので、高選択率で所望の生成物を得ることができ、しかも分離後の原料は回収し再使用することが可能である。
【0021】
【実施例】
以下に実施例を上げて本発明の方法を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0022】
触媒製造例1
硝酸サマリウム六水和物400.0g(0.9モル)を水1000gに溶解し、硝酸サマリウム水溶液を得た。攪拌下、硝酸サマリウム水溶液に12%重炭酸アンモニウム水溶液3500gを加え、水酸化サマリウムのスラリーを得た。このスラリーを濾別し、純水でpHが中性となるまで充分に洗浄し、水酸化サマリウムの含水物を得た。こうして得られた水酸化サマリウムを空気中120℃で12時間乾燥させ、更に600℃で3時間焼成し、酸化サマリウムを得た。この触媒を触媒(1)と言う。
【0023】
触媒製造例2
硝酸イットリウム六水和物172.3g(0.45モル)と硝酸コバルト六水和物131.1g(0.45モル)を硝酸サマリウムに代えて用いること以外は実施例1と同様の操作を行い、イットリウム/コバルトの複合酸化物を得た。得られた触媒のイットリウムとコバルトの金属原子比は1:1であった。この触媒を触媒(2)と言う。
【0024】
触媒製造例3
触媒製造例2で得られた焼成粉に適量の純粋を加えてスラリー状とし、加熱混練して粘土状とした後、押出し成型法によって直径3mmの円柱状物とした。この円柱状物を120℃の温度で一晩乾燥し、続いて600℃の温度で3時間焼成した。この触媒を触媒(3)と言う。
【0025】
実施例1
容量1000mlの攪拌機を備えたステンレス製オートクレーブにジメチルカーボネート(DMC)180.2g(2.0モル)とジエチルカーボネート(DEC)236.3g(2.0モル;モル比=1:1)の混合溶液及び触媒(1)1.75g(0.01モル)を仕込んだ。次いで、反応器内を窒素置換し、窒素圧1kg/cm2 −Gとした後、昇温を開始し140℃に保ち合計4時間反応させた。反応圧力は、1時間の昇温中に2.8kg/cm2 −Gになり、更に140℃で保持し反応を進行させる間に僅かに上昇し、反応終了時に上昇し、反応終了時には3.1kg/cm2 −Gであった。
反応終了後、反応液をガスクロ分析したところ、得られた反応混合物の組成はジメチルカーボネート104.5g(1.16モル)、エチルメチルカーボネート(EMC)174.6g(1.68モル)、ジエチルカーボネート137.5g(1.16モル)で他の生成物は認められなかった。目的物であるエチルメチルカーボネートの仕込み総カーボネートに対する収率は42.1モル%であった。
【0026】
実施例2
触媒として触媒(1)に代えて触媒(2)0.9g(0.01モル)を用いる以外は実施例1と同様に操作を行った。その結果得られた反応混合物の組成は、DMC109.0g(1.21モル)、EMC157.2g(1.51モル)、DEC148.8g(1.26モル)で他の生成物は認められなかった。目的物であるEMCの仕込み総カーボネートに対する収率は37.8モル%であった。
【0027】
実施例3
内径54.9mm,長さ90cmのジャケット付き管型反応器に触媒(3)を127ml(80g)充填し、定量ポンプにより原料としてDMCとDECの1:1(モル比)混合物を通液し、窒素で圧力9kg/cm2 −Gに設定した後、140℃まで昇温し、通液条件としてLHSV=2で連続反応させた。反応開始後170時間後の反応液を取り出し、ガスクロ分析したところ、得られた反応混合物の組成はDMC21.6%、EMC49.5%、DEC28.5%で他の生成物は認められなかった。目的物であるEMCの原料総カーボネートに対する収率は49.5モル%であった。
なお、実施例3で得られた反応生成液1800gを理論段40段のカラムを有する蒸留塔を用いて還留比10で常圧蒸留した。その結果、純度99.9%のEMC留分534gを得た。これは、仕込み反応液中のEMCに対する回収率で60モル%に相当する。
【0028】
実施例4
実施例3における140℃での反応をLHSVを変えて継続し、表1の結果を得た。
【0029】
【表1】
【0030】
実施例5
実施例3における反応を、原料であるジメチルカーボネートとジエチルカーボネート混合物のモル比を変えて、140℃で更に継続した。その結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】
実施例6
実施例3における反応を、120℃で行った。その結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】
比較例1
触媒として触媒(1)に代えて炭酸カリウム1.39g(0.01モル)を用いる以外は実施例4と同様の操作を行った。その結果得られた反応混合物の組成は、DMC180.1g(2.0モル)、EMC0.1g(0.001モル)、DEC228.1g(2.0モル)で他の生成物は認められなかった。目的物であるEMCの仕込み総カーボネートに対する収率は0.05モル%であった。
【0035】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、対称鎖状炭酸エステルの不均化反応の触媒として固体で高活性なサマリウム又はイットリウムの酸化物を用いることにより、高選択性で反応副生物のない反応を行わせることができる。また、本発明の非対称鎖状炭酸エステルの製造工程によれば、反応後触媒と反応生成物との分離が容易にでき、反応後の処理を簡略化できる。更に本発明によれば、このような触媒を用いることにより、触媒自体が吸湿による変質が無く保存取扱いが容易で、原料として危険な物質を使うことがなく、非対称鎖状炭酸エステルの製造工程を容易且つ簡略にすることができる。
Claims (3)
- 二種の対称鎖状炭酸エステルを触媒の存在下、不均化反応させて非対称鎖状炭酸エステルを製造するに際し、サマリウム及びイットリウムより成る群から選ばれた元素の酸化物を触媒活性成分として含む触媒を用いることを特徴とする非対称鎖状炭酸エステルの製造方法。
- 対称鎖状炭酸エステルであるジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートを触媒の存在下、不均化反応させて非対称鎖状炭酸エステルであるエチルメチルカーボネートを製造するに際し、サマリウム及びイットリウムより成る群から選ばれた元素の酸化物を触媒活性成分として含む触媒を用いることを特徴とする非対称鎖状炭酸エステルの製造方法。
- 50〜200℃及び0〜50kg/cm 2 Gの条件下に液相で不均化反応を行わせることを特徴とする請求項1又は2記載の非対称鎖状炭酸エステルの製造方法。
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