JP4090278B2 - 積層型圧電体素子の製造方法 - Google Patents

積層型圧電体素子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,アクチュエータなどに利用可能な積層型圧電体素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
電圧を印加することにより伸縮する圧電材料からなる圧電層と該圧電層に電圧を印加するための,銀,白金,銅などの導電材料からなる内部電極層とを交互に積層して構成した積層型圧電体素子が知られている
【0003】
従来周知の積層型圧電体素子の製造方法の一つに,圧電層と内部電極層とを交互に積層したブロック積層体を予め作成し,このブロック積層体を接着層で所定の積層高さとなるまで接着して積層型圧電体素子を作成する方法が提案されている。
【0004】
【解決しようとする課題】
しかしながら,従来方法では所望の積層高さが数十ミリ程度になるような多層の積層型圧電体素子を作成することが困難であった。
すなわち,積層高さを高くするためには,圧電層の厚みにもよるが,多くの場合積層枚数が数百枚に達してしまう。従って数百枚中の数枚の圧電層,つまり1%とか2%程度の不良が圧電層に発生した場合でも,積層型圧電体素子全体が不良品となる可能性があった。
【0005】
従来は製造時の各工程で不良率を低減すべく工夫を凝らしているが,ファインセラミックの製造工程は材料精製から成型まで含めると数十工程を要し,これらの全工程での不良率を限りなく0とすることは非常に困難である。
【0006】
また,従来方法は接着層という異種の材料が積層型圧電体素子の間に含まれるため,圧電性能の低下や強度の低下が生じてしまう。
近年は内燃機関の燃料噴射装置等のアクチュエーターとして積層型圧電体素子を利用することが考えられており,このような過酷な使用環境(高温,雰囲気に油や腐食性ガスが多い,衝撃や振動)で,高い圧電性能を発揮するような高性能積層型圧電体素子の製造方法が求められていた。
【0007】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,高い耐久性と高い圧電性能を発揮し,不良率が低い積層型圧電体素子の製造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】
本発明は,圧電材料よりなる圧電層と,導電材料よりなる内部電極層とを交互に積層したブロック積層体を準備し,
該ブロック積層体に分極処理を施して,該ブロック積層体単体で圧電体素子として機能可能な状態となした後,良品の上記ブロック積層体を選別する選別工程を行い,
その後,良品の上記ブロック積層体を所望の数だけ,ブロック積層体同士が接着層となる異種材料を介在させることなく直接接触するように積層して二次積層体となし,
該二次積層体に側面電極を設け二次積層体全体が一つの圧電体素子として機能するよう構成することを特徴とする積層型圧電体素子の製造方法にある(請求項1)。
【0009】
本発明は,予め作成したブロック積層体を分極処理した後,良品のブロック積層体を選別する選別工程を行ってから,良品のブロック積層体だけを所望の個数,直に接触させて積み上げて二次積層体となし,これに側面電極を設けて積層型圧電体素子を得る方法である。
【0010】
本発明にかかる製造方法によれば,接着層などの異種材料を含まない積層型圧電体素子を得ることができるため,以下に示すように高性能で高耐久性な積層型圧電体素子を得ることができる。
すなわち,接着層でブロック積層体を接合した場合,接着層が緩衝材的な役割を果たして各ブロック積層体ごとの伸びを吸収して,積層型圧電体素子全体の伸びが低下するという問題が生じやすくなる。本発明は接着層を持たないため,この問題が生じ難く,高性能な(同じ電圧を印加した際により伸び量が大きい)積層型圧電体素子を得ることができる。
【0011】
また,接着層は通電しても動かないため,ブロック積層体と接着層との間に応力集中が発生しやすい。よって,応力集中によるひび,割れ,デラミネーションが発生しやすくなる。特に高周波で積層型圧電体素子を駆動する際は応力が大きくなるため,上記問題が生じやすい。本発明によればこのような問題が生じ難く,耐久性に優れた積層型圧電体素子を得ることができる。
【0012】
さらに,本発明は,積層枚数の少ないブロック積層体から二次積層体を作成するため,ブロック積層体を作成するまでの工程での不良率が0に近くなくとも,不良品の積層型圧電体素子が生じ難い。
ブロック積層体の状態で不良品が発見されれば,この段階で除外することができるためである。また,積層枚数が少ないため,ブロック積層体は製造しやすく,製造方法の難易度も低く,不良もより生じ難いためである。
