JP4093771B2 - Rf−idを用いた書類管理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触でデータ信号を送受信し、データの読み出しおよび書込みを行うことができるRF−IDを用いた書類管理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
非接触で情報信号を送受信して特定の対象物を検索しあるいは対象物の管理を行うことができるRF−IDシステムが知られている。このシステムは、RF−IDタグと、このタグとの間での信号のやり取りを仲介するアンテナとを主要な構成要素としている。RF−IDシステムの中にも、空間伝送媒体方式によって、電磁結合方式、静電結合方式、電磁誘導方式、マイクロ波方式などがある。RF−IDシステムの機能的特徴は、
1.非接触でデータのリード、ライトが可能であること、
2.電波、電磁波で交信するため、汚れ、ほこりなどの影響を受けにくい、
3.障害物(金属等の導電体を除く)を介してデータ交信が可能、
4.アンチコリジョン機能の搭載により、複数のタグとの同時アクセスが可能、などである。
【0003】
上記のようなRF−IDシステムを棚や保管庫に適用することによって、棚や保管庫に収納する書籍や書類、カルテなどの検索、保管管理などに利用されている。従来のRF−IDを用いた管理システムあるいは検索システムは、RF−IDタグとアンテナとの認識距離などの条件を満たすために、収容物の最下部にRF−IDタグを貼り、情報信号を発信し、受信するアンテナは収容物を保管する棚板の収容物載置面に設置している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のRF−IDを用いたシステムによれば、収容物がアンテナに直接接触するため、収容物を棚板に載せたり取り出したりするときの衝撃や摩擦によってアンテナが破損するおそれがある。また、アンテナが棚板と一体化しており、棚板とアンテナの単独の値段を合計した額よりも高価なものになっている。さらに、アンテナで送受信される電波あるいは電磁波の特性上、アンテナの左右両端部においてはRF−IDタグの認識情報を発信することができず、棚板両端部の収容物は、その情報を認識することができないという難点があった。
【0005】
本発明は以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、RF−IDタグとアンテナとを接触させなくても収容物を認識することを可能にし、もって、収容物を出し入れするときの衝撃や摩擦などでRF−IDタグが破損することをなくすことができるRF−IDを用いた書類管理装置を提供することを目的とする。
【0006】
本発明はまた、収容物の大小に関係なく収容物の前面を棚板の前面に合わせることができ、かつ、アンテナを収容物の背当たりとして利用することができ、既設の保管庫にも設置可能であり、逆に任意に取り外すことも容易なRF−IDを用いた書類管理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、RF−IDタグが付加された書類を保管する保管庫を有し、RF−IDタグとの間で情報信号を送受信して収容書類の管理および検索を行うことができるRF−IDを用いた書類管理装置において、上記保管庫は、棚板と、この棚板を書類の出し入れ面側から見た左右両端部に配置されて棚板を支持する金属板からなる棚受けと、書類保管スペースの背後に配置された背板を有し、上記棚受けは、上記棚板の高さ寸法よりも高く、上記背板と同等の高さになっており、上記背板は、書類保管スペースの背後の上記棚板の奥端面の後ろ側に位置していて、保管書類の上記RF−IDタグとの情報信号の送受信を行うアンテナを有し、上記アンテナを有する背板は、上記棚板とは別体として形成されていて着脱自在であり、RF−IDを用いた書類保管装置を具備していない保管庫であっても、これに上記背板を装着することにより、RF−ID対応の書類保管装置に仕様変更することができることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、保管庫は、書類保管スペースの奥行き方向手前と奥と中間にそれぞれ支柱が等間隔にかつ平行に配置されていて、奥行き方向手前と中間の支柱に掛け止められた棚受けよって一つの棚板が支持され、奥行き方向奥側と中間の支柱に掛け止められた棚受けよってもう一つの棚板が支持されることにより、保管スペースを背中合わせにして有する複式の保管庫であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、背中合わせになっている各保管スペースの背後には、背板が垂直の姿勢で互いに平行に取り付けられ、各背板はアンテナパターンが形成されることによってアンテナモジュールを構成していることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、背中合わせになっている各保管スペース相互間には、背中合わせの書類保管スペース相互のアンテナからの信号を遮蔽する遮蔽部材が垂直の姿勢で配置されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項記載の発明において、遮蔽部材の高さは、背板の高さと同等以上の高さであることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項記載の発明において、RF−IDタグは、棚板の左右方向両端から30mm以内にあってもアンテナとの間で情報信号を送受信可能であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を説明する前に、本発明に使用するRF−IDタグの概略を説明しておく。図4、図5において、RF−IDタグは、導線を適宜回数巻回してなる空芯コイル50と、この空芯コイル50の空芯部に挿入された磁芯51とを有してなる。磁芯51は、長い板状をなしていて、アモルファスシートなどからなるコア55と、このコア55の表面を覆う絶縁シート56とを有してなる。コア55と空芯コイル50との短絡の問題がなければ、絶縁シート56は省略してもよい。空芯コイル50は、図1に示すように平面形状が円形の場合もあるが、後述のように整形することを考慮すると、四角形にすることが望ましい。
【0012】
空芯コイル50と磁芯51はそれらの平面が互いに平行になるように、加熱しながら加圧して空芯コイル50または磁芯51を整形する。図6に示す例は磁芯51を整形した例で、磁芯51の、空芯コイル50が重なる部分に凹凸をつけている。この状態で空芯コイル50および磁芯51全体をラミネート加工して一体化する。空芯コイル50の巻初めと巻終わりの端部は、メモリ、送受信回路、その他の電気回路が集積されたRF−IDモジュール52の電極53、54に半田付け等によって接続されている。
【0013】
以上のように構成されたRF−IDタグは、空芯コイル50を厚さ方向に貫く方向、従って、磁芯51の長手方向であるX方向、および空芯コイル50の平面に直交する方向であるZ方向に指向性を有し、X方向またはZ方向に離れて配置されたアンテナとの間で信号の送受信が可能である。特に磁芯51の長手方向であるX方向の指向性が強く、RF−IDタグとアンテナとの間に100mm程度の空間があっても信号の送受信が可能である。なお、磁芯51の本数を複数本にし、あるいは、空芯コイル50をプリントコイルで構成するなど、各種の変形例がある。
【0014】
次に、上記のようなRF−IDタグを用いた本発明にかかるRF−IDを用いた書類管理装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明にかかるRF−IDを用いた書類管理装置は、書籍や各種書類を収納する書庫、その他各種収納物を保管することができる保管庫一般に適用可能なものであるが、図示の実施形態は保管庫の例として書庫が描かれている。
【0015】
図1において、書庫10は両側の側板16と、この両側の側板16に両端が結合された底板11と、天板12とを有し、さらに、底板11と天板12との間に適宜段数固定された棚板13を有してなる。底板11または棚板13と両側の側板16で囲まれる複数の空間は書類保管スペースになっている。底板11の上および棚板13の上に収納物としての保管書類20を載せることにより、保管書類20が上記書類保管スペースに保管される。
【0016】
