JP4093103B2 - 電話装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
予め録音した音声を再生して送信できるようにした電話装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一つのメッセージを多数の人に伝えるのにフアクシミリ装置では、複数の送り先に同時に送信する同報通信機能がある。電話装置でも同報通信機能があると、例えば学校の緊急連絡事項を複数の児童の保護者に一度に伝えるときなど、同じメッセージを複数の人に伝えるのに便利である。
【0003】
しかし、現実に多くの学校では同報通信機能を備えた電話装置を使用しないで、予め定めた連絡網で伝言を順番に伝えていく方法を採っている。この方法は、伝言を伝えるのに、連絡網の順番に従って、AさんからBさんに、BさんからCさんに、CさんからDさんというように、話し手は伝言を読み、聞き手は伝言をメモし、その次の電話では聞き手だった人が読み手となって、メモを読み上げるという作業を行っている。この方法では、いちいち聞いた内容をメモして次の人に伝える必要があり、聞き違い、言い違いが起こる可能性があることから、正確に伝わらないこともあった。
【0004】
他の方法として、音声メールという方法が提案されている。これは、ユーザーが音声メール支援サーバーへ音声メールの送信を依頼すると、音声メール支援サーバーは、受け付けたテキストメッセージあるいは受け付けた音声情報を音声メッセージとして、指定された送信日時が来るのを待って受信者へ電話を発呼して音声メールを送信するという方法である(例えば、特許文献1)。音声メールの送信先を複数設定すれば、同じ音声メールを複数の送信先に順次送ることができて便利である。しかしこの方法は、音声メール支援サーバーの存在を前提としているため、利用可能な音声メール支援サーバーがなければ利用することができない。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−99486号公報(第3−4頁、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の電話通信網を用いて、予め録音しておいた音声を通話中に送れるようにした電話装置を提供することを目的としている。
【0007】
また本発明は、通話中に予め録音しておいた音声を送話器であるマイクロフォンから入力される通常の音声と同時に送るようにして、通常の音声が途切れないようにした電話装置を提供することを第2の目的としている。
【0008】
また本発明は、通話中に予め録音しておいた音声を挿入しても、録音しておいた音声と通話者の音声が混同されないように、録音しておいた音声と送話器であるマイクロフォンから入力される通話者の音声を区別できるようにした電話装置を提供することを第3の目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、記憶手段に記憶した音声を読み出す音声読み出し手段と、音声送出指示入力手段と、送出音声ミキシング手段とを設け、前記記憶手段から読み出した音声を、送話器から入力した音声とミキシングして送出するようにした電話装置において、通話中に送話器から入力される通話者の音声の無音区間は、前記記憶手段から読み出して送出する音声の音量を大きく、通話者の音声の有音区間は、記憶手段から読み出して送出する音声の音量を小さくする構成を採る。
【0010】
この構成により、予め記憶手段に記憶しておいた音声を、音声送出指示信号入力手段に送出指示信号を入力することにより、通話の途中で音声を挿入する形で相手側の電話機に送ることができる。また、この構成により、記憶手段から読み出して送出する音声を確実に伝えることができる。
【0011】
本発明は、記憶手段に記憶した音声を読み出す音声読み出し手段と、音声送出指示入力手段と、送出音声ミキシング手段とを設け、前記記憶手段から読み出した音声を、送話器から入力した音声とミキシングして送出するようにした電話装置において、前記記憶手段から読み出した音声を送出するときに、当該音声の前に識別音を送出するようにしている。
【0012】
この構成により、予め記憶手段に記憶しておいた音声を、音声送出指示信号入力手段に送出指示信号を入力することにより、通話の途中で音声を挿入する形で相手側の電話機に送ることができる。また、マイクロフォンから入力した音声と、記憶手段から読み出した音声との区別をつけて送信することができる。区別することにより、いわゆる成りすまし電話として使用できないようにもしている。
