JP4090232B2 - 芳香族化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも一つのアルキル置換基を有する芳香族化合物の該アルキル基を酸化して芳香族化合物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、少なくとも一つのアルキル置換基を有する芳香族化合物の該アルキル基の酸化により、例えば芳香族カルボン酸を製造する方法には臭素化合物やコバルトやマンガンなどの遷移金属の化合物の存在下に酢酸を始めとする低級アルカン酸や水を溶媒として液相中で実施されている。
【0003】
特開2000−103758号にはR−CH2−基を有する芳香族化合物を液相酸化して芳香族ケトンを製造する方法が開示されている。ここで使用されるヘテロポリ酸は欠損構造部位を有さないヘテロポリ酸が使用されており、かつ芳香族ケトンの製法を対象としている。特開平8−53391号、特開平9−169694号および特開平9−286756号各号には、欠損構造部位を有するヘテロポリ酸骨格に、遷移金属を組み込んだ化合物を触媒として水媒体中で芳香族カルボン酸を製造する方法が開示されている。特開平9−286757号には欠損構造部位を有するヘテロポリ酸イオンと遷移金属塩とを水系媒体中で100℃以上で加熱処理した触媒を用いて芳香族カルボン酸を製造する方法が開示されている。特開平11−1447号にはヘテロポリ酸ないしその塩およびヘテロポリ酸に組み込まれていない遷移金属の存在下に水溶液中で芳香族カルボン酸を製造する方法が開示されている。しかしながら、これら公報に開示されている芳香族カルボン酸の製造に使用されるヘテロポリ酸触媒には、2欠損構造を有するヘテロポリ酸触媒の具体的開示はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、触媒として腐食性の臭素イオンを使わず、また酸化雰囲気でも分解せずに安定に、かつ再使用可能な触媒を使用して少なくとも一つのアルキル置換基を有する芳香族化合物を酸化して酸素を含有する芳香族化合物を製造する方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも一つのアルキル置換基を有する芳香族化合物の該アルキル基を、分子状酸素含有ガスで酸化するに際して、ヘテロ原子がリン、珪素、およびゲルマニウムから選ばれる少なくとも1種の元素であり、かつ、ポリ原子がモリブデン、タングステン、バナジウム、およびニオブから選ばれる1種以上の元素からなり、2欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオンと、周期律表のIB、VA,VIIA,およびVIII族の4〜6周期の元素の群から選ばれる少なくとも1種以上の元素とを含む触媒を用いて酸化する方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。本発明における触媒は、ヘテロ原子がリン、珪素およびゲルマニウムから選ばれる少なくとも1種の元素であり、かつ、ポリ原子がモリブテン、タングステン、バナジウム、およびニオブから選ばれる1種以上の元素からなり、2欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオンと、周期律表のIB、VA,VIIA,およびVIII族の4〜6周期の元素の群から選ばれる少なくとも1種の元素とを含む触媒である。周期律表のIB、VA,VIIA,およびVIII族の4〜6周期の元素の群から選ばれる少なくとも1種以上の元素のうち好ましい元素は、V,Mn,Fe,Co、Ni,Au等であり、特に好ましくはV,Auである。本発明における周期律表のIB、VA,VIIA,およびVIII族の4〜6周期の元素の群から選ばれる少なくとも1種の元素は触媒中に2欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオン骨格に少なくとも1部組み込まれていてもよいし、また組み込まれていなくてもよい。
【0007】
さらに、本発明においては、周期律表のIB、VA,VIIA,およびVIII族の4〜6周期の元素の群から選ばれる少なくとも1種の元素が2欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオンの骨格に組み込まれる場合は、2欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオンの1個当たり2個組み込まれる場合がより好ましく、さらには2個が互いに陵共有を形成するように組み込まれることがより好ましい。周期律表のIB、VA,VIIA,およびVIII族の4〜6周期の元素の群から選ばれる少なくとも1種の元素はヘテロポリオキソメタレートアニオン1分子当たり、0.001個以上存在させることが好ましい。
