実施例1に係る図書保管管理システムにつき、図1から図9を参照して説明する。以下、図3及び図6の紙面下側をステーションの正面側(前方側)とし、図8の紙面左側をコンテナの正面側(前方側)とし、図9の紙面左側をコンベアの正面側(前方側)として説明する。
図1の符号1は、本発明の適用された図書保管管理システムである。この図書保管管理システム1は、例えば、図書館にて書棚が利用者に公開されている利用者室2と、書棚が利用者に公開されていない閉架書庫3と、の間に亘って設置されており、閉架書庫3に収容されている図書4(図4参照)を利用者の要求に応じて利用者室2まで搬送するシステムである。
図1に示すように、閉架書庫3には、図書4を収容するための複数の書棚5が配置されている。これら書棚5には、複数の図書4が立てた状態で収容された複数のコンテナ6が収容されている。尚、本発明における図書保管管理システム1は、コンテナ6毎に図書4を文学、スポーツ、評論等の分野毎に収容する固定ロケーション方式を採用している。
図4に示すように、図書4の表紙4aまたは裏表紙4bにおける背表紙4c寄りで且つ下端部寄りの箇所には、各図書4毎に固有の識別情報が記憶されているRFIDタグ7(無線タグ)が貼り付けられている。本実施例では、RFIDタグ7は、全ての図書4の裏表紙4bにおける背表紙4cに貼り付けられているものとして説明する。
このRFIDタグ7の識別情報は、後述するタグリーダ15と貸出用タグリーダ20とによって読み取り可能となっている。尚、この識別情報には、各図書4を識別できる固有のIDが含まれている。この固有のID以外にも、各図書4の属性情報である各図書4のタイトル、著者、出版社、ページ数等も識別情報に含まれる。尚、この識別情報が、後述するステーション11に内蔵された所定の管理コンピュータ(図示略)のデータベースに登録されており、このデータベースに基づいて各図書4の管理が行えるようになっている。
また、本実施例におけるRFIDタグは、内蔵したICチップを非接触方式(無線方式)にて、タグリーダ15と貸出用タグリーダ20とで読み取らせる公知のパッシブ型のRFIDタグである。
図1に示すように、図書保管管理システム1は、閉架書庫3にて書棚から図書4が収容されたコンテナ6を取り出すための複数基のスタッカクレーン8と、スタッカクレーン8によって書棚5から取り出されたコンテナ6を搬送するコンベア9(搬送装置)と、を備えている。
また、利用者室2には、閉架書庫3からコンテナ6を搬送可能であって、利用者が目的の図書4の貸し出し、若しくは返却を行うことができるステーション11が設けられている。ステーション11にて設定された指令に基づき、スタッカクレーン8は、各書棚5におけるコンテナ6の収容位置まで前後並びに上下方向に自動走行して、コンテナ6の出し入れを行うようになっている。
図2に示すように、ステーション11の上部には、その内部が中空である中空部12が形成されている。この中空部12内には、書棚5から連続したコンベア9が延設されている(図1参照)。このコンベア9は、後述するように、平行に延設される2本のフレーム24,24と、このフレーム24,24間に並設される複数のローラ25と、から構成されている(図3、図6〜8参照)。
コンベア9における隣り合うローラ25同士の間には、所定の間隔が設けられており、各ローラ25は、任意の駆動手段によって同一方向に回転可能になっている。このコンベア9によって、コンテナ6は、その左右方向をコンベア9の搬送方向に向けた状態で中空部12内の中央まで水平に搬送されるようになっている。
図3に示すように、ステーション11の中空部12内の中央には、コンベア9に連続して設けられたターンテーブル13が配設されている。ステーション11に搬送されたコンテナ6は、このターンテーブル13上に載置されるようになっている。尚、ターンテーブル13にもローラ25が設けられており、ターンテーブル13上からコンベア9にコンテナ6を移動させることができるようになっている。
ステーション11の利用者は、ステーション11の外面に設けられているコンテナ回転ボタン11aを押圧操作することで、ターンテーブル13を回転させてコンテナ6を水平回転させることができる(図2参照)。そのため、コンテナ6は、その正面側及び背面側のいずれの側も利用者側に向けることができるようになり、コンテナ6の正面側及び背面側の両側に図書4を収容しておくことができ、コンテナ6内のスペースを有効利用できる。
また、図2に示すように、ステーション11の上部における正面側は、左右方向に中空部12を開閉自在なスライド扉14が取り付けられており、利用者は、このスライド扉14を開放することによって中空部12に搬送されてきたコンテナ6から図書4を取り出せるようになっている。
図3に示すように、中空部12内におけるコンベア9の末端部近傍は、コンテナ6に収容されている図書4のRFIDタグ7から識別情報を読み取るためのタグリーダ15が設けられるリーダ設置部49となっている。
本実施例では、2つのタグリーダ15がコンベア9内で水平になるように寝かせた状態で前後に並設され、移動不能に配置されている。図書4のRFIDタグ7は、これらのタグリーダ15によってコンテナ6の下方から読み取られるようになっている(図7、図8参照)。