【0013】
本発明は、記憶手段に記憶した音声を読み出す音声読み出し手段と、音声送出指示入力手段と、送出音声ミキシング手段とを設け、前記記憶手段から読み出した音声を、送話器から入力した音声とミキシングして送出するようにした電話装置において、前記記憶手段から読み出した音声を送出するときに、当該音声の後に識別音を送出するようにしている。
【0014】
この構成により、予め記憶手段に記憶しておいた音声を、音声送出指示信号入力手段に送出指示信号を入力することにより、通話の途中で音声を挿入する形で相手側の電話機に送ることができる。また、記憶手段から読み出した音声の前に識別音を送出するときと同じく、マイクロフォンから入力した音声と、記憶手段から読み出した音声との区別をつけている。また、記憶手段から読み出した音声の前後に識別音を送出することにより、読み出した音声区間を識別できるようにしている。
【0025】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明の第1の実施の形態に係る電話装置を図面とともに説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電話装置を用いて、1つの伝言の音声をそのまま録音して電話連絡網の連絡先に送信する電話連絡システムのシステム構成図である。ここでは、本発明の第1の実施の形態に係る電話装置として携帯電話装置を用いた例を示すが、電話装置は固定電話装置であってもよい。
【0026】
図1では、携帯電話網1に基地局2a、2bが接続しており、携帯電話装置3、4、5、6が、それぞれ基地局2aまたは基地局2bを介して他の携帯電話装置と通話することができる。携帯電話装置4、5、6には、通話中の音声を内蔵する記憶手段に記憶して、次の通話中にその記憶手段から記憶した音声を読み出して送信する手段を設けている。例えば学校の職員が、携帯電話装置3を用いて電話連絡網の最初の連絡先である保護者の携帯電話装置4と通話中に伝言を読み上げたとする。携帯電話装置4では、後述する録音キーを押して、読み上げられる伝言の音声を記憶手段に記憶する。携帯電話装置4は、次の連絡先である携帯電話装置5に発呼して、記憶した伝言を記憶手段から読み出して送信する。また、携帯電話装置5は、同様に伝言を記憶手段に記憶して、次の連絡先である携帯電話装置6に発呼して、記憶手段に記憶した伝言を読み出して送信する。このように、携帯電話装置3から携帯電話装置4に送られた伝言は、伝えられた音声のまま電話連絡網の携帯電話装置5と携帯電話装置6に伝えられる。携帯電話装置5と携帯電話装置6の使用者は、学校の職員の携帯電話装置3と通話していないのに、学校の職員の声で伝言内容を聞くことができるので、伝言は正確に伝わる。
【0027】
図2に、本発明の第1の実施の形態に係る電話装置である携帯電話装置4の構成をブロック図として示す。なお、携帯電話装置5、6も携帯電話装置4と構成は同じである。図2のように、携帯電話装置4は、無線通信を行う無線通信手段である送信部10と、受信部11と、アンテナ12と、無線制御手段13とを持ち、無線制御手段13を装置全体の制御を行う全体制御手段14と音声処理手段15に接続している。無線制御手段13は、アンテナ12と受信部11で受信した無線信号から制御信号と音声信号を取り出し、全体制御手段14あるいは音声処理手段15に送出する。
【0028】
音声処理手段15は、音声信号を受話器として機能するスピーカー16に出力し、また送話器として機能するマイクロフォン17から入力された音声信号を無線制御手段13に送る働きをしている。マイクロフォン17から入力された音声信号は、無線制御手段13の制御により、送信部10、アンテナ12から携帯電話網1に接続した最寄りの基地局2bへ送信される。また、音声処理手段15は、挿入音声記憶手段22から読み出した音声と、マイクロフォン17から入力された音声をミキシングする送出音声ミキシング手段としての機能も果たすようにしている。
【0029】
全体制御手段14には、電話番号などを入力するためのキー操作部18と、通話中の通話内容を録音するための指示信号を入力する録音キー19と、液晶表示手段を用いた表示手段20と、電話帳データや着信メロディなどを記憶する記憶手段21に接続している。また、本発明では、特に、通話中にマイクロフォン17から入力される音声に挿入する形で送信するための音声を録音しておく挿入音声記憶手段22を、記憶手段21とは別に全体制御手段14に接続している。携帯電話装置4で通話中に録音キー19を押すと、全体制御手段14は、音声処理手段15から通話中の音声信号を挿入音声記憶手段22に記憶する。