【0008】
ここで使われる2欠損構造部位を持つヘテロポリオキソメタレートアニオンの骨格は、ケギン型ヘテロポリ酸イオン構造である。この構造の一般式は
【0009】
【化2】
【0010】
(ここで、Yは珪素、ゲルマニウムおよびリンよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を表し、Mはモリブデン、タングステン、バナジウムおよびニオブよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を表し、qは元素Yや元素Mのイオンの価数により決まる正の整数を表す。)で表される。
【0011】
この構造式をわかり易くするために図1に示した。例えば、本発明に用いられる2欠損構造部位を持つヘテロポリオキソメタレートアニオンの調製は、水野等のJ.Am.Chem.Soc.1998,120,9267に記載されている方法で実施することができる。一般に、2欠損構造部位を有するケギン型ヘテロポリオキソメタレートアニオンには、γ型、δ型、ε型等の異性体が存在するが、本発明においては、好ましくはγ型である。この2欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオンの対カチオンには、例えば酸化反応を水媒体中で行なう場合には水に可溶なプロトン、Na,K,Rb等のアルカリ金属イオンが好ましく使用され、また有機溶媒中で反応が行なわれる場合にはテトラアルキルアンモニウムイオン、アルキル基で置換されたピリジウムイオン等が使用される。しかしながら、その選択に当たって制限はされない。
【0012】
また、2欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオン骨格に、周期律表IB、VA,VIIA,VIII族の4〜6周期の元素の群から選ばれた少なくとも1種の元素を組み込むにはヘテロポリオキソメタレートアニオンを溶媒に溶解後、周期律表IB、VA,VIIA,VIII族の4〜6周期の元素の群から選ばれた少なくとも1種の元素の化合物を加え熱処理をおこなうことも可能である。本発明における触媒の使用量は、触媒と反応基質とのモル比で表すなら1:1〜1:1,000,000の範囲が選ばれ、好ましくは1:10〜1:100,000の範囲が選ばれる。
【0013】
本発明において使用される反応基質には、少なくとも一つのアルキル置換基を有する芳香族化合物が使用される。アルキル基としては、通常炭素数1〜8程度のものを使用するが、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ−プロピル基等のアルキル基が挙げられる。芳香環にはナフタレン環のような多環式芳香族環も挙げられる。
【0014】
さらに、芳香族化合物には、窒素、イオウ元素を含むヘテロ元素含有芳香族化合物、例えばピリジン類化合物やチオフェン類化合物なども挙げられる。本発明は、またアルキル基以外にヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基などで更に置換されている芳香族化合物にも適用される。
【0015】
これらの出発原料としてはどのような方法で得られたものでも使用可能である。このような化合物として具体的には、トルエン、エチルベンゼン、エチルトルエン、ジエチルベンゼン、イソプロピルエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−プロピルベンゼン、4,4’−ジメチルビフェニル、クメン、ブチルベンゼン、4−t−ブチル−1−メチルベンゼン、3−エチルトルエン、4−エチルトルエン、クロロエチルベンゼン、ジクロロエチルベンゼン、ニトロエチルベンゼン、o−,m−,p−クレゾール、o−,m−,p−キシレン、o−,m−,p−ジイソプロピルベンゼン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、o−,m−,p−トルイル酸、o−,m−,p−トルアルデヒド、2,4−ジメチルベンズアルデヒド、2,4,5−トリメチルベンズアルデヒド、あるいはこれらの混合物などを挙げることができる。
【0016】
