JP4091925B2 - 三方電磁弁 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンに備えられるコモンレール式の燃料噴射装置に関するものであり、より詳しくは、噴射ノズルから噴射される燃料の噴射量を調量する三方電磁弁に関するものである。
従来、ディーゼルエンジンに備えられるコモンレール式の燃料噴射装置には、前記コモンレールから供給される高圧燃料を、ノズルバルブにより開閉される噴射ノズルより気筒へ噴射するインジェクタを備える構成としている。そして、三方電磁弁にて前記インジェクタのノズルバルブへの高圧燃料の供給制御を行い、これにより、噴射ノズルからの燃料噴射量の調量を行うようにしている。
前記三方電磁弁は、従来、図8に示す構成とされていた(例えば、特許文献1参照。)。この従来構成では、バルブケース101に設けた摺動孔102に筒状のアウタバルブ103が挿入されており、該アウタバルブ103は、図示せぬアクチュエータにより上下方向の移動を制御されるアーマチュア104と一体的に構成されている。そして、前記アウタバルブ103に設けた摺動孔105には、インナバルブ106が挿入される構成とするものである。
特許第3144136号公報
上述した従来の構成では、バルブケース101内に、アウタバルブ103が設けられ、そして、該アウタバルブ103内に、インナバルブ106が設けられており、いわゆる二重構造となっているものである。このような二重構造では、アウタバルブ103の外周及び内周に摺動部が形成されることから、前記摺動孔102及び摺動孔105においては、高精度の加工が要求されることになる。この加工の精度は、最適な噴射制御を実現し、また維持するうえで、非常に重要なものである。また、アウタバルブ103の肉厚の設定には、バルブケース101及びインナバルブ106との関係において制約があり、十分な肉厚が確保されずに薄肉に構成されてしまうと、高圧燃料によって、変形してしまう恐れがある。このアウタバルブ103の変形は、最適な噴射制御の実現及び維持の妨げとなってしまう。
そこで、本発明は、上記の二重構造による問題に鑑み、新規な三方電磁弁の構成、及び、インジェクタの構成を提案するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、インジェクタ(1)を構成する噴射ノズル(25)への高圧燃料の供給制御を行うため、該インジェクタ(1)に一体的に取付けられる三方電磁弁(2)であって、一側端に第一のバルブである上部バルブ(10v)、他側端に第二のバルブである下部バルブ(10w)が形成されるバルブ本体(10)と、前記両端のバルブ(10v・10w)に対するバルブシート(17d・3d)がそれぞれ形成される第一のバルブシート本体(17)と、第二のバルブシート本体であるホルダ(3)と、該バルブシート本体(17)とホルダ(3)との間に配置し、前記バルブ本体(10)を動作させる電磁アクチュエータ(12A)とを備え、前記バルブ本体(10)には、該バルブ本体(10)の両端を連通させる連通孔(10h)を設け、該バルブ本体(10)は、該バルブシート本体(17)内の摺動孔(17u)と、アクチュエータ(12A)内と、ホルダ(3)が構成する第2バルブシート内のバルブ摺動孔(3b)を摺動可能として三方電磁弁を構成し、前記バルブ本体(10)の両端のバルブ(10v・10w)は、一側が開の時に、他側を閉とすべく開閉制御し、前記両端のバルブ(10v・10w)の受圧面積は、略同一に設定し、前記両バルブシート(17d・3d)のシート径(17D・3D)は、略同一に設定し、前記第一のバルブシート本体(17)は、インジェクタ(1)を構成する支持部材としての上部キャップ(16)に設けた内孔(16a)内に配置し、自由支持し、前記第一のバルブシート本体と、前記支持部材の間には、前記バルブシート本体(17)の摺動孔(17u)の中心線と、該バルブ本体(10)の中心線の傾きを少なくするための手段が設けたものである。
請求項2においては、請求項1記載の三方電磁弁において、前記第一のバルブシート本体(17)には、前記バルブ本体(10)における第一バルブである上部バルブ(10v)側の端部が挿入される摺動孔(17u)が設けられるとともに、前記第一のバルブシート本体(17)と、前記支持部材としての上部キャップ(16)の間には、前記上部キャップ(16)の内孔(16a)の天井部(16b)において、前記バルブシート本体(17)の上端部(17b)を支持し、前記内孔(16a)の天井部に、半球状の台部材(16f)を設け、該バルブシート本体(17)の上端部(17b)は、下方に窪まされて半球状の凹部(17f)に形成し、該凸部(16f)と、凹部(17f)により、上記二つの中心線の傾きを少なくするための手段を形成したものである。
