JP4094603B2 - 樹脂成形品のパートライン研磨装置 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂めっき処理前の樹脂成形品のパートライン、即ちばりを研磨する研磨装置に係り、特に凹凸部、角部や曲面部を有する樹脂成形品の周囲に形成されたパートラインを研磨する樹脂成形品のパートライン研磨装置に関する。
樹脂めっきを施す樹脂成形品については、それを樹脂めっきした際に、クラック(割れ)が生じやすいので、樹脂成形する際に形成された外周部のパートラインを研磨している。また、直接人の手が触れる樹脂成形品については、パートラインを必ず研磨する必要がある。例えば、図5に示すように合成樹脂製の取っ手51のような樹脂成形品Wでは金型成形の際にその接合部に形成されたパートライン52を研磨していた。
従来は、このような樹脂成形品のパートラインについては、一つ一つの樹脂成形品を手作業で研磨していた。しかし、1個の樹脂成形品の研磨作業に約30秒から2分以上もかかり研磨処理に長時間を要していた。しかも、手作業の研磨はバラツキが多く、製品の一定品質を維持することが困難であった。
そこで、樹脂成形品を自動研磨する技術が提案されている。例えば、特許文献1の特開2000−176807号公報「樹脂成形品のばり取り装置」のように、板状の樹脂成形品の外周部のばりを除去するための樹脂成形品のばり取り方法であって、複数の上記樹脂成形品を積層し、該積層状態の樹脂成形品の外周部に1以上の回転ブラシを接触させた状態で、該回転ブラシを回転駆動しつつ上記積層状態の樹脂成形品と上記回転ブラシとを該樹脂成形品の積層方向に相対移動させて各樹脂成形品の外周部のばりを順次除去することを特徴とする樹脂成形品のばり取り方法が提案されている。
また、特許文献1には、積層状態の樹脂成形品を外周部の一部を露出させて積層方向に移動可能に案内支持する第1ガイド部と、上記第1ガイド部上の樹脂成形品の上記露出部分のばりを除去する第1回転ブラシと、上記第1ガイド部に接続して設けられ、上記積層状態の樹脂成形品を外周部の上記第1回転ブラシによるばりの除去が行われない部分を露出させて積層方向に移動可能に案内支持する第2ガイド部と、上記第2ガイド部上の樹脂成形品の上記露出部分のばりを除去する第2回転ブラシと、上記各樹脂成形品の外周部のばりが上記第1及び第2回転ブラシにより順次除去されるように上記積層状態の樹脂成形品を上記第1及び第2ガイド部上で積層方向に移動させる移動機構とを備えていることを特徴とする樹脂成形品のばり取り装置が提案されている。
特開2000−176807号公報
特許文献1のばり取り方法、ばり取り装置は、スリットを有するような外周形状であっても、樹脂成形品のばり以外の部分に傷を付けることなく、かつ整列状態のままでばりの除去作業を行い、ブロックベルトのブロックのような板状の樹脂成形品の外周部のばりを除去することができる。しかし、合成樹脂製の取っ手のような凹凸部と曲面部を共に有する樹脂成形品の外周部のパートラインは研磨することは困難である。即ち、複雑な形状の樹脂成形品については、そのパートラインを円滑に研磨することができないという問題を有していた。
また、特許文献1のばり取り方法、ばり取り装置では、回転ブラシを採用しているので、樹脂成形品の研磨面に回転方向の傷が付きやすく、その後の樹脂めっきに不具合が生じやすいので、手に触れたときに違和感が生じる製品になりやすいという問題を有していた。
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、研磨ベルトと、仕上研磨する板状の研磨板とを隣接配置すると共に、樹脂成形品の方向を可変させながら研磨する機構を設けることで、パートラインが様々な形状からなる樹脂成形品の何れも研磨処理することができ、かつ迅速に研磨することができる樹脂成形品のパートライン研磨装置を提供することにある。
