JP4092870B2 - 発振装置の発振周波数設定方法 - Google Patents

発振装置の発振周波数設定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報処理装置や通信装置のクロック供給源の発振回路などとして用いられる所望の周波数の基準となる信号を供給可能な発振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータなどの情報処理装置や通信装置などにおいては、水晶振動子などの圧電振動子を発振源として用いた発振装置がクロック源などとして採用されており、この発振装置から供給される信号を基準として情報処理装置を構成する各処理部に対し適当な周波数のクロック信号などが供給されるようになっている。図18に、従来のPLL回路を用いた発振装置の例を示してある。この発振装置90は、予め出力が予定された複数の周波数の中のいずれかを選択し、その周波数の信号を出力できるようになっている。発振装置90は、水晶振動子1と、この水晶振動子1を発振して水晶振動子1の共振周波数fcの発振信号φ1を出力する発振信号出力部10と、この発振信号φ1を分周(M分周)して周波数frの基準信号φ2を生成するプログラマブルデバイダ(リファレンスデバイダ:RD)15と、この基準信号φ2を入力信号として動作するPLL回路20と、PLL回路20から出力された周波数fpの逓倍信号φ3を分周(X分周)して周波数foの出力信号φ4を生成するプログラマブルデバイダ(アウトプットデバイダ:OD)30と、この出力信号φ4を増幅して出力するバッファ35を備えている。PLL回路20は、PD15から供給された基準信号φ2および電圧制御発振回路(VCO)23からフィードバックされた信号の位相を比較する位相比較器21と、位相比較器21の出力の高周波成分をカットしてVCO23に供給するローパスフィルタ(LPF)22と、位相比較器21に入力された2つの信号の位相が一致するように発振するVCO23とを備えている。さらに、PLL回路のフィードバック回路にはフィードバックデバイダ(FD)24が設置されており、VCO23の出力は、FD24で分周(N分周)されて位相比較器21にフィードバックされる。従って、PLL回路20では、位相比較器21に入力された信号をN逓倍した周波数の逓倍信号φ3がVCO23から出力される。
【0003】
この発振装置90に採用されているデバイダ(分周器)15、24および30はいずれもプログラマブルデバイダであり、設定された分周数で入力された信号を分周できるようになっている。このため、図18に示した発振装置90においては、メモリ95に出力を予定している周波数の分周数M、N、Xの組み合わせを予め設定しておき、外部入力94と繋がったデコーダ96でメモリ95に記憶された分周数M、N、Xの組み合わせのいずれかを選択できるようになっている。例えば、共振周波数fcが20MHzの水晶振動子1を用いた発振装置90では、図19に示してあるように、4本の外部端子S0、S1、S2およびS3の組み合わせによって16種類の異なった周波数の内から1つの周波数を選択して発振装置90から出力できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようなプログラマブルデバイダを用いたPLL発振装置を採用することによって1つの発振装置によって複数の周波数をカバーすることができるようになったので、従来の水晶発振装置と同様に安定動作する発振装置を短納期で安価に供給することができる。しかしながら、近年、基準発振源として要求される周波数は多岐にわたり、上記のようなPLL発振装置を採用した場合でも多種多様な発振装置を用意する必要がある。さらに、近年の情報処理装置あるいは通信装置の開発スピードは大幅に高速化されているので、新たな仕様あるいは周波数の発振装置をいっそう短期間で製造することが要求されている。その一方で、情報処理装置や通信装置の動作精度も向上しており、発振装置から出力される信号の周波数精度の向上も必要になっている。
【0005】
そこで、本発明においては、従来のPLL発振装置に増して高精度で安定した周波数の出力信号を出力でき、さらに短期間で製造でき、安価に供給可能な発振装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決する為の手段】
上述したように、従来のPLL発振回路は、所定の精度に共振周波数が調整された水晶振動子を用いて、その共振周波数を所定の分周数の組み合わせで逓倍し、予定された周波数の出力信号が得られるようにしている。これに対し、本願の発明者らは、各デバイダにおける分周数を、それぞれ独立した適当な値に設定することによってユーザが望む様々な周波数の出力信号が得られることを見いだした。すなわち、本発明の発振装置においては、各デバイダにおける分周数を適当に設定できるようにしておくことによって、水晶振動子の共振周波数を理想的な値に調整しなくとも所望の周波数の出力信号を得ることが可能であり、また、出力を予定しているいないに係わらず、ユーザが要求する多種多様な周波数に合致した高精度の出力信号が得られる。
【0007】