【0013】
以上,本発明によれば,高い耐久性と高い圧電性能を発揮し,不良率が低い積層型圧電体素子の製造方法を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
上記本発明(請求項1)においては,圧電層を構成する圧電材料としては,従来のようにPZTやその他の圧電効果を有する誘電材料を適宜使用することができる。また,内部電極層の導電材料も,従来と同様に白金や銀,パラジウム,銅などの材料を適宜使用することができる。
内部電極層は圧電層に対し印刷などによって一体的に形成することもできるが,独立した板状として構成し,その後圧電層と交互に重ねることもできる。
【0015】
また,ブロック積層体を製造する方法は,従来知られたセラミック積層体の製造方法と同じように行えばよい。
例えば,圧電材料を含んだスラリーから圧電層用の未焼シートを作成し,これに導電材料を含んだスラリーを印刷して内部電極層用の印刷部を設けた未焼シートとなし,該未焼シートを積層圧着して作った未焼体を焼成する方法などである(詳細は実施例参照)。
【0016】
また,本発明において,ブロック積層体相互の固定は二次積層体に設けた側面電極により実現される。
なお,上記側面電極は積層型圧電体素子の伸縮に追従できるように,可撓性のある材料や素材で構成することが好ましい。例えばメッシュ状に構成した金属材料などである。
【0017】
また,上記ブロック積層体の側面で,二次積層体となった際に側面電極を設ける場所には,予め導電性下地材を設けておき,ブロック積層体単独で圧電体素子として機能可能となるような内部電極層同士の導通を確保することが好ましい(実施例参照)。
すなわち,圧電層一層おきに内部電極層同士の電気的な導通を確保してやることで,圧電層に積層方向の両面から異なる極性の電圧を印加することが可能となる。
【0018】
上記導電性下地材を設けて,仮に導電性下地材に対する電圧を印加することで圧電層が伸縮できるように構成した場合,各ブロック積層体間の導通を確保するだけで,二次積層体全体を一つの圧電体素子として駆動することが可能となる。よって,側面電極だけで積層型圧電体素子を構成する多数の内部電極層の導通を確保する場合と比べて,導通不良などが生じ難く,また側面電極の設置がより容易となる。
【0019】
また,上記内部電極層は全面電極構成,部分電極構成のいずれの構成でもよいが,部分電極構成とした場合,本発明により次のような効果を得ることができる。
部分電極構成の場合,圧電層が積層方向の両面で内部電極層と対面してる駆動部と,圧電層の片一方の面のみと内部電極層と対面する非駆動部とが形成される。駆動部は通電により伸びるが,非駆動部は圧電層に電圧が印加されないため,伸びずに静止したままである。従って,駆動部と非駆動部との境界は応力が発生する。
【0020】
ところで,各ブロック積層体間を接着層で接合した場合を考える。
仮に接着層をブロック積層体の全面に設けた場合,駆動部と非駆動部とを接着層が連結することになる。そのため,接着層を設けない場合と比較してより大きな応力が,駆動部と非駆動部との間に発生し,素子割れやクラック,デラミネーションの原因となる。
従って,本発明にかかる製造方法のようにブロック積層体間を直接接触させるのみで接着層を使わないことで,上記問題を生じないようにすることができる。また,接着層を駆動部のみ,非駆動部のみに設けることも考えられるが,接着面積が狭く接着力が不十分となったり,接着層の部分的な形成は非常に難しいため,実用的とは言い難い。
【0021】
なお,上記ブロック積層体同士が当接する面は,例え後述する実施例のような研磨を行った場合であっても非常に細かい凹凸があるため,ブロック積層体同士を当接させるだけで十分に両者を密着させることができる。
ただし,ブロック積層体同士の位置ずれを防ぐために側面電極による固定を必要とする。
【0022】
また,上記ブロック積層体は,分極処理を施した後,良品を選別する選別工程を行う
ブロック積層体の不良品を予め選別して除去することができるため,所望の積層高さを有する二次積層体を歩留まり率高く製造することができる。
なお,選別工程としては,クラックや割れ,デラミネーションなどの物理的損傷を見つける工程や,静電容量や絶縁抵抗,圧電性能(印加する電圧と伸びとの関係)などを測定し,所定の値を満たしているかどうかチェックする工程がある。
【0023】
また,上記積層型圧電体素子の外側面を絶縁被膜で覆うことが好ましい(請求項)。
これにより,積層型圧電体素子と外部との間で絶縁効果を確実に得ることができる。
