JP4094740B2

JP4094740B2 - エアゾール容器用小分分配装置

Info

Publication number: JP4094740B2
Application number: JP25691498A
Authority: JP
Inventors: 一紀星野
Original assignee: Toyo Aerosol Industry Co Ltd; Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Current assignee: Toyo Aerosol Industry Co Ltd; Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Priority date: 1998-09-10
Filing date: 1998-09-10
Publication date: 2008-06-04
Anticipated expiration: 2018-09-10
Also published as: JP2000084444A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は医薬品、化粧料等の、一日、数日、一週間等の、規定期間内に於ける使用量が限定されているエアゾール内容物に於いて、定められた定量使用ができるエアゾール容器用小分分配装置に係るものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、一回の噴射に於て噴出されるエアゾール内容物の噴射量を常に定量のものとするための定量噴射バルブには、例えば特公昭５０−１１６０７号、特公平５−２９５１０号等が存在する。
【０００３】
これらの、従来例に於ける定量噴射バルブ機構は、一回の噴射操作により噴出されるエアゾール内容物の噴出量が定量化される利点を有している。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、医薬品、養毛剤等の如く一日の使用量が定められているが、その一日の使用量の範囲内に於ては、数回の噴射、例えば朝、昼、晩の三回に分けて使用する事が好ましいようなエアゾール内容物に於ては、必ずしも好ましいものではない。
【０００５】
即ち、従来の定量噴射では、定量測定したエアゾール内容物を１回で全量噴射してしまうものであった。しかし、一日、一週間等の一定の規定期間に、一定量のエアゾール内容物を複数回に分割して使用しなければ成らない場合は、使用者が使用回数を忘れてしまう場合が生じ、規定の使用量が消費されなかったり、使用量をオーバーしてしまい、薬剤的に好ましくない結果を生じるものとなる可能性がある。
【０００６】
本発明は、上述の如き課題を解決しようとするものであって、一日、一週間等の規定期間内に於ける使用量が限定されている、医薬品、化粧品等に於て、その使用量を確実に守る事を可能にしながら、その規定期限内に於ては複数回の噴射を可能とする。そして、その複数回の噴射を総合して定量的なエアゾール内容物の噴射を行う事を可能にしようとするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の如き課題を解決するため、エアゾール容器に下端を固定した外筒と、この外筒内に回動及び上下動可能に挿入するとともに外筒の円周方向に開口した溝カムに外周突起を係合しステムを押圧可能とした内筒と、この内筒の上端を被覆する固定体とから構成し、この内筒内に定量室及びピストンを配置した本体内に、エアゾール容器のステムを押圧可能に配置し、このステムと連通する前記定量室内に導入したエアゾール内容物の加圧が可能な前記ピストンを、本体内に摺動可能に装着するとともに、定量室に連通し定量室内のエアゾール内容物を噴射可能な分配ノズルを、分配弁を介して本体に接続形成し、この分配弁は、常時は定量室と連通する分配定量室を形成し、この分配定量室内に分配ステムを配置し、この分配ステムの分配オリフィスを常時はガスケットにより閉鎖し、分配ステムの押し下げ時には分配オリフィスと分配定量室を連通して、この分配定量室内の内容物を噴射可能とすると共に下端の閉止栓によって定量室と分配定量室との連通を遮断して成るものである。
【０００８】
また、ピストンのエアゾール内容物への押圧は、押圧発条によって行うものであっても良い。
【０００９】
【作用】