第1図に示したモデルケースを参照しながらさらに詳しく説明する。図1は、共振周波数fcの水晶振動子に対し、リファレンスデバイダRDの分周数Mの値を5〜10まで順々に変え、さらに、それぞれの分周数Mの値に対し、PLLのFDの分周数Nの値を1〜30の間で順々に変えた場合に得られるPLL回路の出力信号(逓倍信号)の周波数fpをプロットしたものである。このように、分周数M、Nの値を独立して可変設定できるようにしておくことにより、1つの共振周波数fcで多種多様な周波数が得られることが判る。例えば、分周数Mが10のときに周波数fpが0.1fcおよび0.2fcが得られ、さらにこの間の周波数としては分周数M、Nを適当に変えることによってfc/9、fc/8、fc/7、fc/6の4種類の周波数が得られることが判る。従って、1つの水晶振動子を用いて非常に細かなピッチでPLL回路から出力される逓倍信号の周波数を設定できることが判る。周波数を設定できるピッチは、リファレンスデバイダRDの分周数Mを大きくすることによって細かくなることは明らかである。逆に、分周数MおよびNを適当に設定することによって共振周波数fcが理想とする共振周波数と異なる水晶振動子を用いても所望の周波数の逓倍信号が得られることが判る。
【0010】
図1に示したように、プログラマブルデバイダで分周される分周数MおよびNとしては整数値がセットされるので、分周数MおよびNを適当に設定してもPLL回路部で得られる周波数fpはデジタル的(離散的)である。従って、必ずしも所望の周波数に対し設定された公差の範囲内に収まる分周数MおよびNの組み合わせがあるとは限らない。また、共振周波数fcの整数倍の周波数の前後には分周数MおよびNをどのように変えて設定しても周波数を設定できない周波数帯Gがあり、分周数Mの値の最大値Mmaxとすると、その周波数帯Gの範囲は±fc/Mmaxとなる。これらの原因による逓倍信号の周波数fpがバリアブルに設定できない範囲は分周数Mを大きくすることによってその周波数帯Gの範囲を限りなく限定することができる。しかしながら、分周数Mを大きくするとPLL回路部の入力信号となる基準信号の第2の周波数が著しく低下し、この入力信号を位相比較しながら逓倍した信号は精度が悪化し不安定になりやすい。すなわち、ジッタが悪化する。従って、分周数Mは、ジッタが悪化しない程度の値以下に収めておくことが望ましい。
【0017】
本発明の発振装置の周波数設定方法は、圧電振動子を発振回路により発振させ第1の周波数の発振信号を出力し、この発振信号を第1のプログラマブルデバイダの第1の分周数で分周して第2の周波数の基準信号を出力し、この基準信号を入力信号としてPLL回路を動作させ、前記PLL回路の帰還回路に設けられた第2のプログラマブルデバイダの第2の分周数で前記入力信号を逓倍した第3の周波数の逓倍信号を生成する発振装置の周波数設定方法であって、前記発振装置は、前記第1の周波数の前記発振信号を前記第1のプログラマブルデバイダおよび前記PLL回路を経ずに外部端子から出力するバイパス回路と、設定された調整量に基づいて前記発振回路に接続される容量を可変し前記第1の周波数を調整する調整回路と、を備え、前記発振装置の周波数設定方法は、前記圧電振動子を発振させ、前記バイパス回路を用いて前記外部端子から出力される前記発振信号の前記第1の周波数を測定する第1のステップと、測定した前記第1の周波数に基づき、所望の周波数に最も近い前記第3の周波数の前記逓倍信号が得られる前記第1および第2の分周数を設定する第2のステップと、前記調整量を調整することによって、前記第3の周波数を前記所望の周波数に合致するように微調整する第3のステップとを有することを特徴とする。
また、前記発振装置は、外部から入力される分周数を前記第1、第2のプログラマブルデバイダへ仮設定可能であるシフトレジスタを更に備え、前記第2のステップは、前記所望の周波数に最も近い前記第3の周波数の前記逓倍信号が得られる前記第1および第2の分周数を、前記シフトレジスタにより前記第1および第2のプログラマブルデバイダの夫々に仮設定してもよい。
【0018】
また、本発明の発振装置の周波数設定方法は、圧電振動子を発振回路により発振させ第1の周波数の発振信号を出力し、この発振信号を第1のプログラマブルデバイダの第1の分周数で分周して第2の周波数の基準信号を出力し、この基準信号を入力信号としてPLL回路を動作させ、前記PLL回路の帰還回路に設けられた第2のプログラマブルデバイダの第2の分周数で前記入力信号を逓倍した第3の周波数の逓倍信号を生成する発振装置の周波数設定方法であって、前記発振装置は、前記第1の周波数の前記発振信号を前記第1のプログラマブルデバイダおよび前記PLL回路を経ずに外部端子から出力するバイパス回路と、設定された調整量に基づいて前記発振回路に接続される容量を可変し前記第1の周波数を調整する調整回路と、を備え、前記発振装置の周波数設定方法は、前記第3の周波数が所望の周波数になる前記逓倍信号が得られる前記第1および第2の分周数の組を複数求める第1のステップと、 前記圧電振動子を発振させ、前記バイパス回路を用いて前記外部端子から出力される前記発振信号の前記第1の周波数を測定する第2のステップと、測定した前記第1の周波数に基づき、前記第1のステップで求められた前記複数の組のうちいずれか1つを選択する第3のステップと、選択された前記組に含まれる前記第1および第2の分周数の下で前記第3の周波数の前記逓倍信号が前記所望の周波数となるように、前記調整量を調整することによって前記第1の周波数を微調整する第4のステップを有することを特徴とする
【0020】
