JP4094454B2 - 型枠材及びその型枠材を使用して構築される型枠並びにその組立て施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンクリートの打設のために使用される型枠材に関し、更には、該型枠材を使用して構築される型枠並びに該型枠材による型枠の組立て施工法に関する。
【0002】
従来の型枠施工は、4辺形状の型枠パネルを一方の側で相並べて壁体状に組み立て、所定間隔を隔てて他方の側にも同様に壁体状に相対置して配し、これらの相対置する型枠パネル間に配するセパレータをもって型枠パネルを固定保持する。しかる後、型枠間に流動状のコンクリートを打設し、その固結を待って型枠パネルが取り外される。あるいは又、型枠パネルがその外側面に化粧を施した化粧材を兼ねるものにあっては、そのまま埋殺しとされる。
上記いずれの型枠施工においても、セパレータの設置に手間を要するものであり、各型枠パネルの積上げ精度とともに施工の隘路となっている。
また、セパレータの端部が型枠パネルの表面に突出するものであるので、型枠の取り外されるものにあってはその後にセパレータを切断する必要があること、また、型枠を埋め殺すものにあっては露出したセパレータの端部が美観を損なうものとなっている。
更に、4辺形パネルによれば、当該4辺形パネルを接合して得られる壁体版は、当該版体の版面方向に働く板面力に付き、4辺形パネルの辺部に沿う水平方向と垂直方向との2方向分力のみとなり、力が集結されず、各パネルの角部が集まる交会部での作用力の収斂性・集中性が得られ難く、このため「ずれ」が生じやすく、当該交会部位から緩みが生じ、全体的な破損を惹起する原因となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、従来の型枠パネルの欠点を克服し、セパレータの設置が容易になされ、かつ、使用されるパネル(基板)に付き、角部において十分な締付け力が得られ、ズレの生じない新規な構成の型枠材を提供することを目的とする。
本発明は更に、この型枠材の組合せをもって構築される型枠並びにその型枠の組立て施工方法を得ることも他の目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は型枠材に係り、下記a,b,cの3種の構成素材からなることを特徴とする;
a.型枠基板は、一定厚の直角2等辺3角形状をなすとともに、少なくとも両短辺部の側面には辺方向に、所定の幅形状と所定深さとを有し、端部が45°以下の傾斜面にされたくさび溝が縦設され、かつ、該基板の各角部には角部を中心とする所定の深さ及び所定幅の大径の切欠き凹部と該大径の切欠き凹部より一方の側面に向けて連通する小径の切欠き凹部とが開設されてなる。
b.くさび棒は、前記基板の対接するくさび溝相互により形成されるくさび空間に合致する形状に形成される。
c.セパレータは、両端の鍔部と該鍔部の中心を繋ぐ繋ぎ杆とからなり、前記鍔部は前記基板に凹設された大径の切欠き凹部に嵌め込まれ、前記繋ぎ杆はその両端部で前記基板に凹設された小径の切欠き凹部に嵌め込まれ、互いに位相を揃えて対設される型枠基板間に跨がって掛け渡される。
上記において、切欠き凹部の径は円形に限定されるものではなく、他の形状を含み、差し渡し距離を採る。
上記構成において、
▲1▼型枠基板の表面に化粧を施すこと、
▲2▼セパレータの繋ぎ杆の径を耐引張り用としての細径とすること、
▲3▼セパレータの繋ぎ杆の径を耐圧縮用としての太径とすること、
▲4▼くさび溝の幅形状は等幅もしくは底部より開口に向けて拡幅される形状を採ること、換言すれば、底部より開口に向けて非縮幅の形状を採ること、