請求項3においては、請求項1または2記載の三方電磁弁において、前記第一のバルブシート本体(17)に、前記バルブ本体(10)の連通孔(10h)内の圧力を一定に保つ等圧バルブ(41)を設けたものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1に記載の発明では、インジェクタ(1)を構成する噴射ノズル(25)への高圧燃料の供給制御を行うため、該インジェクタ(1)に一体的に取付けられる三方電磁弁(2)であって、一側端に第一のバルブである上部バルブ(10v)、他側端に第二のバルブである下部バルブ(10w)が形成されるバルブ本体(10)と、前記両端のバルブ(10v・10w)に対するバルブシート(17d・3d)がそれぞれ形成される第一のバルブシート本体(17)と、第二のバルブシート本体であるホルダ(3)と、該バルブシート本体(17)とホルダ(3)との間に配置し、前記バルブ本体(10)を動作させる電磁アクチュエータ(12A)とを備え、前記バルブ本体(10)には、該バルブ本体(10)の両端を連通させる連通孔(10h)を設け、該バルブ本体(10)は、該バルブシート本体(17)内の摺動孔(17u)と、アクチュエータ(12A)内と、ホルダ(3)が構成する第2バルブシート内のバルブ摺動孔(3b)を摺動可能として三方電磁弁を構成し、前記バルブ本体(10)の両端のバルブ(10v・10w)は、一側が開の時に、他側を閉とすべく開閉制御し、前記両端のバルブ(10v・10w)の受圧面積は、略同一に設定し、前記両バルブシート(17d・3d)のシート径(17D・3D)は、略同一に設定し、前記第一のバルブシート本体(17)は、インジェクタ(1)を構成する支持部材としての上部キャップ(16)に設けた内孔(16a)内に配置し、自由支持し、前記第一のバルブシート本体と、前記支持部材の間には、前記バルブシート本体(17)の摺動孔(17u)の中心線と、該バルブ本体(10)の中心線の傾きを少なくするための手段が設けたので、バルブ本体の両端に作用する燃料の圧力バランスを略同一にすることができ、これにより、バルブ本体の動作力は少なく済むことから、アクチュエータをより小型化することが可能となり、また、応答性の向上を図ることができる。
また、バルブ本体の両側に、バルブシートが設けられるものであり、第一のバルブシート本体と、第二のバルブシート本体は、別体に構成されて、各バルブシートは各々独立して加工することが可能であることから、加工性に優れた構成となっている。
また、従来構造ではアウタバルブとインナバルブとから二重構造としており、筒状に構成されるアウタバルブの肉厚は確保し難いものであったが、本構成は、バルブ本体の連通孔内に摺動部材が設けられないことから、従来構造と比較して、バルブ本体の肉厚を十分確保することが可能となり、燃料圧力による変形が生じにくく、最適な噴射制御が実現でき、また維持できる。
また、バルブシート本体を自由支持とし、内孔内で、バルブシート本体の位置を調節されて、バルブ本体の両側に配されるバルブシート同士の心ずれが吸収され、これにより、バルブ本体10のこじれによる動作不良の発生を防止できる。
また、上記三方電磁弁をインジェクタに適用することにより、コモンレール用に適したインジェクタを安価に構成することができる。
請求項2の如く、前記第一のバルブシート本体(17)には、前記バルブ本体(10)における第一バルブである上部バルブ(10v)側の端部が挿入される摺動孔(17u)が設けられるとともに、前記第一のバルブシート本体(17)と、前記支持部材としての上部キャップ(16)の間には、前記上部キャップ(16)の内孔(16a)の天井部(16b)において、前記バルブシート本体(17)の上端部(17b)を支持し、前記内孔(16a)の天井部に、半球状の台部材(16f)を設け、該バルブシート本体(17)の上端部(17b)は、下方に窪まされて半球状の凹部(17f)に形成し、該凸部(16f)と、凹部(17f)により、上記二つの中心線の傾きを少なくするための手段を形成したので、バルブ本体の中心線と、バルブシート本体の摺動孔の中心線とを平行に保つことができ、バルブシート本体の摺動孔の内面が、バルブ本体を擦ることによる、摺動孔及びバルブ本体の摩耗や、バルブ本体の摺動抵抗の増加による動作不良を防ぐことができる。