本発明によれば、樹脂めっきに供され、かつ凹凸部、角部や曲面部を有する樹脂成形品(W)について、その周囲の接合部に、金型成形の際に形成されたパートライン(52)を研磨するパートライン研磨装置であって、前記樹脂成形品(W)を樹脂めっきしたときに、クラックの起点の原因になるパートライン(52)のばり又は段差を研磨する無端ベルト状の研磨ベルト(1)と、前記研磨ベルト(1)に隣接すると共に、前記樹脂成形品(W)のパートライン(52)に、該研磨ベルト(1)の研磨により発生した、樹脂めっきしたときに、クラックの起点の原因になるエッジ部分に丸みを付けるための仕上研磨をする、該研磨ベルト(1)よりヤスリ目が細かく、かつその硬さも柔らかい、板状の研磨板(2)と、前記樹脂成形品(W)を担持するワーク保持具(3)と、前記ワーク保持具(3)を樹脂成形品(W)と共に、所定方向に移動させるワーク保持具可動機構(4)と、から成り、前記研磨ベルト(1)による研磨に引き続いて前記研磨板(2)による仕上研磨するために樹脂成形品(W)を迅速に移動させるように、該研磨ベルト(1)の研磨する面と、該研磨板(2)の研磨面とにより形成される角度(α)が90度から180度の範囲内になるように、研磨ベルト(1)と研磨板(2)とを配置した、ことを特徴とする樹脂成形品のパートライン研磨装置が提供される。
例えば、樹脂めっきに供され、かつ凹凸部、角部や曲面部を有する樹脂成形品(W)について、その周囲の接合部に、金型成形の際に形成されたパートライン(52)を研磨するパートライン研磨装置であって、前記樹脂成形品(W)を樹脂めっきしたときに、クラックの起点の原因になるパートライン(52)のばり又は段差を研磨する、略垂直方向に回転するように配置した無端ベルト状の研磨ベルト(1)と、前記研磨ベルト(1)に隣接すると共に、前記樹脂成形品(W)のパートライン(52)に、該研磨ベルト(1)の研磨により発生した、樹脂めっきしたときに、クラックの起点の原因になるエッジ部分に丸みを付けるため仕上研磨をする、該研磨ベルト(1)よりヤスリ目が細かく、かつその硬さも柔らかい、板状の研磨板(2)と、前記樹脂成形品(W)を、該パートライン(52)が略水平方向になるように着脱自在に担持するワーク保持具(3)と、前記ワーク保持具(3)を樹脂成形品(W)と共に、略水平の所定方向に移動させるワーク保持具可動機構(4)と、から成り、前記研磨ベルト(1)による研磨に引き続いて前記研磨板(2)による仕上研磨するために樹脂成形品(W)を迅速に移動させるように、該研磨ベルト(1)の研磨する面と、該研磨板(2)の研磨面とにより形成される角度(α)が90度から180度の範囲内になるように、研磨ベルト(1)と研磨板(2)とを配置したものがある。
前記研磨板(2)を、回転軸(9)に連結した回転板(10)に取り付けた。
前記研磨板(2)を、略水平方向に配置した回転軸(9)に連結した回転板(10)に取り付けた。または前記研磨板(2)を、振動装置に取り付けた。
前記回転軸(9)に、前記研磨板(2)を取り付ける回転板(10)を偏心して連結することができる。
前記研磨ベルト(1)が樹脂成形品(W)のパートライン(52)を研磨する面と反対の面を、該研磨ベルト(1)の内側から押圧するパッド(8)を設けた。
前記研磨ベルト(1)を回転させる装置の一部に、該研磨ベルト(1)に付着した研磨滓を除去するクリーニング機構(11)を設ける。
前記ワーク保持具(3)は、昇降し得るように構成することができる。
前記ワーク保持具可動機構(4)は、略水平方向と上下方向の所定方向に移動させるものが好ましい。
本発明では、研磨ベルト(1)と、仕上研磨する研磨板(2)とを隣接配置したので、研磨ベルト(1)に、樹脂成形品(W)の外周に形成された凹凸形状部、角部や曲面形状部のパートライン(52)を当てながら連続研磨し、隣の回転又は振動する研磨板(2)に、樹脂成形品(W)の周囲のパートライン(52)が擦るように、樹脂成形品(W)を略水平方向に移動させながら、この樹脂成形品(W)周囲のパートライン(52)を連続して仕上研磨することができる。特に、研磨ベルト(1)に隣接して、90度から180度の範囲内に研磨板(2)を配置したので、研磨ベルト(1)の研磨により発生した、樹脂めっきしたときに、クラックの起点の原因になる樹脂成形品(W)のエッジ部分については、研磨ベルト(1)よりヤスリ目が細かく、かつその硬さも柔らかいの研磨板(2)の仕上研磨により、迅速に丸みを付けることができる。そこで、この樹脂成形品(W)を樹脂めっきする際に発生する「膨れ」や「クラック」を防止することができる。