本発明は、上述の如く構成したものであるから、まず本体を押圧しエアゾール容器のステムを押圧する事によって、エアゾール容器の制御弁を開放する。このエアゾール容器の制御弁の開放により、ステムと連通する定量室内にはエアゾール内容物が導入される。
【００１０】
このエアゾール内容物の導入に伴い、ピストンはエアゾール内容物の噴射圧力に押されて上昇し、その上昇限界まで定量室内にエアゾール内容物を導入する。このピストンの上昇限界に於て、エアゾール内容物の導入は停止されるから、定量室内には、本体の一回の押圧によって常に一定量のエアゾール内容物が導入される。
【００１１】
そして、この定量室内へのエアゾール内容物の導入が完了した後は、本体によるエアゾール容器のステムへの押圧を解除する。この解除状態に於て、定量室はエアゾール容器内部との連通を制御弁によって遮断されていると共に、定量室と外部との連通は分配弁によって遮断されている。
【００１２】
次に、定量室と連通する分配弁のステムを、押釦等を介して押圧すれば、分配ノズルから外部にエアゾール内容物が噴射される。この分配弁を介した分配ノズルによるエアゾール内容物の噴射時には、定量室とエアゾール容器の内部が制御弁によって遮断されているため、エアゾール内容物の噴射は定量室内に充填されたものに限定される。従って、この分配弁を介した分配ノズルによるエアゾール内容物の噴射は、噴射が複数回行われた場合に於ても、定量室内の噴射量以上の噴射が行われる事はない。
【００１３】
また、定量室内のエアゾール内容物は、分配ノズルからの外部への噴射の継続によってエアゾール内容物が減少するため、噴射圧力を低下させるものとなる。しかし、ピストンが定量室内のエアゾール内容物を常時押圧しているため、エアゾール内容物の圧力低下は最小限と成り、分配ノズルからのエアゾール内容物の噴射に支障を生じる事はない。
【００１４】
従って、この定量室内のエアゾール内容物の量を、一日、一週間等の規定期間の使用量に限定しておけば、その規定期間の内に於て、使用者が必要と思われる回数、必要な量だけ分配ノズルから噴射する事によって、その全量を規定期間の内に使いきるように使用でき、エアゾール内容物を過度に使用する事がないものとなる。
【００１５】
そのために、規定期間の使用量が限定されている、医薬品、化粧品等に於て用いる場合に好都合なものとなる。そして、この規定期間に定められた使用量を使用し、定量室内のエアゾール内容物の噴射を完了した場合には、次の規定期間に入った時に、再度本体を押圧してエアゾール容器の制御弁を開放し、定量室内にエアゾール内容物を導入する。そして、同じく分配ノズルによって噴射を行う事によって、規定期間に於ける定量的なエアゾール内容物の使用を可能とする。
【００１６】
また、定量室と接続する分配弁に定量弁を用いれば、定量室からの分配ノズルによる複数回の噴射も定量的に行う事が可能となり、更に好ましい噴射状態を得る事ができるものである。
【００１７】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に於て説明すれば、(１)はエアゾール容器で、上端のマウンテンカップ(２)の内面に制御弁(３)を配置している。この制御弁(３)はステム(４)の押圧によって、エアゾール内容物をステム(４)から外部に噴出し得るものであれば、特にその構成は限定されるものではない。
【００１８】
一実施例では、図２，図５に示す如く、マウンテンカップ(２)の内面にステムガスケット(５)を介してハウジング(６)の上端を固定し、このハウジング(６)内にステム(４)を挿入している。このステム(４)は、ステム発条(７)によって上部方向に押圧付勢され、ステムガスケット(５)を介して上端部(８)を外方に突出すると共に、ステムガスケット(５)により、常時はオリフィス(１０)を密閉している。
【００１９】
また、エアゾール容器(１)の上端外周には、円筒状の外筒(１１)の下端を嵌合固定している。この外筒(１１)の円周方向には、図４に示す如く溝カム(１２)を形成している。この溝カム(１２)は、エアゾール容器(１)に近い側を噴射作動部(１３)とし、エアゾール容器(１)から遠い側を非噴射部(１４)としている。
【００２０】
また、この外筒(１１)の内部には内筒(１５)を上下方向に摺動可能で円周方向に回動可能となるように装着している。この内筒(１５)の外周には前記の溝カム(１２)に嵌合する外周突起(１６)を突出している。また、内筒(１５)は下端をエアゾール容器(１)のステム(４)に接続し、このステム(４)と連通路(１７)を介して内部に定量室(１８)を形成している。