RFIDタグ7は、裏表紙4bにおける背表紙4c寄りで且つ下端部寄りの箇所に貼り付けられているため、図書4に貼り付けられたRFIDタグ7は、図書4の大きさに関係なく、タグリーダ15の上方においてタグリーダ15に近い地点を通過するため、RFIDタグ7がタグリーダ15に近接し、RFIDタグ7の識別情報がタグリーダ15によって読み取り易くなっている。
図2に示すように、ステーション11の正面側には、利用者がコンテナ6から取り出した図書4を載置するための天板17が設けられている。この天板17上には、ステーション11を利用する利用者に対して、図書4の貸し出し及び返却作業の指示を行うための表示装置18が設けられている。この表示装置18は、利用者が直接指等を接触させて操作可能なタッチパネル19を備えている。
また、天板17には、図書4の裏表紙4bに貼り付けられているRFIDタグ7から識別情報を読み取るための貸出用タグリーダ20が埋設されている。尚、ステーション11内には、これら表示装置18と貸出用タグリーダ20とタグリーダ15とコンベア9とスタッカクレーン8とに接続されている制御コンピュータ(図示略)が内蔵されている。
この制御コンピュータ(図示略)は、利用者がタッチパネル19から図書4の貸し出し、または返却作業の操作を行うことに伴い、表示装置18と貸出用タグリーダ20とタグリーダ15とコンベア9とスタッカクレーン8とを適宜制御可能となっている。
次に、図書4が収容されるコンテナ6について図6から図8を参照して説明する。図6から図8に示すように、このコンテナ6は、ポリプロピレン等の樹脂材によって構成され、上方が開口する略箱体に形成されている。左右の側壁26は、前後の側壁27よりも上下方向に長く形成されている。前後左右の側壁26,27及び底板28に囲まれたコンテナ6の内部は、複数の図書4を収容するための収容空間21となっている。
図8に示すように、コンテナ6の底板28は、底板28の前後の側壁27から中央に向かって上方に角度θの傾斜をなす傾斜面29に形成されている。また、前後の側壁27は、その内側面30が下端部から上方に向けてコンテナ6の前後方向の外側方に向けて傾斜面29と同一傾斜角である角度θの傾斜をなして形成されている。
そのため前後の側壁27の内側面30と底板28の傾斜面29とのなす角が直角となり、図書4の角部を保持することができるとともに、図書4の背が正面側及び背面側の端部に揃えることができる。
尚、本実施例では、これら傾斜面29と内側面30の角度θは、約2度に形成されているが、コンテナ6内に収容されている図書4が収容空間21から脱落する角度でなければ角度θは特に限定されない。更に、コンテナ6内には、前後の側壁27間で底板28の左右方向の略中央から上方に向かって隔壁31が立設されており、この隔壁31によって収容空間21は、左右に仕切られている(図6参照)。
また、コンテナ6内には、収容空間21を正面側と背面側とに仕切る磁性板22が2枚設けられており、これら2枚の磁性板22は、スチール材や鉄材等の金属製材料、すなわち磁性部材によって構成されている。尚、この磁性板22に、フェライトシート等の磁性シート(図示略)を貼り付けるようにしてもよく、フェライトシートが貼り付けられていれば、磁性板22にRFIDタグ7が接触している状態であっても、RFIDタグ7の識別情報をタグリーダ15によって読み取ることができる。
これら磁性板22によって、コンテナ6の正面側と背面側とに分割された収容空間21にて、コンテナ6に収容される図書4は、背表紙4cをコンテナ6の前後方向の外側に向けた状態で、かつ各図書4をコンテナ6の搬送方向に並べた状態で、収容されるようになっている。
尚、コンテナ6の収容空間21は、磁性部材によって構成された磁性板22によって正面側と背面側とに分割されている。また、RFIDタグ7は図書4の裏表紙における背表紙4c寄りで且つ下端部寄りの箇所に貼り付けられているので、コンベア9の正面側に設けられたタグリーダ15は、収容空間21の正面側に収容されている図書4のRFIDタグ7に限定して、その識別情報を読取可能となっている。同様に、コンベア9の背面側に設けられたタグリーダ15は、収容空間21の背面側に収容されている図書4のRFIDタグに限定して、その識別情報を読取可能となっている。
このように構成されて図書4を収容するコンテナ6は、利用者が図書4の貸し出しや返却処理を行う際にタッチパネル19を操作することに伴い、ステーション11からの指令に基づいて閉架書庫3の書棚5からスタッカクレーン8とコンベア9を介してステーション11内の中空部12の中央まで搬送される(図1参照)。
具体的には、先ず、利用者はタッチパネル19を操作することで、目的とする図書4のタイトルや著者等の識別情報を入力し、目的とする図書4が収容されているコンテナ6を搬送するように操作指示を行う。
ステーション11の制御コンピュータ(図示略)は、この搬送指示に基づいてスタッカクレーン8とコンベア9とに対して、利用者の目的とする図書4が収容されているコンテナ6を、閉架書庫3の書棚5からステーション11内の中空部12の中央まで搬送させる制御を行う。