回転軸(9)に研磨板(2)を取り付ける回転板(10)を偏心して連結したものは、研磨板(2)を偏心させて回転させ、樹脂成形品(W)の周囲のパートライン(52)を仕上研磨することができる。これにより、樹脂成形品(W)の研磨面に回転方向の傷を付けないようにすることができる。
研磨ベルト(1)が樹脂成形品(W)のパートライン(52)を研磨する面と反対の面を、研磨ベルト(1)の内側から押圧するパッド(8)を設けたので、樹脂成形品(W)の凹部のパートライン(52)も的確に研磨することができる。
研磨ベルト(1)を回転させる装置の一部に、研磨ベルト(1)に付着した研磨滓を除去するクリーニング機構(11)を設けたものでは、研磨ベルト(1)の作動中に、研磨滓をクリーニングしながら、樹脂成形品(W)を研磨することができる。研磨ベルト(1)の研磨面の目詰まりによる研磨能力を低下させることなく連続的に研磨することができる。
ワーク保持具可動機構(4)を略水平方向と上下方向の所定方向に移動させることにより、パートライン(52)が直線的に形成されていない樹脂成形品(W)であってもその形状に合わせて樹脂成形品(W)を、水平方向と上下方向の移動を組み合わせながら研磨することができる。同様に、パートライン(52)が直線的に形成されているものであっても、樹脂成形品(W)の軸方向に対して傾斜状態でワーク保持具(3)を取り付けたことで、そのパートライン(52)の形状に合わせて樹脂成形品(W)を水平方向と上下方向の移動を組み合わせながら研磨することができる。
本発明は、凹凸部、角部や曲面部を有する樹脂成形品に形成されたパートラインについて、研磨ベルトによる連続して研磨する研磨ベルトと、研磨板による連続した仕上研磨する研磨板を隣接配置し、これらに対して樹脂成形品を移動させるワーク保持具可動機構とを配置した樹脂成形品のパートライン研磨装置である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の樹脂成形品のパートライン研磨装置を示す分解斜視図である。図2は本発明の樹脂成形品のパートライン研磨装置を示す平面図である。図3は本発明の樹脂成形品のパートライン研磨装置を示す側面図である。
本発明のパートライン研磨装置は、樹脂成形品Wのパートライン52を研磨する、略垂直方向に回転するように無端ベルト状の研磨ベルト1と、この研磨ベルト1に隣接し、樹脂成形品Wのパートライン52を仕上研磨する研磨板2とを配置したものである。樹脂成形品Wは、ワーク保持具3を用いてそのパートライン52が略水平方向になるように担持するようになっている。このワーク保持具3は、ワーク保持具可動機構4により樹脂成形品Wと共に略水平の所定方向に移動させながら、凹凸部、角部や曲面部を有する樹脂成形品Wに形成されたパートライン52を研磨するようになっている。
図1から図3の図示例では、研磨ベルト1と研磨板2とワーク保持具3とを配置したもののみを示しているが、実際のパートライン研磨装置では、樹脂成形品Wのパートライン52を研磨した研磨滓が飛散しないように、これらの装置を筐体内に収容する。筐体の一面には、樹脂成形品Wを出し入れする部分だけに窓を設ける。この筐体の一面は内部が見られるように透明板で製造することが好ましい。
研磨ベルト1による研磨は、樹脂成形品Wのパートライン52のばり又は段差が、この樹脂成形品Wをめっき処理した際に、膨れ又はクラックの起点となるため、このばりや段差を除去することを目的とするものである。図1と図3の図示例では、樹脂成形品Wを研磨する位置において、上から下に向けて回転させている(矢示線参照)。これは、ワーク保持具3に取り付けた樹脂成形品Wが研磨中に外れないようにするためである。ワーク保持具3に対して樹脂成形品Wを取り付ける状態に応じて研磨ベルト1の回転方向が決定される。
この研磨ベルト1は、図3に示すように、略四角形状に配置したプーリ5と駆動輪6に掛け渡した。この駆動輪6は、モータ等の駆動機7に連結してプーリ5を回転させるものである。この駆動輪6又はプーリ5のいずれか1個は、研磨装置の使用に際して、研磨ベルト1にテンションをかけるようになっている。本発明の研磨装置を使用していないときは、駆動輪6又はプーリ5を研磨ベルト1に接触させないで、研磨ベルト1が伸びないようにしている。
