JP5195263B2 - 情報伝達媒体管理システム - Google Patents
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例えば、図書館や公的機関等におけるCD/DVDメディアの管理に用いられるRFIDシステムは、CD/DVDメディアに貼付されたRFIDタグに対して、リーダライタ装置をかざして各RFIDタグのID情報を読み取り、CD/DVDメディアの貸出状況を把握したり、複数のRFIDタグに対して一斉に貸出履歴の書込処理をしたりして、CD/DVDメディアの管理を行っている。
このようなRFIDタグの電気的結合を回避する技術として、隣接するRFIDタグの間に磁界遮蔽板を設ける技術がある(例えば、下記特許文献1)。
また、CD/DVDメディアを複数積層していくと各CD/DVDメディアが有する金属薄膜が積層されて、全体的に円筒状金属物体を構成することとなり、RFIDタグとの通信経路が限定的なものとなってリーダライタ装置との通信が困難となるという問題がある。従来の技術では、この問題を解決するには至っていない。
(1)ディスク状の情報伝達媒体が複数積層された状態で、情報伝達媒体に設けられたRFIDタグに対する通信を安定的に行う。
(2)情報伝達媒体の管理の安定性と容易性とを高める。
本発明の情報伝達媒体管理システムは、ディスク状の情報記録媒体に沿って配置され、該情報記録媒体の径方向内方に設けられた第一のRFIDタグと前記径方向外方に位置するRFIDリーダライタ装置との無線通信を介在するアンテナ構造、前記情報伝達媒体を固定する固定ケース、および、該固定ケースに設けられた蓋ケースを備える収容ケースと、前記収容ケースを複数個積層させた状態、かつ、前記各収容ケースを直立させた状態で載置可能な載置台、前記載置台に設けられ、前記第二のアンテナコイルと電磁結合可能なリーダアンテナコイル、該リーダアンテナコイルを制御するリーダライタ本体を備え、前記リーダアンテナコイルは、コイル中心軸が前記収容ケースの積層方向に延在するように構成されているRFIDリーダライタ装置と、を備える情報伝達媒体管理システムにおいて、前記アンテナ構造は、一平面上に設けられ、前記第一のRFIDタグが有するRFIDアンテナコイルと電磁結合可能な第一のアンテナコイルと、前記一平面上に設けられ、前記第一のアンテナコイルと接続されると共に前記RFIDリーダライタ装置のリーダアンテナコイルと電磁結合可能な第二のアンテナコイルと、第一の磁性材料層と金属材料層と第二の磁性材料層とを順に重ねてなり、前記第一のアンテナコイルを介して前記RFIDアンテナコイルと対向する相互干渉抑制部と、を備え、前記固定ケースは、前記第二のアンテナコイルと電磁結合可能な第二のRFIDタグ、および、ランプである発光表示部を有するピッキング回路部を備え、前記リーダライタ本体は、前記第一のRFIDタグに記憶されたID情報と前記第二のRFIDタグに記憶された固有番号情報とを対応付ける対応付け情報を有し、前記リーダライタ本体が前記リーダアンテナコイルに通電させることで、前記リーダアンテナコイルと前記第二のアンテナコイル、前記第一のアンテナコイルと前記第一のRFIDタグが電磁結合し、前記第一のRFIDタグが記憶する前記ID情報を前記リーダライタ本体が受信し、前記リーダライタ本体は、受信した前記ID情報が目的のID情報である目的ID情報か否かを判定し、前記リーダライタ本体は、受信した前記ID情報が前記目的ID情報である場合に、前記対応付け情報に基づいて、受信した前記ID情報と対応付けられた前記固有番号情報に対応した信号を前記リーダアンテナコイルから発信し、前記第二のRFIDタグは、前記リーダアンテナコイルから発信された前記信号が指し示す前記固有番号情報と、自身に記憶された前記固有番号情報との照合を行い、照合が一致した場合に前記発光表示部を点灯させることを特徴としている。
さらに、金属材料層と第一のアンテナコイルとの間に第一の磁性材料層を備えるので、RFIDアンテナコイルと第一のアンテナコイルとの電磁結合で発生した磁界を第一の磁性材料層の中に通すことで、隣接する金属材料層の渦電流の発生を抑え、アンテナ構造内における磁界電流の減衰を軽減することができる。