は適宜実施される選択的事項である。
更に本発明において、
▲1▼型枠基板の斜辺部にくさび溝を設け、かつ該くさび溝に合致するくさび棒を含むこと、
▲2▼くさび溝の傾斜角は30°乃至45°を採ること、
は更に別な発明を構成する。
【0005】
本発明の第2は型枠に係り、一定厚の直角2等辺3角形状をなすとともに、少なくとも両短辺部の側面には辺方向に、所定の幅形状と所定深さとを有し、端部が45°以下の傾斜面にされたくさび溝が縦設され、かつ、各角部には角部を中心とする所定の深さ及び所定幅の大径の切欠き凹部と該大径の切欠き凹部より一方の側面に向けて連通する小径の切欠き凹部とが開設されてなる型枠基板; 前記基板の対接するくさび溝相互により形成されるくさび空間に合致する形状に形成されるくさび棒;両端の鍔部と該鍔部の中心を繋ぐ繋ぎ杆とからなるセパレータ;の構成素材からなり、
前記型枠基板は対接する短辺部相互間にはくさび棒が介装され、かつ所定の間隔を隔てるとともに位相を揃えて設置され、
前記セパレータの鍔部は前記基板に凹設された大径の切欠き凹部に嵌め込まれ、
前記セパレータの繋ぎ杆はその両端部で前記基板に凹設された小径の切欠き凹部に嵌め込まれ、互いに位相を揃えて対設される型枠基板間に跨って掛け渡されてなる、
ことを特徴とする。
【0006】
本発明の第3は型枠の組立て施工方法に係り、一定厚の直角2等辺3角形状をなすとともに、少なくとも両短辺部の側面には辺方向に、所定の幅形状と所定深さとを有し、端部が45°以下の傾斜面にされたくさび溝が縦設され、かつ、各角部には角部を中心とする所定の深さ及び所定幅の大径の切欠き凹部と該大径の切欠き凹部より一方の側面に向けて連通する小径の切欠き凹部とが開設されてなる型枠基板;前記基板の対接するくさび溝相互により形成されるくさび空間に合致する形状に形成されるくさび棒;両端の鍔部と該鍔部の中心を繋ぐ繋ぎ杆とからなるセパレータ;の構成素材からなり、前記型枠基板を所定の間隔を隔てるとともに位相を揃えて設置される型枠の施工方法であって、
前記型枠基板の斜辺部を下方にして相並べるとともに該型枠基板のくさび溝にくさび棒を装着し、
しかる後、前記設置された型枠基板相互の短辺部が作る3角形空間に、同じく型枠基板の直角部を下方にして落とし込んで配し、
これらの型枠基板の交会部において切欠き凹部の作る凹部にセパレータを装着する、
ことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の型枠材の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図5はその一実施形態の型枠材を示す。すなわち、図1及び図2はその型枠材Kの全体構成を示し、図3〜図5は各部分構成を示す。
【0008】
図1〜図3に示すように、本実施形態の型枠材Kは、一定厚をもって直角2等辺3角形状をなすとともに、該各辺の側面に所定形状のくさび溝が凹設されてなる型枠基板1と、前記型枠基板1の側面のくさび溝に嵌め込まれるくさび棒2と、該型枠基板1の3つの角部に配されるセパレータ3と、の3種の構成素材を含む。
【0009】
以下、各部の構成に付き詳細に説明する。
型枠基板1(図1〜図3参照)
型枠基板1(以下単に「基板1」という)は、図1〜図3に示すように、一定厚をもって直角2等辺3角形状をなすとともに、該各辺の側面の中央部には辺に沿って所定長さ、所定形状の、かつ所定深さのくさび溝4が縦設されてなる。また、角部においては切欠き凹部5が形成される。
図において、1aは基板1の表面、1bは基板1の裏面、1cは短辺部の側面、1dは斜辺部(長辺、底辺ともいう)の側面を示す。Aは基板1の直角部、Bは底角部を示す。