【００２１】
この定量室(１８)は、内部にピストン(２０)を摺動可能に装着している。このピストン(２０)は、内筒(１５)の上端に螺着部(２１)を介して螺着固定した固定体(２２)との間に、押圧発条(２３)を介装する事により、定量室(１８)内に於て定量室(１８)を狭める方向に押圧付勢している。この押圧発条(２３)は、エアゾール容器(１)内に充填した噴射剤の噴射圧力よりも少し小さな押圧力としている。また、外筒(１１)と内筒(１５)と固定体(２２)とにより本体(１９)を形成している。
【００２２】
また、このピストン(２０)は、中央部にエアゾール内容物の導出路(２４)を上下方向に形成している。そしてこの導出路(２４)を形成したピストン(２０)の導出管(２５)を固定体(２２)内に挿入し、固定体(２２)内に於てこの導出管(２５)を摺動自在に形成している。また、この導出管(２５)は外周面と固定体(２２)の内周面との間にオーリング(２６)を介在すると共に固定体(２２)内で上端を突き当て可能としている。
【００２３】
また、ピストン(２０)の導出路(２４)と連通する固定体(２２)の上端には、分配弁(２７)を配置し、この分配弁(２７)を介して分配ノズル(２８)を形成している。この分配弁(２７)は常時は導出路(２４)と連通する分配定量室(２９)を形成し、この分配定量室(２９)内に分配発条(３１)によって常時外部方向に押圧付勢される分配ステム(３２)を配置している。
【００２４】
この分配ステム(３２)は、分配オリフィス(３３)をガスケット(３４)によって常時は閉鎖されており、定量室(１８)内と分配ノズル(２８)との連通を、このガスケット(３４)によって閉止している。また、このガスケット(３４)は、固定体(２２)の外周に突出した環状筒(３５)の上端に配置し、環状筒(３５)に螺着固定した蓋体(３６)によって上部を被覆固定され、この蓋体(３６)と環状筒(３５)によって分配定量室(２９)を形成している。また、この分配ステム(３２)は下端に閉止栓(３７)を突出し、分配定量室 ( ２９ )下端の導出路(２４)と、定量室(１８)とを連通する連通口(３８)の閉鎖が可能となるよう形成している。
【００２５】
上述の如く構成したものに於て、エアゾール内容物の小分け分配噴射を行うには、まず固定体(２２)を保持した状態に於て、固定体(２２)を介して内筒(１５)を回動する。そして、内筒(１５)の外周に突出した外周突起(１６)を、溝カム(１２)の噴射作動部(１３)に摺動させる。この噴射作動部(１３)への摺動に伴ってエアゾール容器(１)のステム(４)が押圧されるから、エアゾール容器(１)の制御弁(３)は開弁され、エアゾール容器(１)内のエアゾール内容物は、図３に示す如く、連通路(１７)を介して内筒(１５)定量室(１８)内に流入する。
【００２６】
このエアゾール内容物は、ピストン(２０)の押圧発条(２３)の復元力よりも少し強い圧力をもってピストン(２０)を押圧するから、ピストン(２０)は押圧発条(２３)の復元力に抗して上昇し、定量室(１８)内にエアゾール内容物を導入する。また、導出管(２５)の上端は固定体(２２)の上端に突き当たり、ピストン(２０)の上昇は停止する。また、ピストン(２０)の上昇は、図３に示す如く、固定体(２２)の下端開口縁(３９)に突き当てることによって停止するものとしても良い。このピストン(２０)の上昇停止によって、定量室(１８)内に規定量のエアゾール内容物が充填される。
【００２７】
このエアゾール内容物は、定量室(１８)内のみならず、導出路(２４)を介して分配弁(２７)の分配定量室(２９)内にも導入される。この分配定量室(２９)は、分配ステム(３２)の分配オリフィス(３３)を、ガスケット(３４)が閉鎖しているため、エアゾール内容物を、このままの状態では外部に噴射する事がない。
【００２８】
一定時間の経過によって定量室(１８)内にエアゾール内容物が定量充填された後は、固定体(２２)を手、指等で保持して元位置に復元させる事により、外周突起(１６)は溝カム(１２)の非噴射部(１４)に戻されるから、エアゾール容器(１)の制御弁(３)に設けたステム(４)への押圧を解除する。このステム(４)への押圧の解除によってエアゾール容器(１)の制御弁(３)は閉鎖され、エアゾール容器(１)内部と定量室(１８)の連通を遮断する。
【００２９】