従来のメーカー側で一義的に発振周波数が決定された発振装置を用いる場合は、ユーザー側で周波数の設定を行うといった作業はなく、これと同様に、本発明の発振装置においても、検査の作業の流れの一環として発振周波数の設定を行うことにより、従来の発振周波数を変えられない発振装置と同様の工数あるいは手順で、本発明のバリアブルに発振周波数を変えることができる発振装置を組み込み、さらに周波数調整することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図2に、本発明のPLL回路を用いた発振装置の例を示してある。本例の発振装置5も、水晶振動子1を発振してPLL回路で逓倍することによって所定の周波数foの出力信号φ4を出力する発振装置であり、図18に基づき説明した発振装置と共通する部分については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。本例の発振装置5は、水晶振動子1を発振する発振信号出力部10が、発振回路11に加え、水晶振動子1の共振周波数fcを微小調整して発振信号φ1の周波数fgを変えられる調整回路12を備えている。そして、周波数が微調整された発振信号φ1がプログラマブルデバイダであるリファレンスデバイダ(RD)15によってM分周されて周波数frの基準信号φ2となり、PLL回路20に供給される。PLL回路20は基準信号φ2を入力信号として動作し、フィードバック回路(帰還回路)に設けられたプログラマブルデバイダであるフィードバックデバイダ(FD)24の分周数Nで基準信号φ2が逓倍された周波数fpの逓倍信号φ3が出力される。この逓倍信号φ3は、さらに、第3のプログラマブルデバイダであるアウトプットデバイダ(OD)30でX分周されて周波数foの出力信号φ4となり、セレクタ32およびバッファ35を通って出力端子61から出力される。セレクタ32は、発振信号出力部10から出力される発振信号φ1を直に出力端子61から出力するためのバイパス回路36と出力信号φ4とを切り換えるためのものであり、後述する設定部40によって制御される。さらに、バッファ35は出力信号φ4を緩衝増幅して出力すると共に、発振装置の動作モードによっては出力端子をハイインピーダンス状態にするなどの機能を果たす。
【0022】
これらデバイダRD15、FD24およびOD30、さらに、調整回路12などには、設定部40から分周数M、N、Xおよび調整量などが供給される。本例の設定部40は、2段のROM41および42と、これらのROM41および42の各々にデータを書き込むために入力されたシリアルデータをパラレルデータに変換可能なシフトレジスタ43を備えており、このシフトレジスタ43は、調整回路12の調整量を仮設定したり、あるいは分周数M、NおよびXなどを仮設定するためにも用いられる。設定部40は、さらに、ROM41および42を介してバッファ35やセレクタ32の制御を行うと共にROM41および42に対するデータの書き込み制御を行う制御回路44を備えている。そして、この制御回路44の制御モードの選択はコントロール端子62を介して行われる。例えば、シフトレジスタ43を介してROM41あるいはROM42にデータを書き込む場合は、出力端子61がデータ入力端子として用いられる。このため、データ書き込み時は、バッファ35はクローズし出力端子61から入力されたデータが制御回路44を介してシフトレジスタ43に送られ、パラレル変換されて各ROM41あるいは42に書き込まれる。従って、本例の発振装置5においては、デコーダは設けられておらず、ROM41あるいは42に分周数M、NおよびX、および調整量として、それぞれ独立した自由な値を設定することが可能であり、それぞれの値を自由に変えることができる。もちろん、所定の組み合わせとなった分周数M、NおよびXをデータとして外部からROM41あるいは42にロードすることも可能であるが、本例の発振装置5は、そのような組み合わせにかぎらず、分周数M、NおよびX、さらに調整量を必要に応じて独立した自由な値に可変設定することができる。
【0023】
また、ROM41および42は、制御回路44によって各々を切り換えて使用可能であり、各々のROM41あるいは42に記憶された設定値でPLL回路やデバイダが動作するようになっている。本例のそれぞれのROM41あるいは42は本例の発振装置5を制御するために必要な全てのデータ、例えば、分周数M、NおよびX、さらに調整量などを記憶できる容量を備えており、水晶振動子1の共振周波数fcが経時変化などで万一変化したとき、あるいは最初に設定された周波数と異なった周波数の信号の発振源として本例の発振装置5を用いるときなどに分周数M、N、Xおよび調整量などを再度セットすることができる。
【0024】
もちろん、ROM41および42の用途はこれに限定されるものではなく、たとえば、検査用としてメーカーサイドでROM41にデータを書き込み、発振装置の諸特性に関し専門性が必要とされる検査をメーカーで一括行ってしまうためにも利用できる。このような検査としては、PLLのロックアップ特性、電源電圧と発振の立ち上がり時間との関係などあり、このような検査はユーザには装置的にも技術的にも難しいため、メーカー側で専門の技術者や高性能な計測能力を備えた検査機器を用いて行うことが望ましい。
本例の発振装置5においては、このような検査を行うためにROM41を使用しても、他方のROM42はユーザー側で自由に利用することが可能である。したがって、メーカーからは検査に合格した良品だけを出荷し、営業拠点やユーザがそれぞれの要求に応じたデータをROM42に書き込む。すでに、メーカーで検査した項目は再検査する必要はないので、営業拠点やユーザでは簡単な検査で済ませることができる。
【0025】
