JP4093933B2 - 空気調和装置 - Google Patents

Description

本発明は、室内の壁面に設置されて室内を空調する空気調和装置に関し、特に前面パネルルとこの前面パネルに折り畳み可能に連結された天面部材とを有する壁掛け型の空気調和装置に関する。

従来一般に、この種の空気調和装置として、熱交換器及び送風機を収納した空気調和機本体に対し、それぞれ吸込み格子を有する前面パネルと天面部材とを設け、それら前面パネルと天面部材の内側にフィルタを設けた壁掛け型の空気調和装置が知られている。

また、この種の壁掛け型の空気調和装置では、近年、フィルタを簡易に清掃できることが要求されており、そのため、前面パネルと天面部材の内側に延在するフィルタを、一枚のフィルタで構成し、前面パネルを開いた状態で、当該一枚のフィルタを前面側に引き出して清掃できるように構成するのが一般的である（特許文献１参照）。

また、前面パネルは空気調和機本体に対して取り外し自在に構成されており、取り外した状態で、その清掃が可能に構成されている。
特開２００２−１５６１５５

しかし、従来の構成では、前面パネル及びフィルタの清掃は可能であるが、天面部材の清掃が困難になるという問題がある。また、従来の構成では、前面パネルに大きな吸込み格子を設けない場合、この吸込み格子の内側のフィルタは、大きさが小さなものとなり、従来のように、前面パネルと天面部材の双方の内側に延在するフィルタを一枚のフィルタで構成するようなことが、困難になるという問題がある。また、前面パネルを平坦化させた場合、ダストキャッチ運転が困難になるという問題もある。

ここで、ダストキャッチ運転とは、例えば、風向変更羽根を上向きに制御した状態で送風運転を行い、吹出し空気を吸込み口に導いて、吹出し空気に含まれるダスト（空気調和装置内部の残存ダスト等）を吸込み口に設けたフィルタで、キャッチする構成とした運転をいう。

本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、前面パネル、天面部材及びフィルタの清掃を、極めて簡単に行うことができる壁掛け型の空気調和装置を提供することにある。

請求項１に記載の発明は、熱交換器及び送風機を収納した空気調和機本体と、この空気調和機本体に対して互いに一体に連結された状態で着脱自在に取り付けられる前面パネル及び天面部材とを備え、前記天面部材は、複数の補強用の縦桟と複数の補強用の横桟とを有するフィルタ枠にフィルタ素材を一体化させて構成すると共に、前記補強用の桟に設けられたブラケットを介して前面パネルに折り畳み自在に連結されていることを特徴とする。

請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の空気調和装置において、前記前面パネルは、前記天面部材を折り畳んで運搬する際の手掛け用の凹部が、それの下縁部に形成されていることを特徴とする。

請求項３に記載の発明は、請求項１に記載の空気調和装置において、前記天面部材は、それの横桟の高さが前記縦桟の高さよりも高く設定されていることを特徴とする。

請求項４に記載の発明は、請求項１に記載の空気調和装置において、前記天面部材は、前記縦桟の頂部がＲ形状を成していることを特徴とする。

請求項５に記載の発明は、請求項１に記載の空気調和装置において、前記前面パネルは、その前面パネルの適所に吸込み格子を有すると共に、この吸込み格子の裏面にはフィルタをキャッチ可能なキャッチ部材が設けられていることを特徴とする。

請求項６に記載の発明は、請求項５に記載の空気調和装置において、前記キャッチ部材は、前面パネルの裏面から後方へ突出する複数の爪部材で構成されていることを特徴とする。

本発明では、前面パネル、天面部材及びフィルタの清掃を、極めて簡単に行うことができ、しかも、前面パネルと天面部材とは折り畳み自在であるから、清掃時には、前面パネルと天面部材を連結状態で空気調和機本体から外した後、それらを折り畳んだ状態として、容易に清掃場所へ運ぶことができる。

以下、本発明の一実施例を図１乃至図９の図面に基づいて説明する。

図１は、壁掛け型空気調和装置の断面図であり、この壁掛け型空気調和装置１００は、空気調和装置本体１と、前面パネル３と、天面部材５とを備えて構成されている。また、空気調和装置本体１は、熱交換器７と、クロスフローファン（送風機）９と、ドレンパン１１と、風向変更羽根１３と、空気清浄器１９等を備えて構成されている。