請求項3に記載の発明では、等圧バルブを設けることにより、燃料通路のキャビテーションエロージョンの発生を防止することができる。
従来の二重構造による問題に鑑み、新規な三方電磁弁の構成を提供するという目的を、噴射ノズルへの高圧燃料の供給制御を行うための三方電磁弁であって、一側端に第一のバルブ、他側端に第二のバルブが形成されるバルブ本体と、前記両端のバルブに対するバルブシートがそれぞれ形成される第一・第二のバルブシート本体と、前記両バルブシート本体の間に配され、前記バルブ本体を動作させるアクチュエータと、が備えられ、前記両端のバルブは、一側が開の時に、他側を閉とすべく開閉制御されるものであり、前記バルブ本体には、該バルブ本体の両端を連通させる連通孔が設けられ、前記両端のバルブの受圧面積は、略同一に設定され、前記両バルブシートのシート径は、略同一に設定される構成とすることで達成する。
次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明にかかる三方電磁弁を備えたインジェクタの全体断面図、図2は同じく三方電磁弁の箇所の拡大断面図、図3は三方電磁弁の組み付けについて示す図、図4はバルブシート本体をホルダと別体とする構成例を示す図、図5は噴射時における第一のバルブシート本体部分の拡大断面図、図6は噴射後における第一のバルブシート本体部分の拡大断面図、図7は等圧バルブを設けない構成とするインジェクタの全体断面図、図8は従来の三方電磁弁の構成について示す断面図である。
尚、以下の説明において、図1における紙面上側を上側とし、同じく紙面下側を下側とする。
図1においては、本発明にかかる三方電磁弁2と、ホルダ3とから構成されるインジェクタ1の全体構成を示している。三方電磁弁2においては、バルブ本体10を上下動させるべく、ケーシング11内のソレノイドハウジング12に、ステータ12aとステータコイル12bを配してなるアクチュエータ12Aが構成されている。前記ステータコイル12bが励磁されると、前記バルブ本体10と一体のアーマチュア15が上方に引き寄せられてバルブ本体10が上方に移動するようになっている。
また、前記ソレノイドハウジング12の上方であって、前記ケーシング11の内側に形成される空間は、上部キャップ16によって蓋がされている。そして、前記ステータコイル12bの導線13a・13bは、該上部キャップ16の挿通孔16c・16dを通過して上方に取り出されるようにしている。また、該上部キャップ16には、上側が閉じられ、下側が開放される内孔16aが上下方向に形成されている。また、該内孔16aには、バルブシート本体17が下方から挿入されており、該内孔16aの天井部16bに、該バルブシート本体17の上端部17bが当接するようになっている。該バルブシート本体17は、ソレノイドハウジング12に形成される上下方向の貫通孔12d内にて、上下移動自在に配されている。そして、内孔16aの天井部16bには台部材16fが設けられる一方、バルブシート本体17の上端部17bは、下方に窪まされて半球状の凹部に形成され、上部キャップ16に対し、バルブシート本体17が回転自在に当接・支持される構成している。
また、バルブシート本体17には、上側が閉じられ、下側が開放される内孔17aが上下方向に形成されており、該内孔17aに前記バルブ本体10の上部が挿入される。該内孔17aは、下側から順に、バルブ本体10の摺動孔17uと、内室17cと、スプリング室17hとから一連に構成されている。また、スプリング室17hの孔径は、摺動孔17uの孔径よりも小さく構成される。これにより、内室17cの上側壁面において、バルブ本体10の上端部で形成される上部バルブ10vに対する上部バルブシート17dが形成されている。また、バルブシート本体17には、該バルブシート本体17の外周面と、前記内室17cとを通じさせる連通孔17e・17eが設けられており、バルブシート本体17の外側と、内室17cとの間にて燃料が流通するようになっている。また、前記スプリング室17hには、圧縮コイルスプリング18が内装されており、無噴射時においても該圧縮コイルスプリング18により、後述の等圧バルブ41を介して、前記バルブ本体10内の連通孔10hからノズル室19cに至る通路内の圧力が一定圧に保持されるようになっている。