また,積層型圧電体素子の表面全体を覆うような絶縁被膜は,各ブロック積層体を拘束して,これらの位置ずれを防止することができる。
絶縁被膜は後述するように絶縁性樹脂のチューブを用いたり,樹脂のモールドを利用して構成することができる。
【0024】
【実施例】
以下に,図面を用いて本発明の実施例について説明する。
(実施例)
本発明にかかる積層型圧電体素子の製造方法について説明する。
図1〜図7に示すごとく,圧電材料よりなる圧電層10と,導電材料よりなる内部電極層11,12とを交互に積層したブロック積層体1を準備する。
そして,ブロック積層体1に分極処理を施して,該ブロック積層体1を単体で圧電体素子として機能可能な状態とする。
その後,上記ブロック積層体1を所望の数だけ,ブロック積層体1同士が直接接触するように積層して二次積層体200とする。
そして上記二次積層体200に側面電極24を設け二次積層体200全体が一つの圧電体素子として機能するよう構成する。
また上記積層型圧電体素子1の外側面を絶縁被膜20で覆う。
【0025】
以下,詳細に説明する。
本例の製造方法による積層型圧電体素子1は,図1に示すごとく,圧電層10と内部電極層11,12とが交互に積層したブロック積層体1を複数個積層した二次積層体200と,該二次積層体200の積層方向両端に設けたダミーブロック19と,二次積層体200の側面201,202に設けた側面電極24及び該側面電極24と電気的導通を確保して接続したリード線25とよりなる。
上記圧電層10はPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)よりなり,内部電極層11,12は銀パラジウム電極よりなる。
【0026】
また,本例の二次積層体200はブロック積層体1が直接当接して積層することにより構成されており,各ブロック積層体1の境界を符合26で示した。符合は付したがブロック積層体1の境界は直にブロック積層体1同士が当接しており,他の部材を挟んでいない。
さらに,図1や他の図面では見やすくするために積層枚数を少なく記載したが,本例にかかるブロック積層体1は圧電層10が20枚,またブロック積層体1を19個積層して積層型圧電体素子2とした。
また,圧電層10の厚みは0.1ミリ,内部電極層11,12の厚みは0.003ミリ,ダミーブロック19の厚みは1.0ミリである。
さらに,本例において各圧電層10の形状を正方形としたが,円,楕円などの各種形状を選択することができる。
【0027】
上記ブロック積層体1は部分電極構成を有し,内部電極層11はブロック積層体1の側面101に,内部電極層12はブロック積層体1の側面102に側端部が露出するよう構成する。
またブロック積層体の側面101,102は導電性下地材14を設け,各側面101,102に露出する内部電極層11,12の側端部を電気的に接続する。
【0028】
上記ダミーブロック19はブロック積層体1を所望の積層高さに積層した後,積層方向の両端面に配置する。上記ダミーブロック19は,積層型圧電体素子2を収納するハウジング(図示略)との絶縁を行ったり,積層型圧電体素子2の機械的強度を増大させるために設けた。また,ダミーブロック19の材質は圧電層10と同じとした。
【0029】
側面電極24は,ブロック積層体1の各側面101,102に設けた電極下地材14を覆うように,二次積層体200の側面201,202に対し導電性接着剤で貼り付けた。側面電極24はメッシュ状で金属金網から構成する。また,外部電源(図示略)への接続用のリード線25を側面電極24に接続する。
【0030】
また,積層型圧電体素子2の側面201,202を含む側面全体は絶縁被膜20で覆われている。この絶縁被膜20は,テトラフルオロエチレンからなるチューブを二次積層体200に嵌めて構成した。
なお,エポキシ,ポリイミド等の樹脂材料からなるチューブで絶縁被膜を構成することができる。さらに,絶縁被膜を樹脂モールド構成とすることもできる。
【0031】
次に製造方法の詳細について説明する。
圧電層10用の圧電材料としてPZTの粉末を準備する。
この粉末を粉砕して(材料粉砕工程),他の添加剤やバインダーを加え(調合工程),圧電層用のスラリーを得る(スラリー精製工程)。
図2(a)に示すごとく,PEフィルム30上に上記スラリーから圧電層用の未焼シート31を成型する(シート成型工程)。
【0032】
続いて,図2(b)に示すごとく,所定の大きさに未焼シート31を打ち抜いて,切片32を得る(打ち抜き工程)。この切片32に内部電極層用のペーストを塗布し,印刷部33とする(印刷工程)。内部電極層用のペーストは,電極材料であるAgとPdとの粉末をバインダーに混合して作成する。