さらに、本例の発振装置5においては、ROM41および42を設定値の記憶媒体として採用しているので、発振装置5の動作状態を制御できる機能のうち、コントロール端子62で制御できる機能OE、STあるいはSTZのいずれかをROMに設定しておくことができる。OE(アウトプットイネーブル)機能は、水晶振動子1の発振回路とPLL回路は動作させたまま出力信号φ4をハイインピーダンス状態にする機能であり、コンピュータなどの動作テスト時に用いられる。また、ST(スタンバイ)機能は、発振回路とPLL回路を停止状態にして出力信号φ4を高レベルあるいは低レベルに固定する機能であり、コンピュータなどの省エネルギー化に効果がある。また、STZ機能は、両者の機能を複合させたものであり、発振回路とPLL回路を停止するとともに出力信号φ4をハイインピーダンスにする機能である。従って、コンピュータの製造時の動作テスト時にも、また、省電力化する際にも利用できる機能である。さらに、出力端子61から出力される信号のデューティを任意に設定するためのデータがROM41および42に記憶されている。
【0026】
本例の発振装置5においては、発振信号出力部10、デバイダRD15、PLL回路部20、デバイダOD30、セレクタ32、バッファ35および設定部40が1チップのIC60に纏められており、このIC60と水晶振動子1がモールドでパッケージングされている。図3に本例の発振装置5がモールド樹脂68によってパッケージングされた外観を示し、図4にその内部の構成をモールド樹脂68を一部欠いて示してある。本例の発振装置5は、リードフレーム67の一方の面にIC60が搭載され、他方の面にシリンダー内に封入された水晶振動子1が搭載されている。そして、これらがモールド樹脂68によって一体にパッケージングされ、パッケージの外側には出力端子61と発振装置本来の端子と兼用している制御端子62が現れている。データを書き込むための端子は発振装置本来の端子と兼用しても良いし、専用に設けても良い。パッケージされてしまうので、ROM41あるいは42にEPROMを採用してもモールド68で覆われてしまい紫外線を照射することができない。EEPROMなどを採用することも可能であるが、制御回路44がさらに複雑化し、また、ROMも高価になってしまう。これに対し、本例の発振装置5のように十分な記憶容量のROM41および42の2列のROMを用意しておくことによって、これらのROM41および42を切り替えて使用することが可能であり、分周数などを含めた設定値の書換えや変更を安価に、そして、確実に行うことができる。
【0027】
本例の発振装置5においては、水晶振動子1として基本波で25.1MHzを発振するように製造された矩形状ATカット水晶振動子を採用している。この水晶振動子は、圧電振動子の中で、物理的、化学的さらに経時的な変化を考えても最も安定した振動子の1つであり、水晶振動子を採用することによって信頼性の高い発振装置を実現することができる。さらに、振動片の形状を矩形状とすることによって円盤型などの振動片に比較してコンパクトに纏めることができ、発振装置を小型化することができる。また、基本波で25.1MHzを発振する矩形状ATカット水晶振動子を実現できるので、30MHzを越える共振周波数を持ったオーバートーンで発振する振動子と比較し安定した発振を得ることができる。
【0028】
さらに、本例の水晶振動子1は、基本波で発振する水晶振動子であるので、周波数可変範囲も非常に広く、発振信号出力部10の調整回路12によって発振信号φ1の周波数を幅広く設定することができる。本例の発振装置5においては、図1のモデルで説明したように分周数MおよびNがデジタル値なので分周数MおよびNを変えてもPLL回路20で得られる周波数fpは離散値になり、また、分周数MおよびNを変えても発振信号φ1の周波数fgまたはfcの整数倍の周波数の前後に所定の幅の周波数を設定できない周波数帯Gが存在する。これに対し、本例の水晶振動子1は周波数可変範囲が広いので調整回路12における調整量を広くすることが可能であり、分周数MおよびNの組み合わせでは所定の周波数foが得られないときでも調整回路12の側で発振信号φ1の周波数を微調整して所定の周波数foの出力信号φ4を確実に生成することができる。
【0029】
さらに、20MHz以下の振動子では振動エネルギーを閉じ込めるためにコンベックス加工を必要とするのに対し、本例の25.1MHzの振動子は矩形状で実現することができ、高品質の振動子を安価に提供できる。また、25.1MHzの前後では広い範囲でスプリアスとの結合がないので歩留りも高く、この点でも安価で品質の良い振動子を提供することができる。そして、本例の発振装置5は、分周数MおよびN、さらにXを適当な値に可変設定することによって様々な周波数の出力信号を生成できるので、このような高品質で小型で、さらに安価な水晶振動子1を発振源として用い、現状でユーザから要望のあるほぼ全ての周波数に対応することができる。現在、要望のある周波数の大半は、通信系の32.768kHz、あるいはシステム系の33.333kHzをベースとした周波数であり、基本波で25.1MHzを発振するように製造された矩形状ATカット水晶振動子は、分周数Mが753のときにシステム系の周波数のベースとなり、また、分周数Mが766のときに10ppm程度の調整回路で容易に調整できる範囲で通信系の周波数のベースとなる。従って、25.1MHzの水晶振動子を採用することによって殆どの周波数をカバーできることが判る。
【0030】