そして、コンテナ6がステーション11内の中空部12の中央に向けて搬送される際に、コンベア9の正面側と背面側とに設けられたタグリーダ15によってコンテナ6の正面側と背面側とに収容空間21内に収容されている図書4のRFIDタグ7の識別情報が順次読み取られる。
ステーション11は、順次読み取った識別情報に基づいて、表示装置18に図書4のタイトル等を表示させる。これにより、利用者はコンテナ6の収容空間21内における目的とする図書4の収容位置を把握することができるようになっている。
尚、利用者が目的とする図書4がコンテナ6の収容空間21の背面側に収容されている場合には、利用者がコンテナ回転ボタン11aを押圧操作することでターンテーブル13を回転させて、コンテナ6の向きを回転変更させることで、目的とする図書4を容易にコンテナ6から取り出すことができる。そして、コンテナ6の収容空間21から取り出した図書4は、貸出用タグリーダ20によってRFIDタグ7から識別情報を読み取らせることによって貸出処理を行うことができる。
利用者は、図書4の貸し出しが終了した後、再びタッチパネル19を操作することで、ステーション11内から閉架書庫3の書棚5にコンテナ6を返却する操作指示を行う。ステーション11の制御コンピュータ(図示略)は、この操作指示に基づいてスタッカクレーン8とコンベア9とに対して、コンテナ6を書棚5に返却させる制御を行うことで、図書4の貸し出しから返却までの操作が完了する。
次に、図書4のRFIDタグ7を読み取るためのタグリーダ15について、図5を参照して説明する。図5(a)に示すように、タグリーダ15は、正面視で略四角形状をなす絶縁性の平面基板32を有し、この平面基板32には、この平面基板32よりも小の略四角形かつ平面薄板状をなす導体板(例えば銅箔)が貼り付けられており、この導体板は、その左右方向の略中央部が下方から上方に向かって切り欠かれて切欠部33が形成され、導体板の左右に第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35とが形成されている。また、第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35は、その上部の接続部36で接続されている。
上下方向に延設された切欠部33は、左右方向の略中央部から外れて形成されており、第1アンテナ素子34の左右幅L1は第2アンテナ素子35の左右幅L2よりも小さくなっている。そして、第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35の上下幅は略同一であるため、左右幅の小さい第1アンテナ素子34の面積は、左右幅の大きい第2アンテナ素子35の面積よりも小さく形成されている。このように切欠部33によって左右に区分された第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35とから1つのタグリーダ15が形成されている。
図5(a)に示すように、第1アンテナ素子34の下端部における切欠部33の近傍と、第2アンテナ素子35の下端部における切欠部33の近傍には、給電点38が設けられている。また、このタグリーダ15には、電力を供給するための2本の給電用ケーブル39が設けられ、一方の給電用ケーブル39は第1アンテナ素子34側の給電点38に接続されているとともに、他方の給電用ケーブル39は第2アンテナ素子35側の給電点38に接続されている。
第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35は、接続部36を介して擬似的に直列に接続された状態となっており、第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35に流れる電流値は同じになっている。そして、第1アンテナ素子34は第2アンテナ素子35よりも面積が小さく形成されているため、第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35は、分布範囲や通信距離などの性質が互いに異なる電磁波40,41を発生させる。尚、本発明における電磁波発生手段は、面積の異なる第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35とによって構成されている。
図5(b)に示すように、タグリーダ15に電流を流すと、第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35に加えられる電流値は同じとなるため、より面積の小さい第1アンテナ素子34の方の放射強度が強まり、第1アンテナ素子34から発せられる電磁波40の分布範囲は、第2アンテナ素子35から発せられる電磁波41の分布範囲よりも通信距離が長くなり、より遠くに届くようになる。
また、第2アンテナ素子35は第1アンテナ素子34よりも左右幅及び面積が大きいため、第2アンテナ素子35から発せられる電磁波41の分布範囲は、第1アンテナ素子34から発せられる電磁波40の分布範囲よりも通信距離は短く、左右方向に大きく広がるようになる。