それぞれの保管書類20にはRF−IDタグ21が付加されている。RF−IDタグ21は、RF−IDシステムの一部を構成するもので、図4ないし図6について説明したように、平面状に巻回された空芯コイルと、この空芯コイルの平面と平行となるように空芯コイルに挿入された板状の鉄心とを有し、さらに、各種回路素子などが平面的に形成されている。図示の例では、RF−IDタグ21が保管書類20の表紙に、かつ、保管書類20を棚板13の上に立てて載せたとき、RF−IDタグ21が書類保管スペースの奥側に位置するように付加されている。RF−IDタグ21は保管書類20の表紙の外側面に貼り付けてもよいし、表紙の内側に貼り付けてもよく、その他適宜の位置に貼り付けまたは埋め込んでもよい。また、RF−IDタグ21の前記磁芯51の長手方向が前後方向になるように貼り付けられている。
【0017】
書庫10の各書類保管スペースの背後には背板14が配置されている。背板14はその両側が側板16によって支持されている。背板14にはアンテナパターン15が形成されていて、背板14自体がアンテナモジュールを構成している。このアンテナモジュールを構成する背板14は底板11および棚板13とは別体として形成されており、また必要に応じ書庫10に対して着脱自在な構成になっている。アンテナパターン15は背板14の表面に形成してもよいし、背板14内に埋め込んでもよい。書類保管スペースに保管された保管書類20のRF−IDタグ21とアンテナパターン15は非接触で電磁的に結合して情報信号の送受信を行うことができる。
【0018】
図4ないし図6に示すRF−IDタグについて説明したとおり、空芯アンテナと、この空芯アンテナに挿入された磁芯とを有し、これら空芯アンテナと磁芯とが平行に配置されたRF−IDタグは、自身の長さ方向に指向性を有していて、この方向にある程度長い距離、例えば100mm程度離れた位置にアンテナが配置されていても、RF−IDタグとアンテナとの間で信号の送受信が可能である。したがって、棚に収納された書籍等の後端部とアンテナとの間にある程度の空間が生じていても、その書籍等のRF−IDタグとアンテナとの間で信号の送受信を行うことができる。
【0019】
一つ一つのRF−IDタグ21は固有のIDを持っており、受信装置側でIDを識別することによってそのRF−IDタグ21を判別することができ、また、そのRF−IDタグ21とRF−IDタグ21が付加された保管書類20に関する情報とを関連付けておくことにより、保管書類20を識別することができる。例えば、電磁結合方式のRF−IDを用い、交流磁界によるコイルの相互誘導を利用し交信を行うことにより、RF−IDタグ21の存在およびそのIDを確認することができる。
【0020】
書庫10の天板12上には制御ユニット22が取付けられている。制御ユニット22はパーソナル・コンピュータ23とケーブル24でつながれている。制御ユニット22は上記アンテナモジュールを制御する。すなわち、制御ユニット22は上記のようにアンテナパターン15から交流磁界を発し、コイルの相互誘導を利用して個々のRF−IDタグ21のコイルとアンテナ側のコイルとの間で交信し、個々のRF−IDタグ21の存在およびそのIDを認識することにより、書類保管スペースに保管されている保管書類20に関する情報を取得する。この取得された情報は、パーソナル・コンピュータ23によって管理される。また、パーソナル・コンピュータ23から、書類保管スペースに保管されている書類の情報を検索することもできる。
【0021】
以上説明した実施形態によれば、背板14とアンテナパターン15からなるアンテナモジュールと保管書類20に付加したRF−IDタグ21とによって、非接触で個々のRF−IDタグ21を識別し、RF−IDタグ21が付加されている保管書類20固有の情報を保管管理し、また、必要に応じて保管書類20を検索することもできる。そして、保管書類20のRF−IDタグ21との情報信号の送受信を行うアンテナパターン15が、書類保管スペースの背後に配置されているため、保管書類20を出し入れするときの衝撃や摩擦などによって上記アンテナパターン15が破損することを防止することができる。ちなみに、RF−IDタグ21とアンテナパターン15が密着している状態、すなわち相互の距離が0mmであっても、上記RF−IDタグ21とアンテナパターン15の相互の距離が100mm程度であっても、RF−IDタグ21を認識することができる。
【0022】