また,上記切片32に対する印刷部33の形成に際して,向きが交互となるように180°回転した形状の印刷部33を備えた切片32をそれぞれ作成して,以下の積層工程では向きの異なる切片32を交互に積層する(図3(a)参照)。
【0033】
次に,図3(a)に示すごとく,印刷済みの切片32を20枚積層する。そして,積層方向の両端面の下側にダミーシート341を1枚,上側に2枚のダミーシート342,343を積層する。さらに,ダミーシート341,343の上下面に各1枚の剥離シート344,345を設ける(積層工程)。
【0034】
ダミーシート341,343は圧電層と同一組成で焼成後に研磨して平面を出すために積層する。ダミーシート342は圧電層と同一組成で二次積層時に隣接するブロック積層体との絶縁を取るために配置する。ダミーシート343には切断位置出し用のマーカー印刷部340を備える。
また,剥離シート344,345はポリイミド製フィルムで,積層治具から取り出しやすくするために設ける。
【0035】
この積層は金型よりなる積層治具35内で行い,積層を終えた後は,図3(b)に示すごとく,上から加圧する(加圧成型工程)。
ここで用いる積層治具35は,ヒータ353を内蔵した台座352と積層方向と垂直方向を規制する側部型351と,積層したものを上下から挟む下型354,上型355とよりなる。上型355の上方から加圧して,積層した切片32を相互に圧着する。
このときの加圧力は11MPaで,ヒータ353によって型の内部は90℃程度に加熱される。
以上により圧着体36を得る。
【0036】
上記圧着体36を積層治具35から外し,剥離シート344,345を取り除く。
図4に示すごとく,切断部材37を用いて圧着体36を切断位置370で切断する(切断工程)。これにより未焼体361を得る。なお,圧着体36の端部は端材360として,有機物脱脂後,焼成時の雰囲気鉛として利用する。
そして,未焼体361を温度1060℃,4時間で焼成し(焼成工程),焼成体362を得る。その後,図5(a)に示すごとく,焼成体362の表面を砥石38で研磨する(研磨工程)。
【0037】
次いで,図5(b)に示すごとく,導電性下地材14を焼成体362の側面に設ける。設ける位置は,焼成体362の側面で,二次積層体200となった際に側面電極24を設ける場所である。すなわち,圧電層10一層おきに内部電極層11(または12)同士の電気的な導通を確保できるような帯状の導電膜として導電性下地材14を設けた(導電下地材形成工程)。
また,導電性下地材14は,導電性ペースト(銀,白金をバインダーと混合する)を所定の場所に塗布し,温度600℃程度で焼き付けて作成する。
【0038】
その後,図6(a)に示すごとく,上記焼成体362に設けた導電性下地材14に対し負極412と正極411とを接触させ,直流電源41より電流を流して,分極する(分極処理工程)。これにより,単体で圧電体素子として機能可能なブロック積層体10を得る。
続いて,図6(b)に示すごとく,ブロック積層体10を検査装置42にかけて,性能や品質の検査を行う。ここで性能が低かったり,圧電効果を示さないような不良品を選別する(選別工程)。
なお,選別工程における具体的な検査項目は,
(1)割れ,クラック,デラミネーションの検査
(2)電圧を印加した際の伸び量の検査
(3)静電容量の検査
(4)絶縁抵抗の検査
である。
【0039】
その後,図7(a)に示すごとく,検査に合格した良品のブロック積層体1のみを所望の積層高さ(図面では記載を省略したが実際には19個)まで積み上げ,その両端に予め圧電層10と同じ材料で作成したダミーブロック19を配置して二次積層体200とした(二次積層工程)。ダミーブロック19の厚みは1.0ミリである。
【0040】
そして,二次積層体200の側面で電極下地材14が露出した部分に側面電極24を設ける(側面電極形成工程)。この側面電極24は銅やステンレス製等でメッシュ状の素材よりなる。また,側面電極24は導電性の接着剤を用いて接着する。さらに側面電極24に導電性ペーストを用いてリード線25を接続する。
【0041】
最後に,上記二次積層体200の全面(ただし積層方向の上下の端面をのぞく)を被覆するように絶縁被膜20を設けた(絶縁被膜形成工程)。この被膜はテトラフルオロエチレンよりなるチューブである。
このようにして本例にかかる積層型圧電体素子2を得た。
【0042】
本例の製造方法から得た積層型圧電体素子に耐久試験を施した。
また,比較例として,図8に示すごとき,一体焼成の積層型圧電体素子9も準備して,こちらにも同じ耐久試験を施した。