このように、第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35からなるタグリーダ15の通信領域は、分布範囲や通信距離などの性質が互いに異なる電磁波40,41が左右方向に連続され、かつ中央で重なり合って発生する領域となっている。
図6に示すように、コンベア9は、互いに離間して対向する一対のフレーム24を有しており、これら2本のフレーム24の間に多数のローラ25が並設されている。尚、本発明における搬送路は、2本のフレーム24に並設された多数のローラ25から構成されている。
図7および図8に示すように、コンベア9におけるリーダ設置部49には、前後2つのタグリーダ15が支持部材50によって下方から支持され、水平となるように設置されている。これらのタグリーダ15は、コンベア9の末端部近傍において左右方向に並設されるローラ25間に配置されており、タグリーダ15がローラ25の高さ位置よりも低く配置されるため、図書4が収容されたコンテナ6は、タグリーダ15の上方を通過できるようになっている。
また、図8に示すように、タグリーダ15,15の間には、下方から延設される補助フレーム51によって支持される合成樹脂製の補助ローラ52が設けられているとともに、前後のフレーム24とタグリーダ15の間にも同様に、補助フレーム51によって支持される合成樹脂製の補助ローラ52,52が設けられている。コンテナ6がタグリーダ15の上方を通過する際に、コンテナ6がタグリーダ15に隣接する補助ローラ52上を移動するため、コンテナ6の移動を滑らかに行うことができるようになっている。
次に、タグリーダ15に近接するローラ25’(図6及び図7参照)について図9を参照して説明する。尚、その他のローラ25については、全ての部材が金属で構成された一般的なローラ25を用いているため説明を省略する。図9に示すように、ローラ25’は、金属からなる断面六角形状のローラ軸53を有し、このローラ軸53の両端部には合成樹脂等の非導電性材料からなる軸受環54が嵌合されており、軸受環54の外端には外向フランジ54aが突設されている。
軸受環54の外周には、軸受環54と同様に合成樹脂等の非導電性材料からなる保持環55が設けられており、保持環55の後端には内向フランジ55aが突設されている。軸受環54と保持環55の間にはベアリング56が設けられており、ベアリング56の外輪56aは軸受環54の外向フランジ54aに当接するとともに、ベアリング56の内輪56bは保持環55の内向フランジ55aに当接し、ベアリング56と軸受環54と保持環55とによって軸受具57が構成されている。
保持環55の周縁部55bには、両端が開口する金属製のローラ筒58の端部が嵌合されて、ローラ筒58が軸受具57を介して回転自在に取り付けられている。このような構成により、ローラ軸53が回転すると、その回転運動が軸受具57を介してローラ筒58に伝達され、ローラ筒58が回転するようになっている。
また、ローラ軸53における軸受環54よりも内方には、環板59が嵌められており、軸受環54と環板59の間には圧縮バネ60が設けられている。軸受環54は、圧縮バネ60により外方に向かって付勢され、ローラ筒58はローラ軸53に対して軸方向に若干摺動可能になっている。
このように、ローラ25’は、金属製のローラ筒58とローラ軸53の間に設けられる軸受環54及び保持環55が非導電性材料から構成されているため、ローラ筒58とローラ軸53とが絶縁されている。尚、特に図示はしないが、各ローラ25,25’におけるローラ筒58は、任意の駆動手段によって連動して回転するようになっている。
図6及び図8に示すように、リーダ設置部49には、ローラ25’に挟まれて前後2つのタグリーダ15が設置されている。そして、コンテナ6が搬送されるときに、図書4がタグリーダ15の通信領域を通過する際に、図書4のRFIDタグ7がタグリーダ15によって読み取られるようになっている。
タグリーダ15は、コンベア9における多数のローラ25とともに配置されているため、コンテナ6の下方位置からコンテナ6に向けて電磁波40,41が照射される。尚、コンテナ6の下方がタグリーダ15が発する電磁波40,41を受ける受波領域となっているとともに、コンテナ6の上方及び前後左右の側周が電磁波40,41を透過させる透過領域となっている。
そして、コンテナ6がステーション11に搬送されてタグリーダ15によってRFIDタグ7の識別情報が読み取られる際に、コンテナ6の上方及び前後左右の側周に形成された透過領域には、所定の広さの空間が確保された中空部12が形成されているため、電磁波40,41を透過させることができるようになっている(図7参照)。
尚、RFIDタグ7は図書4の裏表紙4bに貼り付けられており、図書4はコンテナ6内に立てた状態で収容されているため、RFIDタグ7は、タグリーダ15と略直交する状態で読み取られる。