次に、エアゾール内容物を外部に噴射して使用するためには、分配弁(２７)の分配ノズル(２８)を用いる。分配ノズル(２８)は、分配弁(２７)の分配ステム(３２)に押釦(４０)等を接続する事によって形成しており、この押釦(４０)を押圧する事によって、図１に示す如く、定量室(１８)と連通口(３８)を介して連通している、分配定量室(２９)内のエアゾール内容物は外部に噴射される。この噴射は、図６に示す如く、分配ステム(３２)の押圧により、分配ステム(３２)の分配オリフィス(３３)がガスケット(３４)の密閉から開放されることにより生じる。
【００３０】
また、この押釦(４０)を介して分配ステム(３２)の押圧量を調整する事によって定量噴射も可能となる。例えば、図６に示す如く、押釦(４０)を介した分配ステム(３２)の押圧量を限界まで強く押圧すれば、分配ステム(３２)の下端に突出した閉止栓(３７)が定量室(１８)と連通する連通口(３８)内に挿入され、連通口(３８)を閉鎖するものとなる。そのため、分配ノズル(２８)から噴射されるエアゾール内容物は、分配定量室(２９)内のエアゾール内容物に限定されるから、分配ノズル(２８)から噴射されるエアゾール内容物は定量噴射が可能となる。
【００３１】
そして、この分配ノズル(２８)によるエアゾール内容物の噴射は、定量噴射が行われても、また非定量噴射が行われるにしても、定量室(１８)内に於けるエアゾール内容物の量は一定であるから、分配ノズル(２８)から何回エアゾール内容物が噴射されても、また定量的に若しくは非定量的に分配ノズル(２８)からエアゾール内容物が噴射されても、トータルでのエアゾール内容物の噴射量は一定となる。
【００３２】
従って、このトータルとしてのエアゾール内容物の噴射量を、一日の噴射量、若しくは数日分とか一週間分の噴射量に相応させるものとすれば、その一日分等の規定期間内に於ける噴射は常に定量で行われる事になる。従って、医薬品、化粧品、例えば過剰な使用が抑制されるべき医薬品とか養毛剤等に於てこれを用いる場合に好都合なものとなる。
【００３３】
【発明の効果】
本発明は、上述の如く構成したものであるから、規定期間内に於ける定量噴射を、分配ノズルからの複数回の噴射によって可能とする事ができ、規定期間内の規定量以上の使用が好ましくない医薬品、化粧品等に於て好都合なエアゾール内容物の分配が可能となる。また、規定期間内の使用量が特定されているから、使用者は規定期間内に置いては一回ごとの使用量を任意に調整することが出来、効率の良いエアゾール内容物の使用を可能とするものである。
【００３４】
また、定量室と接続する分配弁は、定量弁を用いているから、定量室からの分配ノズルによる複数回の噴射も定量的に行う事が可能となり、更に好ましい噴射状態を得る事ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】エアゾール内容物の分配噴射状態を示す断面図である。
【図２】定量室内へのエアゾール内容物が導入される前の状態を示す断面図である。
【図３】定量室内にエアゾール内容物が導入された状態の断面図である。
【図４】外筒に設けた溝カムを表す正面図である。
【図５】エアゾール容器の制御弁の拡大断面図である。
【図６】分配弁の拡大断面図である。
【符号の説明】
１エアゾール容器
４ステム
１０オリフィス
１１外筒
１２溝カム
１５外筒
１６外周突起
１８定量室
１９本体
２０ピストン
２２固定体
２３押圧発条
２７分配弁
２８分配ノズル

Claims

エアゾール容器に下端を固定した外筒と、この外筒内に回動及び上下動可能に挿入するとともに外筒の円周方向に開口した溝カムに外周突起を係合しステムを押圧可能とした内筒と、この内筒の上端を被覆する固定体とから構成し、この内筒内に定量室及びピストンを配置した本体内に、エアゾール容器のステムを押圧可能に配置し、このステムと連通する前記定量室内に導入したエアゾール内容物の加圧が可能な前記ピストンを、本体内に摺動可能に装着するとともに、定量室に連通し定量室内のエアゾール内容物を噴射可能な分配ノズルを、分配弁を介して本体に接続形成し、この分配弁は、常時は定量室と連通する分配定量室を形成し、この分配定量室内に分配ステムを配置し、この分配ステムの分配オリフィスを常時はガスケットにより閉鎖し、分配ステムの押し下げ時には分配オリフィスと分配定量室を連通して、この分配定量室内の内容物を噴射可能とすると共に下端の閉止栓によって定量室と分配定量室との連通を遮断するものである事を特徴とするエアゾール容器用小分分配装置。
ピストンのエアゾール内容物への押圧は、押圧発条によって行う事を特徴とする請求項１のエアゾール容器用小分分配装置。