本例の積層型圧電体素子2と比較に用いた従来の素子9は,ともに圧電層10,90や内部電極層11,12,91,92の厚みや材質,全体の積層枚数や大きさなど,ブロック積層体1からなる二次積層体200で本例にかかる素子2を構成した以外はすべて同じようにした。
【0043】
その結果,本例にかかる積層型圧電体素子2は2×109以上の作動耐久性能を発揮した。また,従来タイプの素子9も同様の作動耐久性能を発揮した。
このように本例にかかる積層型圧電体素子2は一体焼成した素子9と同じような性能を発揮することができる。しかしながら,従来の素子9に比べて,本例にかかる積層型圧電体素子の不良率は1/3以下であった。
【0044】
また,本例と同じ構成であるが,各ブロック積層体1をシリコン,エポキシ等の樹脂よりなる接着層で接合し,温度160℃,1時間で軽く焼成して一体化して作成した積層型圧電体素子を準備した。
この積層型圧電体素子の作動耐久性能は6×108と本例の素子2よりも低かった。
【0045】
さらに,本例にかかる積層型圧電体素子1に150Vの電圧を付与した際の伸びは0.04ミリであるが,接着層で各ブロック積層体を接合して作成した積層型圧電体素子(図示略)は同じ電圧を加えても0.035ミリしか伸びなかった。また,ヤング率も30GPa程度と低かった。
【0046】
次に本例の作用効果について説明する。
本例の製造方法によれば,接着層などの異種材料を含まない積層型圧電体素子2を得ることができる。そのため,各ブロック積層体1の伸びを足し合わせた値がそのまま積層型圧電体素子2の伸びとなり,高性能である。
また,接着層は通電しても動かないため,ブロック積層体と接着層との間に応力集中が発生しやすい。本例は接着層がないため応力の過剰な集中もなく,耐久性に優れた積層型圧電体素子2を得ることができる。
【0047】
さらに,本例積層枚数の少ないブロック積層体1から二次積層体200を作成するため,ブロック積層体1を作成するまでの工程での不良率が0に近くなくとも,不良品の積層型圧電体素子2が生じ難い。さらに本例ではブロック積層体1の段階で選別を行っているため,より不良が生じ難い。
【0048】
以上,本例によれば,高い耐久性と高い圧電性能を発揮し,不良率が低い積層型圧電体素子の製造方法を提供することができる。
【0049】
(比較例)
図8に示す,従来タイプの積層型圧電体素子9について説明する。
この圧電体素子9は,圧電層90用の未焼シートに内部電極層91,92用の印刷部を設けて,これを所望の積層高さとなるまで積み上げ,また積層方向の両端にダミーブロック99となる未焼シートを設け,一体的に焼成する。
その後,側面に側面電極94やリード線(図示略)を設けて圧電体素子として機能するよう構成した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における,積層型圧電体素子の説明図。
【図2】実施例における,積層型圧電体素子の製造工程(シート成型工程,打ち抜き工程,印刷工程)を示す説明図。
【図3】図2に続く,積層型圧電体素子の製造工程(積層工程,加圧成型工程)を示す説明図。
【図4】図3に続く,積層型圧電体素子の製造工程(切断工程)を示す説明図。
【図5】図4に続く,積層型圧電体素子の製造工程(研磨工程,導電下地材形成工程)を示す説明図。
【図6】図5に続く,積層型圧電体素子の製造工程(分極処理工程,選別工程)を示す説明図。
【図7】図6に続く,積層型圧電体素子の製造工程(二次積層工程,側面電極形成工程,絶縁被膜形成工程)を示す説明図。
【図8】従来タイプの一体焼成で作成した積層型圧電体素子の説明図。
【符号の説明】
1...ブロック積層体,
10...圧電層,
11,12...内部電極層,
2...積層型圧電体素子,
20...絶縁被膜,
200...二次積層体,

Claims (2)

  1. 圧電材料よりなる圧電層と,導電材料よりなる内部電極層とを交互に積層したブロック積層体を準備し,
    該ブロック積層体に分極処理を施して,該ブロック積層体単体で圧電体素子として機能可能な状態となした後,良品の上記ブロック積層体を選別する選別工程を行い,
    その後,良品の上記ブロック積層体を所望の数だけ,ブロック積層体同士が接着層となる異種材料を介在させることなく直接接触するように積層して二次積層体となし,
    該二次積層体に側面電極を設け二次積層体全体が一つの圧電体素子として機能するよう構成することを特徴とする積層型圧電体素子の製造方法。
  2. 請求項1において,上記積層型圧電体素子の外側面を絶縁被膜で覆うことを特徴とする積層型圧電体素子の製造方法。
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