【0030】
図3に、挿入音声記憶手段22に記憶した記憶状態を図式的に示す。挿入音声記憶手段22には、アドレス番号23毎に、アドレス1からアドレス4に対応した録音内容24と、音声を録音したときの通話相手の電話番号または電話番号に対応する氏名または名称25、録音日時26が記憶されている。
【0031】
図4に、携帯電話装置4の外観図を示す。通話中に、キー操作部18の四方向キー18aを用いて、挿入音声選択画面を表示させると、図4の表示手段20のように、挿入音声記憶手段22から、アドレス番号23と、音声を録音したときの通話相手の電話番号、氏名または名称25が表示される。アドレス番号23の数値とテンキー入力する数値は一対一に対応させているので、送出したい音声のアドレス番号23の数値と同じキー操作部18のテンキーを押して、送出する音声を選択し、四方向キー18aの中央の確定キー18bを押すことによって、挿入音声記憶手段22から音声を読み出して送出する音声送出指示信号を入力するようにしている。なお、送出したい音声を選択するには、四方向キー18aを用いて表示手段20に破線枠として示されているカーソルを上下にスクロールして、希望する音声のアドレス番号23を破線枠で囲み、四方向キー18aの中央の確定キー18bを押すことによって、挿入音声記憶手段22から音声を読み出して送出する音声送出指示信号を入力できるようにもしている。また、送出したい音声のアドレス番号23の数値と同じキー操作部18のテンキーを押すことにより、送出する音声の選択を行うと同時に音声送出指示信号を入力するようにしてもよい。
【0032】
図5に、携帯電話装置4で通話中に、挿入音声記憶手段22に記憶した通話録音内容を読み出して送出するときの動作手順をフローチャートとして示す。図5で、携帯電話装置4の電源を入れると(ステップS1)、電源が全体制御手段14と無線制御手段13に入り、送信部10と受信部11により、携帯電話網1の基地局と制御信号の間欠受信が始まり、携帯電話装置4の位置登録等が行われて着信待ち受け状態となる(ステップS2)。そして、携帯電話装置4の使用者がキー操作部18の通話キーの操作を行うと通話が始まる(ステップS3)。
【0033】
通話中に、携帯電話装置4の四方向キー18aを用いて、既に説明した図4のように挿入音声選択画面を表示させる(ステップS4)。そして、キー操作部18のテンキーで送出したい音声のアドレス番号23を入力する(ステップS5)。すると、送信のしかたについて、マイクロフォン17に入力される音声と差し替える形の送信にするか、マイクロフォン17に入力される音声とミキシングした形の送信にするかを選択する画面が表示手段に表示されるので、いずれかを選択し、四方向キー18aの中央の確定キー18bを押す(ステップS6)。ここでは、マイクロフォン17に入力される音声と差し替える形の送信を選択し、四方向キー18aの中央の確定キー18bを押したとすると、全体制御手段14は、マイクロフォン17からの音声信号を無線制御手段13に送らず、挿入音声記憶手段22に記憶した録音内容24を読み出し、先頭に識別音を付けて、識別音に挿入音声記憶手段22から読み出した音声が続く形にして、無線制御手段13、送信部10、アンテナ12を用いて送信する(ステップS7)。送信が完了すれば(ステップS9)、読み出した音声に続けて識別音を発し、ステップS3の通常の通話状態に戻る。
【0034】
なお、ステップS6で、マイクロフォン17に入力される音声とミキシングした形の送信を選択したときは、送出音声ミキシング手段として機能する音声処理手段15が、挿入音声記憶手段22から読み出した音声とマイクロフォン17から入力された音声をミキシングして送出する(ステップS8)。そして、通常の通話状態のときに、キー操作部18の終話ボタンを押して終話すると(ステップS10)、ステップS2の着信待ち受け状態に戻る。なお、ステップS7のときも、ステップS8のときも、挿入音声記憶手段22から読み出した音声を送出するときには音声処理手段15が送出する音声をスピーカー16にモニター出力して、通話者が送出している音声を確認できるようにしている。
【0035】