ここで、RFIDタグ7が通信可能な距離であるにもかかわらず、電磁波が干渉し合うことにより、タグリーダ15で読み取ることができないヌル点といわれる読取不能領域が発生することがある。この読取不能領域の発生は、第1及び第2アンテナ素子34,35が発する電磁波40,41と、これらの電磁波40,41がステーション11の部材などに反射されて生じる逆位相の電磁波と、が互いに打ち消し合う干渉現象が原因となっている。
本実施例では、タグリーダ15に面積の異なる第1アンテナ素子34と第2アンテナ素子35とを設け、異なる電磁波40,41を発生させるようにしているため、各アンテナ素子34,35の電磁波40,41に生じる読取不能領域の発生位置が異なるようになる。
そして、第1アンテナ素子34及び第2アンテナ素子35の読取不能領域が互いの読取可能領域によって補われ、各アンテナ素子34,35を有するタグリーダ15の通信領域の全体を読取可能領域とすることができ、第1アンテナ素子34及び第2アンテナ素子35が発する電磁波40,41の読取不能領域に係わりなくタグリーダ15によるRFIDタグ7の識別情報の読み取りを正確に行うことができる。
例えば、図書4がタグリーダ15の通信領域を通過する際に、図書4のRFIDタグ7は、先に第1アンテナ素子34から発生する電磁波40の分布範囲内に入る(図7参照)。その図書のRFIDタグ7が第1アンテナ素子34の読取不能領域に位置した場合には、続いて第2アンテナ素子35が発する電磁波41の分布範囲内に入ったときに、RFIDタグ7は、第2アンテナ素子35の読取不能領域には入らずに読取可能領域を通過し、タグリーダ15によって図書4のRFIDタグ7の識別情報を確実に読み取ることができるようになる。
また、コンテナ6は、上方が開口する略箱体に形成されており、タグリーダ15から照射された電磁波40,41は、電磁波を発生させる部材や電磁波40,41を反射する部材が存在しないコンテナ6の上方及び前後左右の側周に形成された中空部12(透過領域)によって通過されるようになり、電磁波40,41の干渉現象を抑えることができるようになっている。
更に、コンテナ6が搬送されるコンベア9からタグリーダ15の電磁波40,41が照射されるため、ローラ25によりタグリーダ15の電磁波40,41が反射される虞がなくなり、タグリーダ15が発する電磁波40,41の干渉現象の発生を防止し、タグリーダ15によるRFIDタグ7の識別情報の読み取りを正確に行うことができる。そして、タグリーダ15は、左右方向に並設されるローラ25間に配置されているため、ローラ25はタグリーダ15が発する電磁波40,41の障害部材となる虞がなくなる。
また、タグリーダ15に隣接するローラ25’は、非導電性を有しているため、ローラ25’にタグリーダ15の電磁波40,41が照射されても、非導電性を有するローラ25’に電流が流れずに済み、ローラ25’がタグリーダ15の読取性能に影響を与えずに済むようになっている。
更に、ローラ25’における金属製のローラ筒58は、軸受具57によりローラ軸53及びフレーム24から電気的に絶縁され、接地(アース)されない状態となり、ローラ筒58にタグリーダ15の電磁波40,41が照射されても、ローラ筒58内に電流が流れずに済み、ローラ筒58がタグリーダ15の読取性能に影響を与えずに済むようになっている。
このようなタグリーダ15及びローラ25’を用いることにより、タグリーダ15は、第1アンテナ素子34及び第2アンテナ素子35のいずれかの電磁波40,41の分布範囲内で図書4のRFIDタグ7を確実に読み取ることができるようになり、図書4のRFIDタグ7が読み取られずに図書4の貸し出しに支障が出てしまうようなことが解消される。
また、RFIDタグ7とタグリーダ15との通信は電磁波40,41によって行われるため金属の影響を受ける虞があるが、本実施例では軸受環54及び保持環55が非導電性材料から構成されていることによりローラ筒58がローラ軸53から絶縁されている。
そのため、タグリーダ15から発生される電磁界分布が、タグリーダ15と近接するローラ25’による影響を受けることなく、タグリーダ15は、図書4のRFIDタグ7を確実に読み取ることができるようになる。
次に、実施例2に係る図書保管管理システムにつき、図10と図11を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。
図10(a)及び図11に示すように、本実施例におけるタグリーダ42は、後述する第1アンテナユニット43と第2アンテナユニット44が左右方向に並設されて構成されている。第1アンテナユニット43は、正面視で略四角形状をなす絶縁性の平面基板32を有し、この平面基板32に第1アンテナ素子45が貼り付けられている。
また、第1アンテナ素子45の下端部における第2アンテナユニット44寄りの角部近傍には、給電点38が設けられており、この給電点38には電力を供給するための給電用ケーブル39がそれぞれ接続されている。
第1アンテナユニット43と並設される第2アンテナユニット44は、正面視で略四角形状をなす絶縁性の平面基板32に第2アンテナ素子46が貼り付けられている。第2アンテナ素子46の下端部における第1アンテナユニット43寄りの角部近傍には、給電点38が設けられており、この給電点38には電力を供給するための給電用ケーブル39がそれぞれ接続されている。