また、前記ケーシング11が、ホルダ3の上部の嵌着部3aに嵌着されて、三方電磁弁2とホルダ3とが一体化されている。また、ホルダ3の上端面3uと、ステータコイル12bとの間に、前記アーマチュア15が配されている。該アーマチュア15は、バルブ本体10と一体化されており、ステータコイル12bへの通電により、アーマチュア15とともにバルブ本体10が上方移動されるようになっている。
また、ソレノイドハウジング12と、ホルダ3の上端面3uと、上部キャップ16とで囲まれる空間で低圧室12cを構成しており、該低圧室12cは、ホルダ3に形設される連通路26a・26b、ポート27(図1参照)を介して、図示せぬ燃料噴射ポンプの低圧回路に連通されている。
また、ホルダ3の上端面3uから下方に向ってバルブ摺動孔3bが形成されており、該バルブ摺動孔3bに、バルブ本体10のアーマチュア15よりも下方の部位が内挿されている。そして、該バルブ摺動孔3bの下端部には、該バルブ摺動孔3bよりも内径を大とする内室3cが形成されている。
また、図1に示すごとく、ホルダ3には、前記内室3cと、ノズルボディ19とを連通させる一連の燃料通路20が形成されている。図示せぬコモンレールよりポート21・連通路22を介して内室3cに供給された高圧燃料は、バルブ本体10が上方に移動されると、燃料通路20を通ってノズルボディ19のノズル室19cに供給される。そして、高圧燃料の作用により、ノズルバルブ23が背圧受部材28の押圧力に抗して上昇すると、噴射ノズル25が開放されて噴射が行われるようになっている。また、前記燃料通路20の内、内室3cと連通する連絡部20aの孔径は、前記バルブ摺動孔3bの孔径よりも小さく構成される。これにより、内室3cの下側壁面において、バルブ本体10の下端部で形成される下部バルブ10wに対する下部バルブシート3dが形成されている。
また、ホルダ3には、低圧室26が形成されており、該低圧室26内に、圧縮コイルスプリング24と、該圧縮コイルスプリング24により下方に付勢される背圧受部材28が設けられている。該背圧受部材28は、ノズルバルブ23の上端部に当接しており、これにより、ノズルバルブ23は常時下方へ付勢され、噴射ノズル25が閉じられるようになっている。そして、前記ノズル室19cに高圧燃料が供給されると、該高圧燃料がノズルバルブ23の円錐部23aに作用して、前記背圧受部材28から受ける力に抗してノズルバルブ23が上方へ移動する。これにより、噴射ノズル25が開放されて、ノズル室19c内の高圧燃料が噴射ノズル25より噴射される。また、前記低圧室26は、連絡路26c・26b・26aを介して三方電磁弁2側の低圧室12cと連通されている。
上記の構成につき、バルブ本体10の動作制御について説明すると、無噴射時では、ステータコイル12bへの通電が行われず、圧縮コイルスプリング14の付勢力によって、バルブ本体10が下方に移動させられ、下部バルブ10wにより下部バルブシート3dが閉じられた状態となる。これにより、コモンレール側より供給される高圧燃料は、内室3cに閉じ込められて、燃料通路20への高圧燃料の流入が遮断される。このようにして、燃料の噴射が行われることがない。一方、噴射時では、ステータコイル12bへの通電が行われ、これにより、アーマチュア15が上方に引き付けられてバルブ本体10も上方に移動し、下部バルブ10wが開いて、内室3c内の高圧燃料が、燃料通路20への流入が許容される。これにより、高圧燃料がノズルボディ19のノズル室19cに供給され、噴射ノズル25より燃料噴射が行われる。
また、上記の構成につき、図3に示すごとく、三方電磁弁2のホルダ3への組み付けは、ホルダ3に対し、バルブ本体10を内挿したソレノイドハウジング12を設置し、バルブ本体10の上部にバルブシート本体17を上から被せ、内孔16aをバルブシート本体17の位置に合わせ、上部キャップ16をソレノイドハウジング12の上に設置し、この状態で、ケーシング11を上から被せて、該ケーシング11をホルダ3に嵌着させることで行われるようになっている。