この研磨ベルト1は、例えば布製研磨ベルトで、ヤスリ目は#120〜2000が適当であった。この研磨ベルト1は、ベルトの伸びが比較的に小さいものが好ましい。研磨ベルト1の伸びが大きいと、一日の研磨後の製品のばらつきが大きくなるからである。この研磨ベルト1の長さと幅は、樹脂成形品Wの寸法やパートライン研磨装置の規模に応じて決定される。
研磨ベルト1が樹脂成形品Wのパートライン52を研磨する面と反対の面を、研磨ベルト1の内側から押圧するパッド8を設ける。このパッド8は樹脂成形品Wの凹部のパートライン52を的確に研磨するものである。このパッド8により、樹脂成形品Wのパートライン52の平坦面と曲面を均一に研磨できる。このパッド8の前後動の駆動は、樹脂成形品Wのパートライン52の形状に応じて制御するようになっている。例えば、直線形状が多いパートライン52には、押圧面が直線形状のパッド8を用い、凹凸が多いパートライン52には、押圧面が小さいパッド8を用いることで、パートライン52の様々な形状に対応できるようにする。また、パッド8の前後動の駆動制御はプログラムに連動させることができる。
研磨ベルト1に隣接して研磨板2を配置した。この研磨板2による仕上研磨は、研磨ベルト1の研磨により発生した樹脂成形品W周囲のエッジ部分についても、この樹脂成形品Wを樹脂めっき処理した際に、膨れ又はクラックの原因となるために丸みを付けて、それを防止することを目的とする。
研磨板2は、略水平に配置した回転軸9に連結した回転板10に取り付けたものである。本発明では研磨ベルト1の研磨する面と、研磨板2の研磨面とにより形成される角度αが90度から180度の範囲内になるように、研磨ベルト1と研磨板2とを配置した。これは、研磨ベルト1による研磨に引き続いて研磨板2による仕上研磨するために樹脂成形品Wを迅速に移動させやすくするためである。
研磨ベルト1を回転させる装置の一部に、研磨ベルト1に付着した研磨滓を除去するクリーニング機構11を設ける。このクリーニング機構11では、研磨ベルト1を超音波洗浄する方法を用いた。樹脂成形品Wの種類に応じては、水中で洗浄する方法、圧縮空気を吹き付ける方法、振動モータで落下させる方法等を用いることができる。このクリーニング機構11では冷却効果も期待できる。このクリーニング機構11により、研磨ベルト1の作動中に、研磨滓を除去しながら、樹脂成形品Wを研磨することができる。そこで、研磨ベルト1の研磨面の目詰まりによる研磨能力を低下させることなく連続的に研磨することが可能になる。
研磨板2は、上述した研磨ベルト1より細かいヤスリ目であって、硬さが柔らかいものを用いる。この研磨板2は硬すぎると研磨目が粗くなり、めっき後はそこが傷のようになることがあるからである。
図示例の研磨板2は、樹脂成形品Wを研磨する位置において、上から下に向けて回転させている。これは、ワーク保持具3に取り付けた樹脂成形品Wが研磨中に外れないようにするためである。ワーク保持具3に対して樹脂成形品Wを取り付けた状態に応じて研磨板2の回転方向が決定される。
なお、回転軸9に、研磨板2を取り付ける回転板10を偏心して連結することも可能である。このように研磨板2を偏心させて回転させ、樹脂成形品Wの周囲のパートライン52を仕上研磨することにより、樹脂成形品Wの研磨面に回転方向の傷を付けないようにすることができる。
研磨板2は、振動装置(図示していない)で振動研磨するように構成することも可能である。更に、この振動装置で研磨材3を振動の振幅を可変させながら、樹脂成形品Wの研磨面に傷を付けないように樹脂成形品Wの周囲のパートライン52を仕上研磨することができる。
ワーク保持具3は、スタンドの上に棒状の部材12を立て、この上部に樹脂成形品Wの研磨する必要のない部分に開けた孔部分で回動しないように止め、更に枝部13で上下方向への揺れが生じないように支える。例えば、合成樹脂製の取っ手では、ドア機構としての軸止め用の孔やスリットが開けられた部分を、棒状の部材12に嵌めこみ、枝部13で支えて研磨処理中に不要な揺れが生じないようにする。