上記のように、RF−IDタグ21とアンテナパターン15とが非接触であっても情報信号の送受信を行うことができる。また、図4ないし図6に示すようなRF−IDタグを使用することによって、RF−IDタグ21とアンテナパターン15との間に大きな間隙が生じていても、情報信号の送受信を行うことができる。そのため、図1に示すように、個々の保管書類20ごとに大きさが異なっていて、各保管書類20の前面を底板11または棚板13の前面に揃えることによって一つ一つのRF−IDタグ21とアンテナパターン15との距離が異なっていても、情報信号の送受信を行うことができる。また、アンテナパターン15は背板14に形成したため、アンテナを保管書類20の背当たりとして利用することもできる。
【0023】
書庫10に対してアンテナパターン15付きの背板14を着脱自在に構成しているため、RF−IDを用いた書類保管装置を具備していない保管庫であっても、これに上記背板14を装着するだけで、RF−ID対応の書類保管装置に仕様変更することができる。逆に、RF−ID対応の書類保管装置であっても、上記背板14を取り外すことにより、RF−IDに対応しない保管庫に仕様変更することも容易である。
【0024】
次に、図2、図3に示す本発明の別の実施形態について説明する。この実施形態は、保管庫が書類保管スペースを背中合わせにして有する複式の保管庫の例である。なお、図1に示す実施形態の構成部分と共通の構成部分には共通の符号を付している。図2、図3において、書庫10は前述の側板に代わる支柱17を有している。支柱17は書庫10の前後方向に3本、等間隔に、かつ平行に配置されていて、奥行き方向(図3では左右方向)手前と中間の支柱17とによって一つの棚板13の端部が支持され、奥行き方向奥側と中間の支柱17とによってもう一つの棚板13の端部が支持されている。したがって、一方向から見れば、手前側と奥側にそれぞれ棚板13を有しているが、書庫10全体から見れば、書庫10の前後方向両側から保管書類20を出し入れすることができるようになっている。
【0025】
図3に示すように、支柱17にはその長さ方向に多数の孔171が一定間隔で形成されている。この孔171は棚受け18を掛け止めるための孔で、棚受け18の両端部に形成されたフック181が適宜の高さ位置の上記孔171に挿入されかつ係止されることにより、棚受け18が書庫10の奥行き方向に向けて配置されている。一つ一つの棚受け18は、書庫10の奥行き方向に並ぶ2本の支柱17にまたがって配置されている。各棚受け18は下端縁部に係止片182が折り曲げによって形成されていて、この係止片182に棚板13の一端部が掛け止められ、同様にして棚板13の他端部が他方の棚受け18の係止片182に掛け止められることによって、棚板13が左右の支柱17間に支持されている。
【0026】
上記のようにして背中合わせにされた各書類保管スペースの背後には背板14が垂直な姿勢で互いに平行に取付けられている。背板14は、前述の実施形態と同様にアンテナパターンが形成されていてアンテナモジュールを構成している。上記各背板14は、各棚板13の奥端面の後ろ側に位置していて、各背板14間には空間が存在している。この空間、したがって背中合わせの書類保管スペース間には、遮蔽部材19が垂直な姿勢で取付けられている。遮蔽部材19は、背中合わせの書類保管スペース相互のアンテナからの信号を遮蔽するためのもので、金属などの導電性材料からなる。遮蔽部材19は上記の遮蔽機能を効果的に発揮するために、背板14の高さと同等の高さか、これよりも若干高くなっている。
【0027】
前記棚受け18は金属板からなり、書類の出し入れ面側から見た棚板13の左右両端部における遮蔽板を兼ねている。すなわち、書類の出し入れ面側から見て左右方向に並ぶ書類保管スペースのアンテナにおいて送受信される信号が相互に干渉することを防止するために、左右の書類保管スペース相互のアンテナからの信号を上記棚受け18が遮蔽するように構成されている。この遮蔽機能を効果的に発揮するために、棚受け18は棚板13の高さ寸法よりも充分に高く、背板14と略同等の高さになっている。
【0028】