第1アンテナユニット43と第2アンテナ素子46は略同一の構成をなしているが、第1アンテナユニット43における第1アンテナ素子45の左右幅M1は、第2アンテナユニット44における第2アンテナ素子46の左右幅M2よりも小さく形成されている。第1アンテナ素子45と第2アンテナ素子46の上下幅は略同一であるため、左右幅の小さい第1アンテナ素子45の面積は、左右幅の大きい第2アンテナ素子46の面積よりも小さくなる。
このように、本実施例におけるタグリーダ42は、第1アンテナ素子45を有する第1アンテナユニット43と、第2アンテナ素子46を有する第2アンテナユニット44と、が左右方向に並設されているため、各アンテナ素子45,46を有するアンテナユニット43,44の構成が簡素化され、タグリーダ42を容易に製造できる。
前記実施例1と同様に、第1アンテナ素子45は第2アンテナ素子46よりも面積が小さく形成されているため、給電用ケーブル39からタグリーダ42に同じ電流値が加えられた場合には、第1アンテナユニット43における第1アンテナ素子45と第2アンテナユニット44における第2アンテナ素子46は、性質が互いに異なる電磁波40,41を発生させる。尚、本発明における電磁波発生手段は、面積の異なる第1アンテナ素子45と第2アンテナ素子46とによって構成されている。
図10(b)に示すように、2つのアンテナユニット43,44からなるタグリーダ42に電流を流し、第1アンテナユニット43における第1アンテナ素子45と第2アンテナユニット44における第2アンテナ素子46とに同じ電流値が加えられると、より面積の小さい第1アンテナ素子45の方が放射強度が強まり、第1アンテナ素子45から発せられる電磁波40の分布範囲は、第2アンテナ素子46から発せられる電磁波41の分布範囲よりも通信距離が長くなり、より遠くに届くようになる。
また、第2アンテナ素子46は第1アンテナ素子45よりも左右幅及び面積が大きいため、第2アンテナ素子46から発せられる電磁波41の分布範囲は、第1アンテナ素子45から発せられる電磁波40の分布範囲よりも通信距離は短く、左右方向に大きくなる。
このように、第1アンテナ素子45を有する第1アンテナユニット43と、第2アンテナ素子46を有する第2アンテナ素子46とによって構成されるタグリーダ42の通信領域は、分布範囲や通信距離などの性質が互いに異なる電磁波40,41が左右方向に連続され、かつ中央で重なり合って発生する領域となる。
図11に示すように、コンベア9の末端部近傍におけるリーダ設置部49には、2つのタグリーダ42が設置されており、正面側のタグリーダ42と背面側のタグリーダ42はそれぞれローラ25’に挟まれるように配置されている。そして、コンテナ6が搬送されるときに、図書4がタグリーダ42の通信領域を通過する際に、図書4のRFIDタグ7がタグリーダ42によって読み取られるようになっている。
前記実施例1と同様に、ローラ25’は非導電性を有しているため、このように第1アンテナユニット43と第2アンテナユニット44とからなるタグリーダ42の電磁波がローラ25’に照射されても、非導電性を有するローラ25’内に電流が流れずに済み、ローラ25’がタグリーダ42の読取性能に影響を与えないようになっている。
タグリーダ42は、第1アンテナユニット43と第2アンテナユニット44とを並設して性質の異なる電磁波40,41を発生させるようにしているため、各アンテナユニット43,44の電磁波40,41に生じる読取不能領域の発生位置が異なるようになる。
そして、第1アンテナユニット43及び第2アンテナユニット44の読取不能領域が互いの読取可能領域によって補われ、各アンテナユニット43,44を有するタグリーダ42の通信領域の全体を読取可能領域とすることができ、第1アンテナユニット43及び第2アンテナユニット44から発生される電磁波40,41の読取不能領域に係わりなくタグリーダ42によるRFIDタグ7の識別情報の読み取りを正確に行うことができる。
このように、第1アンテナ素子45を有する第1アンテナユニット43と第2アンテナ素子46を有する第2アンテナユニット44とを組み合わせてタグリーダ42を構成することでも実施例1と同様の効果が得られ、アンテナ素子45,46を有するアンテナユニット43,44の構成が簡素化され、タグリーダ42を容易に製造することができるようになる。
尚、コンテナ6の収容空間21には、前側と後側にそれぞれ図書4が30冊程度収容可能であり、最大60冊程度の多数の図書4が収容されている。従来技術では、タグリーダから電磁波を所定間隔置きに発生させ、タグリーダは、電磁波の発生により読取可能となったRFIDタグの識別情報をその都度全て読み取り、管理コンピュータのデータベースと照合することで既に読取済のRFIDタグと新規に読み取ったRFIDタグとを分別する処理を行っている。しかしながら、収容された図書4の冊数が多いと、図書4のRFIDタグ7から読み取った識別情報をデータベースと照合する処理に時間がかかり、読取速度が遅くなってしまうという問題がある。