また、金属材料層の外方側に第二の磁性材料層を備えるので、隣接する他のアンテナ構造における磁界電流の減衰を防止することができる。
従って、ディスク状の情報伝達媒体を複数積層させた状態であっても、各情報伝達媒体の間に本アンテナ構造を挟むことにより、情報伝達媒体に設けられた第一のRFIDタグとRFIDリーダライタ装置との通信を安定的に行うことができる。
図1は、本発明の第一の実施形態に係るCD/DVDメディア管理システム(情報伝達媒体管理システム)Aの外観斜視図であり、図2は、CD/DVDメディア管理システムAの内部構成斜視図である。図1及び図2に示すように、このCD/DVDメディア管理システムAは、収容ケース1と、この収容ケース1に収容されたCD/DVDメディア(情報伝達媒体)2と、このCD/DVDメディア2に貼付されたRFIDタグ(第一のRFIDタグ)3と、収容ケース1に固定されたアンテナシート10と、CD/DVDメディア2が載置されたRFIDリーダライタ(RFIDリーダライタ装置)20とを備えている。
このような収容ケース1は、図1に示すように、複数個が各厚さ方向を水平方向に向けて積層された状態で、RFIDリーダライタ20上に載置されている。
第一の磁性材料層13a及び第二の磁性材料層13cは、Cr,Fe,Ni,Cuなどからなる合金の粒子を、樹脂などの基材に充填してシート状に成形した磁性層である。
また、金属材料層13bは、アルミニウム、銅などの薄膜からなる金属層である。
リーダライタ本体21は、リーダアンテナコイル23を介して、RFIDタグ3を稼働させると共に、このRFIDタグ3のICメモリに対して情報を読み書きする。
載置台22は、収容ケース1を複数個積層させた状態で各収容ケース1を直立させて載置可能な載置面22aを備えるものである。換言すれば、図2に示すように、各CD/DVDメディア2の中心軸Pを水平方向に向けた状態で収容ケース1を載置する。
すなわち、載置面22aに収容ケース1を載置すると各CD/DVDメディア2の中心軸Pとコイル中心軸Qが平行な状態となるようになっており、このようにすることで収容ケース1及びCD/DVDメディア2の自重を利用し、リーダアンテナコイル23と載置面22aとの密着性を高めて、第二のアンテナコイル15(の一辺)とリーダアンテナコイル23との位置関係が常に近接するように、かつ、一定の位置関係となるようになっている。
リーダアンテナコイル23は、13.56MHzに共振するアンテナであり、その原理は直列共振回路でありインダクタンスとキャパシタンスでその周波数が決定される。
初期状態において、複数の収容ケース1が、積層状態かつ直立状態で載置台22に載置されている。これら複数の収容ケース1は、それぞれCD/DVDメディア2を収容している。
一方、第二の磁性材料層13cは、CD/DVDメディア2が積層されると、同一のアンテナシート10の第一のアンテナコイル14の他に、背面11b側で他のアンテナシート10の第一のアンテナコイル14と隣接するので、この他のアンテナシート10の共振回路部12内における磁界電流の減衰を軽減する。このように、共振回路部12内における磁界電流が減衰することなく、各RFIDタグ3とRFIDリーダライタ20との無線通信が安定的になされる。
しかしながら、CD/DVDメディア2の中心部に貼られたRFIDタグのアンテナ面に対する垂直方向(中心軸Pの延在方向)は、中心孔2aが直径35mm程度しかなく、さらにRFIDタグが重なり合っていることから、この方向でのRFIDリーダライタとの無線通信は困難であった。
また、RFIDタグのアンテナ面に対する同一平面方向(CD/DVDメディアの盤面方向)は、RFIDタグのアンテナとRFIDリーダライタとの間に金属蒸着膜部分があるため、反磁界によって金属蒸着膜面に生じる渦電流の影響で、RFIDリーダライタとの通信が困難であった。
また、第二の磁性材料層13cを設けたので、背面11b側で隣接する他のアンテナシート10の共振回路部12内における磁界電流の減衰を軽減することができる。
CD/DVDメディア2を積層すると、前述のRFIDタグ3と同様に、CD/DVDメディア2を介して隣接する各共振回路部12が電磁結合し、そのことで直列共振回路としての共振周波数がずれてしまう恐れがある。この共振周波数のずれによって、第一のアンテナコイル14とRFIDタグ3との電磁結合e2の結合状態が弱まり、RFIDリーダライタ20との無線通信がやや不安定になる場合が想定される。