図5に、本例の発振装置5において、共振周波数fcが25.1MHzの水晶振動子1を用いて周波数foが16MHzの出力信号φ4を得るために使用できる分周数M、NおよびXの組み合わせの幾つかのケースを示してある。本図から判るようにケース4、5あるいは6に示した分周数M、NおよびXの組み合わせを中心に適当な分周数M、NおよびXを設定することによって、ターゲットである16MHzに対し数10ppmから数100ppm程度ずれた周波数を本例の発振装置5で得られることが判る。逆に、理想的な共振周波数である25.1MHzに対し数10ppmから数100ppm程度ずれた水晶振動子1を採用した場合には、これらの分周数MおよびNをROM41あるいは42にセットすることによって所望の16MHzの出力信号φ4が得られることが判る。従って、本例の発振装置5においては、水晶振動子1の共振周波数を敢えて高精度でターゲットとする理想的な値、例えば25.1MHzに合わせ込まなくても、振動片に励振電極を付けた状態の振動子をそのまま採用し、個々の振動子の共振周波数に適した分周数MおよびNを設定することにより所望の周波数foの出力信号φ4を得ることができる。このため、周波数を合わせ込む、すなわち、f調するために、重り取り、重り付けといった作業は不要となり、手間のかかる工程を省くことができる。これと共に、重り取りや重り付けによる位置ずれやアンバランスなどに起因する特性の劣化や周波数シフトといった問題も取り除くことができる。さらに、発振回路11の回路定数のばらつきなどに起因する周波数のずれも個々の発振装置5において適当な分周数を選択することによって吸収することが可能となる。従って、本例の発振装置5は、製造、組み立て、調整といった手間をほとんどかけずに非常に精度が高く、安定した周波数の出力信号を得ることができる。
【0031】
本例の発振装置5において選択可能な分周数M、NおよびXの値は整数値なので、得られる周波数foは離散的となり、逆に、水晶振動子の共振周波数によっては分周数M、NおよびXの適当な整数値が見当たらないこともある。また、所望の周波数foによっては、先に説明した共振周波数foの整数倍の周波数の前後の分周数M、NあるいはXを可変しても合わせることができない周波数帯Gに入ってしまうケースもある。一方、基準信号φ2を生成するRD15の分周数Mを大きくすれば、合わせ込みのできないケースが大幅に削減されることは図1に基づき説明した通りであるが、分周数Mを大きくすればするほどPLL回路部20から得られる逓倍信号φ3のジッタが悪化することも説明した通りである。従って、水晶振動子の共振周波数fcに対し、できるかぎり分周数Mが小さくなるような分周数M、NおよびXの組み合わせで所望の周波数foが得られるようにすることが望ましい。これらのケースに対応するために、本例では、発振信号出力部10に発振回路11で得られる共振周波数fcに対し、発振信号の周波数fgを微小調整できる調整回路12を設けてある。調整回路12で調整できる範囲は、例えば、分周数Mの最大値Mmaxを800に設定すると、共振周波数fcの前後に1250ppmの分周数MおよびNでは設定できない周波数帯Gが発生することを考慮し、調整回路12は最大でこの周波数帯Gをカバーできる程度の微調整ができることが望ましい。あるいは、OD30の分周数Xに適当な整数、例えば2あるいは3などを設定するとによって設定できない周波数帯Gの幅は1/2あるいは1/3になるので、調整回路12で調整可能とすべき帯域を狭くすることができる。
【0032】
図6および図7に調整回路12の例を示してある。発振回路11は、インバーター11b、帰還抵抗11a、ドレイン抵抗11c、ドレイン容量11d、さらに、ゲート容量11fを備えており、調整回路12でゲート容量11fの容量を変えて発振信号φ1の周波数fgを調整できるようにしている。このため、図6に示した調整回路12においては、重み付けされたn個の容量アレイ13.1〜13.nがゲート容量11fと並列に接続されており、それぞれの容量アレイ13.1〜13.nと繋がったトランジスタスイッチ14.1〜14.nをオンオフすることによってゲート容量11fの容量を可変設定できるようにしている。そして、その調整量はトランジスタスイッチ14.1〜14.nをオンオフするデジタルデータとして設定部40のROM41あるいは42に記憶されるようになっている。図7に示した調整回路12は、可変容量ダイオード19を採用した例である。ゲート容量11fとコンデンサ17を介して接続された可変容量ダイオード19の容量をD/Aコンバータ18を介すことによってデジタル値で制御できるようにしてあり、可変容量ダイオード19の調整量を上記と同様に設定部40のROM41あるいは42に記憶できるようにしている。
【0033】
図8および図9に、本例の発振装置5の出力信号φ4の周波数foを所望の値に設定する方法の例を示してある。図8に示した周波数設定方法は、まず、ステップ71において、未調整状態の水晶振動子1の共振周波数fcを測定する。本例の発振装置5においては、このためにバイパス回路36が設けられており、調整回路12で調整を行わない状態で水晶振動子1を発振することにより共振周波数fcの信号を外部端子61から測定することができる。バイパス回路36を用いなくとも各デバイダRD15、FD24およびOD30の分周数M、NおよびXを設定部40のシフトレジスタ43を用いて各々1に設定しておくことによっても共振周波数fcを計測することができる。バイパス回路36を設けて直に共振周波数を測定できるようにしておくことは、周波数源の品質把握や不良解析等の場合には特に有用である。次に、ステップ72において、共振周波数fcの値と所望の出力周波数foから適当な分周数MおよびNを計算する。必要であれば分周数Xも同時に計算する。この際、ジッタの悪化を防止するために調整回路12で微調整できる範囲で、分周数Mとして最小限の値を選択したり、あるいは調整量を最小にするために分周数Mを限界値まで近づけて選択するなど幾つかの手法を採用することが可能である。本例の発振装置5は、分周数MとN、さらにはXの組み合わせを出力信号の周波数foに対して一義的に決定する必要がないので、ユーザの使用目的などに合わせた条件で分周数MおよびNを決定することができる。
【0034】