そこで、本実施例では、タグリーダ42における各アンテナ素子45,46のいずれか一方から電磁波40,41を一定時間継続して発生させる制御を行うことができる。例えば、第1アンテナ素子45から発生する電磁波40によってRFIDタグ7の識別情報が読み取られているときには、そのRFIDタグ7の識別情報は、そのとき停止されている第2アンテナ素子46よって読み取られないように制御することができる。
このようにすることで、第1アンテナ素子45と第2アンテナ素子46のいずれか一方のアンテナ素子によってRFIDタグ7の識別情報が読み取られ、重複して読み取られることがなくなるため、タグリーダ42がRFIDタグ7の識別情報を読み取ったデータを処理する時間が短縮されるようになり、タグリーダ42によるRFIDタグ7の読取速度を向上させることができる。
更に尚、本実施例では、タグリーダ42における各アンテナ素子45,46の両方から同時に電磁波40,41を一定時間継続して発生させる制御を行うことができる。そして、この電磁波40,41を発生させる制御を、各アンテナ素子45,46の読取可能領域にコンテナ6が進入してから通過が完了するまでの間、一定時間継続させるようにする。更に、タグリーダ42はRFIDタグ7に対するライト機能を有しており、このライト機能を用いることで、通信可能状態のRFIDタグ7を一時停止させて通信不能状態とする制御を行うことができる。
例えば、各アンテナ素子45,46の両方から同時に電磁波40,41を一定時間継続して発生させ、このアンテナ素子45,46の読取可能領域をコンテナ6が通過する際に、アンテナ素子45,46と一度通信を行ったRFIDタグ7を通信不能状態とすることで、RFIDタグ7の識別情報が重複して読み取られることがなくなる。そのため、タグリーダ42がRFIDタグ7の識別情報を読み取ったデータを処理する時間が短縮されるようになり、タグリーダ42によるRFIDタグ7の読取速度を向上させることができる。尚、コンテナ6がアンテナ素子45,46の読取可能領域を通過した後は、電磁波40,41がRFIDタグ7に届かなくなるため、RFIDタグ7内の電力も無くなり、RFIDタグ7の通信不能状態が自動的に解除される。
更に、このようにすることで、タグリーダ42にて2枚のアンテナ素子45,46が同時に制御され、データベースと照合する処理も同時に行えるため、各アンテナ素子45,46を切り換えながら制御して、アンテナ素子45,46毎にデータベースと照合する場合よりも、切換時間等のタイムロスが生じないようになり、タグリーダ42の処理速度を向上させることができる。
以上、本実施例1及び2における図書保管管理システム1にあっては、コンテナ6を搬送する多数のローラ25を有するコンベア9が設けられ、電磁波40,41を用いてRFIDタグ7の識別情報を読取可能なタグリーダ15がコンテナ6を搬送する多数のローラ25内に配置され、タグリーダ15がコンテナ6の下方からコンテナ6に向けて電磁波40,41を照射し、コンテナ6の上方及び側周が電磁波40,41を透過させる中空部12となっていることで、コンテナ6の下方位置から照射された電磁波40,41が、電磁波を発生させる部材や電磁波40,41を反射する部材が存在しないコンテナ6の上方及び側周の中空部12から透過されて抜けるようになり、かつコンベア9のコンテナ6を搬送する多数のローラ25からタグリーダ15の電磁波40,41が照射されるため、多数のローラ25によりタグリーダ15の電磁波40,41が反射される虞もなくなり、タグリーダ15が発する電磁波40,41の干渉現象の発生を防止し、タグリーダ15によるRFIDタグ7の識別情報の読み取りを正確に行うことができる。
また、コンベア9は、互いに離間して対向する一対のフレーム24間に並設される多数のローラ25を有し、多数のローラ25上をコンテナ6が搬送されるようになっており、タグリーダ15は、ローラ25間に配置されることで、ローラ25はタグリーダ15が発する電磁波40,41の障害部材となる虞がなくなり、かつ既存のコンベア9を用いる場合であっても、タグリーダ15をフレーム24間の所定箇所のローラ25と置き換えることで、タグリーダ15の配置位置を確保できるようになる。
また、多数のローラ25のうち、少なくともタグリーダ15に隣接するローラ25’は、非導電性を有していることで、ローラ25’にタグリーダ15の電磁波40,41が照射されても、非導電性を有するローラ25’内に電流が流れずに済むようになり、ローラ25’がタグリーダ15の読取性能に影響を与えずに済むようになる。
また、多数のローラ25は、フレーム24に支持される金属製ローラ軸53に嵌合される軸受具57に、金属製ローラ筒58の両端部が嵌合され、金属製ローラ筒58が軸受具57を介して回転自在に取り付けられてなり、多数のローラ25のうち、少なくともタグリーダ15に隣接するローラ25’は、軸受具57の少なくとも一部が非導電性材料で形成されることにより、金属製ローラ筒58と金属製ローラ軸53とを絶縁させたものとなっていることで、タグリーダ15に隣接するローラ25’の金属製ローラ筒58は、軸受具57により金属製ローラ軸53及びフレーム24から電気的に絶縁され、接地されない状態となり、金属製ローラ筒58にタグリーダ15の電磁波40,41が照射されても、金属製ローラ筒58内に電流が流れずに済むようになり、金属製ローラ筒58がタグリーダ15の読取性能に影響を与えずに済むようになる。