この相互干渉抑制部17は、背面11b上に接着されたものであり、相互干渉抑制部13と同じ部材、層構成で形成されている。これにより、前述の相互干渉抑制部13と同様の効果を奏し、隣接する共振回路部12同士の電磁結合を遮断し、無線通信の安定性を万全なものとすることができる。
単位アンテナコイル53a〜53dは、それぞれ単体で13.56MHzの共振周波数を持つアンテナコイルであり、それぞれ上部が平面状に構成された長方体状のコイル型フラットアンテナである。これら単位アンテナコイル53a〜53dは、それぞれのコイル中心軸qを互いに水平方向に重ねて、直列状に並設されており、載置台22の内部において載置面22a(図1参照)の直下にそれぞれ上部が位置するように配設されている。すなわち、CD/DVDメディア2の積層方向に各コイル中心軸qが延在するように構成されている。
このような構成の単位アンテナコイル53a〜53dは、それぞれアンテナ切替器54に接続されている。
また、これら単位アンテナコイル53a〜53dを切替選択することができるように構成したので、単位アンテナコイル53a〜53dの相互干渉を抑止することができる。
これにより、RFIDリーダライタ20と同様の効果に加えて、リーダアンテナコイル53をコイル中心軸方向に長く構成したとしても、共振周波数の設定を容易に行うことができる。
また、上述したRFIDリーダライタ50の構成では、アンテナ切替機を独立した構成としたが、リーダライタ本体21又は載置台22に内蔵させてもよい。
このCD/DVDメディア管理システムBの構成要素は、CD/DVDメディア管理システムAの構成要素とほぼ同様であるが、収容ケースとRFIDリーダライタ20の内部構成とが異なっている。
この収容ケース101の側部101aには、ヒンジ部が配置される位置に直方体状のスペースがあり、このスペース内にピッキングランプ点灯回路部120が収容されている。
このRFIDタグ用IC(第二のRFIDタグ)121には、アンテナコイル122が送受信用のアンテナとして接続されている。このアンテナコイル122は、図7に示すように、共振回路部12の第二のアンテナコイル15に隣接して配置されており、両者は電磁結合e3で結合される。
ピッキングランプ125は、ゲート端子がRFIDタグ用IC121のデジタル出カポートに接続されたトランジスタなどのスイッチング素子126と接続されており、このスイッチング素子126がデジタル出力ポートをオンオフ制御することで、ゲート信号がオンオフし、ピッキングランプ125を点灯/消灯することができるようになっている。
なお、リーダアンテナコイル53のように、アンテナを複数に分割する構成としてもよい。
リーダライタ本体21によってリーダアンテナコイル23が通電して電波を発信させる。すると、第二のアンテナコイル15とリーダアンテナコイル23と電磁結合e1をし、第二のアンテナコイル15に磁界電流が発生する(図2参照)。
ここで発生した磁界電流が、第一のアンテナコイル14に流れて、第一のアンテナコイル14とRFIDタグ3とが電磁結合e2で結合し、RFIDタグ3が稼働する。
受信したID情報が目的のものである場合には、リーダライタ本体21は、上記対応付け情報に基づいて、そのID情報と対応付けられた固有番号情報とランプ点灯指令とに対応した信号を、リーダアンテナコイル23から発信する。
なお、RFIDタグ用IC121は、この照合の結果を示す応答信号をアンテナコイル122から、共振回路部30とリーダアンテナコイル22とを介して、リーダライタ本体21に送信する。
また、アンテナコイル122の形状は、共振回路部12の第二のアンテナコイル15と電磁結合するものであれば、他の形状であってもよい。
また、上記の構成においては、ランプが点灯した収容ケース101を作業者が目視する構成としたが、スピーカやブザー等を設けて音が出るようにして聴覚で認識させる構成としてもよい。または、これらの組み合わせでもよい。
例えば、上述した実施の形態では、アンテナシート10の基材を透明のフィルムシートで構成したが、不織布等を用いてもよい。