棚板13を支持するために、棚受け18を用いない構造もある。その場合は、棚受け18による遮蔽効果と同様の遮蔽効果を有する遮蔽板を付加する。あるいは、個々の書類保管スペースの左右方向を画する仕切り板を設け、この仕切り板にアンテナからの信号を遮蔽させる機能を持たせてもよい。ちなみに、RF−IDタグ21を付加した書類20を、鉄などの磁性金属からなる棚受けに接触ないしは近接させて収納すると、空芯コイルを通る磁束が上記棚受けに吸収されてしまい、棚板の左右方向すなわち長手方向両端部にあるRF−IDタグとの間で情報信号を送受信することはできないのではないかという懸念がある。しかし、上記本発明の実施形態のように、空芯コイルと磁芯とを組み合わせて、指向性を強くしたRF−IDタグを使用することによって、棚板の左右方向両端から30mm以内にある、したがって金属製の棚受けに接触しているRF−IDタグであっても、アンテナとの間で情報信号を送受信することができる。
【0029】
図2に示すように、書庫10にはパーソナル・コンピュータ23が接続されている。パーソナル・コンピュータ23は背板14、アンテナパターン15からなるアンテナモジュールに接続され、あるいは、図1の実施形態における制御ユニット22と同様の制御ユニットが介在していてもよい。
【0030】
以上説明した図2、図3に示す実施形態によれば、書類収納能力の高い複式の保管庫において、背中合わせの書類保管スペース相互のアンテナからの信号を遮蔽する遮蔽部材19を配置したため、複式の保管庫であっても、背中合わせのアンテナによって送受信される信号の干渉を防止し、信頼性の高い書類管理、書類検索などを行うことができる。
【0031】
また、書類の出し入れ面側から見た棚板13の左右両端部に、金属板からなる遮蔽板を兼ねた棚受け18が配置されているため、左右に位置するアンテナによって送受信される信号の干渉を防止し、信頼性の高い書類管理、書類検索などを行うことができる。さらに、上記遮蔽板を兼ねた棚受け18にRF−IDタグ21が接触していても、RF−IDタグ21は、平面状に巻回された空芯コイルと、この空芯コイルの平面と平行となるように空芯コイルに挿入された板状の鉄心とを有してなるものであって、指向性が強いものであるため、前述のようにアンテナとの間で情報信号を送受信することができる。
書類保管スペースの背後に配置されるアンテナは、棚板とは別体としたため、アンテナを棚板と一体に形成するものに比べて安価になり、アンテナを配置するか否かで、RF−IDを用いた書類管理装置を構成するか否かも任意にかつ容易に選択することができ、いずれにせよローコストである。
【0032】
なお、本発明のように、書類保管スペースの背後に、保管書類の上記RF−IDタグとの情報信号の送受信を行うアンテナを有しているものにあっては、書類の出し入れ時に、アンテナが衝撃や摩擦を受けることはないから、RF−IDタグとアンテナとの送受信方式は接触方式として差支えない。
【0033】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、保管書類のRF−IDタグとの情報信号の送受信を行うアンテナが、書類保管スペースの背後に配置されているため、保管書類を出し入れするときの衝撃や摩擦などによって上記アンテナが破損することを防止することができる。
書類保管スペースの背後に配置されるアンテナは、棚板とは別体としたため、アンテナを棚板と一体に形成するものに比べて安価になり、アンテナを配置するか否かで、RF−IDを用いた書類管理装置を構成するか否かも任意にかつ容易に選択することができ、いずれにせよローコストである。
アンテナは、着脱自在としたため、既存の保管庫にアンテナを設置することによって、RF−IDを用いた書類管理装置に仕様変更することも容易であり、RF−IDを用いた書類管理装置を既存の保管庫に仕様変更することも容易である。
【0034】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、保管庫は、書類保管スペースの奥行き方向手前と奥と中間にそれぞれ支柱が等間隔にかつ平行に配置されていて、奥行き方向手前と中間の支柱に掛け止められた棚受けよって一つの棚板が支持され、奥行き方向奥側と中間の支柱に掛け止められた棚受けよってもう一つの棚板が支持されることにより、保管スペースを背中合わせにして有する複式の保管庫としたため、書類保管能力を高めた複式の保管庫において、保管書類を出し入れするときの衝撃や摩擦などによってアンテナが破損することを防止することができる。