更に図において、aは本基板1の厚さ、bはくさび溝4の幅、cはくさび溝4の深さを示す。
該基板1の素材は原則として、型枠材に限定されず構造材として採用される全ての材料を含む。通常には、コンクリート材(RCを含む)、金属、木材、合成樹脂材が採られる。
【0010】
くさび溝4
基板1の各辺の側面中央には、辺方向に沿ってくさび溝4が縦設される。
くさび溝4は所定の長さ、幅形状及び所定深さ(底部4a)を有し、端部が45°に開く傾斜面4bにされる。ここに傾斜面4bの傾斜角は開口部より底部4aに向う角度とする。
4Aは短辺1cに形成された短辺部くさび溝、4Bは斜辺1dに形成された斜面部くさび溝である。短辺部くさび溝4Aは本発明において必須であり、幅b、深さcを採る。斜辺部くさび溝4Bは本発明において任意的事項であり、場合によっては省略される。また、格別、所定の幅b、深さcを採る必要もなく、端部も45°の傾斜に限らない。
端部角度の45°は一例示であって、45°を超えることはなく、45°未満も含む。通常は30°から45°とする。
【0011】
切欠き凹部5(図2〜図5参照)
基板1の各角部A,Bには、切欠き凹部5が凹設される。
該切欠き凹部5は、角部A,Bを中心とする大径の円筒状の切欠き凹部6と、該大径の切欠き凹部より一方の側面に向けて連通する小径の円筒状の切欠き凹部7とからなる。5Aは直角の角部Aに形成される切欠き凹部(大径凹部6A、小径凹部7A)であって、1/4円を採る。5Bは底角の角部Bに形成される切欠き凹部(大径凹部6B、小径凹部7B)であって、1/8円を採る。これらの切欠き凹部5(5A,5B)は本発明において必須である。
切欠き凹部5は基板1に直接形成されてもよいが、図例では枠管9,10を介して形成する態様を採る。
本実施形態において、大径凹部6及び小径凹部7は円の一部を採るが、円以外に多角形(例えば、四角形、八角形)を採ることができる。
切欠き凹部5は各基板1の角部A,Bが集まって1つの円を形成する。この部位を交会部Tという。
【0012】
くさび棒2(図1、図2参照)
くさび棒2は、所定の長さと断面形状を有し、基盤1のくさび溝4いその半分が嵌り込む。
該くさび棒2の素材は、原則として基板1に対応した素材を採るが、異種を除外しない。
2Aは短辺部くさび棒であり、短辺部くさび溝4Aに密着状に嵌り込む。従って、長さは短辺部くさび溝4Aの長さに等しく、幅はb、高さは2cを採る。
短辺部くさび棒2Aの端部はそれぞれの片側が短辺部くさび溝4Aの傾斜面に合致し、45°斜面にされ、他の片側も同様であって、直角上の角部を採る。Pはその角部であり、2aは斜面部である。
2Bは長辺部くさび棒であり、長辺部くさび溝4Bに密着状に嵌り込む。従って、長さは長辺部くさび溝4Bの長さに等しく、幅はb、高さは2cを採る。
長辺部くさび棒2Bにおいても、その端部はそれぞれの片側が長辺部くさび溝4Bの傾斜面に合致し、45°斜面にされ、他の片側も同様であって、直角状の角部を採る。Pはその角部であり、2aは斜面部である。
なお、長辺部くさび棒2Bは前記した長辺部くさび溝4Bに対応して省略でき、あるいは他の形状を採ることができる。
【0013】
セパレータ3(図1、図2、図4、図5参照)
セパレータ3は、両端の鍔部12と該鍔部の中心を繋ぐ繋ぎ杆13とからなり、金属素材(通常は鋼製)よりなる。鍔部12は前記基板1に凹設された大径の切欠き凹部6に嵌め込まれ、繋ぎ杆13はその両端部(根本部)で前記基板1に凹設された小径の切欠き凹部7に嵌め込まれ、互いに位相を揃えて対設される型枠基板1の交会部T間に跨って掛け渡される。鍔部12には適宜面取りがなされ、凹部6内へ装入を容易となす。