分周数MおよびNが決定すると、ステップ73においてシフトレジスタ43などに分周数MおよびNを仮設定し、ステップ74で調整回路12で発振信号φ1の周波数fgの微小調整を行いながらステップ75で出力信号φ4の周波数foとして所望の値が得られたか否かをチェックする。そして、所望の周波数が得られるまで、ステップ74および75を繰り返す。この周波数設定方法を採用することによって、先にも説明したように、水晶振動子1の共振周波数を特定の理想とする値まで絞り込む、いわゆるf調と呼ばれるステップを水晶振動子1の製造工程から省くことができる。従って、短期間で安価に供給される水晶振動子を本例の発振装置5に採用することができる。さらに、本例の発振装置5は、分周数M、NさらにX、さらに調整量は、水晶振動子1の共振周波数fcおよびユーザが望む周波数foによって適宜決定することが可能であり、分周数M、NさらにXおよび調整量を従来の発振装置のようにメモリに予め用意された組み合わせから選択する必要もなく、独立した値に可変設定できる。従って、IC60および水晶振動子1がモールドされたパッケージング後の状態で、ユーザの要望する周波数に本例の発振装置をセットして出荷することができる。このため、発振装置をユーザの要望する周波数にかかわらず見込み生産することが可能であり、本例の発振装置5は、量産化に非常に適した形態となっている。このため、短納期で安価にユーザの要望する周波数の発振装置5を供給することができる。
【0035】
図9に示した周波数設定方法は、共振周波数fcの水晶振動子1の発振を調整回路12によって調整し、発振回路11出口の発振周波数fgを理想的な水晶振動子の周波数にセットしたり、あるいは、ユーザの要望する周波数foに対し分周数MおよびN、さらにはXが所定の値の組み合わせに設定されたときに必要となる周波数に設定する方法である。
まず、ステップ81において、公差のない理想的な水晶振動子fciに基づき所望の出力周波数foを得るために最も都合のよい分周数MおよびNさらにはXを決定する。図10に、水晶振動子の共振周波数foが25.100000から25.351000MHzと10000ppm程度ばらついているときに、所望の出力周波数foとして106.25MHzを得るときの例を示してある。オリジナルの共振周波数fcは、バイパス回路36あるいは全ての分周数を1にセットすることにより、調整していない状態での発振周波数(共振周波数)fgから求めることができる。図10に示したケースでは、25.100000から25.351000MHzを容量アレイで十分に調整可能な180ppmピッチで56区間に分割し、求められた共振周波数fcからその振動子の属する区間を決定する。得られた共振周波数fcが25.105MHzであれば、この水晶振動子は区間2に属することになる。
次に、ステップ82で容量アレイを調整し、発振周波数fgが区間2を代表する周波数、すなわち、出力周波数foを得るために都合の良いMおよびNが決定されている周波数である25.104518MHzとなるようにする。そして、ステップ83において、この周波数fgを確認し、発振周波数fgが区間2を代表する上記の発振周波数25.104518MHzになるまでステップ82および83を繰り返す。
そして、区間を代表する発振周波数が得られると、ステップ84で予め計算されていた分周数M、NおよびXの組み合わせ、本例においては、M=551、N=2332およびX=1をROMにセットする。この結果、上述したような関係、すなわち、以下の式(1)に示すような関係により所望の周波数fo(本例においては106.25MHz)の出力信号φ4が得られるようにする。
fo=fg×(N/M)/X ・・・(1)
なお、上記では、水晶振動子1とIC60がリードフレーム67を挟んで厚み方向で重ねた状態でモールド樹脂68によりパッケージングされた発振装置5を例に示しているが、このようなパッケージに限定されないことはもちろんである。
【0036】
図11に示すように、水晶振動子1とIC60とを平面的に隣り合わせの配置でモールド樹脂を用いてパッケージングすることによりさらに薄い発振装置5を提供できる。
【0037】
さらに、図12に示すように、セラミックのベース63aにIC60を収納し、その中に、水晶振動子の振動片1aを片持ち状態で収納した後に、セラミックまたは金属の蓋63bを被せた、セラミック製の容器63を用いた発振装置5としても供給可能である。この発振装置5は、振動片1aを収納する専用の容器が不要となるので、上記よりもさらに小型で薄い発振装置5を提供することができる。
【0038】
また、図13に示すように、金属製の容器64に振動片1aおよびIC60を収納した発振装置5であってももちろん良い。このような金属製の容器64を用いたタイプは周知のものであるが、本例の発明はこのような従来型の発振装置5としても実現できる。
【0039】
さらに、図14に示すように、パッケージングするときにIC60に当たる部分に紫外線を透過するガラスなどの透過用の窓65を設けることも可能であり、紫外線でROMの記録データを消去できるEPROMを内蔵したIC60を使用することができる。したがって、ユーザで設計変更などがあってもROMのデータを書き換えて利用することができる、いっそうフレキシブルな利用ができる発振装置5を提供することができる。紫外線を用いたデータの消去方法は、専門性を必要とせず、電気などを用いたデータ消去方法と比べても発振装置の他の機能を破壊する恐れがないので、確実な処理を行うことができる。
【0040】
このようなパッケージング方法の発振装置5は、図15(a)に示すような表面実装型(SMD)として実現することも可能であり、また、図15(b)に示すように、ディップ型(DIP)として実現することも可能である。