【0035】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明において、背中合わせになっている各保管スペースの背後には、背板が垂直の姿勢で互いに平行に取り付けられ、各背板はアンテナパターンが形成されることによってアンテナモジュールを構成しているため、請求項2記載の発明と同等の効果を得ることができる。
【0036】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明において、背中合わせになっている各保管スペース相互間には、背中合わせの書類保管スペース相互のアンテナからの信号を遮蔽する遮蔽部材が垂直の姿勢で配置されているため、複式の保管庫において、背中合わせの書類保管スペース相互のアンテナから送受信される信号の干渉がなく、信頼性の高い書類管理、書類検索などを行うことができる。
【0037】
請求項5記載の発明によれば、請求項記載の発明において遮蔽部材の高さは、背板の高さと同等以上の高さとしたため、保管庫が有する既存の部材を利用して、左右両側のアンテナから送受信される信号の干渉を効果的になくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるRF−IDを用いた書類管理装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明にかかるRF−IDを用いた書類管理装置の別の実施形態をの一部示す斜視図である。
【図3】上記の別の実施形態を示す一部断面側面図である。
【図4】本発明に適用可能なRF−IDタグの例を示す平面図である。
【図5】上記RF−IDタグの一部断面正面図である。
【図6】本発明に適用可能なRF−IDタグの別の例を示す一部断面正面図である。
【符号の説明】
10 保管庫としての書庫
13 棚板
14 背板
15 アンテナパターン
18 遮蔽板を兼ねる棚受け
19 遮蔽部材
20 保管書類
21 RF−IDタグ
50 空芯コイル
51 磁芯

Claims (6)

  1. RF−IDタグが付加された書類を保管する保管庫を有し、上記RF−IDタグとの間で情報信号を送受信して収容書類の管理および検索を行うことができるRF−IDを用いた書類管理装置において、
    上記保管庫は、棚板と、この棚板を書類の出し入れ面側から見た左右両端部に配置されて棚板を支持する金属板からなる棚受けと、書類保管スペースの背後に配置された背板を有し、
    上記棚受けは、上記棚板の高さ寸法よりも高く、上記背板と同等の高さになっており、
    上記背板は、書類保管スペースの背後の上記棚板の奥端面の後ろ側に位置していて、保管書類の上記RF−IDタグとの情報信号の送受信を行うアンテナを有し、
    上記アンテナを有する背板は、上記棚板とは別体として形成されて着脱自在であり、RF−IDを用いた書類保管装置を具備していない保管庫であっても、これに上記背板を装着することにより、RF−ID対応の書類保管装置に仕様変更することができることを特徴とするRF−IDを用いた書類管理装置。
  2. 保管庫は、書類保管スペースの奥行き方向手前と奥と中間にそれぞれ支柱が等間隔にかつ平行に配置されていて、奥行き方向手前と中間の支柱に掛け止められた棚受けよって一つの棚板が支持され、奥行き方向奥側と中間の支柱に掛け止められた棚受けよってもう一つの棚板が支持されることにより、保管スペースを背中合わせにして有する複式の保管庫である請求項1記載のRF−IDを用いた書類管理装置。
  3. 背中合わせになっている各保管スペースの背後には、背板が垂直の姿勢で互いに平行に取り付けられ、各背板はアンテナパターンが形成されることによってアンテナモジュールを構成している請求項2記載のRF−IDを用いた書類管理装置。
  4. 背中合わせになっている各保管スペース相互間には、背中合わせの書類保管スペース相互のアンテナからの信号を遮蔽する遮蔽部材が垂直の姿勢で配置されている請求項3記載のRF−IDを用いた書類管理装置。
  5. 遮蔽部材の高さは、背板の高さと同等以上の高さである請求項4記載のRF−IDを用いた書類管理装置。
  6. RF−IDタグは、棚板の左右方向両端から30mm以内にあってもアンテナとの間で情報信号を送受信可能である請求項1記載のRF−IDを用いた書類管理装置。
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