本実施形態では鍔部12と繋ぎ杆13はその断面が円形を採るが、他の形状を除外するものではなく、前記したとおり、基板1の切欠き凹部5の形状に対応するものである。
更に、図例における繋ぎ杆13は主として張力に対抗する比較的細径のものを示したが、当該繋ぎ杆13の径を大径にし、圧縮にも対抗する態様を採ることもできる。この場合、基板1の小径の切欠き凹部7もこれに対応する径を採ることは勿論である。
【0014】
(その他の構成)
叙上の型枠材Kを使用して型枠が組み立てられるものであるが、補助要素として半サイズ基板1Aが用意される。
(半サイズ基板1A)
半サイズ基板(1/2基板ともいう)1Aは、上記した基板1(全サイズ基板ともいう)の半分のものである。基板本体の寸法が1/2であって、その角部の凹部5は基板1のものと同じである。斜辺部のくさび溝及びくさび棒の寸法関係は全サイズ基盤1の短辺のものに等しい。
【0015】
型枠の組立て
本実施形態の型枠材Kを使用してなされる型枠施工に付いて説明する。
図6及び図7はその施工態様の一例を示す。図における丸付き番号▲1▼▲2▼▲3▼……は施工順序を示す。
【0016】
(1) 基礎Hを施工し、該基礎Hの上面に斜辺用のくさび棒2を所定間隔をもって設置する。また、端部において2つの型枠間にまたがる幅広の鉛直材Vを設置する。鉛直材Vは後で打設されるコンクリートの流出しを防止する。
【0017】
(2) しかる後、以下の手順で型枠を組み立ててゆく。型枠は型枠空間αを隔てて相対置し、同一位相をもって組み立てられてゆくことを原則とする。
▲1▼端部に配される最初の基板1の斜辺1dを基礎Hのくさび棒2Bに嵌め込んで建て込む。これらの短辺1cにくさび棒2Aを嵌め込む。
▲2▼半サイズ基板1Aを鉛直材Vに沿わせて建て込む。
▲3▼先に設置した基板1に相並べて基板1をその斜辺1dをくさび棒2Bに嵌め込んで建て込む。これらの短辺1cにくさび棒2Aを嵌め込む。
▲4▼基板1をその直角部Aを下方にして落とし込んで建て込む。その斜辺1dにくさび棒2Bを嵌め込む。
▲5▼セパレータ3を相対置する切欠き凹部5間に設置する。
▲6▼上記▲3▼で設置した基板1に相並べて基板1を建て込む。その短辺1cにくさび棒2Aを嵌め込む。
▲7▼基板1を直角部Aを下方にして建て込む。
▲8▼セパレータ3を設置する。
この▲8▼のセパレータ3の設置後、▲6▼の基板1の図の右部分へはこれ以降上記の手順に準じて適宜なされる。
▲9▼セパレータ3が設置される。
(10)端部において、鉛直材Vに沿わせて半サイズ基板1Aを建て込む。くさび棒2Aを嵌め込む。
(11)基板1を建て込む。短辺部1cにくさび棒2Aを嵌め込む。
(12)基板1を建て込む。短辺部1cにくさび棒2Aを嵌め込む。
(13)基板1を直角部Aを下方にして建て込む。斜辺部1dにくさび棒2Bを嵌め込む。
(14)基板1を直角部Aを下方にして建て込む。斜辺部1dにくさび棒2Bを嵌め込む。
(15)基板1を直角部Aを下方にして建て込む。斜辺部1dにくさび棒2Bを嵌め込む。
(16)セパレータ3を設置する。
(17)セパレータ3を設置する。
以下、右方へ上記手順に準じて組み立てられ、更に上方へ組み立てられる。
【0018】
(3) 所定の型枠空間αに対置された型枠が組み立てられたとき、コンクリートCを打設し、その固結を待つ。セパレータ5はその流動圧に対抗し、版膨れの異常を来たすことはない。
型枠はそのまま埋め殺し状態となり、内部コンクリートと一体となって頑丈な壁体を構成する。基板1における表面1aに化粧が施されたものにあっては、化粧施工の手間がなく、そのまま化粧外壁に用いられる。
【0019】