以上が本発明にかかる三方電磁弁2及びホルダ3の構成概要であり、以下では、本発明に特徴的な構成につき説明する。図1及び図2に示すごとく、本発明に係る三方電磁弁2は、噴射ノズルへの高圧燃料の供給制御を行うための三方電磁弁であって、一側端に第一のバルブ(上部バルブ10v)、他側端に第二のバルブ(下部バルブ10w)が形成されるバルブ本体10と、前記両端のバルブ10v・10wに対するバルブシート17d・3dがそれぞれ形成される第一のバルブシート本体17、及び第二のバルブシート本体としてのホルダ3と、前記両バルブシート本体17・3の間に配され、前記バルブ本体10を動作させるアクチュエータ12Aと、が備えられ、前記両端のバルブ10v・10wは、一側が開の時に、他側を閉とすべく開閉制御されるものであり、前記バルブ本体10には、該バルブ本体10の両端を連通させる連通孔10hが設けられ、前記両端のバルブ10v・10wの受圧面積は、略同一に設定され、前記両バルブシート17d・3dのシート径17D・3D(図2参照)は、略同一に設定される構成としている。尚、以上の構成では、ホルダ3に内室3c及び下部バルブシート3dを形成することにより、ホルダ3にて第二のバルブシート本体の機能を果たすこととしたが、図4に示すインジェクタ1Aのごとく、バルブシート本体33を、ホルダ3とは別に設ける構成としてもよい。また、三方電磁弁2は、必ずしもインジェクタ1の上部に配される構成とする必要はなく、また、縦置き・横置きのいずれであってもかまわない。
以上のごとくの構成によれば、バルブ本体10の両側の空間が、連通孔10hにより通じているため、バルブ本体10の両端(バルブ10v・10w)に作用する燃料圧力を、略同一にすることができる。また、前記両端のバルブ10v・10wの受圧面積は、略同一に設定されるため、バルブ本体10の移動時において、バルブ本体10の両端(バルブ10v・10w)に作用する燃料から受ける抵抗を、略同一にすることができる。また、前記バルブシート17d・3dのシート径17D・3Dは、略同一に設定されるので、バルブ10v・10wが、バルブシート17d・3dに着座した状態から離れるときに、バルブ10v・10wにそれぞれ作用する燃料圧力を、略同一にすることができる。そして、以上により、バルブ本体10の両端に作用する燃料の圧力バランスを略同一にすることができ、これにより、バルブ本体10の動作力は少なく済むことから、アクチュエータ12Aをより小型化することが可能となり、また、応答性の向上を図ることができる。ここで、両シート径17D・3Dは、バルブ本体10に作用する抵抗率を考慮して、0.5〜1.5倍の範囲で変えてもよい。
また、バルブ本体10の両側に、バルブシート17d・3dが設けられるものであり、第一のバルブシート本体17と、第二のバルブシート本体(ホルダ3)は、別体に構成されて、各バルブシート17d・3dは各々独立して加工することが可能であることから、加工性に優れた構成となっている。また、従来構造ではアウタバルブとインナバルブとから成る二重構造としており、筒状に構成されるアウタバルブの肉厚は確保し難いものであったが、本構成は、バルブ本体10の連通孔10h内に摺動部材が設けられないことから、従来構造と比較して、バルブ本体10の肉厚を十分確保することが可能となり、燃料圧力による変形が生じにくく、最適な噴射制御が実現でき、また維持できる。
次に、実施例2としては、図2に示すごとく、前記第一のバルブシート本体17は、支持部材としての上部キャップ16に設けた内孔16aに配され、自由支持されるものである。即ち、上部キャップ16の内孔16a内にバルブシート本体17を挿入する形態としており、内孔16aの内周面と、バルブシート本体17の外周面との間に形成される隙間16mの範囲において、バルブシート本体17の、バルブ本体10の中心線の半径方向における位置が、調整自在に構成されるものである。本発明の構成では、バルブ本体10の両端にバルブ10v・10wを設ける都合上、当該バルブ10v・10wの二つのバルブシート17d・3dを、バルブ本体10を介して対向して設ける必要があり、このため、バルブシート本体17を別体に構成し、図3に示すごとく、バルブ本体10の上部にバルブシート本体17を上から被せる構成とする必要がある。このため、両バルブシート17d・3dとの間で、心出しを高精度に実現するのは難しく、バルブシート本体17が固定されていると、両バルブシート17d・3dとの間の心ずれにより、バルブ本体10がこじれてしまい、動作不良が発生することになる。 そこで、上述のように、バルブシート本体17を自由支持とし、内孔16a内で、バルブシート本体17の位置を調節されて、心ずれを吸収することとするものである。これにより、バルブ本体10のこじれによる動作不良の発生を防止できる。