図6に、通話中に挿入音声記憶手段22から読み出した音声をマイクロフォン17から入力される音声27と差し替えた形で送出するときの音声信号を模式的に示す。挿入された音声29の前には識別音28が、挿入された音声29の後には識別音30が送出されるようにしている。そしてこれらの音声は、矢印に示すように、マイクロフォンからの音声27、識別音28、挿入された音声29、識別音30、マイクロフォンからの音声31というように送出される。ここで、識別音28、30はブザー音でも、チャイム音でも、短いメロデイでも、言葉でもよい。これら識別音28と識別音30は、互いに異なる音を用いて、いわゆるヘッダー音、フッター音というように、それぞれ挿入される音声29の始まりと終わりを示すようにしている。また、それぞれの識別音と同時に、受信する電話機で挿入音声記憶手段22への記憶を開始する、あるいは記憶を終了するための制御信号を送信するようにしても良い。
【0036】
識別音28、30を付けることにより、挿入された音声29とマイクロフォン17から入力された音声27、31が区別される。このことにより、挿入音声記憶手段22に記憶した音声の主と通話者が混同されることが無くなる。また、通話者が挿入された音声29の主になりすます、いわゆるなりすまし電話としての使用も防止される。
【0037】
図7に、通話中に挿入音声記憶手段22から読み出した音声と、マイクロフォン17から入力される音声32とを、音声処理手段15でミキシングした音34として送出したときの音声信号を模式的に示す。ミキシングすると、挿入音声記憶手段22から読み出した音声とマイクロフォン17から入力された音声がミキシングされた音声34として、同時に送られる。なお、挿入音声記憶手段22から読み出した音声とマイクロフォン17から入力された音声の両方の声の主が同時に話しているという錯覚を与える可能性があるので、区別するためにミキシングされた音声34の前後に識別音33、35をそれぞれ送出するようにしている。
【0038】
また図示していないが、音声処理手段15には、マイクロフォン17に入力される音声が有音か無音かを判別する有音・無音判別手段を設けている。マイクロフォン17に入力される音声が有音のとき(一定レベル以上の大きさの音声信号が入力されているとき)は、マイクロフォン17に入力される音声と挿入音声記憶手段22から読み出した音声を、予め定めた比率の音量で同時に出力するが、マイクロフォン17に入力される音声が無音のとき(一定レベル以上の大きさの音声信号が入力されていないとき)は、ミキシングする挿入音声記憶手段22から読み出した音声の音量を大きくしている。挿入音声記憶手段22に記憶した伝言等の音声を送出するときは、普通はマイクロフォン17に声や騒音が入らないようにするので、無音のときは、挿入音声記憶手段22から読み出した音声の音量を大きくして相手が聞き取りやすいようにしている。
【0039】
図8に、携帯電話装置4の挿入音声記憶手段22に、通話中の音声を記憶するときの動作手順をフローチャートとして示す。なおここでは、通話中の音声を記憶する方法として、送信されてきた音声の内、前後を識別音で区切った音声の部分だけを記憶する方法と、録音キー19を押している間に送信されてきた音声をすべて記憶する方法のどちらかを予め選択して携帯電話装置4の全体制御手段14に設定できるようにしているとして説明する。なお説明を簡単にするために、既に説明した図5のフローチャートと同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、詳しい説明を省略する。
【0040】
携帯電話装置4の電源が入り(ステップS1)、着信待ち受け状態となって(ステップS2)、通話が始まる(ステップS3)。通話中に録音キー19が押されると(ステップS11)、全体制御手段14が予め設定されている通話中の音声を記憶する方法を確認する(ステップS12)。前後を識別音で区切った音声の部分を記憶するよう設定してあれば、録音キー19が押されてから最初の識別音、つまり挿入される音声29の始まりを示す識別音28を受信したときに記憶(録音)を開始し(ステップS13)、通話中の音声とミキシングあるいは差し替えた形で送られてくる音声を記憶(録音)し(ステップS14)、挿入される音声29の終わりを示す識別音30を受信したときに記憶(録音)を終了する(ステップS15)。通話中の音声の記憶が終了すると、再びステップS3の通話状態に戻る。このように挿入される音声29の始まりを示す識別音28を受信したときに記憶を開始し、挿入される音声29の終わりを示す識別音30を受信したときに記憶を停止することにより、前後を識別音で区切った音声だけを記憶することができる。そのため、前後を識別音で区切った音声だけを挿入音声記憶手段22から読み出して、次の電話機に転送することができる。
