JP4090729B2 - 遅延剤を使用したセメントミルクの硬化遅延解除方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、硬化遅延剤が混合され、硬化時間をコントロール可能に調整されたセメントミルクの遅延硬化作用を解除することができる方法に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】
周知のように、セメントと水を混練したセメントミルクを作液すると、作液濃度によって異なるが、凡そ数時間で硬化が始まる。このため、現場では施工性及び作業性を高めるために、セメント硬化の遅延又は超遅延作用のあるグルコン酸ソーダやボロヘブトン酸ソーダ、グルコース、リグニンスルフォン酸、ポリカルボン酸塩或はニトロフミン酸塩等からなる遅延剤を添加し、数時間から数日間の硬化遅延効果を得るように調整しているのが現状である。
【0003】
現在、遅延剤を添加した硬化遅延性のセメントミルクは、数時間程度の遅延硬化を期待する場合は、セメント成分の水和反応による自然固化方法が使用されている。また、数日間の硬化遅延を期待する場合には、何時硬化するか気温・配合条件によって様々であり、一般的には、セメントを含むミルクと急結剤の二液タイプが採用されている。これは、硬化遅延作用があるセメントミルクに硬化遅延を解除する薬剤を使用することで任意の時間に硬化を起こさせるコントロール方法である。
【0004】
このような従来の二液タイプが用いられる工法は、シールドトンネル工事や一次復工の裏込充填に使用される各種充填工法で汎用されており、セメントミルクに遅延剤を配合して数日の遅延硬化を与えたA液を配管内を通して長距離の工事現場まで圧送し、該工事現場に圧送されたA液に硬化促進剤からなるB液を注入添加して硬化遅延作用を解除しており、このような方法を採用することで、配管の洗浄回数を減少させ、作業を簡易化しているのが現状である。
【0005】
尚、このようなセメントミルクの硬化遅延を解除する薬剤は、一般に珪酸ソーダや硫酸アルミニウムまたは塩化アルミニウム等の急結剤或は硬化促進剤と呼ばれる薬剤が使用され、比較的少量の添加でセメントミルクの硬化遅延は解除される。
【0006】
このように、シールドトンネルでは、急結剤或は硬化促進剤が問題なく使用されているのが現状であり、山岳トンネルの補修充填工事でも同様の工法が採用されているが、山岳トンネルの補修充填工事における補修配合には、乾燥収縮を低減させる目的からセメントミルクに微粉末の骨材を大量に添加する必要がある。
【0007】
本発明者等は、上記山岳トンネルの補修充填工事において、セメントミルクに微粉末を添加混合したときに、セメントミルクに添加されている硬化遅延剤が上記微粉末に吸着し消費されることを発見した。
【0008】
この発明は、かかる知見に基づき創案されたものであって、その目的とするところは、従来の急結剤或は硬化促進剤を全く用いることなく、特定の微粉末をスラリー化してセメントミルクに添加することで、遅延剤を使用したセメントミルクの硬化遅延作用を簡単に解除する方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明に係る遅延剤を使用したセメントミルクの硬化遅延解除方法にあっては、セメントと水と硬化遅延剤が混合されてなるA液に、微粉末と水が混合されてなるB液を混合することで、セメントミルクの硬化遅延作用を解除することを特徴とするものである。
【0010】
このように、この発明にあっては、A液をセメントと水と遅延剤からなるセメントミルクとし、B液を微粉末と水からなるスラリーとすることで、長時間、性状を安定させた状態でA液とB液とを貯蔵することができ、また、硬化急結剤が不要となるため、材料コストを大幅に低減することができる。
【0011】
この発明において、上記B液の微粉末は、上記A液の硬化遅延剤が吸着される粉末粘土、微粉石粉、炭酸カルシウム、スラグ微粉末、消石灰微粉、ドロマイドブラスター、シルト或は粘土からなる発生土のいずれか一、或は、これらの組み合わて生成することを特徴とするものである。