次に、実施例3としては、図2に示すごとく、前記第一のバルブシート本体17には、前記バルブ本体10における第一バルブ側の端部が挿入される摺動孔17uが設けられるとともに、前記第一のバルブシート本体17と、前記支持部材としての上部キャップ16の間には、前記摺動孔17uの中心線と、バルブ本体10の中心線の傾きによる悪影響を少なくするための手段が設けられるものである。即ち、前記上部キャップ16の内孔16aの天井部16bにおいて、前記バルブシート本体17の上端部17bが支持されるものであり、前記内孔16aの天井部に、半球状の台部材16fが設けられる一方、バルブシート本体17の上端部17bは、下方に窪まされて半球状の凹部17fに形成されることとし、前記凸部16fと、凹部17fにより、上記二つの中心線の傾きによる悪影響を少なくするための手段を形成するものである。
この構成では、実施例2と同様に、バルブシート本体17は、上部キャップ16に対し自由支持されて、上記のように心ずれを吸収することができる。また、互いに球面で形成される凸部16fと凹部17fにより当着されることで、互いの当着面を水平面で形成した場合と比較して、前記摺動孔17uの中心線と、バルブ本体10の中心線の傾きによる悪影響を少なくすることができる。これは、互いの当着面を球面で形成することで、バルブシート本体17が凸部16fを支点として回転できるようになり、これにより、摺動孔17u内にてバルブ本体10が摺動した際には、摺動孔17uの中心線の傾きが、バルブ本体10の中心線の傾きに一致する方向に補正されることによるものである。以上の構成によれば、バルブ本体10の中心線と、バルブシート本体17の摺動孔17uの中心線とを略平行に保つことができ、バルブシート本体17の摺動孔17uの内面が、バルブ本体10を擦ることによる、摺動孔17u及びバルブ本体10の摩耗や、バルブ本体10の摺動抵抗の増加による動作不良等の不具合、即ち、前記二つの中心線の傾きによる悪影響を少なくすることができる。
次に、実施例4としては、図5に示すごとく、前記第一のバルブシート本体17に、前記バルブ本体10の連通孔10h内の圧力を一定にする等圧バルブ41を設ける構成とするものである。該等圧バルブ41は、噴射終了後に、バルブ本体10の連通孔10hより高圧燃料が低圧回路、即ち、内室17cに急激に流出して連通孔10hないの圧力が下がりすぎてキャビテーションエロージョンが発生するのを防止するためのものである。ここで、等圧バルブ41は、バルブシート本体17に設けたスプリング室17h内の圧縮コイルスプリング18にて下方に付勢されるものであり、無噴射時に連通孔10h〜ノズル室19c内の圧力を一定に保つようになっている。
そして、噴射時においては、バルブ本体10が上方に移動させられ、図5に示すごとくの状態となる。この状態では、上部バルブ10vが上部バルブシート17dに当着することになるため、高圧燃料が連通孔10h内に閉じ込められる。このあと、噴射が終了すると、図6に示すごとく、バルブ本体10が圧縮コイルスプリング14により下方へ戻され、上部バルブ10vが上部バルブシート17dより離れることになる。この場合、連通孔10h〜ノズル室19c内の圧力が下がると、連通孔10hの開口は、等圧バルブ41により閉じられるため、連通孔10h〜ノズル室19c内の圧力は一定の値に保たれることになる。このようにして、連通孔10h内、及び燃料通路20内の圧力が負圧になることを防止して、連通孔10h及び燃料通路20内にキャビテーションが発生することを防止することができる。仮に、等圧バルブ41がない場合には、噴射後に、連通孔10hより内室17cに燃料が急激に流出し、負圧になってキャビテーションが発生することになる。そして、発生したキャビテーションは、次の噴射時において、高圧燃料が燃料通路20に流入した際には、該高圧燃料によって圧縮され、これにより、燃料通路20にキャビテーションエロージョンが発生してしまうことになる。以上のように、等圧バルブ41を設けることにより、燃料通路20のキャビテーションエロージョンの発生を防止することができるようになる。