【0041】
さらに、本発明の発振装置には、図16に示すような、水晶振動子1とIC60とがモールド樹脂などによってパッケージングされておらず、基板(回路基板)66にそれぞれが実装されて構成された発振装置5も含まれている。このようなIC60と振動子1とが個別に実装された発振装置5においては、ユーザがその用途などに応じた温度特性あるいは形態の振動子を用いて発振装置を構成することが可能であり、さらにフレキシブルなシステムを構築することができる。
また、図16に示した水晶振動子1とIC60が別々に基板66に実装された発振装置5に限らず、水晶振動子1とIC60とが一体でパッケージングされた発振装置5においても、これらの発振装置5が基板66に実装された後に周波数の設定を行い、そのデータをIC60のROMに書き込むことも可能である。
また、回路基板66の検査と同時あるいは前後して周波数を設定する作業を行うことも可能である。
【0042】
発振装置5の出力周波数は、発振装置が単体で調整される場合と、基板66に実装された場合とではごくわずかであるが異なる場合がある。これに対し、発振装置5を基板66に実装した後に周波数の設定を行えば、このような出力周波数の違いが発生することもなく、さらに精度の高い信号を得ることができる。
また、本発明に係る発振装置5は、ユーザが必要とする適当な周波数に設定でき、その作業をメーカー側で行っても良いが、もちろん、ユーザ側で行うことも可能であり、システムの設計あるいは変更に即応した対応を取ることができる。しかしながら、このようなケースでは、ユーザ側で周波数の設定を行うという新たな作業が発生することになり、工数は増加する。これに対し、図17に示すように、発振装置5を基板に実装し(ステップ111)、基板検査のために基板66の回路あるいは専用のパッド105に対しプローブ101を接続し(ステップ112)、基板検査を行い(ステップ113)、さらに図8あるいは図9に示した工程により周波数設定を行う工程(ステップ114)を一連で行うことが可能である。そして、このような周波数設定方法を採用することにより、従来の周波数が一義的に決まっている発振装置と同じ工程でシステムを組み立てて、出荷することができる。
このような周波数設定方法を採用する場合は、基板上の発振装置5とつながったパッドあるいは回路に少なくとも接続可能なプローブ101と、これを介して容量アレイなどの調整量、分周数M、NおよびXを決定し、IC60のROMに書き込むことができる機能を備えた周波数設定装置100を用いることが望ましい。もちろん、この周波数設定装置100が基板の検査機能を備えていても良いことは上述したとおりである。
プローブ101は、発振装置5の端子に直に接触するようにしても良いが、図16に示すように、基板66にプローブ101とコンタクトするためのパッド105などの専用あるいは通常のパターンを設けておくことにより、周波数設定作業の信頼性を向上できる。
【0043】
【発明の効果】
これらの例に基づき説明したように、従来の発振装置においては、予め出力が予定された各周波数毎に分周数の組み合わせがメモリに設定されており、その内のどの組み合わせを使用するかによって発振装置から出力される信号の周波数が決定されていた。これに対し、本発明においては、分周数の組み合わせを予め設定しておくといった思想から離れて、分周数M、NおよびXを相互に独立に可変設定できるようにしている。これによって本発明の発振装置においては、分周数M、NおよびXの無数の組み合わせを利用することができるので、適当な組み合わせを選べるようにすることにより1つの発振装置で生成可能な周波数の種類が大幅に広がる。従って、安定した性能を発揮し、安価に製造できる高精度の水晶振動子を用いて広範囲の周波数をカバーし、さらに高精度の出力信号が得られる発振装置を提供することができる。さらに、分周数M、NおよびXを自由に設定できるようにしてあるので、使用する水晶振動子それぞれの共振周波数に合わせて分周数M、NおよびXを設定することが可能であり、従来は必ず必要であった水晶振動子のf調といった手間のかかる工程を省くことが可能になる。さらに、調整回路を設けることによって分周数M、NおよびXを可変するだけではカバーできない周波数の出力信号も生成することができる。
【0044】
このように、本発明により、ユーザの望む周波数の出力信号を出力できる発振装置を短期間で安価に供給することが可能となり、さらに、広範囲の周波数を出力できる発振装置の発振源として安価で安定した振動を行う水晶振動子を採用することができるので、従来にも増して高精度で性能の安定した発振装置が要求されている通信装置および情報処理装置に好適な発振装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発振装置で生成可能な信号の周波数の分布モデルを示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る発振装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す発振装置の外観を示す斜視図である。
【図4】図3に示す発振装置の内部構造をモールドを一部欠いて示す図である。
【図5】図2に示す発振装置に設定可能な分周数M、NおよびXの一部を例示する図表である。
【図6】容量アレイを用いた調整回路を示す図である。
【図7】可変容量ダイオードを用いた調整回路を示す図である。
【図8】図2に示す発振装置の周波数を設定する工程の一例を示すフローチャートである。
【図9】図2に示す発振装置の周波数を設定する工程の異なった例を示すフローチャートである。
