JP4094090B2 - 磁気センサの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転数や回転角、トルクなどの機械量を磁気的に検出する磁気センサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気センサは、磁気抵抗効果を発揮する強磁性薄膜を利用して感磁部を構成し、この感磁部を移動物体や回転物体に接近させる際の磁界の変化に基づいて、非接触に移動物体や回転物体の速度や変位、方向などの機械変量を検出する。このような磁気センサは、光センサのように汚れの影響を受けず、使用温度範囲も他のセンサに比べて広いので、例えばモータやエンジンの周囲など、比較的過酷な環境でも使用できるという優点がある。
【0003】
ここで従来の磁気センサの構成を図5に示す。図5に示す磁気センサにおいては、ガラス基板12上に磁気検出膜としてのNiFeやNiCrなどの磁性層 (感磁性薄膜)2が形成され、電極導体層4の端部に電極が設けられた磁気検出素子が樹脂や金属などの強固な保護容器14に収容されている。
【0004】
このような磁気センサの製造工程においては、まず、ガラス基板12の表面に膜厚0.1μm程度の感磁性薄膜2を蒸着後、フォトエッチングで加工し、その基板12の裏面にリード端子7を固着する。そして、電極4に接続片13を電気的に導通接続した後、接続片13を介して電極4とリード端子7とを電気的に導通接続する。次に、ガラス基板12上の感磁性薄膜2のみを覆うように、例えばエポキシ樹脂をスクリーン印刷して膜厚10μm以下の第1の保護層を塗布形成する。さらに、トランスファー成型によって第1の保護層を除く部分(感磁性薄膜2以外の部分)を覆うように、例えば約50μm程度のエポキシ樹脂層からなる第2の保護層を形成する。この第1及び第2の保護層が図5の保護容器14に対応する。
【0005】
さらに、図6に示すように、メサ型チップ15と制御用ICチップ17を同じ保護容器30に収容し、保護層1下の感磁性薄膜2をその保護容器30の外周と同一平面に配置した構成も提案されている。なお、絶縁性樹脂剤からなる絶縁保護層3は、保護容器30に注入充填されている。この構成では、メサ型チップ15と制御用ICチップ17は保護容器30の底面に並んで配置されているため、それらを結ぶリード線7及び外部接続端子16との間のリード線7が占める空間が、保護容器30の小形化を難しくしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術には、次のような問題点がある。
【0007】
(1)磁気検出薄膜素子の表面が厚い樹脂の保護容器で覆われているので、検出対象になる磁気発生源と磁気検出薄膜素子との距離が隔たり、検出感度が低下する。また、磁気検出薄膜素子の表面を平坦にするためには十分な研磨工程が必要である。
【0008】
(2)保護容器を薄くすると、過酷な環境で使用される場合に塵埃や砂などによって磁気検出薄膜素子の表面を保護する容器が短時間で摩耗し、磁気センサの寿命が短くなる。
【0009】
(3)従来の磁気センサは重く、大型であるため、最近の各種機器における小形軽量で薄型化の傾向に対応しきれず、狭い箇所に設けることが困難である。
【0010】
(4)従来の磁気センサは検出対象物との距離が隔たることもあり、微小な機械変位量に対する高精度の検出には不向きである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、このような問題点を改善し、小型で検出対象物に接近して設けることができ、機械変量を高精度に検出するのに好適な磁気センサの製造方法を提供することにある。
【0019】
上記課題を解決するため、本発明の磁気センサの製造方法は、基体上に保護層を形成する工程と、前記保護層上に磁性層を形成する工程と、前記磁性層に接して電極を形成する工程と、前記電極に対して上下配置となるように周辺回路ユニットを接続して設ける工程と、前記磁性層、前記電極、および前記周辺回路ユニットを覆うように支持体を形成する工程と、前記支持体の形成後に前記基体をエッチングする工程とを有することを特徴とする。
【0020】
また、前記保護層は、SiB、SiC、SiN、BN、B 4 C、B、AlN、ダイヤモンド、またはダイヤモンド状カーボンのいずれかよりなることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態である磁気センサの構造を示す断面図である。図1において、保護層1は、SiB、SiC、SiN、BN、B4 C、B、AlN、ダイヤモンド、ダイヤモンド状カーボンなどの耐摩耗性膜からなる。磁性層2は、NiFeの薄膜からなり、磁気検出膜として磁気検出薄膜素子を構成するものであり、その薄膜上にはつづら折りパターンが形成される。絶縁保護層3は、磁性層2の表面にプラズマCVD法によりSiN膜を堆積して形成され、その膜厚は1μm以下である。なお、前記つづら折りパターンの長手方向が互いに直交するようにしてブリッジ回路を構成することもできる。外部への導出電極を含む電極導体層4はAl、Au、Cu、Niなどを用いて構成される。リード線7は電極導体層4と半田バンプ5でボンディングされている。被覆体8は、膜厚50μm程度のエポキシ樹脂層からなり、保護層1の裏面の絶縁保護層3に覆われた範囲及びボンディングされたリード線7と、磁気検出薄膜素子を支持する支持体9との間を充填接着するものである。
【0024】
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態である磁気センサの構造を示す断面図であって、概ね図1と同様であるが、特に保護層1の裏面に積層された磁気検出薄膜素子の感磁面である磁気層2を突出させ、また、周辺回路ユニット6を保護層1の裏面に設けた構成を示すものである。図2において、周辺回路ユニット6は、磁気検出薄膜素子の出力を検出するための回路であり、半田バンプ5にて電極導体層4及び他の導体層10とボンディングされている。図2の構成によれば、磁性層2(感磁面)が突出しているので、磁気センサを設ける際、検出対象物11に感磁面を一段と接近させることができ、機械変量を高精度に検出することが可能である。