ワーク保持具可動機構4は、ワーク保持具3を樹脂成形品Wと共に、略水平の所定方向に移動させる機構である。例えば、3軸直交ロボットを用いて、研磨装置内において樹脂成形品Wを載せたワーク保持具3を移動させるものである。このワーク保持具可動機構4の動作は、樹脂成形品Wのパートライン52の形状に応じて制御するようになっている。例えば、プログラムに連動してワーク保持具3を所定の方向に移動させることができる。
このワーク保持具可動機構4は、必ずしも略水平方向のみ移動させる必要はない。更に上下方向の移動を組み合わせることができる。例えば、パートライン52が直線的に形成されていない樹脂成形品Wであっても、その形状に合わせて樹脂成形品Wを水平方向と上下方向の移動を組み合わせながら研磨することができる。同様に、パートライン52が直線的に形成されている樹脂成形品Wであっても、樹脂成形品Wの軸方向に対して傾斜状態でワーク保持具3を取り付けたときにも、そのパートライン52の形状に合わせて樹脂成形品Wを水平方向と上下方向の移動を組み合わせながら研磨することができる。
あるいは、ワーク保持具3自体は、昇降し得るように構成することも可能である。
図4は本発明の研磨装置における樹脂成形品の動作状態を示す平面図であり、(a)から(e)までは研磨ベルトによる研磨処理の状態、(f)から(j)は研磨板による仕上研磨処理の状態である。
この樹脂成形品Wの凹形状部のパートライン52に、研磨ベルト1に押し当てながら研磨した後、パッド8を後退させて、この研磨ベルト1を後退させる。このような研磨ベルト1の位置を変化させることにより、凹部を有する樹脂成形品であっても自動研磨することができる。この凹形状部のパートライン52が湾曲しているときは、その曲面をなぞるように研磨する。
この凹形状部のパートライン52に続けて、図4の(a)から(e)に示すように、樹脂成形品Wの周囲のパートライン52を、研磨ベルト1面を擦るように、樹脂成形品Wを略水平方向に移動させながら、この樹脂成形品Wの周囲のパートラインを連続研磨する。これにより円滑なパートライン52の研磨を実施することができる。
次に、樹脂成形品Wの凹形状部のパートライン52を、図4の(f)から(j)に示すように、研磨板2に押し当てながら仕上研磨し、樹脂成形品Wの周囲のパートライン52が研磨板2を擦るように、樹脂成形品Wを略水平方向に移動させながら、樹脂成形品Wの周囲のパートライン52を連続して仕上研磨する。これにより円滑にパートライン52の仕上研磨を実施することができる。
このように凹凸部、角部や曲面部を有する樹脂成形品Wに形成されたパートライン52について、研磨ベルト1による連続した研磨と、研磨板2による連続した仕上研磨が終了したら、ワーク保持具3から取り外し研磨処理が完了する。上述と同様な工程で次の樹脂成形品Wをセットする。
なお、本発明は上述した発明の実施の形態に限定されず、研磨ベルト1による研磨と、研磨板2を隣接配置し、ワーク保持具可動機構4を可動させて樹脂成形品Wのパートライン52を迅速に連続して研磨することができる構成であれば、図示したような構造に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
本発明の樹脂成形品のパートライン研磨装置は、凹凸部、角部や曲面部を有する樹脂成形品について利用できるだけでなく、板状の単純な形状の樹脂成形品のパートラインの研磨に利用することができる。
本発明の樹脂成形品のパートライン研磨装置を示す分解斜視図である。 本発明の樹脂成形品のパートライン研磨装置を示す平面図である。 本発明の樹脂成形品のパートライン研磨装置を示す側面図である。 本発明の研磨装置における樹脂成形品の動作状態を示す平面図であり、(a)から(e)までは研磨ベルトによる研磨処理の状態、(f)から(j)は研磨板による仕上研磨処理の状態である。 樹脂成形品の一例である合成樹脂製の取っ手にあらわれたパートラインを示す説明図である。
符号の説明
1 研磨ベルト
2 研磨板
3 ワーク保持具
4 ワーク保持具可動機構
8 パッド
9 回転軸
10 回転板
11 クリーニング機構
52 パートライン
W 樹脂成形品
α 研磨ベルト面と研磨板研磨面とにより形成される角度

Claims (10)

  1. 樹脂めっきに供され、かつ凹凸部、角部や曲面部を有する樹脂成形品(W)について、その周囲の接合部に、金型成形の際に形成されたパートライン(52)を研磨するパートライン研磨装置であって、