【0041】
なお、録音キー19を押している間だけ通話中の音声を記憶する設定にしていたときは、録音キー19を押したときから記憶(録音)を開始し(ステップS17)、通話中の音声を記憶(録音)し(ステップS18)、録音キー19が離されたときに記憶(録音)を終了するようにしている(ステップS19)。この場合は、識別音に関係なく任意の期間の通話中の音声を記憶することができる。
【0042】
(実施の形態2)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る電話装置である携帯電話装置39について説明する。携帯電話装置39は、インターネット接続機能と、赤外線通信機能と、他の電子機器に接続して他の電子機器の電子データを記憶手段に取り込む機能を持つ携帯電話装置であって、通話中に送出できる音声として、予め通話中に録音した音声の送出を行えるだけでなく、挿入音声記憶手段22に記憶した他の音声も送出できるようにしている。
【0043】
図9に、本発明の第2の実施の形態に係る電話装置である携帯電話装置39の動作手順のフローチャートを示す。図9において、携帯電話装置39の電源を入れると(ステップS21)、発信と着信動作が可能ないわゆる着信待ち受け状態になる(ステップS22)。先に他の通話をした際に通話内容を録音しておいて(ステップS23)、通話を開始する(ステップS28)。携帯電話装置39の使用者が、既に行った他の通話の際に録音した通話内容を、今回の通話中に送出する音声として選択し、挿入音声番号を入力し、音声送出指示信号を入力すると(ステップS29)、挿入音声記憶手段22から、入力されたアドレス番号に登録された音声を読み出して送信する(ステップS30)。送信が終わると、通常の通話を再開し(ステップS31)、キー操作部18の終話ボタンを押すと終話して(ステップS32)、ステップ22の着信待ち受け状態に戻るのは、第1の実施の形態と同じである。
【0044】
本発明の携帯電話装置39は、これにとどまらず、着信待ち受け時に、キー操作部18と全体制御手段14と、マイクロフォン17と、音声処理手段15を用いて、マイクロフォン17から入力された音声信号を挿入音声記憶手段22に記憶しておき(ステップS24)、ステップS29でその挿入音声番号を入力し、音声送出指示信号を入力することにより、着信待ち受け状態においてマイクロフォン17から入力して録音しておいた音声を、通話中に送信することができる。
【0045】
また、本発明の携帯電話装置39は、キー操作部18と全体制御手段14と無線制御手段13と送信部10と受信部11とアンテナ12と、挿入音声記憶手段22を用いて、図示しないインターネットの音楽を含む音声配信サーバーから音声をダウンロードして挿入音声記憶手段22に記憶しておき(ステップS25)、上記と同様に、ステップS29でその挿入音声番号を入力し、音声送出指示信号を入力することにより、音楽を含む音声配信サーバーからダウンロードした音声を通話中に送信することができる。
【0046】
更に、本発明の携帯電話装置39は、他の携帯電話装置に記憶してある音声を赤外線通信により受信して、挿入音声記憶手段22に記憶したり、他のパーソナルコンピュータに記憶してある音声を信号線を接続して挿入音声記憶手段22にコピーしたりして(ステップS26)、上記と同様に、ステップS29でその挿入音声番号を入力し、音声送出指示信号を入力することにより、予め他の電子機器から挿入音声記憶手段22にコピーした音声を通話中に送信することができる。
【0047】
また、本発明の携帯電話装置39は、記憶手段21に記憶してある着信メロディを挿入音声記憶手段22の一部として使用可能にしたり、挿入音声記憶手段22にコピーしたりしておいて(ステップS27)、ステップS29でその挿入音声番号を入力し、音声送出指示信号を入力することにより、携帯電話装置39の記憶手段21に記憶してあった着信メロディを通話中に送信することができる。このことにより、自分が日常使用している着信メロディを通話中の相手に聞かせることなどができる。
【0048】