本発明により、得られる化合物である芳香族カルボニル化合物とは、芳香環に直接カルボニル基を有する芳香族化合物であり、具体的にはベンズアルデヒド、アセトフェノン、ヒドロキシベンズアルデヒド、カルボキシベンズアルデヒド、アセトキシベンズアルデヒドなどを挙げることができる。また本発明により、得られる化合物である芳香族カルボン酸とは、芳香環に直接カルボキシル基を少なくとも1個を含む芳香族化合物であり、具体的には安息香酸、テレフタル酸、ヒドロキシ安息香酸などを挙げることができる。
【0017】
なお、本願発明においては芳香環に付いたアルキル基を酸化してカルボキシル基にまで進行するにはそれに対応するカルボニル基を経由して進行すると推定される。例えばトルエン酸化においてはベンズアルデヒドを経由してさらに酸化されて安息香酸にまで進むと考えられる。
【0018】
本発明による酸化方法は、反応基質を触媒の存在下に分子状酸素含有ガスと接触させて行なわれる。反応は、触媒と反応物を典型的な溶媒に溶解させて液相均一系で行なうことができる。典型的な溶媒は水あるいは通常、反応に不活性な有機溶媒が使用される。もちろん水と有機溶媒の混合系ないしニ相系で反応を実施することも可能である。例えば酢酸、プロピオン酸などの有機酸、アセトニトリル、プロピオニトリル、べンゾニトリルなどのニトリル類、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、ベンゼン、ナフタリンなどの芳香族炭化水素、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、ニトロベンゼン、ニトロメタンなどのニトロ化合物、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ジメチルスルホオキシド、そしてこれらの混合物が溶媒として使用される。また基質が溶媒ともなりうる。反応基質以外の溶媒を使用する場合は、溶媒と反応基質との重量比は1:10〜1000:1の範囲で選ばれ、好ましくは1:1〜100:1の範囲から選ばれる。触媒は溶媒に溶解させずに液相に懸濁させることも可能であり、また触媒を固相とし、反応物をガス相とするいわゆる不均一反応系も可能である。例えば触媒は担体に坦持したり、それ自体固体として使用して、そこに反応基質を加えることも可能である。触媒用担体には各種イオン交換樹脂、シリカ、アルミナや他の酸化物といった一般的に不均一系接触反応に使われる担体が使用可能である。
【0019】
本発明で使用される分子状酸素含有ガスは特に限定はされない。純粋な酸素でも、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガスで希釈された酸素でもよい。空気が安全性、操作性、経済性から好ましい。分子状酸素含有ガスの使用量は反応原料基質や目的生成化合物の種類に応じて選択でき、基質1モルあたり分子状酸素として0.01モル以上、好ましくは0.1〜100モル、より好ましくは1〜50モルである。
【0020】
反応温度は50〜350℃の範囲である。より好ましくは100〜250℃、さらに好ましくは100〜220℃である。
【0021】
反応圧力は常圧でも加圧状態下でもよいが、通常は常圧〜10MPa、好ましくは常圧〜8MPaである。
【0022】
反応時間は反応温度、反応圧力、使用触媒の種類などに応じて選ばれるが、例えば10分〜100時間、好ましくは2〜48時間の範囲から選ばれる。
【0023】
反応液のpHは触媒の安定性を考慮するとき、その都度pH緩衝液等を使用してpH調整される。
【0024】
本発明により実施されて製造された酸素含有芳香族化合物はろ過、遠心分離、蒸留などの方法で分離精製される。目的とする酸素含有芳香族化合物を分離したあとの使用済み触媒を含む溶液は再度、場合によっては触媒を追加して再利用することができる。
【0025】
【実施例】
本願発明は実施例を示すことで、より具体的に示すが、これらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例は、本願発明の実施態様を説明している。
【0026】
2欠損構造型γ−ケイタングステン酸のカリウム塩(K8[γ−Si1W10O36]・12H2O)の調製
(1欠損構造型K8[β2−Si1W11O39]・14H2Oの調製)