【0025】
次に、図3を用い、図2に示した磁気センサの製造工程を説明する。
【0026】
(イ)予め、厚さ0.7〜1.1mm程度のガラス基板(基体)12を準備し、そこにフォトエッチングで凹部を設け、さらにガラス基板12の表面にSiBなどの耐摩耗性膜をプラズマCVD法により堆積し、膜厚10μm程度の保護層1を形成する。なお、ガラス基板12は、後述する製造工程(ヘ)においてフッ酸を用いたウェットエッチングにより除去されるので、ガラス基板12のエッチングレートが保護層1のエッチングレートより大きくなるように材料を選択する必要がある。また、ガラス基板12の除去後は保護層1がセンサ表面となるので、保護層1が形成されるガラス基板12の表面は、平坦であることが望ましい。このようにガラス基板12に凹部を形成するのは、感磁面を突出させ検出対象物11により近接させて配置するためであり、磁気センサ完成時には、前記凹部は図2に示したように保護層1の凸部となる。
【0027】
(ロ)前記凹部を有する保護層1の表面に、NiFeを蒸着し、フォトエッチングでパターン加工し、膜厚0.1μmの磁性層2(感磁面)を形成する。この磁性層2には前記つづら折りパターンを形成する。
【0028】
(ハ)その磁性層2の表面に、Al、Au、Cu、Niなどを用いて構成された電極導体層4及び他の導体層10をスパッタリングあるいは蒸着によって形成する。さらに、磁性層2、電極導体層4及び他の導体層10の表面や保護層1の表面にプラズマCVD法によりSiO2 膜を堆積し、図示していない膜厚1μmの絶縁保護層(図2の絶縁保護層3に相当)を形成する。
【0029】
(ニ)さらに、磁気検出薄膜素子の出力を検出するための周辺回路ユニット6を、電極導体層4及び他の導体層10に半田バンプ5にてボンディングする。なお、ボンディングは周知のフェースダウン実装を用いる。更にリード線7を半田づけする。
【0030】
(ホ)こうしてガラス基板12上に積層された保護層1、磁性層2、電極導電体層4、その他の導体層10、及び周辺回路ユニット6の全てを被覆体8で覆う。すなわち、ガラス基板12上に積層された膜と、この積層された膜を支持するための図示していない支持体(図2の支持体9に相当)との間に、エポキシ樹脂を注入充填し、膜厚50μm程度の樹脂等からなる被覆体8を形成する。
【0031】
(ヘ)最後に、ガラス基板12をウェットエッチングによって除去し、凸部を有する保護層1及び磁性層2(感磁面)をセンサ表面側にする。なお、ウェットエッチングの際は、ガラス基板12以外をエッチングマスクで覆った後、基板上に積層された膜全体を50%のフッ酸溶液に浸してエッチングを行う。その後、エッチングマスクを除去する。なお、エッチングマスクとしては日化精工製のブラックマスクやプロテクトワックス等を用いている。
【0032】
あるいは、ウェットエッチングによらず、剥離によってガラス基板12を除去してもよい。
【0033】
(実施の形態3)
図4は前記工程を適用して製造した位相検出型磁気センサが、検出対象物の機械的変位を検出する様子を示している。本実施の形態の感磁面パターン2´は、保護層1の下で検出対象物11に十分接近して配置されており、機械的変位を高精度に検出できる。
【0034】
なお、本実施の形態ではガラス基板12を磁気センサ形成後にエッチングあるいは剥離によって全て除去したが一部を残すように構成してもよい。例えば周辺回路ユニット6の下の部分のガラス基板12を残した場合、周辺回路ユニット6は残したガラス基板12の一部と支持体によって支えられるので、機械的に補強される。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、磁気センサを小型に形成でき、検出対象物に近接して高精度に微小な機械変位量を検出することができる。
【0036】
より具体的には、例えば磁性層(感磁面)に凸部を設けるなど、感磁面を所望の形状に形成できる。また、ガラス基板を十分に平坦に形成することにより、保護層のガラス基板側の面も平坦に形成されるので、ガラス基板除去後の保護層表面(感磁面)が荒れることはなく、高精度の磁気センサを得ることができる。さらに、感磁面を突出させて配置し、その裏面(保護層下の電極導体層あるいはその他の導体層の下側)に端子を含めた周辺回路ユニットを設ける構成としたので、磁気センサを小型化することができる。このような優れた点は、特にプローブ型磁気センサに適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である磁気センサの構成を示す図
【図2】本発明の第2の実施の形態である磁気センサの構成を示す図
【図3】図2に示した磁気センサの製造工程を示す図
【図4】本発明の第3の実施の形態である位相検出型磁気センサが対象物の機械的変位を検出する様子を示す図
【図5】従来の磁気センサの構成を示す斜視図
【図6】従来の磁気センサ(メサ型)の構成を示す図
【符号の説明】
1 保護層
2 磁性層
3 絶縁保護層
4 電極導体層
5 半田バンプ
7 リード線
8 被覆体
9 支持体
12 ガラス基板
Claims (2)
- 基体上に保護層を形成する工程と、
前記保護層上に磁性層を形成する工程と、
前記磁性層に接して電極を形成する工程と、
前記電極に対して上下配置となるように周辺回路ユニットを接続して設ける工程と、
前記磁性層、前記電極、および前記周辺回路ユニットを覆うように支持体を形成する工程と、
前記支持体の形成後に前記基体をエッチングする工程とを有することを特徴とする磁気センサの製造方法。 - 前記保護層は、SiB、SiC、SiN、BN、B 4 C、B、AlN、ダイヤモンド、またはダイヤモンド状カーボンのいずれかよりなることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサの製造方法。
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