尚、図7に示すごとく、等圧バルブ41を設けない構成としてもよい。この場合は、前記スプリング室17h内の圧縮コイルスプリング18により、バルブ本体10を下方に付勢できるため、圧縮コイルスプリング14を省略する構成とすることができる。
次に、実施例5としては、図1に示すごとく、前記三方電磁弁2が、噴射ノズル25を具備するホルダ3に取付けられて、インジェクタが構成されることとするものである。上述の三方電磁弁2は、従来構造と比較して、摺動孔につき高精度な加工が要求されることもなく、安価に製作することができるものである。
そして、このような安価に製作可能な三方電磁弁2を具備したインジェクタとすることによれば、コモンレール用に適したインジェクタを安価に構成することができる。
本発明は、ディーゼルエンジン用に備えられるコモンレール式の燃料噴射装置に適用可能である。
本発明にかかる三方電磁弁を備えたインジェクタの全体断面図である。 同じく三方電磁弁の箇所の拡大断面図である。 三方電磁弁の組み付けについて示す図である。 バルブシート本体をホルダと別体とする構成例を示す図である。 噴射時における第一のバルブシート本体部分の拡大断面図である。 噴射後における第一のバルブシート本体部分の拡大断面図である。 等圧バルブを設けない構成とするインジェクタの全体断面図である。 従来の三方電磁弁の構成について示す断面図である。
符号の説明
1 インジェクタ
2 三方電磁弁
3 ホルダ
3d バルブシート
10 バルブ本体
10v 上部バルブ
10w 下部バルブ
10h 連通孔
12A アクチュエータ
17 バルブシート本体
17d バルブシート

Claims (3)

  1. インジェクタ(1)を構成する噴射ノズル(25)への高圧燃料の供給制御を行うため、該インジェクタ(1)に一体的に取付けられる三方電磁弁(2)であって、一側端に第一のバルブである上部バルブ(10v)、他側端に第二のバルブである下部バルブ(10w)が形成されるバルブ本体(10)と、前記両端のバルブ(10v・10w)に対するバルブシート(17d・3d)がそれぞれ形成される第一のバルブシート本体(17)と、第二のバルブシート本体であるホルダ(3)と、該バルブシート本体(17)とホルダ(3)との間に配置し、前記バルブ本体(10)を動作させる電磁アクチュエータ(12A)とを備え、前記バルブ本体(10)には、該バルブ本体(10)の両端を連通させる連通孔(10h)を設け、該バルブ本体(10)は、該バルブシート本体(17)内の摺動孔(17u)と、アクチュエータ(12A)内と、ホルダ(3)が構成する第2バルブシート内のバルブ摺動孔(3b)を摺動可能として三方電磁弁を構成し、前記バルブ本体(10)の両端のバルブ(10v・10w)は、一側が開の時に、他側を閉とすべく開閉制御し、前記両端のバルブ(10v・10w)の受圧面積は、略同一に設定し、前記両バルブシート(17d・3d)のシート径(17D・3D)は、略同一に設定し、前記第一のバルブシート本体(17)は、インジェクタ(1)を構成する支持部材としての上部キャップ(16)に設けた内孔(16a)内に配置し、自由支持し、前記第一のバルブシート本体と、前記支持部材の間には、前記バルブシート本体(17)の摺動孔(17u)の中心線と、該バルブ本体(10)の中心線の傾きを少なくするための手段が設けたことを特徴とする三方電磁弁。
  2. 請求項1記載の三方電磁弁において、前記第一のバルブシート本体(17)には、前記バルブ本体(10)における第一バルブである上部バルブ(10v)側の端部が挿入される摺動孔(17u)が設けられるとともに、前記第一のバルブシート本体(17)と、前記支持部材としての上部キャップ(16)の間には、前記上部キャップ(16)の内孔(16a)の天井部(16b)において、前記バルブシート本体(17)の上端部(17b)を支持し、前記内孔(16a)の天井部に、半球状の台部材(16f)を設け、該バルブシート本体(17)の上端部(17b)は、下方に窪まされて半球状の凹部(17f)に形成し、該凸部(16f)と、凹部(17f)により、上記二つの中心線の傾きを少なくするための手段を形成したことを特徴とする三方電磁弁。
  3. 請求項1または2記載の三方電磁弁において、前記第一のバルブシート本体(17)に、前記バルブ本体(10)の連通孔(10h)内の圧力を一定に保つ等圧バルブ(41)を設けたことを特徴とする三方電磁弁。
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