ビーカにタングステン酸ナトリウム二水和物の182gと水300mlを仕込んだ。この液に攪拌しながら4mol/リットルの塩酸165mlを約10分かけて加えた。この反応液に別に100mlの水に溶解した珪酸ナトリウム九水和物14.2gの水溶液を加え、さらに4mol/リットル塩酸にてpH5〜6に保ちながら室温で15分間攪拌を続けて反応を完結させた。そこに塩化カリウム90gを添加して塩析を行なった。得られた白色固体をろ過して回収し、ろ過物を2mol/リットル−KCl水溶液100mlで洗浄し精製を行なった。この回収固形物を12時間風乾にて乾燥を行ない、1欠損構造型γ−ケイタングステン酸のカリウム塩(K8[β2−Si1W11O39]・14H2O)を得た。
【0027】
(2欠損型K8[γ−Si1W10O36]・12H2Oの調製)
上で得られた1欠損型K8[β2−Si1W11O39]・14H2O 30gを100mlの水に溶解させた。不溶解物があれば直ちにろ過して取り除いた。この液に2mol/リットル−K2CO3を添加し、pH9.1にすばやく調整した。このpH値を保ちながら16分攪拌を続けた。続いて塩化カリウム80gを加え塩析を行なった。この溶液をろ過し、ろ過物をさらに1mol/リットル−KCl100mlで洗浄し、12時間風乾して2欠損型K8[γ−Si1W10O36]・12H2Oを得た。
【0028】
触媒A(鉄元素で置換された2置換型ケイタングステン酸塩:[(C4H9)4N]3.5H2.5[γ−Si1W10{Fe(OH2)}2O38]・H2Oの調製]
2欠損型K8[γ−Si1W10O36]・12H2O 3.0gを30mlの水に溶解し、濃硝酸にてpHを3.9に調整後、5mlの水に硝酸第二鉄九水和物0.81gを溶解した水溶液を加え、5分間攪拌した。続いてテトラブチルアンモニウムナイトレート3.04gを加え、15分攪拌した。生成した白黄色固体を吸引ろ過、乾燥した。回収固体を15mlのアセトニトリルに溶解させ、300mlの水をゆっくり加え、攪拌しながら氷水に浸けて再結晶化を行なった。生成した黄褐色固体をろ別回収し、水50mlで2回洗浄を行なった後、吸引乾燥した。さらに、この再結晶操作をもう1度繰り返して触媒Aを得た(以下、該触媒をFe−POMと表記)。
【0029】
触媒B(Mn元素で置換されたγ−ケギン型2欠損ヘテロポリオキソメタレート化合物の調製)
2欠損型K8[γ−SiW10O36]・12H2O 3.0gをイオン交換水30mlに溶解し酸性とした後、硝酸マンガン(II)六水和物0.57g加え、攪拌の後、テトラブチルアンモニウムナイトレート4.1gを加えて沈殿物を得た。この沈殿物をろ過し、15mlのアセトニトリルに溶解し、次に300mlの水を加えて生成物を再沈殿させることを2回繰り返して精製し触媒Bを得た(以下、該触媒をMn−POMと表記)。
【0030】
触媒C(Co元素で置換されたγ−ケギン型2欠損ヘテロポリオキソメタレート化合物の調製)
触媒Aの調製において硝酸第二鉄九水和物に変えて硝酸コバルト(II)六水和物0.58gを使用した以外は触媒Aと同じ方法で調製した(以下、該触媒をCo−POMと表記)。
【0031】
触媒D(Co元素で置換されたγ−ケギン型2欠損ヘテロポリオキソメタレートのカリウム塩化合物の調製)
2欠損型K8[γ−Si1W10O36]・12H2O 3.0gを30mlの水に溶解し、濃硝酸にてpHを3.9に調整後、5mlの水に硝酸コバルト(II)六水和物0.58gを溶解させた水溶液を加え、5分間攪拌した。続いて塩化カリウム30gを加え、15分攪拌した。その後減圧濃縮して乾固した。得られた固形物を水100mlに溶解後、エーテルを加え沈殿物をろ過後減圧して固形物中のエーテルを除き、Co元素で置換されたγ−ケギン型2欠損ヘテロポリオキソメタレートのカリウム塩化合物を得た(以下、該触媒をCo−POM−Kと表記)。
【0032】
触媒E(Ni元素で置換されたγ−ケギン型2欠損ヘテロポリオキソメタレート化合物の調製)
触媒Aの調製において硝酸第二鉄九水和物に変えて硝酸ニッケル(II)六水和物0.58gを使用した以外は触媒Aと同じ方法で調製した(以下、該触媒をNi−POMと表記)。
【0033】
触媒F(V元素で置換されたγ−ケギン型2欠損ヘテロポリオキソメタレート化合物の調製)
2欠損型K8[γ−Si1W10O36]・12H2O 3.0gを1mol/リットル−HCl 11molに溶解し、濃硝酸にてpHを3.9に調整後、0.5mol/リットル−NaVO3溶液4.1mlを加え、5分間攪拌した。沈殿物をろ過後、続いてテトラブチルアンモニウムブロマイド2.654gを加え、15分攪拌した。生成した白黄色固体を吸引ろ過、乾燥した。回収固体を15mlのアセトニトリルに溶解させ、300mlの水をゆっくり加え、攪拌しながら氷水に浸けて再結晶化を行なった。生成した黄褐色固体をろ別回収し、水50mlで2回洗浄を行なった後、吸引乾燥した。さらに、この再結晶操作をもう1度繰り返して触媒Fを得た(以下、該触媒をV−POMと表記)。