【0012】
このように、本発明で用いられる微粉末は、従来から骨材として用いられていたものを、A液ではなくB液に混合することで、該微粉末が遅延剤を吸着するため、A液の遅延効果がなくなり、緩やかにセメントの硬化が始まり固化する。
【0013】
また、この発明にあっては、上記B液の微粉末を、セメントミルクのセメント量と同量以上添加することを特徴とするものである。
【0014】
従来の二液配合処方では、A液をセメントミルクに粉末材料と超遅延剤を添加し、B液を急結剤の溶液とし、これを混合することで硬化遅延作用を解除するように構成していたため、A液の全体量に対する遅延剤の配合量が85〜99%程度と非常に多く、また、配管内を洗浄する水量も非常に大量であるのに対して、本発明に係る遅延剤を使用したセメントミルクの硬化遅延解除方法によれば、A液に骨材である粉末を添加することなく圧送することができ、遅延剤の使用量を大幅に削減することができると共に、配管内の洗浄回数を減少させることができる。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係るセメントミルクの硬化遅延解除方法にあっては、A液とB液からなる二液タイプではあっても、従来の急結剤或は硬化促進剤を全く用いることなく、特定の微粉末をスラリー化してセメントミルクに添加することで、遅延剤を使用したセメントミルクの硬化遅延作用を簡単に解除することができ、また、A液のセメントミルクは微粉末を添加していないため、消費される遅延剤が少なくても確実な遅延効果が得られ、さらに、B液は微粉末をスラリー化したものであって単独では硬化せず遅延剤も使用しないので、A液・B液とも長時間安定したスラリーとしていつでも使用可能な状態を維持することができ、その結果、A液・B液を長距離別々に配管内をポンプで圧送する現場環境や注入量が判然としない現場において大量の作液・貯留が必要な場合の作業性が大幅に改善され、工事の進捗を大幅に短縮化することができる等、幾多の優れた効果を奏する。
【0016】
【実験例】
微粉体の遅延解除材としての各材料の特性を次の要領で試験した。所定配合のA液セメントミルク配合と、B液微粉スラリーの液の比率を変え、単位時間当たりのセメントと微粉の配合比率を変化させることで、どの材にどのような遅延効果解除の傾向が見られるかを測定した結果、表1に示す結果が見られた。
【0017】
【表1】
【0018】
表1からも明らかなように、N0.1では、水の添加は、A液のセメントミルク単独と変化は見られない。また、No.2〜No.19では、セメント成分が多い配合ではなく、微粉スラリー濃度の高い配合が、低い配合と比べ、どの材を取っても硬化が早い。これは、粉体の遅延材成分の吸着効果による遅延効果低減作用によると考えられる。特に、シルトや粘土質の土質ではその効果が大きく、その他の微粉材でもその傾向がはっきりと表れている。次に、No.20〜No.25では、上記とは逆の作用が見られるが、この2種類の材は水溶液であり、強アルカリ液となる材であり、一般に消石灰とドロマイドは、セメントの早強材としても知られている。このように、上記試験においては、全ての材で遅延効果の解除作用が見られるが、材の特徴により、その効果には差が発生するため、有効な遅延解除作用が得られるような配合を行なう必要があることが判る。
Claims (1)
- セメントと水と硬化遅延剤が混合されてなるA液に、微粉末と水が混合されてなるB液を混合することで、セメントミルクの硬化遅延作用を解除する遅延剤を使用したセメントミルクの硬化遅延解除方法であって、上記B液の微粉末は、A液の硬化遅延剤が吸着される粉末粘土、微粉石粉、炭酸カルシウム、スラグ微粉末、消石灰微粉、ドロマイドブラスター、シルト或は粘土からなる発生土のいずれか一、或は、これらの組み合わせから生成されていると共に、該B液の微粉末は、セメントミルクのセメント量と同量以上添加されることを特徴とする遅延剤を使用したセメントミルクの硬化遅延解除方法。
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