この型枠施工において、基板1Aの斜辺部1dは常に水平状態を採る。また、セパレータ3は、交会部T部分において下方の基板1が水平(180°)を保持したときに設置される。すなわち、このとき下方の3つの基板1が作る切欠き凹部5は上方に向けて開く半円状となる。
また、基礎Hにおけるくさび棒2の設置は必ずしも必要なものではない。基礎Hに型枠基板1を立て込んでもよい。
【0020】
この型枠の組立て施工によれば、型枠基板1の斜辺部1dを下方に向けてなされる立込み操作と直角部Aを下方に向けてなされる落込み操作の2種の操作のみであるので、作業が容易である。特に基板1の3角形空間への落とし込みは、空間的余裕をもって作業が行え、かつ、くさび溝4の傾斜面4bの案内作用により容易に位置決めができ、従来の矩形板での平行を保持しつつ組み立てる煩雑さ(熟練度)はない。
この間、セパレータ3は順次設置されてゆき、その位置決め操作は自動的かつ精確になされる。加えて、セパレータ3は構築される型枠の表面に露出せず、美麗な仕上がりに寄与する。
なお、基板1の落とし込みに付き、本実施形態ではくさび棒2Aは既設の基板1に取り付けられる態様を採るが、当該落とし込まれる基板1にくさび棒2Aを取り付けて組み付ける作業をなしてもよい。
型枠の組立て作業において、交会部Tではその中心に向けて型枠基板1は集中することになるので、自動求心作用が働き、精確な型枠が組みあがる。
組み立てられた型枠においては、図8に示すように、交会部Tにおいて、対称を保って斜め方向からの力f1の作用を受け、くさび効果により締込みがなされ、型枠基板1相互は緊密な結合がなされ、大きな強度が発揮される。なお、力の作用線は交会部Tの中心Oに向くものであるが、力の伝達はくさび棒2Aとくさび溝4Aとの接触面(2aと4b)でなされ、力が均等化される、換言すれば交会部Tの中心Oへの応力集中が回避される。図において、f0は水平方向分力である。
この交会部Tは型枠全面に均等に分布し、全体として大きな強度を発揮する。
【0021】
なお、この型枠の組立て施工中に、両側の型枠版相互が寄りかかる荷重を受ける場合にあっては、セパレータ5の繋ぎ杆13の径を太くすることによりこの倒れ込みを有効に阻止することができる。
【0022】
(別な態様)
上記の態様では基板1のくさび溝4は断面形状が矩形状をなし、これに対応してくさび棒2の断面も矩形状をなすものであるが、これらくさび溝4、くさび棒2の形状に付き他の形状を除外するものではない。
図9はその態様の一例を示す。
(a) 図は円形断面のくさび棒15を示す。これに対応して基板1は半円形断面のくさび溝16が形成される。
(b) 図は菱形断面のくさび棒17を示す。これに対応して基板1は3角形断面のくさび溝18が形成される。
(c) 図は8角形断面のくさび棒19を示す。これに対応して基板1は半8角形断面のくさび溝20が形成される。
図10はセパレータ部分の別な態様を示す。
本態様のセパレータ3Aは8角形をなす鍔部22と同じく8角形をなす繋ぎ杆23とからなる。これに対応して切欠き凹部5の大径凹部6及び小径凹部7も8角形状を採る。なお又、4角形状を除外するものではない。
【0023】
本型枠基板1は、その大きさに特に限定を受けないが、人手により運搬可能なことが目安となる。しかし、クレーン等の機械力が適用可能であれば、更に大型化を図りうる。これに伴い、くさび棒2、セパレータ3の大きさも決められる。
【0024】
図11は更に別な型枠材の態様を示す。図において、先の実施形態と同等の部材に付いては同一の符号が付されている。
この型枠材K1の型枠基板1Aは正3角形状をなし、角部には先の実施形態と同様の切欠き凹部5(大径部6、小径部7)が形成される。該基板1Aの底辺部1dに対応する辺には先の実施形態と同様のくさび溝4Bが形成される。これに対応するくさび棒2Bも先の実施形態と同様である。なお、これらのくさび溝4B及びくさび棒2Bは省略可能である。