図２は、壁掛け型空気調和装置１００の斜視図である。この空気調和装置１００は、図３〜図５に示す構成体を、その順番に重ね合わせて構成されている。すなわち、図３において、１５はフレームを示し、このフレーム１５に対し、上述した熱交換器７、送風機９、ドレンパン１１、風向変更羽根（「縦羽根」）１３が支持され、その上に図４に示すグリル１７が重ね合わされる。

これを重ね合わせる場合、まず、グリル１７の上縁部から後方に突出する３つの凸体１７Ａを、フレーム１５の凹部１５Ａ（図３）に嵌合し、グリル１７の下縁部のねじ孔１７Ｂに、フレーム１５まで貫通するねじを通して固定する。このグリル１７には、空気清浄器１９等が支持され、その上に、図５に示す前面パネル３と、天面部材５とが重ね合わされる。これを重ね合わせる場合、前面パネ
ル３を両手でつかみ、天面部材５がグリル１７の天面部１７Ｃ（図４）に乗る位置まで前面パネル３を運び、そこから前面パネル３をグリル１７側に押し込む。すると、前面パネル３の裏側に形成された一対の凸部３Ａ（図７）が、グリル１７の係止部１７Ｄ（図４）に係止され、その後、前面パネル３の下縁部に設けられたロック機構（図示せず）をスライドさせることで、グリル１７の上に前面パネル３と天面部材５とが重ね合わされて固定され、図２に示す壁掛け型空気調和装置１００が構成される。前面パネル３には、風向変更羽根（「横羽根」）１３等が支持される。なお、図３と図４の構成によって、空気調和機本体１が構成されている。

この構成では、図５に示すように、前面パネル３と天面部材５とが一体に連結され、この一体の状態で、空気調和機本体１に対し着脱自在に取り付けられている。図６は、前面パネル３と天面部材５の連結状態を示す断面図であり、図７は、同じく連結状態を示す斜視図である。前面パネル３の裏面には、４つのブラケット２１が突設され、各ブラケット２１に、一対のピン２３、２５を介し、天面部材５のブラケット２７が連結されている。

ここで、近年では、外観意匠上の要請から、前面パネル３を平坦化させた構成が採用されている。この場合、前面パネル３には大きな吸込み格子を設けることができず、空気調和装置本体１内への吸込み空気量のほとんどを、天面部材５に設けた吸込み格子を通じて確保する構成が採用される。ここで、前面パネル３に吸込み格子を全く設けず、前面パネル３を平坦化させた場合、ダストキャッチ運転は、困難になる。即ち、ダストキャッチ運転とは、例えば、風向変更羽根１３を上向きになるように制御した状態で送風運転を行うことにより、吹出し空気を吸込み口に導いて、吹出し空気に含まれるダストを吸込み口に設けたフィルタでキャッチするようにした運転である。

この空気調和装置１００では、ダストキャッチ運転を可能にするために、図５に示すように、前面パネル３の略中央に、長手方向（幅方向）に細長く延びる吸込み格子３１が形成され、この吸込み格子３１の裏側には、図７及び図８に示すように、細長の前面部フィルタ３３が取り付けられている。この前面部フィルタ３３は、図８に示すように、前面パネル３の裏面から後方に突出して前面パネル３と一体成型された複数の爪部材（キャッチ部材）３５に着脱自在に係止されている。

本構成では、ダストキャッチ運転時のダストが、吸込み格子３１を通じて空気調和装置本体１内に吸引され、そして、前面部フィルタ３３で捕捉される。

図９は、前面パネル３と天面部材５とを、一対のピン２３、２５を中心にして、折り畳んだ状態を示す。

このように、前面パネル３と天面部材５とは折り畳み自在であるから、清掃時には、空気調和機本体１から取り外した後、折り畳んだ状態で、清掃場所、例えば浴室等に簡単に運ぶことができる。

前面パネル３と天面部材５を折り畳んで、これを小脇に抱えて運ぶ場合、図９に示すように、手をかける凹部５１が、前面パネル３の下縁部略中央に形成されている。この凹部５１は、図２に示すように、本体側に固定された表示部５３を正面に露出させる凹部を兼ねている。この凹部５１に手をかけて運ぶことによって、極めて容易に運搬することができる。

本実施例では、上記天面部材５がそれ自体フィルタを構成している。すなわち、天面部材５は、図９に示すように、複数の補強用の縦桟４１と、複数の補強用の横桟４３とを有するフィルタ枠４５に、網状のフィルタ素材４７を熱溶着などにより一体化させて構成されている。従来の構成では、一般に、天面部材とフィルタとが別体の構成であり、天面部材の内側にフィルタが配置される。このようなものでは、仮に、天面部材が取り外せたとしても、天面部材とフィルタの２つの清掃が必要になる。本構成では、図９の状態に折り畳んで、清掃場所、例えば浴室等に運んで清掃することにより、天面部材５及びこれと一体のフィルタ４５，４７を簡単に清掃することができるばかりでなく、前面パネル３をも同時に、極めて簡単に清掃することができる。