また、図9には記載していないが、挿入音声記憶手段22をカード式半導体メモリーのように着脱式の記憶媒体を用いた記憶手段とすることにより、記憶媒体を差し替えて装着することにより、差し替えた記憶媒体に記憶してある音声を通話中に送信することもできる。
【0049】
(実施の形態3)
次に、本発明の第3の実施の形態に係る電話装置である携帯電話装置40について説明する。図10に、携帯電話装置40のブロック図を示す。携帯電話装置40には、既に図2で示した携帯電話装置4の構成に加えて、音声文章化処理手段41を設けた点に特徴がある。他の構成については、前述の図2で示した携帯電話装置4の構成と同じであるので、同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。携帯電話装置40の音声文章化処理手段41は、挿入音声記憶手段22に記憶した音声データを分析処理してテキストデータに変換する機能を果たしている。
【0050】
例えば図11に示すように、挿入音声記憶手段22のアドレス番号23に対応する録音内容24について、例えば慣用的な「もしもし」等を削除し、前から数文字程度の短い音声部分をテキストデータに変換し、テキストデータに変換した内容37を挿入音声記憶手段22のアドレス番号23に関連する一つのデータとして記憶するようにしている。そのため、第3の実施の形態の携帯電話装置40では、図12のように表示手段20に表示された挿入音声選択画面に、挿入音声記憶手段22のアドレス番号23と記憶した音声をテキストデータに変換した内容37を表示するようにしている。なお、録音内容24全部をテキストデータ化しておいて、携帯電話装置40で挿入音声選択画面を表示しているときに、四方向キー18aを用いてカーソル枠38を動かして、いずれかのアドレス番号23とテキストデータに変換した内容37を囲むと、全文章を表示手段20いっぱいに表示するようにしても良い。携帯電話装置40では、挿入音声記憶手段22のアドレス番号に相当するキー操作部18のテンキーを押すことにより、アドレス番号に対応した音声の内容が選択され、四方向キー18aの中央の確定キー18bが押されて音声送出指示信号が入力されると携帯電話網1へ送出される。
【0051】
携帯電話装置40の動作手順をフローチャートで示すと図13のようになる。図13のフローチャートは基本的に既に説明した図5のフローチャートと同じで、挿入音声選択画面を表示するときに、選択できる音声を文字表示するステップS45が異なる。他のステップは同じ内容なので、同じステップについては同じ符号を付して説明を省略する。
【0052】
すなわち、通話中に、携帯電話装置4の四方向キー18aを用いて挿入音声選択画面を表示させる(ステップS4)。すると、既に説明した図12のように挿入音声選択画面に録音内容24をテキストデータに変換した内容37が表示されるので(ステップS45)、送出したい音声の内容を確認して、キー操作部18のテンキーでアドレス番号23を入力し(ステップS5)、あとは図5と同様の手順で挿入音声記憶手段22に記憶した音声を送出することができる。
【0053】
本発明の第3の実施の形態の携帯電話装置40によれば、表示手段20に挿入音声記憶手段22に記憶した音声の全部または一部をテキストデータとして表示するので、送信したい内容を確認して正確に送信することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来の電話通信網を用いて、予め記憶手段に記憶していた音声を通話中に送ることができる。より具体的には、電話機で相手と通話を始めた後、通話の途中から、予め録音しておいた伝言内容を通話に挿入する形で、相手側の電話機に送信することができる。特に、挿入音声記憶手段22に記憶した音声をそのまま転送できるので、例えば、学校の電話連絡網の伝言について、いちいちメモをとったり、メモを慎重に読み上げたり、送信者と受信者とで内容を復唱して確認しなくても、伝言がそのまま正しく伝わるという効果がある。
【0055】
また本発明は、通話中に予め録音しておいた音声を送話器であるマイクロフォンから入力される通常の音声と同時に送るようにして、通常の音声が途切れないようすることができる。特に、通話中に送話器から入力される通話者の音声の無音区間は、記憶手段から読み出して送出する音声の音量を大きく、通話者の音声の有音区間は、記憶手段から読み出して送出する音声の音量を小さくするようにしているので、録音しておいた音声を読み出して送出している間に声を出さなければ、送出している音声の音量が大きくなるという効果がある。