    前記樹脂成形品(W)を樹脂めっきしたときに、クラックの起点の原因になるパートライン(52)のばり又は段差を研磨する無端ベルト状の研磨ベルト(1)と、
    前記研磨ベルト(1)に隣接すると共に、前記樹脂成形品(W)のパートライン(52)に、該研磨ベルト(1)の研磨により発生した、樹脂めっきしたときに、クラックの起点の原因になるエッジ部分に丸みを付けるための仕上研磨をする、該研磨ベルト(1)よりヤスリ目が細かく、かつその硬さも柔らかい、板状の研磨板(2)と、
    前記樹脂成形品(W)を担持するワーク保持具(3)と、
    前記ワーク保持具(3)を樹脂成形品(W)と共に、所定方向に移動させるワーク保持具可動機構(4)と、から成り、
    前記研磨ベルト(1)による研磨に引き続いて前記研磨板(2)による仕上研磨するために樹脂成形品(W)を迅速に移動させるように、該研磨ベルト(1)の研磨する面と、該研磨板(2)の研磨面とにより形成される角度(α)が90度から180度の範囲内になるように、研磨ベルト(1)と研磨板(2)とを配置した、ことを特徴とする樹脂成形品のパートライン研磨装置。
  2. 樹脂めっきに供され、かつ凹凸部、角部や曲面部を有する樹脂成形品(W)について、その周囲の接合部に、金型成形の際に形成されたパートライン(52)を研磨するパートライン研磨装置であって、
    前記樹脂成形品(W)を樹脂めっきしたときに、クラックの起点の原因になるパートライン(52)のばり又は段差を研磨する、略垂直方向に回転するように配置した無端ベルト状の研磨ベルト(1)と、
    前記研磨ベルト(1)に隣接すると共に、前記樹脂成形品(W)のパートライン(52)に、該研磨ベルト(1)の研磨により発生した、樹脂めっきしたときに、クラックの起点の原因になるエッジ部分に丸みを付けるため仕上研磨をする、該研磨ベルト(1)よりヤスリ目が細かく、かつその硬さも柔らかい、板状の研磨板(2)と、
    前記樹脂成形品(W)を、該パートライン(52)が略水平方向になるように着脱自在に担持するワーク保持具(3)と、
    前記ワーク保持具(3)を樹脂成形品(W)と共に、略水平の所定方向に移動させるワーク保持具可動機構(4)と、から成り、
    前記研磨ベルト(1)による研磨に引き続いて前記研磨板(2)による仕上研磨するために樹脂成形品(W)を迅速に移動させるように、該研磨ベルト(1)の研磨する面と、該研磨板(2)の研磨面とにより形成される角度(α)が90度から180度の範囲内になるように、研磨ベルト(1)と研磨板(2)とを配置した、ことを特徴とする樹脂成形品のパートライン研磨装置。
  3. 前記研磨板(2)を、回転軸(9)に連結した回転板(10)に取り付けた、ことを特徴とする請求項2の樹脂成形品のパートライン研磨装置。
  4. 前記研磨板(2)を、略水平方向に配置した回転軸(9)に連結した回転板(10)に取り付けた、ことを特徴とする請求項3の樹脂成形品のパートライン研磨装置。
  5. 前記研磨板(2)を、振動装置に取り付けた、ことを特徴とする請求項1又は2の樹脂成形品のパートライン研磨装置。
  6. 前記回転軸(9)に、前記研磨板(2)を取り付ける回転板(10)を偏心して連結した、ことを特徴とする請求項3の樹脂成形品のパートライン研磨装置。
  7. 前記研磨ベルト(1)が樹脂成形品(W)のパートライン(52)を研磨する面と反対の面を、該研磨ベルト(1)の内側から押圧するパッド(8)を設けた、ことを特徴とする請求項1又は2の樹脂成形品のパートライン研磨装置。
  8. 前記研磨ベルト(1)を回転させる装置の一部に、該研磨ベルト(1)に付着した研磨滓を除去するクリーニング機構(11)を設けた、ことを特徴とする請求項1又は2の樹脂成形品のパートライン研磨装置。
  9. 前記ワーク保持具(3)は、昇降し得るように構成した、ことを特徴とする請求項1又は2の樹脂成形品のパートライン研磨装置。
  10. 前記ワーク保持具可動機構(4)は、略水平方向と上下方向の所定方向に移動させるものである、ことを特徴とする請求項1又は2の樹脂成形品のパートライン研磨装置。
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