また、タグリーダ15には、複数のアンテナ素子34,35が設けられるとともに、各アンテナ素子34,35にそれぞれ異なる性質の電磁波40,41を発生させるタグリーダ15が設けられることで、タグリーダ15により各アンテナ素子34,35がそれぞれ異なる性質の電磁波40,41を発生させるため、各アンテナ素子34,35の電磁波40,41に生じる読取不能領域の発生位置が異なるようになり、各アンテナ素子34,35の読取不能領域が互いの読取可能領域により補われ、これら各アンテナ素子34,35を有するタグリーダ15の通信領域の全体を読取可能領域とすることができ、タグリーダ15が発する電磁波40,41の読取不能領域に係わりなくタグリーダ15によるRFIDタグ7からの識別情報の読み取りを正確に行うことができる。
また、アンテナ素子34,35が平面板状をなし、各アンテナ素子34と35の面積をそれぞれ異なる面積とすることで、電磁波発生手段が構成されることで、平板状をなすアンテナ素子34,35の面積を変えると、アンテナ素子34,35が発する電磁波40,41の分布範囲や通信距離が変化するため、各アンテナ素子34,35の面積をそれぞれ異なる面積とすることで、各アンテナ素子34,35にそれぞれ異なる性質の電磁波40,41を発生させることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例1及び2では、合成樹脂製の軸受環54と保持環55を用いているが、非導電性材料であれば合成樹脂材でなくてもよい。また、軸受環54と保持環55とベアリング56のうち少なくとも1つが非導電性材料で形成されればよいので、軸受環54と保持環55とベアリング56をすべて非導電性材料で形成してもよいし、軸受環54と保持環55とベアリング56のうちいずれか1つのみを非導電性材料で形成してもよい。
また、前記実施例1及び2では、平面基板32に平面薄板状をなす導体板を貼り付けて第1及び第2アンテナ素子34,35,45,46を形成した平面アンテナを用いてタグリーダ15,42を構成しているが、デュアルアンテナを用いてもよい。
また、前記実施例1及び2では、タグリーダ15,42は、第2アンテナ素子35,46の左右幅よりも第1アンテナ素子34,45の左右幅が大きくなるように形成されているが、これとは逆に第1アンテナ素子34,45の左右幅を第2アンテナ素子35,46の左右幅よりも大きく形成してもよい。
また、前記実施例1及び2では、図書保管管理システム1を、コンテナ6毎に図書4を分野毎に収容する固定ロケーション方式として説明したが、コンテナ6内に図書4を分野を問わずに収容し、図書4の保管効率を向上させたフリーロケーション方式としてもよい。
また、前記実施例1及び2では、図書4の裏表紙4bにRFIDタグ7を貼り付けたが、RFIDタグ7が貼り付けられる位置は図書4の表紙でもよいし、タグリーダ15,42によって読取可能であれば、RFIDタグ7が貼り付けられる位置は図書4の表紙の裏面等であってもよい。
また、前記実施例1及び2では、コンテナ6の収容空間21内に図書4を背表紙4cをコンテナ6の外側である正面側と背面側とに向けて立てた状態で収容したが、タグリーダ15,42によってRFIDタグ7から識別情報が読取可能であるならば、背表紙4cを上方や収容空間21の前後方向の中央に向けて立てた状態で収容してもよいし、複数の図書4を収容空間21内で平積みして収容するようにしてもよい。
また、前記実施例1及び2では、コンベア9の末端部近傍において左右方向に並設されるローラ25間に、前後に同一のタグリーダ15または42を2つ取り付けているが、異なる複数のタグリーダを左右方向に並設してもよいし、ローラ25間に配置したタグリーダ15または42に加えて更に別のタグリーダをコンベア9の真上に設けるなどして異なる方向から図書4のRFIDタグ7から識別情報を読み取るようにしてもよい。
また、前記実施例1及び2では、アンテナ素子の面積を変化させたタグリーダを用いてそれぞれ異なる性質の電磁波を発生させる電磁波発生手段を構成しているが、電磁波の出力を変えたり周波数を変えたりしてそれぞれ異なる性質の電磁波を発生させる電磁波発生手段を構成してもよい。
また、前記実施例2では、2つのアンテナ素子を内蔵するアンテナユニットを構成しているが、3つ以上のアンテナ素子を内蔵してアンテナユニットとしてもよい。
また、前記実施例では、アンテナ素子の面積を変化させたタグリーダを用いてそれぞれ異なる性質の電磁波を発生させる電磁波発生手段を構成しているが、放射電極と、電気的にフローティング状態に維持される複数の細条状のフローティング電極と、が交互に繰り返し配列された構造を有し、所望の広さの交信エリアを形成するアンテナパターンを形成した公知のアンテナ装置を本発明のタグリーダとして用いてもよい。