【0056】
また本発明は、通話中に予め録音しておいた音声を挿入しても、録音しておいた音声と通話者の音声が混同されないように、録音しておいた音声と送話器であるマイクロフォンから入力される通話者の音声を区別できるようにした電話装置を提供することができる。このことは、単に録音しておいた音声と通話者の音声を区別できるだけでなく、通話者が録音しておいた音声の主になりすます、いわゆるなりすまし電話としての使用を防止することができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電話装置を用いた電話連絡システムのシステム構成図
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る電話装置のブロック図
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る電話装置の挿入音声記憶手段の記憶内容を示した図
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る電話装置の操作状態の外観図
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る電話装置で通話中に音声を挿入する動作手順を示したフローチャート
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る電話装置で通話中に音声を挿入して送信するときの音声信号の構成を示した図
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る電話装置で通話中に音声を挿入して送信するときの音声信号の構成を示した図
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る電話装置で通話中に音声を記憶する動作手順を示したフローチャート
【図9】 本発明の第2の実施の形態に係る電話装置の動作手順を示したフローチャート
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る電話装置のブロック図
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る電話装置の挿入音声記憶手段の記憶内容を示した図
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る電話装置の操作状態の外観図
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る電話装置の動作手順を示したフローチャート
【符号の説明】
1 携帯電話網
2a、2b 基地局
3、4、5,6 携帯電話装置
13 無線制御手段
14 全体制御手段
15 音声処理手段
16 スピーカー
17 マイクロフォン
18 キー操作部
19 録音・再生キー
20 表示手段
22 挿入音声記憶手段
28、30、33、35 識別音
41 音声文章化処理手段
Claims (3)
- 記憶手段に記憶した音声を読み出す音声読み出し手段と、音声送出指示入力手段と、送出音声ミキシング手段とを設け、前記記憶手段から読み出した音声を、送話器から入力した音声とミキシングして送出するようにした電話装置において、
通話中に送話器から入力される通話者の音声の無音区間は、前記記憶手段から読み出して送出する音声の音量を大きく、通話者の音声の有音区間は、記憶手段から読み出して送出する音声の音量を小さくするようにした電話装置。 - 記憶手段に記憶した音声を読み出す音声読み出し手段と、音声送出指示入力手段と、送出音声ミキシング手段とを設け、前記記憶手段から読み出した音声を、送話器から入力した音声とミキシングして送出するようにした電話装置において、
前記記憶手段から読み出した音声を送出するときに、当該音声の前に識別音を送出するようにした電話装置。 - 記憶手段に記憶した音声を読み出す音声読み出し手段と、音声送出指示入力手段と、送出音声ミキシング手段とを設け、前記記憶手段から読み出した音声を、送話器から入力した音声とミキシングして送出するようにした電話装置において、
前記記憶手段から読み出した音声を送出するときに、当該音声の後に識別音を送出するようにした電話装置。
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