【図10】図9に示した方法によって周波数を設定する例を示す図である。
【図11】本発明の発振装置の異なった例を示す図であり、図11(a)は平面に沿った方向の断面図であり、図11(b)は縦方向の断面図であり、図11(c)は横方向の断面図である。
【図12】本発明の発振装置のさらに異なった例として、セラミックパッケージを用いた発振装置を示す図である。
【図13】本発明の発振装置のさらに異なった例として、金属製容器を用いた発振装置を示す図である。
【図14】本発明の発振装置のさらに異なった例として、紫外線消去型の発振装置を示す図である。
【図15】図15(a)は、図14に示す発振装置をSMDとして実現した様子を示す図であり、図15(b)は、DIPとして実現した様子を示す図である。
【図16】本発明の発振装置のさらに異なった例を示す図であり、基板上で構成した例を示す図である。
【図17】基板に実装された発振装置に周波数調整を行う工程を示すフローチャートである。
【図18】従来の発振装置の例を示すブロック図である。
【図19】図18に示す発振装置で出力可能な周波数を示す図表である。
【符号の説明】
1・・水晶振動子
5・・発振装置
10・・発振信号出力部
11・・発振回路
12・・調整回路
13・・容量アレイ
15・・リファレンスデバイダ(RD)
19・・可変容量ダイオード
20・・PLL回路
21・・位相比較器
22・・ローパスフィルタ
23・・電圧制御発振回路(VCO)
24・・フィードバックデバイダ(FD)
30・・アウトプットデバイダ(OD)
40・・設定部
41、42・・ROM
43・・シフトレジスタ
61、62・・端子
66・・基板
68・・モールド樹脂
100・・周波数設定装置
101・・プローブ

Claims (5)

  1. 圧電振動子を発振回路により発振させ第1の周波数の発振信号を出力し、この発振信号を第1のプログラマブルデバイダの第1の分周数で分周して第2の周波数の基準信号を出力し、この基準信号を入力信号としてPLL回路を動作させ、前記PLL回路の帰還回路に設けられた第2のプログラマブルデバイダの第2の分周数で前記入力信号を逓倍した第3の周波数の逓倍信号を生成する発振装置の周波数設定方法であって、
    前記発振装置は、
    前記第1の周波数の前記発振信号を前記第1のプログラマブルデバイダおよび前記PLL回路を経ずに外部端子から出力するバイパス回路と、
    設定された調整量に基づいて前記発振回路に接続される容量を可変し前記第1の周波数を調整する調整回路と、
    を備え、
    前記発振装置の周波数設定方法は、
    前記圧電振動子を発振させ、前記バイパス回路を用いて前記外部端子から出力される前記発振信号の前記第1の周波数を測定する第1のステップと、
    測定した前第1の周波数に基づき、所望の周波数に最も近い前記第3の周波数の前記逓倍信号が得られる前記第1および第2の分周数を設定する第のステップと、
    前記調整量を調整することによって、前記第3の周波数を前記所望の周波数に合致するように微調整する第のステップとを有する発振装置の周波数設定方法。
  2. 請求項1に記載の発振装置の周波数設定方法であって、
    前記発振装置は、外部から入力される分周数を前記第1、第2のプログラマブルデバイダへ仮設定可能であるシフトレジスタを更に備え、
    前記第2のステップは、前記所望の周波数に最も近い前記第3の周波数の前記逓倍信号が得られる前記第1および第2の分周数を、前記シフトレジスタにより前記第1および第2のプログラマブルデバイダの夫々に仮設定することを特徴とする発振装置の周波数設定方法。
  3. 前記第1ないしのステップを、前記発振装置が基板にマウントされた後に行うことを特徴とする請求項1または2に記載の発振装置の周波数設定方法。
  4. 圧電振動子を発振回路により発振させ第1の周波数の発振信号を出力し、この発振信号を第1のプログラマブルデバイダの第1の分周数で分周して第2の周波数の基準信号を出力し、この基準信号を入力信号としてPLL回路を動作させ、前記PLL回路の帰還回路に設けられた第2のプログラマブルデバイダの第2の分周数で前記入力信号を逓倍した第3の周波数の逓倍信号を生成する発振装置の周波数設定方法であって、
    前記発振装置は、
    前記第1の周波数の前記発振信号を前記第1のプログラマブルデバイダおよび前記PLL回路を経ずに外部端子から出力するバイパス回路と、
    設定された調整量に基づいて前記発振回路に接続される容量を可変し前記第1の周波数を調整する調整回路と、
    を備え、
    前記発振装置の周波数設定方法は、
    記第3の周波数が所望の周波数になる前記逓倍信号が得られる前記第1および第2の分周数の組複数求める第1のステップと、
    前記圧電振動子を発振させ、前記バイパス回路を用いて前記外部端子から出力される前記発振信号の前記第1の周波数を測定する第2のステップと、
    測定した前記第1の周波数に基づき、前記第1のステップで求められた前記複数の組のうちいずれか1つを選択する第3のステップと、
    選択された前記組に含まれる前記第1および第2の分周数の下で前記第3の周波数の前記逓倍信号が前記所望の周波数となるように、前記調整量を調整することによって前記第1の周波数を微調整する第のステップを有する発振装置の周波数設定方法。
  5. 前記第1ないしのステップを、前記発振装置が基板にマウントされた後に行うことを特徴とする請求項4に記載の発振装置の周波数設定方法。
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