また、上述した実施の形態では、装置アンテナ3上への置き方に制限がない収容ケースの四辺全ての辺縁に沿わして第二のアンテナコイル15を設けたが、収容ケース1の載置方法に制限を付けることを条件として、最低一辺の縁に設ければよい。
さらに、共振回路部12中のコンデンサ16は、積層チップコンデンサなどの専用デバイスの他、シート11の両面に対向電極を設けシート11の材質を誘電体とした形態のコンデンサであってもよい。
1a…蓋ケース
2…CD/DVDメディア(情報伝達媒体)
3…RFIDタグ(第一のRFIDタグ)
10,40…アンテナシート
11b…背面(一平面)
13…相互干渉抑制部
13a…第一の磁性材料層
13b…金属材料層
13c…第二の磁性材料層
14…第一のアンテナコイル
15…第二のアンテナコイル
20,50…RFIDリーダライタ
22…載置台
23,53…リーダアンテナコイル
53a〜53d…単位アンテナコイル
54…アンテナ切替部
e1〜e3…電磁結合
120…ピッキングランプ点灯回路部(ピッキング回路部)
121…RFIDタグ用IC(第二のRFIDタグ)
125…ピッキングランプ(発光表示部)
A,B…CD/DVDメディア管理システム(情報伝達媒体管理システム)
Q…コイル中心軸
Claims (2)
- ディスク状の情報記録媒体に沿って配置され、該情報記録媒体の径方向内方に設けられた第一のRFIDタグと前記径方向外方に位置するRFIDリーダライタ装置との無線通信を介在するアンテナ構造、前記情報伝達媒体を固定する固定ケース、および、該固定ケースに設けられた蓋ケースを備える収容ケースと、
前記収容ケースを複数個積層させた状態、かつ、前記各収容ケースを直立させた状態で載置可能な載置台、前記載置台に設けられ、前記第二のアンテナコイルと電磁結合可能なリーダアンテナコイル、該リーダアンテナコイルを制御するリーダライタ本体を備え、前記リーダアンテナコイルは、コイル中心軸が前記収容ケースの積層方向に延在するように構成されているRFIDリーダライタ装置と、
を備える情報伝達媒体管理システムにおいて、
前記アンテナ構造は、
一平面上に設けられ、前記第一のRFIDタグが有するRFIDアンテナコイルと電磁結合可能な第一のアンテナコイルと、
前記一平面上に設けられ、前記第一のアンテナコイルと接続されると共に前記RFIDリーダライタ装置のリーダアンテナコイルと電磁結合可能な第二のアンテナコイルと、
第一の磁性材料層と金属材料層と第二の磁性材料層とを順に重ねてなり、前記第一のアンテナコイルを介して前記RFIDアンテナコイルと対向する相互干渉抑制部と、
を備え、
前記固定ケースは、前記第二のアンテナコイルと電磁結合可能な第二のRFIDタグ、および、ランプである発光表示部を有するピッキング回路部を備え、
前記リーダライタ本体は、前記第一のRFIDタグに記憶されたID情報と前記第二のRFIDタグに記憶された固有番号情報とを対応付ける対応付け情報を有し、
前記リーダライタ本体が前記リーダアンテナコイルに通電させることで、前記リーダアンテナコイルと前記第二のアンテナコイル、前記第一のアンテナコイルと前記第一のRFIDタグが電磁結合し、
前記第一のRFIDタグが記憶する前記ID情報を前記リーダライタ本体が受信し、
前記リーダライタ本体は、受信した前記ID情報が目的のID情報である目的ID情報か否かを判定し、
前記リーダライタ本体は、受信した前記ID情報が前記目的ID情報である場合に、前記対応付け情報に基づいて、受信した前記ID情報と対応付けられた前記固有番号情報に対応した信号を前記リーダアンテナコイルから発信し、
前記第二のRFIDタグは、前記リーダアンテナコイルから発信された前記信号が指し示す前記固有番号情報と、自身に記憶された前記固有番号情報との照合を行い、照合が一致した場合に前記発光表示部を点灯させることを特徴とする情報伝達媒体管理システム。 - 前記リーダアンテナコイルは、前記収容ケースの積層方向に複数個区分された単位リーダアンテナコイルから構成され、
該単位リーダアンテナコイルを切替選択可能なアンテナ切替部を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報伝達媒体管理システム。
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