【0034】
触媒G(Au元素で置換されたγ−ケギン型2欠損ヘテロポリオキソメタレート化合物の調製)
触媒Aの調製において硝酸第二鉄九水和物に変えて、5mlの水に塩化金酸四水和物0.82gを溶解させた水溶液を使用した以外は触媒Aと同じ方法で調製した(以下、該触媒をAu−POMと表記)。
【0035】
触媒H(鉄元素で置換された1置換型ケイタングステン酸塩:[(C4H9)4N]4.25H0.75[α−SiW11{Fe(OH2)}O39]の調製)
1欠損型K8[β2−SiW11O39]−14H2O32gを95℃に加熱した60mlの水に溶解し、この溶液に硝酸第二鉄九水和物4.1gを加えた。10分後溶液をろ過し、ろ液に100mlのメタノール−エタノール混合溶液(1:1)を加え、生成した沈殿をろ過により回収し、さらに水−メタノール混合溶液で精製することにより、K5[SiFe(OH2)W11O39]・14H2Oを得た。このカリウム塩2.5gの水溶液にテトラブチルアンモニウムブロマイド4.3gを加え生じた沈殿を、アセトニトリルに溶解し水で沈殿させる操作を繰り返し行なうことで精製し、鉄1置換型ケイタングステン酸塩[(C4H9)4N]4.25H0.75[α−SiW11{Fe(OH2)}O39]を得た(以下、該触媒を1−POM−Feと表記)。
【0036】
触媒I(鉄元素で置換された3置換型ケイタングステン酸塩:[(C4H9)4N]3.25H3.75[α−SiW9{Fe(OH2)}3O37]の調製)
≪3欠損構造型Na10[α−SiW9O34]・18H2Oの調製≫
タングステン酸ナトリウム二水和物182gと珪酸ナトリウム九水和物11gを85℃の熱水200mlに溶解し、30分攪拌した後に6mol/リットル−HCl 130mlを滴々加えた。そこで体積がおよそ300mlになるまで濃縮した後、ろ過した。このろ液に150mlの水に溶解した50gの無水炭酸ナトリウムの水溶液をゆっくり加え、3時間、攪拌を続けた。生成した白色沈殿物をろ過し、ろ過物を4mol/リットル−NaCl 1000mlに分散し、更に1時間攪拌を行なった。その後白色沈殿物をろ過後エタノール100mlで2回洗浄、更にエチルエーテル100mlで洗浄し3欠損構造型Na10[α−SiW9O34]・18H2Oを得た。
【0037】
6.8gのCH3COONa・3H2Oを100mlの水に溶解させ、そこに水50mlに溶解させた5.39gの硝酸第二鉄九水和物水溶液を加えた。そして70℃に加熱して、上記の方法で得た3欠損構造型Na10[α−SiW9O34]・18H2O 11.25gを1時間かけて加えた。続いて1時間攪拌の後、室温に冷却した。このようにして得た溶液をNa+型の陽イオン交換樹脂に3回通し黄褐色透明溶液に40mlの水に溶解したテトラブチルアンモニウムブロマイド16.8gの水溶液を加え室温で1時間攪拌後ろ過した。黄褐色回収固体を40mlのアセトニトリルに溶解させてそこに水500mlを加え、氷水浴中で1時間攪拌後ろ過して室温で一晩乾燥して鉄3置換型ケイタングステン酸塩[(C4H9)4N]3.25H3.75[α−SiW9{Fe(OH2)3}O37]を得た(以下、該触媒を3−POM−Feと表記)。
【0038】
実施例1
トルエンの酸化反応を行なった。溶媒としてジメチルスルホキシド5ml,1,2−ジクロロエタン1.5mlおよびアセトニトリル0.1mlの入った反応容器に1.5μmolの触媒Aとトルエン19mmolを加え、反応容器を0℃冷却し、次に気相部を純酸素で満たし、反応容器を密閉後180℃のオイルバスに浸けて激しく攪拌しながら24時間反応を行なった。そこで反応液を室温に下げて生成物を液体クロマトグラフィーにより分析した。その結果、仕込みトルエンに対してベンズアルデヒドの収率は0.6mol%であり、安息香酸の収率は2.7mol%であった。反応終了後に反応溶液中の有機物を減圧乾燥して取り除き、残さを触媒Aとして再利用し実施例2とした。その結果を、表1に示す。
【0039】
実施例2
実施例1の反応液を減圧乾燥して有機物成分を取り除き、残さを実施例1の触媒Aの代わりとし、さらに溶媒を、酢酸15mlとした以外は実施例1に従って反応を行なった。その結果を、表1に示す。このように触媒は再利用できることが分かった。
【0040】
実施例3
触媒として触媒Dを使用し、溶媒には水15mlを使用した以外は、実施例1にしたがってトルエン酸化反応を行った。その結果を、表1に示す。
【0041】
実施例4