本態様において、他の二辺1cに凹設されるくさび溝4Cは本態様に独自のものであり、一端部の傾斜面は60°に、他端部の傾斜面は30°にされる。これに対応するくさび棒2Cも独自であり、先端の角部は60°傾斜と30°傾斜との2種の傾斜面からなる。なお、これらの端部の60°,30°はそれぞれ60°未満、30°未満を含む。
この型枠材K1を使用してなされる型枠の組立て施工では、先の態様で述べたと同様の手順で実施され、セパレータ3は先のものが使用される。
【0025】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術思想の範囲内で種々設計変更が可能である。すなわち、以下の態様は本発明の技術的範囲内に包含されるものである。
▲1▼型枠基板1の形は直角2等辺3角形を採るが、短辺部1cにおける多少の長短は許容される。しかし、この場合において、同一形であることは必須である。
更に、型枠基板1は他の直角3角形も含みうる。すなわち、短辺部(直角を挟む2辺)を2:1程度の比率までなすことは許容される。これに対応してくさび棒2の端部角度も変更を受けることは勿論である。なお、この場合も、同一形の基板1を使用することは必須である。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、基準化された3種の構成素材のみをもって型枠が組み立てられ、他に使用される部材もなく、型枠構築の製造費用の大幅な低減を図ることができる。また、3角形状をなす型枠基板の組合せよりなるので、水平・鉛直方向に加え斜め方向の力の作用が付加され、基板の角部の集まる交会部に向けて力が集中し、締付け作用を受け、緩みのない型枠版体が構築される。
くさび棒とくさび溝との係合は、この力の集中を当該部位で均等化する。くさび棒とくさび溝との係合はまた、基板の組込み操作においても案内作用となる。本発明の型枠の組立て施工によれば、型枠基板の斜辺部を下方に向けてなされる立込み操作と直角部を下方に向けてなされる落込み操作の2種の操作のみであるので、作業が容易である。特に基板の3角形空間への落とし込みは、空間的余裕をもって作業が行え、かつ、くさび溝の傾斜面の案内作用により容易に位置決めができ、従来の矩形板での平行を保持しつつ組み立てる煩雑さはない。
この間、セパレータは順次設置されてゆき、その位置決め操作は自動的かつ精確になされる。加えて、セパレータは構築される型枠の表面に露出せず、美麗な仕上りに寄与する。セパレータの繋ぎ杆の径を大径にすることにより耐圧縮力を発揮させることができる。
型枠の組立て作業において、交会部ではその中心に向けて型枠基板は集中することになるので、自動求心作用が働き、精確な型枠が組みあがる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の型枠材の全体構成を示す分解側面図。
【図2】図1の2方向矢視図(図1の平面図)。
【図3】図2の3−3線断面図。
【図4】交会部における切欠き凹部とセパレータの詳細図。
【図5】図4の5−5線断面図。
【図6】型枠の組立て要領図。
【図7】図6の7−7線断面図。
【図8】本型枠における力の作用関係を示す図。
【図9】くさび棒の他の態様を示す断面図。
【図10】セパレータ部分の他の態様図。
【図11】本発明の他の実施形態の型枠材を示す一部断面分解側面図。
【符号の説明】
K…型枠材、T…交会部、1…型枠基板、1a…前面、1b…背面、1c…短辺部、1d…斜辺部、A,B…角部、2…くさび棒、2A…短辺部くさび棒、2B…長辺部くさび棒、2a…斜面部、P…角部、3…セパレータ、12…鍔部、13…繋ぎ杆、4…くさび溝、4A…短辺部くさび溝、4B…長辺部くさび溝、4b…斜面部