また、本実施例では、天面部材５自体がフィルタを構成するため、部品点数が減じられ、製品コストが抑制される。

また、前面パネル３と天面部材５の連結構造において、図７に示すように、上述した４つのブラケット２７は、それぞれ対応した補強用の縦桟４１に一体的に形成されている。この構造では、前面パネル３と天面部材５の折り畳み時等に、仮にブラケット２７に過大な力が作用しても、それが補強用の縦桟４１に一体形成されているため、変形等が抑制される。

ここで、図２、図５に示すように、長手方向に延びる横桟４３は、短手方向に延びる縦桟４１よりも高さが高く設定される。このように横桟４３が高く設定された場合、この空気調和装置１００を正面からみたとき、網状のフィルタ素材４７が隠れるため、意匠性が向上する。

また、複数の縦桟４１の頂部は、すべてなめらかなＲ形状を備えて構成されている。さらに、複数の横桟４３同士の間隔Ｗ（図５）は、家庭用の掃除機の吸込みチューブを走行可能な寸法に設定されている。

この種のフィルタの清掃では、一般に、掃除機の吸込みチューブの先端をフィルタに当てて、このフィルタに付着した塵埃を吸引することにより行われる。上記構成では、複数の横桟４３同士の間隔Ｗが、掃除機の吸込みチューブを走行可能な寸法に設定され、具体的には、吸込みチューブの外径より若干大きい寸法に設定されるため、横桟４３の方向に吸込みチューブを一回走らせることにより、横桟４３同士間のフィルタ素材４７に付着した塵埃を吸引できる。しかも、縦桟４１の頂部がなめらかなＲ形状を備えるため、この縦桟４１が、吸込みチューブを走らせる際の障害になることがない。

以上、一実施例に基づいて、本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものでないことは明らかである。

本発明による壁掛け型空気調和装置の一実施例を示す断面図である。 同じく斜視図である。 フレームを示す斜視図である。 グリルを示す斜視図である。 前面パネル及び天面部材を示す前方斜視図である。 前面パネル及び天面部材を示す断面図である。 前面パネル及び天面部材を示す後方斜視図である。 前面パネル及び天面部材並びに前面部フィルタを示す斜視図である。 前面パネル及び天面部材を折り畳んだ状態を示す斜視図である。

符号の説明

１ 空気調和機本体
３ 前面パネル
５ 天面部材
７ 熱交換器
９ クロスフローファン（送風機）
１１ ドレンパン
１３ 風向変更羽根
２１ ブラケット
２７ ブラケット
３１ 吸込み格子
３３ 前面部フィルタ（フィルタ）
３５ 爪部材（キャッチ部材）
４１ 縦桟
４３ 横桟
４５ フィルタ枠
４７ フィルタ素材
５１ 凹部

Claims (6)

1. 熱交換器及び送風機を収納した空気調和機本体と、この空気調和機本体に対して互いに一体に連結された状態で着脱自在に取り付けられる前面パネル及び天面部材とを備え、
   前記天面部材は、複数の補強用の縦桟と複数の補強用の横桟とを有するフィルタ枠にフィルタ素材を一体化させて構成すると共に、前記補強用の桟に設けられたブラケットを介して前面パネルに折り畳み自在に連結されていることを特徴とする空気調和装置。
2. 前記前面パネルは、前記天面部材を折り畳んで運搬する際の手掛け用の凹部が、それの下縁部に形成されていることを特徴とする請求項１に記載の空気調和装置。
3. 前記天面部材は、それの横桟の高さが前記縦桟の高さよりも高く設定されていることを特徴とする請求項１に記載の空気調和装置。
4. 前記天面部材は、前記縦桟の頂部がＲ形状を成していることを特徴とする請求項１に記載の空気調和装置。
5. 前記前面パネルは、その前面パネルの適所に吸込み格子を有すると共に、この吸込み格子の裏面にはフィルタをキャッチ可能なキャッチ部材が設けられていることを特徴とする請求項１に記載の空気調和装置。
6. 前記キャッチ部材は、前面パネルの裏面から後方へ突出する複数の爪部材で構成されていることを特徴とする請求項５に記載の空気調和装置。

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