触媒には1.5μmolの2欠損カリウム塩K8[γ−SiW10O38]12H2Oと硝酸第二鉄九水和物4μmolを使用し、溶媒として15mlの水のみを使用した以外は、実施例1にしたがって、トルエンの酸化反応を行った。その結果を、表1に示す。
【0042】
実施例5
触媒として触媒Cを使用した以外は、実施例1にしたがってトルエンの酸化反応を行った。その結果を、表1に示す。
【0043】
実施例6
触媒として触媒Eを使用した以外は、実施例1にしたがってトルエンの酸化反応を行った。その結果を、表1に示す。
【0044】
比較例1
触媒として触媒Aに代えて触媒Hを使用した以外は、実施例1にしたがって、トルエンの酸化反応を行った。その結果を、表1に示す。
【0045】
比較例2
触媒として触媒Aに代えて触媒Iを使用した以外は、実施例1にしたがって、トルエンの酸化反応を行った。その結果を、表1に示す。
【0046】
実施例7
反応基質であるトルエンに代えてp−クレゾールを使用し、触媒として触媒Fを使用した以外は、実施例1にしたがって、p−クレゾールの酸化反応を行った。その結果を、表1に示す。
【0047】
実施例8
反応基質であるトルエンに代えてエチルベンゼンを使用し、触媒として触媒Fを使用した以外は、実施例1にしたがって、エチルベンゼン酸化反応を行った。その結果を、表1に示す。
【0048】
実施例9
反応基質であるトルエンに代えてアセトキシトルエンを使用し、触媒として触媒Fを使用した以外は、実施例1にしたがって、アセトキシトルエン酸化反応を行った。その結果を、表1に示す。
【0049】
実施例10
反応基質であるトルエンに代えてp−トルイル酸を使用し、触媒として触媒Fを使用し、溶媒には水を使用した以外は、実施例1にしたがって、p−トルイル酸の酸化反応を行った。その結果を、表1に示す。
【0050】
実施例11
反応基質であるトルエンに代えてp−キシレンを使用し、触媒として触媒Fを使用した以外は、実施例1にしたがって、p−キシレンの酸化反応を行った。その結果を、表1に示す。
【0051】
実施例12
触媒として触媒Bを使用した以外は実施例11にしたがって、p−キシレンの酸化反応を行った。その結果を、表1に示す。
【0052】
実施例13
触媒として触媒Gを使用した以外は実施例11にしたがって、p−キシレンの酸化反応を行った。その結果を、表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】
本発明の方法は、少なくとも一つのアルキル基を有する芳香族化合物を、装置の腐食を伴わないでかつ最小限の触媒量で酸化することにより、有用な含酸素芳香族カルボニル化合物および/または芳香族カルボン酸を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 代表的な金属イオン2個で置換されたポリオキソメタレート[γ−SiW10{M}2O38]q-の分子構造を示す。Mは影をつけた八面体で示されている。WO6は白い八面体で示している。SiO2は中心の黒い四面体で示している。図中の数字はWnのnを表し、Wnはケギン構造中のWO6でIUPACに基づいた数を示す。
Claims (3)
- 少なくとも一つのアルキル置換基を有する芳香族化合物の該アルキル基を、分子状酸素を含有するガスにより酸化するに際して、ヘテロ原子がリン、珪素およびゲルマニウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、かつ、ポリ原子がモリブデン、タングステン、バナジウムおよびニオブよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素からなり、2欠損構造部位を有するヘテロポリオキソメタレートアニオンと、周期律表のIB,VA,VIIAおよびVIII族の4〜6周期の元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素とを含む触媒を用いることを特徴とする芳香族カルボニル化合物および/または芳香族カルボン酸の製造方法。
- 周期律表のIB,VA,VIIAおよびVIII族の4〜6周期の元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の2個がヘテロポリオキソメタレートアニオンの骨格に互いに陵共有を形成するように隣接して組み込まれることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
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