Claims (7)
- 下記a,b,cの3種の構成素材からなることを特徴とする型枠材;
a.型枠基板は、一定厚の直角2等辺3角形状をなすとともに、少なくとも両短辺部の側面には辺方向に、所定の幅形状と所定深さとを有し、端部が45°以下の傾斜面にされたくさび溝が縦設され、かつ、該基板の各角部には角部を中心とする所定の深さ及び所定幅の大径の切欠き凹部と該大径の切欠き凹部より一方の側面に向けて連通する小径の切欠き凹部とが開設されてなる。
b.くさび棒は、前記基板の対接するくさび溝相互により形成されるくさび空間に合致する形状に形成される。
c.セパレータは、両端の鍔部と該鍔部の中心を繋ぐ繋ぎ杆とからなり、前記鍔部は前記基板に凹設された大径の切欠き凹部に嵌め込まれ、前記繋ぎ杆はその両端部で前記基板に凹設された小径の切欠き凹部に嵌め込まれ、互いに位相を揃えて対設される型枠基板間に跨がって掛け渡される。 - 請求項1において、型枠基板はその表面に化粧が施されてなる型枠材。
- 請求項1又は2のいずれかにおいて、セパレータの繋ぎ杆の径を耐引張り用としての細径とする型枠材。
- 請求項1又は2のいずれかにおいて、セパレータの繋ぎ杆の径を耐圧縮用としての太径とする型枠材。
- 請求項1ないし4のいずれかにおいて、くさび溝の幅形状は等幅もしくは底部より開口に向けて拡幅される形状を採る型枠材。
- 一定厚の直角2等辺3角形状をなすとともに、少なくとも両短辺部の側面には辺方向に、所定の幅形状と所定深さとを有し、端部が45°以下の傾斜面にされたくさび溝が縦設され、かつ、各角部には角部を中心とする所定の深さ及び所定幅の大径の切欠き凹部と該大径の切欠き凹部より一方の側面に向けて連通する小径の切欠き凹部とが開設されてなる型枠基板;
前記基板の対接するくさび溝相互により形成されるくさび空間に合致する形状に形成されるくさび棒;
両端の鍔部と該鍔部の中心を繋ぐ繋ぎ杆とからなるセパレータ;
の構成素材からなり、
前記型枠基板は対接する短辺部相互間にはくさび棒が介装され、かつ所定の間隔を隔てるとともに位相を揃えて設置され、
前記セパレータの鍔部は前記基板に凹設された大径の切欠き凹部に嵌め込まれ、
前記セパレータの繋ぎ杆はその両端部で前記基板に凹設された小径の切欠き凹部に嵌め込まれ、互いに位相を揃えて対設される型枠基板間に跨って掛け渡されてなる、
ことを特徴とする型枠。 - 一定厚の直角2等辺3角形状をなすとともに、少なくとも両短辺部の側面には辺方向に、所定の幅形状と所定深さとを有し、端部が45°以下の傾斜面にされたくさび溝が縦設され、かつ、各角部には角部を中心とする所定の深さ及び所定幅の大径の切欠き凹部と該大径の切欠き凹部より一方の側面に向けて連通する小径の切欠き凹部とが開設されてなる型枠基板;
前記基板の対接するくさび溝相互により形成されるくさび空間に合致する形状に形成されるくさび棒;
両端の鍔部と該鍔部の中心を繋ぐ繋ぎ杆とからなるセパレータ;
の構成素材からなり、前記型枠基板を所定の間隔を隔てるとともに位相を揃えて設置される型枠の施工方法であって、
前記型枠基板の斜辺部を下方にして相並べるとともに該型枠基板のくさび溝にくさび棒を装着し、
しかる後、前記設置された型枠基板相互の短辺部が作る3角形空間に、同じく型枠基板の直角部を下方にして落とし込んで配し、
これらの型枠基板の交会部において切欠き凹部の作る凹部にセパレータを装着する、
ことを特徴とする型枠の組立て施工方法。
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